JP5794344B2 - 生体情報測定装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生体情報測定装置に係り、具体的には心拍数を測定して酸素摂取量を推定することが可能な生体情報測定装置に関する。
健康的な観点および予防医学的な観点からも人間が食物を摂取し、体内に取り込んだカロリーと、これを日常生活により消費するカロリーのバランスがとれていることが重要である。しかし、現代社会においては、交通機関などの発達により、カロリー消費量は減少する傾向にある。その一方で、食物によるカロリー摂取量は増加する傾向にあり、摂取カロリーとカロリー消費量とのバランスが崩れてきている。そこで、積極的に運動を行って、カロリー消費量を増やし、カロリー摂取量とカロリー消費量との関係を管理することが重要となる。そこで、以下の特許文献1には、一般の利用者が簡単に健康管理を行える携帯型の装置について記載されている。この装置によれば、利用者の心拍数を常時計測し、その心拍数と利用者の身体的情報(身長、体重、年齢、性別など)とに基づいて、酸素摂取量を推定することができるようになっている。酸素摂取量は、単位時間、単位重量あたりの酸素の消費量(体積)であり、カロリー消費量は、利用者の体重と酸素摂取量との乗算値に比例する。
ところで、上述したような健康管理に対する社会的関心を向上させ、近年問題視されているメタボリック症候群などに起因する生活習慣病を予防することを目的として、以下の非特許文献1に記載されているように、厚生労働省は、2006年にカロリー消費量の指標として、運動強度を表す「メッツ」、およびその「メッツ」に時間を乗じた運動量を表す「エクササイズ」という単位を策定し、様々な運動の種別と運動強度(メッツ)との対応関係を規定した。そして、理想的な運動量は、1週間で23エクササイズであるとした。
しかし、この適正運動量である23エクササイズは、達成することが難しい数値であることが判明した。例えば、早歩き(ウォーキング)や自転車走行は、4メッツの運動強度であり、ウォーキングを毎日30分行って、毎日4エクササイズの運動を行っていたとしても、1週間の運動量は14エクササイズであり、23エクササイズには、遠く及ばない。もちろん、運動の時間を長くしたり、強度が大きな運動を日常的に行ったりすれば23エクササイズは、達成可能な数値であるが、繁忙で疲労が蓄積しやすい平日に強度の大きな運動をしたり、長時間継続して運動を行ったりすること自体が現実的ではない。
その一方で、休日の増加や自然志向者の増加に伴って、休日にハイキングや登山などを楽しむ人が多くなって来た。ハイキングの運動強度は6メッツといわれており、1週間に4時間のハイキングを行えば、1週間分のエクササイズを達成することができる。したがて、ハイキングや登山は平日に運動機会が少ない人には有効な健康管理手法と言える。
特開2009−61246号公報
株式会社Impress Watch、"現代家電の基礎用語 第36回:運動量を測る「メッツ/エクササイズ」とは"、[online]、[平成22年3月5日検索]、インターネット<URL:http://kaden.watch.impress.co.jp/cda/word/2009/02/13/3522.html>
上述したように、休日のハイキングや登山は、日常生活における運動不足の解消方法の一つとして有効である。ところで、ハイキングや登山は、複数人でパーティを組んで行うことが普通である。そのため、パーティを構成する複数のメンバーは、同じ行程を同じ速度で歩くことが前提となる。しかし、パーティの中の各メンバーは、それぞれに、体力、経験、体調、携行する装備の重量などが異なり、同じ行程でも、大きな疲労感を感じる人、物足りないと感じる人など、各メンバーで負荷の度合いに差が生じる。したがって、ハイキングや登山においては、メンバー間の健康状態に不均衡が生じる可能性がある。これでは、パーティを組んでハイキングや登山を行うことの意義が無くなる。
そこで、本発明は、ハイキングや登山において、パーティを構成する各メンバーがそれぞれ同じような負荷を感じるようにするための指標となる情報を心拍数から生成して表示する生体情報測定装置を提供することを目的としている。なお、その他の目的については以下で明らかにする。
上記目的を達成するための主たる発明は、利用者の身体に装着されて、当該利用者の生体情報を測定して、酸素摂取量を推定する生体情報測定装置であって、
利用者の拍動に相当する信号成分を含んだ脈波信号を測定する脈波測定部と、
利用者の身体的特徴に関わる身体情報を記憶する記憶部と、
前記脈波信号に基づいて心拍数を計算する心拍数計算部と、
上記身体情報に基づいて相対心拍数と相対酸素摂取量との関係を示す回帰式情報を生成する回帰式生成部と、
前記回帰式情報と前記心拍数計算部により計算された心拍数HRaとに基づいて、当該心拍数HRaに対応する自己の相対酸素摂取量%VO2aを計算する相対酸素摂取量計算部と、
他者の相対酸素摂取量%VO2bを取得して、前記自己の相対酸素摂取量%VO2aとの平均値%VO2taを目標相対酸素摂取量として計算するとともに、当該目標相対酸素摂取量%VO2taと前記自己の相対酸素摂取量%VO2aとの差分Δ%VO2aを計算する目標値計算部と、
前記差分Δ%VO2aを付帯するディスプレイに表示出力する目標値表示部とを備えたことを特徴としている。
