本発明の第1の態様は、カテーテルアセンブリと、拡張器と、圧縮部材とを備えるカテーテル/拡張器アセンブリに関する。前記カテーテルアセンブリは、近位カテーテル端部と遠位カテーテル端部と、管腔と、外側カテーテル表面とを備えるカテーテルと、径方向拡張状態と径方向萎縮状態との間で移動可能で、前記遠位カテーテル端部に固定されると共に、これを超えて延出する物質案内部材とを備え、前記物質案内部材は、前記径方向萎縮状態時に軸長を有する。前記拡張器は、前記カテーテルの前記管腔内の中空軸を備え、前記中空軸は、外側軸表面と、近位軸端部と、遠位軸端部と、前記遠位軸端部において前記外側軸表面に形成された陥凹部領域とを有する。前記陥凹部領域と前記物質案内部材とは、互いにほぼ一直線に整列されている。圧縮部材が前記物質案内部材をカバーして、前記物質案内部材を径方向萎縮状態に一時的に保持する。前記陥凹部領域は、前記物質案内部材における前記アセンブリの径方向断面積を減少させるように、少なくとも前記物質案内部材の実質的に全軸長部分を受け入れるように寸法設計されている。
本発明の第2の態様は、カテーテル/拡張器アセンブリを組み立てる方法に関する。カテーテルアセンブリが選択される。このカテーテルアセンブリは、近位カテーテル端部と遠位カテーテル端部と、管腔と、外側カテーテル表面とを有するカテーテルと、径方向拡張状態と径方向萎縮状態との間で移動可能で、前記遠位カテーテル端部に固定されると共に、これを超えて延出する物質案内部材とを備える。前記物質案内部材は、前記径方向萎縮状態時に軸長を有する。拡張器の中空軸が、前記近位カテーテル端部を通して前記カテーテルの前記管腔に挿入される。前記中空軸の前記遠位軸端部に形成された陥凹部が、前記物質案内部材の下方に位置付けされる。前記物質案内部材が、前記径方向萎縮状態に配置される。第1スリーブを、近位側方向に、前記拡張器の前記遠位軸端部をカバーする第1位置へ、そして、前記物質案内部材を前記径方向萎縮状態に維持するべく物質案内部材超えて摺動させる。
本発明の第3の態様は拡張器アセンブリに関する。長手拡張器は、近位及び遠位部分と、前記遠位部分での拡張器先端部と、前記拡張器先端部から少なくとも第1位置まで拡張器に沿って延出する拡張器管腔とを備える。前記拡張器は、更に、前記拡張器の前記近位部分における第2位置から前記第1位置へと延出するガイドワイヤ通路を備える。前記拡張器は、前記第1位置において、前記ガイドワイヤ通路と前記拡張器管腔とを接続する開口部を有する。可変ガイドワイヤが、前記ガイドワイヤ通路に沿って、前記開口部、前記拡張器管腔を通って、前記拡張器先端部から出て延出している。
本発明の第4の態様は、ラピッド・エクスチェンジ拡張器アセンブリに関する。カテーテルは、遠位カテーテル端部と近位カテーテル端部との間に延出するカテーテル管腔を有する。前記カテーテル管腔内に除去可能に収納された長手拡張器は、近位拡張器端部へと延出する近位部分と、拡張器先端部へと延出する遠位部分と、前記拡張器先端部から少なくとも第1位置へと前記拡張器に沿って延出する拡張器管腔とを備える。前記拡張器は、前記拡張器の前記近位部分から前記第1位置へと延出するガイドワイヤ通路を備える。前記拡張器は、前記第1位置に設けられて前記ガイドワイヤ通路と前記拡張器管腔とを接続する開口部を有する。ガイドワイヤ近位端部とガイドワイヤ遠位端部とを備える可変ガイドワイヤが、前記ガイドワイヤ通路に沿って、前記開口部とを通って、前記拡張器管腔とを通って、前記拡張器先端部から出て延出している。前記ガイドワイヤ近位端部と前記近位拡張器端部とが、前記近位カテーテル端部の近位側に位置決めされ、前記ガイドワイヤ遠位端部と前記遠位拡張器端部とは前記遠位カテーテル端部の遠位側に位置決めされる。従って、前記アセンブリが体内の所望位置にある時、前記カテーテルと前記ガイドワイヤとをそれらの位置に残したまま、前記拡張器を除去することができる。
本発明の第5の態様は、患者の管状構造内の標的部位への接近を提供する方法に関する。第1のガイドカテーテルの遠位カテーテル端部を、患者の管状構造内の第1位置に位置決めする。ラピッド・エクスチェンジ拡張器アセンブリを前記第1カテーテルに通過させる。前記ラピッド・エクスチェンジ拡張器アセンブリは、第2カテーテルを備え、前記第2カテーテルは、除去可能な拡張器と、ガイドワイヤと、第2カテーテル管腔とを備え、前記第2カテーテル管腔は前記拡張器と前記ガイドワイヤとを収納する。前記第2カテーテルと前記ガイドワイヤとを患者内に残したままで、前記拡張器を前記患者から除去する。手術装置を前記第2カテーテルに通して前記標的部位の処置を実行する。
本発明の第6の態様は、外側管と、前記外側管内に摺動可能に位置指定された内側管と、第1及び第2端部を有し、径方向に拡張した使用状態と、径方向に収縮した展開状態との間で移動可能な管状のスリーブとを備えるファンネルカテーテルに関する。前記スリーブの前記第1端部は前記外側管の遠位端部に固定されている。前記スリーブの前記第2端部は、前記内側管の遠位端部に固定されている。前記スリーブは、前記第1及び第2端部が互いに対して移動する時に、前記方向逆転領域の位置が、前記内側及び外側管の前記遠位端部に対して相対的に移動するように構成された、移動可能でほぼU形状の方向逆転領域を有し、前記方向逆転領域は前記遠位ファンネルカテーテル端部を構成している。
本発明の第7の態様は、患者内の管状構造内において物質案内部材を展開する方法に関する。遠位ファンネルカテーテル端部を有するファンネルカテーテルを選択する。前記ファンネルカテーテルは、外側管と、前記外側管内に摺動可能に位置指定された内側管と、第1及び第2端部を有し、径方向拡張使用状態と径方向収縮展開状態との間で移動可能な管状のスリーブを備え、前記スリーブの前記第1端部は前記外側管の遠位端部に固定され、前記スリーブの前記第2端部は前記内側管の遠位端部に固定されている。前記スリーブは、移動可能でほぼU形状の方向逆転領域を有し、前記方向逆転領域は前記遠位ファンネルカテーテル端部を構成している。前記ファンネルカテーテルは、前記スリーブを縮径状態展開状態とし、前記スリーブを前記外側及び内側管に対してほぼ平行にした状態で展開される。前記方向逆転領域は、患者内の管状構造内の選択された位置に位置決めされる。前記内側及び外側管の遠位端部は、互いに対して移動され、これにより、方向逆転領域の位置を前記第1及び第2端部に対して移動させるとともに、前記スリーブに、遠位漏斗部分と近位漏斗部分とを備える遠位側開口材料案内漏斗部を形成させ、前記遠位漏斗部を、前記管状構造の内壁に接触させる。
本発明の第8の態様は、ファンネルカテーテルの製造方法に関する。材料をマンドレル上に巻きつけ、近位部分と、遠位部分と、近位端部と遠位端部とを備える管状編組スリーブを形成する。前記近位端部を外側管上の第1位置に固定し、前記遠位端部を内側管上の第2位置に固定してファンネルカテーテルを形成する。
本発明の第9態様は、端部と、主管腔と、膨張管腔とを備える軸と、前記軸の前記端部に取り付けられるとともに、前記膨張管腔に流体接続されて、径方向収縮未膨張状態と径方向拡張、膨張状態との間で移動する環状バルーンとを備えるバルーンファンネルカテーテルに関する。前記バルーンは、前記膨張状態時において主管腔内に開口する開口領域を形成する。前記バルーンは、前記膨張状態時において前記軸の前記端部を超えて遠位側に延出する。
本発明の第10の態様は、管状編組を管に固定する方法に関する。管状編組の第1端部を、管の端部分と係合させる。前記端部分は、一時的に軟化可能な管材料を備える。その後、前記一時的軟化可能管材料を軟化させる。前記管の前記端部分と、前記筒状編組の前記第1端部とを互いに融合させて管材料/筒状編組マトリクスを形成する。
本発明の第11の態様は、径方向に拡張可能及び収縮可能な管状編組装置の形状を制御する方法に関する。前記編組装置に、前記編組装置が径方向拡張状態にある時に、前記径方向拡張形状が長さ及び前記長さに沿った選択された位置において互いに異なる断面積を有するような、径方向拡張形状を選択する。前記編組装置に沿った前記選択位置の少なくとも一部に材料を選択的に塗布する。前記材料の伸縮耐性を前記選択位置に応じて調節する。従って、これら選択位置における異なる伸縮耐性によって、前記編組装置は、この編組装置が前記径方向拡張状態にある時に、選択された径方向拡張形状となる。
本発明の第12の態様は、熱可塑性膜に形状を付与する方法に関する。径方向拡張可能装置の少なくとも一部分を熱可塑性膜で包囲する。前記径方向拡張可能装置を選択された拡張形状に径方向拡張させ、それによって、前記熱可塑性膜が前記選択された拡張形状に対応する拡張状態となるように整形する。前記拡張状態にある間に、前記熱可塑性膜に曲がり(set)を与える。
本発明の第13の態様は、第1端部と第2端部と、これらの間に延出する管腔とを有する管と、前記第1端部に設けられて前記第1端部を患者の第1管状構造に固定するアンカー部材と、を備える吻合医療機器に関し、前記第1管状構造は、第1開口部内面を有し、この第1開口部内面は前記管腔内へと開口している。
本発明の第14の態様は、第1及び第2吻合医療機器を備える吻合医療アセンブリに関する。前記第1吻合医療機器は、第1及び第2端部とそれらの間に延出する第1管腔とを備える第1管と、前記第1管の前記第1端部に設けられて、前記第1管の前記第1端部を患者の第1管状構造に固定する第1アンカー部材とを有する。前記第1管状構造は、前記第1管腔内に開口する第1開口部内面をもつ第1開口部内面を備える。前記第2吻合医療機器は、第1及び第2端部とそれらの間に延出する第1管腔とを有する第2管と、前記第2管の前記第1端部に設けられて、前記第2管の前記第1端部を患者の第2管状構造に固定する第2アンカー部材とを備える。前記第2管状構造は、前記第2管腔内に開口する第2開口部内面をもつ第2開口部内面を有する。前記第1及び第2管の前記第2端部は、互いに接続されて、前記第1及び第2アンカー部材間に流体路を形成する。従って、前記患者の前記第1及び第2管状構造の前記第1及び第2開口部内面は流体接続することが可能である。
本発明の種々の特徴及び利点は好適実施例を貼付の図面を参照しながら記載している以下の説明から明らかになるであろう。
下記の課題の一部又は全部に対応するために改良された医療機器及び方法が求めつづけられている。
第1の課題はコストの削減である。これは、明らかに安全及び衛生上の理由からこれらが使い捨て式装置であることから近年特に重要になっている。装置は、たとえ、それがなんらかの機能において改善されたものであったとしても、それが利用可能なその他の代替手段よりも遥かに高価であるならば広く用いられないであろう。
第2の課題は、使用が単純で本当の意味において理解が容易である装置を提供することにある。これにより、医療要員によるその適用と利用が推進されるであろう。これによって、又、コストが低く保たれる傾向となるであろう。
第3の課題は、医療専門家がそれを熟知し、それによって過去の経験から学んだ技量が引き続き利用されるような手続きを必要とする装置を提供することにある。
第4の課題は、妨害物の除去や複合装置配置等の、装置が行う有効性と徹底性、に関する。例えば、いかなる装置であれ100パーセントの除去を提供する可能性は低いことは認識されるが、最大量の妨害物が除去されること、が重要である。バイパスや再結合に関しては、いかなる装置も100パーセントの最適化を提供する可能性は低いことは認識しながらも、最適量の組織が除去され、それにより、置換されること、が重要である。
第5の課題は、安全性、即ち、多くの場合、その他の考慮事項に勝るほど重要である事項、に関する。組織損傷を回避することが重要である。多くの状況において、例えば、妨害物を、対象体全体を通してその妨害物のフラッシング片が散らばるように妨害物を破壊することを避けることが重要である。体内の管状通路内で吻合装置を使用する場合、吻合の結合が、組織損傷を避けながら行われることが非常に重要である。しはしば、この損傷は、手術後直後にはわからない。更に、漏出はゼロ近くに維持されなければならない。
上述した5つの相関する課題を達成するための設計考慮事項には取引が存在する。極端な単純性と非常に単純な手続きは、安全性が過剰に犠牲になるかもしれない。これらの考慮事項すべてに対応するには、課題間でのなんらかの取引が必要とされる。
血塊引っ張りロック(clot dragger lock)
本発明の一態様は、遮断又は係合部材のためのロック機構に関する。特には、係合部材のロック機構に関する。そのような一好適実施例は、内側及び外側摺動可能長手部材が使用される場合の締まり嵌合(interference fit)を含む。一旦展開されると、係合部材を維持するために必要な力は、通常、展開するために必要な力と比較して小さい(非自動拡張機構の場合)。この場合、内側及び外側の摺動可能な長手部材間の軽い締まり嵌合は、介入処置術者(インターベンショナリスト:interventionalist)によって容易に克服可能である、が、係合又は遮断部材が展開される時(部分的又は完全に)、締まり嵌合は、システムを展開状態に維持するのに十分な力を作り出す。この同じ発明を、係合部材又は遮断部材が自動拡張式である場合にも使用可能ではあるが、この場合、締まり嵌合は、いずれかの部材を非展開、非拡張状態に維持することになる。
この態様は、係合部材の場合特に有用である。というのは、そのような締まり嵌合は、特に小さく構成することが可能であるからである。本発明の物質除去システムが経皮的(皮膚を通して)に使用され、係合部材の最初の導入にニードルが使用される場合、それは、その小さなニードル(通常は、そのような介入(インターベンション:intervention)に典型的に使用される19,18又21ゲージのニードル)を通して挿入され、その後、展開することができる。この場合、前記ニードルを取り除き、それを係合部材(ワイヤガイド)の長手軸上で除去する必要がある。それの除去を容易にするためには、ロック機構は、長手係合部材の軸に対して小さいか無視出来る程度のものでなければならない。係合部材が内側長手部材を備える場合のこのロック機構の好適実施例は、外側管状長手部材に干渉/当接する僅かな屈曲(bend)又は捻れ(kink)を内側部材に設定することである。特に、係合部材のロックを容易にするためには、外側管状長手部材に三つの構成部分を設けることができる。第1の構成部分は、長手部材の軸の主要な最も長い部分である。この材料は、トルク付与性(torqueability)、操縦性、曲げ弾性係数、軟質性、剛性、等の、軸に必要とされる必要特性に調和させることができる。この第1構成部分は、係合部材機構の近位側に取り付けることができるが、その中の内側管状又はワイヤ長手部材に取り付けることはできない。第2の構成部分は、前記主軸の近傍に配置することが可能である。この実施例は、長さが約0.5−2.0インチの医師の指に適合するように寸法構成されるハンドル式管状部材とされる。それは、内側部材に対して接着やその他の方法での付着はされない。前記第1及び第2構成部分の特性が異なる場合、それは、前記主軸とは異なる材料から製造される。このハンドルの外側表面は、粗面加工されるか、又は、ハンドルを把持する医師を補助するような高摩擦コーティングが形成される。この第2構成部分は、内側管状又はワイヤ長手部材が捻れ又は屈曲される場合、或る程度の「剛性」を持つことが必要かもしれない。この第2構成部分は、軸心方向移動を阻止する内側部材の捻れが材料を曲げたり変形させないようにより高強度、又は、高剛性とすることができる。この第2材料の剛性は、前記内側部材の捻れ又は屈曲が十分に干渉し、一旦展開後は(又は、拡張機構が小さな未膨張状態にある場合は未展開)拡張部材を位置保持するための十分な力を有することが重要である。更に、適当な干渉を作り出すためには、この第2構成部分の内径を、内側管状又はワイヤ長手部材よりも更に小さなものとすることが可能である。この第2構成部分の内径を、内側長手部材よりも直径において.0001〜.002インチ小さなものとすることができる。この締まり嵌合は、拡張機構を拡張又は未拡張状態に保持するのに十分であるが、他方、この締まり嵌合は、医師が機構を展開又は展開解除するために力を容易に克服することができないほど大きすぎるものではない。更に、内側長手部材の直径よりも小さな、又はそれと等しい、又はそれよりも大きな内径のこの第2構成部分の組み合わせを、前記捻れ(kink)/屈曲(bend)/はばき金(ferrule)あるいは、短時間の締まり嵌合を形成するための一滴ののりまたはエポキシと組み合わせていずれかの拡張可能機構をロックするために使用することも可能である。
