JP5808646B2 - 環状シラン中間体の製造方法および環状水素化シランもしくは環状有機シランの製造方法 - Google Patents

環状シラン中間体の製造方法および環状水素化シランもしくは環状有機シランの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シクロヘキサシラン等の環状水素化シランもしくは環状有機シランをシランガスや有機モノシランの副生を伴わず簡便な装置で効率よく得ることができる環状シラン中間体の製造方法に関するものである。
太陽電池、半導体等の用途に薄膜シリコンが用いられており、この薄膜シリコンは、従来、モノシランを原料とする気相成長製膜法(CVD法)によって作製されている。近年、該CVD法に代わって、環状水素化シランを用いた新たな製法が注目されている。この製法は、水素化ポリシラン溶液を基材に塗布、焼成する塗布製膜法(液体プロセス)であり、前記水素化ポリシラン溶液の調製原料としてシクロペンタシランが使用されている。シクロペンタシランは市販されており、UV照射によって水素化ポリシランとなることが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、シクロペンタシランは、その製造に高価な禁水試薬を用いる多段階合成や精製工程が必要であるため、非常に高価である。
そこで本発明者らは、シクロペンタシランの代替材料としてシクロヘキサシランに着目した。シクロヘキサシランは、トリクロロシランとN、N、N’、N’’、N’’−ペンタエチルジエチレントリアミン(ペデタ(pedeta))等の第三級ポリアミンとからテトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩を調製し、該テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩に金属水素化物還元剤を接触させて還元する方法で製造できることが知られている(特許文献1)。
特許第4519955号公報
T.Shimoda et. al.,"Solution-processed silicon films and transistors",Nature,2006,vol.440,p.783
しかしながら、上記特許文献1に記載された合成法によれば、還元反応の際に、テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩のカチオン部分に由来してシランガスが副生することがあった。反応中にシランガスが生じると、発生したシランガスへの対策が必要になり、装置が複雑かつ大型化したり、工程が煩雑になったりするという問題を招くことになる。また、上記特許文献1に記載の方法で得られたテトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオンの塩にグリニャール試薬や有機リチウム試薬を接触させてアルキル化もしくはアリール化して環状有機シランを得ようとした場合にも、有機モノシランが生成する。この有機モノシランがガス状である場合には、上記と同様の問題が生じることになり、また有機モノシランがガス状でなかったとしても、精製工程が複雑化し、やはり工程が煩雑になるという問題を招くことになる。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、還元によりシランガスや有機モノシランの副生を伴うことなく環状水素化シランもしくは環状有機シランを得ることができる環状シラン中間体の製造方法と、該環状シラン中間体を用いた環状水素化シランもしくは環状有機シランの製造方法とを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来の第三級ポリアミンに代えて、アンモニウム塩をハロシラン化合物と反応させることで得られる生成物であれば、還元に供した際にシランガスを発生することなく環状水素化シランに変換でき、アルキル化もしくはアリール化に供した際には有機モノシランを生成することなく環状有機シランに変換できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の環状シラン中間体の製造方法は、ハロシラン化合物を、アンモニウム塩と反応させる工程を含むことを特徴とする。ここで、前記反応は塩基性化合物の存在下で行うことが好ましい。また前記アンモニウム塩は下記一般式(i)で示される塩であることが好ましい。
Figure 0005808646
(式(i)中、R1〜R4は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示し、Xは1価のアニオンを示す。)
本発明の環状水素化シランの製造方法は、前記本発明の製造方法で得られた環状シラン中間体を還元する工程を含むことを特徴とする。前記還元工程においては、アルミニウム系還元剤およびホウ素系還元剤からなる群より選ばれる1種以上を還元剤として用いることが好ましい。
