JP6094643B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6094643B2
JP6094643B2 JP2015148368A JP2015148368A JP6094643B2 JP 6094643 B2 JP6094643 B2 JP 6094643B2 JP 2015148368 A JP2015148368 A JP 2015148368A JP 2015148368 A JP2015148368 A JP 2015148368A JP 6094643 B2 JP6094643 B2 JP 6094643B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
flow
pulse
continuous flow
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015148368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015186684A (ja
Inventor
小島 英揮
英揮 小島
瀬戸 毅
毅 瀬戸
泰弘 小野
泰弘 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2015148368A priority Critical patent/JP6094643B2/ja
Publication of JP2015186684A publication Critical patent/JP2015186684A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6094643B2 publication Critical patent/JP6094643B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、噴射口から液体を噴射する技術に関する。
近年では、手術の際に水や生理食塩水などの液体を加圧して術部に噴きつけることにより、液体の圧力によって術部を切開したり、血栓や腫瘍などの異物を除去する手術手法が開発されている。こうした手術に用いる液体噴射装置では、ノズルの先端に設けられた噴射口から液体が連続的に噴射されるようになっており、手術の際には執刀医がノズルを手にとって噴射口から噴射される液体を術部に吹き付けることで、術部を切開したり腫瘍などを切除することが可能である。
このような液体を連続的に噴射する液体噴射装置では、連続した液体の流れが障害物に当たると、いわゆるコアンダ効果によって、液体が障害物の表面を伝って障害物の向こう側(噴射口に面する側の反対側)に回り込むように流れる。このため、例えば血管や骨などの硬い組織を避けながら、向こう側にある組織を選択的に切開あるいは切除することが可能である。尚、液体噴射装置が有するこのような性質は、「選択切除性」と呼ばれることがある。
また、液体を連続的に噴射するのではなく、液体の噴射と停止とを繰り返すことで、液体の塊を断続的に噴射する(液体をパルス的に噴射する)技術も提案されている(特許文献1)。この提案の技術では、パルス的に噴射された液体の塊が衝突する時の衝撃力を利用して組織を切開あるいは切除することができるので、少ない噴射量でも大きな切除力を得ることが可能である。また、液体を断続的に噴射することから、噴射される液体の量を少なく抑えることができるので、噴射した液体が組織の周りに溜まって切開作業の邪魔になることを抑制することが可能である。
特開2009−039383号公報
しかし、提案されている技術のように液体をパルス的に噴射した場合、液体が連続した流れではなく、塊となって対象物に衝突することから、コアンダ効果が得られ難く、選択切除性が低下する傾向にあるという問題があった。このため、障害物の向こう側に噴流を回り込ませることが困難となり、その結果、選択切除性が低下する。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、パルス的に噴射した液体の衝撃力を利用して組織を切開あるいは切除可能としながらも、選択切除性を低下させることなく液体を噴射可能とする技術を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の液体噴射装置は次の構成を採用した。すなわち、
被切開対象の対象物に対して液体を噴射する液体噴射装置であって、