本発明の実施形態に係る生体情報測定装置を前面から見たときの外観図である。 上記生体情報測定装置を背面から見たときの外観図(A)と、側面から見たときの外観図(B)である。 上記生体情報測定装置が備える脈波センサーの構造図である。 上記生体情報測定装置の機能ブロック図である。 相対心拍数と相対酸素摂取量との関係である回帰式情報についての説明図である。 同じ行程で歩行するAとBの二人の回帰式情報を示す図である。 上記生体測定装置における情報処理の流れを示す図である。 上記AとBが目標とすべき相対酸素摂取量の推定原理を示す図である。
===本発明の実施例の特徴===
パーティでのハイキングや登山(以下、便宜上「トレッキング」と総称する。)において、パーティのメンバー全員が感じる負荷を同程度にさせるための何らかの情報を提示できれば、メンバー間の健康状態を均等に維持、増進させることができると考えた。また、体力がない登山者のパーティからの離脱を抑止し、体力不足による無理な登山による怪我などの危険性を低減することにも寄与できると考えた。
しかし、パーティでのトレッキングでは、全メンバーが、同じ距離を、ほぼ同じ歩速で、同じ時間歩くことになり、運動強度を各メンバーで変えることができない。
ここで、観点を変え、メンバー間で運動強度がほぼ同じなら、単位時間、単位重量あたりの体積で表現される酸素摂取量がほぼ同じであり、その酸素摂取量に重量を乗算したエネルギー消費量の差がメンバー間での負荷の度合いの差となることに着目した。そして、携行する荷物の当初の重量(装備重量)を再配分し、各メンバーが感じる負荷を同程度にしようと考えた。もちろん、その重量の再配分に際しては、感じる負荷を客観的な数値にするとともに、その負荷の差を、装備重量の差に換算することが必要となる。本発明はこのような要求に応えるために創作されたものであり、本発明の実施例は、上記主たる発明に対応する実施例における特徴の他に、以下の特徴を備えている。
前記記憶部は、前記利用者が携行する装備の重量waを記憶し、
心拍数HRaと前記回帰式情報とに基づいて、酸素素摂取量VO2aを計算するとともに、前記目標相対酸素摂取量%VO2taと前記回帰式情報とに基づいて、目標酸素摂取量VO2taを計算する酸素摂取量推定部と、
前記目標値計算部により計算された前記差分Δ%VO2aと、前記酸素摂取量VO2aと、前記目標酸素摂取量VO2taと、前記身体情報と、前記装備の重量waとに基づいて、装備重量に対して増減すべき重量Δwaを計算する重量配分計算部とを備え、
前記目標値表示部は、当該増減すべき重量Δwaを前記ディスプレイに表示すること。
前記記憶部は、前記利用者以外の他者の身体情報と装備の重量wbとを記憶し、
前記回帰式情報生成部は、前記他者の身体情報に基づいて当該他者の前記回帰式情報を生成し、
前記相対酸素摂取量計算部は、他者の心拍数HRbを入力して、当該他者の心拍数HRbと前記他者の回帰式情報とに基づいて、当該他者の心拍数HRbに対応する他者の相対酸素摂取量%VO2bを計算し、
前記目標値計算部は、前記目標相対酸素摂取量%VO2taと前記他者の相対酸素摂取量%VO2bとの差分Δ%VO2bを計算し、
前記重量配分計算部は、前記目標値計算部により計算された前記差分Δ%VO2bと、前記他者の身体情報と、前記他者の装備の重量wbとに基づいて、当該装備重量wbに対する他者の増減すべき重量Δwbと、前記利用者と前記他者のそれぞれについての前記増減すべき重量Δwの絶対値の平均値Δwaveとを計算し、
前記目標値表示部は、少なくとも、前記他者の増減すべき重量Δwbと前記平均値Δwaveいずれかを前記ディスプレイに表示すること。
人体の体動に伴う体動信号を測定する体動信号測定部と
前記体動信号に基づいて、利用者が休憩状態にあるか否かを判断する休憩検出部と、
前記目標値計算部は、前記休憩検出部により、利用者が休憩中にあると判断されると、前記差分Δ%VO2aを計算する際に、当該休憩の開始直前における心拍数HRaを採用すること。
他の生体情報測定装置と無線信号により通信する通信部を備え、
前記記憶部は、前記利用者以外の他者の身体情報と他者の装備の重量とを前記通信部を受け取って前記記憶部に記憶し、
前記相対酸素摂取量計算部は、前記信部を介して前記他者の心拍数を入力すること。
===本発明の実施形態===
本発明の具体的な実施形態として、腕時計型の生体情報測定装置(以下、測定装置)を挙げる。この測定装置は、例えば、トレッキングのパーティにおいて、荷物を分担し合えるメンバーがそれぞれ装着し、これを装着している人(以下、利用者、あるいは装着者)の脈波をセンサーを用いて電気信号(脈波信号)に変換してその脈波信号を解析するとともに、ユーザー入力により装着者の身体情報を受け付け、脈波信号の解析結果と身体情報とに基づいて,トレッキング中の負荷を推定し、最終的には、パーティのメンバー間で荷物を再配分する際の装備重量の過不足分を提示する重量分配機能を備えている。
<構造>
図1に当該測定装置1の外観図を示した。この測定装置1は、一般的なデジタル腕時計と同様の外観を有し、人の手首に装着するためのリストバンド2を備え、ケース3の前面には時刻、この装置の動作状態、および各種生体情報(脈拍数、カロリー消費量など)を文字や数字、あるいはアイコンによって表示するための液晶表示器(LCD)4が配置されている。また、ケース3の周囲やケース3前面のフレーム部分にはこの測定装置を操作するための各種ボタン5が配設されている。また、この測定装置は、内蔵する二次電池を電源として動作し、ケース3の側面には、外部の充電器と接続されて、内蔵二次電池を充電するための充電端子6が配設されている。
