JP5807711B2 - プロジェクター - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、プロジェクターの外装筐体は、濃色系(黒色系)の色を採用しているが、近年、淡色系(白色系)の色が採用されてきている。白色系の外装筐体は、特に排気口部分において、排気する内部の空気の熱や、内部に収容する光学系からの漏れ光等により、変色(黄変)するという課題がある。この課題に対して、一般的には、排気口部分に塗装を施すことで、黄変防止を行っている。
特許文献1には、プロジェクターの内部の温まった空気をプロジェクターの外部に排気する排気口に関して開示されている。
特開2007−57996号公報
しかしながら、排気口に塗装を施して黄変防止することは、外装筐体の製造コストを高くするという課題があった。また、塗装を施すことは、エネルギー性やリサイクル性の観点から環境に負荷を与えるという課題があった。
従って、白色系の外装筐体を採用する場合に、外装筐体の変色を抑制でき、環境負荷を低減するプロジェクターが要望されていた。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
(適用例1)本適用例に係るプロジェクターは、光源装置から射出された光束を光変調装置で画像情報に基づいて変調し、投写レンズ装置で投写するプロジェクターであって、光源装置及び光変調装置を内部に収容すると共に、内部の温まった空気を外部に排気する排気口を含んで構成される外装筐体を備え、外装筐体の少なくとも排気口は、紫外線吸収剤を添加した合成樹脂により形成されていることを特徴とする。
このようなプロジェクターによれば、外装筐体の少なくとも排気口が紫外線吸収剤を添加した合成樹脂により形成されることにより、白色系の排気口(外装筐体)であっても変色(黄変)を抑制することができる。また、従来行っていた塗装が不要となり、環境負荷を低減することができる。
(適用例2)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、合成樹脂は、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)成分を含まない合成樹脂により形成されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、耐候性(耐紫外線性)が低いABS成分を含まない合成樹脂に、紫外線吸収剤を添加することで、白色系の排気口(外装筐体)であっても変色(黄変)を抑制することができる。
(適用例3)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、合成樹脂は、PC(ポリカーボネイト)を主成分とする合成樹脂により形成されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、ABS成分を含まず、耐熱性も高いPCを主成分とする合成樹脂に、紫外線吸収剤を添加することで、白色系の排気口(外装筐体)であっても変色(黄変)を更に抑制することができる。
(適用例4)上記適用例に係るプロジェクターにおいて、排気口は、外装筐体とは別体で構成されていることが好ましい。
このようなプロジェクターによれば、外装筐体と排気口とが別体で構成されるため、熱や漏れ光の影響が一番大きい排気口にのみ、紫外線吸収剤を添加した合成樹脂を用いることでよく、外装筐体全体に紫外線吸収剤を添加した合成樹脂を使用する必要がないため、製造コストの低減を図ることができる。また、外装筐体と排気口とを別体に構成することにより、外装筐体に求められる難燃性を確保することが容易になる。
実施形態に係るプロジェクターの外観斜視図。 プロジェクターの光学ユニット及び冷却機構を模式的に示す平面図。 排気口を形成する合成樹脂の環境試験結果を示す図。 排気口を形成する合成樹脂の環境試験結果を示す拡大図。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るプロジェクター1の外観斜視図である。図1を参照して、プロジェクター1の外観構成を説明する。
プロジェクター1は、光源装置から射出された光束を光変調装置で画像情報に基づいて変調し、投写レンズ装置でスクリーン等に投写する装置である。プロジェクター1は、略直方体形状をなす外装筐体10で覆われている。外装筐体10は、プロジェクター1の底面1bを構成する下ケース11と、底面1b以外の5面(上面1a、前面1c、背面1d、右面1e、左面1f)を覆う上ケース12とで構成される。
外装筐体10は、前面1cの左側に排気口332を備えている。排気口332は、下ケース11にネジ固定される。排気口332は、外装筐体10内部の温まった空気を、外装筐体10外部に排気する。
