JP5810491B2 - 流体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、脈動流体を噴射する流体噴射装置に関し、特に、微少量の生体組織を切開または切除することに好適な流体噴射装置に関する。
近年では、手術の際に、水や生理食塩水などの流体を加圧して術部に噴き付けることにより、流体の圧力によって生物組織を切除する手術手法が開発されている。こうした手術に用いる流体噴射装置では、ノズルの先端に設けられた噴射口から液体が噴射されるようになっており、操作者はノズルの噴射口を術部に向けて液体を噴射させることで、術部の生物組織を切除することが可能である。
生体組織を切開または切除する流体噴射装置としては、ポンプ室の容積を変更して流体の吐出動作を行うマイクロポンプと、マイクロポンプの出口流路に一方の端部が接続され、他方の端部が出口流路の直径よりも縮小された開口部(ノズル)が設けられた接続流路と、接続流路が穿設されマイクロポンプから流動される流体の脈動を前記開口部に伝達し得る剛性を有する接続管と、が備えられ、流体は脈動波群と休止部との繰り返しで流動され、高速で開口部から噴射される流体噴射装置というものが知られている。
脈動波群と休止部との繰り返しによる脈動とは、流体が噴射、停止の間歇的繰り返しによって流体が流動されることであり、即ち、圧電素子の駆動(脈動波群の駆動時間)、停止(休止部の時間)が間歇的に行われることで、脈動波群による駆動時に生体組織の切開が行われる。流体の噴射が脈動することによって、その脈動の衝撃圧が大きくなる。
従って、所定の周期で噴射圧力を高めることにより、連続流の切開に比べ切開能力を高めることができる(例えば、特許文献1)。
特開2005−152127号公報
しかしながら、特許文献1に記載の脈動波群と休止部との繰り返しによる脈動流体は、高い切開能力を確保するためには有効であるが、反面、微少深さ、もしくは微小領域の切除への適用は難しい。
また、特許文献1に記載の流体噴射装置では、脈動流体の噴射が終了した後も、流体噴射装置内に残った流体の一部が流体噴射口から放出され、素早く流体噴射口の向きを術部から逸らさない限り、術部にその流体が溜まり、切除すべき範囲の視認性が著しく低下し、切除すべき箇所に的確に脈動流体が噴射できているのか、または、脈動流体が切除に対してどの程度作用しているのかが不明確となり、所望の切除特性が満たされていない場合が生じている可能性がある。
また、術部に溜まった流体は、頻繁に吸引等により排出する事が必要となる。よって、排出すべき流体の周辺の正常な組織までも強く吸引してしまう可能性が高まり、正常な組織の損傷を招く危険性がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる流体噴射装置において、ダイアフラムを含む容積が変更可能な流体室と、前記流体室に連通する入口流路及び出口流路と、流体をパルス噴射する、出口流路の前記流体室に対して逆方向端部に設けられた流体噴射口と、前記入口流路に連通し、前記流体室に流体を供給する流体供給手段と、前記流体供給手段を制御する流体供給手段制御部と、前記流体室の容積を変更し脈動流体を発生させる容積変更手段と、前記容積変更手段に駆動信号を発信する容積変更手段制御部と、前記流体供給手段制御部および前記容積変更手段制御部に作動指令を発信する作動指令発信部と、前記流体供給手段から前記入口流路の間に少なくとも1つ備えられた第1流路切換手段と、前記出口流路から前記流体噴射口の間に少なくとも1つ備えられた第2流路切換手段と、前記第1流路切換手段と前記第2流路切換手段のそれぞれの動作を制御する流路切換手段制御部と、を備え、前記容積変更手段制御部は、前記作動指令発信部からの作動指令により、所定の駆動信号に基づいて前記容積変更手段を動作させ、前記容積変更手段は駆動開始から脈動を発生するまでの第1期間を除く第2期間に駆動され、流路切換手段制御部は、第1流路切換手段を前記第1期間内、もしくは前記第2期間に発生させる最終の脈動流体の噴射開始時に動作させ、第2流路切換手段を前記第1期間内、もしくは前記第2期間の最終の脈動流体の噴射終了時に動作させることを特徴とする。