第3構成部分は、前記第1及び第2構成部分の外径とほぼ同じにすることも可能であるが、のりやその他の接着剤、熱ステーキング(又はポリマーハンドルを内側部材に対して溶解させる)、或いは、「プレス」締まり嵌合によっても内側管状部材に対して接着又はその他の方法で取り付け、これによりこの第3構成部分は、内側長手部材と共に移動するように構成される。
従って、そのような構成において、医師は、その両手(それぞれの手の2本の指)を使用して、それぞれ、拡張及び収縮機構の展開と展開解除、ロックとロック解除を行う。これは、医師がその片手で第3構成部分を把持し、他方の手で第2構成部分を把持し、これらの二つの構成部分間に、展開/展開解除遠位部材からの変化する距離にほぼ等しい空間が作り出されるようにこれら二つの構成部分を互いに引き離すことによって達成される。
使用の容易性を促進するために、医師が、これら二つのハンドル間の違いを認識するとともに、ロック機構を使用するためのそれらの訓練する時の教育用に前記二つのハンドルを色分けすることができる。
図1及び2は、外側及び内側ガイドワイヤ12,14を含む拡張可能部材ガイドワイヤ10を図示している。編組式拡張可能部材16は、外側ガイドワイヤ12の遠位端部20に固定された近位端部18と、内側ガイドワイヤ14の遠位端部24に固定された遠位端部22とを有する。内側ガイドワイヤ14の前記近位端部24には、展開グリップ26が固定されている。前記外側ガイドワイヤ12の近位端部28は展開グリップ26から離間されてロック領域30を形成している。外側及び内側ガイドワイヤ12,14間の相対移動は、ガイドワイヤロック31によって規制することができる。ガイドワイヤロック31は、領域30に沿って内側ガイドワイヤ14に設けられた捻れ部(kink)32と、内側ガイドワイヤ14の領域30上に摺動可能に取り付けられた捻れ部係合スリーブ34とを有する。この捻れ部係合スリーブ34は、外側ガイドワイヤ12に固定してもよいし、固定しなくてもよい。図2に示唆されているように、捻れ部係合スリーブ34を外側ガイドワイヤ12の近位端部28の近傍に維持しながら、近位端部24,28を分離するべく内側ガイドワイヤ展開グリップ26を引っ張ることによって、捻れ部32が変形可能な捻れ部係合スリーブ34内で移動する。この捻れ部係合スリーブ34内での捻れ部32の移動に対する抵抗によって、拡張可能部材16が、図1の径方向収縮状態、又は、図2に図示されているような、一定範囲の径方向拡張状態のいずれか、に維持される。拡張可能部材16は、マルコット式拡張可能部材(即ち、多数の長手方向延出スリットを備える管)等の別の型の拡張可能部材、あるいは、図3に図示されているようなワイヤバスケット/拡張可能な編組拡張可能部材16Aとすることも可能である。又、捻れ部32を、ロック領域30に沿って配置されたボール又はリング状の物質、等の他のタイプの係合スリーブ−変形構造によって置き換えることも可能である。
カテーテル/拡張器アセンブリと方法
本発明の別態様は、特に、中空組織内の妨害物又は微粒子(物質)の除去用に構成される。この態様は、カテーテルと脈管又はその他の中空組織との間の環状部を遮断する遮断構成を備えるカテーテルを組み合わせる。前記カテーテルは、閉塞係合部材を備え内側支持ワイヤも有することができる。
前記支持ワイヤは、前記カテーテルを通り、前記閉塞部を通って、又はその周りに延出するとともに、その遠位端部に、環状編組部材が取り付けられているか、若しくは、管に二つ以上のスリットが形成されたマルコット式部材を備える。前記支持ワイヤは、コアと、このコア上で摺動する環状シェルとを備える二重部材支持ワイヤである。前記コアの遠位端部は、前記環状編組部材(又はスリット−管/マルコット)の遠位端部に取り付けられ、前記シェルの遠位端部は、前記環状編組部材(又はスリット−管/マルコット)の近位端部に取り付けられている。これにより、前記コアとシェルとを互いに対して相対移動させると、編組部材が、径方向拡張位置へのカテーテルを通した挿入のための有用な、径方向退避位置から、それを移植片の側壁にまで拡張させるその径方向拡張位置へと移動する。前記環状係合部材がその径方向圧縮状態にある時、ワイヤの残りの部分とともに、閉塞部を通って、又はその周りに延出して、この閉塞部の遠位端部上に位置させることができる。係合部材が拡張され、近位側に移動(即ち、逆行的に)されると、それは、閉塞部に係合し、この閉塞部をカテーテル内に押し込む。或いは、もしも吸引が使用されるのであれば係合部材の移動は不要である。更に、吸引と係合部材の近位側移動とを、相乗的様式で組み合わせて閉塞部を除去するようにすることも可能である。
カテーテルの遠位端部は、閉塞部の近位側にあり、カテーテルの遠位端部から移植片の壁又は体内通路へと径方向に延出する遮断機構を含む。このカテーテル遮断部材は、更に、径方向退避挿入状態と径方向拡張遮断状態とを有する。前記遮断部材は、多翼式マルコット装置であって、薄いエラストマフィルム又は膜によってカバーすることができる。遮断部材の別の構成は、管状メッシュ編組の機構であり、これもカバーすることが可能である。
このマルコット(又は管状メッシュ編組の機構)は、カテーテルの遠位端部に接続されるか、又はカテーテルの一体部分とされる。前記遮断部材(又は前記係合部材)は、複数の方法で展開される。即ち1.)その上にカテーテルが挿入されている拡張器の遠位側先端部は、僅かに拡大された直径を有する。この先端部は、はばき金の性質を有する。拡張器が逆方向に取り除かれるか(体内から)引っ張り出されると、前記はばき金は、多翼式マルコット(又は管状メッシュ編組)の遠位端部に当接し、この遮断部材をその径方向圧縮状態からその径方向拡張状態へと押しやる。2.)或いは、前記拡張器の先端部を、剥離ボンドによってカテーテルに結合させ、拡張器が除去される時に、遮断部材が同様に拡張されるようにする。この径方向拡張状態において、前記マルコット(又は管状メッシュ編組)とそのフィルムカバー(もし必要であるならば)とによってカテーテル周りの環状部が遮断され、除去される閉塞血液、塞栓、プラーク又はその他の妨害物がカテーテル内へと押し入れられ、そこで、それは吸引、除去、又はその他の方法で取り除かれる。3.)更に、前記遮断部材又は係合部材を、記憶を有し、従って、自動的に拡張する材料から形成することも可能である。これらの材料は、ポリマーから金属まで様々であり、その具体例としては、勿論それらに限定されるものではないが、pebax,ナイロン、ポリウレタン、ポリエチレン(hdpe,uhwpe,ldpe又は、上述したポリエチレン類の混合物)、Pet,niTi,MYLAR(ニッケルチタン合金、TWSM(二方向形状記憶又は超可塑特性)有り又は無し、がある。自動拡張遮断又は係合部材の場合、より大きな拡張形状を、それを小さな未拡張形状に維持する外側管によって規制することが可能であり、或いは、内側支持部材を使用して、前記部材を小さな未拡張形状に維持することも可能である。4.)更に、遮断部材と係合部材との両方を、二つの摺動可能長手部材を互いに対して移動させることによって展開することができる。二つの摺動可能部材のこの移動によって、前記遮断又は係合部材は拡張および/又は未拡張状態にされる。
拡張器陥凹
本発明の別態様は、前記遮断又は係合部材上の拡張機構、より詳しくは、カテーテル又は管状装置上の遮断部材上の拡張機構に関する。この態様は、前記遮断部材を未展開、未拡張状態に配置するために必要な空間を減少させることに関する。中空器官への経皮導入が行われる場合、その導入への最も一般的なアプローチは、「拡張」、より具体的には、拡張に対する「セルディンガー法」(1900年代半ばのセルディンガー博士にちなむ)である。これは、介入処置術者が体内への導入にニードルを使用し、次に、このニードル通してガイドワイヤを挿入し、ニードルを上述したように除去する方法である。その後、拡張器/シースアセンブリとして知られているアセンブリを、前記ガイドワイヤ上を、そして、体内に配置される。前記拡張器/シースアセンブリは、通常は或る程度中実の円筒状拡張器の中間にそれを通してガイドワイヤを挿入するための穴を貫通形成した内側拡張器から成る。前記拡張器は、通常は、約4−20度程度の小さなテーパ角で円錐状にテーパにされている。前記シースは、通常、ptfe,fep,ポリウレタン、pebax、又は、それらに類似の材料からなる薄壁管からなり、前記内側拡張器上にぴったりと適合する。従来、一旦医師が体内に拡張させると、内側拡張器を除去し、これによって医師は前記薄壁拡張器(.004−.018インチ厚)を通して体内への接近を得る。このことがいかに本発明に関連するかは、前記内側拡張器は、通常、その円筒状形状においてある程度「中実(solid)」である傾向があるが、それは、通常は装置の遠位端部の近傍に位置する拡張器のある部分において拡張器の円筒状部分に陥凹部又は溝を有することができる点において興味深い。この陥凹部又は溝は、装置が体内に配置されている間、前記遮断(又は係合)部材をそこに静置するために便利な場所である。このような遮断又は係合部材の配置により、医師が絶対に必要なよりも大きく体に接近部位/穿孔/穴を形成する必要がないようにするために特に重要であるところの装置全体の直径を増大させることなく、より多くの物質を装置内に置くことを可能にする。この拡張器は、ラピッド・エクスチェンジの項で後述するするモノレール構造を可能にする側方ポートを備える管腔を有することができる。長い拡張器構造を使用して、人体の長さに及ぶ脈管を横切る装置を支持することが可能である。前記モノレール構造を備えることにより、前記拡張器は、装置と、拡張器軸よりも僅かにだけ長いガイドワイヤとから取り外すことができる。
図4〜図18Aは、血栓除去術(thromboectomy)例に関連する新規な方法と装置を図示している。図4は、管腔42内に閉塞部40を有する、移植片38、又は、血管などのその他の管状構造に挿入されたニードル36を図示している。図5には、径方向収縮状態にある拡張可能部材16が閉塞部40の遠位側にある状態で、ニードル36の補助によって、管腔42に通過挿入された状態の拡張可能部材ガイドワイヤ10が図示されている。図6は、展開グリップ26を引っ張ることによって径方向拡張状態にされた拡張可能部材16を図示している。図7は、ガイドワイヤ10をその位置に残したままのニードル36の除去を図示している。
図8は、図9のファンネルカテーテルアセンブリと共に使用される陥凹状拡張器46を図示している。この拡張器46は、近位軸端部54に継手(fitting)52を備えるとともに遠位軸端部58に陥凹部56を備える中空軸50を有する。軸50は先端部59で終端している。
図9、9A及び10は、近位カテーテル端部62から遠位カテーテル端部64へと延出するカテーテル60を備えるファンネルカテーテルアセンブリ48を図示している。径方向に萎縮可能な漏斗型部材66が、遠位カテーテル端部64から延出している。漏斗型部材66は、好ましくは、図9に実線で図示されている通常の径方向拡張状態と、図9に破線で図示されている径方向萎縮状態とを有する編組漏斗型部材である。漏斗型部材66は、その径方向萎縮状態において軸心方向長さ68を有する。ファンネルカテーテルアセンブリ48は、更に、圧縮スリーブ70と分裂ストッパスリーブ72とを有し、これらは共にカテーテル60上に摺動可能に取り付けられている。分裂ストッパ72も図10に図示され、これは切欠き近位スリーブ部74と、その目的については後述する、弱化部分76とを有する。カテーテル60は、中空軸50受けるための、管腔78、図9Aを参照、を有する。近位カテーテル端部62は、その端部に継手84を備える管82に接続されたポート80を有する。これによって、流体又はその他の流動可能な物質を、管腔78を通して流すことが可能である。
図11は、ユーザの凹状拡張器46の軸50の先端部60のファンネルカテーテルアセンブリ48の近位カテーテル端部62への挿入を図示している。管クランプ86が、管82に沿って取り付けられた状態で図示されている。図12は、ファンネルカテーテルアセンブリ48に完全に挿入されてファンネルカテーテル/拡張器サブアセンブリ88を形成している陥凹状拡張器46を図示している。漏斗型部材66は、ユーザが、圧縮スリーブ70を矢印90の方向に摺動させるように準備している状態で、凹部56と一直線に配置され、かつ、その上に置かれた状態で図示されている。図13は、圧縮スリーブ70が漏斗型部材66を完全にカバーし、カテーテル60の一部を圧縮スリーブと、露出された分裂ストッパスリーブ72との間に残した状態を図示している。陥凹部56を設け、この陥凹部56に対して漏斗上部材66を一直線に配置することは、サブアセンブリ88の外径を最小化することに役立ち、従って、患者の損傷を最小化することに役立つ。
図14は、サブアセンブリ88と共に使用されて図15のカテーテル/拡張器アセンブリ94を形成する剥ぎ取り式スリーブ(tearaway sleeve)92を図示している。このスリーブ92は、小径の遠位部分95と大径の近位部分96とを備えている。遠位部分95の内径98は、陥凹部56内の軸50の遠位軸端部58と漏斗型部材66との上にぴったりと適合するように寸法構成されている。近位部分96の内径100は、カテーテル60上にぴったり適合するように寸法構成されている。従って、スリーブを、近位側方向、即ち、図15に図示されている矢印102の方向に摺動させると、近位部分96が圧縮スリーブ70に接触し、先ず、この圧縮スリーブ70を、そして、次に、圧縮スリーブ70と分裂ストッパスリーブ72との両方を、近位側方向に、スリーブ92の遠位及び近位部分95,96の間の、接続部104、図14Aを参照、がカテーテル60の遠位カテーテル端部64にほぼ当接するまで、駆動する。前記分裂ストッパースリーブ72の近位方向移動は、近位スリーブ部74が図15に図示されているように変形および/又は撓むことによって調整される。遠位部分95の外径は、近位部分96の内径100にほぼ等しい。