本発明の環状有機シランの製造方法は、前記本発明の製造方法で得られた環状シラン中間体をグリニャール試薬、有機リチウム試薬からなる群より選ばれる1種以上でアルキル化もしくはアリール化する工程を含むことを特徴とする。
本発明の環状シラン中間体の製造方法によれば、従来の第三級ポリアミンに代えて、アンモニウム塩をハロシラン化合物と反応させるので、得られる環状シラン中間体を還元に供した際にシランガスの副生を伴うことがなく、またアルキル化もしくはアリール化に供した際にも有機モノシランを生成することがない。これにより、従来、環状水素化シランや環状有機シランの製造で行われていたシランガス対策や有機モノシラン対策が不要になり、簡便な装置で効率よく環状水素化シランや環状有機シランを製造することができる。
(環状シラン中間体の製造方法)
本発明の環状シラン中間体の製造方法(以下「中間体の製造方法」と称する)は、ハロシラン化合物を、アンモニウム塩と反応させる工程を含む。この工程においてハロシラン化合物はアンモニウム塩の存在下で環状にカップリングして、ハロゲン化環状シランジアニオンを含む化合物となる(以下、当該工程における反応を「カップリング反応工程」と称する)。このハロゲン化環状シランジアニオンを含む化合物は、還元により環状水素化シランに変換されうる中間体(環状シラン中間体)であり、またグリニャール試薬や有機リチウム試薬により環状有機シランに変換されうる中間体(環状シラン中間体)である。
前記ハロシラン化合物としては、例えば、トリクロロシラン、トリブロモシラン、トリヨードシラン、トリフルオロシラン等のトリハロゲン化シラン;ジクロロシラン、ジブロモシラン、ジヨードシラン、ジフルオロシラン等のジハロゲン化シラン;テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシラン、テトラフルオロシラン等のテトラハロゲン化シラン;等を用いることができ、これらの中でもトリハロゲン化シランが好ましく、特に好ましくはトリクロロシランである。
前記アンモニウム塩は、第4級アンモニウム塩であればよく、下記一般式(i)で示される塩が好ましく挙げられる。
Figure 0005808646
(式(i)中、R1〜R4は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示し、Xは1価のアニオンを示す。)
前記R1〜R4の例であるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロへキシル基等の炭素数1〜16のアルキル基が好ましく挙げられ、R1〜R4の例であるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜18程度のアリール基が好ましく挙げられる。これらの中でもR1〜R4としては、ブチル基(Bu)、フェニル基(Ph)が特に好ましい。また、R1〜R4は各々異なっていてもよいが、全て同じ基であることが好ましい。
前記式中、Xで示される1価のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(Cl、Br、I等)、ボレートイオン(BF4 -等)、リン系アニオン(PF6 -等)等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易さの観点からは、Cl、Br、Iが好ましく、Clが特に好ましい。
アンモニウム塩は1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アンモニウム塩の使用量(合計使用量)は、ハロシラン化合物1モルに対して、0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、より好ましくは0.05モル以上0.4モル以下、さらに好ましくは0.1モル以上0.3モル以下である。アンモニウム塩が少なすぎると、ハロシラン化合物が未反応となり、環状シラン中間体の収率が低下する虞があり、一方、多すぎると、環状シラン中間体の純度が低下する虞がある。
前記カップリング反応工程において、反応は塩基性化合物の存在下で行うことが好ましい。塩基性化合物としては、特に制限されないが、(モノ−、ジ−、トリ−、ポリ−)アミン化合物が好ましく、中でもモノアミン化合物が特に好ましい。具体的には、例えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソペンチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチル−2−エチルヘキシルアミン、ジイソプロピル−2−エチルヘキシルアミン、メチルジオクチルアミン等が好ましく挙げられる。なお塩基性化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩基性化合物の使用量(合計使用量)は、その種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えばモノアミン化合物であれば、ハロシラン化合物1モルに対して、0.10モル以上1.2モル以下が好ましく、より好ましくは0.20モル以上1.0モル以下、さらに好ましくは0.40モル以上0.80モル以下である。塩基性化合物が少なすぎると、ハロシラン化合物が未反応となり、環状シラン中間体の収率が低下する虞があり、一方、多すぎると、環状シラン中間体の収率低下や純度低下を引き起こす虞がある。