容積を変更可能な液体室と、
一端側が前記液体室に開口し、他端側には前記液体が噴射される噴射口が開口した噴射通路と、
前記液体室に連通する液体通路を介して該液体室に液体を供給する液体供給部と、
前記液体室の容積を減少させることで、該液体室内の液体を前記噴射口から噴射する液体噴射手段と
を備え、
前記液体噴射手段は、流速が一定の先行流と、該先行流に連続して該先行流よりも速い流速で噴射された本体流とを有する断続流の形態で、前記液体室内の液体を噴射する手段であることを要旨とする。
かかる本発明の液体噴射装置では、液体室に供給された液体を、一定流速の先行流に続けて先行流よりも速い流速の本体流を噴射することで、断続流の形態で噴射する。
先行流は一定の流速で流れるので、血管などの障害物にあたると、コアンダ効果により障害物の表面を伝って障害物の向こう側(流体噴射口に面する側の反対側)に回り込むように流れる。その先行流に連続させて本体流を噴射してやれば、本体流を先行流の流れを伝わせて障害物の向こう側に回り込ませることができるので、障害物を避けて術部を選択的に削除あるいは切開することが可能となる。また、本体流は先行流を伴っているものの、先行流よりも速い流速で噴射され、しかもその先行流および本体流を含む液体の塊が断続的に噴射されるので、術部に衝撃力を与えることが可能である。これにより、液体の衝撃力を用いて術部を切開あるいは切除可能としながらも、選択切除性を低下させることなく液体を噴射することが可能となる。
また、上述した本発明の液体噴射装置では、液体室に一定の流量で液体を供給するものとしてもよい。
液体室は噴射通路を介して噴射口に接続されているので、液体室に液体を一定の流量で供給してやれば、噴射口から液体が一定の流速で噴射されるので、先行流を形成することができる。その状態で液体室の容積を減少させれば、先行流に連続して先行流よりも速い流速で噴射される本体流を形成することができる。更に、本体流として噴射された液体は慣性を有しているから、本体流を噴射すると本体流の後ろの部分で液体がちぎれて自然と断続流が形成される。したがって、液体室に一定の流量で液体を供給しておけば、単に液体室の容積の減少および復元を繰り返すだけで、先行流とそれに連続する本体流とを有する断続流の形態で液体を噴射することが可能となる。
尚、液体室に供給する単位時間あたりの流量は、単位時間あたりに本体流として噴射する液体量よりも多いことが望ましい。こうすれば、本体流を噴射する前に安定した先行流を形成することが可能となる。
本実施例の液体噴射装置の装置構成を示した説明図である。 本実施例の液体噴射装置に備えられた噴射機構の詳細な構成を示した説明図である。 本実施例の液体噴射装置を用いて液体を噴射する様子を示した説明図である。 本実施例の液体噴射装置によってパルス流の選択切除性が向上する様子を概念的に示した説明図である。 ピエゾ素子および供給ポンプの動作を制御する様子を示した説明図である。 パルス流を噴射した後にピエゾ素子を元の状態にゆっくりと戻す様子を示した説明図である。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.液体噴射装置の装置構成:
B.本実施例の液体噴射方法:
C.変形例:
A.液体噴射装置の装置構成 :
図1は、本実施例の液体噴射装置の装置構成を示した説明図である。図示されている様に、本実施例の液体噴射装置10は、生理食塩水や薬液などの液体が貯められた液体タンク150と、液体タンク150の液体を吸い上げる供給ポンプ140と、供給ポンプ140から供給された液体を加圧して流路管120に送り出す噴射機構100などから構成されている。噴射機構100によって加圧された液体は、流路管120を通って流路管120の先端に設けられた噴射口130に達し、噴射口130から噴射される。こうして噴射された液体を術部に当てることにより、液体の圧力によって術部を切開あるいは切除することが可能である。
図2は、本実施例の液体噴射装置に備えられた噴射機構の詳細な構成を示した説明図である。図2(a)に示されている様に、噴射機構100は、供給ポンプ140によって液体が供給される供給流路106と、供給ポンプ140から供給された液体が充填される加圧室102と、加圧室102から流路管120に向かって液体が押し出される噴射流路108などから構成されている。加圧室102には、膜部材112(いわゆるダイアフラム)を介してピエゾ素子110が接続されており、ピエゾ素子110に電圧を印加してピエゾ素子110を伸縮させることにより、膜部材112を駆動して加圧室102内の容積を変化させることが可能となっている。