図16は、先端部59が閉塞部40の近位側に位置する状態で、拡張可能部材ガイドワイヤ10、図7を参照、上に取り付けられたカテーテル/拡張器アセンブリ94を図示している。それを通して先端部59が通過する移植片に形成される接近開口部の寸法を最小化するために、接続部104が移植片38の外側に留まることが好ましい。漏斗型部材66が拡張することを許容するために、剥ぎ取り式スリーブ92を、矢印106によって示すように近位側に引っ張る。内径98はカテーテル60の外径よりも小さいので、この移動は、スリーブ92の遠位部分95の弱化領域108、図14を参照、が分裂開放することによって調整される。遠位部分95の先端110は、アセンブリのいずれかの先の操作を調整するため分裂開放されないことが好ましい。この移動によって、更に、分裂ストッパースリーブ72が弱化領域76に沿って裂けて、これによって、スリーブ72を装置から完全に除去することを可能にする。閉塞部40を除去するためには、ユーザは、ガイドワイヤ10を引っ張り、拡張可能部材38によって、閉塞部40を漏斗型部材66に向けて駆動させる。通常は、継手84に取り付けられた真空シリンジを使用して、管82内に、従って、図18Aに図示されているように遠位カテーテル端部64と軸50との間に形成される真空空間112に吸引力を発生させてもよい。閉塞部40の組成によっては、閉塞部を管82内に完全に引き込むことも可能である。管82は、閉塞部40の残滓が管内においてユーザによって視覚的に観察出来るように十分に透明又は半透明とすることができる。
ラピッド・エクスチェンジ(Rapid Exchange)
本発明の別の態様は、前記物質除去システムの製造と機能を提供する構成に関する。1つのそのような態様は、しばしば、「ラピッド・エクスチェンジ」又は「モノレール“Mono Rail”」構造と称されている。この共通の構造は、ガイドワイヤ(別名、ワイヤガイド)と使用される時に、長手カテーテルに使用される。通常、介入処置術者は、ガイドワイヤを、既存の開口部又は、多くの場合ニードルによって形成された経皮開口部通して体内に挿入する。前記ガイドワイヤは、それは小さなワイヤであるので、カテーテルやその他の長手装置よりも所定位置へと操作することが容易である。一旦所定位置にセットされると、介入処置術者は、通常、長手カテーテル又はその他の装置を前記ガイドワイヤ上から適切な位置へと挿入する。従って、これがガイドワイヤと呼ばれる所以である。ラピッド・エクスチェンジ又はモノレール技術が開発される前は、介入処置術者は、ガイドワイヤが体内の適切な位置にある状態で体外でワイヤ上に装置を挿入することができるように、長手カテーテル又は装置の長さの二倍以上のガイドワイヤを使用することが必要であった。この「二倍長特徴」によって、介入処置術者には、同時に、それが体内の所望の位置から移動しないようにガイドワイヤを位置保持しながら、ガイドワイヤ上で装置を挿入することの安全性が提供されたのである。この技術は、ガイドワイヤの二倍長のために厄介であった。前記ラピッド・エクスチェンジ又はモノレール技術は、カテーテル又は装置の遠位端部に小穴を提供し、この穴/管腔は、前記装置の遠位端部から通常は約3−12(7.6−30cm)インチの短い距離でカテーテル又は装置から出ている。
本発明のこの態様は、前記ラピッド・エクスチェンジ特徴の変形例である。本発明の前記管状カテーテル又は装置内に拡張器を使用し、これにより、この拡張器は、遠位端部から、又はその近傍で、かつ、遠位端部から約3−12インチで出る穴を備える特徴を有するものとされるが、本発明のカテーテル又は装置をガイドワイヤ「上」で摺動させる代わりに、ガイドワイヤは本発明の管状長手管腔の内部である拡張器の内部の位置に装填される。前記アセンブリが介入されるべき体内の問題領域に近づくと、介入処置術者は、拡張器内から、しかし、体外で、ワイヤを操作することができる。これによって、上述したラピッド・エクスチェンジ又はモノレール技術に類似の特徴が可能となる。介入処置術者が治療されるべき領域の近くに来ると、介入処置術者は、内側のガイドワイヤをその位置に残したまま内側拡張器を除去することができ、これによって、二倍長ガイドワイヤの必要性を無くすることができる。
図19〜22は、遠位カテーテル端部120と近位カテーテル端部122とを備えるカテーテル118を含むラピッド・エクスチェンジ拡張器アセンブリ116を図示している。カテーテル118は、外側カテーテル124と、この外側カテーテル内に摺動可能に収納された内側カテーテル126とを有する。外側カテーテル124は、外側カテーテル継手130を有し、この継手130は、外側カテーテル124と内側カテーテル26の近位部分134との間に流体封着を形成するための従来型の封着部材132を備えている。外側及び内側カテーテル124,126は、好ましくは、それらの長さ大半に沿って可変であるのに対して、内側カテーテル126の近位部分134と外側カテーテル124の近位部分136とは、共に、好ましくは、金属管から形成される。内側カテーテル126は、更に、カテーテル118のカテーテル管腔142内に開口する流体ポート140を備える内側カテーテル継手138を有する。
アセンブリ116は、更に、遠位部分146と近位部分148とを備える拡張器144と、この拡張器144に対してほぼ平行に延出するガイドワイヤ150とを有する。図19〜22の組み立て構成において、ガイドワイヤ150は、拡張器先端部154を超えて延出する先端部152と、内側カテーテル継手138を通って、かつ、これを通過して延出するガイドワイヤ近位端部156とを有する。拡張器144の近位部分148は、図21に図示されているように、ガイドワイヤ150のカテーテル管腔142の通過のための十分な余裕を提供するべく比較的小さな直径を有する。しかしながら、カテーテル118の直径を最小化し、ガイドワイヤ150を拡張器先端部154において拡張器管腔158を通過させることが望ましい。従って、溝160としてのガイドワイヤ通路がガイドワイヤ150を収容するべく拡張器144に沿って形成されている。拡張器先端部154に向けて、例えば、先端部154から約15cmのところに、拡張器144に開口部162が形成されて、溝160と拡張器管腔158とを結合し、ガイドワイヤ150が溝160に沿って、開口部162を通り、管腔158に沿って、拡張器先端部154を通ってこれから出ることを可能にしている。図20を参照。前記ガイドワイヤ通路は、拡張器144に形成される管腔、又は、拡張器に取り付けられた別体の管状部材、によっても形成することができる。
カテーテル118は、更に、外側及び内側カテーテル124,126の遠位端部に接続された拡張可能な編組164を有する。内側カテーテル継手138を外側カテーテル継手130に対して引っ張ると、編組164が拡張する。編組164は、図1及び図2に図示されているものと類似に拡張することも可能であるが、それは、又、上述したように、図9及び12、又は、後述するように図29〜54に図示されているように、漏斗型物質案内部材を形成するように拡張することも可能である。内側カテーテル継手138は、更に、拡張器/ガイドワイヤ封着部材166を有し、これは、内側カテーテル126の近位部分134と、拡張器144の近位部分148との間に封着を可能にする。
図23〜28を使用して、ラピッド・エクスチェンジ拡張器アセンブリ116の使用例について説明する。図23は、上行大動脈174を冠状動脈176と接続するバイパス移植片172を含む心臓170を図示している。図24は、第1ガイドワイヤ178が上行大動脈174を通ってパイパス移植片172に入り、この第1ガイドワイヤ178の先端部180が、この例では、病巣部182の近傍に位置している状態を図示している。ガイドワイヤ178は、通常、医師が処置部位のほぼ近傍に到達することを助けるのに一般的に使用される、大きな、例えば、直径.038インチの、ガイドワイヤである。その後、図25に図示されているように、従来式のガイドカテーテル、通常は、7French又は8Frenchのサイズ、を、第1ガイドワイヤ178を使用して位置決めする。次に、ガイドワイヤ184をその位置に残したまま、第1ガイドワイヤ178を取り除く。これによって、図26に図示されているように、拡張可能な編組184が、ガイドワイヤ184の遠位端部186を超えて延出するまで、ラピッド・エクスチェンジ拡張器アセンブリ116の遠位部分を、ガイドカテーテル184を通して通過させることが可能になる。次に、図27に図示されているように、ガイドワイヤ150を、病巣部182に対する選択された位置へと拡張する。
次に、内側カテーテル継手138とガイドワイヤ150の近位端部156とを保持しながら、拡張器の近位部分148を引っ張ることによって拡張器144を取り除く。これにより、カテーテル118とガイドワイヤ156とはその場所に残される。これは、拡張器144の長さの大半の外側のガイドワイヤ150の通過によって提供されるアセンブリ116のラピッド・エクスチェンジ特徴のために可能である。次に、拡張可能な編組164を、図28の漏斗型形状などの、使用材料案内状態へと拡張させ、塞栓が下流側に流れることを停止するべく血液流を塞ぐ。その後、ステントの設置や血管形成を行うこと、等の適切な医療処置を行うことができる。
RF結合
本発明の別の態様は、熱可塑性材料を製造する装置と方法とに関する。熱可塑性という名称が示唆するように、構成部分又はその他の製品の製造において、ポリマー(又は、ポリマーに対する金属)を、成形、製造屈曲、鋳造、結合、チッピング(tip)のために温度を使用することができる。可塑性材料の物理的形状又は特性を変化させるために熱を使用する「プラスチック細工」の当業者に周知の多数の技術が存在する。射出成形、充填(plug)、インサート成形、更にブロー成形、加熱管、熱水又はその他の液体、火炎、ヒートガン、熱収縮チューブ形成、その他、あまりにも多すぎてあげることができない技術がある。
本発明のこの態様は、即座に特定のキュリー温度にすることができる一定温度を利用する。本発明は、自動温度制御加熱器を使用し、強磁性材料などの高密度材料、又は、温度の制御は、所望の最高作業温度でキュリー温度を有する、強磁性材料などを使用することによって達成される。キュリー温度としても知れられるキュリー点は、強磁性材料が常磁性を示す点/温度である。一旦、この点が達成されると、そのシステムに投入されるべき追加エネルギは不要となり、その温度(キューリー温度)が維持される。この予め選択された温度は、強磁性材料の化学的構造に応じて、様々な温度に設定することができ、この選択は、特定の可塑材の溶解温度又は溶解温度近くに調和させることができる。
特定の部材/鋳型(die)又はその他の機構の温度を制御するために温度フィードバックループを必要としない熱可塑性材料の製造/作成のために加熱部材を制御できることは複数の理由により望ましい。本発明のこの態様は、高周波交流によって励起することが可能な低伝導性の強磁性金属を使用する。前記加熱部材のために寸法及び材料パラメータを選択することによって、その熱負荷(即ち、可塑性材の溶解又は溶解状態近く)にも拘わらず、強磁性材料のキュリー温度を中心とする狭い範囲での温度制御を作り出すことができる。
従って、これは、加熱部材の温度を制御するために従来式のフィードバックループ(そして必要なコントローラと必要な較正がない)を必要としない。特定のキュリー温度に到達する特定の強磁性材料を選択することができ、特定の用途のために、特定のキュリー温度を有する加熱部材のために特定のキュリー温度を有する特定の強磁性材料を選択することによって温度を選択することができる。これにより、狭い範囲の温度を達成することが可能となる。強磁性部材の励起のための使用機構は、交流動力源に対して即効性であるので、強磁性材料/部材は非常に迅速にその予め定義されたキュリー温度になる。この即効性の加熱源は、効率的な製造条件で迅速に熱可塑性材を形成し、低コスト製造環境のために必須である。
簡単に説明すると、本発明の一実施例は、特に、製造環境において構成部分又はその他の製品を製造するために、鋳型/部材、鋳造(「加熱器」)と共に熱可塑性材料を操作することに特に適合される。既製のRF発生器/交流電流源を購入することによって、強磁性加熱器を、そのキュリー温度にまで励起し、その後、特定の強磁性合金を選択することによって、特定の熱可塑性材料の製造/処理において前記加熱器のために異なる温度を使用することが可能となる。
交流高周波源(alternating radio frequency source)によって励起された時に、異なるキューリー温度を示す強磁性体材料の具体例として、約36%のニッケルと、バランス鉄とから成る合金であるインバー(Invar)、しばしば、そのニッケル含有量によって合金36と呼ばれるものがある。合金36をそのキュリー温度にまで励起すると、その温度は、華氏〜230度(〜230°F又は110℃)の近傍温度にまで制御される。合金42(〜42%がニッケルで残りが鉄であることを意味する)を選択すれば、達成されるキュリー温度は〜380°Fまたは193℃である。合金49の場合、温度は〜475°Fまたは246℃。合金32の場合、約130°Fまたは54℃。合金34の場合、165°Fまたは74℃そして合金42−6の場合、290°Fまたは143℃。従って、特定の強磁性合金を選択することによって、特定の熱可塑性材の特定の溶解温度又それに近い温度を選択することができる。そのような強磁性材料は、SCIENTIFIC ALLOY、Westerly,RI(401 596−4947)を含む広範囲の販売業者から容易に入手可能である。
電力供給を前記合金に試行錯誤的に接続することによって、合金はその特定のキュリー温度にまで励起されそして測定された。これらの温度については上述した。加熱部材に異なる構造を加工することによって、本発明者は、熱可塑性材料を種々の他の材料(金属、熱可塑性材、熱硬化性ポリマー、繊維など)と組み合わせることに成功した。更に、本発明者は、熱可塑性材を、無限のバラエティーとも思える形状及び使用条件に形成、プログラムすることにも成功した。