前記カップリング反応は、必要に応じて有機溶媒中で実施できる。この有機溶媒としては、カップリング反応を妨げない溶媒が好ましく、例えば、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等)、エーテル系溶媒(例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル等)、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が好ましく挙げられる。これらの中でも、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素化炭化水素系溶媒が好ましく、特に1,2−ジクロロエタンが好ましい。なおこれら有機溶媒は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、通常、ハロシラン化合物の濃度が0.5mol/L以上10mol/L以下となるように調整することが好ましく、より好ましい濃度は0.8mol/L以上8mol/L以下、さらに好ましい濃度は1mol/L以上5mol/L以下である。
前記カップリング反応工程における反応温度は、反応性に応じて適宜設定でき、例えば0〜120℃程度、好ましくは15〜70℃程度である。また該カップリング反応は、実質的に無水条件下で行うことが望ましく、例えば、乾燥ガス(特に不活性ガス)雰囲気下で行うことが推奨される。
前記カップリング反応で生じた環状シラン中間体は、ろ過等により反応液から容易に単離できる。
本発明の中間体の製造方法で得られる環状シラン中間体は、原料とするハロシラン化合物の種類等により異なるが、ハロシラン化合物のケイ素原子が3〜8個(好ましくは5個または6個、特に6個)連なって形成された環を含む化合物または塩であり、この環構造を形成するシラン原子以外にシラン原子を含まないものとなる。このように環化していないシラン原子を含まないことにより、環状シラン中間体は還元やアルキル化もしくはアリール化した際にもシランガスや有機モノシランを生成することがない。前記環は複数のハロゲンとともにイオン化して対イオンと塩を形成していてもよいし、複数のハロゲンとともに中性化した化合物となっていてもよい。例えばハロシラン化合物としてトリクロロシランを用いた場合、6個のケイ素原子数からなる環(6員環)がジアニオンとして形成され、アンモニウム塩形成しているカチオンを対イオンとした塩が得られる。具体的には、ハロシラン化合物としてトリクロロシランを用い、前記アンモニウム塩として前記式(i)中のX-が塩素イオン(Cl-)である化合物を用いた場合には、下記式(ii)のようにテトラデカクロロシクロヘキサシラン・ジアニオン([Si6Cl14 2-])と、アンモニウム塩由来のカチオンとからなる塩が環状シラン中間体となる。またハロシラン化合物としてトリクロロシランを用い、前記アンモニウム塩として前記式(i)中のX-が臭化物イオン(Br-)である化合物を用いた場合には、下記式(iii)のようにテトラデカハロシクロヘキサシラン・ジアニオン([Si614 2-];ここで、Y=Cl又はBr)と、アンモニウム塩由来のカチオンとからなる塩が環状シラン中間体となる。
Figure 0005808646
Figure 0005808646
(環状水素化シランまたは環状有機シランの製造方法)
本発明の環状水素化シランの製造方法は、前記本発明の製造方法で得られた環状シラン中間体を還元する還元工程を含む。この還元工程においてハロゲン化環状シランジアニオンを含む環状シラン中間体を還元すると、シランガスを副生することなく環状水素化シランを得ることができる。
前記還元工程において用いることのできる還元剤としては、特に制限されないが、アルミニウム系還元剤、ホウ素系還元剤からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。アルミニウム系還元剤としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の金属水素化物等が挙げられる。ホウ素系還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリエチルホウ素リチウム等の金属水素化物や、ジボラン等が挙げられる。例えばシクロヘキサシランのような水素化シラン化合物を得ようとする場合には、還元剤として金属水素化物を用いればよい。なお還元剤は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
本発明の環状有機シランの製造方法は、前記本発明の製造方法で得られた環状シラン中間体をアルキル化またはアリール化する工程を含む。このようなケイ素上への有機基導入工程において、例えばハロゲン化環状シランジアニオンを含む環状シラン中間体をアルキル化またはアリール化すると、有機モノシランを副生することなく、ドデカメチルシクロヘキサシランのような環状有機シランを得ることができる。