図2(A)に、測定装置1を後面、すなわちケース3の背面から見たときの外観図を示した。また、図2(B)に利用者の腕100に装着された状態の測定装置1の側面を示した。ケース3の背面には、利用者の脈波を検出して脈波信号を出力するための脈波センサー10が配設されている。この脈波センサー10は、ケース3の背面に接触している利用者の手首100にて脈波を検出する。本実施形態では、脈波を光学的に検出するための構成を備えている。
図3は、脈波センサー10の内部構造をケース3の側面から見たときの拡大図である。ケース3の背面側に円形底面を有する半球状の収納空間内に、LEDなどの光源12と、フォトトランジスタなどの受光素子13とが内蔵されている。半球の内面は鏡面11であり、半球の底面側を下方とすると、受光素子13と光源12は、基板14の上面と下面にそれぞれ実装されている。
光源12により、利用者の手首100の皮膚101に向けて光Leが照射されると、その照射光Leが皮下の血管102に反射して半球内に反射光Lrとして戻ってくる。その反射光Lrは、半球状の鏡面11にてさらに反射して、受光素子13に上方から入射する。
この血管102からの反射光Lrは、血液中のヘモグロビンの吸光作用により、血流の変動を反映してその強度が変動する。脈波センサー10は、拍動よりも早い周期で光源12を所定の周期で点滅させ、受光素子13は、光源12の点灯機会ごとに受光強度に応じた脈波信号を光電変換によって出力する。なお、本実施形態では、128Hzの周波数で光源12を点滅させている。
<機能ブロック構成>
図4に上記測定装置1の機能ブロック構成を示した。測定装置1のードウエア構成は、時刻やタイマーなどの計時に関わる機能と、拍動、体動、体温などの生体情報を測定する機能とを備えたコンピューターである。測定装置1は、CPU20、RAM21、ROM22からなるコンピューター本体を制御部とし、外部記憶としてフラッシュメモリー23を備えている。そして、CPU20を動作させるための基準クロックを生成するための発振回路24と、その基準クロックから計時用のクロックを生成する分周回路25を備えている。
ユーザーインターフェイスに関わる構成としては、CPU20からの指示に従って情報をLCD4に表示するための表示部26、圧電振動子27などを用いてアラーム音や振動を出力するための警報部28、操作ボタン5に対する操作状態を記述する操作データを生成してCPU20に入力するための入力部29を備えている。
また、測定装置1は、生体情報を測定するための構成として、各種センサー(10,31)を備えている。脈波センサー10は、上述したように、LEDなどの光源12と受光素子13を主体にして構成されている。体動センサー31は、3軸の加速度センサーであり、3軸方向のそれぞれの加速度に応じて3系統の体動信号を出力する。なお3軸方向は、例えば、図1に示したように、ケース3前面の法線方向(紙面奥から手前方向)をZ軸、時計の6時から12に向かう方向をY軸、そして、これら2軸と直交する方向をX軸、などとすることができる。この場合、X軸は、測定装置1を装着した状態で、肘から手首に向かう方向とほぼ一致する。
また、脈波センサー10からの脈波信号、体動センサー31からの体動信号をそれぞれ増幅する脈波信号増幅回路32、および体動信号増幅回路33と、それぞれの増幅回路(32,33)を経て増幅された脈波信号と体動信号を所定のサンプリング周期ごとに個別にサンプリングして数値化し、それぞれの信号を脈波データ、および体動データに変換するA/D変換回路34を備えている。本実施形態では、16Hzのサンプリング周波数で各信号をA/D変換している。
脈波形整形回路35、および体動波形整形回路36は、脈波信号増幅回路32、および体動信号増幅回路33を経て増幅された脈波信号、および体動信号を、それぞれに所定の閾値との比較に基づいて2値化する。CPU20は、これらの波形整形回路(35,36)からの入力信号に基づいて脈波あるいは体動の有無を検出する。
なお、心拍数測定部41、回帰式生成部42、相対酸素摂取量計算部43、目標値計算部44、酸素摂取量推定部45、荷物配分計算部46は、CPU20がROM22などに格納されたプログラムを実行することで実現される機能ブロック構成であり、本実施形態では、個別のハードウエアとしては存在していない。もちろん、これらの構成(41〜46)は、DSPなどに置換することも可能である。
通信部50は、パーソナルコンピューターなどの外部の情報処理装置とCPU20とのデータ通信に関わる情報処理を行う。CPU20は、この通信部50を介して情報処理装置に各種データを転送したり、情報処理装置から各種データを受け取ったりする。なお、通信部50と外部の情報処理装置とは、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して直接接続される形態もあり得るし、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続される形態もあり得る。無線信号により通信する形態も考えられる。ケーブル接続の場合は、ケース3の外面にケーブルと接続するためのコネクターを設けておけばよい。無線通信の場合は、情報処理装置側にその無線通信用のインターフェイスがあればよい。
