JP5808292B2 - α−オレフィン(共)重合体およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

α−オレフィン(共)重合体およびそれを含有する潤滑油組成物 Download PDF

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Description

本発明は、高い粘度指数を有し、かつ、低温粘度特性に優れる新規なα−オレフィン(共)重合体に関し、さらに詳しくはそれを含んでなる潤滑油組成物に関するものである
グリース用潤滑油、ギア油、作動油用などには、多様な性能が要求され、しかも近年、内燃機関や工業機械の高性能化、高出力化、運転条件の過酷化などに伴い、耐摩耗性、耐熱性、耐スラッジ性、潤滑油消費特性、省燃費性など高度な性能が要求されてきている。特に最近では、潤滑油の使用環境が苛酷化する一方で、環境問題への配慮から長寿命化が求められる傾向にあり、そのために機関運転時のギアによる剪断応力に起因する低粘度化の低減、すなわち潤滑油の剪断安定性の向上が求められている。また一方では、機関のエネルギー変換効率の向上、もしくは極低温環境下における機関の良好な潤滑性を確保するため、潤滑油の高温下では油膜を保持し、低温下ではより流動性を保持するといった温度粘度特性が重要視されている。ここで述べる温度粘度特性はJIS K2283に記載の方法によって算出される粘度指数によって数値化することが可能であり、より高い粘度指数を示す潤滑油がより優れた温度粘度特性を表す。
従って、グリース用潤滑油、ギア油、作動油用などには、剪断安定性に優れ、かつ良好な温度粘度特性を有するものが求められている。
特に、近年再生可能エネルギーとして注目されている風力発電機においては、風力を電力に変換するためのギアボックスがより安定な風力を享受するため高所に設置される。加えて、風力、風向きの安定供給といった観点から、内陸のみならず海上にも設置されることが多い。このため、ギアのメンテナンス、すなわち潤滑油の交換が非常に困難であり、結果、潤滑油に対しきわめて高い剪断安定性が要求されている。また、風力から電力へのエネルギー変換効率という観点から、例えば−40℃といった極低温化での良好な潤滑性、すなわち潤滑油の低温環境下での高流動性を求められている。
また、上述の風力発電機用ギア油に代表される工業用潤滑油のみならず、自動車に使用される潤滑油、すなわちディファレンシャルギア油や変速機に代表される駆動油などにおいても、これまで以上の潤滑油の長寿命化と優れた温度粘度特性の両立が求められてきている。これは、1997年に京都議定書が採択されて以降、近年世界各極の政府にて乗用車に対する二酸化炭素排出目標や燃費目標が定められたためである。
燃費目標達成を目指し、燃費向上のため乗用車機関各部は小型化が進み、使用される潤滑油量も減少してきている。このため、潤滑油に掛かる負荷が増大してきており、潤滑油の更なる長寿命化が求められてきている。
また、ディファレンシャルギア油、または駆動油、はギアより剪断応力を受けるため、使用経過に伴い潤滑油中に用いられる基材の分子が切断されることにより潤滑油粘度が低下する。潤滑油粘度が低下するとギア同士、金属間の接触が生じ、ギアに著しい損傷を与える。このため、予め使用期間の粘度低下を予想し、潤滑油製造時の初期粘度を上げておくことで、使用・劣化後の潤滑油が理想的な潤滑を行えるように備える必要がある。潤滑油中に用いられる基材の剪断安定性が優れれば、すなわち寿命が長ければ初期粘度を上げる必要がなくなり、結果潤滑油によるギア抵抗を下げることができるため、燃費向上を図ることができる。
また、温度粘度特性、すなわち潤滑油粘度の温度依存性が低ければ、低温環境下においても粘度上昇が抑えられ、結果潤滑油によるギア抵抗が従来技術に対し相対的に低くなり、燃費向上を図ることができる。
上述のような要求を満足するため、合成潤滑油基材として、ポリ−α−オレフィン(PAO)が多く工業的に使用されている。このようなPAOは、特許文献1〜3等に記載のように、酸触媒により高級α−オレフィンをオリゴメリゼーションすることにより得ることができる。
一方、特許文献4に記載されているようにエチレン・α−オレフィン共重合体もPAOと同様、粘度指数、酸化安定性、剪断安定性、耐熱性に優れる合成潤滑油として使用可能であることが知られている。
合成潤滑油として使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法としては従来、特許文献5および特許文献6に記載されているようなバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒による方法が使用されてきた。このようなエチレン・α−オレフィン共重合体としては特にエチレン・プロピレン共重合体が主に使用されている。
また、高い重合活性で共重合体を製造する方法として特許文献7、特許文献8に記載されているようなジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)からなる触媒系を用いる方法等が知られており、特許文献9には特定のメタロセン触媒とアルミノキサンを組み合わせた触媒系を用いることにより得られるエチレン・α−オレフィン共重合体からなる合成潤滑油の製造方法が開示されている。
近年、低温粘度特性および耐熱・酸化安定性に優れる合成潤滑油基材であるPAO或いはエチレン・プロピレン共重合体等の需要は増大する傾向にあるが、低燃費化・省エネルギーの観点から、粘度指数、低温粘度特性の更なる改善が求められている。
この要求に基づき、特許文献10〜13に記載のようなジルコノセンなどのメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)からなる触媒系を用いる方法等によって得られたPAOが発明されている。
しかしながら、メタロセン触媒によって得られたPAOは、潤滑油に使用した際、分子量が高くなるにつれ温度粘度特性は向上するものの、剪断安定性が低下していくといった二律背反の関係にある。この点について、剪断安定性と温度粘度特性の両立といった観点から改良の余地がある。
米国特許第3,780,128号公報 米国特許第4,032,591号公報 特開平1−163136号公報 特開昭57−117595号公報 特公平2−1163号公報 特公平2−7998号公報 特開昭61−221207号 特公平7−121969号公報 特許第2796376号公報 特開2001−335607号公報 特表2004−506758号公報 特表2009−503147号公報 特表2009−514991号公報
本発明が解決しようとする課題は、本発明が解決しようとする課題は、自動車や工業用機械の低燃費化・省エネルギー化の観点から、合成潤滑油基材として従来用いられてきたPAO或いはエチレン・プロピレン共重合体等の粘度指数、低温粘度特性を更に改善すること、特に二律背反の関係にある剪断安定性と低温粘度特性とを、双方とも極めて高い次元にて両立する潤滑油組成物を提供することにある。
上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の炭素原子数のα−オレフィンを(共)重合することにより得られる、立体規則性の高い低分子量重合体が潤滑油基材として極めて優れた剪断安定性、温度粘度特性、低温粘度特性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るα−オレフィン(共)重合体は、以下の(i)、(ii)および(iii)を満たすα−オレフィン(共)重合体である。
(i)炭素数7〜9のα−オレフィンから導かれる構成単位が、α−オレフィン(共)重合体を構成する全構成単位100モル%に対し75モル%以上である。
(ii)100℃における動粘度が1,500mm/s以下である。
(iii)13C−NMR法により求められるα−オレフィン単位連鎖部のトリアッド表示によるアイソタクティシティーが50%以上である。
本発明に係る潤滑油組成物は、前記α−オレフィン(共)重合体を含んでいる。
本発明により、従来の潤滑油に比べて優れた剪断安定性を有し、さらに高い温度粘度特性、優れた低温粘度特性を併せ持つ潤滑油組成物が得られる。
[α−オレフィン(共)重合体]
本発明のα−オレフィン(共)重合体は、炭素原子数7〜9のα−オレフィンから選ばれるα−オレフィンから導かれる構成単位を全構成単位中75モル%以上、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%以上含んでいる。本明細書において、「(共)重合体」には、単独重合体および共重合体の両方が含まれる。すなわち、本発明におけるα−オレフィン(共)重合体は、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンのから選ばれるα−オレフィンを単独重合、もしくは共重合することによって得られた(共)重合体を表す。構造単位の炭素原子数が7よりも小さい場合、得られる潤滑油組成物の温度粘度特性が著しく低下する。また、構造単位の炭素原子数が9よりも大きくなると温度粘度特性は優れるものの、外部からの剪断応力に対し、側鎖間の相互作用が相対的に大きくなり、分子切断が生じやすくなるため剪断安定性が低下していく。
なお剪断安定性は、ドイツ工業規格DIN 52350−6に記載の方法に準拠したKRL剪断安定性試験により評価される。潤滑油組成物を60℃で20hrの間、剪断条件下(1450rpm)におき、試験前の100℃における動粘度に対し、試験後の100℃における動粘度低下率を評価し、この値が小さいほど剪断安定性に優れ、潤滑油として高い耐久性を示す。
また、構造単位が1−オクテンの場合、1−デセンに比べ、安価に入手が可能である。従って、本発明における潤滑油組成物は、1−デセンを主な構造単位とするPAOに対し、工業的にも低コストにて製造が可能となる利点も有する。
本発明のα−オレフィン(共)重合体は、炭素数7〜9のα−オレフィン以外のモノマー由来の構成単位を全構成単位中25モル%以下の量で含んでいてもよい。
α−オレフィン(共)重合体を構成する炭素原子数7〜9のα−オレフィン由来の構成単位以外の構成単位は炭素原子数2〜6、10〜14のα−オレフィン由来の構成単位であることが好ましく、これらの構成単位の含有率は0〜25mol%の範囲であり、好ましくは0〜20モル%、より好ましくは0〜10mol%の範囲である。この範囲にあれば、α−オレフィン(共)重合体の特徴は主たる構成単位である炭素原子数7〜9のオレフィンに支配され、潤滑油組成物の優れた剪断安定性と温度粘度特性を両立できる。また、炭素数7〜9のオレフィン以外の構成単位がα−オレフィンであれば潤滑油組成物の酸化安定性、耐熱性、低温粘度特性が優れる。
α−オレフィン(共)重合体は構成単位が等しければ、α−オレフィン(共)重合体の100℃における動粘度は分子量によって決定される。すなわち分子量が高くなるほど粘度が高くなる。同一の構成単位であれば、分子量が高くなるほど粘度指数が高くなり、また、低温粘度特性が優れるが、同時に、分子量が高くなるほど分子間相互作用が大きくなるため剪断応力を受けやすく、分子切断が生じやすくなっていく、すなわち剪断安定性が低下していく。従って、本発明におけるα−オレフィン(共)重合体は100℃における動粘度が1,500mm/s以下であることが好ましい。さらに好ましくは100℃における動粘度が90mm/s以上1,500mm/s以下、特に好ましくは150mm/s以上1,200mm/s以下である。この範囲にあれば、きわめて優れた温度粘度特性と高い剪断安定性を両立する。
更に、α−オレフィン(共)重合体は、数平均分子量、並びに重量平均分子量は分子量既知の標準物質(単分散ポリスチレン(PSt))を用いて較正されたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができ、これらの結果より分子量分布(Mw/Mn)を算出することができる。分子量分布が広いと、α−オレフィン(共)重合体中に含まれる所望の分子量から外れたより高分子量の成分、および/もしくは低分子量の成分が増加し、高分子量の成分は上述の理由により剪断安定性を低下させる。本発明における構造単位が炭素原子数7〜9のオレフィンからなる(共)重合体の分子量分布(Mw/Mn)は3以下であり、好ましくは1.1〜2.5の範囲にあり、より好ましくは1.2〜2.0の範囲にある。この範囲にあれば、得られる潤滑油組成物の剪断安定性が優れる。
また、本発明のα−オレフィン(共)重合体はα−オレフィン連鎖部分が高い立体規則性を有しており、α−オレフィン連鎖部分がアイソタクティック構造を有していることを特徴としている。
アイソタクティック構造とは、側鎖の立体構造が規則的に制御されているもののうち、炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖が同方向に位置する立体構造を有するものである。規則性の程度を表す指標としてタクティシティーが用いられる。アイソタクティック構造の程度を表す指標としてはアイソタクティシティ−が用いられる。
アイソタクティシティーは13C−NMR(同位体炭素による核磁気共鳴法スペクトル)を用いて公知の文献[Macromolecules 24,2334(1991);Polymer,30,1350(1989)]等に記載の方法により求めることができる。
13C−NMRにより定量されるタクティシティーは連続する複数個の構成単位の存在割合(すなわち、連続する構成単位の相対的立体配座関係の存在割合)、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッドによって示すことができる。本発明におけるタクティシティーはトリアッドで50%以上のアイソタクティシティーを有するものであり、好ましくは75%以上である。この範囲にあれば、α−オレフィン(共)重合体の温度粘度特性と低温粘度特性が極めて優れる。
ここで、トリアッド連鎖でみたアイソタクティシティー(以下、トリアッドアイソタクティシティー、mm分率とも称する)について説明する。
α−オレフィン(共)重合体のmm分率は、α−オレフィン(共)重合体の13CNMRスペクトルおよび下記式(1)により、頭−尾結合したα−オレフィン単位3連鎖部の第2単位目の側鎖第一メチレン基(下記化学式(2)中の[C3])の強度(面積)比として求められる。
mm分率(%)=PPP(mm)/{PPP(mm)+PPP(mr)+PPP(rr)} …(1)
(式中、PPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ13C-NMRスペクトルで観察される頭−尾結合したα−オレフィン単位3連鎖部の2単位目の側鎖第一メチレン基[C3]の面積である。)
(式中、R1、R2,R3は水素またはアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていても良い)
このようなPPP(mm)、PPP(mr)、PPP(rr)は、それぞれ下記構造の頭−尾結合したα−オレフィンの3単位連鎖を示す。
(式中、R1、R2,R3は水素またはアルキル基であり、それぞれ同一であっても異なっていても良い)