外装筐体10は、上面1aと左面1fとに渡り、背面1d側に光源装置カバー13を備えている。使用者は、この光源装置カバー13を開いて光源装置21(図2参照)を交換する。外装筐体10の上面1aには、プロジェクター1の動作設定を行う操作スイッチ部14が設置されている。また、上面1aの右面1e側には、プロジェクター1の動作状態を表示する表示部15が設置されている。
また、上面1aの前面1c側には、投写レンズ装置26のズーム調整やフォーカス調整を手動で行う、ズームレバー262とフォーカスレバー263が露出して設置されている。この投写レンズ装置26を構成する投写レンズ261が、前面1cに形成される開口部16に臨んで設置される。また、前面1cの投写レンズ261の近傍には、リモコン(リモートコントローラー)からの赤外線の信号を受信する受光部17が設置されている。
また、プロジェクター1の底面1bには、プロジェクター1の投写角度の調整を行う脚部18を備えている。脚部18は、前面1c側の略中央に1つの調整脚部18Aと、背面1d側の両端部に2つの固定された固定脚部18Bとを備えている。調整脚部18Aは、レバー181の操作により、外装筐体10内部に収容され、回動自在に設置される回動部材(図示省略)の回動による底面1bからの突出量を調整することができる。
プロジェクター1の背面1dには、複数の外部電子機器(図示省略)からの画像信号や音声信号等を入力するためのインターフェース部(図示省略)が設置されている。また、背面1dには、電源ケーブル(図示省略)と接続する電力供給用のインレットコネクター等(図示省略)が設置されている。また、背面1dには、前面1cに設置される受光部17と同様の受光部(図示省略)が設置されている。プロジェクター1の右面1eには、冷却用の外気を外装筐体10内部に吸気するための吸気口311(図2参照)が設置されている。
なお、上述した外装筐体10(上ケース12及び下ケース11)、排気口332、光源装置カバー13、及び脚部18は、白色系の色に調整された合成樹脂で形成されている。従って、プロジェクター1は、白色系の色で略統一された外観となっている。本実施形態の合成樹脂(合成樹脂A)に関しては後述する。
図2は、プロジェクター1の光学ユニット2及び冷却機構3を模式的に示す平面図である。図2を参照して、プロジェクター1の光学ユニット2及び冷却機構3の構成及び動作を簡略に説明する。
プロジェクター1は、光源装置21(光源ランプ211)から射出された光束を光変調装置(液晶パネル252)で画像情報に基づいて変調し、投写レンズ装置26でスクリーンSCに拡大投写する装置である。プロジェクター1の外装筐体10内部には、光学ユニット2、冷却機構3、プロジェクター1の動作を統括制御する制御部(図示省略)を含む回路構成部(図示省略)等を備えている。
本実施形態の光学ユニット2は、光源装置21、照明光学装置22、色分離光学装置23、リレー光学装置24、光学装置25、投写レンズ装置26、及び光学部品用筐体27を備えている。
光源装置21は、光源ランプ211及びリフレクター212を有している。光源装置21は、光源ランプ211の発光による光束をリフレクター212で反射させて、照明光学装置22に射出するものである。なお、本実施形態の光源ランプ211は、超高圧水銀ランプ等の放電式ランプを採用している。
照明光学装置22は、光源装置21から射出された光束に対し、照明光軸Lに直交する面内での照度を均一化するためのものである。照明光学装置22は、レンズアレイ221,222、偏光変換素子223、及び重畳レンズ224を有している。また、照明光学装置22は、3つのフィールドレンズ225を有している。フィールドレンズ225は、光学装置25の3つの光変調装置の手前に配置され、レンズアレイ222から射出された各部分光束をその中心軸に対して平行な光束に変換する。
色分離光学装置23は、照明光学装置22からの照明光束を赤色(R)光、緑色(G)光、及び青色(B)光の3つの色光に分離して、対応する3つの光変調装置に導光するものである。色分離光学装置23は、ダイクロイックミラー231,232、及び反射ミラー233を有している。リレー光学装置24は、色分離光学装置23で分離された色光(本実施形態ではR光)に対し、光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長くなるため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止し、光変調装置(本実施形態ではR光用光変調装置)まで導くものである。リレー光学装置24は、入射側レンズ241、リレーレンズ243、及び反射ミラー242,244を有している。
光学装置25は、各光変調装置に入射した各色光を画像信号に基づいて変調し、色合成光学装置で合成するものである。光学装置25は、光変調装置を構成する3つの液晶パネル252、3つの入射側偏光板251、3つの射出側偏光板254、及び色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム255を有している。また、3つの液晶パネル252は、R光用光変調装置としてのR光用液晶パネル252R、G光用光変調装置としてのG光用液晶パネル252G、及びB光用光変調装置としてのB光用液晶パネル252Bで構成されている。なお、本実施形態の光変調装置を構成する3つの液晶パネル252は透過型を採用している。
