JP5807697B1 - 密閉冷却水系における腐食抑制方法及び密閉冷却水系用腐食抑制剤並びに腐食抑制システム - Google Patents

密閉冷却水系における腐食抑制方法及び密閉冷却水系用腐食抑制剤並びに腐食抑制システム Download PDF

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Abstract

【課題】密閉冷却水系における鉄系部材及び銅系部材に対して有効な腐食抑制方法を提供すること。【解決手段】鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を添加する、密閉冷却水系における腐食抑制方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系における腐食抑制方法、及び密閉冷却水系用腐食抑制剤、並びに腐食抑制システムに関する。
化学、石油化学及び製鉄などの各種工場におけるプロセス冷却用、並びにビルの空調用に冷却水が用いられている。冷却水系における配管及び機械部品等の設備には、一般的に鉄系部材及び銅系部材が使用されている。
これらの設備における金属腐食は、設備の損傷及び耐久性の低下、当該設備にて生産される製品の汚染、当該製品の生産効率の低下、及びプラントの緊急停止などを引き起こしかねず、経済的に大きな問題となるおそれがある。
そのため、冷却水系に限らず、水系における設備の金属腐食を抑制する方法として、酸化型又は沈殿型の防食皮膜を利用する手法、及び脱酸素による手法など、処理対象となる水(被処理水)に所定の薬剤を添加することが行われている。
例えば、特許文献1には、「カルシウム硬度の低い水系、特に循環水のカルシウム硬度が低い開放循環式冷却水系に接する銅系部材の腐食を効果的に抑制する方法」に関して、所定のアゾール系銅用防食剤を添加する方法が提案されている。
また、例えば、特許文献2には、「密閉冷却水系に亜硝酸及び/又はその塩を添加して該冷却水系内の鉄製部材及び銅製部材の腐食を抑制する方法において、該冷却水系におけるpHを9〜10.5とし、亜硝酸(塩)濃度を20〜150mg/Lとし、アゾール化合物濃度を0.2〜10mg/Lとすることを特徴とする密閉冷却水系における腐食抑制方法」が提案されている。
特開2012−207291号公報 特開2013−245389号公報
密閉冷却水系では、途中で大気に開放する部分を設けずに密閉した状態で冷却水を循環させる冷却方式であることから、一般的に、開放冷却水系に比べて冷却水(循環水)が汚れ難く、メンテナンスの頻度を抑えられるというメリットがある。
その一方で、密閉冷却水系では、外気との接触が少ないため、密閉冷却水系内の冷却水(循環水)のpHが大気との平衡状態となるために時間を要する。そのため、密閉冷却水系においては、その系内の設備の腐食を抑制する薬剤を添加することによりpHの上昇が生じるような場合、かえって銅系部材の腐食が進む環境が長時間続くおそれが生じる。
そこで、本発明は、密閉冷却水系における鉄系部材及び銅系部材の両方に対して有効な腐食抑制方法を提供することを主目的とする。
本発明は、鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を添加する、密閉冷却水系における腐食抑制方法を提供する。
この腐食抑制方法では、密閉冷却水系における冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲としてもよく、溶存酸素の濃度を0.1mg/L以下としてもよい。
この腐食抑制方法では、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を、密閉冷却水系の冷却水における濃度が30〜200mg/Lとなるように添加してもよい。
この腐食抑制方法では、(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を、密閉冷却水系の冷却水における濃度が50〜300mg/Lとなるように添加してもよい。
この腐食抑制方法では、密閉冷却水系に、さらに(c)アゾール化合物を添加してもよい。この場合、密閉冷却水系の冷却水における(c)アゾール化合物の濃度を0.5mg/L以上に維持してもよい。
本発明はまた、鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に用いられる腐食抑制剤であり、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を含有する、密閉冷却水系用腐食抑制剤を提供する。
本発明はさらに、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を密閉冷却水系に添加するように制御する制御部を備える腐食抑制システムを提供する。