本実施例の液体噴射装置10は、こうした構成を用いて液体を次の様に噴射することが可能である。まず、図2(a)に黒色の矢印で示されている様に、供給ポンプ140を駆動して加圧室102に液体を供給し、加圧室102の中を液体で満たす。次いで、図2(b)に白抜きの矢印で示されている様に、ピエゾ素子110を伸長させて加圧室102を圧縮する。加圧室102には噴射流路108と供給流路106との2つの流路が接続されているが、これらの流路は狭く形成されているので、ピエゾ素子110で加圧室102を圧縮することで加圧室102内の液体の圧力を十分に高めることが可能である。こうして高めた圧力により、加圧室102内の液体は噴射流路108の方向に強く押し出され、その結果、噴射流路108に接続された噴射口130から液体を高い流速で噴射することが可能となる。
また、加圧室102内の液体は、噴射流路108だけでなく供給流路106にも押し出されるが、流路への液体の流れ込み易さは、流路の長さや流路の断面積等によって定まるので、供給流路106および噴射流路108の長さや断面積を適切に設定すれば、供給流路106に流れ込む液体の量を噴射流路108に流れ込む液体の量よりも少なく抑えることが可能である。このため、加圧室102で加圧した液体の大半を噴射流路108に押し出して、噴射流路108に接続された噴射口130から高い速度で噴射することが可能である。
液体滴を噴射した後は、伸長させたピエゾ素子110を元の状態に戻すとともに加圧室102内に液体を供給し(図2(a)を参照)、その後にピエゾ素子110を伸長させれば(図2(b)を参照)、液体滴を再び噴射することができる。こうした動作を繰り返すことにより、高速な液体滴を繰り返し噴射することが可能である。尚、本実施例では、このように加圧室102内の液体を加圧することで噴射される高速な液体滴をパルス流と呼ぶものとする。
こうしたパルス流を用いれば、液体が速い速度で噴射されることから、生体の術部に高い衝撃力を与えて術部を効率よく切除あるいは切開することが可能である。また、液体を断続的に噴射することから、噴射される液体の量を少なく抑えることが可能であり、このため、噴射した液体が術部に溜まって術部が見え難くなる等の不都合を回避することも可能である。
もっとも、前述した様に、このようなパルス流では、液体が塊の状態で対象物に当たることから、障害物の表面に沿う液体の流れが生じ難い(いわゆるコアンダ効果が得られ難い)。このため、液体を連続的に噴射した場合のように、血管や骨などの障害物を迂回して向こう側(噴射口に面する側の反対側)の組織を選択的に切除することが困難となる傾向がある。こうした点に鑑みて、本実施例の液体噴射装置では、パルス流を次のように噴射することにより、パルス流による高い切除能力を得ながらも、コアンダ効果を生じさせて選択切除性を向上させている。
B.本実施例の液体噴射方法 :
図3は、本実施例の液体噴射装置を用いて液体を噴射する様子を示した説明図である。図3(a)に示されている様に、液体を噴射する際には、まず供給ポンプ140を駆動して加圧室102に液体を供給する(図3(a)の黒色の矢印を参照)。ここで、通常のパルス流を噴射するのであれば、パルス流の液滴に相当する量の液体を加圧室102に供給すればよい。しかし、本実施例では、パルス流の液滴に相当する液体量よりも多くの液体を加圧室102に供給する。すなわち、パルス流の液滴に相当する量の液体を供給すると直ちにピエゾ素子110を駆動するのではなく、そのまま液体の供給を続ける。こうすると、加圧室102内に収まらない液体が流路管120に押し出されるので、結果として、パルス流の液体量よりも多く供給した分の液体を噴射口130から連続的に噴射することができる(図中に「連続流」と示した箇所を参照)。
こうして噴射口130から連続的な液体の流れ(連続流)を噴射したら、今度は、連続流を噴射した状態のまま、ピエゾ素子110を駆動してパルス流を噴射する。すると、連続流にすぐに続いてパルス流が噴射されるので、図3(b)に示されている様に、パルス流が連続流に連なった状態で噴射される。
ここで、パルス流は、加圧室102を加圧して発生させた高い圧力によって噴射されるので、連続流よりも速い流速で噴射される。このため、噴射されたパルス流は、連続流を後方から押し潰しながら(あるいは押し除けながら)連続流の先頭に向かって進んでいく(図3(c)を参照)。そして、パルス流よりも先に術部に到達している連続流の先端部分までパルス流が進み、パルス流が術部に当たる。このように、パルス流は高い圧力によって噴射されることから、前方の連続流を押し潰しながら(あるいは押し除けながら)速い流速で術部に到達することが可能であり、このため、パルス流を連続流に連ねて噴射しても、パルス流を単独で噴射した場合と同等の高い衝撃力を術部に与えることが可能である。
