JP5807854B2 - プラズマ発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マイクロ波を受信してプラズマを発生させるプラズマ用アンテナ電極及びそれを備えるプラズマ発生装置に関するものである。
現在、プラズマを発生させる方法として、導体からなるアンテナ電極にマイクロ波を照射し、アンテナ電極に定常波を発生させてプラズマを発生させる方法が知られている。例えば、特開2006−179211号公報(特許文献1)には、複数の棒状のアンテナ電極が記載されている。プラズマを発生させる技術は、例えば半導体分野等における蒸着技術など、さまざまな分野で利用されている。
特開2006−179211号公報
しかしながら、従来の棒状のアンテナ電極から発生するプラズマは、それほど大きいものではなく、蒸着技術などに適用するには多量のアンテナ電極を配置する必要があった。また、プラズマが小さいと、プラズマの他分野(例えば大気圧プラズマ装置)への適用が困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、棒状のアンテナ電極よりも大きいプラズマを発生可能なプラズマ用アンテナ電極及びそれを備えたプラズマ発生装置を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ用アンテナ電極は、マイクロ波を受信してプラズマを発生させるプラズマ用アンテナ電極であって、マイクロ波を受信する主受信部と、主受信部の一端から延びる第一電極部と、主受信部の他端から延びて先端が第一電極部の先端と離間且つ近接している第二電極部と、を備える導体からなり、導体のうち主に主受信部がマイクロ波を受信して、定常波を発生させることを特徴とする。
この構成によれば、導体(主に主受信部)がマイクロ波を受信(捕捉)すると、導体に定常波が発生する。そして、第一電極部の先端と第二電極部の先端とが離間且つ近接しているため、先端間の電場(プラズマと電極の振動共振電場)が共鳴しあい、当該先端間に棒状よりも大きなプラズマが発生する。つまり、本発明によれば、棒状のアンテナ電極よりも大きいプラズマを発生させることができる。
ここで、第一電極部及び第二電極部は、先端が尖っている方が好ましい。この構成によれば、より確実にプラズマを発生させることができる。
また、主受信部は、直線形状であることが好ましい。マイクロ波は、伝播方向に延びる直線部分で受信し易く、本構成にすることで、より確実にマイクロ波を受信することができる。また、導体は、C字型形状(円環状)であってもよく、この場合、作成が容易となる。
ここで、導体(すなわちプラズマ用アンテナ電極)の長さは、受信するマイクロ波の波長をλとすると、(λ/2)×n(n:正の奇数)を満たすことが好ましい。なお、(λ/2)×n(n:正の奇数)を満たすとは、±5mm程度の誤差や周辺の値を含む意味である。
この構成によれば、導体に生じる定常波により、第一電極部の先端の極性と、第二電極部の先端の極性とを確実に反対にすることができる。つまり、第一電極部の先端がプラスのとき第二電極部の先端がマイナスとなり、第一電極部の先端がマイナスのとき第二電極部の先端がプラスとなる。これにより、電極先端間に、より大きなプラズマが発生する。
ここで、本発明のプラズマ用アンテナ電極は、上記導体を複数有し、当該複数の導体は、主受信部同士が交差して配置されていてもよい。これにより、プラズマ用アンテナ電極は、受信するマイクロ波の伝播方向に関わらず、大きなプラズマを発生させることができる。また、この構成において、すべての先端は、互いに離間且つ近接していることが好ましい。それぞれの先端間の空間が重なって配置されることで、その間の電場が強まり、より大きなプラズマを発生させることができる。
ここで、本発明のプラズマ発生装置は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、上記プラズマ用アンテナ電極と、を備え、プラズマ用アンテナ電極は、マイクロ波を受信して定常波を発生させることを特徴とする。このプラズマ発生装置では、より大きいプラズマを発生させることができる。
