JP5708341B2 - 生体情報処理装置及び生体情報処理方法 - Google Patents

生体情報処理装置及び生体情報処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検者の生体情報を処理する生体情報処理装置等に関する。
従来から、被検者の運動管理や健康管理に供する生体情報処理装置として、被検者の身体の一部に装着し、被検者の心拍数を測定する装置が知られている。心拍数は、通常、脈拍数と一致するため、心拍数の代わりに脈拍数を測定する脈拍計が考案されている。脈拍計としては、光を利用するものや、超音波を利用するもの、心電を利用するものなどが知られている。光を利用するものでは、例えば装置を装着した被検者の血流量の変化を検知して被検者の脈拍数を算出し、算出した脈拍数(以下、「算出脈拍数」と称す。)を測定結果として被検者に報知するものがある。
また、被検者が、健康の維持・増進や生活習慣改善のためのウォーキング等の有酸素運動を行う際に、被検者が自分に適した運動を行うことができるように、被検者に対して運動支援を行う技術が知られている。この運動支援の一例として、特許文献1には、被検者の脈拍数(心拍数)に対する適正ゾーンを設定し、算出脈拍数がこの適正ゾーン内であるか否かを判定して、被検者に各種報知を行う技術が開示されている。
特開2001−218745号公報
特許文献1に開示されている技術では、脈拍数に対する適正ゾーン(以下、簡潔に「ゾーン」と称す。)の下限値及び上限値を、相対的運動強度に基づいて画一的に決定している。しかし、脈拍数の増加率や低下率は、被検者の運動能力や体質等に大きく左右され、個人差が大きいという特徴がある。従って、性別や年齢が同じであったとしても、特許文献1の手法では、被検者にとって適切なゾーン設定が必ずしも為されるとは限らないという問題がある。特に、ゾーンの下限値は、脈拍数がこの値以上となるように被検者に運動を行わせる最低目標値であるため、下限値に達しない場合にはその旨の報知が行われる。
十分な体力のある被検者や高齢の被検者は、脈拍数が上がりにくい傾向がある。そのため、被検者は頑張って運動をしているつもりでも、脈拍数がなかなか上昇しないために最低目標値に達しない場合がある。その場合には、最低目標値に達していない旨の報知が行われるため、半ば過度な運動を強要されているような感覚を与えかねない。その一方で、体力のない被検者や普段から運動を行っていない被検者は、軽い運動を行っただけで脈拍数が急激に上昇し、いとも簡単に目標値に達する場合がある。この場合には、本来の目標に満たない運動強度であるにも関わらず適正である旨の報知がなされてしまう。
両者何れの場合においても、結局、健康の維持・増進や生活習慣改善といった本来の目標達成にそぐわない運動を促すような報知がなされてしまう。そのため、装置を頼りに運動をしたところで、本来の目標が達成されないために、被検者が恒常的に運動を行う際のモチベーションを低下させてしまう。
本発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、被検者に適した運動支援を行う新たな手法を提案することにある。
以上の課題を解決するための第1の形態は、被検者の脈拍数を算出する脈拍数算出部と、前記被検者の体動を検出する体動検出部と、前記脈拍数算出部の算出結果と前記体動検出部の検出結果とに基づいて、前記被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定する相関関係判定部と、前記相関関係と所与の基準運動強度とに基づいて、前記脈拍数算出部によって算出される算出脈拍数に対する目標値を設定する目標値設定部と、を備えた生体情報処理装置である。
また、他の形態として、被検者の脈拍数を算出することと、前記被検者の体動を検出することと、前記脈拍数の算出結果と前記体動の検出結果とに基づいて、前記被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定することと、前記相関関係と所与の基準運動強度とに基づいて、前記算出される算出脈拍数に対する目標値を設定することと、を含む生体情報処理方法を構成してもよい。
この第1の形態等によれば、被検者の脈拍数を算出し、被検者の体動を検出する。そして、脈拍数の算出結果と体動の検出結果とに基づいて、被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定する。この相関関係は、被検者の脈拍数と運動強度とが、相対的にどのような増減傾向にあるかを示す関係である。被検者の実際の脈拍数と体動とに基づいて相関関係を判定し、当該相関関係と所与の基準運動強度とに基づいて算出脈拍数に対する目標値を設定することで、その被検者にとって適切な目標値を定めることができる。このようにして設定した目標値によって、被検者に適した運動支援が可能となる。
また、第2の形態として、第1の形態の生体情報処理装置における前記相関関係判定部が、前記被検者に所定運動を継続して行わせた場合の前記脈拍数算出部の算出結果を用いて、前記被検者の個別脈拍数を算出する個別脈拍数算出部と、前記被検者に前記所定運動を継続して行わせた場合の前記体動検出部の検出結果を用いて、前記被検者の個別運動強度を算出する個別運動強度算出部と、を有し、前記個別脈拍数及び前記個別運動強度を用いて、前記相関関係を判定する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第2の形態によれば、被検者に所定運動を継続して行わせた場合の脈拍数算出部の算出結果を用いて、被検者の個別脈拍数を算出する。また、被検者に所定運動を継続して行わせた場合の体動検出部の検出結果を用いて、被検者の個別運動強度を算出する。個別脈拍数及び個別運動強度は、その被検者に固有の脈拍数及び運動強度である。この個別脈拍数及び個別運動強度を、被検者に所定運動を継続して行わせることで算出する。そして、これらの算出結果を用いて相関関係を判定することで、被検者毎に相関関係を適正化することができる。また、所定運動は1種類の運動でもよい。この場合は、1種類の運動を被検者に行わせるだけで済むため、被検者の負担も軽減される。
また、第3の形態として、第2の形態の生体情報処理装置における前記相関関係判定部が、前記相関関係の基準を示す所与の基準相関を前記個別脈拍数及び前記個別運動強度を用いて調整することで前記相関関係を判定する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第3の形態によれば、相関関係の基準を示す所与の基準相関を個別脈拍数及び個別運動強度を用いて調整するといった簡易な手法によって、その被検者に適した相関関係を求めることができる。
また、第4の形態として、第2又は第3の形態の生体情報処理装置において、前記個別脈拍数算出部は、前記被検者に負荷が異なる複数の所定運動を継続して行わせた場合それぞれにおける前記個別脈拍数を算出し、前記個別運動強度算出部は、前記被検者に前記複数の所定運動を継続して行わせた場合それぞれにおける前記個別運動強度を算出し、前記相関関係判定部は、前記複数の所定運動それぞれについて算出された前記個別脈拍数及び前記個別運動強度を用いて前記相関関係を判定する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第4の形態によれば、被検者に負荷が異なる複数の所定運動を継続して行わせた場合それぞれにおける個別脈拍数を算出し、複数の所定運動それぞれにおける個別運動強度を算出する。負荷が異なる複数の所定運動それぞれについて算出された個別脈拍数及び個別運動強度を用いて相関関係を判定することで、その被検者に適した相関関係を高い正確性で求めることが可能となる。