本発明によれば、密閉冷却水系における鉄系部材及び銅系部材の両方に対して有効な腐食抑制方法を提供することができる。
試験例で用いた試験装置の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
<腐食抑制方法>
本発明に係る実施形態の腐食抑制方法は、鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を添加するものである。
従来から、水系における被処理水に薬剤を添加することで設備の腐食を抑制する方法には、酸化型又は沈殿型の防食皮膜を利用する手法や、脱酸素による手法などがある。
酸化型皮膜による腐食抑制方法としては、亜硝酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩などを利用したものがある。沈殿型皮膜による腐食抑制方法としては、リン酸塩や亜鉛塩を利用したものがある。脱酸素による腐食抑制方法としては、ヒドラジンやエリソルビン酸塩を利用したものがある。
しかし、モリブデン酸塩や亜鉛塩、ヒドラジン等はPRTR制度の対象物質であり、亜硝酸塩やリン酸塩等は水質汚濁防止法の対象物質であり、使用が制限されている。タングステン酸塩は規制を受けないが、比較的高価であるため、高濃度で使用することが難しく、腐食性の高い水では効果が劣る傾向にある。
一方、エリソルビン酸塩は、安全性が高く、30℃という低い水温においても脱酸素反応が生じるため、密閉冷却水系の防食剤として有効と考えられる。
しかし、エリソルビン酸塩の脱酸素反応では、副生成物として有機酸が発生し、その有機酸により、密閉冷却水系における冷却水(循環水)のpHの低下が起こり、鉄系部材及び銅系部材の腐食が懸念される。この対策として、密閉冷水系内に中和に必要なアルカリ量を維持する方法が考えられるが、高いpH環境は、銅系部材を腐食させる原因となるため、厳密なpH管理が必要となる。pHの変動に緩衝作用を持たない純水を使用する場合、アルカリ成分の添加により急激なpHの上昇が起こるため、管理が難しい。また、密閉冷却水系では、外気との接触が少ないため、密閉冷却水系内の冷却水(循環水)のpHが大気との平衡状態となるために時間を要する。そのため、密閉冷却水系においては、その系内の設備の腐食を抑制する薬剤を添加することによりpHの上昇が生じるような場合、かえって銅系部材の腐食が進む環境が長時間続くおそれが生じる。
そこで、本実施形態の腐食抑制方法では、安全性の高い脱酸素剤として、エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を用い、アルカリ成分としてアルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を用いることで、密閉冷却水系における冷却水のpH管理を容易にし、鉄系部材及び銅系部材に対する腐食を効果的に抑制するものである。
腐食を抑制する対象となる密閉冷却水系は、その設備において、鉄系部材及び銅系部材を備えていれば特に限定されない。そのような密閉冷却水系としては、例えば、一般工場反応釜系、製鉄所冷却水系、発電用又は舶用エンジン冷却水系、一般工場冷却水系、発電所軸受冷却水系などが挙げられる。本技術の腐食抑制方法は、純水を使用する純水密閉冷却水系に用いることがより好適である。
本開示において、鉄系部材には、鉄製部材のほか、炭素鋼等の鉄を含む鉄合金製部材も含まれる。また、銅系部材には、銅製部材のほか、真鍮等の銅を含む銅合金製の部材も含まれる。鉄系部材及び銅系部材としての密閉冷却水系における具体的な部品は特に限定されず、例えば、配管、タンク、及び機械部品等が挙げられる。
密閉冷却水系における冷却水のpHは、9.0〜10.0の範囲にすることが好ましい。冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲に管理することにより、鉄系部材及び銅系部材の両方に対して、防食効果を維持することが可能となる。このpHは、JIS Z8802に規定されるガラス電極法に準拠して、ガラス電極を用いたpH計によって測定される値である。
また、鉄系部材及び銅系部材に対する腐食抑制のために、密閉冷却水系における冷却水の溶存酸素の濃度は、好ましくは2.0mg/L以下、より好ましくは0.5mg/L以下、さらに好ましくは0.1mg/L以下、特に好ましくは0.1mg/L未満に維持する。この溶存酸素濃度は、一般的に使用されている溶存酸素計又は溶存酸素を測定可能な水質測定器によって測定される値である。
本実施形態の腐食抑制方法では、密閉冷却水系における冷却水のpH及び溶存酸素濃度をpH計や溶存酸素計を用いて測定し、それらの測定値をモニタリングすることが好ましい。より好適には、そのモニタリングにより、密閉冷却水系における冷却水を、上述の好適なpH範囲及び好適な溶存酸素濃度範囲となるように維持する。