本実施形態では、通信部50は、クレイドルを介して情報処理装置と通信する形態を採用している。そして、通信部50とクレイドルとは無線信号により通信し、クレイドルと情報処理装置とが有線接続されて通信するように構成されている。それによって、情報処理装置には、特殊な無線通信インターフェイスが不要となり、測定装置1には、コネクターが不要となる。
具体的には、クレイドルは、測定装置1を着脱自在に装着可能な形状をなし、装着状態にある測定装置と無線信号により測定装置1の通信部50と通信するための構成と、情報処理装置とUSBなどの汎用の通信規格に準じたプロトコルで通信するための構成とを備え、測定装置1と情報処理装置の双方との通信において送受信されるプロトコルの異なる信号を解釈して相互変換する。それによって、CPU20は、通信部50を介して情報処理装置とのデータ通信が可能となる。
そして、以上の測定装置1の構成により、CPU20は、入力部29からの操作データに従ってROM22に記憶されている所定のプログラムを実行するとともに、その実行結果やA/D変換回路34からのデータなどをRAM21に書込んだり、その書き込んだデータをRAM21から読み出したりする。また、表示部26を制御して情報処理の実行結果、測定装置1の動作状態、あるいは時刻などをLCD4に表示させたり、警報部28を制御して音声や振動による信号を出力したりする。
===測定装置の基本機能===
上記構成を備えた本実施形態に係る測定装置1の主要な機能は、脈波センサー10からの脈波信号に基づいて心拍数を常時測定し、その測定結果に基づいて、酸素摂取量を推定することにある。そして、トレッキング時にパーティのメンバー間で、相互の体力差に見合うように荷物を重量配分するための指標となる情報を、推定した酸素摂取量に基づいて計算する。以下では、まず、測定装置1の基本機能である、心拍数の測定機能と酸素摂取量の推定機能とについて、その動作や情報処理の内容を説明する。
<心拍数の測定>
測定装置1の装着者に歩行などの体動がある場合、脈波センサー10が出力する脈波信号は、体動の影響により乱れた血流の変動を反映している。そこで、CPU20は、心拍数測定部41により、脈波データから体動に相関するノイズ成分を除去して拍動信号のみを抽出するともに、拍動信号の周波数(あるいは周期)に基づいて心拍数を計算する。具体的には、FIRフィルターなどによって構成されるデジタルフィルターを適用フィルターとして生成し、その適用フィルター用いてノイズを含んだ脈波信号から拍動信号を抽出する。そして、抽出した拍動信号のデータをFFT解析することにより拍動の周波数(あるいは周期)を特定し、その特定された周波数や周期に基づいて1分間あたりの拍動、すなわち心拍数を計算する。
なお、安静時など体動が極めて少ない場合、脈波信号の波形は、ほぼ正確に心拍に応じたピークを示す。このような場合には、そのピークの出現間隔が拍動周期となり、上記のフィルタリング処理やFFT解析をしなくても心拍数を測定することができる。すなわち、トレッキングに際し、歩行を停止した状態で測定装置1に心拍数に基づく酸素摂取量を推定させることを前提とすれば、体動データ処理に関わる構成や情報処理は不要となる。
<酸素摂取量の推定>
図5は、酸素摂取量の推定原理の一例を示す図である。フラッシュメモリー23などには、心拍数HRと酸素摂取量VO2との対応関係(回帰式)を記述するデータ(回帰式情報)が記憶されている。本実施形態に係る測定装置1では、図5に示したように、心拍数HRと酸素摂取量VO2を、それぞれ、相対心拍数%HRと相対酸素摂取量%VO2という数値で扱っている。当該図5に示したグラフ110の横軸111である相対心拍数%HRは、安静時の心拍数HRrestを0%とし、最大心拍数HRmaxを100%としたときに実際の心拍数HRの割合であり、以下の式(2)によって求められる。
%HR=(HR−HRrest)/(HRmax−HRrest)×100[%]…(1)
一方、グラフ110の縦軸112となる相対酸素摂取量%VO2は、利用者の安静時の酸素摂取量VO2restを0%とし、同じ利用者の最大酸素摂取量VO2maxを100%としたときに対する実際の酸素摂取量VO2の割合であり、以下の式(2)によって求められる。
%VO2=(VO2−VO2rest)/(VO2max−VO2rest)×100[%]…(2)
なお、上記式(1)(2)において、安静時の心拍数HRrest、最大心拍数HRmax、安静時の酸素摂取量VO2rest、最大酸素摂取量VO2maxは、ACSM(American College of Sports Medicine )が提唱する推定法に従って、利用者の身体的特徴を示す身体情報(身長T、体重W、年齢Age、性別)から求めることができる。具体的には、ACSMでは、HRmaxを220から年齢Ageを減算した値とし、HRrestとVO2maxについては、以下の表1に示した対応関係を採用することを推奨している。
Figure 0005794344
また、VO2restは、周知のハリス・ベネディクト方程式に従って計算している。
当該方程式について、男性(M)用を以下の式(3)に、女性(F)用を以下の式(4)に示した。
VO2rest(M)=66.47+(13.75×W)
+(5.0×T)−(6.76×Age)…(3)