また、第5の形態として、第1〜第4の何れかの形態の生体情報処理装置において、前記基準運動強度は、METs(Metabolic equivalents)又は酸素摂取量で定義され、前記目標値設定部は、前記相関関係から前記基準運動強度に相当する脈拍数を求めて前記目標値に設定する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第5の形態によれば、上記の何れかの形態で判定した相関関係から基準運動強度に相当する脈拍数を求めて目標値に設定する。この場合において、基準運動強度をMETs又は酸素摂取量で定義しておくことで、脈拍数の増減傾向の個人差を考慮した適切な目標値を設定することができる。つまり、脈拍数の増加率や低下率には個人差があるが、絶対的運動強度で定義された基準運動強度に基づいて脈拍数の目標値を設定することにすれば、一定の運動を行えば誰でも目標を達成できるようになる。これにより、例えば脈拍数が上がりにくい特性を有する被検者の運動に対するモチベーションを向上させることができる。
また、第6の形態として、第1〜第5の何れかの形態の生体情報処理装置において、前記相関関係と、運動種別毎に定められた前記基準運動強度とに基づいて、運動種別毎に前記目標値を算出する目標値算出部と、前記運動種別毎に算出された目標値を前記算出脈拍数とそれぞれ対比することで、前記被検者が行っている運動種別を推定する運動種別推定部と、を更に備え、前記目標値設定部は、前記運動種別推定部によって推定された運動種別に基づいて前記目標値を変更する、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
この第6の形態によれば、上記の何れかの形態で判定した相関関係と、運動種別毎に定められた基準運動強度とに基づいて、運動種別毎に目標値を算出する。算出脈拍数を、運動種別毎に算出しておいた目標値と対比することで、被検者が行っている運動種別を推定することができる。そして、推定した運動種別に基づいて目標値を変更することで、被検者が行っている運動種別に応じた適切な目標値とすることができる。
また、第7の形態として、第1〜第6の何れかの形態の生体情報処理装置において、相対的運動強度で定義された所与の上限基準運動強度に基づいて、前記算出脈拍数に対する許容上限値を設定する許容上限値設定部を更に備えた、生体情報処理装置を構成することとしてもよい。
同じ運動を行ったとしても、被検者の身体にかかる負担は、被検者の体力や年齢によって様々である。そこで、第7の形態のように、相対的運動強度で定義された所与の上限基準運動強度に基づいて、算出脈拍数に対する許容上限値を設定することで、被検者の身体に過度の負担がかかることを防止し、適切なリスク管理を実現することができる。
脈拍計の正面図。 (1)脈拍計の背面図。(2)脈拍計の使用状態図。 脈波センサーの内部構造をケースの側面から見たときの拡大図。 テスト歩行の説明図。 (1)相関関係判定方法の説明図。(2)ゾーン設定方法の説明図。 脈拍計の機能構成の一例を示すブロック図。 下限基準運動強度定義テーブルのテーブル構成例。 運動支援処理の流れを示すフローチャート。 初期校正処理の流れを示すフローチャート。 テスト運動の説明図。 (1)変形例における相関関係判定方法の説明図。(2)変形例におけるゾーン設定方法の説明図。 第2の運動支援処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。本実施形態は、本発明の生体情報処理装置を腕時計型の脈拍計に適用した実施形態である。なお、本発明を適用可能な形態が以下説明する実施形態に限定されるわけでないことは勿論である。
1.外観構成
図1は、本実施形態における脈拍計1の正面図である。脈拍計1は、リストバンド2を備え、ケース3には、時刻や脈拍計1の動作状態、各種生体情報(脈拍数、運動強度、カロリー消費量等)を文字や数字、アイコン等によって表示するための液晶表示器4が配置されている。
また、ケース3の周部(側面)には脈拍計1を操作するための操作ボタン5が配設されている。脈拍計1は、例えば内蔵する二次電池を電源として動作する。ケース3の側面には、外部の充電器と接続されて、内蔵二次電池を充電するための充電端子6が配設されている。
図2(1)は脈拍計1の背面図であり、ケース3の背面から脈拍計1を見たときの外観図を示している。また、図2(2)は脈拍計1の使用状態図であり、被検者の手首WRに装着された状態の脈拍計1の側面図を示している。
ケース3の背面には、被検者の脈波を検出して脈波信号を出力する脈波センサー10が配設されている。脈波センサー10は、ケース3の背面に接触している被検者の手首WRにおいて脈波を検出する。本実施形態において、脈波センサー10は光電脈波センサーであり、脈波を光学的に検出するための機構を備えている。
図3は、脈波センサー10の内部構造をケース3の側面から見たときの拡大図である。脈波センサー10は、ケース3の背面側に形成された円形底面を有する半球状の収納空間内に設置されている。そして、この収納空間内に、LED(Light Emitting Diode)などの光源12と、フォトトランジスターなどの受光素子13とが内蔵されている。半球の内面は鏡面とした反射面11であり、半球の底面側を下方とすると、受光素子13及び光源12は、それぞれ基板14の上面及び下面に実装されている。
光源12により、利用者の手首WRの皮膚SKに向けて光Leが照射されると、その照射光Leが皮下の血管BVに反射して半球内に反射光Lrとして戻ってくる。その反射光Lrは、半球状の反射面11においてさらに反射して、受光素子13に上方から入射する。
この血管BVからの反射光Lrは、血液中のヘモグロビンの吸光作用により、血流の変動を反映してその強度が変動する。脈波センサー10は、拍動よりも早い周期で光源12を所定の周期で点滅させる。そして、受光素子13は、光源12の点灯機会毎に受光強度に応じた脈波信号を光電変換によって出力する。脈波センサー10は、例えば128Hzの周波数で光源12を点滅させる。
また、図2(1)に示すように、脈拍計1は、被検者の体動を検出するための体動センサー20を内蔵している。本実施形態では、体動センサー20は、加速度センサーを有して構成される。加速度センサーは、図1に示すように、例えば、ケース3のカバーガラス面の法線方向であって表示面側を正とするZ軸、時計の12時方向を正とする上下方向をY軸、時計の3時方向を正とする左右方向をX軸とする3軸の加速度センサーである。
脈拍計1を装着した状態において、X軸は、被検者の肘から手首に向かう方向と一致する。体動センサー20は、X軸,Y軸及びZ軸の3軸の加速度を検出し、その結果を体動信号として出力する。脈拍計1は、体動センサー20によって検出された体動信号に基づいて、歩行やジョギングなどに伴う被検者の周期的な体動(例えば、腕の動きや体の上下動)を検出する。
2.原理
脈拍計1は、脈波センサー10によって検出された脈波信号を利用して被検者の脈拍数を算出する。具体的には、脈波信号に対して所定の周波数分解処理を行い、周波数帯毎の信号強度値(スペクトル値)を抽出する。周波数分解処理は、例えば高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を適用した処理とすることができる。
