JP5807700B2 - カロリー消費量計算装置及びカロリー消費量計算方法 - Google Patents

カロリー消費量計算装置及びカロリー消費量計算方法 Download PDF

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本発明は、生体情報測定装置、生体情報測定方法および生体情報測定プログラムに係り、特にカロリー消費量を推定することが可能な生体情報測定装置、生体情報測定方法、および生体情報測定プログラムに関する。
健康的な観点および予防医学的な観点からも人間が食物を摂取し、体内に取り込んだカロリーと、これを日常生活により消費するカロリーとのバランスがとれていることが重要である。しかし、現代社会においては、交通機関などの発達により、カロリー消費量は減少する傾向にある。その一方で、食物によるカロリー摂取量は増加する傾向にあり、カロリー摂取量とカロリー消費量とのバランスが崩れてきている。そこで、積極的に運動を行って、カロリー消費量を増やし、カロリー摂取量とカロリー消費量との関係を管理することが重要となる。
カロリー消費量は、酸素摂取量を測定することで計算することができる。酸素摂取量を測定する方法としては、被測定者の呼気中のCO2濃度を測定する方法がよく知られている。しかしながら、この測定方法では、非測定者に所定の運動負荷を掛けながら非測定者の呼気成分を分析することが必要であり、測定装置が大がかりで高価なものとなる。また、装置の操作にも熟練を要し、一般の利用者を対象とした方法ではない。
そこで、直接酸素摂取量を測定するのではなく、酸素摂取量と相関関係がある他の生体情報を測定し、その測定結果に基づく酸素摂取量を計算(推定)したり、酸素摂取量と利用者の体重などからカロリー消費量を推定したりする装置や方法がある。そして一般の利用者を対象として、酸素摂取量やカロリー消費量を推定するための装置や方法が各種提案されている。例えば、周知のRMR(Relative Metabolic Rate)から消費カロリーを推定したり、心拍数と酸素摂取量が比例関係にあることを利用して酸素摂取量を推定したりする装置や方法が提案されている。
そして、以下の特許文献1には、心拍数に基づいて酸素摂取量を精度良く推定するための原理について記載されている。また、以下の特許文献2には、心拍数と酸素摂取量との関係には個人差があることから、その個人差を考慮して、心拍数から酸素摂取量を求めるための技術につて記載されている。
特開2009−61246号公報 特開2002−336219号公報
カロリー消費量を計算することは、直接酸素摂取量を測定しない限り、その酸素摂取量を推定することである。そして、一般の利用者を対象とした従来の酸素摂取量の推定技術では、正確に酸素摂取量を推定しようとすると、煩雑で面倒な何らかの体力テストが必要となる。例えば、RMRから酸素摂取量を推定する方法では、特定の運動を行っているときの酸素摂取量しか正確に推定できない。具体的には、ジョギングやウォーキングなど、膨大な標本数によって得られた統計に基づいて、運動強度(速度、距離など)と酸素摂取量との関係がデータベース化されている運動を行っているときの酸素摂取量しか推定できない。
特許文献1に記載の技術では、確かに精度良く心拍数から酸素摂取量を推定できる情報処理方法を提供しているが、酸素摂取量を精度良く推定するためには、その推定に関わる計算に必要なパラメーターとして、各利用者は、何らかの体力テストを行って最大酸素摂取量と呼ばれる数値を別途計測しておく必要がある。体重や年齢、性別などの身体的特徴を用いて最大酸素摂取量を求めてもよいが、その場合では、体力などが平均から外れていると、実際のカロリー消費量と推定値との誤差が大きくなる。
特許文献2には、体力差などの個人差を考慮して心拍数から酸素摂取量を推定する技術について記載されているが、やはり、運動強度とカロリー消費量との関係があらかじめ分かっている特定の運動を利用者に行わせ、その運動時の心拍数を計測し、個人毎の心拍数と酸素摂取量との関係を事前に設定している。
ところで、特定の運動を正確に行うことは面倒であるとともに、実は、きわめて難しいことでもある。例えば、最も単純な運動であるウォーキングによる体力テストを行う場合であっても、利用者は、歩行する距離や速度を正確に測定する何らかの手段が必要となる。結局、トレッドミルなどの装置を用いることになり、その高価な装置を入手するか、その装置が設置されている場所に行かなくてはならない。
さらに、日々の運動や、長期の静養などで利用者の体力などが変化すれば、心拍数と酸素摂取量との関係も変化する。すなわち、心拍数と酸素摂取量との関係が経時変化する。その経時変化を考慮して心拍数から正確に酸素摂取量を推定しようとすると、その煩わしい体力テストを定期的に行うことが必要となる。
そこで本発明は、特別な体力テストを行うことなく、心拍数に基づいて、正確、かつ簡単に酸素摂取量を推定できる生体情報測定装置や生体情報測定方法、およびその方法に基づいてコンピューターに生体情報を測定させるためのプログラムを提供することを目的としている。なお、その他の目的については以下で明らかにする。
上記目的を達成するための主たる発明は、利用者の身体に装着されて、当該利用者の生体情報を測定して、酸素摂取量を推定する生体情報測定装置であって、
利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定する脈波測定部と、
人体の体動に伴う体動信号を測定する体動信号測定部と、
ユーザー入力により受け付けた利用者の身体的特徴に関わる身体情報を記憶する身体情報記憶部と、
心拍数と酸素摂取量との対応関係を記述する回帰式情報が記憶されている回帰情報記憶部と、