前記アルキル化またはアリール化する工程において用いることのできるアルキル化剤もしくはアリール化剤としては、特に制限されないが、グリニャール試薬、有機リチウム試薬からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。グリニャール試薬としては、臭化メチルマグネシウムの如きハロゲン化アルキルマグネシウムや臭化フェニルマグネシウムの如きハロゲン化アリールマグネシウム等が挙げられる。有機リチウム試薬としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物やフェニルリチウム等のアリールリチウム化合物が挙げられる。なおアルキル化剤もしくはアリール化剤は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
以下、本発明の環状水素化シランの製造方法について主に説明するが、本発明の環状有機シランの製造方法においては「還元剤」を「アルキル化剤もしくはアリール化剤」と読み替え、「環状水素化シラン」を「環状有機シラン」と読み替えて、適宜適用すればよい。
前記還元剤の使用量は、適宜設定すればよく、例えば前記環状シラン中間体のケイ素−ハロゲン結合1個に対する還元剤の当量が、少なくとも1当量以上であればよいが、好ましくは2当量以上50当量以下、より好ましくは5当量以上40当量以下、さらに好ましくは10当量以上30当量以下である。還元剤の使用量が多すぎると、後処理に時間を要し生産性が低下する傾向があり、一方、少なすぎると、収率が低下する傾向がある。
前記還元工程における反応は、必要に応じて、有機溶媒の存在下で行うことができる。ここで用いることのできる有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル等のエーテル系溶媒;等が挙げられる。これら有機溶媒は1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。なお還元工程における反応に使用する有機溶媒は、その中に含まれる水や溶存酸素を取り除くため、反応前に蒸留や脱水等の精製を施しておくことが好ましい。
前記還元反応に用いる有機溶媒の使用量としては、前記環状シラン中間体の濃度が0.01mol/L以上1mol/L以下となるように調整することが好ましく、より好ましい濃度は0.02mol/L以上0.7mol/L以下、さらに好ましい濃度は0.03mol/L以上0.5mol/L以下である。環状シラン中間体の濃度が前記範囲より高い場合、すなわち有機溶媒の使用量が少なすぎると、還元反応により生じた熱が充分に除熱されず、また反応物が溶解しにくいために反応速度が低下する等の問題が生じる恐れがある。一方、環状シラン中間体の濃度が前記範囲より低い場合、すなわち有機溶媒の使用量が多すぎると、還元反応後に有機溶媒と目的生成物とを分離する際に留去すべき溶媒量が多くなるため生産性が低下する傾向がある。
前記還元は、環状シラン中間体を還元剤と接触させることにより行うことができる。環状シラン中間体と還元剤との接触に際しては、溶媒の存在下で接触させることが好ましい。溶媒の存在下で環状シラン中間体と還元剤とを接触させるには、例えば、1)環状シラン中間体と還元剤の一方を溶媒中に溶解または分散させて溶液または分散液としておき、他方と混合(他方を溶液または分散液に加えるか、他方に溶液または分散液を加えるか)する、2)両方をそれぞれ溶媒中に溶解または分散させて溶液または分散液としておいた後に、両者を混合する、3)溶媒中に環状シラン中間体と還元剤を同時にもしくは順次加える、などの混合手順を採用すればよい。これらの中で特に好ましいのは上記2)の態様である。
また環状シラン中間体と還元剤との接触に際しては、還元を行う反応系内に環状シラン中間体および前記還元剤の少なくともいずれか一方(すなわち一方または両方)を滴下することが好ましい。このように環状シラン中間体および還元剤の一方または両方を滴下することにより、還元反応で生じる発熱を滴下速度等でコントロールすることができるので、例えばコンデンサ等の小型化が可能になるなど、生産性の向上に繋がる効果が得られる。一方を滴下する場合、反応系内(反応器)には他方を溶媒とともに或いは単独(溶媒なし)で仕込んでおけばよい。両方を滴下する場合には、反応系内(反応器)に予め溶媒のみを仕込んでおいてもよいし、あるいは空の反応器に環状シラン中間体と還元剤を同時または順次滴下するようにしてもよい。いずれの場合も、滴下に供する側(環状シラン中間体および/または還元剤)は、溶媒中に溶解または分散させて溶液または分散液として滴下することが好ましい。
環状シラン中間体と還元剤の一方または両方を滴下する場合の好ましい態様としては、以下の3つの態様がある。すなわち、A)反応器内に環状シラン中間体の溶液または分散液を仕込んでおき、これに還元剤の溶液または分散液を滴下する態様、B)反応器内に還元剤の溶液または分散液を仕込んでおき、これに環状シラン中間体の溶液または分散液を滴下する態様、C)反応器内に環状シラン中間体の溶液または分散液と還元剤の溶液または分散液とを同時または順次滴下する態様、である。これらの中でもA)の態様が好ましい。