そして、抽出した信号強度値から被検者の脈波に相当する周波数スペクトルを特定し、その周波数(或いは周期)に基づいて脈拍数を算出する。脈拍計1は、所定時間間隔(例えば1〜5秒間隔)で脈拍数を算出する。本実施形態では、上記のようにして算出した被検者の脈拍数のことを「算出脈拍数」と呼称する。
本実施形態では、算出脈拍数を適正と判定するための範囲として、脈拍数に対する適正ゾーン(以下、簡潔に「ゾーン」と称す。)を設定する。算出脈拍数がゾーンに入っている場合は、健康の維持・増進や生活習慣改善といった目標達成の観点から算出脈拍数を適正と判定し、現在の運動状態を維持するように被検者に報知する。他方、算出脈拍数がゾーンから外れている場合は、上記の目標達成の観点から算出脈拍数は不適正と判定し、現在の運動状態を改善するように被検者に報知する。
本実施形態では、脈拍数の増減傾向に個人差があることを考慮し、個人に適したゾーン設定を実現することを目的とする。脈拍数の増加率や低下率には個人差があるため、ゾーン設定を画一的に行うわけにはいかず、ゾーンの下限値(以下、「ゾーン下限値」と称す。)が特に問題となることは上述した通りである。そこで、本実施形態では、ゾーン下限値を絶対的運動強度に基づき設定することで、被検者個人に適したゾーン設定を実現する。
2−1.テスト歩行
最初に、脈拍計1を装着した被検者に、所定のテスト歩行期間の間、テスト歩行を継続して行わせる。そして、このテスト歩行期間において、脈波センサー10の検出結果に基づいて算出した被検者の脈拍数と、体動センサー20の検出結果に基づいて算出した被検者の運動強度とに基づいて、当該被検者に固有の個別データを取得する。
図4は、テスト歩行の説明図である。図4において、横軸は時間を示し、縦軸は脈拍数を示す。被検者がテスト歩行を開始すると、被検者の脈拍数は次第に増加していく。そして、一定時間が経過すると、被検者の脈拍数はほぼ一定の状態(定常状態)に落ち着く。脈拍数の増加率には個人差があるため、この個人差による影響を排除するために、定常状態での被検者の脈拍数及び運動強度のデータを取得する。具体的には、テスト歩行期間の中盤〜終盤の期間をデータ取得期間に設定する。例えば、テスト歩行期間を「6分間」とした場合は、その中盤以降の「3分〜6分」の期間をデータ取得期間とする。
そして、上記のデータ取得期間において取得された算出脈拍数のデータを用いて、当該被検者の個別脈拍数“HRc”を算出する。本実施形態では、データ取得期間において取得された算出脈拍数の平均値を個別脈拍数“HRc”とする。但し、データ取得期間において取得された算出脈拍数の中間値としたり、最頻値とする等、個別脈拍数として統計上有用と判断される値であれば別の統計値とすることも可能である。
また、データ取得期間において取得された体動センサー20の検出結果を用いて、被検者の個別運動強度を算出する。運動強度は、被検者の運動の強さを示す指標値である。本実施形態では、個別運動強度として個別酸素摂取量“VO2c”を算出する場合を一例として説明する。
通常、酸素摂取量の測定には、被検者に装着して酸素摂取量を測定するためのガス分析機等の測定用機器が必要となる。本実施形態では、このような測定用機器を用いずに被検者の酸素摂取量を求める手法を例示する。
先ず、体動センサー20の検出結果に基づいて、被検者のピッチ(歩調)“p”を算出する。ピッチ“p”は、加速度センサーから出力される加速度信号に対して所定の周波数分解処理を行い、被検者のピッチに相当する周波数成分を抽出することで算出可能である。この算出方法の詳細は、例えば特開2004−81745号公報に開示されている。
次に、データ取得期間に算出されたピッチ“p”の平均値である平均ピッチ“pave”を算出する。そして、データ取得期間における被検者の歩幅“W”を、例えば次式(1)に従って算出する。
Figure 0005708341
但し、“h”は被検者の身長である。
次いで、式(1)に従って算出した被検者の歩幅“W”と、被検者の平均ピッチ“pave”とを用いて、被検者の歩行速度“V”を、例えば次式(2)に従って算出する。
Figure 0005708341
そして、式(2)に従って算出した被検者の歩行速度“V”と、被検者の最小酸素摂取量“VO2min”とを用いて、例えば次式(3)に従って個別酸素摂取量“VO2c”を算出する。
Figure 0005708341
2−2.相関関係判定方法
次に、上記のテスト歩行において取得した個別データ(個別脈拍数及び個別酸素摂取量)を用いて、被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定する。この相関関係は、被検者の脈拍数と運動強度とが相対的にどのような増減傾向にあるかを示す関係である。ここでは、運動強度を酸素摂取量とし、被検者の脈拍数と酸素摂取量との相関関係を判定する場合を例示する。
図5(1)は、相関関係判定方法の説明図である。図5(1)において、横軸は脈拍数“HR”であり、縦軸は酸素摂取量“VO2”である。
最初に、被検者の脈拍数と運動強度との相関関係の基準を示す所与の基準相関の一例として、基準相関式を設定する。基準相関式は、被検者の最小脈拍数“HRmin”及び最大脈拍数“HRmax”と、被検者の最小酸素摂取量“VO2min”及び最大酸素摂取量“VO2max”とを用いて設定する。
具体的には、最小脈拍数“HRmin”及び最小酸素摂取量“VO2min”により定まる座標上の点Aと、最大脈拍数“HRmax”及び最大酸素摂取量“VO2max”により定まる座標上の点Bとを結ぶ線分ABを求め、線分ABで表される相関式を基準相関式とする。これにより、例えば図5(1)の太点線で示すような基準相関式(線分AB)が得られる。
最大脈拍数“HRmax”は、被検者の最大の脈拍数であり、例えば「HRmax=220−被検者の年齢」によって算出することができる。最小脈拍数“HRmin”は、被検者の最小の脈拍数であり、例えば安静時脈拍数を設定することができる。一般的な成人の安静時脈拍数は「60〜70」程度である。この範囲の中から、被検者の性別や年齢等に基づいて安静時脈拍数を決定し、最小脈拍数“HRmin”として設定する。
最大酸素摂取量“VO2max”及び最小酸素摂取量“VO2min”は、それぞれ被検者の最大及び最小の酸素摂取量である。これらの値は、被検者の年齢や性別、体重等のパラメーター値を用いて、所定の演算式に従って演算することができる。なお、演算式それ自体は公知であるため、ここでは説明を省略する。
基準相関式の傾きを“a”と表記する。このとき、基準相関式の傾き“a”を変えずに、個別脈拍数“HRc”及び“個別酸素摂取量VO2c”により定まる座標上の点Cを通るように基準相関式を調整する。これにより、例えば図5(1)の太実線で示すような調整相関式(線分DE)が得られる。
点Dに対応する酸素摂取量は、基準相関式の調整によって修正された最小酸素摂取量(以下、「修正最小酸素摂取量」と称す。)“VO2min_mod”である。また、点Eに対応する酸素摂取量は、基準相関式の調整によって修正された最大酸素摂取量(以下、「修正最大酸素摂取量」と称す。)“VO2max_mod”である。
2−3.ゾーン設定方法
次に、上記の手順で求めた調整相関式を用いてゾーンを設定する。具体的には、算出脈拍数に対する目標値(最低目標値)であるゾーン下限値と、算出脈拍数に対する許容上限値であるゾーン上限値とを設定することで、算出脈拍数に対する適正範囲(適正ゾーン)を設定する。