本発明のプラズマ発生装置において、主受信部は、直線形状であり、マイクロ波照射装置は、プラズマ用アンテナ電極に対して主受信部に平行にマイクロ波を照射することが好ましい。これにより、プラズマ用アンテナ電極が効率よくマイクロ波を受信し、大きなプラズマが発生する。
また、プラズマ用アンテナ電極が同一平面上に形成され、マイクロ波照射装置は、プラズマ用アンテナ電極に対して上記平面に平行にマイクロ波を照射するように構成してもよい。これによっても、プラズマ用アンテナ電極が効率よくマイクロ波を受信し、大きなプラズマが発生する。
また、本発明は、以下の構成ともできる。すなわち、本発明は、マイクロ波を受信してプラズマを発生させるプラズマ用アンテナ電極であって、マイクロ波を受信する板状の主受信部と、主受信部表面から上方に延びる第一電極部と、主受信部表面から上方に延び、先端が第一電極部の先端と離間且つ近接している第二電極部と、を有する導体と、主受信部の表面上に設けられ、第一電極部及び第二電極部を先端のみが露出するように覆う非導電性の被覆部材と、を備え、導体のうち主に主受信部がマイクロ波を受信して、定常波を発生させることを特徴とする。この構成によれば、導電性の液中でも、第一電極部及び第二電極部の先端間に大きなプラズマを発生させることができる。
本発明によれば、1つのアンテナ電極から大きなプラズマを発生させることができる。
第一実施形態のプラズマ発生装置1の構成を示す模式断面図である。 第一実施形態のプラズマ用アンテナ電極2を示す模式正面図である。 第一実施形態のプラズマ用アンテナ電極2を示す模式平面図である。 実験例1の構成を示す模式図である。 実験例2の結果を示す図である。 角度θが0度におけるプラズマ用アンテナ電極2を示す模式正面図である。 変形態様のプラズマ用アンテナ電極2を示す模式正面図である。 変形態様のプラズマ用アンテナ電極2を示す模式正面図である。 変形態様のプラズマ用アンテナ電極20を示す模式斜視図である。 実験例6の構成を示す模式図である。 実験例6の構成を示す模式図である。 第二実施形態のプラズマ用アンテナ電極5を示す模式正面図である。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
<第一実施形態>
第一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。なお、図面については、構成が把握できるよう模式的に表しており、寸法は一部拡大・縮小されている。
プラズマ発生装置1は、図1に示すように、プラズマ用アンテナ電極2と、外容器3と、マイクロ波照射装置4と、を備えている。
プラズマ用アンテナ電極2は、図2及び図3に示すように、細長い板状の導体(ここでは、タングステン)からなり、全体として、おにぎり形状(三角形の角が丸い)に形成されている。プラズマ用アンテナ電極2の全長は、受信するマイクロ波(ここでは周波数2.45GHz)の波長λのおよそ1/2(およそ61mm)となっている。また、プラズマ用アンテナ電極2は、幅dがおよそ3mmで、厚さtがおよそ0.5mmである。なお、伝播するマイクロ波の波長λは、λ=(c/f)×ε −1/2により求まる(c:光速度、f:周波数、ε:比誘電率)。
プラズマ用アンテナ電極2は、主受信部21と、第一電極部22と、第二電極部23と、を有している。主受信部21は、直線形状であり、プラズマ用アンテナ電極2のうち主にマイクロ波を受信する部位である。
第一電極部22は、主受信部21の一端から主受信部21に交差する方向に延びている。換言すると、第一電極部22は、自身の末端から先端へ向かう方向が、主受信部21の延伸方向と異なるように、主受信部21の一端から延びている。詳細には、第一電極部22と主受信部21との為す角(口述するθと同じ角度)は、鋭角(ここではおよそ40〜45度)になっている。第一電極部22の先端は、尖った形状となっている。
