JP5806253B2 - 推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法 - Google Patents

推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法 Download PDF

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Description

この発明は、トンネル工事施工における、推進工法又はシールド工法に適用される掘進機掘進方法に関し、特に掘進機の切削ビットの損傷を抑制するものに係る。
従来のトンネル掘進機である特許文献1は、切削刃を長持ちさせ傷めないようにするために、切削ビット,切削チップ及びその取付構造に工夫を凝らしたカッターヘッドが開示されている。特許文献2は、この出願の出願人を含む出願で、掘進機において、金属部材を含む障害物を探査する電磁波送受信機を開示している。
特開平11−210379号公報 特開2012−251932号公報
しかし、特許文献1の特殊な切削刃構造を有するカッターヘッドであっても、掘進方向の前方に存在する障害物、例えは、予期しない残され廃棄された鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼又は鋼管杭などがあった場合は、切削刃が損傷を受け短距離で切削刃を取り替えざるをえない状況が発生する問題があった。掘進機は一旦、切削刃が損傷を受け取り替えることになると、多大の労力と時間を要し、工事計画にも影響するので、工事完了まで、あるいは、所定距離(300m程度)掘進するまでは、切削刃を取り替えずに工事を終えることが強く要望されている。
この発明は、上述した問題を解消しようとするもので、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる推進工法又はシールド工法用掘進機掘進方法を得ることを目的とするものである。
この発明に係わる推進工法又はシールド工法用掘進機の掘進方法は、推進工法又はシールド工法用掘進機において、切削ビットを前部に有し隔壁に回転軸が支承されるカッターヘッドと、前記カッターヘッドと共に掘進機本体を掘進方向に推進させる本体推進ジャッキと、前記カッターヘッドを回転駆動させる駆動機と、この駆動機の駆動トルクを検出するトルク計と、前記隔壁に連なる伸縮管に配置され前記カッターヘッドを掘進方向に推進させる掘進速度を可変し得る伸縮ジャッキを有する伸縮装置と、前記カッターヘッドの掘進中に金属部材を含む障害物を探査する障害物センサとを備え、前記カッターヘッドは前記駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で前記本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に前記障害物センサで金属部材を含む前記障害物を検出したときは、前記本体推進ジャッキによる推進を停止し、前記カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、前記伸縮装置で前記カッターヘッドを掘進方向に推進させて、前記障害物を切削し、前記障害物が鉄筋コンクリートの場合は、前記カッターヘッドの掘進速度が0.05〜1.3mm/minの範囲で前記鉄筋コンクリートを切削するようにしたものである。
また、この発明に係わる推進工法又はシールド工法用掘進機の掘進方法は、推進工法用又はシールド工法用掘進機において、切削ビットを前部に有し隔壁に回転軸が支承されるカッターヘッドと、前記カッターヘッドと共に掘進機本体を掘進方向に推進させる本体推進ジャッキと、前記カッターヘッドを回転駆動させる駆動機と、この駆動機の駆動トルクを検出するトルク計と、前記隔壁に連なる伸縮管に配置され前記カッターヘッドを掘進方向に推進させる掘進速度を可変し得る伸縮ジャッキを有する伸縮装置と、前記カッターヘッドの掘進中に金属部材を含む障害物を探査する障害物センサとを備え、前記カッターヘッドは前記駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で前記本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に前記障害物センサで金属部材を含む前記障害物を検出したときは、前記本体推進ジャッキによる推進を停止し、前記カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、前記伸縮装置で前記カッターヘッドを掘進方向に推進させて、前記障害物を切削し、前記障害物が鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼又は鋼管杭の場合は、前記カッターヘッドの掘進速度が0.05〜0.11mm/minの範囲で前記鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼又は鋼管杭を切削するようにしたものである。
また、前記障害物センサは、電磁波送受信機である。