本実施形態の腐食抑制方法では、密閉冷却水系(好適にはその冷却水)に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上(以下、「エリソルビン酸(塩)等」ということがある。)を添加する。
(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩は、脱酸素能としてほぼ同様の効果を有すると考えられ、これらのうち、少なくとも1種以上を用いればよいが、エリソルビン酸塩がより好ましい。
エリソルビン酸塩及びアスコルビン酸塩における塩の種類は特に限定されない。この塩の種類としては、例えば、カリウム塩及びナトリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ジエタノールアミン塩及びトリエタノールアミン塩等の有機アミン塩などが好ましい。これらの塩のうち、水溶性に優れることから、カリウム塩がより好ましい。
本実施形態の腐食抑制方法では、密閉冷却水系(好適にはその冷却水)に、(b)アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選ばれる1種以上を添加する。
好適なアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム等が挙げられる。好適なアルカリ金属炭酸水素塩としては、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
(b)アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩のうち、アルカリ金属炭酸塩を用いることがより好ましい。
(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩(以下、「アルカリ金属の炭酸塩及び/又は炭酸水素塩」ということがある。)としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、炭酸カリウムがさらに好ましい。
本実施形態の腐食抑制方法では、(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩以外に、アルカリ成分として、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等を併用してもよい。
本実施形態の腐食抑制方法では、密閉冷却水系に、前述の(a)エリソルビン酸(塩)等、並びに(b)アルカリ金属の炭酸塩及び/又は炭酸水素塩のほか、(c)アゾール化合物を添加することが好ましい。密閉冷却水系にアゾール化合物を添加することで、密閉冷却水系における銅系部材に対する腐食抑制効果をより高めることが可能となる。
このようなアゾール化合物としては、その構造中の窒素原子の数が1〜3のアゾール化合物が好ましい。より具体的には、アゾール化合物としては、トリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、及びこれらの誘導体からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ベンゾトリアゾールがより好ましい。
(a)エリソルビン酸(塩)等、(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩、並びに(c)アゾール化合物のそれぞれの密閉冷却水系への添加量は、特に限定されない。これらの添加量は、処理対象の水質、密閉冷却水系における鉄系部材及び銅系部材の割合、鉄系部材及び銅系部材の表面積などに応じて、腐食抑制効果が得られる程度の適度な濃度に調整して決めることが望ましいが、通常、以下に述べる範囲が好適である。
(a)エリソルビン酸(塩)等は、密閉冷却水系の冷却水における濃度が、好ましくは30〜200mg/L、より好ましくは45〜120mg/L、さらに好ましくは60〜90mg/Lとなるような添加量とすることができる。(a)エリソルビン酸(塩)等の添加量をかかる範囲とすることで、密閉冷却水系における被処理水(冷却水)中の溶存酸素を消費し、鉄系部材及び銅系部材の腐食を生じ難くすることが可能となる。
(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩は、密閉冷却水系の冷却水における濃度が、好ましくは50〜300mg/L、より好ましくは75〜150mg/L、さらに好ましくは90〜120mg/Lとなるような添加量とすることができる。