前記脈波信号と前記体動信号とに基づいて、利用者の拍動を反映した拍動信号を抽出するとともに、当該拍動信号に基づいて心拍数を計算する心拍数測定部と、
前記体動信号に基づいて、利用者の歩調を測定する歩調測定部と、
前記心拍数と前記歩調の経時変化を運動履歴として記憶する履歴記憶部と、
前記運動履歴から、前記歩調と前記心拍数のそれぞれの変動値が、それぞれに所定の数値範囲内で所定時間以上継続している状態を定常運動状態として検出する定常運動検出部と、
前記身体情報と、前記定常運動状態における歩調と心拍数とに基づいて前記回帰式情報を補正し、補正後の回帰式情報を前記回帰情報記憶部に記憶する回帰式補正部と、
を備えたことを特徴とする生体情報測定装置としている。
本発明の実施形態に係る生体情報測定装置を前面から見たときの外観図である。 上記生体情報測定装置を背面から見たときの外観図(A)と、側面から見たときの外観図(B)である。 上記生体情報測定装置が備える脈波センサーの構造図である。 上記生体情報測定装置の機能ブロック図である。 相対心拍数と相対酸素摂取量との関係を示す図である。 上記生体測定装置における情報処理の流れを示す図である。 上記生体情報測定装置によって測定される心拍数と歩調の履歴を示す図(A)と、上記履歴に基づく定常運動状態の検出方法を説明するための図(B)である。 補正前の相対心拍数と相対酸素摂取量との関係を示す図である。 補正後の相対心拍数と相対酸素摂取量との関係を示す図である。
===その他の発明に係る実施形態および実施例===
利用者が、大がかりな装置を用いずに自身の心拍数に基づいて正確に酸素摂取量を知るためには、利用者は、何らかの体力テストを実施し、その体力テストの結果に基づいて、その利用者における心拍数と酸素摂取量との関係(回帰式)を求めておく必要がある。しかし、その体力テストの実施自体が、実は、難しいことが判明した。さらに、心拍数と酸素摂取量との関係が経時変化することから、その実施困難な体力テストを頻繁に行って、回帰式を随時補正する必要がある。したがって、心拍数に基づいて酸素摂取量を正確に推定することは、現実的には極めて難しい。
ところで、日常生活においては、例えば、通勤・通学時の歩行など、心拍数と運動強度が継続して一定になりそうな運動が繰り返し行われている可能性がある。そして、その可能性に着目したところ、日常生活中に含まれる運動の一部に酸素摂取量を正確に計算できる運動が含まれていれば、その運動時における心拍数と運動強度とを測定して回帰式を随時補正できると考えた。本発明は、このような考察に基づいて創作されたものである。そして、本発明の生体情報測定装置に係る実施例は、上記主たる発明に対応する実施例の他に、以下の特徴を備えていることとしてもよい。
前記回帰式情報補正部は、前記回帰式情報を補正する際、前記定常運動検出部により検出された定常運動状態の継続期間の終了時点から所定時間前までの一部の期間における心拍数と歩調を採用すること。
気圧センサーと、当該気圧センサーからの気圧信号に基づいて高度を計算する高度計算部とを備え、
前記履歴記憶部は、前記高度計算部が計算した高度を高度履歴として記憶し、
前記回帰式補正部は、前記定常運動状態の継続期間中における高度差を前記高度履歴に基づいて計算するともに、前記定常運動状態における歩調と心拍数と、当該計算した高度差とに基づいて、前記回帰式情報を補正すること。
あるいは、気圧センサーと、当該気圧センサーからの気圧信号に基づいて高度を計算する高度計算部を備え、
前記履歴記憶部は、当該高度計算部が計算した高度を高度履歴として記憶し、
前記回帰式情報補正部は、前記定常運動状態の継続期間中における高度差を前記高度履歴に基づいて計算するともに、当該高度差が所定の範囲以上であれば、当該定常運動状態における歩調と心拍数とに基づく前記回帰式情報の補正を行わないこと。
前記身体情報に含まれている利用者の体重と、前記回帰式情報と、前記心拍数測定部が計算した心拍数とに基づいてカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算部を備え、当該カロリー消費量計算部は、ユーザー入力により荷重についての情報を受け付けると、前記身体情報に含まれている前記体重に当該荷重を加算した数値を新たな体重として、カロリー消費量を計算すること。
また、本発明の生体情報の測定方法に係る実施例は、利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定する脈波測定部と、人体の体動に伴う体動信号を測定する体動信号測定部と、心拍数と酸素摂取量との対応関係を記述する回帰式情報が記憶されている回帰情報記憶とを備えたコンピューターにより、
前記脈波信号と前記体動信号とに基づいて、利用者の拍動を反映した拍動信号を抽出するとともに、当該拍動信号に基づいて心拍数を計算する心拍数測定部ステップと、
前記体動信号に基づいて、利用者の歩調を測定する歩調測定ステップと、
前記心拍数と前記歩調の経時変化を運動履歴として記憶する履歴記憶ステップと、
前記運動履歴から、前記歩調と前記心拍数のそれぞれの変動値が、それぞれに所定の数値範囲内で所定時間以上継続している状態を定常運動状態として検出する定常運動検出ステップと、
前記身体情報と、前記定常運動状態における歩調と心拍数とに基づいて前記回帰式情報を補正し、補正後の回帰式情報を前記回帰情報記憶部に記憶する回帰式補正ステップと、
を実行することを特徴としている。
また、生体情報測定プログラムも本発明の対象であり、当該プログラムに係る実施例は、利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定する脈波測定部と、人体の体動に伴う体動信号を測定する体動信号測定部と、心拍数と酸素摂取量との対応関係を記述する回帰式情報が記憶されている回帰情報記憶とを備えたコンピューターにインストールされて、当該コンピューターに、