図5(2)は、ゾーン設定方法の説明図である。図5(2)において、横軸は脈拍数“HR”であり、縦軸は酸素摂取量“VO2”ある。また、調整相関式を太実線で示し、設定したゾーンを矩形の帯で示している。
図5(2)には、タイプA〜タイプCの3種類のタイプの被検者について算出された調整相関式を例示している。タイプAの被検者は、脈拍数が上がりにくいタイプの被検者(例えばアスリートや高齢者)である。タイプCの被検者は、脈拍数が上がり易いタイプの被検者(例えばメタボリック患者)である。タイプBの被検者は、ごく一般的な成人の被検者である。
(A)ゾーン下限値の設定
本実施形態では、絶対的運動強度で定義された所与の下限基準運動強度に基づいて、ゾーン下限値を設定する。絶対的運動強度は、体力の個人差を考慮しない運動強度の表現方法であり、METs(Metabolic equivalents)や酸素摂取量といった運動強度の表現がこれに含まれる。以下の説明では、下限基準運動強度を“γ”と表記する。下限基準運動強度“γ”は、METs又は酸素摂取量で定義することができるが、ここでは下限基準運動強度“γ”をMETsで定義する場合を例示する。
METsは、人間の安静時のエネルギー量を“1”として、運動により消費されるエネルギー量を運動強度として定めたものであり、運動種別に応じてその大凡の値を定量化することができる。例えば、被検者が健康の維持・増進のために日常的なウォーキングを行うことを想定し、通常歩行よりも少し早いペースで歩行することで、算出脈拍数がゾーンに含まれるようにする。この場合は、速歩に対するMETsの値として、例えば“γ=3.5[METs]”を定めておくことができる。
このとき、図5(2)に太実線で示した調整相関式において、下限基準運動強度“γ”に相当する脈拍数を求めてゾーン下限値“HRdown”に設定する。
ゾーン下限値“HRdown”は、次式(4)に従って算出される。
Figure 0005708341
式(4)において、“VO2min_mod”は修正最小酸素摂取量であり、次式(5)に従って算出される。
Figure 0005708341
但し、“VO2c”は個別酸素摂取量であり、“HRc”は個別脈拍数である。“a”は基準相関式の傾き(=調整相関式の傾き)である。
また、式(4)において、“VO2s”は下限基準酸素摂取量であり、METsで定義された下限基準運動強度“γ”を酸素摂取量“VO2”に換算することで求められる。
具体的には、下限基準酸素摂取量“VO2s”は、次式(6)に従って算出される。
Figure 0005708341
(B)ゾーン上限値の設定
本実施形態では、相対的運動強度で定義された所与の上限基準運動強度に基づいてゾーン上限値を設定する。ゾーン上限値は、許容される算出脈拍数の上限値(許容上限値)の一例である。
相対的運動強度は、例えば、被検者の脈拍数や酸素摂取量が、最大脈拍数や最大酸素摂取量の何パーセントに相当するかといった、ある運動強度の基準値に対する相対値で表現される。以下の説明では、上限基準運動強度を“λ”と表記する。ここでは、上限基準運動強度“λ”を相対的心拍予備能“%HRR(Heart Rate Reserve)”で定義する場合を例示する。
ゾーン上限値は、リスク管理を目的としてその値を定めることが適切である。被検者の身体にかかる負担は、被検者の体力や年齢によって様々である。そこで、“%HRR”で定義された上限基準運動強度に基づいてゾーン上限値を設定することで、被検者の脈拍数が過度に大きくなることを防止する。例えば、“%HRR”に基づき、上限基準運動強度を“λ=0.7(70%)”と定めておくことができる。
この場合、ゾーン上限値“HRup”は、次式(7)に従って算出することができる。
Figure 0005708341
最終的に、ゾーン下限値“HRdown”とゾーン上限値“HRup”とで区切られる範囲を、算出脈拍数に対する適正ゾーンとして設定する。
本実施形態で特徴的であるのは、ゾーン上限値は被検者個人に依らずに画一的に設定するのに対し、ゾーン下限値は被検者個人に応じて異なる値を設定する点である。つまり、絶対的運動強度に基づいて、被検者個人に適したゾーン下限値(最低目標値)を設定することに大きな特徴を有する。
図5(2)において、タイプAの被検者は、HRdown(A)〜HRupの範囲がゾーンとして定められており、タイプB及びタイプCの被検者と比べてゾーンが広く設定されている。脈拍数が上がりにくいタイプAの被検者は、軽い運動を行っただけでは脈拍数がなかなか増加しない。本実施形態の手法では、このような被検者に対しては目標値であるゾーン下限値が低く設定される。
一方、タイプCの被検者は、HRdown(C)〜HRupの範囲がゾーンとして定められており、タイプA及びタイプBの被検者と比べてゾーンが狭く設定されている。脈拍数が上がり易いタイプCの被検者は、軽い運動を行っただけで脈拍数が簡単に増加する。本実施形態では、このような被検者に対しては目標値であるゾーン下限値が高く設定される。
3.機能構成
図6は、脈拍計1の機能構成の一例を示すブロック図である。脈拍計1は、脈波センサー10と、体動センサー20と、脈波信号増幅回路部30と、脈波波形整形回路部40と、体動信号増幅回路部50と、体動波形整形回路部60と、A/D(Analog/Digital)変換部70と、処理部100と、操作部200と、表示部300と、報知部400と、通信部500と、時計部600と、記憶部700とを備えて構成される。
脈波センサー10は、脈拍計1が装着された被検者の脈波を計測するセンサーであり、例えば光電脈波センサーを有して構成される。脈波センサー10は、身体組織への血流の流入によって生じる容積変化を脈波信号として検出し、脈波信号増幅回路部30に出力する。
脈波信号増幅回路部30は、脈波センサー10から入力した脈波信号を所定のゲインで増幅する増幅回路を有して構成される。脈波信号増幅回路部30は、増幅した脈波信号を脈波波形整形回路部40及びA/D変換部70に出力する。
脈波波形整形回路部40は、脈波信号増幅回路部30によって増幅された脈波信号(脈波波形)を整形する回路部であり、高周波のノイズ成分を除去する回路やクリッピング回路等を有して構成される。処理部100は、脈波波形整形回路部40によって整形された脈波波形に基づいて、脈波の検出有無を判定する。
体動センサー20は、脈拍計1が装着された被検者の動きを捉えるためのセンサーであり、加速度センサー等を有して構成される。体動センサー20は、被検者の体動を検出する体動検出部に相当する。
体動信号増幅回路部50は、体動センサー20から入力した体動信号を所定のゲインで増幅する増幅回路を有して構成される。体動信号増幅回路部50は、増幅した体動信号を体動波形整形回路部60及びA/D変換部70に出力する。
体動波形整形回路部60は、体動信号増幅回路部50によって増幅された体動信号(体動波形)を整形する回路部であり、高周波のノイズ成分を除去する回路や、重力加速度成分とそれ以外の成分とを判定する回路、クリッピング回路等を有して構成される。処理部100は、体動波形整形回路部60によって整形された体動波形に基づいて、体動の検出有無を判定する。
A/D変換部70は、脈波信号増幅回路部30によって増幅されたアナログ形式の脈波信号と、体動信号増幅回路部50によって増幅されたアナログ形式の体動信号とを、それぞれ所定のサンプリング時間間隔でサンプリング及び数値化して、デジタル信号に変換する。そして、変換したデジタル信号を処理部100に出力する。