(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩の添加量をかかる範囲とすることにより、(a)エリソルビン酸(塩)等の冷却水中の酸素及びアルカリ成分との反応で副生成物として生成し得る有機酸を中和し、有機酸によるpH低下、ひいてはそのpH低下による鉄系部材に対する腐食の軽減を図ることができると考えられる。また、(b)アルカリ金属の炭酸塩及び/又は炭酸水素塩の添加量をかかる範囲とすることで、密閉冷却水系の冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲に管理し易くなり、アルカリ性物質の添加による冷却水のpH上昇を抑え、pH上昇による銅系部材の腐食の軽減を図ることができると考えられる。
(c)アゾール化合物は、銅系部材に対して効果的に腐食を抑制するために、密閉冷却水系の冷却水における濃度が0.5mg/L以上を維持するように添加することが好ましい。この(c)アゾール化合物の冷却水における濃度は、0.5〜5mg/Lの範囲がより好ましく、0.5〜2.5mg/Lの範囲がさらに好ましい。
本実施形態の腐食抑制方法では、(a)エリソルビン酸(塩)等、(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩、並びに(c)アゾール化合物などは、それらを含む混合液として密閉冷却水系に添加してもよく、個別に添加してもよい。密閉冷却水系での処理及び作業性の観点からは、(a)エリソルビン酸(塩)等、(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩、並びに(c)アゾール化合物を含む一液として、密閉冷却水系に添加することが好ましい。
本実施形態の腐食抑制方法では、本技術の目的を阻害しない範囲において、(a)エリソルビン酸(塩)等、(b)アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩、並びに(c)アゾール化合物以外の他の水処理剤を必要に応じて用いてもよい。
他の水処理剤として、例えば、防食剤、スケール防止剤、スライム処理剤、消泡剤、界面活性剤、及びキレート剤などを用いることが可能である。
以上述べた本実施形態の密閉冷却水系における腐食抑制方法によれば、密閉冷却水系における鉄系部材及び銅系部材に対する腐食の抑制を図ることができる。この腐食抑制の作用については、以下のように考えられる。
エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩は、密閉冷却水系の冷却水中の酸素及びアルカリ成分と反応し、腐食の原因となる酸素(溶存酸素)を消費する。そして、その反応により副生成物として生成し得る有機酸を中和する量の(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩が密閉冷却水系内に維持することで、密閉冷却水系の冷却水(循環水)をpH9.0〜10.0の範囲に管理し、鉄系部材及び銅系部材に対する腐食抑制効果を向上させることができると考えられる。
なお、本実施形態の密閉冷却水系における腐食抑制方法は、当該方法における工程(手順)を、例えば、密閉冷却水系における水質を管理するための装置(例えば、パーソナルコンピュータ等)のCPU等を含む制御部によって実現させることも可能である。また、本実施形態の密閉冷却水系における腐食抑制方法は、当該方法における工程(手順)を、例えば、記憶媒体(USBメモリ、HDD、CD等)等を備えるハードウエア資源にプログラムとして格納し、前述の制御部によって実現させることも可能である。
本技術では、このような制御部を備える腐食抑制システムを提供することも可能である。すなわち、本実施形態に係る腐食抑制システムは、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を密閉冷却水系に添加するように制御する制御部を備える。
この制御部は、密閉冷却水系における水質を管理することが好ましい。より具体的には、制御部は、密閉冷却水系における冷却水のpH、溶存酸素濃度を管理することが好ましい。また、制御部は、冷却水のpH及び溶存酸素濃度の値に応じて、(a)エリソルビン酸(塩)等、並びに(b)アルカリ金属の炭酸塩及び/又は炭酸水素塩の添加量を調整し、それらの添加を実行することが好ましい。
<密閉冷却水系用腐食抑制剤>
本発明の実施形態に係る密閉冷却水系用腐食抑制剤は、鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に用いられる腐食抑制剤である。そして、この密閉冷却水系用腐食抑制剤は、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を含有する。
本実施形態の密閉冷却水系用腐食抑制剤は、(c)アゾール化合物を含有することが好ましい。密閉冷却水系用腐食防止剤に(c)アゾール化合物を含有することで、密閉冷却水系における銅系部材に対する腐食抑制効果を高めることができる。