VO2rest(F)=66.51+(9.56×W)
+(1.85×T)−(4.68×Age)…(4)
なお、表1に示したテーブルは、ROM22などに格納されている。また、身体情報については、ユーザー入力により取得する。利用者は、測定装置1を操作し、自身の身体情報として、身長T(m)、体重W(Kg)、年齢Age、性別を入力する。また、装備重量w(Kg)も入力しておく。CPU20は、入力部29から身体情報と装備重量の情報とを受け取り、フラッシュメモリー23などの適宜な記憶領域に記憶する。そして、CPU20は、回帰式生成部42により、入力された身体情報と上記表1に示したテーブルとに基づいてHRrestとVO2max特定し、回帰式情報を生成する。
なお、年齢Ageについては、ユーザー入力された生年月日から算出するとともに、CPU20の計時に関わる基本機能であるカレンダー機能によって毎年自動更新されるようにしておいてもよい。また、身体情報の入力方法としては、通信部50を介して通信可能に接続されている外部の情報処理装置を用いることもできる。この場合は、情報処理装置に、身体情報のユーザー入力を受け付けて、その身体情報を測定装置1に転送するためのプログラムをインストールしておけばよい。
以上より、相対心拍数%HRと、相対酸素摂取量%VO2とによって表現された回帰式では、図5に示した直線(回帰直線)130のように、%HR=%VO2の関係となる。CPU20は、相対酸素摂取量計算部43により、測定した心拍数HRを式(1)に代入して相対心拍数%HR=相対酸素摂取量%VO2を求め、酸素摂取量推定部45がこの相対酸素摂取量%VO2を式(2)に代入して酸素摂取量VO2を計算する。
===本発明の実施例===
測定装置1は、トレッキング時にパーティの各メンバーの腕に装着されて使用され、各メンバーは、自身の測定装置1を操作し、トレッキング中に自身の相対酸素摂取量を計算させるとともに、この自身の相対酸素摂取量と他のメンバーの相対酸素摂取量とに基づいて自身が目標とすべき相対酸素摂取量(目標相対酸素摂取量)を提示させる。最終的には、その目標相対酸素摂取量と、身体情報や装備重量とに基づいて、重量配分の目安などを計算させて表示させる。そして、本発明の実施形態に係る測定装置1は、重量配分の目安やその目安の指標となる情報を表示する重量分配機能に特徴があり、以下では、本発明の実施例として、その重量分配機能に関わる具体的な情報処理や動作の例をいくつか挙げる。
===第1の実施例===
本発明の第1の実施例として、重量を再配分する際の目安を計算するために最も重要な情報である目標相対酸素摂取量を、自他の相対酸素摂取量から求めるための情報処理や動作を示す。ここでは、具体的に、二人のメンバーAとBを想定し、メンバーAが装着する測定装置1によって、メンバーAに対する目標相対酸素摂取量を推定し、さらにその目標相対酸素摂取量からメンバーAにおける装備重量の過不足分を計算する例を挙げる。
表2に、メンバーAおよびBの身体情報、装備重量、身体情報から計算される上記の各パラメーター(HRrest,HRmax,VO2rest,VO2max)を示した。
また、図6(A)(B)に、表2から導き出されるメンバーAとBのそれぞれに対応する回帰式情報を示すグラフ(110a,110b)を示した。なお、表2、および以下の記載では、身体情報や各パラメーターについて、メンバー「A」のものと、メンバー「B」のものとを区別するために、身体情報や装備重量を示す記号や符号(T,W,wなど)、およびパラメーターを示す記号や符号(%HRrest,%HRmax,%VO2rest,%VO2max,HRrest,HRmax,VO2rest,VO2max)の後に「a」または「b」を付記している。
Figure 0005794344
メンバーAとBの測定装置1は、それぞれの心拍数測定部41により、トレッキングの行程中に心拍数HRを測定する。歩行を開始すると、心拍数は、徐々に上昇していき、急激な歩速変化が少ないトレッキングなどでは、歩行時間の経過とともに、心拍数がある一定値内で推移するようになる。もちろん、メンバー間では、心拍数HRや相対心拍数%HRが各人の体力差に応じて異なってくる。
<目標相対酸素摂取量の計算>
図7に、第1の実施例におけるCPU20による情報処理の流れを示した。メンバーAの測定装置1におけるCPU20は、心拍数測定部41により、脈波信号を測定することで心拍数を計算し、その心拍数の経時変化をフラッシュメモリー23などに記憶していく(s1,s2)。そして、例えば、1分前と現在の心拍数を比較していき、その差が所定の数値範囲内で所定時間継続したことを検出すると、現時点から過去所定時間分の平均の心拍数(以下、心拍数)HRaを随時計算していく(s3→s4)。
まず、パーティが休憩地点に到着したときなど、適宜な時点で、メンバーAは、測定装置1に対して相対酸素摂取量%VO2aを推定させるための所定の操作を行う。CPU20は、相対酸素摂取量計算部43により、その操作時点以前で計算された直近の心拍数HRaを式(1)に代入して相対心拍数(以下、相対心拍数)%HRaを計算し、図6(A)に示した回帰直線130a上の点を特定する(s5→s6)。具体的に、以下の表3に、メンバーAとBのそれぞれの測定装置1にて計算される、酸素摂取量に関わる数値を示した。なお、表3には、後述する装備重量を再配分する際の指標となる差分エネルギー、およびその差分エネルギーに基づいて計算される装備重量の過不足分も含まれている。