処理部100は、記憶部700に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って脈拍計1の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサーを有して構成される。
処理部100は、例えば、脈拍数算出部110と、相関関係判定部120と、ゾーン設定部130と、脈拍数適否判定部140と、報知制御部150とを機能部として有する。但し、これらの機能部はあくまでも一例であり、必ずしも全ての機能部を必須構成要件としなければならないわけではない。
脈拍数算出部110は、A/D変換部70から入力した体動信号(体動データ)を用いて、脈波信号(脈波データ)から体動ノイズ成分を除去する処理を行う。そして、抽出した拍動成分(拍動データ)を利用して被検者の脈拍数を算出する。
相関関係判定部120は、初期校正処理において、脈拍数算出部110の算出結果と体動センサー20の検出結果とに基づいて、上記の原理に従って被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定する。図示は省略するが、相関関係判定部120は、被検者に所定運動を継続して行わせた場合の脈拍数算出部110の算出結果を用いて、被検者の個別脈拍数を算出する個別脈拍数算出部を有する。また、被検者に所定運動を継続して行わせた場合の体動センサー20の検出結果を用いて、被検者の個別運動強度を算出する個別運動強度算出部を有する。
ゾーン設定部130は、初期校正処理において、上記の原理に従ってゾーン下限値及びゾーン上限値を算出・設定し、脈拍数算出部110によって算出される算出脈拍数に対するゾーンを設定する。ゾーン設定部130は、算出脈拍数に対する目標値を設定する目標値設定部と、算出脈拍数に対する許容上限値を設定する許容上限値設定部とに相当する。
脈拍数適否判定部140は、脈拍数算出部110によって算出された算出脈拍数がゾーン設定部130によって設定されたゾーンに含まれるか否かを判定することで、算出脈拍数の適正/不適正の別を判定する。
報知制御部150は、脈拍数適否判定部140の判定結果に基づいて、算出脈拍数の適正/不適正の別に応じた報知制御を行う。
操作部200は、ボタンスイッチ等を有して構成される入力装置であり、押下されたボタンの信号を処理部100に出力する。この操作部200の操作により、脈拍数の測定指示等の各種指示入力がなされる。操作部200は、図1の操作ボタン5に相当する。
表示部300は、LCD(Liquid Crystal Display)等を有して構成され、処理部100から入力される表示信号に基づく各種表示を行う表示装置である。表示部300には、各種の生体情報(脈拍数、運動強度、カロリー消費量等)が表示される。表示部300は、図1の液晶表示器4に相当する。
報知部400は、スピーカーや圧電振動子等を有して構成され、処理部100から入力される報知信号に基づく各種報知を行う報知装置である。例えば、アラーム音をスピーカーから出力させたり、圧電振動子を振動させることで、被検者への各種報知を行う。
通信部500は、処理部100の制御に従って、装置内部で利用される情報をパソコン(PC(Personal Computer))等の外部の情報処理装置との間で送受するための通信装置である。この通信部500の通信方式としては、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続する形式、近距離無線通信を利用して無線接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
時計部600は、水晶振動子及びその発振回路でなる水晶発振器等を有して構成される時刻を計時する計時装置である。時計部600の計時時刻は、処理部100に随時出力される。
記憶部700は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置によって構成され、脈拍計1のシステムプログラムや、運動支援機能、脈拍数算出機能、運動強度測定機能、カロリー測定機能といった各種機能を実現するための各種プログラム、データ等を記憶している。また、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを有する。
記憶部700には、プログラムとして、運動支援処理(図8参照)として実行される運動支援プログラム710が記憶されている。運動支援プログラム710は、初期校正処理(図9参照)として実行される初期校正プログラム711と、相関関係判定処理として実行される相関関係判定プログラム712と、ゾーン設定処理として実行されるゾーン設定プログラム713とをサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
また、記憶部700には、データとして、下限基準運動強度定義テーブル720と、個別データ730と、ゾーン設定データ740とが記憶される。
下限基準運動強度定義テーブル720は、下限基準運動強度が定義されたテーブルであり、そのテーブル構成例を図7に示す。下限基準運動強度定義テーブル720には、運動種別721と下限基準運動強度723とが対応付けて定められている。
運動種別721には、負荷が異なる複数の運動種別が定められており、各々の運動種別721に対して下限基準運動強度723が個別に定められている。例えば、ウォーキング(低速)には“1.5[METs]”が定められているのに対し、ウォーキング(高速)には“3.5[METs]”が定められている。また、ジョギングには“7.0[METs]”が定められている。この下限基準運動強度定義テーブル720は、運動支援処理において下限基準運動強度を設定するために使用される。
個別データ730は、上記の原理で説明したテスト歩行の結果として算出される被検者の個別データであり、個別脈拍数731及び個別酸素摂取量732がこれに含まれる。
ゾーン設定データ740は、ゾーン設定処理によって設定されたゾーンに関するデータであり、ゾーン下限値741及びゾーン上限値742がこれに含まれる。
4.処理の流れ
図8は、記憶部700に記憶されている運動支援プログラム710が処理部100によって読み出されることで、脈拍計1において実行される運動支援処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、処理部100は、被検者の個人データの設定を行う(ステップA1)。具体的には、表示部300に個人データの入力を指示するメッセージを表示させたり、報知部400から個人データの入力を指示する音声ガイダンスを出力させるなどして、被検者に個人データの入力を指示する。個人データは、被検者の年齢、性別、体重、身長等のデータである。そして、操作部200を介して入力された個人データを記憶部700に記憶させる。
次いで、処理部100は、運動種別の設定を行う(ステップA3)。具体的には、運動種別の一覧を表示部300に表示させるなどして、これから被検者が行う予定の運動種別を選択させる。そして、操作部200を介して選択された運動種別を記憶部700に記憶させる。
その後、処理部100は、記憶部700に記憶されている下限基準運動強度定義テーブル720を参照し、ステップA3で設定した運動種別721に対応付けられている下限基準運動強度723を読み出して設定する(ステップA5)。
次いで、処理部100は、記憶部700に記憶されている初期校正プログラム711に従って初期校正処理を行う(ステップA7)。