さらに、この発明に係わる推進工法又はシールド工法用掘進機の掘進方法は、推進工法用又はシールド工法用掘進機において、切削ビットを前部に有し隔壁に回転軸が支承されるカッターヘッドと、前記カッターヘッドと共に掘進機本体を掘進方向に推進させる本体推進ジャッキと、前記カッターヘッドを回転駆動させる駆動機と、この駆動機の駆動トルクを検出するトルク計と、前記隔壁に連なる伸縮管に配置され前記カッターヘッドを掘進方向に推進させる掘進速度を可変し得る伸縮ジャッキを有する伸縮装置と、前記カッターヘッドの掘進中に金属部材を含む障害物を探査する障害物センサとを備え、前記カッターヘッドは前記駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で前記本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に前記障害物センサで金属部材を含む前記障害物を検出したときは、前記本体推進ジャッキによる推進を停止し、前記カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、前記伸縮装置で前記カッターヘッドを掘進方向に推進させて、前記障害物を切削し、前記伸縮装置における前記伸縮ジャッキは複数個であり、複数個の前記伸縮ジャッキを前記伸縮管の内周壁に周方向に分散して配置し、前記カッターヘッドの掘進速度を制御するに当たっては、複数個の前記伸縮ジャッキの中で掘進方向において最先端位置に推進している前記伸縮ジャッキの推進を停止させると共に、最後端位置に推進している前記伸縮ジャッキの油圧を調整して所望の掘進速度になるようにしたものである。
この発明の推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法によれば、カッターヘッドは駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に、障害物センサで金属部材を含む障害物を検出したときは、本体推進ジャッキによる推進を停止し、カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、伸縮装置でカッターヘッドを掘進方向に推進させて、障害物を切削するようにしたので、作業効率の減少を抑えた状態で、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。さらに、伸縮ジャッキを有する伸縮装置を用いて、カッターヘッドを掘進方向に推進させるので、超低速の掘進速度を容易に達成できる。また、鉄筋コンクリートの切削時においても、所定トルク以下で掘進することができ、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。
また、この発明の推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法によれば、カッターヘッドは駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に、障害物センサで金属部材を含む障害物を検出したときは、本体推進ジャッキによる推進を停止し、カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、伸縮装置でカッターヘッドを掘進方向に推進させて、障害物を切削するようにしたので、作業効率の減少を抑えた状態で、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。さらに、伸縮ジャッキを有する伸縮装置を用いて、カッターヘッドを掘進方向に推進させるので、超低速の掘進速度を容易に達成できる。また、鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼又は鋼管杭の切削時においても、所定トルク以下で掘進することができ、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。
また、障害物センサが、電磁波送受信機であるので、金属部材を含む障害物を精度よく検出できる。
さらに、この発明の推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法によれば、カッターヘッドは駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に、障害物センサで金属部材を含む障害物を検出したときは、本体推進ジャッキによる推進を停止し、カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、伸縮装置でカッターヘッドを掘進方向に推進させて、障害物を切削するようにしたので、作業効率の減少を抑えた状態で、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。さらに、伸縮ジャッキを有する伸縮装置を用いて、カッターヘッドを掘進方向に推進させるので、超低速の掘進速度を容易に達成できる。また、複数個の伸縮ジャッキの掘進方向における推進位置を平均化できると共に、掘進速度を所望の掘進速度に調整できる。
この発明の実施の形態1における推進工法用又はシールド工法用掘進機を示す断面図である。 図1に示す伸縮管の拡大縦断面図である。 図1に示す伸縮管の拡大横断面図である。 実施の形態1における伸縮ジャッキの制御系統図である。 鉄筋コンクリートを切削するときのカッターヘッドの掘進速度(mm/min)と駆動機のトルク(%)の関係を示す図である。 鋼矢板を切削するときのカッターヘッドの掘進速度(mm/min)と駆動機のトルク(%)の関係を示す図である。 図1に示すカッターヘッド部の拡大縦断面図である。 図1に示すカッターヘッド部の拡大前面図である。 伸縮装置の他の配置例を示す掘進機の説明図である。 実施の形態2の障害物センサである電磁波送受信機を示す構成図である。 実施の形態2の電磁波送受信機における回路部を示すブロック構成図である。 実施の形態2の電磁波送信機の送信電流と送信磁場を示す波形図である。 