このように、本実施例の液体噴射装置10は、まず連続流を噴射し、その連続流に続けてパルス流を噴射する。こうすると、パルス流を連続流に沿って進ませることが可能となり、その結果、パルス流の衝撃力によって高い切除力を発揮しながらも、選択切除性を向上させることが可能となる。この点について、図4を用いて説明する。
図4は、本実施例の液体噴射装置によって、パルス流の選択切除性が向上する様子を概念的に示した説明図である。図4(a)に示されている様に、まず連続流を噴射すると、コアンダ効果によって連続流が血管の表面に沿って流れる。次いで、図4(b)に示されている様に、パルス流を連続流に連ねて噴射する。すると、連続流は血管の表面に沿って流れているので、パルス流が連続流に沿って進むことにより、パルス流も血管の表面に沿って流れていく。そして、図4(c)に示されている様に、パルス流が血管の向こう側の術部に到達して術部に衝撃力を与える。このように、パルス流を連続流に連ねて噴射してやれば、パルス流を連続流に沿って血管の向こう側に回りこませることができるので、血管を避けて術部を選択的に切除することが可能となる。
尚、パルス流が連続流に沿って進むのは、次の理由からと考えられる。すなわち、液体には粘性があるので、連続流とパルス流との間には、互いに引き寄せあう力が働く。このため、パルス流は、先に形成された連続流の流れに引き寄せられながら進むことになり、その結果として、連続流に沿って進むものと考えられる。
この様に、本実施例の液体噴射装置では、パルス流の前に連続流を噴射することで血管等の障害物の表面に沿う連続流の流れを形成しておき、パルス流を連続流に連ねて噴射することで、連続流の流れに沿ってパルス流を進ませる。これにより、血管等の障害物を避けて障害物の向こう側にある術部にパルス流を当てることが可能となり、その結果、パルス流による高い切除力を得ながらも、血管等を避けて血管の向こう側の組織を切除する選択切除性を得ることを可能としている。
尚、ピエゾ素子110および供給ポンプ140は、パルス流を連続流に連ねて噴射可能であれば、どのように動作させてもよいが、簡単には、以下のように動作させればよい。
図5は、ピエゾ素子および供給ポンプの動作を制御する様子を示した説明図である。図5(a)には、供給ポンプ140が加圧室102に単位時間当たりに供給する液体の量を制御する様子が示されている。図示されている様に、供給ポンプ140を動作させる際には、供給ポンプ140の単位時間あたりの液体供給量をほぼ一定に保つように動作させる。例えば、遠心ポンプやチューブポンプ等のモーターの回転力によって液体を供給するポンプを用いる場合には、モーターに一定の電力を印加すればよい。一方、ピエゾ素子110については、図5(b)に示されている様に、パルス流を噴射する期間(図5(b)に「パルス流」と示した期間を参照)だけ一時的に電圧を印加して動作させる。
こうすると、ピエゾ素子110に電圧を印加しない間は、供給ポンプ140から供給された液体を噴射口130から連続流として噴射することが可能であり(図5(b)に「連続流」と示した期間を参照)、なおかつ、ピエゾ素子110に電圧を印加するタイミングで連続流の噴射に続けて直ちにパルス流を噴射できるので、パルス流を連続流に確実に連ねて噴射することが可能となる。また、パルス流は速い流速で噴射されるので、パルス流を噴射すると、流路管120内の液体の一部(噴射口130の近傍の液体)が、パルス流に引きずられて噴射口130から飛び出し、流路管120内の液体の流れが途切れる。このため、供給ポンプ140が加圧室102に液体を供給し続けても、液体の供給によって噴射される連続流が先に噴射したパルス流に連なって噴射されてしまうことはない。したがって、連続流と、連続流に連なるパルス流とからなる前述した形態(図3を参照)で液体を噴射することが可能である。
供給ポンプ140およびピエゾ素子110をこのように動作させれば、パルス流を噴射するタイミングでピエゾ素子110に電圧を印加するだけでよいので、連続流とパルス流とを容易に噴射することが可能となる。加えて、供給ポンプ140は一定の供給量で動作させるだけでよいので、供給ポンプ140の制御も容易である。また、このことから、供給ポンプ140やピエゾ素子110の制御回路が複雑化することがないので、液体噴射装置10の装置構成を簡素に保つことが可能となる。