Figure 0005794344
表3に示したように、例えば、メンバーAの平均HRaが131(bpm:拍/min)であるとすると、上記式(1)により、%HRa=54%=%VO2aと計算される。そして、CPU20は、表示部26を制御して、この計算値%HRa(=%VO2a)をLCD4に表示させる(s7)。
同様にしてメンバーBも測定装置1を操作し、メンバーBの相対心拍数%HRbを計算させる。ここでは、メンバーBの心拍数HRbを135(bpm)であり、%HRb=64%と計算され、この数値がメンバーBの相対酸素摂取量%VO2bであり、この相対酸素摂取量%VO2bがメンバーBの測定装置1にて表示出力される。
つぎに、メンバーAは、所定の操作を行い、メンバーBの測定装置1に表示されている相対酸素摂取量%VO2bの値「64」を自身の測定装置1に入力する。CPU20は、目標値計算部44により、メンバーAの相対酸素摂取量%VO2a=54%と、入力されたメンバーBの相対酸素摂取量%VO2b=64%との平均値%VO2t=59%を計算する(s8→s9)。
この値%VO2t=59%は、メンバーAとBの相対酸素摂取量の平均値であり、換言すれば、これがメンバーAとBのトレッキングによる負荷の平均値であり、この値%VO2t=59%が、メンバーAとBの双方がトレッキングによって健康状態を均等に維持、増進するための目標相対酸素摂取量%VO2tとなる。
CPU20は、メンバーBについての相対酸素摂取量%VO2b=64%が入力されると、計算した目標相対酸素摂取量%VO2tを表示出力する(s10)。メンバーAは、先に計算された自身の相対酸素摂取量%VO2a=54%が目標相対酸素摂取量%VO2t=59%よりも小さいことから、メンバーBの装備重量の一部を自身が負担すべきであることを認知することができる。
図8に目標相対酸素摂取量の推定原理を回帰式情報のグラフ130cによって示した。メンバーAとBのそれぞれについて、相対酸素摂取量(%VO2a,%VO2b)に対応する回帰直線上130cの二点(Pa,Pb)の中点Ptが目標相対酸素摂取量%VO2tに対応する。
<装備重量の過不足分計算>
以上までの情報処理(s1〜s10)では、メンバーAにメンバーBの装備重量の一部を負担すべきことを認知させることができる。つぎに、測定装置1において、その負担すべき重量がどのくらいであるのかを計算するための情報処理について説明する。概略的には、先に求めたメンバーAとBの目標相対酸素摂取量%VO2t=59%を、メンバーAにおける絶対値としての酸素摂取量(目標酸素摂取量)VO2ta(mL/Kg/min)に換算し(s11)、その目標酸素摂取量VO2taと実際の酸素摂取量VO2aとの差分に相当するエネルギー消費量ΔE(mL/min)から装備重量の過不足分を計算してそれを表示する(s13〜s15)、という情報処理の流れとなる。
まず、メンバーAの測定装置1において、CPU20は、酸素摂取量推定部45により、測定されたメンバーAの心拍数HRa=131(bpm)から求めた相対酸素摂取量(推定相対酸素摂取量)%VO2a=54%を上記式(2)に代入して、表3に示した酸素摂取量の絶対値VO2a=27.9(mL/Kg/min)を求める。また、目標相対酸素摂取量%VO2t=59%から同様にしてメンバーAの目標酸素摂取量VO2at=30.26(mL/Kg/min)を求める。
目標酸素摂取量VO2atと心拍数HRaに基づく酸素摂取量VO2aとの差分ΔVO2a=2.36に相当するエネルギーが、メンバーAにとっての過不足分のエネルギー量(差分エネルギー)ΔEである。差分エネルギーΔEの単位は、mL/minであり、酸素摂取量VO2の単位がmL/Kg/minであるので、差分エネルギーΔEaは、次式(5)によって求めることができる。
ΔEa=ΔVO2at×(Wa+wa)…(5)
そして、差分エネルギーΔEa=177.03mL/minと計算される。最後に、この差分エネルギーに相当する重量、すなわち、最終的な単位がKgとなるように、装備重量の過不足分Δwaを次式(6)により計算する。
Δwa=ΔE/V02t…(6)
以上により、最終的にメンバーAに不足している装備重量が約5.85Kgと計算される。そして、このΔwaをLCD4に表示出力すれば、メンバーAにおける目標酸素摂取量V02tと実際の心拍数HRaから推定された酸素摂取量V02aとの差分に相当する重量Δwaが分かり、メンバーAはメンバーBから、このΔwaに相当する荷物を配分してもらえばよい。
<応用例>
第1の実施例では、メンバーAにおける装備重量waの過不足分Δwaを計算していたが、メンバーAとBでは体重(Wa,Wb)が異なり、当初の装備重量(wa,wb)も異なることが多い。そのため、メンバーBの測定装置1におけるメンバーBの装備重量wbの過不足分Δwbと、第1の実施例において計算したメンバーAの過不足分ΔWaとは必ずしも相殺し合わない。すなわち、ΔWa+Δwb=0となるとは限らない。
表3に示したように、同じ行程では二人の酸素摂取量(V02a,V02b)にはほとんど差が無いが、身体情報の差によって相対酸素摂取量(%V02a,%V02b)に差が生まれる。そして、その差がメンバーA、Bの二人の目標酸素摂取量%V02at,%V02btの違いとなる。さらに、総重量(Wa+wa,Wb+wb)の差によってエネルギー消費量に差が出るため、結局、双方の測定装置1において計算される装備重量の過不足分(Δwa,Δwb)は、その絶対値が異なった数値となる。