図9は、初期校正処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、処理部100は、テスト歩行の開始を被検者に指示する(ステップB1)。具体的には、予め定められたテスト歩行期間(例えば6分間)、普段通りの速度で歩行することを指示する音声ガイダンスを報知部400に音出力させるなどして、被検者にテスト歩行を指示する。このテスト歩行の指示に従って、被検者はテスト歩行を開始する。
次いで、処理部100は、データ取得期間内であるか否かを判定し(ステップB3)、データ取得期間内ではないと判定した場合は(ステップB3;No)、ステップB7へと移行する。また、データ取得期間内であると判定した場合は(ステップB3;Yes)、処理部100は、脈波センサー10の検出結果及び体動センサー20の検出結果を用いて被検者の脈拍数及びピッチを算出して、記憶部700に記憶させる(ステップB5)。
次いで、処理部100は、テスト歩行期間が終了したか否かを判定し(ステップB7)、まだ終了していないと判定した場合は(ステップB7;No)、ステップB3に戻る。また、テスト歩行期間が終了したと判定した場合は(ステップB7;Yes)、記憶部700に記憶された相関関係判定プログラム712に従って相関関係判定処理を行う。
先ず、相関関係判定部120は、基準相関式を設定する(ステップB9)。具体的には、ステップA1で設定した被検者の個人データに基づいて、最大脈拍数及び最小脈拍数と、最大酸素摂取量及び最小酸素摂取量とを算出し、上記の原理に従って基準相関式を設定する。
次いで、相関関係判定部120は、データ取得期間に取得された脈拍数及び体動のデータを用いて個別データ730を算出し、記憶部700に記憶させる(ステップB11)。例えば、データ取得期間に取得された算出脈拍数の平均値を個別脈拍数731として算出する。また、データ取得期間に取得された体動データを用いて被検者のピッチを算出し、式(1)〜式(3)に従って個別酸素摂取量732を算出する。
その後、相関関係判定部120は、ステップB9で設定した基準相関式を、ステップB11で算出した個別データ730を用いて調整することで、調整相関式を演算する(ステップB13)。そして、相関関係判定部120は、相関関係判定処理を終了する。
次いで、処理部100は、記憶部700に記憶されたゾーン設定プログラム713に従ってゾーン設定処理を行う。ゾーン設定部130は、ステップB13で演算された調整相関式と、ステップA5で設定した下限基準運動強度723とに基づいて、例えば式(4)〜式(6)に従ってゾーン下限値741を算出して、記憶部700に記憶させる(ステップB15)。
また、ゾーン設定部130は、調整相関式と、予め定められた上限基準運動強度とに基づいて、例えば式(7)に従ってゾーン上限値742を算出して、記憶部700に記憶させる(ステップB17)。そして、ゾーン設定部130は、ゾーン設定処理を終了する。これで初期校正処理は終了となる。
図8の運動支援処理に戻り、初期校正処理を行った後、処理部100は、被検者に対する運動開始指示を行う(ステップA9)。例えば、運動開始を指示するメッセージを表示部300に表示させたり、音声ガイダンスを報知部400に音出力させるなどして、被検者に運動開始を指示する。この運動開始の指示を受けて、被検者は運動を開始する。
次いで、脈拍数算出部110は、脈拍数の算出タイミングであるか否かを判定し(ステップA11)、算出タイミングではないと判定したならば(ステップA11;No)、ステップA25へと処理を移行する。また、算出タイミングと判定したならば(ステップA11;Yes)、脈波センサー10の検出結果に基づいて脈拍数を算出する(ステップA13)。
次いで、脈拍数適否判定部140は、ステップA13において算出した算出脈拍数が、ゾーン設定処理で設定したゾーン内であるか否かを判定する(ステップA15)。算出脈拍数がゾーン内である場合は(ステップA15;Yes)、脈拍数適否判定部140は、算出脈拍数を適正と判定する(ステップA17)。
この場合、報知制御部150は、適正判定用の報知制御を行う(ステップA19)。具体的には、例えば、LEDランプを青色に点灯制御したり、被検者に現在の運動状態を維持するように促す音声ガイダンスを報知部400に音出力させるなどして、脈拍数がゾーン内であることを被検者に報知する。
一方、ステップA15において算出脈拍数がゾーン外であると判定した場合は(ステップA15;No)、脈拍数適否判定部140は、算出脈拍数を不適正と判定する(ステップA21)。
この場合、報知制御部150は、不適正判定用の報知制御を行う(ステップA23)。具体的には、例えば、LEDランプを赤色に点灯制御したり、被検者に現在の運動状態を改善するように促す音声ガイダンスを報知部400に音出力させるなどして、脈拍数がゾーン外であることを被検者に報知する。
この場合において、算出脈拍数がゾーン下限値741に達していない場合は、運動のペースを上げるように被検者に指示する。他方、算出脈拍数がゾーン上限値742を超えている場合は、リスク回避の観点から、アラーム音を報知部400に音出力させるなどして、運動のペースを下げるように被検者に指示する。
その後、処理部100は、処理を終了するか否かを判定する(ステップA25)。例えば、操作部200を介して被検者によって運動終了の指示操作がなされたか否かを判定する。処理を継続すると判定した場合は(ステップA25;No)、ステップA11に戻る。また、処理を終了すると判定した場合は(ステップA25;Yes)、運動支援処理を終了する。
5.作用効果
脈拍計1において、被検者の脈拍数が脈拍数算出部110によって算出される。また、被検者の体動が体動センサー20によって検出される。そして、脈拍数の算出結果と体動の検出結果とに基づいて、被検者の脈拍数と運動強度との相関関係が相関関係判定部120によって判定される。そして、相関関係判定部120によって判定された相関関係と所与の下限基準運動強度とに基づいて、脈拍数算出部110によって算出される算出脈拍数に対する目標値であるゾーン下限値がゾーン設定部130によって設定される。
被検者の実際の脈拍数及び体動の検出結果に基づいて、被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定し、当該相関関係と所与の下限基準運動強度とに基づいて算出脈拍数に対するゾーン下限値を設定することで、その被検者にとって適切な脈拍数の目標値を定めることができる。また、このようにして定めた目標値によって、被検者個人に適した強度の運動を促すことが可能となる。
本実施形態では、初期校正として、被検者に所定期間テスト歩行を継続して行わせた場合の脈拍数算出部110の算出結果を用いて、被検者の個別脈拍数を算出する。また、被検者に所定期間テスト歩行を継続して行わせた場合の体動センサー20の検出結果を用いて、被検者の個別酸素摂取量を算出する。このようにして算出した個別脈拍数及び個別酸素摂取量を用いて相関関係を判定することで、被検者毎に相関関係を適正化することができる。この際、相関関係の基準を示す所与の基準相関式を個別脈拍数及び個別酸素摂取量を用いて調整することで、簡易的な手法によって当該被検者に適した相関関係を求めることができる。
また、本実施形態では、下限基準運動強度をMETsで定義しておくことで、脈拍数の増減傾向の個人差を考慮した適切なゾーン下限値の設定を実現することができる。つまり、被検者個人に合った運動を促すことが可能となる。
6.変形例
