JP5809914B2 - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents
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Description
かかる逆浸透膜は、非常に微細な細孔を有しており、性能を維持するためには原水(被処理水)を、まず、精密濾過膜(MF膜)や限外濾過膜(UF膜)等の各種濾過材を備えた濾過装置によって濾過処理(前濾過処理)してから、RO膜で処理することが行われている。
かかる水処理装置は、前濾過ユニットで濾過された処理水を、逆浸透膜ユニット側へ移送して膜分離して透過水を得る一連の水処理を単一容器内で行うものである。
さらに、このような逆洗浄をより効果的に行なうために、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤を含む洗浄液を用いた薬品洗浄を行う場合がある。
前記酸化剤を含む洗浄水を用いた場合には、濾過材に付着した有機物等を効果的に除去することが可能となる。
そのため、逆浸透膜ユニットと前濾過ユニットとを同一容器内に収容した水処理装置においては前濾過ユニットの逆洗浄が難しく、前濾過ユニットは一定期間使用した後には、新しいものと交換しなければならず、その結果、装置のメンテナンスのコストが高くなる。
かかる状態で、直結部へ洗浄水を導入すると、逆浸透膜ユニット側へ洗浄水が前記直結部から流入することなく、前濾過ユニット側へ洗浄水を導入する逆洗が可能になる。
また、本発明における前濾過とは、逆浸透膜濾過よりも粗い濾過、即ち、逆浸透膜分離の前に実施され、逆浸透膜で分離するものよりも粗い微粒子、懸濁物等を除去することを意味する。
また、本発明における外装体は、同一の容器であってもよく、あるいは分割された各部材が連結された形態であってもよく、内部に連続した空間である同一収容部が備えられた外装体を意味する。
一方、前記前濾過ユニットは薬品洗浄することで前濾過ユニットを長期間使用することが可能となる。
よって、薬品洗浄液で前濾過ユニットを洗浄する場合に本発明を適用することで、前濾過ユニットを長期間使用することができると同時に、逆浸透膜ユニットを損傷するおそれが少なくなる。
本実施形態の水処理装置10は、被処理水を濾過材で前濾過して処理水を得る前濾過ユニット1と、
前記前濾過ユニット1で得られた処理水を逆浸透膜で透過水と濃縮水に膜分離する逆浸透膜ユニット2と、
前記前濾過ユニット1と前記逆浸透膜ユニット2とを接続し、前記前濾過ユニット1で得られた処理水を前記逆浸透膜ユニット2へ移送する直結部3と、
前記前濾過ユニット1と、前記直結部3と、前記逆浸透膜ユニット2とを同一収容部内に収容する外装体と、
前記逆浸透膜ユニット2から排出される透過水を移送する透過水移送経路4と、
前記逆浸透膜ユニット2から排出される濃縮水を移送する濃縮水移送経路5と、
前記透過水移送経路4及び前記濃縮水移送経路5を開閉する移送経路開閉手段V1,V2とが備えられ、
前記直結部3に洗浄水を導入する洗浄水導入口3bが備えられている。
また、MFエレメント100の形状としては、直径数mmの中空糸状に形成されたいわゆる中空糸膜などと呼ばれるタイプのものや、該中空糸膜よりも径の太い数cm程度の太さを有するいわゆるチューブラー膜と呼ばれるタイプのもの、さらには、使用時に内部にメッシュ等の支持材が配された状態で平板状で用いられる封筒状のいわゆる平膜と呼ばれるもの等従来公知の形状を採用することができる。
前記被処理水導入口14には、前記被処理水導入経路31が接続されている。
前記MF濃縮水排出経路33および前記返送路34にはそれぞれ開閉手段としての開閉弁V4、V5が取り付けられている。