実施の形態2の電磁波送受信機における初期値のΔφoを示す図である。 実施の形態2の電磁波送受信機における掘削時のΔφjを示す図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である推進工法用又はシールド工法用掘進機を示す断面図である。図において、掘進機1は発進立坑35の側面に設けられた開口36よりほぼ水平方向に、油圧で制御される本体推進ジャッキ37で掘進方向に推進される。この場合は、本体推進ジャッキ37は、掘進機1のみならず推進管25も推進する。本体推進ジャッキ37は発進立坑35内に設置された支圧壁38で支持される。掘進機1の先端部には、カッターヘッド4がその回転軸4aを隔壁5に支承されて配置される。カッターヘッド4には、掘進方向における前部に、複数のローラービット20と複数の切削ビット21が保持される。カッターヘッド4の後部側面は、先端円筒体2で覆われており、先端円筒体2の内周側でカッターヘッド4が回転自在に保持される。カッターヘッド4は隔壁5に保持された駆動機(モーター)13でギヤを介して回転駆動される。駆動機13は掘進機1が大きくなれば、複数個設置される。
前記先端円筒体2に続いて後続円筒体3が配置される。前記先端円筒体2と後続円筒体3にまたがって方向修正ジャッキ14が設置され、掘進機1の掘進方向を制御する。後続円筒体3に接続され、つまり、隔壁5に連なる円筒状伸縮管6が設けられる。円筒状伸縮管6には、その内周壁に周方向に等間隔で、例えば6個の伸縮ジャッキ7が設置される。伸縮ジャッキ7は円筒状伸縮管6の掘進方向の前端部と後端部間にまたがって設置され、伸縮ジャッキ7で円筒状伸縮管6を伸長させることにより、超低速の掘進速度で掘進機1、つまりカッターヘッド4を推進させることができる。伸縮管6は円筒状である必要は無く、断面が矩形状であってもよい。また、伸縮ジャッキ7は伸縮管6の内周壁に必ずしも配置する必要はなく、伸縮管6の中央部に配置してもよい。制御盤8は伸縮ジャッキ7を制御する。油圧ポンプ9は伸縮ジャッキ7に作動油を供給する。電磁弁10は油圧ポンプ9と伸縮ジャッキ7間にある弁で、電磁石と弁を組み合わせ、電流をON,OFFすることにより、作動油を流したり、止めたり、又は流れの方向を切り換える。
円筒状注入管17は前記伸縮管6に接続され、ボーリングマシン18を設置する筒体である。推進管25は前記注入管17に接続され、推進工法において、掘進機1の後方から掘進距離が進むにつれて順次継ぎ足して挿入される筒状の管である。推進管25は鉄筋コンクリート製が主流で、他に鋼管、ダクタイル鋳鉄管、レジンコンクリート管などがある。
管内操作台車26は掘進機1の後続の推進管25内に配置され、掘進機1を作動させる操作盤15等が設置される。油圧で制御される前記本体推進ジャッキ37の操作盤も管内操作台車26に配置されている。さらに、油圧で制御される伸縮ジャッキ7の操作盤44(後述)も管内操作台車26に配置されている。管内操作台車26は、この場合は管内に設置されているが、発進立坑35の外部でその近傍に設置してもよい。操作盤15は掘進機1を遠隔で操作できるように、掘進機1のスイッチ、計測メーター類を集約した盤である。動力線16cはカッターヘッド4の駆動機13に接続され、駆動機13に電力を供給する。電流計16bは動力線16cを流れる電流を計測し、その検出電流値をトルク計16aに出力する。トルク計16aは、動力線16cを流れる電流値に基づく、カッターヘッド4の駆動機13の負荷からカッターヘッド4の掘進時のトルク(%)を推定する。トルク計16aは定格トルクを100トルク(%)として、掘進時のトルク(%)で表示する。
送信コイル11は電磁波送受信機(後述)の構成要素であり。先端円筒体2の外周に沿う環状溝に巻回されて設置される。受信コイル12は電磁波送受信機の構成要素であり、先端円筒体2の外周に設けた凹部に設置されている。排泥バルブ22は隔壁5に設けられ、泥,土砂の取り込みを制御する。排泥タンク19は排泥バルブ22からホースで導かれ掘進機1内に取り込んだ泥,土砂を一旦仮置きするタンクであり、泥,土砂は、排泥タンク19より外部に真空ポンプ引きで排出される。
掘進機1は、駆動機13でカッターヘッド4をその外周部の周速度がほぼ一定になるように回転させている。カッターヘッド4の前部の中心部から放射状に多数の切削ビット21が設置されている。カッターヘッド4の外周部における周速度は、カッターヘッド4の直径が約5.0mから0.9mの場合、経験的に普通土(砂,粘土,砂質土など礫含有率30%未満の土質)の場合30m/minから40m/min、礫質土(礫率30%以上の土質)の場合20m/min程度が掘削の効率が良いとされている。駆動機13の駆動トルクが30〜40トルク(%)となるように、障害物(鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼,鋼管杭,鉄筋コンクリート等)を切削していない通常時(通常運転時)には、本体推進ジャッキ37がカッターヘッド4を掘進方向の掘進速度が、例えば30〜40mm/minで押し出し推進している。この掘進速度には、幅があり、礫の含有率30%程度で、20mm/min〜60mm/min、礫の含有率が30%を超えて多くなれば、10mm/min〜30mm/minとなる。駆動機13の駆動トルクが30〜40トルク(%)と低いトルク(%)で運転するのは、劣悪環鏡下で連続、例えば8時間連続運転をする必要があるからである。