尚、パルス流の液体量は、ピエゾ素子110が加圧室102から押し出す液体の量によって決まるので、ピエゾ素子に印加する電圧(図5(b)に黒色の矢印で示された電圧を参照)を制御してピエゾ素子の伸縮量を制御すれば、パルス流の液体量を制御することが可能である。こうすれば、切開あるいは切除する対象に応じて、適切な液体量のパルス流を噴射することが可能である。
また、パルス流と連続流とを噴射する間に供給ポンプ140によって供給される液体の量は、図5(a)にハッチングを付して示した部分の面積に対応する。そこで、ハッチングを付した部分の面積が、パルス流の液体量よりも大きくなるように、供給ポンプ140の単位時間あたりの液体供給量(図5(a)のグラフの縦軸方向の値)を設定しておく。こうすれば、供給ポンプ140の供給量がパルス流の液体量を上回った分を連続流として噴射することができるので、連続流を確実に噴射することが可能である。連続流が噴射されていない状態でパルス流を噴射すると、パルス流は血管等の障害物の向こう側に回りこむことが困難なので、血管等の表面に当たって飛散することで術部に不要な液体が溜まってしまったり、場合によっては、血管等を傷つけてしまう虞がある。この点、連続流を確実に噴射すれば、パルス流を連続流に確実に連ねた状態で噴射することができるので、術部に不要な液体が溜まったり血管等を傷つける虞を回避することが可能となる。また、供給ポンプ140が供給する液体量がパルス流の液体量を上回るように供給ポンプ140の単位時間あたりの液体供給量(図5(a)のグラフの縦軸方向の値)を設定した場合、供給ポンプ140が供給する液体量とパルス流の液体量との差が、連続流の液体量になる。したがって、供給ポンプ140の単位時間あたりの供給量(図5(a)のグラフの縦軸方向の値)を制御することによって、連続流の液体量を容易に制御することが可能である。
尚、連続流の液体量(あるいは供給ポンプ140の供給量)は、パルス流の液体量に基づいて定めるものとしてもよい。例えば、パルス流の液体量と連続流の液体量との比率を定めておき、パルス流の液体量から、その比率に基づいて連続流の液体量を定める。こうすれば、パルス流の液体量に応じて適切な量の連続流を噴射することができるので、適切な量の連続流にパルス流を連ねて噴射することで、パルス流をより確実に連続流に沿って進ませることが可能となり、その結果、選択切除性をより確実に得ることが可能となる。尚、連続流の液体量は、多くても、パルス流の液体量の5倍から10倍程度に留めておくことが好ましい。こうすれば、過大な量の液体が噴射されてしまうことがないので、術部に多量の液体が溜まる事態を回避して術部の視界を確保することが可能である。
また、このようにパルス流の液体量に基づいて連続流の液体量(あるいは連続流の液体量の上限)を定めるのではなく、連続流の長さ(パルス流を噴射するタイミングでの噴射口130から連続流の先端までの長さ)に基づいて定めるものとしてもよい。前述した様に、連続流は血管等の障害物の表面に沿わせて術部に到達させるが、連続流が短すぎると術部に到達させることが困難となり、逆に、連続流が長すぎると、余分な液体が術部に溜まってしまう虞がある。そこで、必要な長さだけ連続流を噴射できるように連続流の液体量(あるいは供給ポンプ140の供給量)を定めれば、液体を術部に確実に届かせるとともに、術部に液体が溜まって術部の視界が妨げられる虞を回避することが可能となる。更に、供給ポンプ140の供給量を調整可能にすることが望ましい。これにより、連続流の長さを適宜変更できるので、術部の状態や使用方法に合わせて適切な選択切除性を得ることができる。
C.変形例 :
以下では、上述した実施例の変形例について説明する。尚、変形例の説明では、上述した実施例と同様の構成については、実施例と同様の符号を付すと共に、その詳細な説明を省略する。
上述した実施例では、パルス流を噴射すると、伸長させたピエゾ素子110を直ちに元の状態に戻すものとして説明した(図3(c)を参照)。しかし、ピエゾ素子110をゆっくりと元の状態に戻すことも可能である。
図6は、パルス流を噴射した後にピエゾ素子を元の状態にゆっくりと戻す様子を示した説明図である。図6(a)に示されている様に、ピエゾ素子110に電圧を印加してパルス流を噴射した後に、ピエゾ素子110に印加した電圧を緩やかに元の電圧まで降下させる。前述した様に、ピエゾ素子110の伸縮量はピエゾ素子110に印加する電圧によって制御することができるので、電圧を緩やかに降下させれば、ピエゾ素子110をゆっくりと元の状態に戻すことができる。