前記脈波信号と前記体動信号とに基づいて、利用者の拍動を反映した拍動信号を抽出するとともに、当該拍動信号に基づいて心拍数を計算する心拍数測定部ステップと、
前記体動信号に基づいて、利用者の歩調を測定する歩調測定ステップと、
前記心拍数と前記歩調の経時変化を運動履歴として記憶する履歴記憶ステップと、
前記運動履歴から、前記歩調と前記心拍数のそれぞれの変動値が、それぞれに所定の数値範囲内で所定時間以上継続している状態を定常運動状態として検出する定常運動検出ステップと、
前記身体情報と、前記定常運動状態における歩調と心拍数とに基づいて前記回帰式情報を補正し、補正後の回帰式情報を前記回帰情報記憶部に記憶する回帰式補正ステップと、
を実行させることを特徴としている。
===本発明の実施形態===
本発明の具体的な実施形態として、腕時計型の生体情報測定装置(以下、測定装置)を挙げる。この測定装置は、例えば、自身の酸素摂取量を知りたいと思う利用者によって常時装着されて使用される。測定装置は、これを装着している人(以下、利用者)の脈波や体動をセンサーを用いて電気信号(脈波信号)に変換し、その脈波信号や体動信号を解析することで心拍数や運動強度を測定する。そして、その心拍数と運動強度とに基づいてカロリー消費量を計算して表示出力する機能を備えている。
<構造>
図1に当該測定装置1の外観図を示した。この測定装置1は、一般的なデジタル腕時計と同様の外観を有し、人の手首に装着するためのリストバンド2を備え、ケース3の前面には時刻、この装置1の動作状態、および各種生体情報(脈拍数、カロリー消費量など)を文字や数字、あるいはアイコンによって表示するための液晶表示器(LCD)4が配置されている。また、ケース3の周囲にはこの測定装置1を操作するための各種ボタン5が配設されている。そして、この測定装置1は、内蔵する二次電池を電源として動作し、ケース3の側面には、外部の充電器と接続されて、内蔵二次電池を充電するための充電端子6が配設されている。
図2(A)に、測定装置1を後面、すなわちケース3の背面から見たときの外観図を示した。また、図2(B)に利用者の腕100に装着された状態の測定装置1の側面を示した。ケース3の背面には、利用者の脈波を検出して脈波信号を出力するための脈波センサー10が配設されている。この脈波センサー10は、ケース3の背面に接触している利用者の手首100にて脈波を検出する。本実施形態では、脈波を光学的に検出するための構成を備えている。
図3は、脈波センサー10の内部構造をケース3の側面から見たときの拡大図である。脈波センサー10は、ケース3の背面側に形成された円形底面を有する半球状の収納空間内に設置されている。そして、この収納空間内にLEDなどの光源12と、フォトトランジスタなどの受光素子13とが内蔵されている。半球の内面は鏡面11であり、半球の底面側を下方とすると、受光素子13と光源12は、基板14の上面と下面にそれぞれ実装されている。
光源12により、利用者の手首100の皮膚101に向けて光Leが照射されると、その照射光Leが皮下の血管102に反射して半球内に反射光Lrとして戻ってくる。その反射光Lrは、半球状の鏡面11にてさらに反射して、受光素子13に上方から入射する。
この血管102からの反射光Lrは、血液中のヘモグロビンの吸光作用により、血流の変動を反映してその強度が変動する。脈波センサー10は、拍動よりも早い周期で光源12を所定の周期で点滅させ、受光素子13は、光源12の点灯機会ごとに受光強度に応じた脈波信号を光電変換によって出力する。なお、本実施形態では、128Hzの周波数で光源12を点滅させている。
<機能ブロック構成>
図4に上記測定装置1の機能ブロック構成を示した。測定装置1のードウエア構成は、時刻やタイマーなどの計時に関わる機能と、拍動、体動、体温などの生体情報を測定する機能とを備えたコンピューターである。そして、測定装置1は、CPU20、RAM21、ROM22からなるコンピューター本体を制御部としている。また、外部記憶としてフラッシュメモリー23を備えている。そして、CPU20を動作させるための基準クロックを生成するための発振回路24と、その基準クロックから計時用のクロックを生成する分周回路25を備えている。
ユーザーインターフェイスに関わる構成としては、CPU20からの指示に従って情報をLCD4に表示するための表示部26、圧電振動子27などを用いてアラーム音や振動を出力するための警報部28、操作ボタン5に対する操作状態を記述する操作データを生成してCPU20に入力するための入力部29を備えている。
また、測定装置1は、生体情報を測定するための構成として、各種センサー(10,30,31)を備えている。脈波センサー10は、上述したように、LEDなどの光源12と受光素子13を主体にして構成されている。体動センサー30は、3軸の加速度センサーであり、3軸方向のそれぞれの加速度に応じて3系統の体動信号を出力する。なお3軸方向は、例えば、図1に示したように、ケース3前面の法線方向(紙面奥から手前方向)をZ軸、時計の6時から12に向かう方向をY軸、そして、これら2軸と直交する方向をX軸、などとすることができる。この場合、X軸は、測定装置1を装着した状態で、肘から手首に向かう方向とほぼ一致する。気圧センサー31は、例えば、圧電素子による圧電効果により、端子間に気圧に応じた電圧が発生することを利用し、その電圧値を気圧信号として出力する。