第二電極部23は、主受信部21の一端から主受信部21に交差する方向で、先端が第一電極部22の先端に近づくように延びている。換言すると、第二電極部23は、自身の末端から先端へ向かう方向が、部21の延伸方向と異なるように、主受信部21の他端から延びている。第二電極部23と主受信部21との為す角は、第一電極部22と主受信部21との為す角と同じになっている。第二電極部23の長さは、第一電極部22の長さと同じであり、全体で略二等辺三角形ともいえる。第二電極部23の先端は、尖った形状となっている。本実施形態では、各電極22、23の先端間の離間距離(先端間距離s)は、およそ3mmに設定されている。
主受信部21、第一電極部22、及び、第二電極部23は、ほぼ同一平面上に位置するように形成されている。なお、本実施形態において、第一電極部22と主受信部21の為す角と、第二電極部23と主受信部21の為す角は、多少異なっていてもよい。また、第一電極部22の長さと、第二電極部23の長さが、多少異なっていてもよい。また、尖った形状とは、厚さt(板厚)が一定で、幅dが先端に行くほど細くなるような形状であってもよい。
外容器3は、内部空間を有する筐体であって、内部にプラズマ用アンテナ電極2とマイクロ波照射装置4を収容している。外容器3は、内部に連通するパイプ31を有している。外容器3の外部には不活性ガス供給装置(図示せず)が備えられており、パイプ31を介して窒素やアルゴン等の不活性ガスが外容器3内に供給される。なお、ここでは、外容器3内に台座32が設けられており、プラズマ用アンテナ電極2は、台座32上に配置されている。
マイクロ波照射装置4は、マイクロ波を照射する装置であって、ここではマグネトロンを用いている。マイクロ波照射装置4は、外容器3内に配置され、周波数2.45GHzのマイクロ波を照射する。
(実験例1)
プラズマ発生装置1を用いてプラズマ発生実験を行った。図4に示すように、外容器3及びマイクロ波照射装置4としては、電子レンジA(電力750W)を用いた。つまり、電子レンジAの筐体が外容器3であり、電子レンジ内のマグネトロン(周波数2.45GHz)がマイクロ波照射装置4である。なお、電子レンジ内の回転テーブルは取り外した状態(すなわち回転しない状態)である。
まず、ビーカーBを用意し、主受信部21がビーカーBの底面に接し、電極部22、23の先端が主受信部21の上方に位置するように、ビーカーB内にプラズマ用アンテナ電極2を設置した。その後、ビーカーB内にアルゴンガスを注入し、ビーカーBを密封した。続いて、当該ビーカーBを電子レンジA内に配置した。
ここで、ビーカーBは、プラズマ用アンテナ電極2の主受信部21がマイクロ波の照射方向(伝播方向)と平行になるように配置した。マイクロ波照射装置4であるマグネトロンが電子レンジA内の右側面(図1参照)に配置されているため、マイクロ波の照射方向は、電子レンジA内の右側面から左側面に向かう方向となる。つまり、ビーカーBは、主受信部21の延伸方向が電子レンジAの正面から見た場合の左右方向となるように配置した。なお、この配置では、一仮想平面上に形成されたプラズマ用アンテナ電極2(主受信部21、第一電極部22、及び第二電極部23)に対し、当該仮想平面に平行な方向からマイクロ波を照射することとなる。
ここで、電子レンジAのスタートボタンを押し、マグネトロンからマイクロ波を照射した。その後、第一電極部22の先端と第二電極部23の先端の間からプラズマが発生した。プラズマは、電極部22、23の先端間から、およそ100mm上方にまで発生した。従来の台座に直立固定した棒状のアンテナ電極では、同条件において、プラズマは、アンテナ電極先端から5mm程度しか発生しなかった。
このように、本実施形態のプラズマ用アンテナ電極2によれば、より大きなプラズマを発生させることができる。本実施形態によれば、主受信部21の中心部分には、電位が0となる部分が発生し、その上方で各電極部22、23の先端がプラス、マイナスとなるため、先端間の上方に向けて大きなプラズマが発生する。本実施形態では、プラズマ用アンテナ電極2の全長がマイクロ波の波長λの1/2になっているため、電極内により確実に定常波を発生させることができる。第一電極部22及び第二電極部23の先端は、交互にプラスとマイナスが入れ替わり、先端間に強い電場を発生させ、大きなプラズマが発生する。なお、各電極部22、23でも、多少マイクロ波を受信している。