ここで、パルス流を噴射した後は次のパルス流を噴射するために再び連続流を噴射する必要があるが、図6(b)に示されている様に、ピエゾ素子110が元の状態に戻る間に供給ポンプ140から液体を供給してやれば、ピエゾ素子110が元の状態に完全に戻っていなくても、噴射口130から連続流を噴射することが可能である。また、前述した様に、パルス流を噴射すると、流路管120内の液体の一部がパルス流に引きずられて噴射口130から飛び出すので、噴射口130から噴射される液体の流れが一旦途切れる。このため、ピエゾ素子110が元の状態に完全に戻る前に加圧室102に液体を供給しても、連続流がパルス流に連なって噴射されてしまうことはない。こうした理由から、ピエゾ素子110をゆっくりと元の状態に戻す場合でも、前述した実施例と同様に、連続流と、連続流に連なるパルス流とからなる一連の形態(図3を参照)で液体を噴射することが可能である。
また、ピエゾ素子110や膜部材112には、加圧室102を急激に加圧して高い圧力を発生させる都合上、急激な力がどうしても加わる。この点、ピエゾ素子110を元の状態にゆっくりと戻せば、少なくともピエゾ素子110が元の状態に戻る際については、ピエゾ素子110や膜部材112に急激な力が加わる事態を回避することが可能である。このため、ピエゾ素子110や膜部材112に加わる負荷を軽減させて、ピエゾ素子110や膜部材112の寿命を長期化することが可能となる。
以上、本実施例の液体噴射装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例および変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
10…液体噴射装置、100…噴射機構、102…加圧室、106…供給流路、108…噴射流路、110…ピエゾ素子、112…膜部材、120…流路管、130…噴射口、140…供給ポンプ、150…液体タンク。

Claims (4)

  1. 液体供給手段と、
    前記液体供給手段から液体が供給される加圧室と、
    前記加圧室と接続された噴射口と、
    前記加圧室内の液体の圧力を変化させ、前記噴射口から液体をパルス状に噴射するための液体噴射機構と、を含み、
    前記液体供給手段を駆動させることによって前記液体を前記噴射口から連続流として噴射させた後に前記液体噴射機構を駆動させることで、前記連続流に連なるパルス流を噴射させる場合、前記パルス流の流速が前記連続流の流速よりも速く、前記パルス流が前記連続流を押し潰しながらまたは押し除けながら移動する、液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
    前記パルス流と前記連続流とを噴射する間に前記液体供給手段から前記加圧室に向けて供給される液体の量が、前記パルス流の液体量よりも多い
    、液体噴射装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体噴射装置であって、
    生体組織に対して前記連続流が到達した後、前記パルス流が到着するように前記液体噴射機構及び前記液体供給手段を駆動させる、液体噴射装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置であって、
    前記液体噴射機構は、伸長した場合に前記加圧室内の液体を加圧可能なピエゾ素子を有し、
    前記ピエゾ素子を伸長させる場合の時間よりも前記ピエゾ素子を縮小させる場合の時間が長くなるような電圧を前記ピエゾ素子に印加する、液体噴射装置。
JP2015148368A 2015-07-28 2015-07-28 液体噴射装置 Active JP6094643B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015148368A JP6094643B2 (ja) 2015-07-28 2015-07-28 液体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015148368A JP6094643B2 (ja) 2015-07-28 2015-07-28 液体噴射装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014096578A Division JP5790832B2 (ja) 2014-05-08 2014-05-08 液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015186684A JP2015186684A (ja) 2015-10-29