環状シラン中間体と還元剤の一方または両方を前記A)〜C)の態様で滴下する場合、環状シラン中間体を溶質とする溶液または分散液中の溶質濃度は、0.01mol/L以上が好ましく、より好ましくは0.02mol/L以上、さらに好ましくは0.04mol/L以上、特に好ましくは0.05mol/L以上である。溶質濃度が低すぎると、目的生成物を単離する際に留去しなければいけない溶媒量が増えるので、生産性が低下する傾向がある。一方、環状シラン中間体を溶質とする溶液または分散液中の溶質濃度の上限は1mol/L以下が好ましく、より好ましくは0.8mol/L以下、さらに好ましくは0.5mol/L以下である。溶質濃度(特に滴下に供する溶液または分散液の溶質濃度)が高すぎると、還元反応における発熱のコントロールがしにくくなる傾向がある。
また環状シラン中間体を溶質とする溶液または分散液と、還元剤を溶質とする溶液または分散液とは、溶媒量がほぼ同量となるように各溶液または分散液の溶質濃度を設定することが好ましい。
環状シラン中間体と還元剤の一方または両方を前記A)〜C)の態様で滴下する場合、滴下時の温度(詳しくは、滴下に供する溶液または分散液の温度、および/または反応器内に仕込んでおく溶液または分散液の温度)は、−30℃以上、80℃以下であるのが好ましく、より好ましくは0℃以上、50℃以下、さらに好ましくは10℃以上、40℃以下である。
環状シラン中間体と還元剤の一方または両方を前記A)〜C)の態様で滴下する場合、滴下速度は、溶液または分散液中の溶質濃度によるが、0.01mL/分以上、100mL/分以下が好ましく、より好ましくは0.1mL/分以上、50mL/分以下、さらに好ましくは1mL/分以上、20mL/分以下である。
環状シラン中間体と還元剤の一方または両方を前記A)〜C)の態様で滴下する場合の滴下時間は特に制限されないが、生産性の観点から、通常10分以上、20時間以下が好ましく、より好ましくは30分以上、10時間以下、さらに好ましくは1時間以上、6時間以下である。
前記還元の際の反応温度は、環状シラン中間体や還元剤の種類に応じて適宜設定すればよく、通常−20℃〜150℃、好ましくは−10℃以上、より好ましくは0℃以上、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは70℃以下である。反応時間は、反応の進行の程度に応じて適宜決定すればよいが、通常10分以上72時間以下、好ましくは1時間以上48時間以下、より好ましくは2時間以上24時間以下である。
前記還元反応は、通常、例えば窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましい。
前記還元工程における反応ではシランガスは発生しないので、かかる工程においてシランガス対策は必要なく、簡便な装置で効率よく環状水素化シランを生成させることができる。
前記還元反応で生成した環状水素化シランは、例えば、還元後に得られた反応液から固体(副生した塩等の不純物)を固液分離した後、溶媒を減圧留去させるなどして、単離できる。固液分離の手法としては、ろ過が簡便である点で好ましく採用されるが、これに限定されるものではなく、例えば遠心分離やデカンテーションなど公知の固液分離の手法を適宜採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、実施例における全ての反応は、不活性ガス(窒素またはアルゴン)雰囲気下において実施した。また実施例における反応で用いた溶媒は、水および酸素を取り除いてから使用した。
(実施例1)
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた500mL四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、アンモニウム塩としてテトラブチルアンモニウムクロリド10.2g(0.037mol)と、塩基性化合物としてジイソプロピルエチルアミン14.4g(0.112mol)と、溶媒として1,2−ジクロロエタン100mLとを入れた。続いてフラスコ内の溶液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、ハロシラン化合物としてトリクロロシラン26.5g(0.196mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま2時間攪拌し、引き続き50℃で24時間加熱攪拌することにより反応させた。反応後、減圧下で溶媒を留去し、得られた固体をヘキサンで洗浄し、濾過および精製して、テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオン含有化合物([Bu42[Si6Cl14 2−])を90質量%の含有率で含む白色固体を得た。