α−オレフィン(共)重合体のアイソタクティシティーが高くなると、結晶状態においてはその(共)重合体主鎖の高次構造は螺旋構造を形成する。このアイソタクティシティーが低くなるにつれ、螺旋構造は崩れてくる。一方で、側鎖の立体構造が規則的に制御されてはいるが、炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖が交互に反対方向に位置する立体構造、すなわちシンジオタクティシティーが高くなると、螺旋構造は形成されなくなる。シンジオタクティシティーはアイソタクティシティー表記法に従い、その交互性をrr分率で表記することができる。式(1)からわかるとおり、rrが50%を超えると必然的にmmは50%未満となる。
溶融状態では上述の傾向からアイソタクティック重合体ではシンジオタクティック重合体と比較し、より分子内凝集力が高いため溶融状態でもシンジオタクティック重合体に対し、同分子量であればその自由体積は小さくなる。従って、より温度変化に対する体積変化率が小さくなるため、粘度の温度に対する依存性は小さくなる、すなわち温度粘度特性が優れる。一方で、上記理由によりある温度においてアイソタクティック重合体とシンジオタクティック重合体の粘度を同粘度とする場合、アイソタクティック重合体の方が分子量は高くなる。このため、同一粘度に合わせた場合、分子量に依存する剪断安定性はアイソタクティック重合体の方が劣ると容易に推測される。
しかしながら、本発明では剪断安定性がタクティシティーに依存しないことを見出した。すなわち、アイソタクティック重合体とシンジオタクティック重合体において、ある温度において粘度を合わせた場合、剪断安定性も同等となったのである。
これについて、以下の仮説により説明する。
溶融状態において、より凝集しやすい主鎖構造をとるアイソタクティック重合体は、与えられる剪断応力に対し屈曲した主鎖が応力を緩和する方向に働くものと推測する。これに対し、より空間的に拡がったシンジオタクティック重合体の方が剪断応力を受けやすいものと推測される。この結果、ある温度において同一粘度とした場合、アイソタクティック重合体はシンジオタクティック重合体に対し分子量が高いにも拘らず、同等の剪断安定性を有するものと考えられる。
また一方で、α−オレフィン(共)重合体を構成する単位の炭素原子数が9よりも大きくなってもタクティシティーの影響が実質上なくなることを見出した。これは、側鎖による立体障害が高くなり、本発明に拘わる分子量領域では重合体主鎖が短いがために、アイソタクティック重合体でも主鎖が収縮しにくく、シンジオタクティック重合体の温度粘度特性と同様、すなわち粘度温度特性の向上は認められなくなるものと推測される。もしくは、側鎖の炭素数が増加することによって、アイソタクティック構造とシンジオタクティック構造の自由体積の差が小さくなる傾向があるが、その結果、炭素数が10以上のオレフィンでは、アイソタクティック構造とシンジオタクティック構造での粘度指数の差が小さくなるのではないかとも推測される。
また、炭素原子数が7よりも小さいと側鎖の温度粘度特性への寄与が小さくなり、α−オレフィン(共)重合体そのものの温度粘度特性が著しく低下するため、そのタクティシティーに関係なく従来技術に対する優位性が見出されなくなる。
本発明における構造単位が炭素原子数7〜9のオレフィンからなる(共)重合体は単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
(炭素数7〜9のα−オレフィンから導かれる構造単位を含む(共)重合体の製造)
上記のようなアイソタクティック構造を有するα−オレフィン(共)重合体の製造の際には、従来、アイソタクティックプロピレン重合体を製造する際に使用される触媒を用いることによって製造可能である。
具体的には、遷移金属化合物が周期表第4族の遷移金属化合物(A)と、
(B−1)有機金属化合物、
(B−2)有機アルミニウム化合物、
(B−3)有機アルミニウムオキシ化合物、
(B−4)前記第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、
とから選ばれる少なくとも1種以上の化合物とからなるオレフィン重合用触媒の存在下に炭素原子数7〜9のα−オレフィンの単独重合または共重合、することにより単独重合体または共重合体を得ることができる。更に必要に応じて炭素原子数7〜9のα−オレフィンと炭素数10〜20のα−オレフィン、エチレン、炭素数3〜6のα−オレフィンと共重合することにより共重合体を得ることができる。
さらに詳しく述べると、遷移金属化合物(A)及び化合物(B)は以下の通りである。
[(A)遷移金属化合物]
本発明で用いられる遷移金属化合物(A)は、W.Kaminskyらによって報告されているAngew.Chem.Int.Ed.Engl,24,507(1985)、山崎らのChemistry Letters,1853(1989)やAngew.Chem.Int.Ed.Engl,31,1347(1992)、Organometallics,13,954(1994)、WildらのJ.Organomet.Chem.,232,233(1982)、特許4554133号公報等に記載の触媒や、該文献に記載された化合物と異なる構造のものであってもα−オレフィン(共)重合体を製造したときに、得られる(共)重合体のアイソタクティシティーが50%以上の重合体を与える触媒であればどんな触媒でも利用できる。例えば、ビスインデニル誘導体等をリガンドとするC2対称構造を有するメタロセンや置換シクロペンタジエニル基とフルオレニル基が架橋部位で結合したC1対称構造を有するメタロセン等が挙げられる。
以下にあげる具体的な例示骨格に限定されるわけではなく、あくまで1例として挙げるとすると、シクロペンタジエニル骨格を2つ有する配位子である場合、下記一般式(6)で表される。
(式中、Mは周期律表第IV族から選ばれる1種の遷移金属原子を示し、好ましくはIVB族の遷移金属のジルコニウム、チタン又はハフニウムであり、R、R、R、R、R、R、R、Rは水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、RからRまでの隣接した置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、Xは、ハロゲン、水素原子、炭素数が1〜10の炭化水素基、あるいは炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれた1種の基又は原子であり、nは1または2であって、Xの個数を示し、Qは、炭素、ケイ素またはゲルマニウムから選ばれ、YおよびYは水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)
上記一般式(6)において、炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル、1−アダマンチル、2−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2−フェニルエチル、1−テトラヒドロナフチル、1−メチル−1−テトラヒドロナフチル、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられる。
上記一般式(6)において、ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素数1〜4、炭素数3〜20のアルキルまたはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
本発明において、上記一般式(6)のR、R、R、R、R、R、R、Rは水素、炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。また、上記一般式(6)のシクロペンタジエニル環上のR1からR8までの隣接した置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。そのような置換シクロペンタジエニル基として、インデニル、2−メチルインデニル、テトラヒドロインデニル、2−メチルテトラヒドロインデニル、2,4,4−トリメチルテトラヒドロインデニル、フルオレニル、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、オクタヒドロジベンゾフルオレニル、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル等を挙げることができる。
本発明において、一般式(6)のMは周期律表第IV族から選ばれる1種の遷移金属原子を示し、好ましくはIVB族の遷移金属のジルコニウム、チタン又はハフニウムである。
Xは、ハロゲン、及び水素原子、炭素数が1〜10の炭化水素基、あるいは炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれた1種の基又は原子であり、ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,1−ジエチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1,1,2,2−テトラメチルプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3−トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1−メチル−1−シクロヘキシル等が挙げられる。炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエンの具体例としては、s−シス−またはs−トランス−η−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η−1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η−3−メチル−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η−1,4−ジベンジル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η−2,4−ヘキサジエン、s−シス−またはs−トランス−η−1,3−ペンタジエン、s−シス−またはs−トランス−η−1,4−ジトリル−1,3−ブタジエン、s−シス−またはs−トランス−η−1,4−ビス(トリメチルシリル)−1,3−ブタジエン等が挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert−ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1、2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。これらのうち、Xは同一でも異なった組み合わせでもよい。
nは1または2であり、Xの個数を示す。
また、重合体のアイソタクティシティーが50%以上の重合体を与える触媒となるのであれば、YまたはYがR、R、R、R、R、R、R、Rのいずれかと結合するような構造であってもよい。
上記例示骨格から更に具体的な化合物を例示すると、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、エチレンビス(1−インデニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(メチル−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(ジ−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(メチル−tert−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルシリレンビス(ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルエチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルエチレンビス(2−メチル−4,5−ベンズインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルエチレンビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルエチレンビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、イソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−メチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−(2−アダマンチル)−5−メチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)
メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−5−エチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−tert−ブチルフェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p−トリル)(フェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p−トリル)(フェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p−トリル)(フェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(p−トリル)(フェニル)メチレン(3−tert−ブチル−2,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジベンジルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジメチル、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)チタニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)チタニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)チタニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)チタニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ハフニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,5−ジメチル−シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ハフニウムジクロリドを例示することができる。
また同様な立体構造を有する上記ジルコニウムをチタニウムやハフニウムにかえた化合物や、さらには上記塩化物を臭化物、ヨウ化物などに変えた化合物も用いることができる、