また、本実施形態の密閉冷却水系用腐食抑制剤は、水を含有することが好ましい。(a)成分及び(b)成分、又は(a)〜(c)成分を、水に溶解させた状態の密閉冷却水系用腐食抑制剤とすることで、実際の処理対象となる現場において使用し易いものとすることができる。
密閉冷却水系用腐食抑制剤における(a)成分、(b)成分、及び(c)成分は、それぞれ、前述の実施形態に係る腐食抑制方法で述べた(a)〜(c)と同様のものを用いることが好ましい。
密閉冷却水系用腐食抑制剤における(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の含有割合は、特に限定されないが、一液の腐食抑制剤の添加により、鉄系部材及び銅系部材の両方に対する腐食抑制効果が得られるような含有割合とすることが好ましい。
この観点から、(a)成分の含有割合は、5〜60質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。
また、(b)成分の含有量は、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましい。
さらに、(c)成分の含有割合は、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。
(a)成分及び(b)成分、又は(a)〜(c)成分を水に溶解させた腐食抑制剤とする場合、水の含有割合は、特に限定されないが、25〜90質量%であることが好ましく、40〜80質量%であることがより好ましく、60〜80質量%であることがさらに好ましい。水の含有割合をかかる範囲とすることで、(a)成分及び(b)成分、又は(a)〜(c)成分が水に溶解した腐食抑制剤とすることが可能となり、密閉冷却水系において使用し易いものとすることができる。
本実施形態の密閉冷却水系用腐食抑制剤が(a)成分及び(b)成分、又は(a)〜(c)成分を含む場合、(a)〜(c)成分の合計の含有量は、10〜75質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましく、20〜40質量%であることがさらに好ましい。
また、この場合、(a)成分と、(b)成分と、(c)成分との質量比では、(a)成分:(b)成分:(c)成分=1:1.1〜2.5:0.005〜0.1の範囲とすることが好ましい。
本実施形態の密閉冷却水系用腐食抑制剤には、本技術の目的を阻害しない範囲において、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分以外の他の成分を必要に応じて含有していてもよい。
他の水処理剤として、例えば、防食剤、スケール防止剤、スライム処理剤、消泡剤、界面活性剤、及びキレート剤などを用いることが可能である。
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
[1] 鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選ばれる1種以上を添加する、密閉冷却水系における腐食抑制方法。
[2] 前記(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を総量で、前記密閉冷却水系の冷却水における濃度が30〜200mg/Lとなるように添加する、上記[1]に記載の腐食抑制方法。
[3] 前記(b)アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選ばれる1種以上を総量で、前記密閉冷却水系の冷却水における濃度が50〜300mg/Lとなるように添加する、上記[1]又は[2]に記載の腐食抑制方法。
[4] 前記密閉冷却水系における冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲とする上記[1]〜[3]の何れか1つに記載の腐食抑制方法。
[5] 前記密閉冷却水系における冷却水の溶存酸素の濃度を0.1mg/L以下とする上記[1]〜[4]の何れか1つに記載の腐食抑制方法。
[6] 前記密閉冷却水系に、(c)アゾール化合物を添加する上記[1]〜[5]の何れか1つに記載の腐食抑制方法。
[7] 前記密閉冷却水系の冷却水における前記(c)アゾール化合物の濃度を0.5mg/L以上に維持する上記[6]に記載の腐食抑制方法。
[8] 鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、(b)アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(c)アゾール化合物を含有する腐食抑制剤を添加する、密閉冷却水系における腐食抑制方法。
[9] 鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に用いられる腐食抑制剤であり、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選ばれる1種以上を含有する、密閉冷却水系用腐食抑制剤。