(実施例2)
滴下ロートおよび攪拌装置を備えた100mL二つ口フラスコに、実施例1で得られた白色固体2.80g(テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオン含有化合物1.96mmol)を入れて減圧乾燥させた。次いでフラスコ内をアルゴンガスで置換した後、溶媒としてシクロペンチルメチルエーテル30mLを加えた。続いてフラスコ内の懸濁液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、還元剤として水素化リチウムアルミニウムのジエチルエーテル溶液(濃度:約1.0mol/L)10mLを徐々に滴下し、次いで25℃で5時間攪拌することにより反応させた。この反応中、シランガスが発生することはなかった。反応後、反応液を窒素ガス雰囲気下において濾過し、生成した塩を取り除いた。得られた濾液から減圧下で溶媒を留去して、シクロヘキサシランの無色透明液体を得た。
(実施例3)
温度計、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた300mL三つ口フラスコに、実施例1で得られた白色固体12.9g(テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオン含有化合物9.05mmol)を入れて減圧乾燥させた。次いでフラスコ内を窒素ガスで置換した後、溶媒としてテトラヒドロフラン100mLを加えた。続いてフラスコ内の懸濁液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、臭化メチルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(濃度:約1.0mol/L)130mLを徐々に滴下し、次いで25℃で24時間攪拌することにより反応させた。この反応中、有機モノシランが生成することはなかった。得られた反応混合物を加水分解させた後、ヘキサンとシクロペンチルメチルエーテルで生成物を抽出し、抽出液を減圧下で濃縮し、低温条件下(−30℃〜0℃)で再結晶化させて、ドデカメチルシクロヘキサシランの無色結晶を得た。
(実施例4)
温度計、コンデンサー、滴下ロートおよび攪拌装置を備えた500mL四つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した後、アンモニウム塩としてテトラブチルアンモニウムクロリド11.0g(0.04mol)と、塩基性化合物としてテトラブチルアミン23.5g(0.13mol)と、溶媒として1,2−ジクロロエタン150mLとを入れた。続いてフラスコ内の溶液を攪拌しながら、25℃条件下において滴下ロートより、ハロシラン化合物としてトリクロロシラン29.9g(0.22mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後、そのまま2時間攪拌し、引き続き50℃で24時間加熱攪拌することにより反応させた。反応後、減圧下で溶媒を留去し、得られた固体をヘキサンで洗浄し、濾過および精製して、テトラデカクロロシクロヘキサシランジアニオン含有化合物([Bu42[Si6Cl14 2−])を90質量%の含有率で含む白色固体を得た。

Claims (8)

  1. ハロシラン化合物を、アンモニウム塩と反応させる工程を含む(ただし、ハロシラン化合物と第三級ポリアミンを接触させる工程を除く)ことを特徴とする環状シラン中間体の製造方法。
  2. 前記反応は塩基性化合物の存在下で行う請求項1記載の環状シラン中間体の製造方法。
  3. 前記アンモニウム塩は下記一般式(i)で示される塩である請求項1又は2に記載の環状シラン中間体の製造方法。
    Figure 0005808646
    (式(i)中、R1〜R4は各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を示し、X-は1価のアニオンを示す。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られた環状シラン中間体を還元する工程を含むことを特徴とする環状水素化シランの製造方法。
  5. 前記還元工程においては、アルミニウム系還元剤、ホウ素系還元剤からなる群より選ばれる1種以上を還元剤として用いる請求項4に記載の環状水素化シランの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られた環状シラン中間体をグリニャール試薬、有機リチウム試薬からなる群より選ばれる1種以上でアルキル化もしくはアリール化する工程を含むことを特徴とする環状有機シランの製造方法。
  7. 1 〜R 4 がブチル基またはフェニル基であり、XがCl又はBrである請求項3に記載の環状シラン中間体の製造方法。
  8. 前記塩基性化合物がモノアミン化合物である請求項2、3または7に記載の環状シラン中間体の製造方法。
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