トルクを大きくすれば、掘進速度を速くできるが、それに伴って推力(ジャッキ圧)が大きくなる。掘進速度を速くすれば、管路構築作業が早く進むが、駆動機13、切削ビット21、本体推進ジャッキ37、推進管25にかかる圧力等の負担が大きくなる。また、掘進速度を速くすると、地山の掘進機1周辺の土をきれいに取りきれないで、外周の周辺摩擦力増加につながり、結果推力の増加が起こる。カッターヘッド4の外径は掘進機1外径より直径で50mm程度大きくしている。カッターヘッド4が通りすぎた後、この余掘り部に摩擦力を低減する薬剤、即ち(ゼリー状)滑材を掘進機1内部から注入し地山と掘進機1,後続の推進管25との摩擦を少なくするようにしている。この余掘り部に土が残ると滑材の働きが生かし切れず推力の増加につながる。長距離やカーブ施工の場合推力の増加は致命傷となる。前記のような問題があって、バランスを考えて、前記トルク値での施工につながっている。
図2は図1に示す伸縮管6の拡大縦断面図である。図3は図1に示す伸縮管6の拡大横断面図である。なお、各図において、同一符号は同一又は相当部分を示す。以下各図において同様とする。伸縮装置は、伸縮管6,伸縮ジャッキ7,制御盤8,油圧ポンプ9,電磁弁10,インバータ46を備えている。伸縮管6はその内周壁に周方向に60°間隔で、6個の伸縮ジャッキ7が設置されている。インバータ46は交流電流の電圧、周波数を可変電圧可変周波数制御して、油圧ポンプ9用の電動機の回転数を制御し、伸縮ジャッキ7に送り込む作動油の吐出量を制御する。
図4は実施の形態1における伸縮ジャッキ7の制御系統図である。6個の伸縮ジャッキ7を動作させる制御盤8には、操作盤44,油圧ポンプ9,各伸縮ジャッキ7毎の電磁弁10(電磁弁ブロック)が接続されている。操作盤44には、タッチパネル44a,ボリューム調整つまみ44b,非常停止スイッチ44cを有している。ボリューム調整つまみ44bはインバータ46の出力を制御する。操作盤44から情報伝達指示ケーブル51により指示を受けた制御盤8は、インバータ制御ケーブル54によりインバータ46の出力を制御し、油圧ポンプ9による油圧を油圧力管理ケーブル53により監視する。制御盤8は、注入指示ケーブル52a,抽出指示ケーブル52bにより作動油の注入と抽出を指示する。中立指示ケーブル52cは、注入と抽出における中立操作を指示する。
各電磁弁10へは、制御盤8から電磁弁開閉指示伝達ケーブル50を介して電磁弁開閉指示が伝達される。油圧ポンプ9と電磁弁10とは、油圧注入ホース48aと油圧抽出ホース48bで接続されている。各電磁弁10はそれぞれ各伸縮ジャッキ7と、油圧注入ホース47aと油圧抽出ホース47bで接続されている。各伸縮ジャッキ7には、それぞれストロークセンサ41を有し、自己の伸縮ジャッキ7の伸縮長を計測し、伸縮長伝達ケーブル49によりその計測伸縮長を制御盤8に伝達している。
伸縮ジャッキ7を有する伸縮装置は次のように動作する。掘進機1が障害物を切削していない通常時で、本体推進ジャッキ37がカッターヘッド4を掘進方向に推進しているときは、伸縮ジャッキ7を有する伸縮装置は待機状態で維持されている。待機状態において制御盤8は、インバータ46により油圧ポンプ9を動作させ、油圧により各電磁弁10を介して各伸縮ジャッキ7を動作させ、各伸縮ジャッキ7の全伸縮長(例えば300mm)の中間点まで、各伸縮ジャッキ7を伸長させて待機させている。これは、カッターヘッド4が障害物をかみ込んだとき、バックするためである。
各伸縮ジャッキ7の待機状態において、実施の形態1では、通常時にはカッターヘッド4を本体推進ジャッキ37で掘進方向に推進し、障害物を切削する非通常時には、本体推進ジャッキ37によるカッターヘッド4の掘進方向の推進を停止させ、カッターヘッド4の駆動機13による回転と共に、カッターヘッド4を前記伸縮装置で掘進方向に推進させ障害物を細かく屑状に切削する。又は、障害物の、例えば1m手前で本体推進ジャッキ37によるカッターヘッド4の掘進速度を緩めて障害物にゆっくり当て、本体推進ジャッキ37によるカッターヘッド4の推進を停止させ、カッターヘッド4の駆動機13による回転と共に、カッターヘッド4を前記伸縮装置で掘進方向に推進させ障害物の切削を開始する。もしくは、掘進方向の前方のどの位置に障害物があるかが分かっている場合もある。そのときも同様に、障害物の1m手前で緩めて障害物にゆっくり当て、本体推進ジャッキ37によるカッターヘッド4の推進を停止させ、カッターヘッド4の駆動機13による回転と共に、カッターヘッド4を前記伸縮装置で掘進方向に推進させ障害物の切削を開始する。このとき、制御盤8が操作盤44からカッターヘッド4を所望の掘進速度(例えば、超低速である0.05〜1.3mm/min)で掘進方向に掘進させるように指示を受けると、制御盤8は各電磁弁10を介して各伸縮ジャッキ7に単位時間当たりの作動油量を調整し供給し、各伸縮ジャッキ7を所望の掘進速度で伸長させる。このとき、各伸縮ジャッキ7の伸縮長は、ストロークセンサ41で測定されて制御盤8に伝達される。
制御盤8は、各伸縮ジャッキ7の伸縮長を均等に伸縮するように各電磁弁における注入,抽出,中立操作を自動演算し、各伸縮ジャッキ7の伸縮長を均一に保つように制御している。このとき、複数個の伸縮ジャッキ7の掘進方向における推進位置を平均化し、掘進速度を所望の掘進速度に調整するために、複数個の伸縮ジャッキ7の中で掘進方向において最先端位置に推進している伸縮ジャッキ7への作動油の供給を止めて推進を停止させると共に、最後端位置に推進している伸縮ジャッキ7への作動油の供給を調整して所望の掘進速度になるように操作している。実施の形態1では、カッターヘッド4を超低速である所望の掘進速度で推進するために、前記操作方法に加え、伸縮ジャッキ7を有する専用の伸縮装置を使用している。本体推進ジャッキ37では、通常時の掘進速度(例えば、40mm/min)の1/500の掘進速度(例えば、0.08mm/min)を得ることは不可能である。このため、カッターヘッド4及び掘進機本体を推進する本体推進ジャッキ37に比較して、伸縮ジャッキ7を使用することにより、小型化でき、所望の掘進速度に制御することが容易である。