本適用例によれば、脈動流体を発生させる容積変更手段に対し、その駆動信号が発信されると、流体供給部の駆動が開始されるため、容積変更手段による脈動流体の噴射が開始される以前の第1期間内に、流体を流体室へ供給することができる。
また、第1流路切換手段が流体室の入口流路側に、また第2流路切換手段が流体室の出口流路側のそれぞれに備えられ、容積変更手段の駆動状態に合わせて、それぞれの流路切換手段が動作される。つまり、容積変更手段による脈動流体の噴射が開始される以前の第1期間に、流体室を介して流体供給手段と流体噴射口が連通するように第1流路切換手段および第2流路切換手段が動作され、流体室が流体で満たされ、流体が流体噴射口から連続流として噴射される。
一方、容積変更手段による脈動流体の噴射を停止させる場合には、まず第1流路切換手段が、脈動流体が噴射されている第2期間の最終の脈動流体の噴射が開始された時間に動作され、流体室への流体の供給が止められる。その後、第2流路切換手段が、第2期間の最終の脈動流体の噴射が完了した時間に動作されて、流体噴射口から流体の流出が止められる。
これによって、容積変更手段が脈動流体を噴射する期間には十分な流体が供給され、安定した流体の噴射が可能となり、一方、容積変更手段が流体を噴射しない期間は、流体噴射装置からの流体の流出と不要な流体の供給を止める事ができるため、術部に流体が溜まり術部の視認性が低下することを防止できる。
さらには、術部に溜まる流体の量も少なくできるため、吸引による流体排出を頻繁に行う必要が無く、組織の損傷を招く危険性が低減できる。
また、流体噴射口への流体の流れを止める前に、流体の供給を止めているので、圧力室に圧力が過剰に高まる事はなく、ダイアフラムに過剰な負荷が作用することを回避できるため、ダイアフラムの損傷、すなわち流体噴射装置の破損を防止できる。
[適用例2]上記適用例に記載の流体噴射装置において、前記第1期間は、60秒以内であることが好ましい。
本適用例によれば、容積変更手段制御部が作動指令発信部からの作動指令を受信したタイミングから、容積変更手段が最初の脈動を発生するまでの第1期間を60秒以内に設定しているため、流体供給手段の動作を十分に安定させる事ができ、脈動、曲がり、切れ目等の無い安定した状態の連続流を流体噴射口から噴射でき、また、流体室が流体によって満たされる。
これによって、最初の脈動流体の噴射から安定した噴射を実現できるため、脈動波群が1波であっても、所望の切除能力を維持した噴射が実現でき、細かい切除能力の制御が可能となる。
また、連続流が噴射される方向を術部に合わせた後に、脈動流体を噴射させる事ができるため、脈動流体の噴射位置が切除部位から逸れることを回避でき、さらに脈動流体が噴射される前に連続流として噴射される流体の量を低く抑えられるため、切除前に術部が流体で埋まる事がなく、術部の視認性を良好とできるので、安全な、そして確実な切除が可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の流体噴射装置において、前記駆動信号は、単一の波形、もしくは複数の波形を含む脈動波群であることが好ましい。
本適用例によれば、本流体噴射装置では流体が脈動波群で噴射され、その脈動波の数は1波以上の任意の波数に設定することを可能としている。駆動波形の電圧値がある値を有する1波の脈動波と、その電圧値よりも低い電圧とした波形を基本として、複数の波形から構成した脈動波群のそれぞれが有する噴射1回当たりの流体のエネルギーを同等に合わせる事は容易に可能であるため、1波当たりの切除エネルギーが小さい波形を複数組み合わせることでもって、所望の切除エネルギーを得ることができる。