本発明の別の態様は、前記係合又は遮断部材に関する。いずれかの部材がなんらかの方法で、管状長手部材に結合される場合、この結合は、強力であるべきであるが、その全体寸法は最小限であるべきである。前記機構を管に取り付けるために管状メッシュ編組を使用する場合は、多くの場合、管状長手部材と管状メッシュ編組との両方を重ね合わせるために追加の接管を使用することができる。しかしながら、本発明のこの態様は、この「結合」を、この接管の追加無しで、前記二つの構成部分を互いに結合させることによって達成することを可能にするものであり、これは、そのような介入において、「結合部(joint)」のために必要ななんらかの追加的空間は、装置の全体の機能性にとって不利であるからである。もしも、接管やその他のアセンブリ機構が、前記二つの材料の外側、又は、これらの材料の内側に使用されるならば、体に、高い死亡率/異常率(morbidity)が伴うより大きな穴/穿孔を形成することが必要となるか、若しくは、前記管状長手部材の内径が減少し、それによって、介入処置術者は、他の器具を送り込むための空間が少なくなり、体内から物質を除去するための空間が少なくなるので、前記環状空間が減少し犠牲になる。従って、本発明のこの態様は、前記筒状メッシュ編組をカテーテル又は装置の管状部分に「接続」することを可能にし、それと同時に、接管その他のアセンブリ構成部分による壁厚の増大を最小限にすることに関する。これはいくつかの方法で達成することができる。
大半の場合、前記管状長手部材の壁は、.002−.015インチ(.051−.38mm)の範囲の、但しより一般的には、.004−.006(.10−.15mm)の範囲の厚みである。それの製造方法により(下記のMaypoleタイプの編組機による)、管状メッシュ編組を製造するために使用される網糸は、通常、直径が.0001−.005インチ(.0025−.13mm)、但しより一般的には、.0015−.003インチ(.038−.076mm)の範囲の直径、の単繊維から製造される。これらの個々の網糸は互いに重なり合っているので、管状メッシュ編組の壁厚は、通常、その製造に使用される網糸の厚みの2倍である。本発明は、管状メッシュ編組を、熱を使用して、管状長手部材の壁に溶け込ませることが可能であるという事実に関連する。これは、特に、前記管状メッシュ編組と管状長手部材との一方又は両方に熱可塑性ポリマーが使用される場合に当てはまる。筒状長手部材の外径に一致する鋳型を使用して、熱を与え、同時に、内側マンドレルを、管状長手部材の内径に等しいアセンブリ内に配置すれば、両方の材料を前記鋳型に押し込むことができる。次に、熱と力とを使用して、前記二つの構成部分(管状メッシュ編組と管状長手部材)を、溶解して1つのユニットにして、これによって、このようにして結合された二つの構成部分の壁厚を最小限にすることができる。この加熱された鋳型は、通常、ガラス又は金属製の鋳型を使用することによって達成される。熱は、鋳型に対して、対流加熱、電気抵抗加熱、熱を作り出すための金属のRF励起、単に、鋳型上への熱風の吹き付け等、を非限定的に含む、当業者に周知の多数の方法で与えられる。
本発明の一好適実施例は、RF動力供給とニッケル鉄合金からなるRF加熱器を利用する。高周波(radio frequency:RF)エネルギを適当なニッケル−鉄合金と組み合わせることによって、前記金属合金製鋳型を、前記高周波エネルギによって励起し、この励起によって合金のキュリー温度までの熱が発生する。ニッケル−鉄合金のブレンドは、異なるキュリー温度に到達するように調節することができる。このRF励起は、極めて迅速であり、これは装置の効果的な製造のために極めて重要である。前記鋳型は、非常に小さく、即ち、非常に少量の合金で作ることができ、これにより、それらは迅速に加熱することが可能であるだけでなく、急速に冷却することも可能である。従って、鋳型中の合金が少なければ少ないほど、製造プロセス中の処理量は速くなる。この技術は、RFと前記合金の相互作用の反復性により、極めて反復性が高い。異なる熱結合処理(それらは熱結合の幾何学的構造と、更に、熱結合に使用される材料とに依存する)のためには異なる温度が必要とされるので、これらの異なる温度は重要である。この構成を使用して、上述した拡張機構を製造した。ここで、本発明の一好適実施例において、.003”(.076mm)の個々の網糸を有するNiTi(ニッケルチタン)管状メッシュ編組を、融合して、その内径と外径とを損なうことなく、.005−.006”(.13〜.15mm)の壁厚を有する、PEBAXとポリウレタンのシース管とした(又、.002”(.051mm)の直径の網糸をポリエチレンとFEPとの両方に融合した)。この結合にはなんら追加の材料が使用されず、この結合を形成するために追加の領域は必要でないので、このことは、内径(最適化され、減少または損なわれていない)を通してより多くの物質を除去すること可能にするために極めて重要であり、体への初期穿孔は、更に後述するように、前記アセンブリの最小化/最適化外径により、最小のものとなる。
熱処理とエラストマによる編組形状(可変管直径)
本発明の別態様は、管状メッシュ編組を使用して製造される漏斗部に関する。一好適実施例において、前記漏斗型部材は、上述の管状メッシュ編組から作られる。特に、前記編組中の網糸は、金属、より詳しくは、ニッケルチタン合金(NiTi)から作られる。本発明のこの態様の前記好適実施例は、前記管状メッシュ編組が遠位端部において内側長手部材に取り付けられ、編組が前記近位端部に取り付けられているところでは外側長手管状部材であるように構成される。内側部材を逆向き/近位側方向に引っ張ると、前記編組が内向きに引っ張られ、それが座屈して、「靴下を巻く“rolling a sock”」ように巻かれる。
この好適実施例において、前記編組は、漏斗型形状となる。いくつかの場合、前記編組は、非弾性又は弾性膜によってカバーされる。この膜は、編組を、非限定的に、シリコンまたはポリウレタンを含む、分散液によって液浸、流し込み、噴霧、することによって塗布することができる。或いは、前記膜は、管状押し出し成形物とし、その後、これをそれが内側及び外側長手部材に取り付けられる編組の二つの(近位と遠位)端部上に、熱又は接着剤によって結合される。前記押し出し成形物を使用する場合、この材料としては、非限定的に、シリコン、ポリウレタン、クロロプレン(chronoprene)、ポリエチレン、C-Flex、等が含まれる。
前記管状メッシュ編組の構成にとって特に重要なことは、この管状メッシュ編組の形成方法である。本発明の好適実施例は、管状メッシュ編組を、48キャリア又は96キャリアのメイポール編組機上でNiTiから製造された48キャリアの網糸を使用して後述するメイポール編組機上で形成する。但し、いくつかの場合においては、編組機性能を調節するためにより多数又はより少数の網糸キャリアでの機械を使用するほうが有利であるかもしれない。使用される前記NiTi網糸は、直径が.001−.005インチ(.025−.13mm)、より具体的には、0.0015−.0025インチ(.038−.064mm)と小さい。それらは、通常は5−6mmの直径の編組機上の円筒状マンドレル上で形成可能であるが、より好適には、種々の寸法の管腔での漏斗型部材の展開を容易にするために可変のワイヤ密度と可変の最大拡張径を備えるメッシュ編組を作り出すために円錐形状のマンドレルとされる。実際、前記マンドレル形状は、拡張部材の性能を更に最適化するために、任意の線対称形状(例えば、回転放物線円弧)に設定することができる。いくつかの場合においては、楕円錐やピラミッドなどの、非軸線対称形状も使用可能である。更に、前記管状メッシュ編組は、前記網糸をその拡張漏斗型形状となるようにプログラミングする場合、自動拡張性のものとすることができる。この実施例において、前記システムは、その小さな収縮状態を維持するためにオーバーシースで制約することができる。反対に、前記内側及び外側長手部材は、編組が非拡張形状となるように、互いに対して伸張状態に保持することができる。内側及び外側長手部材上の伸張を取り除くと、編組は、通常、1.5−7mmの直径、特に、2.5−5.5mmの直径の漏斗型形状へと拡張する。更に、能動又は受動的拡張と自動拡張との任意の組み合わせを、設計を最適化するために使用することも可能である。
前記編組が、いかにして開放されて漏斗型形状となるかに関連する本発明の追加の態様は、前記管状メッシュ編組の「プログラミング」方法である。それが自動的に漏斗型形状へと展開するように編組が引っ張られる時、それが、漏斗型形状を形成し、かつ、それが脈管の壁に衝突するときに、それが少なくとも脈管の内膜をあまり損傷しないように衝突するように、編組に対して形状記憶が存在するようにすることも重要であるかもしれない。前記NiTiワイヤは、好ましくは、超可塑性又は擬弾性材として振舞うように調節される。漏斗型形状を拡張させて血液を塞ぐことを試みる場合、前記漏斗型形状が、脈管に対して外向き径方向の力を加え、それによって実際に脈管が塞がれ血液流が停止されるようにすることが重要である。これは、本発明を、「近位閉塞」に使用する場合に重要である。
近位閉塞とは、その名称が示唆するように、血管が、介入が行われる(即ち、バルーン血管形成術又はステント処置、等)が行われるところの近位側(上流)で閉塞される場所のことである。介入が行われている場所の上流側で流れが停止又は減少される場合、これによって、移動可能な脆い塞栓物質が、その介入中に下流側に移動することを防止する。この移動した塞栓は非常に危険である可能性があり、脳卒中又は、更に悪い場合には、死さえももたらす。
前記編組を、それをテーパ形状のマンドレル又は、種々の形状のマンドレル上で編組/巻回することによって成形することにより、管状メッシュ編組に異なる特性を与えることができる。一定の編組機スピードで異なる直径のマンドレル工具上で編組することによって、編組のピッチと所与の長さの編組における交差部の数が変化する。1つの編組構成要素のこれらのパラメータを変化させることは、どこでその編組が最初に座屈し、その後、「巻き靴下」として作用するかを決めることに役立つ。更に、材料又は編組形状を変化させるための熱処理も、有効な作用がある。剛性の勾配が編組の長さに沿って存在するように、編組の材料特性をそのある部分においてのみ変化させてもよい。剛性におけるこれらの変化は、特定の場所又は作動力での座屈(漏斗部形成)を促進するべく極めて迅速なものとすることが出来、或いは、座屈を防止し、恐らくは径方向の力を維持するべく漸次的なものとすることも可能である。これによって、編組が保持され、それが展開しながら、特定の方法で漏斗部を形成することが可能となる。更に、編組を、幾何学的変化を得るように熱処理することによって、その展開された編組/漏斗型部材によって所望の量の径方向の力で適切に閉塞され、かつ、同時に所望の直径および形状にまで拡張し、損傷様式(traumatic fashion)で拡張するように、編組は、所望の様式で展開/回転する傾向となる。例えば、前記編組ワイヤに形状段部を形成し、これによって、操作時に、編組の遠位部分が径方向外方に拡張して脈管壁と接触して、編組の座屈に導く展開形状を形成するようにする。この段部の寸法の幾何学形状は、特定の用途に対して調節することが可能である。実際の編組処理中、又は、製造プロセス中の任意のタイミングにおける二次的機械的又は熱的手段によって、いかなる種類の幾何学的変化も形成することが可能である。
拡張編組部の性能を改善するために利用可能なもう一つの二次的作業は、編組の転回である。前記メッシュ編組を「裏表(right side out)」に転回させることによって、それは、「表裏」の編組部とは異なる特性を示すようになる。これらの相違は、編組ワイヤ材料がニチノールである場合に最大となり、それは加熱処理後に転回される。しかし、ステンレス鋼などのその他の編組ワイヤ材料を使用する場合や、熱処理無しで編組を転回させる場合も、なんらかの望ましい性能特性が得られるかもしれない。
上述したように、他の治療装置のために利用可能な最大の寸法の管腔を確保しながら、医師が、必要最小の切開口を使用することができるようにするためには、装置の全体特性が非常に重要である。これを念頭に入れて、別の好適な構成実施例は、その遠位端部に一体の拡張編組部を備える編組軸を使用する。この編組軸は、所望の壁厚(具体的には、.002”から.015”(.051−.38mm))で剛性特性を備えたものとして構成することができ、前記拡張編組部は、単に、編組を軸のポリマー構成部分を超えて連続させることによって形成することが可能である。この方法によって、拡張編組と軸との間に二次的な結合が無くなり、それと同時に、より強力で頑丈な装置が作り出される。多くの可能な製造方法の1つは、編組軸のポリマー内側ライナーをマンドレル上におき、このマンドレルとライナーのアセンブリをメイポール編組機に装填するものである。前記マンドレルは、所望の拡張編組形状を形成するために使用することが可能な遠位形状部分を備えることができる。編組は、前記マンドレルの拡張編組部に渡って続けられ、必要であれば熱処理される。その後、外側のポリマー構成部分(単数又は複数)を編組軸部上に積層する。
管状メッシュ編組上に異なるカバーを使用することは、更に、これらの特性の全部も変化させうる。例えば、本発明の一実施例は、可変壁厚を有する熱可塑性押出し成形物とされる。前記膜の壁厚を編組の長さに沿って変化させて、操作に対する抵抗が大きな又は小さなゾーン、又は、耐久性の高いゾーン、を形成することができる。これらの可変壁厚は、更に、管状メッシュ編組の最も薄い部分が、より大きな厚みの膜厚を有するゾーンに対して、最初に、又は、より大きな全径に、拡張することも可能にする。拡張編組の長さに沿った種々の部分の作動の順序又は程度の調節によって、装置が、作動信頼性、操作力、脈管壁にかかる径方向の力の最適な平衡を達成することを可能にする。一般に、押出し成形装置によって、約.003”(.76mm)の壁厚までの管を押出し成形することができる。製造プロセスにおいて、技術者は、その押出し成形物を「予拡張」(その全部又は一部)することができ、そうするときに、予め拡張された膜に対して、より良い装置性能を達成するべく拡張特性と壁厚を制御可能に変化させることができる。この「予拡張」を達成するための最も簡単な方法は、それが一端部において封着される時に、押出し成形物に空気圧を与える方法である。この用途のために使用される大半の熱可塑性ポリマーは、300−1500%、更に具体的には、600−1000%の弾性係数特性を有する。クロロプレン、ポリウレタン、C-Flex、ラテックス、ポリイソプレン、シリコンなどの例がこれらの特性を示す。