推進工事の場合、本体推進ジャッキ37にかかる推力は、掘進機1先端部(カッターヘッド部)抵抗力と周辺摩擦力をプラスしたものになる。伸縮ジャッキ7は実施の形態1では掘進機1の隔壁5に近い位置に設置されるので、伸縮ジャッキ7にかかる圧力は掘進機1先端部(カッターヘッド部)抵抗力となり、施工距離にもよるが、例えば、施工距離300mで先端部抵抗力を100kN(キロニュートン)とすれば、総抵抗力は1000kN程度になる。そのため上述の実施の形態1では、本体推進ジャッキ37に比べて伸縮ジャッキ7は1/10の揚力のものを用意すればよく、小型化が可能となる。
図5は障害物である鉄筋コンクリート(人孔:マンホール付)を切削するときのカッターヘッド4の掘進速度(mm/min)と駆動機13のトルク(%)の関係を示す図である。駆動機13のトルク(%)を通常時の所定トルク(%){例えば、40トルク(%)}以下である掘進速度0.05〜1.3mm/minの範囲で前記鉄筋コンクリートを切削するようにすれば、鉄筋コンクリートの切削時においても、所定トルク以下で掘進することができ、カッターヘッド4の切削ビットの損傷を抑えることができる。鉄筋コンクリートであるRC杭,PC杭,擁壁も前記鉄筋コンクリートにおける掘進速度と同様に扱うことができる。
図6は障害物である鋼矢板を切削するときのカッターヘッド4の掘進速度(mm/min)と駆動機13のトルク(%)の関係を示す図である。駆動機13のトルク(%)を通常時の所定トルク(%){例えば、40トルク(%)}以下である掘進速度0.05〜0.11mm/minの範囲で前記鋼矢板を切削するようにすれば、鋼矢板の切削時においても、所定トルク以下で掘進することができ、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。鉄製構造物,鋼材,H型鋼,I型鋼,鋼管杭も前記鋼矢板における掘進速度と同様に扱うことができる。
また、障害物が木材(松杭,その他木杭,流木)の場合は、掘進速度を5.0〜10.0mm/minの範囲に切削すれば、所定トルク以下で掘進することができ、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。
図7は図1に示すカッターヘッド部の拡大縦断面図である。図8は図1に示すカッターヘッド部の拡大前面図である。ローラービット20はカッターヘッド4に取り付けられ、地盤に押し当てられ、カッターヘッド4の回転に伴い自身も回転しながら地盤を削ったり、岩を割ったりする。切削ビット21はカッターヘッド4に動かないよう堅固に取り付けられ、カッターヘッド4の回転により、地盤を削り取る。ローラービット20における、図8で示すカッターヘッド4の前面の配置は、カッターヘッド4が回転したとき、対向する地盤の全面をいずれかのローラービット20が当たるように、カッターヘッド4の前面における位置が工夫されている。また、切削ビット21における、図8で示すカッターヘッド4の前面の配置は、カッターヘッド4が回転したとき、対向する地盤の中心部を除く全面をいずれかの切削ビット21が当たるように、カッターヘッド4の前面における位置が工夫されている。なお、22aは排泥バルブ22の開口であり、2は先端円筒体である。
図9は、伸縮装置の他の配置例を示す掘進機の説明図である。伸縮装置は先端円筒体2と推進管25の間に配置されている。伸縮装置はカッターヘッド4の隔壁5より後段にあれば良く、本体推進ジャッキ37と並列に配置しても良い。図9では、伸縮ジャッキ7は伸縮管前部6aと伸縮管後部6b間にまたがって配置され、伸縮管後部6bを伸縮ジャッキ7の反力受けとして、伸縮管前部6aを押し出す。伸縮ジャッキ7は模式的に表面に記載している。伸縮管伸縮部6cは伸縮に伴って外部から内部に漏水を起こさない構造である。
実施の形態2.
実施の形態2では、カッターヘッド4の掘進中に金属部材を含む障害物を探査する障害物センサを備え、カッターヘッド4は駆動機13の所定トルク以下の通常掘進速度で本体推進ジャッキ37で掘進方向に推進され、掘進中に障害物センサで金属部材を含む障害物を検出したときは、本体推進ジャッキ37による推進を停止し、カッターヘッド4の掘進速度を、通常掘進速度より遅く前記所定トルク以下の掘進速度になるように、伸縮装置でカッターヘッド4を掘進方向に推進させて、障害物を切削するようにしたものである。
障害物センサとなる1例としての電磁波送受信機について説明する。図10は実施の形態2の障害物センサである電磁波送受信機を示す構成図である。63は掘進機1(の運転部)に設置された送信機で、交流100V電源73より電力が供給される。11は送信コイルで、掘進機1の先端円筒体2の環状溝に、例えばエナメル線で10〜100ターンを巻回させ、送信機63の出力端に接続されている。送信コイル11は、電磁波である磁場(1次磁場)70を、カッターヘッド4前方の地中に送信する。送信コイル11を埋め込み納めた環状溝の表面部は、エポキシ樹脂で被い固めて保護と防水を施している。送信機63と送信コイル11とで、電磁波送信機を構成している。