また、脈波センサー10からの脈波信号、体動センサー30からの体動信号をそれぞれ増幅する脈波信号増幅回路32、および体動信号増幅回路33と、それぞれの増幅回路(32,33)を経て増幅された脈波信号と体動信号、および気圧センサー31からの気圧信号を所定のサンプリング周期ごとに個別にサンプリングして数値化して、それぞれの信号を脈波データ、体動データ、および気圧データに変換するA/D変換回路34を備えている。本実施形態では、16Hzのサンプリング周波数で各信号をA/D変換している。
脈波形整形回路35、および体動波形整形回路36は、脈波信号増幅回路32、および体動信号増幅回路33を経て増幅された脈波信号、および体動信号を、それぞれに所定の閾値との比較に基づいて2値化する。CPU20は、これらの波形整形回路(35,36)からの入力信号に基づいて脈波あるいは体動の有無を検出する。なお、心拍数測定部41、歩調測定部42,履歴記憶部43、定常運動検出部44、回帰式補正部45、酸素摂取量推定部46は、CPU20がROM22などに格納されたプログラムを実行することで実現される機能ブロック構成であり、本実施形態では、個別のハードウエアとしては存在していない。もちろん、これらの構成(41〜46)は、DSPなどに置換することも可能である。
通信部50は、パーソナルコンピューターなどの外部の情報処理装置とCPU20とのデータ通信に関わる情報処理を行う。CPU20は、この通信部50を介して情報処理装置に各種データを転送したり、情報処理装置から各種データを受け取ったりする。なお、通信部50と外部の情報処理装置とは、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して直接接続される形態もあり得るし、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続される形態もあり得る。無線信号により通信する形態も考えられる。ケーブル接続の場合は、ケース3の外面にケーブルと接続するためのコネクターを設けておけばよい。無線通信の場合は、情報処理装置側にその無線通信用のインターフェイスがあればよい。
本実施形態では、通信部50は、クレイドルを介して情報処理装置と通信する形態を採用している。そして、通信部50とクレイドルとは無線信号により通信し、クレイドルと情報処理装置とが有線接続されて通信するように構成されている。それによって、情報処理装置には、特殊な無線通信インターフェイスが不要となり、測定装置1には、コネクターが不要となる。
具体的には、クレイドルは、測定装置1を着脱自在に装着可能な形状をなし、装着状態にある測定装置1と無線信号により通信部50と通信するための構成と、情報処理装置とUSBなどの汎用の通信規格に準じたプロトコルで通信するための構成とを備え、測定装置1と情報処理装置の双方との通信において送受信されるプロトコルの異なる信号を解釈して相互変換する。それによって、CPU20は、通信部50を介して情報処理装置とのデータ通信が可能となる。
そして、以上の測定装置1の構成により、CPU20は、入力部29からの操作データに従ってROM22に記憶されている所定のプログラムを実行するとともに、その実行結果やA/D変換回路34からのデータなどをRAM21やフラッシュメモリー23に書込んだり、その書き込んだデータをRAM21やフラッシュメモリー23から読み出したりする。また、表示部26を制御して情報処理の実行結果、測定装置1の動作状態、あるいは時刻などをLCD4に表示させたり、警報部28を制御して音声や振動による信号を出力したりする。
===測定装置の基本的な動作===
上記構成を備えた本実施形態に係る測定装置1の主要な機能は、脈波信号と体動信号を常時測定し、その測定結果に基づいて、酸素摂取量を推定することにある。概略的には、利用者が、運動強度と酸素摂取量との関係が分かっている運動を実施している状態を検出し、その運動状態において測定された心拍数と運動強度との関係から、心拍数と酸素摂取量との関係を記述する回帰式を導出し、最終的に、その回帰式と、測定中の心拍数と、体重などの利用者の身体的特徴を記述した身体情報とに基づいてカロリー消費量を計算して出力する機能にある。ここでは、測定装置1における基本的な動作として、心拍数の測定動作と運動強度の測定起源となる歩調、すなわち単位時間あたりの歩数の測定動作とについて説明する。
<心拍数の測定>
運動時に脈波センサー10が出力する脈波信号は、体動の影響により乱れた血流の変動を反映している。そこで、CPU20は、心拍数測定部41により、脈波データから体動に相関するノイズ成分を除去して拍動信号のみを抽出するともに、拍動信号の周波数(あるいは周期)に基づいて心拍数を計算する。具体的には、FIRフィルターなどによって構成されるデジタルフィルターを適用フィルターとして生成し、その適用フィルター用いてノイズを含んだ脈波信号から拍動信号を抽出する。そして、抽出した拍動信号のデータをFFT解析することにより拍動の周波数(あるいは周期)を特定し、その特定された周波数や周期に基づいて1分間あたりの拍動、すなわち心拍数を計算する。
<歩調の測定>
体動センサー30からの体動信号は3次元方向のそれぞれの加速度の変化を示しており、CPU20は、その3次元方向の各加速度を表現する体動データをフィルタリング処理とFFT処理とによって、体動信号に含まれている歩行に伴う振動を抽出し、その振動の周波数を特定する。そして、その周波数から単位時間あたりの歩数である歩調を計算する。本実施例では、4秒毎に歩調を計算している。すなわち、体動信号を64回サンプリングするごとに歩調を計算している。
===消費カロリーの計算原理===