図29は、遠位先端部194を備える外側管192と、遠位端部198を備える内側管196と、前記両遠位端部194,198に固定された第1及び第2端部を備える管状のスリーブ200とを有するファンネルカテーテル190の遠位端部を図示している。管状のスリーブ200は、その径方向収縮、展開状態で図示されている。重要なことは、管状のスリーブ200がほぼU形状の方向逆転領域206を備え、これによって、第1及び第2端部202,204が図29のそれらの位置から互いに向かって移動する時に、スリーブ200が、図31に図示されているような、遠位側開口、径方向拡張使用状態へと移動することである。図30は、ファンネルカテーテル190の別実施例を図示し、ここでは、展開状態の領域206は、図29の実施例よりもよりはっきりとしたU形状を有している。図31は、径方向拡張使用状態のファンネルカテーテル190を図示している。ファンネルカテーテル190は、通常、移植片、血管又はその他の中空体内構造の内部を封着するために使用され、これにより、ファンネルカテーテル190が形成される材料は、通常、液体流に対して実質的に不浸透性とされる。管状のスリーブ200は、好ましくは、可変ポリマー材を含浸した編組管状のスリーブであるのに対して、スリーブ200は、他の方法で構成することができる。図32は管状のスリーブ200を図示し、ここでは、液体流バリアが、管状のスリーブ200の外側に可変弾性フィルム208として設けられている。図33及び34は、ファンネルカテーテル180の脈管210内の配置と使用を図示している。内側管196を外側管192に対して引っ張ることによって、管状のスリーブ200は、大きな部分212が脈管210の内壁214に接触する漏斗型物質案内部材を形成する。ファンネルカテーテル190を、組織損傷のリスクを最小限にしながら、良好な封着を提供するべく比較的大きな接触領域に渡って十分に高いレベルの力を内壁214に対して与えるように構成することができる。
遠位側に向けられた開口漏斗部材端部を確実に形成するファンネルカテーテルを達成するその他の方法について、図35〜51を参照しながら以下説明する。一般に、これらの異なる技術は、マンドレルの遠位及び近位部分でのテーパ角度を調節すること、編組材の遠位及び近位部分の一方又は両方に対して材料を選択的に塗布すること、遠位部分と近位部分との間のピックカウント値(pic count)を変えること、を含む。実際には、これらの技術の1つ以上を使用して作動装置を構築することが可能であるが、これらの異なる技術を、1つの技術を含む特定の実施例に関して以下説明する。
図35は、中央の、通常は一定の直径の、部分224によって接続されている、近位テーパ部分220と遠位テーパ部分222とを備えるマンドレル218を図示している。このマンドレル218は、編組状に巻回され、編組巻回部226によって編組構造228を形成する。近位テーパ部分220は、遠位テーパ部分222よりも緩やかなテーパ形状、即ち、θ1>θ2、を有する。図35の実施例において、前記ピックカウント値、即ち、単位長当たりの編組巻回226の交差の数、は、マンドレル218の全長に沿って一定である。編組構造228とともに、膜(図示せず)を使用することができる。この膜は、編組構造228に組み込むか、その上に配置するか、又はその内部、に設けることができる。前記膜は、それを通過する全液体流を停止させるように、又は、最低サイズの粒子の通過を防止するようなものが選択される。次に、編組構造228が、マンドレル218から除去され、外側及び内側管230,232に取り付けられて、管状編組スリーブ236を備えるファンネルカテーテル234が形成される。図36〜39を参照。
スリーブ236の近位端部238は、外側管230上の第1位置240に固定され、スリーブ236の遠位端部242は、内側管232上の第2位置244に固定される。遠位テーパ部分222における大きなテーパ形状は、θ1>θ2、スリーブ236の遠位部分246がこのスリーブの近位部分248よりも前で確実に座屈するようにすることに役立つ。図38及び39を参照。内側管232は、遠位側で中間距離拡張している状態で図示されているが、それは、例えば、内側管232上の第2位置244において、又は、その近傍で終端されることも可能である。
図36は、大径の脈管250内の管状編組スリーブ236を図示している。管径が増加しているので、編組の接触長は減少している。これによって、装置と脈管壁との間の摩擦が遠位漏斗型形状を形成するのにあまり役立たないので、遠位/近位の競合がより重要となる(スリーブ236の遠位部分246が先ず座屈しなければならない)。より小さな径の脈管254では(図37及び39を参照)、内側管232が近位側に引っ張られる間、外側管230は、通常、固定状態に保持される。編組スリーブ236と脈管254との間の摩擦が、スリーブ236の遠位端部242への移動によって、スリーブ236の遠位部分246を萎ませる間、近位側の外側管230を固定状態に保持するのに役立つ。大きな脈管の場合(図36及び図38を参照)、摩擦は、小径の脈管の場合よりも少なく、これによって、管状編組スリーブ236全体がシフト(摺動)して、それによって、編組スリーブ236の近位部分248を座屈させる可能性が増大する。前記ピックカウント値が、図35〜39の実施例においてのように一定又はほぼ一定である場合、前記テーパ角度の相違が、遠位部分246を常に先ず倒伏させ(即ち、近位部分248よりも前に)、図38に図示されているような漏斗型形状へと萎ませるために必要なバイアスを提供することが非常に重要である。
図37及び図39は、より小径の脈管254内の、一定のピックカウント値を有する管状編組スリーブ236を図示している。この状況において、編組スリーブ236の多くの部分が、脈管壁に接触する。θ1>θ2でのテーパ角の適切な相違を提供することによって、遠位部分246が近位部分248よりも前に座屈することが確保される。
図40は、遠位部分246が近位部分248よりも前に座屈するように構成された一定ピックカウント値の管状編組スリーブ236の別実施例を図示している。スリーブ236の遠位端部242の通常NiTiから形成される編組巻回部226は、編組後に径が急激に変化するように熱処理されている。これによって、この位置における形状のジオメトリが弱くなり、小さな圧縮力を加えることによって、スリーブ236が、遠位端部242の領域で座屈するようになる。この作用は、遠位端部のテーパ角度θ1を増加させ、この位置の径を減少させることによってより効果的になる。編成後に編組おける急峻な段形状を形成するその他の方法も使用可能である。
図41は、遠位部分246が近位部分248よりも前に座屈するように構成された一定ピックカウント値の管状編組スリーブ236の別実施例を図示している。近位部分248の一部が、この近位部分248の拡張を制限するべく、典型的には幾分弾性である、ポリマー256によってコーティングされ、これによって、それは完全には拡張、座屈することが出来ない。遠位部分246の座屈を促進するべく、スリーブ236の残りの部分は、コーティングされていない。
図42は図41に類似し、近位部分248に比較的高剛性で、比較的伸縮耐性が高いポリマーコーティング256を使用し、遠位部分246には比較的軟質で、比較的容易に伸縮されるポリマーのコーティング258を使用している。ポリマーコーティング256は、近位編組が完全に拡張し座屈することを防ぐ。ポリマーコーティング258によって提供される軟質の遠位側コーティングは、完全な拡張、座屈を可能にするとともに、この装置の中心を通る吸引を確実にするための良好な水封着を可能にする。所望の場合、スリーブ236の中央部分260も、ポリマー258よりもより容易に伸縮可能な別のポリマー対して、同じ、軟質で容易に伸縮可能なポリマー258によってコーティングすることも可能である。
図43及び44は、図35の編組構造228の別構成を図示している。図43は、一定ピックカウント値を有する二重ワイヤ編組構造262を図示している。この二重ワイヤは、1又は2つのスプールからの円形又はリボンとすることができる。2,3,4又は5本等のより多くのワイヤを、互いに撚り合せて、高フープ(hoop)力での低い曲げ力を可能にすることができる。これによって、編組は、カテーテル内において低プロファイルにシフトして可変性になる能力を備える大きな複合強度を有することが可能となる。図44は、一定ピックカウント値のリボンバンド編組構造264を図示している。この構造264は、通常、.0003〜.0005インチの厚みで、.001〜.030インチの幅(.0076〜.13mmの厚みで、.025〜.76mmの幅)のNiTi、ステンレス鋼、チタン、ポリマー又はタングステンから形成される。一例としては、.0005インチの幅で.003インチの幅(.13mmの厚みで.076mmの幅)とすることができる。
図45は、図35の一定ピックカウント値の実施例の別構成を図示している。編組構造266は、近位テーパ部分268に沿って高いピックカウント値で、遠位テーパ部分270に沿って小さなピックカウント値の可変ピックカウント値を有する。編組構造266は、ワイヤスプールを一定速度で運転しながら、編組上の「巻き取り(take up)」リールを次第にスピードアップすることによって作り出すことができる。この構成は、遠位テーパ部分270をより大きな開口部(ワイヤ交差部間の距離)をもって、より弱くなるように調整され、それが、近位テーパ部分268よりも前にトンネル形状に座屈するように構成されている。この構成は、広範囲の脈管サイズをカバーするべく比較的大きな径方向拡張に対応することができる。図46に図示されているように編組構造272を形成するためにワイヤ鎖の一部を除去することによって、類似の作用、即ち、近位での座屈よりも前の遠位での座屈を強制する作用、を作り出すことができる。ワイヤは、マンドレル218上で一定距離編組され、1つ置きのワイヤが切断(一例として)され、それにより、ピックカウント値を小さくし、ワイヤの数を減らして、編組が続けられる。
可変ピックカウント値ファンネルカテーテル274が図47に図示され、これは、図45の編組構造から形成される管状編組スリーブ276を有する。可変ピックファンネルカテーテル274は、大径の脈管250内で部分的に拡張された状態で図示されている。編組構造266の近位テーパ部分268は、完全に拡張可能であるが、テーパが非常に漸進的であるので、それは、よりコイル巻回的に振舞う。遠位編組部分270は、最初に倒伏するために十分弱くなるために十分に低いピックカウント値を有しなければならない。ファンネルカテーテル247が小径の脈管254内にある状態が図48に図示されている。この場合は、遠位テーパ部分270が近位テーパ部分268よりも弱く、圧縮負荷を受けて座屈するように、遠位側において低いピックカウント値とすることが有利である。これは、近位端部が脈管径において完全に拡張することが出来ない限り有効である。完全に拡張できない高いピックカウント値では、支持部(より近接した支持交差部)の数が多い場合ロックしてしまう傾向がある。
図49の可変ピックカウント値編組構造278は、図45の編組構造266の巻回バターンを逆転させて、近位テーパ部分282においてよりも遠位テーパ部分280においてより高いピックカウント値を提供している。これは、遠位テーパ部分280の最小部分が、脈管壁に衝突する前に、または、たとえ予想される最小の脈管サイズであっても、完全に拡張することを可能にするように調節することできる。完全拡張時において、遠位部分242の、可変ピックカウント値ファンネルカテーテル284の巻回部226(図50及び図51を参照)は、近位端部が座屈する前に、容易に座屈して遠位漏斗部を形成することが可能な、ほぼコイル結合フープ経路に押しやられる。最初の座屈後、遠位及び近位端部242,230が互いに向けて移動して漏斗部の開口部を大きくするにつれて、前記遠位漏斗部端部は、巻き靴下状になることができる。図48は、小径の脈管252内のファンネルカテーテル284を図示している。編組構造286の遠位部分での高ピックカウント値によって、遠位部分が、それが脈管内において完全に拡張できる限り、最初に座屈する。マンドレル上の管状編組構造278の一部分のピックカウント値が高ければ高いほど、その部分が軸心方向圧縮力によって拡張する量は少なくなる。非常に高いピックカウント値を有する構造278の前記部分は、低プロファイルカテーテル内においてほぼ完全に拡張された状態に留まる。操作後、この非常にピックカウント値が高い部分は、フープ状になって座屈する。
漏斗部であるバルーン
本発明の別態様は、漏斗型形状バルーンに関する。これは、前記バルーンを、それが気体又は液体によって拡張された時に、漏斗型形状に拡張するように形成することによって容易に達成される。これはいくつかの方法で達成可能である。バルーンを、非限定的にクロロプレン、ポリウレタン、C-Flex、ラテックス、ゴム、等を含む、熱可塑性材料、から作る場合、これらは、漏斗型形状のマンドレル上で、液浸、鋳造、噴霧、その他の方法でコーティングすることができ、或いは、それらは、押出し成形品とし、それを、その後、漏斗型形状のマンドレル上に載置し、次に、熱を加えると、ポリマーはそのマンドレルの形状になる。更には、前記押出成形品を漏斗型形状の鋳型の内部に置き、熱を加え、その後、その押出し成形品の内部に空気圧を加えると、ポリマーが鋳型の空洞の内部形状へと拡張する。上述したプロセスのいずれかから熱を取り除き、そのシステムを冷却させると、その結果、漏斗型形状のバルーンが得られる。
或いは、前記ポリマーは、非限定的に、ポリエチレン、PET,HDPE等を含む、非弾性材料から形成することも可能である。これらの形状は、上述したもの類似の方法で達成可能である。更に、それらの性質は非弾性であるので、それらは、可塑的に変形されて漏斗型形状を作り出すことができる。
バルーンファンネルカテーテル290が図52〜図54に図示されている。カテーテル290は、環状バルーン296が固定されている遠位端部294を備える軸292を有する。バルーン296は、遠位端部294を超えて延出する。バルーン296は、軸292の主管腔300と一直線に整列された中央開口領域298を形成している。軸290は、更に、バルーン296の内部304内に開口する膨張管腔302も有する。バルーン296は、図52の未膨張、径方向収縮状態と、図53及び図54の膨張、径方向拡張状態との間で移動する。バルーン296が前記膨張、径方向拡張状態にある時に、開口領域298は、漏斗型形状となる。
編組と熱付与によるエラストマの拡張
編組と膜との間の相互作用は勿論重要であるが、これは、様々な漏斗型形状及び特性を提供するべく最適化することができる。更に、前記エラストマは、単数又は複数の部分に渡って拡張する編組への取り付け部が無く、それでも、近位側と遠位側とでは、それぞれ、外側部材と、内側部材とに結合されているものとすることができる。この構造は、結合部又は編組部ジオメトリによって形成される突起が無くなるという利点を有する。具体的には、拡張編組部分の遠位端部にこの技術を使用して、滑らかな途切れの無い漏斗型形状を作り出すことが好ましい。この滑らかな形状によって、恐らくは渦巻流が無くなることによって、流体力学が改善され、塞栓のより完全な吸引が可能となる。
一部分において編組に確実に取り付けられ、しかも、別の部分では取り付けられないような膜を形成することが好ましい。このように構成することで、編組を所望の形状(最終展開形状又は任意のその他の中間位置とすることができる)に保持することができ、膜は編組上に配置される。その後、このアセンブリを、加熱された型、又はその他の装置内に投入して、前記膜を加熱し、それを流して編組ワイヤと融合させることができる。前記膜のある部分の加熱を防止し、それによって膜を編組から自由状態に維持するべく前記型内に絶縁体を置いてもよい。