64は掘進機1(の運転部)に設置された受信機である。受信コイル12は、電磁波送信機から送信され地中を伝搬した電磁波を受けることによって生じる障害物69(例えば、鋼材,鋼矢板,I型鋼,H型鋼,鉄製金属,鋳鉄,アルミニウムや大中口径水道鉄管等)による誘導磁場(2次磁場)71を受信し、受信機64に入力する。72は電磁波を受けることによって生じる障害物69の誘導電流である。受信コイル12は、先端円筒体2の外周に設けた凹部に設置され、エポキシ樹脂で被い保護と防水を施している。受信機64と受信コイル12とで電磁波受信機を構成している。受信コイル12は、その軸が送信コイル11の軸と平行方向になるように、配置されている。これは前方の障害物から出た誘導磁場71の方向が、送信磁場70と同方向になるので、誘導磁場71が感度良く受信コイル12に受信できるようにするためである。
67は掘進機1の外部に設置されたコンピュータで、入力端末を有し前記電磁波受信機と接続され、前記電磁波受信機で受信された電磁波における障害物が有るときと無いときの位相(又は位相角差)の変化を解析する位相変化解析装置を有している。68はコンピュータ67に接続され、位相変化解析装置の解析結果が表示されるモニタである。コンピュータ67とモニタ68は、実施の形態1の管内操作台車26に載置してもよい。図11は電磁波送受信機における回路部を示すブロック構成図である。送信機63は電源73に接続された周波数発生装置81とこれに接続された送信波増幅器82で構成されており、送信波増幅器82は送信コイル11に接続されている。周波数発生装置81は、100Hz〜100kHzの低周波数の交流を用いている。特に、周波数発生装置81の周波数(送信周波数)は1000Hz〜3800Hzの周波数を使うのが効率的である。
受信機64は、受信コイル12に接続された受信フィルタ83と、これに接続されたA/D変換器84で構成されており、A/D変換器84はコンピュータ67に接続されている。コンピュータ67はA/D変換器84を介して受け取った計測データを解析することで、カッターヘッド4前方の障害物69の存在の有無を判定する。受信コイル12は、互いに離間して複数個設けてもよい。例えば、2個の受信コイル12をそれぞれ受信機64に時分割的に切替接続して受信する。受信波形は送信磁場70と誘導磁場71の合成波形である。ただし、送信磁場70はcos(ωt)、誘導磁場71はsin(ωt)の波でありフーリエ解析により分離できる。
障害物69により発生した誘導磁場71を電磁波受信機で捉えることにより障害物69の有無が分かる。また、複数の受信コイル12を用いれば、それら受信コイル12の出力(位相)の差により、障害物69の存在方向が解る。障害物69を事前に感知することにより、事故を未然に防ぐことができる。
実際の探査方法:
実際には、受信コイル12により受信した誘導磁場71は、(a)障害物69の誘導磁場71、(b)送信した磁場70、そして(c)マシンや周辺の地盤による誘導磁場からなる。これら3種(a〜c)の混ざり合った磁場の中から(a)障害物69の誘導磁場71のみを抽出する方法を以下に述べる。
(1)事前に障害物69のない位置で初期値となる磁場(d)を測定する。この初期値となる磁場(d)は、(b)と(c)の混合した磁場である。
(2)次に、掘削中に磁場を測定する。障害物69が前方に存在する位置に来ると、初期値の磁場(d)に(a)障害物69の誘導磁場が加算される。
(3)(a)を分離し障害物を見分ける。この見分けは、例えば、位相差(位相角差)で行う。
図によって、位相差(位相角差)を表してみる。図12は電磁波送信機の送信電流と送信磁場を示す波形図である。91は送信電流波形又は送信磁場波形を示す。図13は初期値のΔφoを示す図である。101は送信磁場波形である。102はマシンによる誘導磁
場波形、103は周辺の地盤による誘導磁場波形、104は初期値となる測定磁場波形、105は電流値位相ずれ補正角を示す。図14は掘削時のΔφjを示す図である。111は送信磁場波形、112は障害物による誘導磁場波形hcj=rcj・sin(ωt-φcj)、113は掘削時の測定磁場波形、114は電流値位相ずれ補正角を示す。
解析方法:
(1)送信機63から流す送信電流をIcjとする。ここでIcjはjの測定を行った時の電流値を意味する。
Icj=Scj・cos(ωt-φcj)
ここで、Scj:電流強度、t:時間[sec]、ω:角周波数(=2πf) f:周波数[Hz]
φcj:位相角[°]
次にIcjによって発生する送信磁場111をHcjとすると、
Hcj=Rcj・cos(ωt-φcj)
ここで、Rcj:磁場強度であり、送信機63から流す電流と同相である。
(2)初期値となる測定磁場をHoとする。
Ho=Ro・cos(ωt-φo)
ここで、Ro:磁場強度、φo:位相角[°]
(3)掘削時の測定磁場をHjとする。
Hj=Rj・cos(ωt-φj)
ここで、Rj:磁場強度、φj:位相角[°]
このように、初期値(例えば、障害物が無い時)と掘削時(例えば、障害物が有る時)とで、位相角に違いが生じるので、電磁波受信機で受信された電磁波(測定磁場)における障害物が有るときと無いときの位相の変化を解析する位相変化解析装置を備えたことにより、障害物を探査することができる。
実際的には、より正確度を上げるために、
(4)(*1計算)により、以下の各位相角の値を計算する。
電流値位相ずれ補正:
Δφo=φo-φco
Δφj=φj-φcj
ここで、φco:送信機63から流す初期値の電流をIcoとすると、
Ico=Sco・cos(ωt-φco)、送信磁場Hco=Rco・cos(ωt-φco)となるが、その時の位相角[°]である。
初期値補正:
Δφoj=Δφj-Δφo
Δφojは、障害物69が存在した場合、誘導磁場112のためにある値を示す。逆に、障害物69がなければΔφoj≒0となる。
このΔφojの値を、数値、あるいは図化することにより障害物の有無を探査する。
(*1計算)