[10] 前記(a)成分の含有割合が5〜60質量%であり、前記(b)成分の含有割合が5〜70質量%である、上記[9]に記載の密閉冷却水系用腐食抑制剤。
[11] さらに(c)アゾール化合物を含有する上記[9]又は[10]に記載の腐食抑制剤。
[12] 前記(c)アゾール化合物の含有割合が0.1〜2質量%である上記[11]に記載の腐食抑制剤。
[13] (a)エリソルビン酸、アスコルビン酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選ばれる1種以上を密閉冷却水系に添加するように制御する制御部を備える腐食抑制システム。
以下に試験例を挙げて、本技術に係る密閉冷却水系における腐食抑制方法の効果について具体的に説明する。
<試験例1>
試験例1では、密閉冷却水系のモデルとして、図1に示す試験装置を用いて、鉄系部材の腐食面に対する腐食試験を行った。
図1に示す試験装置に試料チューブ1をセットし、後記表1に示す各水質の試験水を通水し、腐食速度を求めた。試験例1A〜1Dにおいて、試験水には、純水に(a)エリソルビン酸カリウム等を含有する薬剤を、その薬剤中の各成分が後記表1に示す濃度となるように添加した。なお、試験例1Eでは薬剤を添加せずに試験を行った。薬剤として、試験例1A〜1Cでは(a)エリソルビン酸カリウム、(b)炭酸カリウム、(c)ベンゾトリアゾール及び水を含有する薬剤を用い、試験例1Dでは、(a)エリソルビン酸カリウム、(c)ベンゾトリアゾール及び水を含有する薬剤を用いた。
試料チューブ1としては、トルエン脱脂し、研磨した外径24mm、内径16mmの炭素鋼チューブを用いた。
図1に示す通り、試料チューブ1内部に電気ヒーター2を設置し、試料チューブ1の表面温度を80℃とした。また、試験水の水温を30℃とし、滞留時間80時間とした。
試料チューブ1を容器3に収容し、水温30℃の試験水を循環ポンプ5及び流量調整バルブ6により試験水タンク4から5日間連続で循環通水した。なお、試験水タンク4には補給水タンク7からポンプ8によって試験水を補給し、オーバーフロー管9からオーバーフローさせることにより、試験水タンク4に常に100Lの試験水が貯留されるようにした。なお、本試験では、試験水タンク4を密閉し、タンク気相部に窒素ガスパージ(窒素シール)により外気との接触がない状態とし、密閉冷却水系に見立てた。また、本試験では、試験装置にpH計10及び溶存酸素計(DO計)11を設けて、試験水タンク4内の試験水のpH及び溶存酸素濃度をモニタリングした。
試料チューブ1の通水試験前後の質量を測定し、次式に従って腐食速度を算出した。
Figure 0005807697
各試験水の試験開始時のpH、試験終了時のpH、及び溶存酸素濃度、並びに各試験例で算出した腐食速度の結果を表1に示す。
なお、各試験水の試験開始時及び終了時のpHは、pH計10(栗田工業株式会社製の電気伝導率・pH一体型測定器である商品名「はかった\測太(登録商標)P/C」(電極型:GST−2729C))を用いて図1に示す試験水タンク4において測定したものである。また、各試験水の溶存酸素濃度は、DO計11(WTW社製のマルチ水質測定器である商品名「Multi 3410」)を用いて図1に示す試験水タンク4において測定したものである。
Figure 0005807697
試験例1の結果より、試験水に(a)〜(c)成分を添加した試験例1A〜1Cでは、(b)成分を添加しなかった試験例1D、並びに(a)〜(c)成分の何れも添加しなかった試験例1Eに比べて、腐食速度が低減された。また、pH9.0〜10.0の幅で管理した場合、溶存酸素濃度が2.0mg/L以下と低く、かつ腐食速度が低減された(試験例1A〜1C)。一方、pH6.5〜9.5の幅で管理した場合、溶存酸素濃度を0.1mg/L未満にしても、腐食速度が高く、腐食を抑制できなかった(試験例1D)。
(a)成分を試験水に対して50mg/Lを超える量にて添加し、(b)成分を試験水に対して75mg/Lを超える量にて添加した場合(試験例1A及び1B)、溶存酸素濃度が0.5mg/L以下となり、腐食速度がより低減された。
(a)成分を試験水に対して60mg/Lを超える量にて添加し、(b)成分を試験水に対して90mg/Lを超える量にて添加した場合(試験例1A)、溶存酸素濃度が0.1mg/L未満となり、腐食速度がさらに低減された。
<試験例2>
試験例2では、次の(1)〜(5)の手順に従って、銅系部材に対する腐食試験を行った。
(1)寸法が50mm×30mm×1mm、表面積が0.31dmの銅テストピース(C1220P)を、トルエン脱脂して試料とし、質量を測定して、その質量を試験前質量とした。