投写レンズ装置26は、投写レンズ261を有し、光学装置25(色合成光学装置)で合成された画像光をスクリーンSCに拡大投写する。なお、投写レンズ装置26は、入射する画像光をズーム調整及びフォーカス調整する機能を有する。投写レンズ261は、1つ又は複数のレンズを1つのレンズ群として、複数のレンズ群を備えている。
光学部品用筐体27は、内部に所定の照明光軸Lが設定され、上述した各光学装置21〜25を照明光軸Lに対する所定位置に収容する。なお、上述した各光学装置21〜26に関しては、種々の一般的なプロジェクターの光学系として利用されているため、詳細な説明を省略する。
冷却機構3は、光学ユニット2で発熱する光学部品(光源装置21、偏光変換素子223、光学装置25等)に対して、外装筐体10内部に外気を導入して冷却する機構である。また、併せて、回路構成部で発熱する電気部品等も冷却する。
本実施形態の冷却機構3は、吸気側第1冷却機構31と、吸気側第2冷却機構32と、排気側冷却機構33とを備えて構成されている。吸気側第1冷却機構31は、光学装置25及び偏光変換素子223を冷却する機構である。吸気側第1冷却機構31は、前述した外装筐体10の右面1eに設置されて外気を導入(吸気)する吸気口311と、吸気の動力源となる第1ファン312と、吸気した外気を光学装置25及び偏光変換素子223に流動する第1ダクト(図示省略)とを備えている。吸気側第1冷却機構31は、第1ファン312の動作により、吸気口311から吸気した外気を、第1ダクトを流動させて、光学装置25及び偏光変換素子223に吐出することで、光学装置25及び偏光変換素子223を冷却する。
また、吸気側第2冷却機構32は、外装筐体10内部の空気を吸気して、光源装置21を冷却する機構である。吸気側第2冷却機構32は、光源装置21の近傍に設置されて、外装筐体10内部の空気を吸気する第2ファン321と、第2ファン321からの空気を光源装置21に流動させる第2ダクト322とを備えている。吸気側第2冷却機構32は、第2ファン321の動作により、外装筐体10内部の空気を吸気して第2ダクト322を流動させて、光源装置21に吐出することで、光源装置21を冷却する。
また、排気側冷却機構33は、吸気側第1冷却機構31と吸気側第2冷却機構32とにより、発熱する部品から熱を奪って温まった外装筐体10内部の空気を外装筐体10外部(プロジェクター1の外部)に排気する機構である。排気側冷却機構33は、外装筐体10内部の空気を吸気する排気ファン331と、前述した外装筐体10の前面1cに設置されて、外装筐体10内部の温まった空気を排気する排気口332とを備えている。排気側冷却機構33は、排気ファン331の動作により、吸気側第1冷却機構31と吸気側第2冷却機構32とにより発熱する部品から熱を奪って温まった外装筐体10内部の空気を吸気して排気口332から排気する。
上述した冷却機構3の動作により、プロジェクター1内部の温度を適正に保持することができる。
上述したように、冷却機構3の排気側冷却機構33を構成する排気口332は、吸気側第1冷却機構31と吸気側第2冷却機構32とにより、発熱する部品から熱を奪って温まった外装筐体10内部の空気を排気している。この排気口332に加わる温度は、本実施形態では80℃から90℃程度の高温となっている。また、光学ユニット2からの漏れ光が、排気口332に若干照射される。なお、排気口332は、漏れ光が使用者にほとんど視認されにくい構造となっている。
また、本実施形態の排気口332は、外装筐体10とは別体で構成されている。また、本実施形態の排気口332を形成する合成樹脂Aは、紫外線吸収剤が添加され、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)成分を含まず、PC(ポリカーボネイト)を主成分とする材料を用いている。なお、紫外線吸収剤は、紫外線を吸収し、ベースとなる合成樹脂に対して、無害な運動エネルギーや熱エネルギーに変換する働きを行う。
また、別体で構成される外装筐体10は、たとえばABSを含むPC、PPE(ポリフェニレンエーテル)やPS(ポリスチレン)を含む材料からなる難燃性の樹脂で構成されている。
図3は、排気口332を形成する合成樹脂Aの環境試験結果を示す図である。図4は、図3に示す環境試験結果を示す拡大図である。また、図3、図4は、排気口332を形成する合成樹脂Aと、比較対象物としての合成樹脂Bとの双方の環境試験結果をL***表色系を用いた色度図で示している。また、図4は、図3を視認しやすくするために拡大した図であり、図4(a)は、a*,b*における変化を示す拡大図であり、図4(b)は、経過時間におけるL*の変化を示す拡大図である。図3、図4を参照して、合成樹脂Aと合成樹脂Bとの環境試験における変色(黄変)結果に関して説明する。