(実験例2)
ここで、上記実験例1において、プラズマ用アンテナ電極2の材料を銅とし、電極22、23の先端間距離を変更して実験した。これによれば、先端間距離は、図5に示すように、特に0.2mm〜10mm程度の範囲において強いプラズマが発生した。図5において、○はおよそ10mm以上のプラズマが発生したこと、△はプラズマが発生しにくかったこと、×はプラズマが発生しなかったことを表している。先端間距離が0の場合、プラズマは発生しなかった。先端間距離が0.2mm未満の場合は、設計上電極の作製ができなかったため実験できなかったが、0でなければ先端間に強い電場が発生し、強いプラズマが発生することが予測できる。このように、プラズマ用アンテナ電極2の先端間距離は、0でなく且つ近接していればよい。
(実験例3)
また、図2に示すように、先端間距離を3mmに固定し、設置面に対する電極部22、23の先端の為す角度θを変えて実験した。角度θについては、電極部22、23の先端のみを屈曲させたものを除く。つまり、θが0度である以外は、電極部22、23と主受信部21が為す角度であり、電極部22、23は屈曲していない。θが0度においては、図6に示すように、主受信部21の端部から電極部22、23全長の半分以下のところで電極部22、23を屈曲させ、角度θを0度としている。これによれば、角度θが小さい(例えばおよそ60度以下、具体的に20度、30度、40度、60度)ときに強いプラズマが発生しやすかった。80度、90度においてはプラズマが発生しにくかった。これは、プラズマ用アンテナ電極2の全長が一定の下では、角度θが小さいほど、主受信部21の長さが大きくなり、より確実にマイクロ波を受信できるためであると考えられる。
(実験例4)
また、プラズマ用アンテナ電極2の全長を61mmの周辺で変更して実験した。その結果、およそ56mm以上66mm以下において強いプラズマが発生した。つまり、プラズマ用アンテナ電極2の全長は、λ/2及びその周辺が好ましいことがわかった。なお、およそ55mm、54mmでもプラズマが発生しており、好ましい全長は、およそ0.9×(λ/2)以上1.1×(λ/2)以下ともいえる。
また、理論上、強い電場が発生しやすいプラズマ用アンテナ電極2の全長は、λ/2の奇数倍(正の整数)である(周辺の値も含む)。λ/2の奇数倍とすることで、定常波が発生した際、各電極部22、23の先端が互い反対の極性になりやすくなる。先端が互いに反対の極性となると、先端間の電場が強くなり、強いプラズマが発生しやすくなる。
(実験例5)
また、実験例1において、マイクロ波の伝播方向に対するプラズマ用アンテナ電極2の配置位置を変更して実験した。これによれば、マイクロ波の伝播方向に対して、主受信部21が平行である場合(すなわち、実験例1)に最も強いプラズマが発生した。次に、主受信部21をマイクロ波の伝播方向に対して45度傾けた場合、強いプラズマが発生したものの、平行の場合よりも小さくなった。次に、主受信部21をマイクロ波の伝播方向に対して90度傾けた場合(すなわち、直交させた場合)、プラズマは発生しなかった。つまり、主受信部21の延伸方向とマイクロ波の伝播方向は平行であることが最も好ましい。
<変形態様>
ここで、プラズマ用アンテナ電極2は、上記の形状に限られない。プラズマ用アンテナ電極2は、先端間が離間し近接していればよく、例えば、図7に示すような円環状(略C字状)、図6に示すような角環状、または図8に示すような栗型(例えば主受信部21が直線状で、各電極部22、23が凸弧状のもの:C字型形状に含まれる)などでもよい。図7の場合、例えば、上下の高さのおよそ半分以上を電極部22、23ということができる。図8の場合も、上記のほか、高さの半分以上を電極部22、23といってもよい。また、プラズマ用アンテナ電極2は、板状に限らず、例えば棒状の材料(導体)を用いて形成してもよい。