前記被処理水導入経路31および前記逆洗水排出経路32にはそれぞれ開閉手段としての開閉弁V7,8が取り付けられている。
前記開閉弁V7,8によって、前記被処理水導入経路31および前記逆洗水排出経路32は、被処理水導入経路31から被処理水を前濾過ユニット1に導入する流れと、前記前濾過ユニット1から逆洗浄水を排出する流れとを切り替え可能に構成されている。
前記直結部3は、前記洗浄水導入口3bに前記洗浄水導入経路7が接続されて内部へ洗浄水を導入するように、構成されている。
前記洗浄水導入経路7には開閉手段としての開閉弁V6が取り付けられている。
薬品洗浄液としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム等の精密濾過膜の有機物等を除去可能な酸化剤を含むものが好ましい。
前記洗浄水排水経路17には開閉手段としての開閉弁V10が取り付けられており、前記洗浄水排水経路17は、前記洗浄水導入経路7の開閉弁V6と前記開閉弁V10とを開閉することによって前記直結部3へ洗浄水を導入する流れ7aと、排水を排出する流れ7bとが切り替え可能に構成されている。
また、ROエレメントの形状としては、一枚の逆浸透膜がスペーサーと共にロール状に巻かれて形成されたスパイラル膜、中空糸膜等従来公知の形状を採用することができる。
前記濃縮水移送経路5と前記逆浸透膜洗浄水導入経路6とを切り替えるべく、前記逆浸透膜洗浄水導入経路6には導入経路開閉手段V3としての開閉弁V3が取り付けられている。
また、前記ポンプP2は、前記透過水槽50から前記洗浄水導入経路7および前記逆浸透膜洗浄水導入経路6に透過水を導入可能に構成されている。
《前濾過工程》
まず、被処理水を、前記前濾過ユニットによって濾過して処理水を得る前濾過工程について説明する。
前記原水槽30から前記ポンプP1によって被処理水を、開閉弁V7を開いて前記被処理水導入経路31を介して移送し、前記被処理水導入口14から前記前濾過ユニット1内へ導入する。
前記MFエレメント100を被処理水が通過する際に被処理水中の懸濁物等は前濾過され、MFエレメント100を通過した処理水は、MFエレメント100の上端から前記集水管13へ集水される。
懸濁物を含む排水は、開閉弁V4を開いて、前記MF濃縮水排出経路33を介して排出される。
次に、前記前濾過ユニット1で得られた処理水を前記逆浸透膜ユニット2へ移送する工程について説明する。
移送工程では、前記前濾過工程でMFエレメント100で前濾過された処理水を前記集水管13を介して前記直結部3へ移送する。
一方、前記逆浸透膜ユニット2内では、膜分離によって透過水および濃縮水の排出側への流れが生じる。
従って、前記前濾過ユニット1から直結部3への流れが生じ、さらに、前記逆浸透膜ユニット2内では、直結部3と連通している処理水導入口18において、直結部3側から透過水および濃縮水の排出側への流れが生じる。
よって、かかる流れによって、処理水を前記直結部3から前記逆浸透膜ユニット2へ移送することができる。
逆浸透膜分離工程では、前記逆浸透膜ユニット2に移送された処理水を、前記ROエレメント200によって透過水と、濃縮水に分離する膜分離を実施する。
まず、前記処理水導入口18から逆浸透膜ユニット2に導入された処理水を、ROエレメント200に供給し、該ROエレメント200によって、透過水と濃縮水とに膜分離する。
ROエレメント200によって分離された透過水を、開閉弁V1を開いて前記透過水排出口20から前記透過水移送経路4を介して排出し、前記透過水槽50へ送る。
一方、ROエレメント200によって分離された前記濃縮水を、開閉弁V2を開いて前記濃縮水排出口21から前記濃縮水移送経路5を介して排出し、前記排水経路16へと移送し、水処理装置外へ排出する。