一般式として、H:磁場、R:受信磁場強度、φ:位相角とする。
H=Rcos(ωt-φ)
H=R(cos(φ)cos(ωt) + sin(φ)sin(ωt))
フーリエ解析を用いて、
cos(ωt)の項を取り出すと、A=Rcos(φ)
sin(ωt)の項を取り出すと、B=Rsin(φ)
B/A=(Rsin(φ))/(Rcos(φ))
B/A=tan(φ)
∴ φ=tan-1(B/A)
つまり、
初期値のΔφo=初期の受信コイルによる測定磁場の位相角―初期の送信磁場(又は送信電流)の位相角掘削時のΔφj=掘削時の受信コイルによる測定磁場の位相角―掘削時の送信磁場(又は送信電流)の位相角位相角差Δφoj=掘削時のΔφj―初期値のΔφoが障害物69が存在した場合、誘導磁場112のためにある値を示す。逆に、障害物69がなければΔφoj≒0となる。
このように、電磁波受信装置で受信された電磁波(測定磁場)の位相角と、電磁波送信装置の送信磁場又は送信電流の位相角との位相角差における、障害物が有るときと無いときの位相角差の変化を解析する位相変化解析装置を備えたことにより、障害物をより正確に探査することができる。
実測結果では、送信機63の周波数発生装置81の周波数が、2000Hzで、初期値のΔφo=5.013°であり、カッターヘッド前方2mの位置の障害物を感知したときの掘削時のΔφj=5.224°であった。そのため、位相角差Δφoj=Δφj-Δφo=5.224°−5.013°=0.211°となった。実測結果では、インピーダンス解析より遠く、例えば2m程度で、障害物を検知できた(特開2012−251932号公報参照)。
実測結果では、全面に鋼矢板があると、
(a)受信センサと鋼矢板の距離が1.5m〜1.0m付近で位相のズレが0.07°程度変化した。
(b)受信センサと鋼矢板の距離が1.0m以下になると計測値が常に0・07°以上となった。
(c)受信センサと鋼矢板の距離が0.5m以下になると計測値が常に0・14°以上となった。
以上では、金属部材を含む障害物センサとして、電磁波送受信機を例として説明したが、音響診断センサ(シールド音響診断システム)でもよい。
実施の形態2において、カッターヘッド4を駆動機13で回転させる。駆動機13の所定トルク以下、例えば40トルク(%)以下で運転する。障害物がない通常時では、カッターヘッド4を本体推進ジャッキ37で、通常掘進速度、例えば40mm/minで掘進方向に推進させる。このとき、伸縮装置の伸縮ジャッキ7は中間点まで伸長した待機状態にある。掘進中に障害物センサで金属部材を含む障害物69を検出したときは、本体推進ジャッキ37による推進を停止する。ここで、探査ロッドを挿入したり、内視鏡を挿入して、障害物69までの距離を確認することもできる。距離が確認できれば、本体推進ジャッキ37を再稼働してその距離だけ掘進機1をゆっくり前進させて、突き当たれば、本体推進ジャッキ37を停止させる。次に、カッターヘッド4の掘進速度を、通常時の掘進速度より遅く前記所定トルク以下の掘進速度になるように、伸縮装置の伸縮ジャッキ7でカッターヘッド4を掘進方向に推進させて、障害物69を切削する。
伸縮ジャッキ7でカッターヘッド4を掘進方向に推進させて、障害物69を切削するときの掘進速度は、実施の形態1と同様に、鉄筋コンクリートを切削する場合は0,05〜1.3mm/minの範囲で、鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼又は鋼管杭の場合は、0,05〜0.11mm/minの範囲で実施することにより、所定トルク以下で掘進することができ、カッターヘッドの切削ビットの損傷を抑えることができる。
また、カッターヘッドの掘進方向の障害物を探査する障害物センサを備え、カッターヘッドを本体推進ジャッキで掘進方向に推進させ、前記障害物センサで掘進方向の障害物を検出したときは、本体推進ジャッキによるカッターヘッドの推進を停止させた状態で、カッターヘッドを伸縮装置で掘進方向に推進させて、障害物を切削するようにしてもよい。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 掘進機 2 先端円筒体
3 後続円筒体 4 カッターヘッド
4a 回転軸 5 隔壁
6 伸縮管 6a 伸縮管前部
6b 伸縮管後部 6c 伸縮管伸縮部
7 伸縮ジャッキ 8 制御盤
9 油圧ポンプ 10 電磁弁
11 送信コイル 12 受信コイル
13 駆動機 14 方向修正ジャッキ
15 操作盤 16a トルク計
16b 電流計 16c 動力線
17 注入管 18 ボーリングマシン
19 排泥タンク 20 ローラービット
21 切削ビット 22 排泥バルブ
25 推進管 26 管内操作台車
35 発進立坑 36 開口
37 本体推進ジャッキ 38 支圧壁
41 ストロークセンサ 44 操作盤
44a タッチパネル 44b ボリューム調整つまみ
44c 非常停止スイッチ 46 インバータ
47a 油圧注入ホース 47b 油圧抽出ホース
48a 油圧注入ホース 48b 油圧抽出ホース
49 伸縮長伝達ケーブル 50 電磁弁開閉指示伝達ケーブル
51 情報伝達指示ケーブル 53 油圧力管理ケーブル
52a 注入指示ケーブル52a 52b 抽出指示ケーブル
52c 中立指示ケーブル 53 油圧管理ケーブル
54 インバータ制御ケーブル 63 送信機
64 受信機 67 コンピュータ
68 モニタ 69 障害物
70 送信磁場 71 障害物の誘導磁場
72 誘導電流 73 電源
81 周波数発生装置 82 送信波増幅器
83 受信フィルタ 84 A/D変換器
91 送信電流波形 101 送信磁場波形
102 マシンの誘導磁場波形 103 地盤の誘導磁場波形