助触媒成分としては以下の(B−1)〜(B−4)のうちから選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。
〔(B−1)有機金属化合物〕
本発明のα−オレフィン(共)重合体を製造するために用いられる有機金属化合物として、具体的には下記のような有機金属化合物が用いられる。
…(7)
(式中、RおよびR は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、MはMg、ZnまたはCdである。)で表される周期律表第2族または第12族金属のジアルキル化合物。
また、これら有機金属化合物(B−1)は、1種単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
〔(B−2)有機アルミニウム化合物〕
本発明に係るオレフィン重合用触媒を形成する(B−2)有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(8)で表される有機アルミニウム化合物、下記一般式(9)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、または有機アルミニウムオキシ化合物などを挙げることができる。
Al(OR …(8)
(式中、R およびR は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、X2はハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミニウム化合物。このような化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムハイドライドを例示することができる。
AlR …(9)
(式中、M はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。このような化合物としては、LiAl(C、LiAl(C15などを例示することができる。
上記一般式(8)で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(10)、(11)、(12)、または(13)で表される化合物などを例示できる。
Al(OR3−m …(10)
(式中、R およびR は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。)
AlX2 3−m …(11)
(式中、R は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは好ましくは0<m<3である。)
AlH3−m …(12)
(式中、R は炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、mは好ましくは2≦m<3である。)
Al(OR …(13)
(式中、R およびR は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+q=3である。)
上記一般式(10)、(11)、(12)、または(13)で表されるアルミニウム化合物として、より具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリ tert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;一般式(i−C Al(C10(式中、x、y、zは正の数であり、z≦2xである。)などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシド、イソブチルアルミニウムイソプロポキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;一般式R 2.5Al(OR0.5 などで表される平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、エチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、ジイソブチルアルミニウム(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)、イソブチルアルミニウムビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
また、上記一般式(8)で表される化合物に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(C AlN(C )Al(Cなどを挙げることができる。
上記一般式(9)で表される化合物としては、例えば、LiAl(C、LiAl(C15 などを挙げることができる。
また重合系内で上記有機アルミニウム化合物が形成されるような化合物、たとえばハロゲン化アルミニウムとアルキルリチウムとの組み合わせ、またはハロゲン化アルミニウムとアルキルマグネシウムとの組み合わせなどを使用することもできる。
これらのうち、有機アルミニウム化合物が好ましい。
上記一般式(8)で表される有機アルミニウム化合物、または上記一般式(9)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
〔(B−3)有機アルミニウムオキシ化合物〕
本発明に係る(B−3)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
従来公知のアルミノキサンは、たとえば下記のような方法によって製造することができ、通常、炭化水素溶媒の溶液として得られる。
(I)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(II)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水、氷または水蒸気を作用させる方法。
(III)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該アルミノキサンは、少量の有機金属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミノキサンの溶液から溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
アルミノキサンを調製する際に用いられる有機アルミニウム化合物として具体的には、前記(B−2)に属する有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、トリメチルアルミニウムが特に好ましい。
上記のような有機アルミニウム化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
また本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であるもの、すなわち、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であるものが好ましい。これらの有機アルミニウムオキシ化合物(B−3)は、1種単独でまたは2種以上組み合せて用いられる。
なお、トリメチルアルミニウムから調製されるアルミノキサンは、メチルアルミノキサンあるいはMAOと呼ばれ、特によく用いられる化合物である。
アルミノキサンの調製に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分または上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ、塩素化物、臭素化物などの炭化水素溶媒が挙げられる。さらにエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶媒のうち特に芳香族炭化水素または脂肪族炭化水素が好ましい。
また本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性または難溶性である。
本発明に係る有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(14)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
(式中、Rは炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
上記一般式(14)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物は、下記一般式(15)で表されるアルキルボロン酸と有機アルミニウム化合物とを、不活性ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度で1分〜24時間反応させることにより製造できる。
B(OH) …(15)
(式中、Rは前記と同じ基を示す。)
上記一般式(15)で表されるアルキルボロン酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘキシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸などが挙げられる。これらの中では、メチルボロン酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジフルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボロン酸が好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このようなアルキルボロン酸と反応させる有機アルミニウム化合物として具体的には、上記一般式(8)または(9)で表される有機アルミニウム化合物として例示したものと同様の有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
これらのうち、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムが好ましく、特にトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好ましい。これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
〔(B−4)前記第IV族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物〕
前記した第IV族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B−4)としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、USP−5321106号、特開平6−220119号公報、特開2000−507157号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。
具体的には、ルイス酸としては、BR3 (Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される化合物が挙げられ、たとえばトリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロン、トリメチルボロン、トリイソブチルボロンなどが挙げられる。
イオン性化合物としては、たとえば下記一般式(16)で表される化合物が挙げられる。
式中、Re+としては、H、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。R〜Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基または置換アリール基である。
前記カルベニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n−プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
上記のうち、Rとしては、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ましく、特にトリフェニルカルベニウムカチオン、N,N−ジメチルアニリニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
カルベニウム塩として具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4−メチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができる。
アンモニウム塩としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o−トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
N,N−ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、たとえばN,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、たとえばジ(1−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
さらに、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエチルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、あるいは下記式(17)または(18)で表されるボレート化合物、または下記式(19)で表される活性水素を含むボレート化合物、または下記式(20)で表されるシリル基を含むボレート化合物などを挙げることもできる。
(式中、Etはエチル基を示す。)
[B−Qn(Gq(T−H)r)z]…(19)
式(19)中、Bはホウ素を表す。Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、プロピレン、1,4-ブタジエン、p-フェニレンメチレンがあげられる。多結合性ラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(T−H)基と結合する。A+はカチオンである。
上記式(19)中のTはO、S、NR、またはPRjを表し、Rはヒドロカルバニルラジカル、トリヒドロカルバニルシリルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、またはハイドライドを表す。qは1以上の整数で好ましくは1である。T−Hグループとしては、−OH、−SH、−NRH、または−PRjHが挙げられ、ここでRは炭素数1〜18好ましくは炭素数1〜10のヒドロカルビニルラジカルまたは水素である。好ましいRjグループはアルキル、シクロアルキル、アリル、アリルアルキルまたは炭素数1〜18を有するアルキルアリルである。−OH、−SH、−NRHまたは−PRHは、例えば、−C(O)−OH、−C(S)−SH−C(O)−NRH、及びC(O)−PRjHでもかまわない。最も好ましい活性水素を有する基は−OH基である。Qは、ハイドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどである。ここでn+zは4である。