本発明を適用可能な実施例は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明する。
6−1.生体情報処理装置
上記の実施形態では、生体情報処理装置として腕時計型の脈拍計を例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な生体情報処理装置はこれに限られない。例えば、指先に装着して脈拍数を測定する指装着形の脈拍計に適用することも可能である。また、脈波信号の検出方法も光を用いた検出方法に限らず、超音波を用いた検出方法や、心電を用いた検出方法であってもよい。
6−2.体動検出部
上記の実施形態では、体動検出部である体動センサーが加速度センサーを有して構成されるものとして説明したが、加速度センサーではなく他のセンサーを有して構成されることとしてもよい。例えば、体動センサーがジャイロセンサーを有して構成されることとし、ジャイロセンサーによって検出された角速度に基づいて被検者の体動を検出することとしてもよい。勿論、加速度センサー及びジャイロセンサーの両方を有して構成されることとし、これらのセンサーの検出結果を併用して被検者の体動を検出してもよい。
6−3.相関関係判定
上記の実施形態では、被検者に1種類の所定運動を行わせた場合の個別データを利用して相関式を調整するものとして説明した。しかし、被検者に負荷が異なる複数の所定運動を継続して行わせた場合に取得される個別データを利用して、被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定することとしてもよい。
図10は、この場合におけるテスト運動の説明図である。図の見方は図4と同じであるが、被検者の脈拍数の時間変化と併せて、被検者のピッチの時間変化を図示している。最初に、所定のテスト運動期間(例えば6分間)を設定し、このテスト運動期間において、負荷の異なる所定運動を被検者に継続的に行わせる。
具体的には、テスト運動期間を第1運動期間と第2運動期間との2つの期間に分ける。そして、第1運動期間では、負荷がそれほど高くない運動(例えばゆっくりとした歩行)を行わせ、第2運動期間では、負荷が比較的高い運動(例えばジョギング)を行わせる。そして、第1運動期間について、被検者の脈拍数が定常状態となる中盤以降の期間に第1データ取得期間を設定して第1個別データを取得する。また、第2運動期間について、被検者の脈拍数が定常状態となる中盤以降の期間に第2データ取得期間を設定して第2個別データを取得する。
例えば、テスト運動期間を6分間の期間とする。この場合は、例えば、前半3分間の期間を第1運動期間とし、後半3分間の期間を第2運動期間とする。また、第1運動期間のうちの残り1分の期間(運動開始後2分〜3分の期間)を第1データ取得期間とし、第2運動期間のうちの残り1分の期間(運動開始後5分〜6分の期間)を第2データ取得期間とする。
そして、第1データ取得期間及び第2データ取得期間においてそれぞれ取得した脈拍数及び体動のデータを用いて、第1個別データ及び第2個別データをそれぞれ算出する。第1個別データは、第1個別脈拍数“HRc1”及び第1個別酸素摂取量“VO2c1”である。また、第2個別データは、第2個別脈拍数“HRc2”及び第2個別酸素摂取量“VO2c2”である。
図11は、変形例における相関関係判定方法及びゾーン設定方法の説明図である。図の見方は図5と同じである。第1個別脈拍数“HRc1”及び第1個別酸素摂取量“VO2c1”により定まる座標上の点C1と、第2個別脈拍数“HRc2”及び第2個別酸素摂取量“VO2c2”により定まる座標上の点C2とを通るように基準相関式を調整する。
例えば、図11(1)に一点鎖線で示すように、点C1を通るように線分ABを平行移動させた線分と、点C2を通るように線分ABを平行移動させた線分との2本の線分を考える。そして、この2本の線分を、点C1及び点C2を連接するように合成する。これにより、例えば図11(1)の太実線で示すような、折れ曲がった形状の調整相関式が得られる(F−C1−C2−G)。
ゾーン設定方法は、上記の実施形態と同様である。図11(2)に示すように、図11(1)で得られた調整相関式から下限基準運動強度“γ”に相当する脈拍数を求めてゾーン下限値“HRdown”に設定する。つまり、下限基準運動強度“γ”を下限基準酸素摂取量“VO2s”に換算し、下限基準酸素摂取量“VO2s”に相当する脈拍数を求めてゾーン下限値“HRdown”とする。
上記のゾーン設定方法によれば、負荷が異なる2種類の所定運動を継続して行わせた場合それぞれにおける個別脈拍数及び個別酸素摂取量を用いて基準相関式を調整する。これにより、相関関係をより的確に判定することができ、その被検者に見合ったゾーン設定を実現することが可能となる。
なお、被検者に行わせる運動種別は必ずしも2種類である必要はなく、3種類以上の所定運動を行わせることとしてもよい。この場合も上記と同様に、負荷が異なる複数の所定運動それぞれについて取得された個別脈拍数及び個別運動強度のデータ(個別データ)を用いて、各個別データに対応する座標上の点を通るように基準相関式を調整すればよい。
6−4.基準運動強度の変更
上記の実施例では、被検者によって選択された運動種別に基づいて下限基準運動強度を固定的に設定するものとして説明した。しかし、被検者の運動状態は、その都度変化することが想定される。例えば、ウォーミングアップとして最初はゆっくりと歩行し、次第に歩行ペースを上げて歩行し、最終的にジョギングを開始するような場面が想定される。このような場面では、被検者が行う運動種別が随時変化し、被検者の脈拍数の総体的な大きさも変化するため、算出脈拍数に対する目標値をその都度変更することが必要となる。
この場合、図示は省略するが、図6の処理部100が、相関関係判定部120によって判定された相関関係と、運動種別毎に定められた下限基準運動強度とに基づいて、運動種別毎に算出脈拍数に対する目標値を算出する目標値算出部を機能部として有するように構成する。また、運動種別毎に算出された目標値を算出脈拍数とそれぞれ対比することで、被検者が行っている運動種別を推定する運動種別推定部を機能部として有するように構成する。そして、処理部100が、図8の運動支援処理に代えて、図12に示す第2の運動支援処理を実行するように構成する。
図12は、第2の運動支援処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8の運動支援処理と同一のステップについては同一の符号を付して、説明を省略する。
ステップA1において被検者の個人データを設定した後、処理部100は、初期設定を行う(ステップC3)。具体的には、下限基準運動強度“γ”に所定の初期値(例えばγ=3.5[METs])を設定する。そして、処理部100は、設定した下限基準運動強度“γ”を用いて初期校正処理を行う(ステップA7)。
初期校正処理を行った後、処理部100の目標値算出部が、目標値算出処理を行う(ステップC8)。具体的には、図7の下限基準運動強度定義テーブル720を参照し、運動種別721毎に定められた下限基準運動強度723をそれぞれ利用して算出脈拍数に対する目標値を算出する。つまり、調整相関式から下限基準運動強度723それぞれに相当する脈拍数を求めることで、運動種別毎の目標値を算出する。
ステップA13において脈拍数を算出した後、処理部100の運動種別推定部が、運動種別推定処理を行う(ステップC15)。具体的には、ステップC8の目標値算出処理において運動種別毎に算出された目標値を、ステップA13において算出された算出脈拍数とそれぞれ対比することで、被検者が現在行っている運動種別を推定する。