本発明の別態様は、ポリマーが、拡張する編組と共に熱を使用して形成される構成に関する。例えば、熱可塑性エラストマ(非限定的にポリウレタン、C-Flex、クロロプレン等を含む)を、管状メッシュ編組に塗布することができ(この塗布は、編組上の、噴霧、鋳型液浸(cast dipped)、押出し成形とすることができる)、その後、管状メッシュ編組を操作すると、それが所望の形状(非限定的に、漏斗、円盤、卵、球、円錐状、その他任意の所望形状を含む)に拡張する。この場合、熱の付加はポリマーを所望の形状に形成することができるので有利である。これは、管状メッシュ編組の拡張中および/又は拡張後、に達成することができる。更に、編組と膜との間の相互作用が当然重要であるので、編組を膜に対してその全長又は複数の別々の部分に沿って結合することによって、この相互作用を制御することが必要であるかもしれない。前記エラストマは、単数又は複数の部分に渡って拡張する編組への取り付け部が無く、それでも、近位側と遠位側とでは、それぞれ、外側部材と、内側部材とに結合されているものとすることができる。この構造は、結合部又は編組ジオメトリによって形成される突起が無くなるという利点を有する。より具体的には、好適実施例は、拡張編組部分の遠位端部にこの技術を使用して、滑らかで途切れの無い漏斗型形状を作り出すことである。この滑らかな形状によって、恐らくは渦巻流が無くなることによって、流体力学が改善され、塞栓のより完全な吸引が可能となる。
いくつかの状況では、一部において編組に確実に取り付けられ、しかも、別の部分では取り付けられないような膜を形成することが好ましい。前記編組を所望の形状(最終展開形状又は任意のその他いずれかの非展開の中間位置とすることができる)に保持することができ、膜は編組上に配置される。その後、このアセンブリを、加熱された型、又はその他の装置内に投入して、前記膜を加熱し、それを流して編組ワイヤと融合させることができる。前記膜のある部分の加熱を防止し、それによって膜を編組から自由状態に維持するべく前記型内に絶縁体(例えば、PTFE管)を置いてもよい。この形成方法は、すべての熱可塑性編組(弾性又は非弾性)との使用で有効である。
更に、非弾性ポリマーの場合、管状メッシュ編組を使用して、その非弾性ポリマーを実際に可塑変形させることができる。この場合、塑性変形が達成されるように、より大きな外側径方向の力を有する管状メッシュ編組を使用することが有利であるかもしれない。管状メッシュ編組のこの大きな径方向の力は、編組中に、より大きな、又は強力な、あるいはその両方の網糸を使用することによって達成することができる。エラストマーの形状を作り出すための「工具」として管状メッシュ編組を使用する両方の場合において、そのプロセスを助けるために、空気圧と熱を使用することができる。上述した実施例の場合、漏斗、円盤、卵、円錐状、の形状のバルーンを作る場合、この編組は、工具としても使用可能である。
管状編組308の端部306を管312の軟化可能端部分310に固定する方法が図55−58に図示されている。端部分310は、加熱された工具314に挿入され、管状編組308の端部306が図56に図示されているように開口端部部分310内に載置される。加熱工具314によって、端部分310を十分に軟化させ、これによって、マンドレル316を管状編組308を通って図57及び58に図示されているように加熱工具314の内部に挿入した時に、管状編組308の第1端部306が軟化可能端部分310に押し込まれて、管/編組材マトリクス316を形成する。その結果得られる結合により、管312の外径又は内径のいずれにおいて僅かな変化があっても強力で密着した結合が形成される。
加熱工具314は、電気抵抗加熱やRF加熱を含む、種々の従来式又は非従来式方法で加熱することができる。加熱工具314を所望の温度に維持するためにセンサやフィードバックループを使用することが可能であるが、加熱工具314は、この工具を所望の作動温度に維持するべく所望の作動温度でのキュリー温度を有する材料から形成することができる。
径方向拡張及び収縮可能管状装置の形状は、図59及び60に示されているように制御することができる。図59は、漏斗状の、径方向拡張及び収縮可能管状編組装置320を図示している。この装置320は、径方向拡張状態時において、その長さに沿った異なる位置、例えば、位置322,323,324、等において異なる断面積を有する。この装置320は、自然に、又は、加熱や、物理的操作等の外力又は刺激によって、径方向拡張又は収縮可能である。含浸材料326の厚みを変化させることによって、所望の形状を達成するべく径方向拡張に対する抵抗を調節することができる。例えば、装置320は、位置322で最も厚みが大きく、位置323と324で次第に厚みが減少し、位置324を超えた位置では材料が無い、材料326で作成されている。図60は、装置の近位部分334と遠位部分335に沿ってエラストマ材332を有して装置330のための拡張径ボウリングピン状形状を形成している管状編組装置330を図示している。材料326,332の適用によってその長さの少なくとも一部分に渡って変化する厚みを有する材料が得られるが、この適用によって、一定の厚み又は有限数の厚みを有する材料が得られる。例えば、同じ又は異なる厚みで、同じ又は異なる軸心方向間隔を有する材料の多数のハンドを、編組材に塗布することができる。又、伸縮耐性特性が同じ又は異なる、別の材料を使用することも可能である。前記材料は、概して弾性又は、概して、非弾性、或いは、それらの組み合わせのものとすることができる。一般的は、含浸材326を使用することが好ましいが、編組の外側表面、又は、適切に取り付けられる場合には、編組の内側表面上に適切な径方向拡張抑制材を塗布することができる。
一部の場合、熱可塑性膜に対して形状を付与し、これを、その後、管状編組部材やマルコット部材などの径方向拡張部材と共に使用して、径方向拡張可能部材が所望の径方向拡張形状を達成することを補助するように構成することが望ましいかもしれない。図61及び図62は、内側及び外側管338,340と、これら管338,340の遠位端部の管状編組部材342とを備える径方向拡張可能装置336の使用を図示している。装置336は、工具であり、これは、同じ作用を奏する、マルコット装置などの他の工具によって置き換えることが可能である。管状編組部材342上には熱可塑性膜344が配設され、部材342は、図62に図示されているように径方向に拡張される。典型的には加熱及び冷却サイクルによって、熱可塑性膜344に対して曲がり(set)が与えられるが、この曲がり(set)を与える方法は、概して、熱可塑性膜344が形成されている材料によって決められる。膜344は、弾性材又は非弾性材とすることができる。熱可塑性膜344は、例えば、管状膜を部材342上で摺動させることによって、又は、管状編組部材342(又は、そのような他の工具も使用可能である)を熱可塑性液体材料によってコーティングすることに、によって塗布することができる。後者の場合、管状編組部材342と熱可塑性膜344との間に単数又は複数の分離層を使用することが望ましいか、又は、必要であるかもしれない。
吻合医療機器
本発明のこの態様は、体内において組織片をバイパス、結合又は再結合するのに特に有用な、装置/インプラントに関する。更に、本発明のこの態様は、体内の管状構造をバイパス又は再結合するための手段に関する。前記システムは、冠状動脈バイパス外科手術、特に、ポート−接近CABG外科手術において血管移植片と上行大動脈との間の吻合を行うための利用可能である。或いは、それは、体内の任意の病変脈管(血管又はその他の脈管/管腔)をバイパスするために使用することができる。第1の構成は二つの部分、即ち、標的血管壁に対する付着部を形成するためのアンカー部材と、バイパス移植片との付着部を形成するための結合部材、とを有する。前記移植片を付着させた状態で、前記結合部材を管に挿入することによって吻合が完了する。本発明の第2の特徴は、脈管が取り付けられ、標的脈管の外側表面に接触する、拡張可能フランジを備える吻合継手を含む。調節された量の圧力が拡張可能機構によって付与され、次に、この機構は、標的脈管を把持し、吻合機構と標的脈管との間に洩れの無い封着を形成する。本発明の第3の特徴は、吻合を形成するべく標的脈管の壁に取り付けられるために拡張可能吻合装置に組み込まれたフックを取り付けることによって、脈管が取り付けられるフランジを有する。吻合部位における移植片を、開口部を有する標的脈管に封着又は結合するための方法が提供される。この方法は、変形可能な材料から成るとめ金具を、移植片の遊離端部分(free end portion)の径方向近傍に位置決めする工程を含む。前記材料は、この材料にエネルギが付与された時に、小寸法状態と大寸法状態との間で変形可能である。前記方法は、更に、前記装置の少なくとも前記遊離端部分を、前記標的脈管の前記開口部を介してこの標的脈管内に挿入する工程を有する。前記装置の前記遊離端部分は、径方向に拡張されて、標的脈管の内壁にぴったりと接触する。上述した方法と装置は、本発明のための貼付の図面に少なくとも概略的に示されている。
本発明の別態様は、特に、体内での中空導管の吻合修復のために構成されている。例えば、もしも体内の管状導管が、部分的、一般的、相対的、又は完全に、遮断、病変、制限、等の状態である場合、その好適解決手段は、その病変導管の除去と、その後の吻合修復、又は、恐らくは、その導管の疑わしい部分を結合、再結合、又はバイパスのために本発明を使用することが可能な箇所でのバイパスによる吻合修復である。
病変導管が除去され、導管が、再結合又は、他の吻合又は合成導管(或いはそれらの組み合わせ)によって置換されることが好ましい場合、これらの実施例によって、医師は、体内の導管の残りの端部内(又はその上)に径方向拡張可能管状構造を挿入することが可能となる。恐らく、その径方向拡張管状構造は、それが完全には拡張されないか、又は、部分的に径方向収縮した状態(又は、少なくとも、いくらか径方向に収縮した状態。但し、これは本発明のための状態ではないが)で脈管内に配置されるであろう。但し、この場合、装置は、少なくとも脈管の内径に等しいか、それよりも小さな状態、但し、より大きな可能性としては幾分僅かに収縮した状態、でその脈管の両端部(恐らくは、それらの脈管を互いに引き寄せて)内に配置されることになる。装置の両端部は、フック又はその他のとめ金具を備えることができ、或いは、この装置が臓器の導管に取り付ける(又は取り付けない)ことが可能である他の接続領域を備えることも可能である。更に、今日入手可能な組織接着剤が恐らく使用され、実際に、ここに教示される手続きにそれらを組み込むことができる。これは、物理的、化学的、又はその他の手段によって補助することが可能であり、或いは、全くなんの接続も必要ではないかもしれない。なんらかの接続機構が使用される/必要である場合、それらの機構としては、非限定的に、フック、縫合、ホッチキス、接着剤、物理的インターロック、摩擦、圧縮、等が含まれる。
本発明は、個々の網糸から編成された管状メッシュ織り、又は編組の使用によって増強することができる。そのような編組の使用は工業と、医療機器/インプラントとの両方において一般的である。例えば、米国特許第6,179,860号、第6,221,006号、第6,635,068号、第6,258,115号及び第6,450,989号、を参照。
上述の段落において記載した前記管状メッシュ編組の1つの具体的な利点は、それが管状に収縮、拡張できることにある。この開示においては、管状編組部材とそのコーティングの記載が下記に含まれている。(前の段落に記載の、更に、下記に記載のコーティングは、必要又は不要であるかもしれない)。更に、前記「コーティング」に代えて、又は、それに加えて、前記編組を、複数(18−144又はそれ以上又は以下)の「網糸」で、これらの網糸の一部がコーティングとして作用し、従って、それは全くコーティングではなく、実際の編組メッシュの一部となるように構成することも可能である。
前記管状編組部材のこの収縮/拡張現象は、本実施例において有用であるかもしれない。例えば、特定の長さの編組を特定の直径で形成することが可能である。前記編組は、それを幾分、伸張状態に引っ張ることによって伸縮又は延長可能である。これによって、編組の直径が収縮し、従って、体内の管状導管(単数又は複数)内に容易に適合することが可能である。その後、編組を弛緩させ、その直径を所定の直径、又は、臓器導管の内径、にまで径方向に拡張させることができる。反対に、前記編組を、臓器導管よりも小さな特定の直径で作り、次に、これを圧縮させて、導管を結合又再結合するべくそれを適当な直径にまで径方向に拡張するように構成することも可能である。この圧縮又は張力は、所望の場合には、編組を、適当な時間、拡張状態に維持することによって、恒久的に制御することができる。勿論、これは、管状編組部材に関する下記の説明、又はその他の箇所に記載されているように、編組の「記憶」を使用して制御することも可能である。或いは、編組を、好適な状態に維持する物理的取り付けによって、延長/小径又は短縮/大径状態に維持することも可能である。
前記管状メッシュ編組は、非限定的に、PET、シリコン、ナイロン、ポリエステル、マイラ、等のポリマー、ステンレス鋼、エルジロイ(Elgiloys),NiTi(ニッケルチタン合金、TWSM(二方向形状記憶:Two Way Shaped Memory)と超弾性(Super Elastic)NiTiの両方)等の金属又は合金、等を含む、現在、医療機器産業において使用されている、又は、より新しい、これから発表又は発見される材料、の多種多様な材料から形成することができる。
更に、これらの径方向拡張装置及び方法は、その管をそれぞれ圧縮又は拡張状態にすることによって容易に拡張、収縮することが可能な、一般に、マルコット構造と称されている「スリット管」構造によって達成することができる。
更に、これらの径方向膨張機構は、その小/収縮状態において、材料の壁が収縮して互いに接触(シナモンロールのように)し、その大径状態において、その壁が互いに接触しない、「シナモンロール」のような材料の巻き付けによっても達成することができる。このシナモンロールは、シート材(多孔性、穴、カバー、フィルム、膜、薬剤、化合物を備える)を小径の管/円筒状状態に「ローリング」し、その後、所望の箇所において、そのローリングされたシートが少なくとも部分的に所望の管状構造に「巻き戻る」ことを許容することによって達成することができる。
更に、本発明と方法は、その幅よりも長さが大きなシート材(例えば、リボン)によっても達成することができる。次に、その長い寸法を、それを小さな円筒状マンドレル(又はその他の手段)の周りに「巻きつけ」ることによって管状形状となるようにプログラムし、その小状管状形状に維持するべく処理する。その後、所望状態において、小径管は、より大径の管状形状となるように操作することができる。これを達成するための1つの方法は、上述のTWSM NiTiを使用するものであり、米国特許第6,258,115号に「多孔性ステント」として開示されているものである。