これによって、電圧値の高い基本波形から構成された脈動波1波で駆動するよりも、基本波形の電圧値を下げて、脈動波1波当たりの切除エネルギーが小さい波形を複数波並べた脈動波群で駆動する方が、脈動波1波当たりが周辺組織に与える負荷は低く抑えられ、より慎重な切除が望まれる部位に対しては、このような脈動波群の方が有効な駆動波形である。
[適用例4]上記適用例に記載の流体噴射装置において、前記作動指令発信部は、フットスイッチもしくは音声認識装置であることが好ましい。
本適用例によれば、脈動流体を噴射させるために、容積変更手段を作動させたい場合には、操作者が自らの意志によって、自らの脚でフットスイッチを踏むことで容積変更手段制御部に作動指令を発信できる、もしくは操作者の頭部又はその付近に配されたマイクに向かい、自らの意志によって、声を発することで容積変更手段制御部に作動指令を発信できるため、容積変更手段を作動させたい場合に、操作者が自らの手を使って作動信号を発信させたりする必要はない。
これによって、操作者は、手元に意識を集中させたまま、流体噴射装置を所望のタイミングで作動させる事ができ、切除ミスの無い安全、安心な操作が可能となる。
第1実施形態の流体噴射装置の構成および動作を示した説明図。 第1実施形態の容積変更手段に与えられる駆動信号の説明図。 第1実施形態の流体噴射装置の駆動信号の変形例の説明図。 第1実施形態の流体噴射装置の動作タイミングを示した説明図。 第1実施形態の流体噴射装置の動作を説明したフローチャート図。 従来の流体噴射装置の駆動信号の一例の説明図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
また、以下の説明で参照する図は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明による流体噴射装置は、細密な物体及び構造物の洗浄、手術用メス等様々に採用可能であるが、以下に説明する実施の形態では、生体組織を切開または切除することに好適な流体噴射装置を例示して説明する。従って、実施の形態にて用いる流体は、水または生理食塩水である。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の流体噴射装置の構成および動作の概要を示した説明図である。
図1(a)は流体噴射装置が脈動流体を噴射する前の流体流れの状態、図1(b)は流体噴射装置が脈動流体を噴射する時の流体流れの状態を示した代表図である。
図1(a)に示されているように、本実施形態の液体噴射装置では、生理食塩水や薬液などの液体が、貯められた流体容器1から、流体供給手段2によって搬送される。流体供給手段2は、流体供給手段制御部22が、作動指令発信部20からの作動信号を受信することによって駆動が開始される。
また、流体供給手段2と流体室5の入口流路11との間に第1流路切換手段3が配置され、流路切換手段制御部23によって切換動作がなされる。ここで、第1流路切換手段3の切換動作がなされていない場合には、流体供給手段2と入口流路11間の流路が連通されておらず、流体供給手段2によって搬送されてくる流体は、回収容器4へと搬送される。
なお、第1流路切換手段3には、電磁駆動方式の三方弁が有効であるが、流体供給手段2と入口流路11の流路を連通する機能と流路を遮断する機能の両機能が満たされていれば、複数の電磁弁を組み合わせた形態、もしくは電磁弁と圧力開放弁を組み合わせた形態でも構わない。ここで、圧力開放弁とは、流体供給手段2が流体を搬送することによって発生する流路内の圧力が所定の圧力よりも高い、すなわち流体が流体室5に流れなくなった状態を検知して、流路内の圧力を開放させるように動作する機能を有するものである。
また、流体室5は、筐体6の一部とダイアフラム7とによって囲まれた空間として形成される。流体室5には、容積変更手段9がダイアフラム7を介して接続されており、容積変更手段制御部21から容積変更手段9へ駆動信号が送信され、容積変更手段9が伸縮動作されることにより、ダイアフラム7が駆動され、流体室5内の容積を変化させることが可能となっている。
