JP5765625B2 - ロングアーク型放電ランプ - Google Patents
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Description
その構造として、特開2006−134710号公報(特許文献1)に示されるような、封止部内に2枚の金属箔を備えた構造のものが知られている。
図において、ロングアーク型放電ランプ1の発光管2の両端部にはシュリンクシールされた封止部3が形成されており、この発光管2内には一対の電極4が配置されている。
該電極4の後端部4aは、上下部が平坦面形状となるように切削加工されていて、ほぼ角柱状となっている。
前記封止部3には、石英ガラス製の扁平状のスペーサガラス5が埋設され、該スペーサガラス5を挟むように、その上下面に一対の(2枚の)金属箔6、6が配置されている。
また、封止部3には、ガラス製の保持用筒体7が配置されていて、該保持用筒体7に電極4が挿通されおり、これによって該電極4が支持されている。
なお、金属箔6、6の後端には外部リード8が接続されている。
そして、紫外線を良好に放射するために、発光管2内には、水銀、鉄、タリウム等の金属が封入されている。
このような大型のロングアーク型放電ランプでは、電流値が20Aを超えるものがあり、金属箔を1枚だけ用いた封止構造では金属箔に大電流が流れて金属箔が溶断するなどの問題が発生するので、当該公報に記載されたような、スペーサガラスの両面に金属箔を用いた2枚箔構造の封止構造を有するものが使用されている。
つまり、定常点灯モードと待機点灯モードを切り替えて点灯する方式(所謂、フル・スタンバイ点灯方式)が多用されるようになってきている。
このスペーサガラスの破損について説明すると、図3(A)には、封止部3のX−X断面でのスペーサガラス5と金属箔6が示されている。図3(B)に示すように、封止部3の温度変動によって、金属箔6は厚さ方向に膨張したり(A)、収縮したり(B)を繰り返す。金属箔6はスペーサガラス5と溶着状態にあるので、この収縮時には、スペーサガラス5には引張応力Fが作用することになる。この引張応力Fはスペーサガラス5の両面で作用するので、該スペーサガラス5にはその厚さ方向に引張応力が作用し、スペーサガラス5は厚さ方向に引き剥がされて破損に至るものである。
また、前記ロングアーク型放電ランプは、定常点灯モードと待機点灯モードを切り換えて点灯され、定常点灯モード時の電流値が20A以上であることを特徴とする。
また、金属箔とスペーサガラスの密着性が高く、箔が剥がれて箔浮きしてしまうこともない。
本発明では、図1に示す、封止部内のスペーサガラスと金属箔の構造について、スペーサガラス5の厚さTg(mm)および、金属箔6の幅W(mm)と厚さTh(mm)の最適関係について以下に説明する。
図1において、スペーサガラス5は石英ガラス製であり、金属箔6はモリブデン製である。
つまり、スペーサガラス5と金属箔6は膨張係数が異なり、電力切り替えに伴い金属箔の温度が変化する。つまり、待機点灯モードになると金属箔に流れる電流値が小さくなり、金属箔が定常点灯モードの時より温度が低くなる。この結果、通常点灯時に膨張(A)していたものが、この待機点灯モード時には、金属箔6が収縮(B)する。この時、金属箔6とスペーサガラス5の表面は溶着しているので、スペーサガラス5の表面がそれぞれの金属箔6方向に引っ張られる。この結果、スペーサガラス5は内部中心より両方の箔方向に引っ張られる応力(F)が発生するが、W/Th≧114とすると、金属箔6の厚みThを小さくすることになり、その結果として、前記引張応力Fを十分に小さくすることができ、スペーサガラス5が破損するまでに大きさの応力とならないものである。
<ランプ仕様>
定格入力:24kW(ランプ電圧 900W、ランプ電流 26.7A)
発光長:1500mm
封入物質:水銀、ヨウ化鉄、希ガス
電力:定常点灯 18kW(ランプ電圧815W、ランプ電流22.1A)
待機点灯 12kW(ランプ電圧774W、ランプ電流16.1A)
(30秒毎に切り替えて点灯)
金属箔6の幅Wと厚さThを変えた場合のスペーサガラス5が破損した割合を示す実験1を行った。
スペーサガラス5が破損した割合は、シール部クラック発生率(%)で表現している。
また、それぞれのランプ群は同一構造のランプ20本の作成し、実験を行った。
実験1の結果を、下記の表1に示す。
<表1>
シュリンクシールによって封止部を形成する場合、封止部は円柱状になる。
封止部が円柱状となると、金属箔も幅方向で見ると円弧状の曲線状となっている。つまり、金属箔の幅が広くなる(金属箔の幅Wの値が大きくなる)と、シール加熱時に、金属箔の長手方向沿ってシワが発生しやすくなる。
つまり、W/Th≦444とすると、金属箔の厚さThに対して金属箔の幅Wを小さくすることになり、シュリンクシールによって封止部が円柱状になっても、金属箔の長手方向沿ってシワが発生しなくなる。
金属箔の幅W、金属箔の厚さThを変えた場合の封止部における金属箔のシワの発生割合を示す実験2を行った。
また、それぞれのランプ群は同一構造のランプ20本の作成し、実験を行った。
実験2の結果を、下記の表2に示す。
<表2>
通常、スペーサガラスの幅は、略金属箔の幅Wと同じであり、W×Tgの関係は、言い換えると、スペーサガラスの幅とスペーサガラスの厚さの関係を規定したことになる。
W×Tgは、略スペーサガラスの断面積のことであり、W×Tgが、13.6を超えるとスペーサガラスの断面積が大きくなり過ぎ、シール時にスペーサガラスの温度が十分に高くならず、スペーサガラスと金属箔が完全に密着せず、ランプ点灯中に金属箔がスペーサガラスから剥がれて箔浮きが発生する。
W×Tg≦13.6とすると、スペーサガラスの断面積を小さくすることができ、シール時にスペーサガラスの温度を十分に高くすることができ、スペーサガラスと金属箔を完全に密着することができる。
2 発光管
3 封止部
4 電極
4a 電極後端部
5 スペーサガラス
6 金属箔
7 保持用筒体
8 外部リード
Claims (2)
- 発光管の両端にシュリンクシールによる封止部が形成され、当該封止部内には石英ガラス製のスペーサガラスの両面にモリブデン製の金属箔を有し、該金属箔が電極に接合されてなるロングアーク型放電ランプにおいて、
前記金属箔の幅をW(mm)、厚みをTh(mm)とし、前記スペーサガラスの厚みをTg(mm)としたとき、
114≦W/Th≦444、かつ、8.5≦W×Tg≦13.6
の関係を満足することを特徴とするロングアーク型放電ランプ。
- 前記ロングアーク型放電ランプは、定常点灯モードと待機点灯モードを切り替えて点灯され、定常点灯モード時の電流値が20A以上であることを特徴とする請求項1に記載のロングアーク型放電ランプ。
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JP2011183301A JP5765625B2 (ja) | 2011-08-25 | 2011-08-25 | ロングアーク型放電ランプ |
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2011
- 2011-08-25 JP JP2011183301A patent/JP5765625B2/ja not_active Expired - Fee Related
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