また、図9に示すように、複数のプラズマ用アンテナ電極2を組み合わせて、1つのプラズマ用アンテナ電極20としてもよい。プラズマ用アンテナ電極20は、2つの主受信部21の中央部分を、主受信部21が互いに直交するように接合して形成されている。接合は、例えば溶着や接着剤を用いて行える。プラズマ用アンテナ電極20の4つの電極部22、23は、互いに離間し且つ近接している。
この構成によれば、プラズマ用アンテナ電極20をどの向きに配置しても、2つの主受信部21のうち少なくとも一方は、マイクロ波の伝播方向に対して直交しない位置となる。つまり、マイクロ波の伝播方向に対するプラズマ用アンテナ電極20の配置向きに関わらず、各電極部22、23の先端間に強いプラズマを発生させることができる。さらに、各先端間が重なり合うため、より強い電場が発生し、より強いプラズマが発生する。
また、マイクロ波照射装置4は、マグネトロンに限られず、クライストロンなどのマイクロ波真空管や、ガン・ダイオードなどの半導体素子を用いたものであってもよい。
また、プラズマ発生装置1及びプラズマ用アンテナ電極2は、気相プラズマ用に限られない。例えば、プラズマ用アンテナ電極2をノーマルドデカン(n−dodecane)などの有機溶媒中に配置した場合でも、本実施形態によればプラズマを容易に発生させることができた。つまり、プラズマ発生装置1及びプラズマ用アンテナ電極2は、液中プラズマが可能であって有効である。本実施形態は、有機溶媒と同様、廃油やシリコンオイルなどの非導電性液体中であれば液中プラズマが可能且つ有効である。なお、ノーマルドデカンの場合、比誘電率εが1.777となるため、伝播するマイクロ波の波長λが変わり、プラズマ用アンテナ電極2の全長は、λ/2(およそ45.9mm)が好ましい。
また、本実施形態のプラズマ発生装置1は、大気圧プラズマCVD装置として利用できる。従来の大気圧プラズマCVD装置では、棒状のアンテナ電極を用いていたため、プラズマが小さく起こしにくいという問題があった。しかし、本実施形態によれば、より強いプラズマを容易に発生させることができ、例えば半導体工程において容易に薄膜を形成することができる。
大気圧プラズマCVD装置の一例としては、ダイヤモンド合成装置が挙げられる。ダイヤモンド合成装置は、例えば図1のプラズマ発生装置1におけるプラズマ用アンテナ電極2の上方に基板(例えばシリコンウエハ)を配置して構成することができる。そして、容器(ビーカー等)内にプラズマ用アンテナ電極2及び基板を配置すると共にメタンガスと水素の混合ガスを注入して、容器を外容器3内に配置する。これにマイクロ波を照射することで、強いプラズマが発生し、基板上にダイヤモンドが蒸着される。このように、本実施形態のプラズマ発生装置1は、大気圧プラズマCVD装置にも適している。また、プラズマ用アンテナ電極2、20は、大気圧プラズマCVD装置のアンテナ電極にも適している。
(実験例6)
ここで、図10に示す装置を用いて、ダイヤモンド合成実験を行った。図10に示す装置は、プラズマ発生装置1と同じ構成であり、電子レンジA2を用いたものである。電子レンジA2上部のパイプには、4本のチューブ31が挿入されている。2本のチューブ31は、外部と電子レンジA2内とで窒素の給排気を行うためのものであり、残りの2本は、外部とビーカーB2内とで水素及びメタンの給排気を行うためのものである。
ビーカーB2は、図11に示すように、2つの貫通孔が設けられており、そこに1本ずつチューブ31が挿入されている。ビーカーB2は蓋がされて密封状態であり、外部との給排気はチューブ31を介して行った。
ビーカーB2内の台座32(テフロン(登録商標)製)には、栗型のプラズマ用アンテナ電極2と、基板ホルダー33と、が設置されている。プラズマ用アンテナ電極2は、主受信部21がマイクロ波の照射方向と略平行となるように設置されている。また、基板ホルダー33は、プラズマ用アンテナ電極2の上方に、シリコン基板34を保持している。シリコン基板34とプラズマ用アンテナ電極2の先端との離間距離は、5mm程度とした。