ここで、容積変更手段9としては、ピエゾ素子等の圧電材料が主に用いられる。なお、図1(a)の状態は、容積変更手段9に送信されている駆動信号の電圧がゼロの状態であるため、容積変更手段9は静止した状態である。
一方、図2(b)に示されているように、容積変更手段9が伸縮動作する、すなわち脈動流体が発生される状態では、流路切換手段制御部23によって、第1流路切換手段3と第2流路切換手段8の切換動作がなされ、流体供給手段2から流体噴射口10までが連通された状態である。
流体室5が、流体供給手段2によって供給された流体で満たされると、流体は、流体室5の出口流路12から流出し、出口流路12と流体噴射口10との間に備えられた第2流路切換手段8を通り、連続流として流体噴射口10から噴射される。
この状態において、容積変更手段9を伸長させて流体室5を圧縮すると、流体室5内の流体の圧力を高めることができる。この圧力により、流体室5内の流体は、出口流路12の方向に強く押し出され、その結果、流体噴射口10から勢いよく流体を噴射することが可能となる。
このようにして流体を噴射した後は、再び容積変更手段9を収縮させ(図1(a)の容積変更手段9の状態を参照)、その後に再び容積変更手段9を伸長させれば(図1(b)を参照)、流体を再び噴射することができる。
本実施形態の液体噴射装置では、このような動作を繰り返すことにより、流体滴を繰り返し勢いよく噴射することが可能となっており、勢いよく噴射された流体滴が対象に衝突する時の高い圧力を利用して、生物組織を切除する能力が高められている。
図2は、容積変更手段9に与えられる駆動信号の一例である。
駆動信号は、図2(a)のような電圧波形の一波を単位波としている。その単位波を駆動信号として容積変更手段9を伸縮動作させた場合、容積変更手段9により、流体室5を満たしている流体は、ダイアフラム7を介して押し引きされ、その結果、流体に脈を打つような動きが発生する。このような動きをする流体が脈動流体であり、脈動流体を発生させる単位波が脈動波である。
また、図2(b)のように、脈動流体を発生させる単位波を複数繋いだ電圧波形も駆動信号として適用可能である。この駆動信号は、これに含まれる単位波の回数分だけ、脈動流体を連続的に発生させることができ、この連続的な脈動流体を発生させる単位波の塊が脈動波群である。
作動指令発信部20から作動信号が発信されると、図2(b)に示したような脈動波群に基づいた駆動信号が、容積変更手段制御部21から容積変更手段9に発信されて、脈動流体が噴射される。
脈動波群の先頭には、脈動波が発生されないように、電圧値をゼロとした第1期間が設定されている。この脈動流体の噴射が開始される前の第1期間に、流体は連続流として流体噴射口10から噴射される。
このように、駆動信号の先頭に、脈動流体が発生されるまでの遅延時間を設けた事により、供給流体の不足によって、流体噴射装置が所望の脈動流体が噴射できない、さらには容積変更手段9として用いているピエゾ素子が破損する事を回避する事ができる。
また、連続流が流体噴射口10から放出される方向を利用して、脈動流体の噴射方向を、的確に術部に合わせる事が可能となり、切除部位のズレを防止できる。
また、このようにして狙いを定めた切除箇所に残っている切除残渣等を、脈動流体の噴射が開始される前に、術部に溜まった切除片等を連続流で洗い流すことにより、術部の視認性が十分に確保され、より正確、かつ安全な切除を行う事が可能となる。
ここで、本実施形態の流体噴射装置においては、従来の流体噴射装置とは駆動信号の制御方法が異なる。
図6は、従来の流体噴射装置で用いられていた駆動信号およびその制御について示した図である。従来の流体噴射装置では、作動指令発信部20から作動指令が発信されている時間が、連続した脈動波群の駆動時間である、もしくは作動指令が発信されている時間内において、脈動波群の駆動時間と休止部の時間が間歇的に繰り返される。