上記式(19)の[B−Qn(Gq(T−H)r)z]として、例えば、トリフェニル(ヒドロキシフェニル)ボレート、ジフェニルージ(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリフェニル(2,4−ジヒドロキシフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(2,4−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(3,5−ジメチルフェニル)(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス〔3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル〕(ヒドロキシフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(2−ヒドロキシエチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシブチル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドロキシシクロヘキシル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)〔4−(4−ヒドロキシフェニル)フェニル〕ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)ボレートなどが挙げられ、最も好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ヒドキシフェニル)ボレートである。さらに上記ボレート化合物の−OH基を−NHR(ここで、Rはメチル、エチル、t−ブチル)で置換したものも好ましい。
ボレート化合物の対カチオンであるAとしては、カルボニウムカチオン、トロピルリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。またそれ自信が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオンも挙げられる。これらカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウムイオン、ジフェニルカルボニウムイオン、シクロヘプタトリニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリオクチルアンモニウム、N,N−ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、2,4,6−ペンタメチルアンモニウム、N,N−ジメチルフェニルアンモニウム、ジ−(i−プロピル)アンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリホスホニウム、トリジメチルフェニルホスホニウム、トリ(メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルホスホニウムイオン、トリフェニルオキソニウムイオン、トリエチルオキソニウムイオン、ピリニウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラジュウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオンなどが挙げられる。なかでも特にアンモニウムイオンが好ましい。
[B−Qn(Gq(SiR)r)z] …(20)
式(20)中、Bはホウ素を表す。Gは多結合性ヒドロカーボンラジカルを表し、好ましい多結合性ヒドロカーボンとしては炭素数1〜20を含むアルキレン、アリレン、エチレン、アルカリレンラジカルであり、Gの好ましい例としては、フェニレン、ビスフェニレン、ナフタレン、メチレン、エチレン、プロピレン、1,4−ブタジエン、p−フェニレンメチレンがあげられる。多結合性ラジカルGはr+1の結合、すなわち一つの結合はボレートアニオンと結合し、Gのその他の結合rは(SiR)基と結合する。Aはカチオンである。
上記式(20)中のR、R、Rはヒドロカルバニルラジカル、トリヒドロカルバニルシリルラジカル、トリヒドロカルバニルゲルマニウムラジカル、水素ラジカル、アルコキシラジカル、ヒドロキシラジカルまたはハロゲン化合物ラジカル、を表す。R、R、Rは同一でも独立でも良い。Qは、ハイドライド、ジヒドロカルビルアミド、好ましくはジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビルオキシド、アルコキシド、アリルオキシド、ハイドロカルビル、置換ハイドロカルビルラジカルなどであり、さらに好ましくはペンタフルオロベンジルラジカルである。ここでn+zは4である。
上記式(20)中の[B−Qn(Gq(SiR)r)z]として、例えば、トリフェニル(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、ジフェニルージ(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、トリフェニル(4−ジメチルメトキシシリルフェニル)ボレート、トリ(p−トリル)(4−トリエトキシシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ジメチルクロロシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−ジメチルメトキシシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(4−トリメトキシシリルフェニル)ボレート、トリス(ペンタフルオロフェニル)(6−ジメチルクロロシリル−2ナフチル)ボレートなどが挙げられる。
ボレート化合物の対カチオンであるA 上記式(19)中の Aと同じものが挙げられる。
ボラン化合物として具体的には、たとえばデカボラン、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカクロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカクロロドデカボレートなどのアニオンの塩、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
カルボラン化合物として具体的には、たとえば4−カルバノナボラン、1,3−ジカルバノナボラン、6,9−ジカルバデカボラン、ドデカハイドライド−1−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジカルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン、2,7−ジカルバウンデカボラン、ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メチル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチルシリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7−カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−7−カルバウンデカボレートなどのアニオンの塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(IV)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
尚、上記のような第4族遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(B)は、2種以上混合して用いることもできる。
また、本発明において用いられるオレフィン重合用触媒の調整において、必要に応じて担体を使用することができる。上記したオレフィン重合触媒を、粒子状担体(C)に担持させて用いる方法である。
担体(C)は、無機又は有機の化合物であって顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
このうち無機化合物としては、多孔質酸化物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等、又はこれらを含む複合物または混合物、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2-MgO、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-Cr2O3、SiO2-TiO2-MgO等を使用することができる。これらのうち、SiO2および/またはAl2O3を主成分とするものが好ましい。
なお、上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO4)3、BaSO4、KNO3、Mg(NO3)2、Al(NO3)3、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支ない。
無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコ-ルなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によってを微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、粘土、粘土鉱物、また、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
このような粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、イオン交換性層状化合物としては、α-Zr(HAsO4)2・H2O、α-Zr(HPO4)2、α-Zr(KPO4)2・3H2O、α-Ti(HPO4)2、α-Ti(HAsO4)2・H2O、α-Sn(HPO4)2・H2O、γ-Zr(HPO4)2、γ-Ti(HPO4)2、γ-Ti(NH4PO4)2・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
粘土、粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。
また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。
このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al13O4(OH)24]7+、[Zr4(OH)14]2+、[Fe3O(OCOCH3)6]+などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラ-としては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物などが挙げられる。
粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、そのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イオン交換性層状珪酸塩を用いた場合は、担体として機能に加えて、そのイオン交換性の性質及び層状構造を利用することにより、アルキルアルミノキサンのような有機アルミニウムオキシ化合物の使用量を減らすことも可能である。イオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるが、特に天然産のものに限らず、人口合成物であってもよい。粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状珪酸塩の具体例としては、カオリナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、テニオライト、合成雲母、合成ヘクトライト等を挙げることができる。
有機化合物としては、粒径が5〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、もしくは共重合体、またはこれら重合体にアクリル酸、アクリル酸エステル、無水マレイン酸等の極性モノマーを共重合またはグラフト重合させて得られる極性官能基を有する重合体または変成体を例示することができる。これらの粒子状担体は、単独でまたは2種以上組合わせて用いることができる。
<重合方法>
本発明では、上記のようなオレフィン重合用触媒の存在下に重合を行うが、この際には、上記第IV族遷移金属化合物(A)は、重合反応系内の遷移金属原子の濃度として通常、反応容積1リットル当り、通常10−9〜10-1モル、好ましくは10−8〜10−2モルになるような量で用いられる。
(B−1)成分は、(B−1)成分と、触媒として用いられる遷移金属化合物である(A)成分中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−1)/M〕が通常0.01〜10000、好ましくは0.05〜5000となるような量で用いられる。(B−2)成分は、(B−2)成分と、(A)成分中の全遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−2)/M〕が通常10〜50000、好ましくは50〜10000となるような量で用いられる。(B−3)成分は、(B−3)成分中のアルミニウム原子と、(A)成分中の全遷移金属(M)とのモル比〔(B−3)/M〕が、通常10〜5000、好ましくは20〜2000となるような量で用いられる。(B−4)成分は、(B−4)成分と、(A)成分中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(B−4)/M〕が通常1〜50、好ましくは1〜30となるような量で用いられる。
本発明では、例えば上述したような触媒の存在下に、溶媒として炭化水素媒体中で実施されることが多い。このような炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分などを挙げることができる。さらに、重合に用いるオレフィンを溶媒として用いることもできる。
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよく、通常温度は−50℃〜+200℃、好ましくは−30℃〜180℃、更に好ましくは0〜150℃である。重合圧力は、0を超えて10.0MPa(102kgf/cm、ゲージ圧)以下、好ましくは0を超えて7.8MPa(80kgf/cm、ゲージ圧)以下、更に好ましくは0を越えて4.9MPa(50kgf/cm、ゲージ圧)以下の条件下に行われる。