具体的には、例えば、算出脈拍数から運動種別毎に算出された目標値をそれぞれ減算する。そして、目標値毎に求めた減算値のうち、その絶対値が最小となる目標値、つまり算出脈拍数に最近接している目標値を選択し、当該目標値に対応する運動種別を、被検者が現在行っている運動種別と推定する。
また、別の方法として、上記のようにして求めた減算値のうち、符号が正で絶対値が最小となる目標値を選択することとしてもよい。つまり、算出脈拍数よりも値が小さく、且つ、算出脈拍数に最近接している目標値を選択する。そして、選択した目標値に対応する運動種別を、被検者が現在行っている運動種別と推定する。
次いで、処理部100は、推定した運動種別の確認処理を行う(ステップC17)。具体的には、ステップC15で推定した運動種別を被検者に報知する制御を行い、被検者に運動種別を確認させる。被検者は、報知された運動種別が、自身が現在行っている運動種別と一致しているか否かを確認する。そして、その確認結果を、操作部200を介して装置に通知する。
処理部100は、被検者からの確認操作に基づいて、運動種別の変更が生じたか否かを判定し(ステップC19)、変更が生じたと判定した場合は(ステップC19;Yes)、ゾーン下限値を更新する(ステップC21)。つまり、変更後の運動種別に対応する目標値でゾーン下限値を更新する。運動種別の変更が生じなかったと判定した場合は(ステップC19;No)、ステップA15へと移行する。
この第2の運動支援処理によれば、運動種別毎に算出された目標値を算出脈拍数とそれぞれ対比することで、被検者が行っている運動種別を推定することができる。そして、推定した運動種別に基づいてゾーン下限値を変更することで、被検者が行っている運動に追従するかのように、運動種別に応じた適正な目標値に変更することができる。
6−5.下限基準運動強度
上記の実施形態では、下限基準運動強度を絶対的運動強度の一種であるMETsで定義したが、それ以外の絶対的運動強度で定義することも可能である。例えば、下限基準運動強度を酸素摂取量で定義することとしてもよい。この場合は、図5(2)及び図11(2)において、下限基準運動強度として定められた酸素摂取量に相当する脈拍数を調整相関式から直接的に求めて、ゾーン下限値に設定すればよい。
6−6.最大脈拍数及び最小脈拍数
最大脈拍数及び最小脈拍数の設定方法は、上記の実施形態に限られない。例えば、最大脈拍数について「最大脈拍数=220−被検者の年齢」に従って算出する以外にも、被検者に負荷の高い運動を行わせて所定時間に亘って脈拍数を算出し、その平均値や中央値、最頻値などから最大脈拍数“HRmax”を求めてもよい。
また、最小脈拍数“HRmin”について、被検者を安静にさせた状態で所定時間に亘って脈拍数を算出し、その平均値や中央値、最頻値などから最小脈拍数“HRmin”を求めてもよい。勿論、被検者自身に最大脈拍数“HRmax”や最小脈拍数“HRmin”の値を操作入力させることとしてもよい。
1 脈拍計、 10 脈波センサー、 20 体動センサー、 30 脈波信号増幅回路部、 40 脈波波形整形回路部、 50 体動信号増幅回路部、 60 体動波形整形回路部、 70 A/D変換部、 100 処理部、 200 操作部、 300 表示部、 400 報知部、 500 通信部、 600 時計部、 700 記憶部

Claims (6)

  1. 被検者の脈拍数を算出する脈拍数算出部と、
    前記被検者の体動を検出する体動検出部と、
    前記被検者に所定運動を継続して行わせた場合の前記脈拍数算出部の算出結果を用いて、前記被検者の個別脈拍数を算出することと、前記被検者に前記所定運動を継続して行わせた場合の前記体動検出部の検出結果を用いて、前記被検者の個別運動強度を算出することとを実行し、所与の基準相関を前記個別脈拍数及び前記個別運動強度を用いて調整することで前記被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定する相関関係判定部と、
    前記相関関係から、前記被検者が行う運動種別に対応づけられた所与の基準運動強度に相当する脈拍数を求めて、前記脈拍数算出部によって算出される算出脈拍数に対する最低目標値として設定する最低目標値設定部と、
    少なくとも前記被検者の年齢に基づき定められる最大脈波数及び最小脈拍数と、所与の上限基準運動強度に基づく係数とを用いて、前記算出脈拍数に対する許容上限値を設定する許容上限値設定部と、
    前記算出脈拍数が前記最低目標値と前記許容上限値の間である場合に適正な運動がなされている旨の報知制御を行う報知制御部と、
    を備えた生体情報処理装置。
  2. 前記所与の基準相関は、脈拍数と運動強度との一次関数で表され、
    前記相関関係判定部は、傾きが前記所与の基準相関を表す一次関数の傾きであり、前記個別脈拍数及び前記個別運動強度の対応点を通る関数として前記相関関係を判定する、
    請求項1に記載の生体情報処理装置。
  3. 前記相関関係判定部は、前記被検者に負荷が異なる複数の所定運動を継続して行わせた場合それぞれにおける前記個別脈拍数を算出し前記被検者に前記複数の所定運動を継続して行わせた場合それぞれにおける前記個別運動強度を算出し前記複数の所定運動それぞれについて算出された前記個別脈拍数及び前記個別運動強度を用いて前記相関関係を判定する、
    請求項1又は2に記載の生体情報処理装置。
  4. 前記基準運動強度は、METs(Metabolic equivalents)又は酸素摂取量で定義され
    請求項1〜の何れか一項に記載の生体情報処理装置。
  5. 前記相関関係と、運動種別毎に定められた前記基準運動強度とに基づいて、運動種別毎に前記最低目標値を算出する最低目標値算出部と、
    前記運動種別毎に算出された最低目標値を前記算出脈拍数とそれぞれ対比することで、前記被検者が行っている運動種別を推定する運動種別推定部と、
    を更に備え、
    前記最低目標値設定部は、前記運動種別推定部によって推定された運動種別に基づいて前記最低目標値を変更する、
    請求項1〜の何れか一項に記載の生体情報処理装置。
  6. 被検者の脈拍数を算出することと、
    前記被検者の体動を検出することと、
    前記被検者に所定運動を継続して行わせた場合の前記脈拍数算出部の算出結果を用いて、前記被検者の個別脈拍数を算出することと、前記被検者に前記所定運動を継続して行わせた場合の前記体動検出部の検出結果を用いて、前記被検者の個別運動強度を算出することとを実行し、所与の基準相関を前記個別脈拍数及び前記個別運動強度を用いて調整することで前記被検者の脈拍数と運動強度との相関関係を判定することと、
    前記相関関係から、前記被検者が行う運動種別に対応づけられた所与の基準運動強度に相当する脈拍数を求めて、前記算出される算出脈拍数に対する最低目標値として設定することと、
    少なくとも前記被検者の年齢に基づき定められる最大脈波数及び最小脈拍数と、所与の上限基準運動強度に基づく係数とを用いて、前記算出脈拍数に対する許容上限値を設定することと、
    前記算出脈拍数が前記最低目標値と前記許容上限値の間である場合に適正な運動がなされている旨の報知制御を行うことと、
    を含む生体情報処理方法。
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