すなわち、作動信号が発信されている時間によって、流体噴射装置が発生させる切開能力が規定される。よって、微少深さまたは微小領域の切除を行うには、作動指令の発信時間を短くしなくてはならないため、操作者は作動指令発信部20を小刻みに動作させる必要があり、安定的に所定の短い時間で、脈動流体を噴射させる事は非常に困難である。
一方、本実施形態の流体噴射装置では、作動指令が発信されると、脈動波群の1回分の駆動が完了した時点で脈動流体の噴射は必ず停止される。よって、新たな作動信号が発信されない限り、脈動流体は噴射されない。
また、所定の脈動流体の噴射が完了しないうちに、作動指令発信部20を駆動させても作動信号は発信されない。さらに、作動信号を発信させる時間が短時間でも、もしくは脈動波群の1波群を超えるような時間であっても、容積変更手段9は脈動波群の1波群分の駆動しかされないので、作動指令発信部20をどのように操作しようとも、脈動波群の1波群のみの脈動流体の噴射しか行われない。これにより、微少深さまたは微小領域の切除が確保されるような制御が可能となっている。
図3(a)〜(c)は、本実施形態の流体噴射装置において、容積変更手段9に与えられる駆動信号の変形例を示しており、とりわけ、図3(c)は、微少深さ、もしくは微小領域での切除を実現する際に有効な駆動信号の一例である。
例えば、図3において、図3(a)の駆動信号の電圧値(V0)と図3(b)の駆動信号の電圧値(V1)を同じ値に設定した場合、図3(b)は図3(a)を3波繋げているため、約3倍の切除エネルギーを有することになる。
また、例えば、図3(c)のように、図3(a)の駆動信号の電圧値(V0)に対し、約1/3の電圧(V2)とした単位波を3波繋げた駆動信号では、単位波あたりの切除エネルギーを約1/3に下げても、その単位波によって発生される脈動流体を3回噴射させることができるので、図3(a)の駆動信号と同等の切除エネルギーを得ることができる。
図3(a)の駆動信号を適用した場合は、脈動流体1噴射あたりの切除エネルギーが大きい。結果、切除対象とする組織によっては、必要以上に大きく切開される、もしくは周辺の正常組織までも損傷させる危険性があるため、微少深さ、もしくは微小領域の切除には適さない場合がある。
一方、図3(c)に示したように、駆動信号の電圧値を下げ、脈動流体1噴射あたりの切除エネルギーを抑えて、脈動波数を増やした駆動信号を適用する場合は、術部組織を僅かずつ切除する事が可能であり、さらに、術部周辺組織への負荷や正常な組織の損傷等を抑えつつ、所定量の切除を確保できるので、微少深さ、もしくは微小領域の切除を実現できる。
以上のように、駆動信号を脈動波群で構成することにより、脈動流体の1噴射あたりの切除エネルギーが切除対象とする術部組織に適した、すなわち術部組織を切り過ぎない、もしくは術部組織周辺を痛めない適度な値となるように、任意に駆動信号の電圧値や脈動波数を設定する事ができ、電圧値と脈動波数を少なく設定するほど、より微少深さでの切除および微小領域の切除が可能となり、繊細な手術を実現できる。
図4は、第1実施形態の流体噴射装置の各機構の動作タイミングを説明した図であり、図5は、第1実施形態の流体噴射装置の動作を説明したフローチャート図である。
以降、図4および図5に図に基づいて、流体噴射装置の詳細な動作を説明する。
作動指令発信部20は、流体噴射装置の操作者自ら又は操作補助者が、流体噴射装置から脈動流体を噴射させようとする時に、容積変更手段制御部21に作動信号を発信する。作動指令発信部20にはフットスイッチや音声認識装置などを用いる事が可能である。
脈動流体を噴射させたい場合には、操作者が自らの意志によって、自らの脚でフットスイッチを踏むことで、容積変更手段制御部21に作動指令が発信される、もしくは操作者の頭部又はその付近に配されたマイクに向かい、自ら声を発することで容積変更手段制御部21に作動指令が発信されるので、この間、操作者が自らの手を使って作動信号を発信させるなどの必要はない。よって、操作者は、手元に意識を集中させたまま、流体噴射装置を所望のタイミングで作動させる事ができ、切除ミスの無い安全、安心な操作が可能となる。