JP6094643B2 true JP6094643B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=54429281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015148368A Active JP6094643B2 (ja) 2015-07-28 2015-07-28 液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6094643B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5322504A (en) * 1992-05-07 1994-06-21 United States Surgical Corporation Method and apparatus for tissue excision and removal by fluid jet
JP2003111766A (ja) * 2001-10-03 2003-04-15 Sparkling Photon Inc 噴流生成装置
JP4378937B2 (ja) * 2002-06-03 2009-12-09 セイコーエプソン株式会社 ポンプ
JP3793132B2 (ja) * 2002-09-17 2006-07-05 防衛庁技術研究本部長 ウォータージェットメス
JP5115088B2 (ja) * 2007-08-10 2013-01-09 セイコーエプソン株式会社 手術具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015186684A (ja) 2015-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4788809B2 (ja) 流体噴射方法
JP4666094B2 (ja) 脈流発生装置および医療機器、脈流発生装置の制御方法
JP5862020B2 (ja) 流体噴射装置
JP5655316B2 (ja) 流体噴射装置及び手術機器
JP5614170B2 (ja) 液体噴射装置、および液体噴射装置を用いた手術用器具
CN104068914A (zh) 流体喷射装置及医疗设备
JP5549175B2 (ja) 手術機器
JP2011143145A (ja) 液体噴射装置
JP6094643B2 (ja) 液体噴射装置
JP2011067491A (ja) 流体噴射装置
JP5790832B2 (ja) 液体噴射装置
JP5987277B2 (ja) 液体噴射装置用制御装置及び液体噴射装置
JP5838635B2 (ja) 液体噴射装置用制御装置
JP5810491B2 (ja) 流体噴射装置
JP5741140B2 (ja) 液体噴射装置
JP5858126B2 (ja) 液体噴射装置
JP5585713B2 (ja) 流体噴射装置
JP5887820B2 (ja) 液体噴射装置
JP5212440B2 (ja) レーザーパルスメスおよび医療機器
JP5408324B2 (ja) 流体噴射装置および医療機器
JP5549489B2 (ja) 流体噴射方法
JP6222322B2 (ja) 医療機器
JP5773039B2 (ja) 制御装置、流体噴射装置及び流体噴射方法
JP5907203B2 (ja) 流体噴射機構用ノズル部、流体噴射装置および手術装置
JP5773032B2 (ja) 流体噴射装置用制御装置および手術用メス

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150824

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170130

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6094643

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150