もちろん、第1の実施例でも、メンバーAとBの双方の測定装置1にて計算された重量の過不足分(Δwa,Δwb)をメンバー同士で確認し合い、双方の過不足分の絶対値の範囲(約5.8Kg〜6.2Kg)でメンバーBの装備重量の一部をメンバーAに負担させたり、その平均値(約6.00Kg)を別途計算したりすればよいが、ここでは、第1の実施例の応用例として、メンバーAとBの双方の測定装置1にて計算された重量の過不足分(Δwa,Δwb)の平均値ΔwaveをメンバーAの測定装置1にて計算させる例を示す。
表3に具体的に示した数値を使って第3の実施例を説明すると、メンバーBにおける過不足分Δwb=−6.17Kg、あるいは、その絶対値|Δwb|=6.17をメンバーAの測定装置1に入力する。メンバーAの測定装置1は、荷物配分計算部45により、自身にて計算した装備重量の不足分Δwa=5.85Kgの絶対値と入力されたメンバーBにおける過不足分ΔWbの絶対値|Δwb|=6.17Kgとの平均値Δwaveを6.00Kgと計算し、その数値を表示する。
===第2の実施例===
上記第1、および第2の実施例では、基本的に、メンバーA(B)は、自身の測定装置1では、自身の身体情報のみを記憶させて、相手B(A)に関する情報として、相手の相対酸素摂取量%VO2b(%VO2a)、および相手の重量過不足分Δwb(Δwa)を適時に入力して、目標相対酸素摂取量%VO2ta(%VO2tb)や、再配分すべき重量Δwaveを表示出力させて、確認していた。
このような実施例に限らず、例えば、トレッキングに先立って、相手B(A)の身体情報を自身A(B)の測定装置1に入力し、自身A(B)の測定装置1に相手B(A)の回帰式情報110b(110a)を生成させておけば、相手B(A)の心拍数HRb(HRa)を入力するだけで、相手B(A)の相対心拍数%HRb(%HRa)、すなわち相手B(A)の相対酸素摂取量%VO2b(%VO2a)や目標酸素摂取量VO2tb(VO2ta)が計算でき、最終的に、再配分すべき重量Δwaveを計算することができる。
それによって、煩わしい数値入力操作を最小限に押さえることができる。また、相手が、測定装置1を所持していない場合でも、他の計器や自身で脈を取って計測した心拍数を入力すれば再配分すべき重量Δwaveを計算することができる。なお、相手B(A)の身体情報については、外部の情報処理装置を用いて入力してもよいし、測定装置1のボタン5を操作することで入力してもよい。
===第3の実施例===
上記第1および第2の実施例では、休憩時などにメンバーAが自身の測定装置1を操作して心拍数HRaに基づく酸素摂取量VO2aを計算させていた。しかし、休憩時にその操作を忘れると、休憩後に適正に重量配分された装備でトレッキングを再開することができなくなる。そこで、第3の実施例として、測定装置1にて休憩の開始を判断し、自動的に心拍数HRに基づく酸素摂取量VO2の計算を行って、目標相対酸素摂取量%VO2tを表示したり、他のメンバーの相対酸素摂取量%VO2などの入力を促したりする事例を示す。
第3の実施例では、測定装置1は、休憩の開始を判断するために、体動信号の処理機能を利用している。体動センサー31からの体動信号は3次元方向のそれぞれの加速度の変化を示しており、CPU20は、その3次元方向の各加速度を表現する体動データをフィルタリング処理とFFT解析とによって、体動信号に含まれている歩行に伴う振動を抽出する。もし、その歩行に伴う振動が検出できない状態が所定時間継続すれば、利用者が休憩をしているものとし、その継続時間の開始以前の直近の平均の心拍数HRに基づいて、上記第1あるいは第2の実施例にて示した、重量再配分機能に関わる情報処理を実行してく。
なお、休憩状態の検出方法については、フィルタリング処理とFFT解析によらず、体動データが示す加速度が所定の範囲内であれば、体動が少なく、歩行していないと判断し、その状態が所定時間継続することを持って休憩状態であるか否かを判断してもよい。
===その他の実施例===
上記第2の実施例では、装備重量を分かち合うメンバー同士が自身の測定装置1に相手の身体情報を入力し、重量再配分機能に関わる数値入力作業を必要最小限とすることができた。しかし、事前の情報入力やトレッキングの現場での操作は可能な限り少ない方がよい。そこで、測定装置1を構成する通信部50の無線通信機能を利用し、各メンバーの測定装置間1で情報をやりとりするようにしてもよい。
例えば、トレッキングに先立って、メンバーAとBが使う二台の測定装置1に対して所定の操作を行い、互いに通信させて各種情報を通信相手に記憶させる。また、トレッキングに際しては、通信相手B(A)の測定装置1にて随時測定されている心拍数HRb(HRa)の情報を随時受信し、その心拍数HRb(HRa)と、先に記憶した他のメンバーB(A)の身体情報とに基づいて、相手の酸素摂取量VO2b(VO2a)と、それに基づく再配分すべき重量Δwaveをリアルタイムで計算する。各メンバーA(B)はその計算結果の表示を測定装置1に指示するだけでよい。常時更新しながら連続的に表示させるようにしてもよい。