この逆浸透膜分離工程では、前記濃縮水移送経路5からの濃縮水の排出の流路が開放されているため、前記逆浸透膜洗浄水導入経路6に取り付けられた開閉弁V3は閉じておく。すなわち、逆浸透膜洗浄水を導入する経路は閉じた状態である。
本実施形態の水処理方法においては、前記逆浸透膜ユニット2を洗浄する逆浸透膜洗浄工程を必要に応じて実施してもよい。
逆浸透膜洗浄工程は図3(b)に示すような流れで実施する。
逆浸透膜洗浄工程では、前記逆浸透膜ユニット2の前記透過水移送経路4及び前記濃縮水移送経路5に取り付けられた開閉弁V1,2を閉じて、逆浸透膜ユニット2から透過水および濃縮水の排出を停止しつつ、前記逆浸透膜洗浄水導入経路6に取り付けられた開閉弁V3を開く。
すなわち、透過水および濃縮水の排出経路を閉じて、逆浸透膜洗浄水の導入経路を開ける。
一方、前記洗浄水導入経路7に取り付けられた前記開閉弁V6を閉じて、前記直結部3へ洗浄水を導入する流れ7aを閉じ、前記排水経路16側へ接続された前記洗浄水排水経路17の開閉弁V10を開くことで、前記直結部3から排水を排出する流れ7bを形成する。
ROエレメント200を洗浄した洗浄水は、前記直結部3の前記洗浄水導入口3bから排出し、開閉弁V10を開いて流路7bによって前記洗浄水排水経路17から排水経路16へ排出する。
次に、前記前濾過ユニットの洗浄工程を実施する場合について図3(c)に従って説明する。
前記逆浸透膜ユニット2の前記透過水移送経路4及び前記濃縮水移送経路5に取り付けられた開閉弁V1,2を閉じて、逆浸透膜ユニット2から透過水側および濃縮水側への水の流れを停止しておく。
前記洗浄水導入経路7では、透過水は前記薬品洗浄液と混合される。該薬品洗浄液と混合された洗浄水を前記直結部3へ導入する。
従って、前記直結部3に導入された薬品洗浄水が混合された洗浄水は、集水管13へ流れ、さらに前濾過ユニット1の被処理水導入口14側へMFエレメント100を逆洗浄しながら流れる。
MFエレメント100を逆洗浄した洗浄水は、前記被処理水導入口14から逆洗水排出経路32をとおり、前記排水経路16へ流れる。
かかる場合には、前記薬品洗浄液供給経路8からの薬品供給は行わずに、前記洗浄工程と同様に前記透過水槽50から透過水を前記直結部3に導入することで、前濾過ユニット1に残留する薬品洗浄液を洗い流すことができる。
本実施形態においては、図4(b)に示すような前記前濾過ユニットを空気洗浄する空気洗浄工程を必要に応じて実施してもよい。
空気洗浄工程は、前記前濾過ユニット1の被処理水導入口14から、前濾過ユニット1内に、エアを吹き込むことで実施する。
前記エア導入路35を介して、前記前濾過ユニット1の被処理水導入口14からエアを前記前濾過ユニット1内に導入する。
前記前濾過ユニット1内ではエアによって、MFエレメント100を揺動させて、MFエレメント100表面に付着した懸濁物を除去でき、かかる懸濁物は、開閉弁V4を開いて、前記MF濃縮水排出経路33から排出される。
本実施形態においては、図4(c)に示すような前記前濾過ユニットをフラッシングする工程を必要に応じて実施してもよい。
フラッシングを行なう場合には、原水槽30から処理水をフラッシング用経路31aを経て被処理水導入経路31に導入させる。
この場合、被処理水の流速が通常の被処理水の流速よりも早くなるように調節する。
前記前濾過ユニット1をフラッシングした洗浄水は、前記空気洗浄後と同様に、開閉弁V4を開いて、前記MF濃縮水排出経路33から排水経路16に排出する。
前記実施形態のように、逆浸透膜で処理した水は脱塩水であるため前濾過ユニット、逆浸透膜ユニットの洗浄水として使用するのに適している。
要は、逆浸透膜ユニットの濃縮水排出側に濃縮水を移送する経路と逆浸透膜洗浄水を導入する経路とが切り替え可能に接続されていればよい。