この装置において、電子レンジA2を起動し、ビーカーB2内に水素とメタンの混合気体(メタン1%)を1000cc/minで流した。電子レンジA2内は、窒素ガスで充満させた。マグネトロンからのマイクロ波出力をスライダックで調整することにより、シリコン基板34の温度をおよそ700℃に保った。実験開始後3分で、シリコン基板34上にダイヤモンド(粒径5μm)の膜が形成された。
<第二実施形態>
第二実施形態のプラズマ用アンテナ電極5について、図12を参照して説明する。図12に示すように、プラズマ用アンテナ電極5は、主受信部51と、第一電極部52と、第二電極部53と、被覆部材54と、を備えている。
主受信部51は、厚さ約0.5mmの平板導体(例えば、銅又はタングステン)である。主受信部51の平面図は、略円形となっている。第一電極部52は、主受信部51の表面から上方に弧状に延びた長板導体(例えば、銅又はタングステン)である。第二電極部53は、主受信部51の表面及び第一電極部52の末端から上方に弧状に延びた長板導体(例えば、銅又はタングステン)である。つまり、各電極部52、53は、主受信部51に電気的に接続(又は接触)している。第一及び第二電極部52、53は、一体に形成されており、全体で略C字型形状となっている。第一及び第二電極部52、53は、実験例4同様、全長がλ/2(又はλ/2の奇数倍)及びその周辺であることが好ましい。
被覆部材54は、耐熱接着剤からなり、主受信部51の表面上で略円柱形状となっている。被覆部材54は、第一及び第二電極部52、53の各先端を除いて、第一及び第二電極部52、53を覆っている。つまり、第一及び第二電極部52、53は、被覆部材54に覆われて、先端のみが露出している。換言すると、第一電極部52は、第一露出電極部(先端部)と第一被覆電極部とからなり、第二電極部53は、第二露出電極部(先端部)と第二被覆電極部とからなっている。
このプラズマ用アンテナ電極5においても、第一実施形態同様、マイクロ波を照射すると、第一及び第二電極部52、53の先端間に大きなプラズマが発生した。さらに、第二実施形態のプラズマ用アンテナ電極5では、第一及び第二電極部52、53が被覆部材54に覆われており、水等の導電性液体中でもプラズマを発生させることができる。導電性液体である水中にプラズマ用アンテナ電極5を配置して、マイクロ波を照射した際、大きいプラズマが発生した。これは、導体中に定常波が形成される際、電磁波が導電性液体に吸収されるのを被覆部材54が防ぐためである。
なお、主受信部51の形状(平面図)は上記に限らず、楕円、又は長方形等の多角形であってもよい。また、主受信部51は、板状に限らず、棒状、球状等でもよい。ただし、主受信部51は、設置等の観点から板状が好ましく、さらに円形のほうが、マイクロ波の照射方向によらず、安定してプラズマを発生できる。
また、主受信部51の表面積(上面)は、被覆部材54の底面積より大きいほうが好ましい。これにより、より確実且つ効果的にマイクロ波を受信することができる。また、被覆部材54の材料は、非導電性のものであればよく、樹脂製部材であってもよい。また、第一電極部52及び第二電極部53の形状は、図2や図8に示すような三角形や栗型であってもよい。
1:プラズマ発生装置、
2,20,5:プラズマ用アンテナ電極、
21,51:主受信部、 22,52:第一電極部、 23,53:第二電極部、
54:被覆部材、 3:外容器、 4:マイクロ波照射装置

Claims (12)

  1. マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、
    前記マイクロ波を受信する主受信部、前記主受信部の一端から延びる第一電極部、及び前記主受信部の他端から延びて先端が前記第一電極部の先端と離間且つ近接している第二電極部を有する導体からなるプラズマ用アンテナ電極と、
    を備え、