環境試験を行う合成樹脂Aは、上述したように、紫外線吸収剤が添加され、ABS成分を含まず、PCを主成分とする材料を用いている。また、比較対象物としての合成樹脂Bは、紫外線吸収剤を添加せず、PCとABSの重合体材料である。
試験方法は、合成樹脂Aと合成樹脂Bで形成されたそれぞれのプレートを、共通するプロジェクターの排気口部分に設置し、プロジェクターを連続動作させる。これにより、それぞれのプレートには、同様の温度と、同様の漏れ光が加わる。そして、それぞれのプレートの変色の度合いを、経過時間により、肉眼で確認する他、分光測色計の計測による計測値で確認した。分光測色計は、コニカミノルタホールディングス株式会社製のCM−503dを使用した。なお、それぞれのプレートは、略同様の白色系の色となるように調整されて形成されている。
図3、図4(a)において、横軸はa*軸、縦軸はb*軸を表す(a*,b*により、色相と彩度を示す色度を表す)。また、図4(b)において、横軸は経過時間(H)を表し、縦軸はL*軸(明度)を表す。なお、合成樹脂Aと合成樹脂Bとで形成された被測定物となるそれぞれのプレートを、以降では、合成樹脂A、合成樹脂Bとして呼称する。
図3、図4(a)に示すように、合成樹脂Bは、計測開始時(初期)のa*,b*が、−1.21,0.20であったが、2000時間(H)経過後のa*,b*は、1.67,24.81に変化した。この変化は肉眼でも視認可能な変化であり、明確に黄変していることが確認できた。これに対して、合成樹脂Aは、計測開始時(初期)のa*,b*が、−1.16,0.63であったが、3000時間(H)経過後のa*,b*は、−1.32,1.52に変化した。この変化は肉眼では視認不可能な変化であり、分光測色計の計測でもほとんど黄変していないことが確認できた。
また、図4(b)に示すように、合成樹脂Bは、計測開始時(初期)のL*が、89.78であったが、2000時間(H)経過後のL*は、79.31に変化した。これに対して、合成樹脂Aは、計測開始時(初期)のL*が、95.16であったが、3000時間(H)経過後のL*は、94.75に変化した。これにより、合成樹脂Bは、2000時間経過後には、合成樹脂Aの3000時間経過後と比較して、明度が、明確に低下していることが確認できた。逆に、合成樹脂Aは、3000時間経過後でも、明度がほとんど低下していないことが確認できた。
また、図3に示すように、合成樹脂Bの計測開始時から2000時間経過後における色差(ΔE*ab)は、27.27であった。また、合成樹脂Aの計測開始時から3000時間経過後における色差(ΔE*ab)は、1.04であった。これにより、合成樹脂Bは、計測開始時と2000時間経過後とでは、色が大きく異なっていることが確認できた。合成樹脂Aは、計測開始時と3000時間経過後とでは、色の違いがほとんどないことが確認できた。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のプロジェクター1において、排気口332は、紫外線吸収剤が添加され、ABS成分を含まず、PCを主成分とする合成樹脂Aにより、白色系の色で形成されている。このような合成樹脂Aにより形成される排気口332は、排気による熱(温度)や、光学ユニット2からの漏れ光(紫外線含む)が加わっても、変色(黄変)を抑制することができる。
本実施形態のプロジェクター1は、排気口332を合成樹脂Aで形成することで、変色(黄変)を抑制することができるため、従来行っていた黄変防止用の塗装が不要となることで、環境負荷を低減することができる。
本実施形態のプロジェクター1は、白色系の排気口332を採用しても、変色(黄変)を抑制することができるため、プロジェクター1の外装筐体10等における色の自由度を向上できる。これにより、外装筐体10(排気口332や光源装置カバー13を含む)のデザインの自由度を向上させることができる。
本実施形態のプロジェクター1は、排気口332が、外装筐体10とは別体に構成されている。そのため、熱(温度)や漏れ光の影響が一番大きい排気口332にのみ、紫外線吸収剤を添加した合成樹脂Aを用いることでよく、外装筐体10全体に紫外線吸収剤を添加した合成樹脂Aを使用する必要がないため、製造コストの低減を図ることができる。また、外装筐体10と排気口332とを別体に構成することにより、外装筐体10に求められる難燃性を確保することが容易になる。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
前記実施形態のプロジェクター1は、排気口332が、紫外線吸収剤が添加され、ABS成分を含まず、PCを主成分とする合成樹脂Aにより形成されている。しかし、これに限られず。紫外線吸収剤が添加されたのみの合成樹脂であっても、紫外線吸収剤を添加されない合成樹脂に比較して、黄変を抑制する効果を奏する。また、紫外線吸収剤が添加され、ABS成分を含まない合成樹脂であれば、紫外線吸収剤が添加されたのみの合成樹脂に比較して、黄変を更に抑制する効果を奏する。