重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。得られるオレフィン重合体の分子量は、分子量調節剤を使用したり、重合温度を変化させることによっても調節することができる。このような分子量調節剤の例には、水素、トリアルキルアルミニウム化合物等のようなアルミ化合物またはその他の既知の連鎖移動剤が包含される。
なお、オレフィン重合体の100℃における動粘度は重合体の分子量に依存する。すなわち高分子量であれば高粘度となり、低分子量であれば低粘度となるため、上述の分子量調整により100℃における動粘度を調整する。また、減圧蒸留のような従来公知の方法により得られた重合体の低分子量成分を除去することで、得られる重合体の分子量分布(Mw/Mn)を3以下に調整することができる。さらに得られた重合体について、従来公知の方法により水添を行ってもよい。水添により得られた重合体の2重結合が低減されれば、酸化安定性および耐熱性が向上する。
[潤滑油組成物]
本発明の潤滑油組成物は、前記のα−オレフィン(共)重合体を含んでいる。
本発明のα−オレフィン(共)重合体の含有量は、潤滑油組成物100質量%に対し、好ましくは5質量%以上100質量%以下、より好ましくは5質量%以上90質量%以下、特に好ましくは12質量%以上70質量%以下であることが好ましい。
本発明では必要に応じて低粘度基油を用いても良い。本発明の潤滑油組成物に用いられる低粘度基油としては100℃での動粘度が2〜20mm/sの範囲にある、従来公知の鉱物油、合成炭化水素油、及びエステル油から選ばれる少なくとも1種の基油が用いられる。
本発明の潤滑油組成物は、(A)前記のα−オレフィン(共)重合体15〜90重量部、より好ましくは15〜80重量部と、
(B)鉱物油、合成炭化水素油およびエステル油から選ばれる少なくとも1種からなり、100℃での動粘度が2〜10mm/sの範囲にある低粘度基油10〜85重量部、より好ましくは20〜85重量部とを含むことが好ましい((A)と(B)の合計を100重量部とする。)。
鉱物油は一般に精製の仕方により幾つかの等級があるが、一般に0.5〜10%のワックス分を含む鉱物油が使用される。例えば、水素分解精製法で製造された流動点が低く、粘度指数の高い、イソパラフィンを主体とした組成の高度精製油を用いることができる。
また、フィッシャー・トロプシュ法によって得られたガス・トゥー・リキッド(GTL)基油も好適に用いることのできる基油である。このようなGTL基油は、例えば、EP0776959、EP0668342、WO97/21788、WO00/15736、WO00/14188、WO00/14187、WO00/14183、WO00/14179、WO00/08115、WO99/41332、EP1029029、WO01/18156およびWO01/57166に記載されているものである。
合成炭化水素油としては例えばα−オレフィンオリゴマー、アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組合わせて用いることができる。このうちα−オレフィンオリゴマーとしては、炭素原子数8〜12のオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンの低分子量オリゴマー(本発明のα−オレフィン(共)重合体を除く)が使用できる。本発明の潤滑油組成物にα−オレフィンオリゴマーを用いると、極めて温度粘度特性、低温粘度特性、さらには耐熱性の優れた潤滑油組成物が得られる。この様なα−オレフィンオリゴマーは、チーグラー触媒、ルイス酸を触媒としたカチオン重合、熱重合、ラジカル重合によって製造することができる。工業的にも入手可能であり、100℃動粘度2mm/sから100mm/sのものが市販されている。例えば、NESTE社製NEXBASE、ExxonMobil Chemical社製Spectrasyn、Ineos社製Durasyn、Chevron Phillips Chemical社製Synfluidなどが挙げられる。
アルキルベンゼン類、アルキルナフタレン類は通常大部分がアルキル鎖長が炭素原子数6〜14のジアルキルベンゼンまたはジアルキルナフタレンであり、このようなアルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類は、ベンゼンまたはナフタレンとオレフィンとのフリーデルクラフトアルキル化反応によって製造される。アルキルベンゼン類またはアルキルナフタレン類の製造において使用されるアルキル化オレフィンは、線状もしくは枝分かれ状のオレフィンまたはこれらの組合わせでも良い。これらの製造方法は、例えば、米国特許第3,909,432号に記載されている。
また、エステルはα−オレフィン(共)重合体との相溶性の観点から脂肪酸エステルが好ましく、潤滑油組成物の低粘度基油として合成炭化水素油を用いる場合、エステルを加えることで潤滑油封止剤に対して良好な膨潤抑制効果が得られる。
脂肪酸エステルとしては特に限定されないが、以下のような炭素、酸素、水素のみからなる脂肪酸エステルが挙げられる。
一塩基酸とアルコールから製造されるモノエステル;二塩基酸とアルコールとから、またはジオールと一塩基酸または酸混合物とから製造されるジエステル;ジオール、トリオール(たとえばトリメチロールプロパン)、テトラオール(たとえばペンタエリスリトール)、ヘキサオール(たとえばジペンタエリスリトール)などと一塩基酸または酸混合物とを反応させて製造したポリオールエステルなどが挙げられる。これらのエステルの例としては、トリデシルペラルゴネート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、トリメチロールプロパントリヘプタノエート、ペンタエリスリトールテトラヘプタノエートなどがエステルとして挙げられる。
具体的には、本発明でα−オレフィン(共)重合体との相溶性の観点から、エステルを構成するアルコール部位は水酸基が2官能以上のアルコールが好ましく、脂肪酸部位は炭素数が8以上の脂肪酸が好ましい。ただし、脂肪酸については製造コストの点において、工業的に入手が容易である炭素数が20以下の脂肪酸が優位である。エステルを構成する脂肪酸は1種でも良く、2種以上の酸混合物でも本発明で開示される性能を十分に発揮する。より具体的には、トリメチロールプロパンラウリン酸ステアリン酸混合トリエステルやジイソデシルアジペートなどが挙げられ、これらはα−オレフィン(共)重合体のような飽和炭化水素成分と、後述する極性基を有する酸化防止剤、腐食防止剤、耐摩耗剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、防錆剤、および消泡剤等の安定剤との相溶性の点から好ましい。
本発明の潤滑油組成物には、低粘度基油として合成炭化水素油を用いる場合、潤滑油組成物全体を100質量%としたときに、脂肪酸エステルは5〜20質量%の量で含むことが好ましい。5質量%以上のエステルを含有することにより、各種内燃機関、工業機械内部における樹脂やエラストマーといった潤滑油封止材に対し、良好な適合性が得られる。具体的には、潤滑油封止材の膨潤を抑制できる。酸化安定性、または耐熱性の観点から、エステルの量は20質量%以下であることが好ましい。潤滑油組成物に鉱物油が含まれる場合、鉱物油そのものが潤滑油封止剤の膨潤抑制効果を有するため必ずしも必要ではない。
本発明の潤滑油組成物は、1種類以上の極圧剤をさらに含有することが好ましい。
本願における極圧剤とは、各種内燃機関、工業機械が高負荷状態に晒された場合に、焼付け防止の効果を有するものの総称であり、特に限定されないが、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、チオホスフィネート類、チオカーボネート類、硫化油脂、硫化オレフィンなどのイオウ系極圧剤;リン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩、亜リン酸エステルアミン類などのリン酸類;塩素化炭化水素などのハロゲン系化合物などを例示することができる。また、これらの化合物を2種類以上併用してもよい。
しかしながら、極圧潤滑条件に至るまでに、炭化水素、もしくは潤滑油組成物を構成する他の有機成分が加熱、せん断により極圧潤滑条件以前に炭化してしまい、金属表面に炭化物被膜を形成する可能性がある。このため、極圧剤単独の使用では、炭化物被膜により極圧剤と金属表面の接触が阻害され、極圧剤の十分な効果が期待できないおそれがある。
極圧剤は単独で添加しても良いが、本発明における潤滑油組成物はα−オレフィン(共) 重合体といった飽和炭化水素を主成分とするため、予め使用する他の添加剤とともに、鉱物油、もしくは合成炭化水素油等の潤滑油基油に溶解させた状態で添加した方が、分散性の観点から好ましい。
具体的には、極圧剤成分などの諸成分をあらかじめ配合し、更に鉱物油、もしくは合成炭化水素油等の潤滑油基油に溶解させたいわゆる極圧剤パッケージを選択して潤滑油組成物に添加する方法がより好ましい。
好ましい極圧剤(パッケージ)としては、LUBRIZOL社製Angramol−98A、AFTON CHEMICL社製HITEC1532、AFTON CHEMICL社製HITEC307、AFTON CHEMICL社製HITEC339、RHEIN CHEMIE社製Additin RC 9410等が挙げられる。
また、本発明の潤滑油組成物は、粘度指数向上剤、酸化防止剤、腐食防止剤、耐摩耗剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、防錆剤、および消泡剤等の添加剤を含んでいても良い。
本発明の潤滑油組成物に用いられる添加剤としては下記のものを例示することができ、これらを単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
清浄分散剤 :金属スルホネート、金属フェネート、金属フォスファネート、コハク酸イミドなどを例示することができ、通常潤滑油組成物100質量%に対して0〜15質量%の範囲で用いられる。
耐摩耗剤 :二硫化モリブデンなどの無機または有機モリブデン化合物、グラファイト、硫化アンチモン、ポリテトラフルオロエチレンなどを例示することができる。摩耗防止剤は、必要に応じて潤滑油組成物100質量%に対して0〜3質量%の範囲で用いられる。
酸化防止剤 :2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなどのフェノール系やアミン系の化合物が挙げられる。酸化防止剤は、必要に応じて潤滑油組成物100質量%に対して0〜3質量%の範囲で用いられる。
防錆剤 :各種アミン化合物、カルボン酸金属塩、多価アルコールエステル、リン化合物、スルホネートなどの化合物が挙げられる。防錆剤は、必要に応じて潤滑油組成物100質量%に対して0〜3質量%の範囲で用いられる。
消泡剤 :ジメチルシロキサン、シリカゲル分散体などのシリコーン系化合物、アルコール系またはエステル系の化合物などを例示することができる。消泡剤は、必要に応じて潤滑油組成物100質量%に対して0〜0.2質量%の範囲で用いられる。
上記の添加剤以外にも、抗乳化剤、着色剤、油性剤(油性向上剤)などを必要に応じて用いることができる。
また、本発明の潤滑油組成物は、特定のα−オレフィン(共)重合体を含有しているため、剪断安定性に優れる。剪断安定性は、ドイツ工業規格DIN 52350−6に記載の方法に準拠したKRL剪断安定性試験により評価される。具体的には潤滑油組成物を60℃で20hrの間、剪断条件下(1450rpm)におき、試験前の100℃における動粘度に対する試験後の100℃における動粘度の低下率を求める。この値が小さいほど剪断安定性に優れることを表す。本発明の潤滑油組成物では、100℃における動粘度を13.5mm/s以上15.0mm/s以下に調製したとき、DIN 52350−6に準拠し測定したKRL剪断安定性試験後の100℃における動粘度低下率は10%未満であれば、非常に剪断安定性に優れる。
≪用途≫
本発明の潤滑油組成物は工業用潤滑油(ギア油、作動油)およびグリース用基油として用いることが可能である。また、ディファレンシャルギア油のような自動車用ギア油、または手動変速機油、自動変速機油、無段変速機油などのような自動車用駆動油にも好適に使用できる。さらには自動車エンジン油、船舶シリンダ油にも使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<平均分子量・分子量分布>
数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、島津製作所製のGPC(クロマトパックC−R4A)を用い以下のようにして測定した。分離カラムとして、TSKG6000H XL、G4000H XL、G3000H XL、G2000H XLを用い、カラム温度を40℃とし、移動相にはテトラヒドロフラン(和光純薬社製)を用い、展開速度を0.8ml/分とし、試料濃度を0.2質量%とし、試料注入量を20マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンとしては、東ソー社製のものを用いた。
<α−オレフィン共重合体の組成>
2つのモノマーを用いて重合した共重合体の組成は、重合終了後、一部溶液をAgilent社製ガスクロマトグラフ6890にて測定した。測定条件はカラムDB-5MS(30m×0.25mm)にて40℃から15℃/minで320℃まで昇温し、残留モノマー量を測定した。これをもとに2つの残留モノマー重量比から、共重合体にとりこまれたモノマー量を算出した。
<粘度特性>
100℃および40℃での動粘度、並びに粘度指数はJIS K2283に記載の方法により、測定、算出した。
<流動点>
実施例、比較例、並びに配合例にて得られた低温特性を評価するため、ASTM D97に記載の方法により流動点を測定した。流動点が低いほど低温特性に優れることを示す。
<13C−NMR>
Bruker BioSpin 社製 AVANCE3 cryo−500 型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度70mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は5.0μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は256回、128ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。
<剪断安定性>
潤滑油組成物の剪断安定性はDIN 52350−6に記載の方法に準拠し、KRL剪断安定性試験機を用いて評価した。配合油を60℃で20hrの間、剪断条件下(1450rpm)におき、試験前後での100℃での動粘度の低下率を評価した。
上記方法にて剪断応力を与えた後、動粘度の低下率が10%未満であれば良好な耐久性を示す。動粘度の低下率が5%未満であれば極めて優れた耐久性を示す。
<−40℃ブルックフィールド粘度>
−40℃粘度は、ASTM D2983に準拠して、ブルックフィールド粘度計により測定した。
<低粘度基油>
低粘度基油として100℃動粘度が5.8mm/sである合成炭化水素油PAO(NESTE社製NEXBASE2006、PAO−6)を用いた。
<脂肪酸エステル>
脂肪酸エステルとして大八化学社製ジイソデシルアジペート(DIDA)を用いた。
<極圧剤パッケージ>