上述したように、本実施形態に係る測定装置1の主要な機能は、測定した心拍数に基づいてカロリー消費量を計算することにある。実際には、酸素摂取量VO2を計算し、その酸素摂取量VO2をカロリー消費量Cに換算している。酸素摂取量VO2の単位は、体重1Kgあたりの毎分の酸素消費体積で、mL/Kg/minであり、カロリー消費量Cは、Kcalである。そして、カロリー消費量Cは、1Lの酸素を摂取した場合における消費カロリーは5kcalであることが知られていることから、利用者の体重をW(Kg)、同一の酸素摂取量VO2の継続時間をtとすると、以下の式(1)によって計算される。
C=VO2×W×5×t …(1)
すなわち、利用者の体重Wが分かっていれば、心拍数RHの測定機会ごとに酸素摂取量VO2を推定して、その推定した酸素摂取量VO2を時間積分すると、カロリー消費量C求まる。なお、カロリー消費量Cの計算に必要な利用者の体重Wは、ユーザー入力により取得する。利用者は、測定装置1を操作し、自身の身体的特徴に関する各種情報をユーザー入力する、具体的には、身長T(m)、体重W、年齢Age、性別を入力する。CPU20は、入力部29を介して身体的特徴に関する情報(以下、身体情報)を受け取り、フラッシュメモリー23などの適宜な記憶領域に記憶する。年齢Ageについては、ユーザー入力された生年月日から算出するとともに、CPU20の計時に関わる基本機能であるカレンダー機能によって毎年自動更新されるようにしておいてもよい。
なお、身体情報の入力方法としては、通信部50を介して通信可能に接続されている外部の情報処理装置を用いることもできる。この場合は、情報処理装置に、身体情報のユーザー入力を受け付けて、その身体情報を測定装置1に転送するためのプログラムをインストールしておけばよい。
<酸素摂取量の推定方法>
図5は、酸素摂取量の推定原理の一例を示す図である。フラッシュメモリー23などには、心拍数RHと酸素摂取量VO2との対応関係(回帰式)を記述するデータ(回帰式情報)が記憶されており、CPU20は、実際の心拍数RHをその対応関係に適用して酸素摂取量を求めている。図示した例では、心拍数RHと酸素摂取量VO2を、それぞれ、相対心拍数%RHと相対酸素摂取量%VO2という数値で扱う例をグラフ110にして示した。当該グラフ110の縦軸111である相対心拍数%HRは、安静時の心拍数RHrestを0%とし、最大心拍数RHmaxを100%としたときにおける実際の心拍数RHの割合であり、以下の式(2)によって求められる。
%HR=(HR−HRrest)/(HRmax−HRrest)×100[%]…(2)
一方、グラフ110の横軸112となる相対酸素摂取量%VO2は、利用者の安静時の酸素摂取量VO2restを0%とし、同じ利用者の最大酸素摂取量VO2maxを100%としたときにおける実際の酸素摂取量VO2の割合であり、以下の式(3)によって求められる。
%VO2=(VO2−VO2rest)/(VO2max−VO2rest)×100[%]…(3)
なお、上記式(2)(3)において、安静時の心拍数RHrest、最大心拍数RHmax、安静時の酸素摂取量VO2restは、年齢や性別から求められたり、定数であったりする。しかし、最大酸素摂取量VO2maxは、個人差があり、しかも経時変化する。すなわち、式(3)におけるVO2maxが変化する。ここでは、RHmaxやRHrest、およびVO2restは、ACSM(American College of Sports Medicine )が提唱する推定法に従って算出しており、RHmaxを、220から年齢を減算した値としている。RHrestは、以下の表1に示した対応関係を利用している。また、VO2restは、固定値3.5を採用している。
Figure 0005807700
表1に示したテーブルは、ROM22などに格納されており、CPU20は、入力された身体情報とこのテーブルとに基づいてRHrestを特定する。なお、相対心拍数%RHと、相対酸素摂取量%VO2とによって表現された回帰式では、相対心拍数%RHと、相対酸素摂取量%VO2は、図5に示した直線(回帰直線)130のように、%RH=%VO2の関係となる。
===第1の実施例===
上述したように、特定の運動を所定時間継続したときの酸素摂取量VO2については、その規則性が分かっている。そして、その規則に則って運動を行ったときの心拍数RHを計測すれば、個人差や経時変化に伴うVO2maxを求めることができる。しかし、その特定の運動を利用者が行うことが実際には難しい。
本発明の第1の実施例は、測定装置1が、常時装着可能な形態で、体動センサー30と脈波センサー10を備えていることを利用し、利用者が、無意識に酸素摂取量を特定できる所定の運動を行った場合、その運動状態(定常運動状態)を検出し、その運動状態における酸素摂取量VO2と心拍数RHとに基づいて回帰式を補正することとしている。
<定常運動状態の検出>
第1の実施例では、定常運動状態について、所定の歩速で所定時間継続して歩く(あるいは走る)、という運動状態で、かつ、その運動中に心拍数が一定であると定義し、その定常運動状態を検出し、その運動状態における心拍数と運動強度との関係から、心拍数と酸素摂取量との関係である回帰式を求めるための動作や情報処理について説明する。図6に第1の実施例における情報処理の流れを示した。
測定装置1のCPU20は、上述の基本動作により、常時心拍数RHと歩調fを測定しており(s1)、履歴記憶部43により、その心拍数RHと歩調fとを運動履歴としてフラッシュメモリー23に記憶していく(s2)。また、定常運動検出部44により、定期的に運動履歴を検索して定常運動状態の有無を確認する(s3)。あるいは心拍数RHと歩調fの測定機会ごとに過去所定時間前に測定された心拍数RHと歩調fとを比較しながらほぼリアルタイムで定常運動状態の有無を検出してもよい。
図7に、定常運動状態の検出方法の概略を示した。図7(A)は、運動履歴として記憶されたある時間帯における心拍数RHの変動120と歩調fの変動121を示している。図7(B)は、(A)に示した時間体におけるそれぞれの心拍数RHと歩調Fの測定機会に対し、過去所定時間前の測定機会にて測定されて心拍数RHと歩調fとの差分の絶対値(ΔRH,Δf)の変動(122,123)を示している。