すべての場合において、これらの機構は、弾性又は非弾性材のフィルムによって被覆することができる。更に、このフィルムは、前記機構を被覆する代わりにこれらの機構に組み込むことが可能である。そのようなフィルム、カバー、その他の組み込み材料としては、非限定的に以下のものが含まれる。即ち、シリコン、ナイロン、ポリエチレン、編込み(wovens)、ハイブリッド、PET、編成金属(woven metal)、PTFE類、拡張可能PTFE、FEP、テフロン(登録商標)、ハイドローマ(hydromers)、コラーゲン、ポリマー、バイクリル(vicryl)、自原的物質(動物、ヒト、又は植物)のような生体吸収性材類。
その遠位及び近位端部(又はそれらの近傍)で、拡張可能通路装置を通って、又は、それに沿って延出することが可能な支持ワイヤ(単数又は複数)を設けることができる。これらのワイヤは、径方向拡張可能部材の展開、又は展開解除を補助するために使用することができる。更に、これらのワイヤは、ホスト内の好適位置にある時に、その好適状態を維持することを補助するために使用することができる。前記支持ワイヤ(単数又は複数)の数は、一本、二本、三本、四本、又は、それ以上とすることができ、管状構造の内部又は外部に配置することができる。それらは、前記機構を、それが小径又は大径状態になることを許容する伸張又は圧縮状態にするために使用することができる。これらのワイヤは、前記機構を所望形状に維持するべくそれらを恒久的に取り付けることによって、その所望形状を維持するために恒久的に取り付け可能に構成することができる。前記コアの遠位端部は、環状編組部材(又はここに開示されるその他の機構)の遠位端部に取り付けられ、前記シェルの遠位端部は、環状編組部材の近位端部に取り付けられる。これにより、前記コアとシェルとを互いに対して相対移動させると、編組部材が、小状態での体内への挿入に有用な、径方向収縮位置から、体内の通路の側壁へと拡張する、径方向拡張位置へと移動する。
本発明のこの態様によって作られる装置は、体の、管状通路(動脈、静脈、胆道、尿路、胃腸管、ステント、移植片、洞(sinuses)、鼻咽腔、心臓、耳、等)又は中空腔(胃、胆嚢、膀胱、腹膜等)への介入に使用される。更に、本発明は、非限定的に、乳房、肝臓、脳、すい臓、肺、等を含む中実、又は半中実組織においても有用である。それは、手術室、外科病棟、介入処置病棟、救急室、患者のベッドサイド、等の環境での使用に便利である。この装置の一好適実施例は、前記可変軸を、通常は、経皮的接近又は外科的切開を介して体内の組織、管状通路又は中空腔へ挿入するものである。自然に体内に出入りする管腔の場合、前記装置は、それらの入口又は出口通路(即ち、直腸口、口、耳、等)のいずれかを通して導入することができる。
更に、溶解剤(lytic agent)、レーザエネルギ、分解剤(dissolving agent)、動水補助、機械的攪拌、振動、超音波エネルギ、の使用などの除去補助、又は、除去支援のための其の他任意の種々の補助のような、他の技術を使用することができる。その技術/除去がうまく作用することを補助するべく、画像増強(超音波、螢光透視法、MRI等)も使用可能である。更に、カメラや内視鏡を使用した直接的な透視も使用可能である。
更に、ここに開示される材料は、なんらかの混成物弾性/非弾性又は迎合的(compliant)材料とすることができる。更に、前記バルーンを、このバルーンによって引き起こされる外側径方向力を補助するなんらかのその他の機械的下位構造によって補助することが可能である。更に、バルーンが使用される場合、マイラー、ペット(pet)、ポリエチレン等のポリマー薄片などの単繊維を使用して、バルーンの膨張時に所望の作用(形状など)を作り出すことができる。これらの構成の全てに、その外表面に、組織に対する妨害物又は付着物の除去を補助する粗面の織地を設けてもよいし、設けなくても良い。或いは、上述した構成の全てが、膜である前記拡張可能機構上に、粗面処理された又はされない、別体又は追加の材料を塗布されたものとすることができる。前記拡張可能機構上の前記粗面処理表面は、製造環境において容易に達成される。そのような方法の1つは、前記ポリマーの液体スラリ中に、その硬化前に、泡を作り出す方法である。もう一つの方法は、液体ポリマーの表面に、その硬化前に、溶解可能な結晶を添加する方法である。これらの溶解可能な結晶は、その後、ポリマーの硬化後に、除去(洗い流す)ことができる。
前記拡張可能機構のための使用することが可能なもう一つの構成は、マルコットとして知られている機構(単数又は複数)である。このマルコットは、カテーテルにおいて、それらを位置保持(管を腸又は胃に供給する場合)するために使用される一般的構成である。それは、1つ以上、通常は二つ以上の対称対向配置されたスリットを備えるポリマー管である。マルコットの遠位先端部を圧縮状態にすると(通常は、内側ワイヤ又はマンドレル又は管を引っ張ることによって)、ポリマーの側部が外側に押されて、遠位端部に大径を作り出す。この大径は、装置の本体/軸よりも大きい。マルコット式構造の場合(上述した膨張可能機構の場合と同様に)、マルコットの表面を粗面処理したり、或いは、別体の膜(付着されたもの、又は付着されないもの)をマルコット上又は下に配置してそれを粗面処理又は強化することができる。更に、マルコットのリブ又はウイングの表面積を増加させるために、マルコットのリブ又はウイングを接続する膜を容易に作ることができる。
更に、前記拡張可能機構の更に別の構成は、前記マルコットに対する類似性を有するが、遠位端部に多重鎖編組を使用するものである。編組が圧縮状態にされると、編組は互いに引っ張り寄せられ、広がって、それは遠位端部において大径を作り出す。編組の穴がゼロ状態から大きな穴/孔へと変化するように編組に沿って穴サイズを変化させることによって、編組は容易に改変される。これは、編組を金属とポリマーとで編組し、ポリマーを溶解して除去するか、又は、単純に、編組中に、編組産業において一インチ当たりのpicsとしても知られている異なる孔サイズを作り出す異なる速度で編組することによって、達成することができる。これは、プログラム可能な編組機を使用することによって編組することでオン・ザ・フライ式に容易に達成される。前記一インチ当たりのpicsは、管状メッシュ編組が編組されている時間とともに変化する。この変化する孔サイズは、本発明にとって多数の利点を有するかもしれない。それは、必要な時に多孔性を停止させ、それが必要な時に、多孔性を許容することを助けることができる。例えば、ある時には管状体構造と接触する内部成長が望まれ、又、洩れの無い環境(恐らくは、付着される二つの管状構造間又はバイパス時)を達成しようとしている時には多孔性が無い、ようにすることが可能である。
或いは、前記編組又はマルコットは、それが通常は、大径で開口するように恒久的な曲がり(set)を組み込まれたものとすることができる。この場合、それを伸張状態にすると(通常は、なんらかの内側(又は外側)コアワイヤ又はマンドレルから)、それは装置の軸の直径にまで萎む。
或いは、前記機構(単数又は複数)の表面上での研磨作用があまりにも大きすぎると患者に対しても有害であるかもしれない。編組構成の場合、その有効な障害除去のために適度な量の摩擦が実現されるように、なんらかのスムーザが必要であるかもしれない。更に、どのタイプの機構(単数又は複数)であっても、その実現される厳正性を特定の用途におけるこの除去のために最適化する必要がある。
径方向に萎縮可能な管状通路は、複数の材料及び構造から作ることも可能である。1つの好適な構造は、多重鎖編組装置である。前記鎖は、特定の用途のために有用な任意の材料(ポリエステル、ナイロン、マイラー、等のポリマー)、或いは、金属(ステンレス鋼、ニッケルチタン合金(ニチノール:Nitinol)、プラチナ、等)から作ることができる。勿論、潜在的に有用な材料は、ここにリストした材料に限定されるものではない。前記機構通路は、弾性または他のカバー部材でコーティング又は包まれる。更に、前記機構通路は、前述した編組のものとは異なる力によって拡大する材料から作ることができる。そのような力派生機構の一例は、湿性環境に置かれたときに、膨張/拡大する材料とすることができる。そのような力派生機構の別の例は、ニッケル−チタン合金などの二方向形状記憶合金:Two Way Shaped Memory Alloy (TWSMA)等の熱が付与された時に膨張/拡大する材料である。更に、別のものとして、電気、磁気、又はその他の物理的構成/設計/力から派生するものとすることができる。
管状編組部材
上述した機構は、長手管、管内の長手マンドレルと拡張可能管状編組、を含む。前記長手マンドレルは、装置の近位端部から遠位端部へと延出する。前記長手管は、通常、装置の近位端部の近傍から遠位端部の近傍まで延出する。前記管状編組の遠位端部は、内側長手マンドレルの遠位端部に結合されている。前記マンドレルは、管状編組を超えて延出することができる。管状編組の近位端部は長手管の遠位端部に結合されている。
前記編組は、開放状態とすることも可能であるが、シリコンゴム、ラテックス、ポリエチレン、熱可塑性エラストマ(Consolidated Polyer Technology社から市販されているC-Flex等)、ポリウレタン、等、の弾性、概して非弾性、可塑性、又は可塑変形可能な材料のコーティングによって、積層又は被覆することも可能である。管、マンドレル、編組のアセンブリは、その径方向圧縮状態で経皮的に導入される。この状態において、編組の外径は、長手管の外径に近い。この直径は、10−500ミル、通常、25−250ミル(即ち、1000分の1インチ)(.25−12.7mm、通常、.64−6.4mm)の範囲である。挿入後、マンドレルを管に対して近位側に移動させると、管状編組が拡張する。
前記管状編組は、好ましくは、個々の非弾性単繊維(編組産業では「網糸」と呼ばれている)のメッシュとして形成される。しかし、ある種の特性を作り出すべく、それに、いくらかの弾性単繊維を編みこむことも可能である。前記非弾性網糸は、ポリエステル、PET、ポリプロピレン、ポリアミド繊維(デュポン社のケプラー(Kevlar))、多層単繊維巻組ポリマー、押出成形ポリマー管(ゼネラルエレクトリック社から市販されているナイロンII(Nylon II)やウルテム(Ultem))、ステンレス鋼、ニッケルチタン(ニチノール)等の材料として、軸心方向に収縮によって編組の径方向拡張が起こるようにすることができる。これらの材料は、そこから物質を除去している間、管状編組部材が体内の管腔内でその拡張状態に維持されるように十分な強度を有する。更に、これまで記載したすべての拡張可能機構は、或る温度又は熱エネルギがそれらの機構に付与された時に、自動的に拡張又は、拡張可能であるように、形状記憶材料を使用して製造することができる。そのような材料特性は、非限定的に二方向形状記憶(Two Way Shape Memory:TWSM)合金を含む、様々なプログラム方法で達成することができる。
前記編組は、円形単繊維、平状又はリボン状の単繊維、角単繊維、等の、従来式構造とすることができる。非円形単繊維は、好適な表面積構成を作り出すための拡張のために必要な軸心方向の力を減少させるため、又は、管状編組の壁厚を減少させるために、有利であるかもしれない。前記単繊維の幅又は直径は、約0.5−50ミル(.013−1.3mm)、通常は、約5−20ミル(.13−.51mm)の範囲である。適当な編組がいろいろな市販供給業者から市販されている。
前記管状編組は、通常、網糸キャリアの「メイポール」ダンスによって形成される。前記編組は、交互にその上下を通過して表面上にジグザグ様式を形成する二つのシステムの網糸から構成される。一方の網糸システムは、生地軸に対して時計回りに螺旋状に移動し、これに対して、他方の網糸システムは、反時計回りに螺旋状に移動する。その結果得られる生地が管状編組となる。管状編組の一般的用途は、レース織物、電気ケーブルカバー(即ち、絶縁と外装用)、「Chinese hand-cuffs」、及び合成材の補強、である。バランスのとれた、トルクの無い生地(管状編組)を形成するには、その構造は、それぞれの螺旋方向において同数の網糸を含まなければならない。前記管状編組を平らに押し付けて、二重の厚みの生地片を形成することも可能である。本発明の管状編組に使用される編組織りは、好ましくは、「交差反復(intersection repeat)」と呼ばれている網糸の1/1交差様式を有する、「二次元、管状、ダイヤモンド編組」として知られている構造のものである。或いは、2/2交差反復の標準的な編組、と3/3の交差反復のヘラクレス編組(Hercules)も使用可能である。いずれの場合でも、編組が拡張するとその捻れ角(管状編組の軸心と網糸との間の角度)は増大する。更に、生地の安定性を補助し、伸張及び圧縮特性及び係数を改善するべく、編組網糸内で、軸心に対して平行に、長手「(Lay-In)」網糸を追加することができる。これらの長手「(Lay-In)」網糸の特性が弾性である場合、管状編組は弾性編組として知られる。これらの長手網糸が硬質である場合、生地は硬直した編組となる。本発明のもののような二軸で編組された生地は、寸法的には安定的ではない。これが、その編組を弛緩状態(それを圧縮状態にする場合)から拡張状態に置くことが可能な理由である。或いは、これは、弛緩状態から伸張状態に置かれたときに減少/縮小(編組径の減少)状態とすることも可能である。伸張状態(又は圧縮状態)にされた時、編組は最終的には、その直径がそれ以上は減少しない状態に到達する。これは、「ジャミング状態(Jammed State)」と呼ばれる。応力−ひずみ曲線上において、これは、増大係数(increase modulus)に対応する。編組に関する工学的分析の多くは、構造/編組の「ジャミング状態(Jammed State)」を使用して計算される。これらの計算は、当業者が、特定の所望の特性を有する編組を設計することを助ける。更に、材料特性は、引っ張り強度、剛性及びヤング率である。大半のケースにおいて、材料特性を変化させると、管の拡張状態が径方向に及ぼすことができる力が変化する。更に、個々の網糸間の摩擦は、管状編組を圧縮及び圧縮解除するための必要な力に影響を及ぼす。本発明においては、摩擦を、ユーザが係合部材をほとんど困難無く展開することができるように選択された網糸に対して比較的低いものとすべきである。これは、係合部材がユーザからかなり離れた位置にある場合に特に重要である。そのようなケースは、経皮的導入が鼠径部(血管介入のための大腿動脈)であって、係合部材に係合する箇所がいくらか離れている場合(即ち、首の頸動脈)であるケースである。同様に、これは、血管又は経皮用途ではない長距離の場合にも当てはまる。
管状編組のコーティング