極圧剤パッケージとして、市販の極圧剤パッケージ(LUBRIZOL社製Anglamol−98A)を使用した。
<炭素数7〜9のα−オレフィンから導かれる構造単位を含む(共)重合体>
炭素数7〜9のα−オレフィンから導かれる構造単位を含む(共)重合体は、以下の実施例により製造した。
なお、重合例で使用したラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドはAngew.Chem.Int.Ed.Engl,24,507(1985)、山崎らのChemistry Letters,1853(1989)やAngew.Chem.Int.Ed.Engl,31,1347(1992)、Organometallics,13,954(1994)等に記載されている方法で合成した。また、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドはラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドの合成方法でZrをHfに変えて合成した。また、ジ(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドと(メチル)(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドはWO2007/034920やWO2011/142345に記載されている方法で合成した。
[実施例1]
充分に窒素置換した内容積1Lのステンレス製オートクレーブにn−ヘプタン350ml、1−オクテン150mlを装入し、攪拌しながら系内の温度を89℃に昇温した後、水素を供給することにより全圧を0.9MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドのトルエン溶液0.005mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.05mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を350rpmにして90℃で60分間重合を行った。少量のメタノールを系内に添加することにより重合を停止した。脱圧後、取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸100mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、メタノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは26.8gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体1)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は4,290であり、分散(Mw/Mn)は1.64であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において99.8mm/s、40℃において974mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は196であった。得られた重合体1の物性を表1に示す。
[実施例2]
充分に窒素置換した内容積3Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、n−ヘプタン2300mlと1−オクテン200mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を88℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で2.6mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドのトルエン溶液0.04mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.4mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして90℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸500mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは85.1gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体2)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は8,410であり、分散(Mw/Mn)は2.00であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において334mm/s、40℃において3,932mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は240であった。得られた重合体2の物性を表1に示す。
[実施例3]
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブに1−オクテン1000mlを装入し、攪拌しながら系内の温度を38℃に昇温した後、水素を供給することにより全圧を0.8MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドのトルエン溶液0.01mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのヘプタンスラリー0.10mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を350rpmにして40℃で60分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した。脱圧後、取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、エタノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは140.5gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体3)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は15,450であり、分散(Mw/Mn)は1.78であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,080mm/s、40℃において14,600mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は296であった。得られた重合体3の物性を表1に示す。
[実施例4]
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、1−オクテン600mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を63℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.6mmol、ジメチルシリレンビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.0015mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.006mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして65℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは187.0gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体4)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は14,700であり、分散(Mw/Mn)は2.18であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において848mm/s、40℃において10,750mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は289であった。得られた重合体4の物性を表1に示す。
[実施例5]
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、1−オクテン400mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を78℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.3mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.00075mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.003mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして80℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは58.7gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体5)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は15,450であり、分散(Mw/Mn)は1.81であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において822mm/s、40℃において10,790mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は283であった。得られた重合体5の物性を表1に示す。
[実施例6]
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、n−ヘプタン300ml、1−オクテン230ml、1−デセン69mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を58℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.6mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.0025mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.01mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして60℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、140℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタントルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンと1−デセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは146.4gであった。
重合後のポリマー溶液を分析し、液中の残留モノマー量から算出すると、ポリマー中に取り込まれたモノマー量は1−オクテン109.4g、1−デセン37.0gであることがわかった。これからポリマー中の組成は1−オクテン:1−デセン=78.7mol%:21.3mol%であることがわかった。
得られた透明液状ポリマー(重合体6)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は18,690であり、分散(Mw/Mn)は1.83であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,101mm/s、40℃において14,060mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は304であった。得られた重合体6の物性を表1に示す。
[実施例7]
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、n−ヘプタン300ml、1−オクテン260ml、1−デセン31mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を63℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.6mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.0015mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.006mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして65℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、140℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンと1−デセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは147.6gであった。
重合後のポリマー溶液を分析し、液中の残留モノマー量から算出すると、ポリマー中に取り込まれたモノマー量は1−オクテン130.5g、1−デセン17.1gであることがわかった。これからポリマー中の組成は1−オクテン:1−デセン=90.5mol%:9.5mol%であることがわかった。
得られた透明液状ポリマー(重合体7)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は15,300であり、分散(Mw/Mn)は1.85であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,022mm/s、40℃において13,170mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は299であった。得られた重合体7の物性を表1に示す。
[実施例8]