定常運動検出部44は、ある測定機会において測定された心拍数RHとその測定機会fより所定時間前に測定された心拍数との差の絶対値ΔHR、および当該測定機会における歩調と過去所定時間前の歩調との差の絶対値Δfを計算する(s4)。本実施例では、過去1分前の測定機会に得たデータと比較する。これは、測定装置1が4秒間隔で心拍数RHと歩調fとを測定しており、連続する前後の測定機会でΔHRやΔfを計算した場合、心拍数RHや歩調fが徐々に変化するように運動では、ΔHRやΔfが全て所定数値範囲内に入ってしまうためであり、ある程度の時間が離れているときの測定機会でΔHRやΔfを求めている。特に、心拍数RHは、歩調fが急激に変化した場合でも、徐々に上がっていく場合も想定されるため、このようにΔHRやΔfの起源となる2回の測定機会の時間間隔を長くしている。なお、歩調fについては、利用者が測定装置1を装着している腕を不意に大きく振るなどして、突発的に大きな変化が発生することも想定されることから、移動平均を取るなどして平滑処理を起こった上で所定時間前との差Δfを計算するようにしてもよい。
そして、以上のようにして計算されたΔHRとΔfが、所定の数値範囲となった時点で、その時点からの時間計測を開始し(s5→s6)、かつ、ΔHRとΔfが、所定の数値範囲内となっている状態の継続時間を計測する(s7)。そして、ΔHRとΔfが、所定の数値範囲外となった時点で継続時間の計測を終了し(s8→s9)、計測した継続時間が所定時間以上である場合、図7(B)に示したように、この継続時間を定常運動状態にある期間(定常運動期間)124として、その期間124中に測定された心拍数HRと歩調fを定常運動状態としてフラッシュメモリー23などに記憶する(s10→s11)。本実施例では、ΔHRとΔfが10以下で3分間以上継続した場合に、その継続期間を定常運動期間124としている。
なお、後に行う回帰式の補正処理に際して採用する定常運動期間124中の心拍数HRや歩調fについては、定常運動期間124の全てのデータを採用してもよいが、ここでは、心拍数HRや歩調fが、定常運動期間124の開始時点125から心拍数HRや歩調fが徐々により安定した状態に推移するものとして、定常運動期間124の終了時点126から所定時間前までの期間中の心拍数HRと歩調fを採用することとしている。また、定常運動期間124の一部のデータのみを記憶することでフラッシュメモリー23などの記憶領域を節約することもできる。本実施例では、定常運動期間124において、その終了時点126より1分前の心拍数HRと歩調fを採用している。
<酸素摂取量の計算>
次に、回帰式補正部45により、定常運動状態における歩調fから酸素摂取量VO2を計算する。第1の実施例では、定常運動期間124中から採用した歩調fから運動強度を計算し、その運動強度を酸素摂取量に換算している。そして、その酸素摂取量と定常運動期間124中から採用した心拍数RHの平均値RHaveに基づいて回帰式を補正していく。
具体的には、運動強度は、利用者の歩速vから求めることができる。そこで、歩速v(m/min)を求める(s12)。歩速vは、歩調f(step/min)に歩幅L(cm)を乗算することで求められ、歩幅Lは、身長Tと歩調fとに比例することが知られている。本実施例では、以下の式(4)によって歩速vを求めている。
v=L×f=(0.001×f+0.37×T)×f…(4)
そして、定常運動状態にあるときの平均の酸素摂取量VO2aveは、以下の式(5)によって求める(s13)。
VO2ave=0.1×v+VO2rest…(5)
当該式(5)におけるVO2restについては、上述したように、VO2rest=3.5の固定値を採用している。そして、この固定値は、ACSMが推奨する酸素摂取量VO2と歩行速度vとの関係式に基づいている。
<回帰式の補正>
CPU20における回帰式補正部45は、歩行速度vを計算したならば、定常運動状態における平均酸素摂取量VO2aveを計算し(s13)、その平均酸素摂取量VO2aveと、平均心拍数RHaveとの対応関係からVO2maxを計算することで回帰式を補正する(s14,s15)。ここでは、利用者の身体情報や、定常運動状態を記述する各種情報を具体的に例に挙げる。その具体例に従って回帰式の補正に関わる動作や情報処理についてより詳しく説明する。
以下の表2に、身体情報や定常運動状態を記述する各情報数を一覧にして示した。
Figure 0005807700
なお、回帰式は、定常運動状態を検出した時点で初めて生成することも考えられるが、定常運動状態の検出以前においても、酸素摂取量やその酸素摂取量に基づくカロリー消費量を利用者に提示することが望ましい。そこで、ROM22には、回帰式を初期設定するために、ASCMが提唱する推定法によって規定されている年齢と性別と最大酸素摂取量VO2maxとの対応関係を記述したテーブルが記憶されている。
当該対応関係を以下の表3に示した。
Figure 0005807700