この開示全体を通じて、管状編組は、編組の個々の単繊維内で多孔性又は可変多孔性を持たないように材料によってコーティングすることができると記載される。このことは、本発明の重要な構成であって、ある種の場合においては必須でありうる(即ち、ガンが小さな穿孔穴から除去される時、ガンは管に沿って播種されるかもしれないので、ガン組織が管状編組の壁を通して漏れることが出来ないようなしなければならない。これは、腹腔鏡下の外科手術の場合においても同様に重要である。事実、多くの場合、ガンが明白である場合でなくとも重要である。)。管状編組を被覆する1つの単純な方法は、それに管材料を取り付けることである。これを本発明の模範タイプに行ったところ、非常にうまくいった。エラストマ及び非弾性カバーが使用された。いくつかの場合は、熱可塑性カバーを使用し、その後、その管状編組に沿って熱と圧縮力とを加えてそれを編組単繊維へと溶解させた。これはうまく行く。編組は、マンドレルを管状編組内に摺動させることによって、その元の小径状態から拡張された。編組が拡張されると、非限定的に、シリコンゴム、ラテックスゴム、を含む液体熱硬化性エラストマ、又は、非限定的に、ポリウレタンを含む熱可塑性材料を、噴霧、液浸(dip)、ブラッシング、その他の方法によってコーティングした。前記材料が硬化したとき、マンドレルを除去し、管状編組をその両端部で引っ張る(圧縮状態にする)ことができ、管状編組はその後、その元の径に戻る。これは複数の理由により重要である。即ち、ここに記載の方法によって、前記材料を、単繊維の上からではなく、単繊維の内部から塗布することが可能となる。これによって、その上にカバーを置くのに対して、管状編組の全体径が大幅に減少する。更に、単繊維上に対して、単繊維間内での材料の保全性が増大する。なぜなら、拡張可能通路が前方に押される時、材料が編組内に隠れ、従って、それに対して作用する組織の力が見えないからである。編組上にカバーを使用すると、押し操作中の力は編組上のカバーに直接に伝わる。更に、信頼性と製造コストとが大幅に改善される。更に、そして極めて重要なことは、カバーではなく、硬化する液体、又は、溶解して編組となる熱可塑性カバーを使用することによって、管状編組に沿って多孔度を変化させることが可能となるという事実である。これは、可変多孔度が望まれる場合において極めて重要である。
装置テスト
これまで開示した、そしてこの開示に適した寸法の、材料から前記機構の模範タイプを作成した。
更に、複数の異なるタイプの管状編組を、上述したポリマーエラストマ及びインエラストマ(非弾性物質)、によってコーティング/カバーした。1つのケースにおいて、編組を、その弛緩した小径状態よりも幾分大きな状態にまで拡張した。これは、テフロン(登録商標)マンドレルを使用して達成された。管状編組をこの幾分拡張した状態にして、アセンブリを液体シリコンゴムによってコーティングした。それが乾燥された時、元の小径状態が再び達成されるようにシステムを伸張状態とすることによってアセンブリを延伸させることができた。その後、それが拡張するように、それを、圧縮状態、従って、短縮状態として、編組を、この編組の単繊維間に穴が無いようにするべくカバーした。更に、管状編組の全径は、恐らくは、.0001”(.0025mm)以外には増加しない。更に、捕捉装置を作成し、これにより、管状編組が展開/拡張状態にある時に、前記シリコンゴムを管状編組上に噴霧又は塗装した。乾燥後、アセンブリを、容易に、展開解除し、更に、単繊維間に穴無しで、再展開することができた。最後に、管状編組を上述したように、編組に沿って可変多孔度を作り出すように部分的コーティングのみによってコーティングした。更に、多重鎖編組管を、熱可塑性材料と金属材料とから成る100本の個々の網糸を使用して編組した。編組が完了後、個々の網糸を、多孔度を変化させるため除去した。或いは、金属網糸と熱可塑性材網糸との組み合わせが使用された時は、熱可塑性網糸を加熱し、管状編組から溶解して除去し、より溶解温度の高い金属又はポリマー(又は、熱硬化性ポリマーの場合は、より温度耐性の高い材料)を残し、金属又はより温度耐性の高い材料をそのまま残すことによって、孔径を変化させた。
装置の一例は以下の特性を有する。
作用長
10−500cm
作用径
前記拡張可能機構は、.006”−.450”(.15mm−1.14cm)の範囲の外径を有するが、技術及び処置の必要に応じて、それよりも小さな又は大きな寸法にまで及ぶことができる。本発明の拡張可能機構は、非展開状態においては、.020−.090インチ(.51mm−2.3mm)の範囲と小さいが、その十倍又はそれ以上の大きさの直径にまで拡張可能である。
物理的構成
本発明の装置は、標的体内管腔への導入を促進するべく、例えば、ヒアルロン酸又はその均等物のコーティング等の従来式の潤滑性コーティングを備えることができる。更に、技術者は、外科治療の前に潤滑性コーティングを塗布することができる。又、その装置、更に、上述の装置と共に、感染および/又は拒絶反応の減少等の種々の理由で、種々の薬剤を使用することができ、そして、いくつかの血管状態によっては薬物溶出機構が狭窄、若しくは再狭窄の防止を補助するため添加される。そのような薬剤又は化合物としては、非限定的に、シロリムスがあり、これは、臓器移植の拒絶反応を防止するために通常使用される免疫抑制剤であり、瘢痕組織が成長している可能性のある期間に渡ってステントから脈管壁内へと溶出する。化学療法剤である、パクリタキセルも使用可能である。このパクリタキセルは、徐々に冠状動脈内に直接放出されて再狭窄プロセスを防止するものであるが、これは、装置をコーティングするのではなく、材料をポリマー内に埋め込むことによって達成することができる。このことは、シロリムス(Siolimus)にも当てはまる。
本発明の一利点として、前記装置は、その縮小サイズにより、体内の所望の位置への供給が容易である。本発明のもう一つの利点は、それによってバイパス処置又は吻合処置を容易に達成することができることにある。それは、又、開口、外科的処置ではなく、経皮的に行うことができる。過去数十年間、経皮的介入処置は、開口外科的介入処置と異なり、罹患率と死亡率との大幅な低下を示すものであることが証明されてきた。この困難性の減少によって、手術室での時間によるコスト(手術室のコストは、米国において毎分90ドル以上であると推定されている)が減少するであろう。
図63は、その第1端部354に固定された管状編組アンカー部材352を備える管350を有する吻合医療機器348の遠位端部を図示している。装置348は、更に、管350の第2端部356を超えてこの管350を貫通して延出して、図64及び65を参照、アンカー部材352の遠位端部358に接続された、アクチュエータ355、を有する。拡張器360が管350を通過してこれは、患者の管状構造364の比較的小さな開口部362を通して医療機器348を案内することを助ける。図63は、血管を貫通して疾患妨害物366の近くにある状態の装置348を図示している。最後に、この装置348は、拡張器360の中心を通過するガイドワイヤ368を有する。正しく位置決めされた後、拡張器360とガイドワイヤ368とを取り除き、図65に図示されているようにアクチュエータ355を引っ張り、アンカー部材352を図66に図示されているように拡張させる。所望の場合、前記アンカー部材352を、例えば、熱、等の付与によって、自動拡張又は拡張可能とすることができる。図67は、アンカー部材352を位置固定することを補助するべく展開されたフック370を備えるアンカー部材352を図示している。これらのフック370は、先ず、それらを遠位側に押し、次に、それらを近位側に引っ張って管状構造364をロック/フックすることによって、又は、これらフックを露出させるべくアンカー部材352を軸心方向に収縮させることによって、展開することができる。尚、アンカー部材352が位置固定された時に、管状構造364は、径方向に拡張された状態で図示さているが、管状構造のそのような膨張は必要ではないかもしれない。
管状メッシュ編組372の一例が図68と図69とに図示されている。この編組372は、矢印374,376によって示されているように圧縮/伸張力によって、或いは、製造中の編組372の永久ひずみ(permanent set)によって、1000%、その直径が容易に変化することができる。或いは、所望の場合、この直径の変化を作り出すために、温度変化、又は、電気的、機械的又は磁気的な力を使用することも可能である。図70は、フック378を備える管状メッシュ編組372を図示している。フック378は、編組372の短縮によって展開することができる。この短縮は、上述したその他の拡張可能機構でも、このフック展開をそのような他の拡張可能機構を使用して達成できるように、起こさせることができる。
吻合医療機器348は、患者の体の外部に位置する第2端部356を備えて単一の管状構造への接近を提供することができる。しかし、患者の体に二つの吻合医療機器340を使用して、これらを患者体内の二つの異なる管状構造に接続したり、あるいは、同じ管状構造の一部をバイパスするために使用することも可能である。いずれの場合にも、前記二つの吻合医療機器348の第2端部256は、適当な方法で互いに固定される。下記の図71−74は、患者の管状構造の端部を結合するための種々の構造を図示しており、これらの構造は、適当な場合、第2端部356を結合するためにも使用することができる。
図71は、切断された管状構造364の両端部382,384をカバーする管状編組式の吻合医療機器380を図示している。端部382,384は、接当状態で図示されているが、これらは互いに分離することも可能である。この医療機器380の弛緩状態は小径状態であり、これにより、装置380は管状構造364を圧迫して端部382,384を位置保持する。所望の場合、装置の中心部分を、液体不浸透性にすることができ、或いは、この装置全体を液体不浸透性にすることも可能である。図72は、端部382,384を結合するための管状構造364の内側における径方向外方拡張吻合医療機器386の使用を図示している。両端部382,384は互いに分離しているか、又は、図72において破線によって示されているように互いに接当することができる。装置386の適当な部分は、通常、漏出を防止するべく液体不浸透性である。所望の場合、径方向内方拡張装置380を管状構造364の外側に使用し、径方向外方拡張装置386を同じ接続部において管状構造364の内側に使用することができる。図73及び74は、吻合医療機器380,386を図示しているが、ここでは、これらにはこれら吻合医療機器を位置固定するのを補助するためのフック378が追加されている。上述した機構の機能を補助するために、種々の膜、フィルム、織物又はコーティングを使用することができる。異なる用途のためには複数の多孔度も有利であるかもしれない。又、上述の装置とともに、薬剤及びその他の治療剤を使用することも可能である。
図75は、直線状管形状の可変多孔度吻合装置388を図示している。図76は、テーパ管形状の可変多孔度吻合装置390を図示している。そのような構造を体内の通路内に配置した場合、中央部分では小さな孔を有し、外側端部では大きな孔を有することが望ましいかもしれない。上述した種々の吻合装置に使用される材料は、その特定の吻合用途に応じて、全非吸収/分解性、全吸収/分解性、又は、これら二つの組み合わせとすることができる。
図77及び図78は、径方向収縮及び径方向拡張状態のマルコット式吻合装置392を図示している。装置392は、4つのスリット393を備えたものが図示されているが、径方向拡張のために二つ以上で十分であるかもしれない。図79及び80は、装置を、それぞれ、径方向収縮状態と径方向拡張状態とにするべく、装置392に対する、矢印376によって示される伸張力と、矢印374によって示される圧縮力の付与を図示している。
図81及び図80は、図中に矢印によって示されているように外側管400内で内側管398を摺動させることによって、図81及び図82の径方向収縮及び径方向拡張状態に配置することが可能な可変多孔度編組396を備える可変多孔度拡張可能装置394を図示している。
図83及び図84は、図83では径方向収縮状態、そして図84では径方向拡張状態にある、可変径装置402を図示している。この装置402は、中実円筒に近似するためにほぼ連続した円筒状表面を提供するべくその螺旋リボン404の側方縁406が互いに近接、又はオーバラップするように構成された材料からなる螺旋リボン404を有する。図85は、コイル式円筒408の端面図である。
図86〜87は、外側管414に形成された二つのスリット412を有する自動拡張式、拡張可能通路吻合装置410を図示している。この装置410の拡張可能端部416は、内側管417を押すことによって、図86のその径方向収縮状態に維持可能か、又は、内側管417を矢印の方向に移動可能とすることによって、図87の径方向拡張状態となるようにできる。図88は、自然に図88の径方向拡張状態になるが、最初は、図示されない外側管によって径方向収縮状態に維持される吻合装置418を図示している。拡張したい時、外側管を引くか、その他の方法で除去して、拡張可能端部416の拡張を可能にする。図89−91の吻合装置420は、図86及び図87の装置に類似しているが、自然に図89の径方向収縮状態になる。この装置を径方向拡張状態にするためには、内側管417を図90に図示されているように引っ張る。図示はされていないが、これらの装置の拡張可能端部416内のスリット412によって形成される空間の全部又は一部を充填するために種々の膜、フィルム、等を使用することができる。
外側管424と、内側の自動拡張編組部材426とを備える吻合装置422が図92及び図93に図示されている。編組部材426は、最初、可変化および/又は潤滑化されたものとすることができる外側管424によって規制されている。外側管424を矢印428の方向に逆方向に摺動させるか、もしくは、編組部材426を矢印430の方向に押すか、それともこれらの両方の操作によって、編組426を拡張させることができる。図86,87に図示したもののようなマルコット、図83、84に図示したもののようなコイル式管状装置、図85に図示したもののようなコイル式の円筒状装置などの、その他のタイプの構造もこのようにして機械化することができる。
図94は、図63及び図66の管状編組アンカー部材352の別構成を図示している。吻合装置434は、内側拡張可能機構438又は、管状構造364の開口部362の周部に係合するために使用される、内側拡張可能機構438と外側拡張可能機構440との両方、を備える管436を有する。拡張可能機構438,440は、図示されているような管状メッシュ編組、又は、膨張可能バルーン、マルコット、コイル式の管状装置又はコイル式の円筒状装置などのその他のタイプの拡張可能装置とすることができる。
図95は、例えば、腹(bowel)や腸などの管状構造364内の内視鏡やその他の長手装置などの外部に取り付けられた管状メッシュ編組444を図示している。図96は、矢印によって示されているように編組上を押すことによって拡張状態にある編組444を図示している。前記内部装置(endo device)を進めることによって、管状編組444は、図97に図示されているように内部装置上に再び収縮される。
下記の特許請求の範囲に定義される本発明の主題から逸脱することなく、開示した実施例に対してその他の改造、改変を行うことが可能である。
上述したすべての特許、特許出願、印刷刊行物をここに参考文献として合体させる。