要は、直結部に洗浄水を導入する経路と、洗浄水を排出する経路とが切り替え可能に接続されていればよい。
要は、前濾過ユニットの被処理水導入側に、被処理水を導入する経路と、逆洗洗浄水を排出する経路とが切り替え可能に接続されていればよい。
Claims (11)
- 被処理水を濾過材で前濾過して処理水を得る前濾過ユニットと、
前記前濾過ユニットで得られた処理水を逆浸透膜で透過水と濃縮水に膜分離する逆浸透膜ユニットと、
前記前濾過ユニットと前記逆浸透膜ユニットとを接続し、前記前濾過ユニットで得られた処理水を前記逆浸透膜ユニットへ移送する直結部と、
前記前濾過ユニットと、前記直結部と、前記逆浸透膜ユニットとを同一収容部内に収容する外装体と、
前記逆浸透膜ユニットから排出される透過水を移送する透過水移送経路と、
前記逆浸透膜ユニットから排出される濃縮水を移送する濃縮水移送経路と、
前記透過水移送経路及び前記濃縮水移送経路を開閉する移送経路開閉手段と、
が備えられ、
前記直結部に洗浄水を導入する洗浄水導入口が備えられていることを特徴とする水処理装置。 - 前記移送経路開閉手段は、洗浄水を導入する前に前記透過水移送経路及び前記濃縮水移送経路を閉鎖可能に構成されている請求項1に記載の水処理装置。
- 前記逆浸透膜ユニットの濃縮水を排出する濃縮水排出側に接続された逆浸透膜洗浄水を導入する逆浸透膜洗浄水導入経路と、
前記逆浸透膜洗浄水導入経路を開閉する導入経路開閉手段とが備えられている請求項1または2に記載の水処理装置。 - 前記前濾過ユニットに、精密濾過膜が備えられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水処理装置。
- 前記洗浄水導入口に接続された洗浄水導入経路と、
前記前濾過ユニットを洗浄可能な薬品を前記洗浄水導入経路に供給する薬品洗浄液供給経路とが備えられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水処理装置。 - 前記洗浄水導入経路に前記逆浸透膜ユニットで分離された透過水を供給する手段が備えられている請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水処理装置。
- 前記逆浸透膜洗浄水導入経路に前記逆浸透膜ユニットで透過された透過水を供給する手段が備えられている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の水処理装置。
- 前記請求項1乃至7のいずれか一項に記載の水処理装置を用いて行なう水処理方法であって、
前記前濾過ユニットで前濾過して処理水を得る前濾過工程と、
前記直結部を介して移送された処理水を前記逆浸透膜ユニットで透過水と濃縮液とに膜分離する逆浸透膜分離工程と、
前記前濾過ユニットへの被処理水の導入を停止して前記濾過材を洗浄する洗浄工程とを実施する水処理方法であって、
前記洗浄工程が、前記逆浸透膜ユニットからの透過水および濃縮水の排出を停止しつつ、前記直結部に洗浄水を導入し、前記直結部から前記前濾過ユニットへ洗浄水を導入する工程であることを特徴とする水処理方法。 - 前記洗浄工程で、前記逆浸透膜ユニットの濃縮水の排出側から逆浸透膜洗浄水を前記逆浸透膜ユニットに導入する請求項8に記載の水処理方法。
- 前記洗浄水として前記逆浸透膜ユニットで分離された透過水を用いる請求項8または9に記載の水処理方法。
- 前記逆浸透膜洗浄水として前記逆浸透膜ユニットで分離された透過水を用いる請求項8乃至10のいずれか一項に記載の水処理方法。
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