CPU20は、上記表1や表3に示したテーブルやユーザー入力された身体情報を用いて初期状態における回帰式を生成する。そして、この初期状態における回帰式を定常運動状態における平均酸素摂取量VO2aveと平均心拍数HRaveとに基づいて補正する。図8に表2に示した具体例に基づく初期状態の回帰式をグラフ110aにして示した。また、そのグラフ110aにおける回帰直線130aと、定常運動状態の検出を起源として計算された平均酸素摂取量VO2aveと平均心拍数HRaveとの関係との誤差とを示した。また、HRrest、HRmax、VO2rest、およびVO2maxのそれぞれの値をグラフ110aにおける対応する軸(111,112)に付記した。初期状態の回帰式では、VO2max=39であり、定常運動状態において測定された心拍数HRaveに92.2に基づく相対心拍数%HRaveは式(2)により21.3%と計算され、初期状態の回帰式に従えば、相対酸素摂取量%VO2は21.3%で、(3)式に代入すると、測定される酸素摂取量VO2aveは、回帰直線130a上の点で、約11.06(mL/Kg/min)となるはずである。しかし、定常運動状態時において測定された酸素摂取量VO2は、約12.62(mL/Kg/min)であり、図8に示したグラフでは、25.7%に相当する。
そこで、表3に示したテーブルから初期設定した最大酸素摂取量VO2maxを、定常運動状態における平均酸素摂取量VO2aveと平均心拍数HRaveとから求められるVO2maxに置換して、回帰式を補正する。すなわち、定常運動状態時において測定された酸素摂取量VO2が21.3%となるようにVO2maxの値を補正すると、VO2maxは約46.2となる。図9に補正後の回帰式に対応するグラフ110bを示した。定常運動状態にお相対心拍数%HRaveに対応する酸素摂取量VO2が正しく回帰直線130b上にある。CPU20は、次回の心拍数測定機会からは、酸素摂取量推定部46により、随時測定される心拍数HRをこの補正後の回帰式に適用して酸素摂取量VO2を求め、(1)式によってカロリー消費量を計算する。
以上より、第1の実施例における酸素摂取量の推定方法では、利用者が体力テストを無意識に随時実施していることになり、体力テストに伴う煩わしさを伴うことなく、その利用者における回帰式を常に新しいものに更新することができる。
===第2の実施例===
日常生活の中では、平坦地ばかりではなく、階段の昇降や坂の上り下りなど、高低差を伴う運動がある。そして、その高低差を伴う歩行運動と高低差を伴う歩行運動とでは、同じ歩速であっても酸素摂取量が異なる。そこで、第2の実施例では、定常運動状態が高低差を伴った歩行である場合、その高低差を考慮してVO2maxを補正するための動作や情報処理を扱っている。
具体的には、CPU20は、気圧センサー31によって随時測定される高度のデータを、履歴記憶部43により、心拍数HRと歩調fとともに履歴としてフラッシュメモリー23に記憶する。そして、心拍数HRと歩調fとに基づいて定常運動状態を検出したならば、その運動時に昇降が伴っていたか否かを高度データの履歴に基づいて計算する。ここでは、歩速v(m/min)と、単位時間あたりの高低差ΔH(m/min)とから、以下の式(6)によって勾配G(%)を求め、
G=ΔH/v…(6)
そして、定常運動状態における平均酸素摂取量VO2aveを以下の式(7)を用いて計算している。
VO2ave=0.1×v+VO2rest+1.8×v×G…(7)
なお、式(7)では、高低差ΔHがなければ、G=0となり、式(5)に一致し、平坦地における平均酸素摂取量VO2aveも求めることができる。
<変形例>
上述した第2の実施例は、高低差ΔHがある定常運動状態も利用してVO2maxを補正していた。しかし、例えば、上りのエスカレーター上を所定の歩調で歩くような状況と、同じ高度差の階段を同じ歩調で歩いた場合とで、酸素摂取量が同じであるとは限らない。そこで、高低差を伴う定常運動状態を検出した場合には、その定常運動状態に基づいて最大酸素摂取量VO2maxの補正処理を行わないようにしてもよい。
また、生活環境によっては、高低差を伴う運動が多い利用者と、平坦地での運動が多い利用者とがおり、高低差を伴う運動が多い利用者では、積極的に高低差を伴う定常運動状態を利用しないと最大酸素摂取量VO2maxの補正機会を失う。一方、平坦地での運動が多い利用者にとっては、敢えて高低差を含んだ定常運動状態に基づいて回帰式を補正しなくても、補正の機会が他にもある。もちろん、高低差ΔHを回帰式の補正処理に利用するか否かをユーザー入力により設定できるようにしてもよい。
===第3の実施例===
カロリー消費量は、利用者の体重に比例する。したがって、利用者が重い荷物を担いでいるような状況でのカロリー消費量は、手ぶらでのカロリー消費量より多くなる。そこで、第3の実施例は、荷物などによる利用者の体重増加分(荷重)を考慮し、単位時間、単位重量あたりの酸素摂取量からカロリー消費量を計算する際に、利用者の体重Wと荷重wとを足した値を新たなWとして、式(1)に代入している。
===その他の実施形態・実施例===
測定装置1の形態は腕時計型に限るものではない。体動信号と脈波信号を常時測定できる構成であれば、例えば、各センサーと制御部とがケーブルや無線通信などによって分離されている形態であってもよい。その一方で、汎用のコンピューターにも腕時計型など、常時装着が可能な形態のものがあり、そのようなコンピューターに脈波センサーと体動センサーを搭載することは容易である。したがて、脈波センサーと体動センサーとを備えた常時装着型のコンピューターにインストールされて、当該コンピューターを生体情報測定装置として機能させるためのプログラムを本発明の実施例とすることも可能である。
この発明は、歩数計や脈拍計など、利用者の生体情報を測定する装置や方法に適用することが可能である。例えば、健康管理やダイエットなどを目的として、利用者が運動や日常生活における体動や基礎代謝によって消費するカロリーを計算し、そのカロリー消費量を利用者に提示する生体情報測定装置に利用可能である。
1 生体情報測定装置、4 液晶表示器、5 操作ボタン、10 脈波センサー、20 CPU、21 RAM、22 ROM、23 フラッシュメモリー、24 発振回路、25 分周回路、26 表示部、29 入力部、30 体動センサー、31 気圧センサー、34 A/D変換回路、41 心拍数測定部、42 歩調測定部、43 履歴記憶部、44 定常運動検出部、45 回帰式補正部、46 酸素摂取量推定部。