充分に窒素置換した内容積3Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、n−ヘプタン2300ml、1−オクテン170ml、1−ヘキセン34mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を57℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で2.5mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.02mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.04mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして59℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸500mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンと1−ヘキセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは52.6gであった。
重合後のポリマー溶液を分析し、液中の残留モノマー量から算出すると、ポリマー中に取り込まれたモノマー量は1−オクテン43.1g、1−ヘキセン9.5gであることがわかった。これからポリマー中の組成は1−オクテン:1−ヘキセン=77.3mol%:22.7mol%であることがわかった。
得られた透明液状ポリマー(重合体8)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は14,700であり、分散(Mw/Mn)は1.84であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,180mm/s、40℃において17,800mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は290であった。得られた重合体8の物性を表2に示す。
[比較例1]
充分に窒素置換した内容積500mLのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、1−オクテン250mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を48℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドのトルエン溶液0.002mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.008mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を30L/hr、攪拌回転数を650rpmにして50℃で15分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸100mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは42.9gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体9)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は19,440であり、分散(Mw/Mn)は2.02であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,730mm/sであった。得られた重合体9の物性を表2に示す。
[比較例2]
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにn−ヘプタン300ml、1−オクテン700mlを装入し、系内の温度を95℃に昇温した後、水素を供給することにより全圧を3MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、(メチル)(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液0.001mmolおよびメチルアルミノキサンのヘキサン溶液(MMAO−3A:東ソーファインケム社製)をAl濃度で0.5mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を400rpmにして100℃で60分間重合を行った。その後、少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した。脱圧後、取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し1Nの塩酸200ml中を加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取し、有機層を水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(300mmHg)でn−ヘプタン、ヘキサン、エタノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは245.1gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体10)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は3,310であり、分散(Mw/Mn)は1.43であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において104mm/s、40oCにおいて1,086mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は190であった。得られた重合体10の物性を表2に示す。
[比較例3]
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブに1−オクテン1000mlを装入し、系内の温度を65℃に昇温した後、水素を供給することにより全圧を3MPa−Gとした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、(メチル)(p−トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液0.0003mmolおよびメチルアルミノキサンのヘキサン溶液(MMAO−3A:東ソーファインケム社製)をAl濃度で0.15mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を400rpmにして70℃で60分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した。脱圧後、取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し1Nの塩酸200ml中を加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取し、有機層を水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、ヘキサン、エタノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは45.7gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体11)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は8,390であり、分散(Mw/Mn)は1.67であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において298mm/s、40℃において3,720mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は227であった。得られた重合体11の物性を表2に示す。
[比較例4]
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにn−ヘプタン500ml、1−オクテン500mlを装入し、系内の温度を45℃に昇温した後、水素を供給することにより全圧を3MPa-Gとした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、(メチル)(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液0.0005mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのヘプタンスラリー0.002mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を400rpmにして50℃で60分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した。脱圧後、取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し1Nの塩酸200ml中を加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取し、有機層を水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、エタノールと未反応の1−オクテンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは105.8gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体12)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は14,140であり、分散(Mw/Mn)は1.78であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において995mm/s、40℃において15,700mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は275であった。得られた重合体12の物性を表2に示す。
[比較例5]
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、1−デセン400mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を24℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライドのトルエン溶液0.009mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.09mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を30L/hr、攪拌回転数を650rpmにして25℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を5回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、140℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−デセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは20.4gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体13)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は23,960であり、分散(Mw/Mn)は1.76であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において896mm/s、40℃において9,640mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は311であった。得られた重合体13の物性を表2に示す。
[比較例6]
充分に窒素置換した内容積1Lのステンレス製オートクレーブにn−ヘプタン425ml、1−デセン75mlを装入し、攪拌しながら系内の温度を39℃に昇温した。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、ジ(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液0.002mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.008mmolを装入し、水素を供給することにより全圧を0.8MPa−Gとし、攪拌回転数を350rpmにして40℃で60分間重合を行った。少量のメタノールを系内に添加することにより重合を停止した。脱圧後、取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、メタノールと未反応の1−デセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは19.3gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体14)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は25,100であり、分散(Mw/Mn)は1.80であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,060mm/s、40℃において12,500mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は311であった。得られた重合体14の物性を表2に示す。
[比較例7]
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、n−ヘプタン300ml、1−ヘキセン200mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を48℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.45mmol、ジメチルシリレンビス(2,3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.002mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.008mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして50℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸100mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、140℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−ヘキセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは7.9gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体15)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は9,820であり、分散(Mw/Mn)は3.60であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,119mm/s、40℃においては20,000mm/sを超えた。得られた重合体15の物性を表3に示す。