作動指令発信部20を動作させると作動信号が発信され、その信号は流体供給手段制御部22および容積変更手段制御部21に送信される(ステップS100)。次に、流体供給手段が駆動状態であるか否かを判断する(ステップS121)。流体供給手段2が駆動状態でなければ、流体供給手段制御部22は、その作動信号に同期して作動信号を発信する(ステップS122)。そして、流体供給手段2は、流体供給手段制御部22の発信した作動信号によって、駆動を開始させる(ステップS123)。
なお、体供給手段が駆動状態であれば、後述するステップS110に進む。
ここで、流体供給手段2が安定的に一定量の流量を搬送できるようになるまでには、所定の待ち時間が必要である。先に述べたように、駆動信号では第1期間が設定されており、この期間内に流体供給手段2の動作を安定化させる。この第1期間は、60秒もあれば十分ではあるが、継続して、効率よく脈動流体の噴射を行うために、第1期間を流体供給手段2の動作を安定化させるのに最低限必要な時間に設定し、さらに、流体供給手段2を脈動流体の噴射が終了しても停止させないようにする。
このような動作制御によって、流体供給手段2の起動安定化に要する時間に配慮する必要が無くなり、いつでも安定した流体供給を開始できる状態を維持できるので、脈動流体を短期間で断続的に噴射させることが可能となる。
容積変更手段制御部21は、作動指令発信部20からの作動信号に同期して、予め用意された駆動信号によって駆動信号を発信する(ステップS110)。
次に、発信された駆動信号により容積変更手段9を駆動開始させる(ステップS111)。但し、予め用意された駆動信号には、第1期間が設けられているため、容積変更手段9の伸縮動作は直ぐには開始されない。
流路切換手段制御部23では、容積変更手段制御部21から容積変更手段9の駆動信号を受信し、その電圧情報を基に、容積変更手段制御部21から容積変更手段9の駆動信号が発信された時間T1、流路切換手段制御部23によって第1流路切換手段および第2流路切換手段が動作される時間T2、容積変更手段9の伸縮動作が開始される時間T3、容積変更手段9の最終の脈動が開始される時間T4および容積変更手段9の伸縮動作が完了される時間T5である、いわゆる制御時間が設定される(ステップS112)。
なお、上記の各時間T1〜T5の設定方法としては、容積変更手段制御部21から発信される様々な駆動信号に対する参照テーブルを用意し、さらに駆動信号にテーブル参照用のコード番号等を付与し、流路切換手段制御部23では、駆動信号のコード番号を基に参照テーブルを参照して、各時間T1〜T5を瞬時に設定する方法としても構わない。
容積変更手段制御部21から駆動信号が発信された時点T1では、第1流路切換手段3が動作されておらず、流体供給手段2から流体室5への流路が閉塞されているため、流体供給手段2によって搬送される流体は回収容器4へと送られる。
その後、流路切換手段制御部23によって、駆動信号の第1期間内の所定の時間T2に第1流路切換手段3と第2流路切換手段8が切換動作され、流体供給手段2から流体噴射口10までの流路が連通されて開通する(ステップS113)。
ここで、両流路切換手段を動作させる時間T2は、容積変更手段9の伸縮動作が開始される時間T3に対し、所定の時間だけ早い時間に設定することによって、最初の脈動流体が安定して噴射されるのに最低限必要な流体が、流体室に供給される。
その後、容積変更手段9によって脈動流体の噴射が開始され(ステップS114)、脈動波群の最終脈動波の駆動が開始される時間T4に、流路切換手段制御部23により第1流路切換手段3が切換動作されると、流体供給手段2と流体室の入口流路11の間の流路が遮断されることで閉塞し、流体は回収容器4へ送られる(ステップS115)。