Claims (13)

  1. 前記利用者のカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算装置であって、
    前記利用者の脈波信号を検出する脈波センサー部と、
    前記利用者の体動に基づく体動信号を検出する体動センサー部と、
    前記脈波信号と前記体動信号とに基づいて心拍数を計算する心拍数測定部と、
    前記体動信号に基づいて運動強度を測定する運動強度測定部と、
    前記利用者の身体情報を受け付ける入力部と、
    前記心拍数及び前記運動強度の変動値が所定の範囲である状態が所定時間以上であった場合に、前記心拍数と前記利用者の酸素摂取量との関係を表す関係情報を補正し、前記補正された前記関係情報と前記心拍数とを用いてカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算部と、
    を、備えることを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  2. 請求項1に記載のカロリー消費量計算装置において、
    前記身体情報に基づいて前記関係情報の初期値である初期関係情報を生成し、前記初期関係情報を、前記心拍数及び前記運動強度の変動値が所定の範囲である状態が所定時間以上であった場合に補正することを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  3. 請求項1または2に記載のカロリー消費量計算装置において、
    気圧信号を検出する気圧センサー部をさらに備え、
    前記気圧信号に基づき計算された高度差が所定値以上である場合には、前記気圧信号に基づいて前記カロリー消費量を補正し、前記所定条件を満たさない場合には前記カロリー消費量を補正しないことを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のカロリー消費量計算装置において、
    前記身体情報は、前記利用者の身長、体重、年齢情報を含むことを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載のカロリー消費量計算装置において、
    前記運動強度は、速度、歩調または歩数のうち少なくとも1つ以上を含むことを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のカロリー消費量計算装置において、
    前記体動センサーの検出軸は、前記カロリー消費量計算装置を前記利用者の身体に装着した状態で、肘から手首に向かう方向とほぼ一致することを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  7. 請求項1〜のいずれか一項に記載のカロリー消費量計算装置において、
    前記脈波信号と、前記体動信号または前記気圧信号の少なくとも1つは同一のA/D変換回路部によってデジタル信号に変換されることを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  8. 請求項に記載のカロリー消費量計算装置において、
    前記入力部によって受け付けられた年齢情報を用いて計算された最大酸素摂取量に基づき前記カロリー消費量を計算することを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  9. 利用者のカロリー消費量を計算するカロリー消費量計算方法であって、
    脈波センサー部から前記利用者の脈波信号を検出するステップと、
    体動センサー部から前記利用者の体動に基づく体動信号を検出するステップと、
    前記脈波信号と前記体動信号とに基づいて心拍数を計算するステップと、
    前記体動信号に基づいて運動強度を測定するステップと、
    前記利用者の身体情報を受け付けるステップと、
    前記心拍数及び前記運動強度の変動値が所定の範囲である状態が所定時間以上であった場合に、前記心拍数と前記利用者の酸素摂取量との関係を表す関係情報を補正し、前記補正された前記関係情報と前記心拍数とを用いてカロリー消費量を計算するステップと、
    を、備えることを特徴とするカロリー消費量計算方法。
  10. 請求項9に記載のカロリー消費量計算方法において、
    前記身体情報に基づいて前記関係情報の初期値である初期関係情報を生成するステップを備え、
    前記心拍数及び前記運動強度の変動値が所定の範囲である状態が所定時間以上であった場合に、前記初期関係情報を補正することを特徴とするカロリー消費量計算方法。
  11. 請求項9または10に記載のカロリー消費量計算装置において、
    前記身体情報は、前記利用者の身長、体重、年齢情報を含むことを特徴とするカロリー消費量計算方法。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載のカロリー消費量計算方法において、
    前記運動強度は、速度、歩調または歩数のうち少なくとも1つ以上を含むことを特徴とするカロリー消費量計算装置。
  13. 請求項11に記載のカロリー消費量計算方法において、
    前記カロリー消費量を計算するステップは、前記年齢情報を用いて計算された最大酸素摂取量に基づき、前記カロリー消費量を計算することを特徴とするカロリー消費量計算方法。
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