[比較例8]
充分に窒素置換した内容積2Lのステンレス製オートクレーブにn−ヘプタン300ml、1−ヘキセン700mlを装入し、系内の温度を50℃に昇温した後、水素を供給することにより全圧を3MPa-Gとした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.4mmol、(メチル)(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液0.0025mmolおよびメチルアルミノキサンのヘキサン溶液(MMAO−3A:東ソーファインケム社製)をAl濃度で1.50mmolを窒素で圧入し、攪拌回転数を400rpmにして54℃で60分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した。脱圧後、取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し1Nの塩酸300ml中を加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取し、有機層を水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、135℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、ヘキサン、エタノールと未反応の1−ヘキセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは221.7gであった。
得られた透明液状ポリマー(重合体16)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は11,070であり、分散(Mw/Mn)は1.85であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,020mm/s、40℃においては20,000mm/sを超えた。得られた重合体16の物性を表3に示す。
[比較例9]
充分に窒素置換した内容積1Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、n−ヘプタン300ml、1−オクテン190ml、1−デセン98mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を53℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で0.6mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.0025mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.01mmolを装入し、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして55℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸200mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、140℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンと1−デセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは129.2gであった。
重合後のポリマー溶液を分析し、液中の残留モノマー量から算出すると、ポリマー中に取り込まれたモノマー量は1−オクテン80.8g、1−デセン48.4gであることがわかった。これからポリマー中の組成は1−オクテン:1−デセン=67.6mol%:32.4mol%であることがわかった。
得られた透明液状ポリマー(重合体17)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は20,930であり、分散(Mw/Mn)は1.83であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,193mm/s、40℃において15,300m/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は311であった。得られた重合体17の物性を表3に示す。
[比較例10]
充分に窒素置換した内容積3Lのガラス製オートクレーブに温度計、気体吹き込み管、冷却管、ガラス製攪拌羽根を備え、充分に窒素置換した。その後、n−ヘプタン1400ml、1−オクテン120ml、1−ヘキセン40mlを装入し、攪拌しながら窒素を10L/hrで流通させながら温度を55℃にした。次にトリイソブチルアルミニウムのn−ヘプタン溶液をAl濃度で1.6mmol、ラセミ−ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液0.02mmolおよびN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエンスラリー0.08mmolを加え、ガラス製オートクレーブ中の窒素を止め、次に水素を60L/hr、攪拌回転数を650rpmにして57℃で30分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを系内に添加することにより重合を停止した。取り出した溶液にn−ヘプタンを加えた後、分液ロートに移し0.1Nの塩酸500mlを加えて振とう、約10分静置した後、油水分離を行った。この操作を3回繰り返した後、有機層を分取した後、有機層を3回水洗し、有機層に少量の硫酸ナトリウムを加えて、約10分静置して脱水した。その後、ろ過して、硫酸ナトリウムを除去した後、140℃、減圧下(5mmHg)でn−ヘプタン、トルエン、イソプロパノールと未反応の1−オクテンと1−ヘキセンを留去した。得られた透明の液状ポリマーは73.2gであった。
重合後のポリマー溶液を分析し、液中の残留モノマー量から算出すると、ポリマー中に取り込まれたモノマー量は1−オクテン52.6g、1−ヘキセン20.6gであることがわかった。これからポリマー中の組成は1−オクテン:1−ヘキセン=65.8mol%:34.2mol%であることがわかった。
得られた透明液状ポリマー(重合体18)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定した分子量(Mw)は15,200であり、分散(Mw/Mn)は1.84であった。また、JIS K2283に記載の方法により測定した動粘度は、100℃において1,150mm/s、40℃において18,800mm/sであり、これらの動粘度から算出した粘度指数は280であった。得られた重合体18の物性を表3に示す。
[参考例1]
比較例7および8によって得られた重合体15、および16との物性比較のため、100℃動粘度が1,100mm/sであるエチレン・プロピレン共重合体(重合体19、三井化学株式会社製ルーカントHC−1100)の物性を表3に示す。
配合例
配合例1〜8は、100℃動粘度が約14.0mm/sとなるよう配合調整を行った。
[配合例1]
実施例1より得られた重合体1を38.0質量%、低粘度基油としてPAO−6を40.5質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表4に示す。
[配合例2]
実施例2より得られた重合体2を24.8質量%、低粘度基油としてPAO−6を53.7質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表4に示す。
[配合例3]
実施例3より得られた重合体3を16.8質量%、低粘度基油としてPAO−6を61.7質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表4に示す。
[配合例4]
実施例6より得られた重合体6を16.2質量%、低粘度基油としてPAO−6を62.3質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表4に示す。
[配合例5]
比較例2より得られた重合体10を37.7質量%、低粘度基油としてPAO−6を40.8質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表5に示す。
[配合例6]
比較例3より得られた重合体11を24.6質量%、低粘度基油としてPAO−6を53.9質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表5に示す。
[配合例7]
比較例4より得られた重合体12を16.2質量%、低粘度基油としてPAO−6を62.3質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表5に示す。
[配合例8]
比較例5より得られた重合体13を13.9質量%、低粘度基油としてPAO−6を64.6質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表5に示す。
[配合例9]
比較例9より得られた重合体17を15.7質量%、低粘度基油としてPAO−6を62.8質量%、エステルを15.0質量%、極圧剤パッケージを6.5質量%配合した。得られた潤滑油組成物の潤滑特性を表5に示す。
アイソタクティック重合体である実施例1〜8より得られたそれぞれの重合体1〜8(表1)は、シンジオタクティック重合体である比較例2〜4から得られた重合体10〜12(表2)に対し、同じ100℃動粘度の重合体同士にて比較するとそれぞれ粘度指数、流動点が優れる。このことは重合体1を用いた配合例1(表4)と重合体10を用いた配合例5(表5)を比較しても判るとおり、重合体そのものの粘度特性の特長、すなわちタクティシティーの影響が潤滑油組成物の粘度特性にも表れている。言い換えれば、重合体の粘度特性を潤滑油組成物の粘度特性に読み替えることができる。一方で、配合例1と配合例5での剪断安定性はともに極めて優れ、同等のものとなった。粘度特性、剪断安定性の特徴は、配合例2と配合例6、配合例3と配合例7の比較(表4、表5)においても同様のことが言える。
また、炭素原子数が10である1−デセンを構成単位とした比較例5および6より得られた重合体13および14(表2)ではタクティシティーの効果が発現せず、アイソタクティック、シンジオタクティックともに同等の粘度指数、流動点を示している。
構成単位の75mol%以上が1−オクテンである実施例3〜8より得られた重合体3〜8(表1)は、構成単位を1−ヘキセンとした比較例7、8より得られた重合体15、16(表3)に対し優れた粘度指数、流動点を示す。また、参考例に挙げるエチレン・プロピレン共重合体である重合体19(表3)の40℃動粘度が18,900mm/sであるのに対し、重合体15、ならびに16は双方とも20,000mm/sを超えており、従来技術より得られるエチレン・プロピレン共重合体と比較しても粘度指数が低くなることが判る。これに伴い低温粘度特性もエチレン・プロピレン共重合体が優れるのは明らかである。
100℃における動粘度が100mm/s〜1,500mm/sの範囲にある重合体を用いた配合例1〜4(表4)は剪断安定性試験による100℃における動粘度の粘度低下率が10%以下である。配合例1〜4は、重合体の100℃における動粘度が高くなるにつれ、すなわち分子量が増大するとともに剪断安定性は低下しており、100℃における動粘度が1,730mm/sである比較例1より得られた重合体9(表2)を用いて配合例1〜4に従い配合した場合、剪断安定性試験による100℃における動粘度の粘度低下率が10%を超えることは明らかである。
炭素原子数8である1−オクテンを75mol%以上構成単位として、100℃における動粘度が1,000mm/sとなるよう重合した重合体3、6を用いた配合例1、並びに3(表4)は、1−デセンを構成単位として100℃における動粘度が1,000mm/sとなるよう重合した重合体13を用いた配合例8(表5)に対し優れた剪断安定性を示す。しかしながら、1−オクテンを65.8mol%構成単位とし、1−デセンを34.2mol%構成単位として重合した重合体18を用いた配合例9(表5)では、1−デセンの影響により剪断安定性が低下し、10%を超える粘度低下が生じる。

Claims (9)

  1. 以下の(i)、(ii)および(iii)を満たすα−オレフィン(共)重合体。
    (i)炭素数のα−オレフィンから導かれる構成単位が、α−オレフィン(共)重合体を構成する全構成単位100モル%に対し75モル%以上である。
    (ii)100℃における動粘度が1,500mm2/s以下である。
    (iii)13C−NMR法により求められるα−オレフィン単位連鎖部のトリアッド表示によるアイソタクティシティーが50%以上である。
  2. 炭素数のα−オレフィンから導かれる構造単位が、α−オレフィン(共)重合体を構成する全構成単位100モル%に対し80モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載のα−オレフィン(共)重合体。
  3. 100℃における動粘度が90mm2/s以上1,500mm2/s以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のα−オレフィン(共)重合体。
  4. 100℃における動粘度が150mm2/s以上1,200mm2/s以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のα−オレフィン(共)重合体。
  5. 13C−NMR法により求められるα−オレフィン単位連鎖部のトリアッド表示によるアイソタクティシティーが75%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のα−オレフィン(共)重合体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のα−オレフィン(共)重合体を含んでなる潤滑油組成物。
  7. α−オレフィン(共)重合体を、潤滑油組成物100質量%に対し5質量%以上90質量%以下含むことを特徴とする請求項6に記載の潤滑油組成物。
  8. α−オレフィン(共)重合体を、潤滑油組成物100質量%に対し12質量%以上70質量%以下含むことを特徴とする請求項6または7に記載の潤滑油組成物。
  9. (A)請求項1〜5のいずれか1項に記載のα−オレフィン(共)重合体15〜90重量部と、
    (B)鉱物油、合成炭化水素油およびエステル油から選ばれる少なくとも1種からなり、100℃での動粘度が2〜10mm2/sの範囲にある低粘度基油10〜85重量部((A)と(B)の合計を100重量部とする。)を含むことを特徴とする潤滑油組成物。
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