ここで、最終の脈動が開始する時間T4では、既に流体室内は流体で満たされているので、この時間T4に流体供給を止めても、最終の脈動流体の噴射特性には全く影響が無く、所望の切除特性が確保できる。
その後、最終の脈動流体の噴射が完了した時間T5では、容積変更手段の駆動が終了し(ステップS116)、流路切換手段制御部23によって、第2流路切換手段8が切換動作され、流体室5の出口流路12から流体噴射口10の間の流路が遮断されることで流路が閉塞する(ステップS117)。
次に、切除操作を続けるか否かを判断し(ステップS118)、切除操作を続ける場合は、ステップS100に戻りフローを継続する。切除操作を続けない場合は、流体供給手段制御部22が、停止信号を発信し(ステップS119)、流体供給手段2の駆動が停止しする(ステップS120)。
なお、前述のように、最終の脈動が開始する時間T4で流体供給を停止しても、流体が有する慣性力によって、流体室5と第1流路切換手段3の間に残っている流体が流体室5に流れ込む。この流体は、切除に作用しない不要な流体であり、第2流路切換手段8との作用によって、流体噴射口10からの流出を止めることができるので、術部が流体で埋まることを回避でき、術部の視認性を確保できる。
また、流体の総吐出量を低減できるので、術部に溜まった流体の吸引回数が低減される。その結果、吸引による術部損傷が回避でき、安全な手術が可能となる。
ここで、第2流路切換手段8を動作させる時間については、最終の脈動流体の噴射が完了した時間T5に限らず、この時間よりも早い、最終の脈動流体の主滴が噴射された後に動作させれば、余分な流体の流出をさらに少なくする事ができる。
1…流体容器、2…流体供給手段、3…第1流路切換手段、4…回収容器、5…流体室、6…筐体、7…ダイアフラム、8…第2流路切換手段、9…容積変更手段、10…流体噴射口、11…入口流路、12…出口流路、20…作動指令発信部、21…容積変更手段制御部、22…流体供給手段制御部、23…流路切換手段制御部。

Claims (4)

  1. 流体室と、
    前記流体室に流体を供給するための入口流路と、
    流体噴射口を有し前記流体室から流体を噴射するための出口流路と、
    前記入口流路に連通し、前記流体室に流体を供給するための流体供給手段と、
    前記流体室の容積を変更可能な容積変更手段と、
    前記流体供給手段から前記入口流路の間の第一流路を開閉可能な第1流路切替手段と、
    前記出口流路から前記流体噴射口の間の第二流路を開閉可能な第2流体切替手段と、
    前記第1流路切替手段と、前記第2流路切替手段とを制御可能な流路切替手段制御部と、
    を備え、
    流体を噴射する期間において、前記第1流路切替手段により前記第一流路を連通させ、前記第2流路切替手段により前記第二流路を連通させ、
    流体の噴射を停止するとき、前記第1流路切替手段により前記第一流路を閉塞させた後、前記第2流路切替手段により前記第二流路を閉塞させること
    を特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記容積変更手段に駆動信号を発信する容積変更手段制御部と、
    前記容積変更手段制御部に作動指令を発信する作動指令発信部と、を有し、
    前記作動指令が発信されてから前記容積変更手段の動作が開始されるまでの第1期間は、60秒以内であることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 前記駆動信号は、単一の波形、もしくは複数の波形を含む脈動波群であることを特徴とする請求項2に記載の流体噴射装置。
  4. 前記作動指令発信部は、フットスイッチもしくは音声認識装置であることを特徴とする請求項2または3に記載の流体噴射装置。
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