    前記プラズマ用アンテナ電極は、複数の前記導体を有し、主に前記主受信部が前記マイクロ波を受信して、前記プラズマ用アンテナ電極に定常波を発生させ、
    前記複数の導体は、各導体の前記主受信部同士が交差して配置されていることを特徴とするプラズマ発生装置。
  2. すべての前記先端は、互いに離間且つ近接している請求項1に記載のプラズマ発生装置。
  3. マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、
    前記マイクロ波を受信する主受信部、前記主受信部の一端から延びる第一電極部、及び前記主受信部の他端から延びて先端が前記第一電極部の先端と離間且つ近接している第二電極部を有する導体からなるプラズマ用アンテナ電極と、
    を備え、
    前記プラズマ用アンテナ電極は、主に前記主受信部が前記マイクロ波を受信して、前記プラズマ用アンテナ電極に定常波を発生させ、
    前記主受信部は、直線形状であり、
    前記マイクロ波照射装置は、前記プラズマ用アンテナ電極に対して前記主受信部に平行にマイクロ波を照射することを特徴とするプラズマ発生装置。
  4. マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、
    前記マイクロ波を受信する主受信部、前記主受信部の一端から延びる第一電極部、及び前記主受信部の他端から延びて先端が前記第一電極部の先端と離間且つ近接している第二電極部を有する導体からなるプラズマ用アンテナ電極と、
    を備え、
    前記プラズマ用アンテナ電極は、主に前記主受信部が前記マイクロ波を受信して、前記プラズマ用アンテナ電極に定常波を発生させ、
    前記主受信部、前記第一電極部、及び前記第二電極部は、同一平面上に形成され、
    前記マイクロ波照射装置は、前記プラズマ用アンテナ電極に対して前記平面に平行にマイクロ波を照射することを特徴とするプラズマ発生装置。
  5. マイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、
    前記マイクロ波を受信する主受信部、前記主受信部表面から上方に延びる第一電極部、及び前記主受信部表面から上方に延び、先端が前記第一電極部の先端と離間且つ近接している第二電極部を有する導体と、
    前記主受信部の表面上に設けられ、前記第一電極部及び前記第二電極部を先端のみが露出するように覆う非導電性の被覆部材と、
    を備え、
    前記導体は、主に前記主受信部が前記マイクロ波を受信して、前記導体に定常波を発生させることを特徴とするプラズマ発生装置。
  6. 前記第一電極部及び前記第二電極部は、一体に形成されており、
    前記第一電極部及び前記第二電極部の全長は、受信する前記マイクロ波の波長をλとすると、
    (λ/2)×n (n:正の奇数)
    を満たす請求項5に記載のプラズマ発生装置。
  7. 前記第一電極部及び前記第二電極部は、先端が尖っている請求項1〜6の何れか一項に記載のプラズマ発生装置。
  8. 前記導体の長さは、受信する前記マイクロ波の波長をλとすると、
    (λ/2)×n (n:正の奇数)
    を満たす請求項1〜4の何れか一項に記載のプラズマ発生装置。
  9. 前記主受信部は、直線形状であり、
    前記第一電極部は、前記主受信部の一端から前記主受信部に交差する方向に延び、
    前記第二電極部は、前記主受信部の他端から前記主受信部に交差する方向に延びている請求項1〜4の何れか一項に記載のプラズマ発生装置。
  10. 前記導体は、C字型形状となっている請求項1、2、及び4のうちの何れか一項に記載のプラズマ発生装置。
  11. 前記プラズマ用アンテナ電極は、非導電性液体中に配置される請求項1〜の何れか一項に記載のプラズマ発生装置。
  12. ダイヤモンド合成装置として用いられる請求項1〜11の何れか一項に記載のプラズマ発生装置。
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