前記実施形態のプロジェクター1は、排気口332が、白色系の色に調整された合成樹脂Aを使用している。しかし、これに限られず、淡色系の色に調整された合成樹脂Aを使用しても同様の効果を奏する。
前記実施形態のプロジェクター1は、排気口332が、外装筐体10とは別体に構成されているが、これに限られず、外装筐体10と一体に形成されていてもよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、冷却機構3は、3つの機構(吸気側第1冷却機構31、吸気側第2冷却機構32、及び排気側冷却機構33)から構成されているが、これ以下の機構で構成されていてもよいし、これ以上の機構で構成されていてもよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、光学ユニット2は、R光、G光、B光に対応する3つの光変調装置を用いる、いわゆる3板方式を採用している。しかし、これに限られず、単板方式の光変調装置を採用してもよい。また、コントラストを向上させるための光変調装置を追加して採用してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、光学ユニット2は、透過型の光変調装置(透過型の液晶パネル252)を採用している。しかし、これに限られず、反射型の光変調装置を採用してもよい。
前記実施形態のプロジェクター1において、光学ユニット2は、光変調装置として液晶パネル252を採用している。しかし、これに限られず、一般に、入射光束を画像情報に基づいて変調するものであればよく、例えば、マイクロミラー型の光変調装置等、他の方式の光変調装置を採用することができる。なお、マイクロミラー型の光変調装置としては、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を採用することができる。
前記実施形態のプロジェクター1において、光学ユニット2は、光源装置21から射出された光束の照度を均一化する照明光学装置22として、レンズアレイ221,222からなるレンズインテグレーター光学系を採用している。しかし、これに限定されるものではなく、導光ロッドからなるロッドインテグレーター光学系も採用することができる。
前記実施形態のプロジェクター1の光学ユニット2において、光源装置21の光源ランプ211は、超高圧水銀ランプ等の放電式ランプを採用しているが、レーザーダイオード、LED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
1…プロジェクター、2…光学ユニット、3…冷却機構、10…外装筐体、11…下ケース、12…上ケース、21…光源装置、26…投写レンズ装置、252…液晶パネル、332…排気口、A…合成樹脂。

Claims (5)

  1. 光源装置から射出された光束を光変調装置で画像情報に基づいて変調し、投写レンズ装置で投写するプロジェクターであって、
    前記光源装置及び前記光変調装置を内部に収容すると共に、内部の温まった空気を外部に排気する排気口を含んで構成される外装筐体を備え、
    前記排気口は、前記外装筐体とは別体で構成され、
    前記排気口は、淡色系の色で、紫外線吸収剤を添加した合成樹脂により形成され
    前記排気口以外の前記外装筐体は、難燃性の合成樹脂により形成され、
    前記排気口を含む外装筐体は塗装が施されていないことを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターであって、
    前記排気口を形成する合成樹脂は、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)成分を含まない合成樹脂により形成されていることを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項2に記載のプロジェクターであって、
    前記排気口を形成する合成樹脂は、PC(ポリカーボネイト)を主成分とする合成樹脂により形成されていることを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記外装筐体は、前記淡色系の色で略統一されていることを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
    前記排気口以外の前記外装筐体は、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)を含むPC(ポリカーボネイト)、又はPPE(ポリフェニレンエーテル)やPS(ポリスチレン)を含む材料からなる合成樹脂により形成されていることを特徴とするプロジェクター。
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