104 初期値の測定磁場波形 105 電流値位相ずれ補正角
111 送信磁場波形 112 障害物の誘導磁場波形
113 掘削時の測定磁場波形 114 電流値位相ずれ補正角。

Claims (5)

  1. 推進工法用又はシールド工法用掘進機において、
    切削ビットを前部に有し隔壁に回転軸が支承されるカッターヘッドと、
    前記カッターヘッドと共に掘進機本体を掘進方向に推進させる本体推進ジャッキと、
    前記カッターヘッドを回転駆動させる駆動機と、
    この駆動機の駆動トルクを検出するトルク計と、
    前記隔壁に連なる伸縮管に配置され前記カッターヘッドを掘進方向に推進させる掘進速度を可変し得る伸縮ジャッキを有する伸縮装置と、
    前記カッターヘッドの掘進中に金属部材を含む障害物を探査する障害物センサとを備え、
    前記カッターヘッドは前記駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で前記本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に前記障害物センサで金属部材を含む前記障害物を検出したときは、前記本体推進ジャッキによる推進を停止し、前記カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、前記伸縮装置で前記カッターヘッドを掘進方向に推進させて、前記障害物を切削し
    前記障害物が鉄筋コンクリートの場合は、前記カッターヘッドの掘進速度が0.05〜1.3mm/minの範囲で前記鉄筋コンクリートを切削するようにした推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法。
  2. 推進工法用又はシールド工法用掘進機において、
    切削ビットを前部に有し隔壁に回転軸が支承されるカッターヘッドと、
    前記カッターヘッドと共に掘進機本体を掘進方向に推進させる本体推進ジャッキと、
    前記カッターヘッドを回転駆動させる駆動機と、
    この駆動機の駆動トルクを検出するトルク計と、
    前記隔壁に連なる伸縮管に配置され前記カッターヘッドを掘進方向に推進させる掘進速度を可変し得る伸縮ジャッキを有する伸縮装置と、
    前記カッターヘッドの掘進中に金属部材を含む障害物を探査する障害物センサとを備え、
    前記カッターヘッドは前記駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で前記本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に前記障害物センサで金属部材を含む前記障害物を検出したときは、前記本体推進ジャッキによる推進を停止し、前記カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、前記伸縮装置で前記カッターヘッドを掘進方向に推進させて、前記障害物を切削し、
    前記障害物が鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼又は鋼管杭の場合は、前記カッターヘッドの掘進速度が0.05〜0.11mm/minの範囲で前記鋼材,鋼矢板,H型鋼,I型鋼又は鋼管杭を切削するようにした推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法。
  3. 前記障害物センサは、電磁波送受信機である請求項1又は請求項2記載の推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法。
  4. 推進工法用又はシールド工法用掘進機において、
    切削ビットを前部に有し隔壁に回転軸が支承されるカッターヘッドと、
    前記カッターヘッドと共に掘進機本体を掘進方向に推進させる本体推進ジャッキと、
    前記カッターヘッドを回転駆動させる駆動機と、
    この駆動機の駆動トルクを検出するトルク計と、
    前記隔壁に連なる伸縮管に配置され前記カッターヘッドを掘進方向に推進させる掘進速度を可変し得る伸縮ジャッキを有する伸縮装置と、
    前記カッターヘッドの掘進中に金属部材を含む障害物を探査する障害物センサとを備え、
    前記カッターヘッドは前記駆動機の所定トルク以下の通常掘進速度で前記本体推進ジャッキで掘進方向に推進され、掘進中に前記障害物センサで金属部材を含む前記障害物を検出したときは、前記本体推進ジャッキによる推進を停止し、前記カッターヘッドの掘進速度を、前記通常掘進速度より遅く、前記通常掘進速度時と同じ前記所定トルク以下の掘進速度になるように、前記伸縮装置で前記カッターヘッドを掘進方向に推進させて、前記障害物を切削し、
    前記伸縮装置における前記伸縮ジャッキは複数個であり、複数個の前記伸縮ジャッキを前記伸縮管の内周壁に周方向に分散して配置し、前記カッターヘッドの掘進速度を制御するに当たっては、複数個の前記伸縮ジャッキの中で掘進方向において最先端位置に推進している前記伸縮ジャッキの推進を停止させると共に、最後端位置に推進している前記伸縮ジャッキの油圧を調整して所望の掘進速度になるようにした推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法。
  5. 前記障害物センサは、電磁波送受信機である請求項4記載の推進工法用又はシールド工法用掘進機の掘進方法。
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