上記各実施例では、パーティ中の二人のメンバー間で装備重量を再配分する事例を示したが、3人以上であっても、他のメンバーの全ての相対酸素摂取量が分かれば、その平均値から目標相対酸素摂取量が計算でき、最終的に3人以上のメンバーで装備重量を再配分する際の各自の減量分、あるいは増量分を計算することが可能である。
測定装置1の形態は腕時計型に限るものではない。脈波信号を常時測定するとともに、その脈波信号から心拍数を計算できる構成であれば、例えば、脈波センサーと制御部とがケーブルや無線通信などによって分離されている形態であってもよい。その一方で、汎用のコンピューターにも腕時計型など、常時装着が可能な形態のものがあり、そのようなコンピューターに脈波センサーを搭載することは容易である。したがて、脈波センサーを備えた常時装着型のコンピューターにインストールされて、当該コンピューターを生体情報測定装置として機能させるためのプログラムを本発明の実施例とすることも可能である。
この発明は、脈拍計など、利用者の生体情報を測定する装置や方法に適用することが可能である。例えば、健康管理やダイエットなどを目的として、パーティで登山やハイキングを行う際に、パーティの各メンバーが使用してメンバー間の体力差を加味して装備の重量を調整する用途などに利用可能である。
1 生体情報測定装置、4 液晶表示器、5 操作ボタン、10 脈波センサー、20 CPU、21 RAM、22 ROM、23 発振回路24、25 分周回路、23 フラッシュメモリー、26 表示部、29 入力部、31 体動センサー、34 A/D変換回路、41 心拍数計算部、42 回帰式生成部、43 相対酸素摂取量計算部、44 目標値計算部、45 酸素摂取量推定部、46 荷物配分計算部、50 通信部。

Claims (8)

  1. 利用者の脈波信号を出力する脈波センサー部と、
    前記利用者の体動信号を出力する体動センサー部と、
    前記利用者の身体情報及び装備重量情報を受け付ける入力部と、
    前記利用者の前記脈波信号に基づく脈波データと、前記利用者の前記体動信号に基づく体動データと、前記身体情報と、及び前記装備重量情報とに基づき、前記利用者の負荷を表す指標を生成する制御部と、
    通信部を有し、
    前記制御部は、前記通信部を介して前記利用者以外のユーザーの負荷を表す指標を受け取り、前記利用者の負荷を表す指標と、前記利用者以外のユーザーの負荷を表す指標とを用いて、重量分配のための指標を計算することを特徴とする生体情報測定装置。
    を、備えることを特徴とする生体情報測定装置。
  2. 請求項1に記載の生体情報測定装置において、
    前記身体情報は、身長、体重、年齢、性別のいずれか1つを含むことを特徴とする生体情報測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の生体情報測定装置において、
    前記装備重量情報は、前記利用者が携行する荷物の重量であることを特徴とする生体情報測定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
    前記利用者の負荷を表す指標は、酸素摂取量、相対酸素摂取量、カロリー消費量、エネルギー消費量、脈拍数、心拍数、血流の変動のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする生体情報測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
    前記制御部は、前記体動データに基づき前記利用者の体動が所定条件を満たすか否かを検知し、前記利用者の体動が前記所定条件を満たす場合には、前記利用者は休憩状態であると判定し、前記利用者の負荷を表す指標を生成することを特徴とする生体情報測定装置。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の生体情報測定装置において、
    前記重量分配のための指標に基づく目安情報及び前記利用者の負荷を表す指標の少なくとも1つを表示する表示部を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
  7. 脈波センサー部からの脈波信号に基づき利用者の脈波データを出力するステップと、
    体動センサー部からの体動信号に基づき前記利用者の体動データを出力するステップと、
    前記利用者の身体情報及び装備重量情報を受け付けるステップと、
    前記利用者に関する前記脈波データと、前記体動データと、前記身体情報と、前記装備重量情報とに基づき、前記利用者の負荷を表す指標を生成する負荷指標生成ステップと、
    を、備え
    前記負荷指標生成ステップは、前記利用者以外のユーザーの負荷を表す指標を、通信を介して受け取り、前記利用者の負荷を表す指標と、前記利用者以外のユーザーの負荷を表す指標とを用いて、重量分配のための指標を計算することを特徴とする生体情報測定方法。
  8. 請求項7に記載の生体情報測定方法において、
    前記負荷指標生成ステップは、前記体動データに基づき前記利用者の体動が所定条件を満たすか否かを検知し、前記利用者の体動が前記所定条件を満たす場合には、前記利用者は休憩状態であると判定し、前記利用者の負荷を表す指標を生成することを特徴とする生体情報測定方法。
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