(2)純水1000mlを密閉式のセパラブルビーカーに入れ、(a)エリソルビン酸カリウム等を含有する薬剤を添加し、試験水を調製した。この際、薬剤として、試験例2A及び2Bでは、(a)エリソルビン酸カリウム、(b)炭酸カリウム、(c)ベンゾトリアゾール及び水を含有する薬剤を用い、試験例2C、2D及び2Fでは(b)炭酸カリウム及び水を含有する薬剤を用い、試験例2Eでは(b)炭酸カリウム、(c)ベンゾトリアゾール及び水を含有する薬剤を用いた。試験例2A〜2Fにおいて、(a)〜(c)の各成分の添加量は、後記表2に示す通りとした。
(3)各試験水中に、銅テストピースを浸漬し、50℃のスターラー付き恒温槽にて、250rpmで3日間撹拌した。
(4)水質のpHは、1回/日、目標値に調整した。
(5)銅テストピースの試験前後の質量から、前述の試験例1で用いた上記数式に従って腐食速度を算出した。
試験例2における各試験水のpH、溶存酸素濃度、並びに各試験例で算出した腐食速度の結果を後記表2に示す。なお、各試験水のpHは、pH計(栗田工業株式会社製の電気伝導率・pH一体型測定器である商品名「はかった\測太(登録商標)P/C」(電極型:GST−2729C))を用いて測定したものである。また、各試験水の溶存酸素濃度は、マルチ水質測定器(WTW社製の商品:Multi 3410)を用いて測定したものである。
Figure 0005807697
試験例2の結果より、(c)成分を0.5mg/L以上添加することで、銅の腐食速度は低減される傾向にあることが確認された。
また、pHが10を超えると銅の腐食は加速される傾向にあることが確認された。本技術では、(a)成分及び(b)成分を用いることで、密閉冷却水系における冷却水のpHを管理し易く、銅系部材の腐食が進み易い環境となることを回避することが可能である。
以上の試験例1及び2の結果から、密閉冷却水系に(a)成分及び(b)成分を添加することで、密閉冷却水系における鉄系部材及び銅系部材に対する腐食を効果的に抑制することが可能であるといえる。密閉冷却水系に(a)成分及び(b)成分を添加して鉄系部材及び銅系部材の腐食を抑制するに際しては、密閉冷却水系における冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲に管理することが好適であり、また、当該冷却水の溶存酸素濃度を0.1mg/L以下とすることが好適である。
1 試料チューブ
2 電気ヒーター
3 容器
4 試験水タンク
5 循環ポンプ
6 流量調整バルブ
7 補給水タンク
8 ポンプ
9 オーバーフロー管
10 pH計
11 DO計

Claims (9)

  1. 鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を添加し、
    前記密閉冷却水系における冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲とする、密閉冷却水系における腐食抑制方法。
  2. 前記密閉冷却水系における冷却水の溶存酸素の濃度を0.1mg/L以下とする請求項記載の腐食抑制方法。
  3. 前記(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を、前記密閉冷却水系の冷却水における濃度が30〜200mg/Lとなるように添加する、請求項1又は2記載の腐食抑制方法。
  4. 前記(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を、前記密閉冷却水系の冷却水における濃度が50〜300mg/Lとなるように添加する、請求項1〜の何れか1項記載の腐食抑制方法。
  5. 前記密閉冷却水系に、(c)アゾール化合物を添加する請求項1〜の何れか1項記載の腐食抑制方法。
  6. 前記密閉冷却水系の冷却水における前記(c)アゾール化合物の濃度を0.5mg/L以上に維持する請求項記載の腐食抑制方法。
  7. 鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に用いられる腐食抑制剤であり、
    (a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を含有し、
    前記密閉冷却水系における冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲とする、密閉冷却水系用腐食抑制剤。
  8. さらに(c)アゾール化合物を含有する請求項記載の密閉冷却水系用腐食抑制剤。
  9. (a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を密閉冷却水系に添加するように制御し、前記密閉冷却水系における冷却水のpHを9.0〜10.0の範囲とする、制御部を備える腐食抑制システム。
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