JP5805552B2 - 粒子線照射システム制御装置および粒子線治療システム - Google Patents

粒子線照射システム制御装置および粒子線治療システム Download PDF

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Description

本発明は、陽子や炭素イオン等の荷電粒子ビームを患部に照射して治療するための制御を行う粒子線照射システム制御装置および粒子線治療システムに関する。
近年、日本における死亡原因の約3分の1を占める癌の治療方法として、陽子や重粒子を用いた粒子線治療法が注目されている。この方法は、加速器から出射された陽子ビーム、あるいは重粒子ビームを癌細胞に照射することで、正常細胞にほとんど影響を与えることなく、癌細胞のみを死滅させることができる。
この粒子線治療装置において、体内患部に照射する線量を制御するために線量モニタが使用される。この線量モニタとして、粒子線のビーム形状を計測するために用いるビーム形状モニタが知られている。ビーム形状モニタには、例えば電離箱の電荷収集電極を複数の短冊状に加工したマルチストリップ型や、収集電極を複数のワイヤで形成したマルチワイヤ型が知られており、いずれもビーム形状に応じた分布が各ストリップ(マルチワイヤ型では各ワイヤ)より出力される。
このうち、特許文献1には、あらかじめ指定されたビーム位置、あるいはビームサイズの情報をもとに演算を行うチャンネルの範囲を限定し、限定されたチャンネルの出力値のみからビーム位置またはビーム形状またはビーム強度を算出することが記載されている。
特開2008−175829号公報
ここで荷電粒子ビームの照射方式としては、散乱体によってビームを広げた後に患部形状に合わせて切り出す散乱体方式や、細かいビームを患部領域内に走査させるビーム走査方式(以降、スキャニング方式と呼ぶ)が知られている。
スキャニング方式を用いた粒子線治療システムでは、荷電粒子ビーム発生装置で加速された荷電粒子ビームは、ビーム輸送系を経て照射装置に達し、照射装置に備えられた走査用電磁石で走査された後、患者の患部に照射される。
このスキャニング方式では、照射対象への照射量に対応して、荷電粒子ビームの出力を停止する。そして、停止した状態でエネルギーおよび走査電磁石を制御することにより荷電粒子ビームの照射位置(以降、スポットと呼ぶ)を変更し、この変更完了後に出射装置からの荷電粒子ビームの出力を再開させることで、順次照射位置を切替えながら照射対象(患部)に対しての照射が行われる。
また、健全な細胞への被爆を極力防止し、過不足ない正しい照射治療を行うために、照射装置には走査電磁石の下流側でかつ照射対象である患者の直前に、照射位置への荷電粒子ビームの照射量を計測する照射量検出装置として、ビームの通過位置を検出するビーム位置モニタおよび照射線量モニタが設置されている。
このビーム位置モニタは、一般に、ビームの通過によって電離した電荷量をコンデンサに蓄積し、スポット照射後にコンデンサに誘起された電圧を読み出す方式であることが多く、コンデンサの容量は、想定される照射線量の中で最も値の多いスポットでの電離電荷量を許容できるよう決められる。また、上記方式での分解能は、コンデンサの容量が小さいほど高くなり、大きくなるほど低くなる。
スキャニング方式の粒子線治療システムにおいては、照射対象をいくつかのスポット(照射位置)に分割することや、分割照射をするための照射回数と1回当たりの照射量を事前に設定し、1つのスポットに対する照射を複数回に分割して行っている。これにより、各スポットに対する1回の照射量(照射時間)を小さくし、ばらつきを抑え、より正確に実際の照射線量の検出および評価(線量分布等の評価)を行うことができるよう工夫が必要である。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ビーム位置算出に用いるストリップ・ワイヤを限定しているため、演算すべきデータ量が少なくなり、位置算出にかかる時間が短くなって、高速な制御が可能となるが、限定したストリップ・ワイヤでのビーム位置算出を行うのみであるため、ビーム位置・ビーム幅に異常があるかどうかをチェックしておらず、照射線量の検出精度に改善の余地がある。
本発明の目的は、ビーム位置モニタからの計測データの取り込みにかかる時間を短縮するとともに、照射線量の検出精度を向上させた粒子線照射システム制御装置と、それを備えた粒子線治療システムを提供することである。
上記目的を達成するために、第1の発明は、照射対象物に照射する荷電粒子ビームを走査する粒子線照射システム制御装置であって、前記照射対象物に照射される荷電粒子ビームを走査する走査電磁石と、この走査電磁石の上流側に配置され、入射する荷電粒子ビームの通過により電離したイオンペアの電荷量を検出する上流ビーム位置モニタと、この上流ビーム位置モニタの検出結果から前記入射荷電粒子ビームの通過位置を計測するとともに前記上流ビーム位置モニタによって検出された電荷量に基づいて通過した荷電粒子ビームの実測電荷量を計算する上流ビーム位置モニタ監視制御装置と、前記走査電磁石の下流側に配置され、前記走査電磁石にて走査された荷電粒子ビームの通過により電離したイオンペアの電荷量を検出する下流ビーム位置モニタと、この下流ビーム位置モニタの検知結果から前記走査荷電粒子ビームの通過位置を計測するとともに前記下流ビーム位置モニタによって検出された電荷量に基づいて通過した荷電粒子ビームの実測電荷量を計算する下流ビーム位置モニタ監視制御装置と、前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置と前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置の少なくとも一方から荷電粒子ビームの実測電荷量を取り込み、この実測電荷量の総和と目標線量値から算出した予測電荷量の総和とを比較し、その差が予め設定した閾値の範囲内であるかどうかを監視する手段を有するモニタ監視制御装置とを備えた。
また第2の発明は、第1の発明において、更に、前記実測電荷量と前記予測電荷量の総和との差が閾値の範囲より大きいときに荷電粒子ビームの照射を中断・完了させる第1インターロック機能を有する中央制御装置を備える。
また第3の発明は、第2の発明において、前記モニタ監視制御装置は、更に、前記実測電荷量と前記予測電荷量の総和との差が閾値の範囲内であるときは、次の照射スポットに遷移するための処理と並行して、前記計算した荷電粒子ビームの電荷量から荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅の演算処理を行い、この演算結果から荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅が異常かどうかの判定処理を行う。
また第4の発明は、第3の発明において、前記中央制御装置は、更に、荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅の少なくともいずれか一方が異常と判定されたときに荷電粒子ビームの照射を中断・完了させる第2インターロック機能を有する。
また第5の発明は、第2ないし第4のいずれかの発明において、前記中央制御装置は、更に、前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置および前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置を通過する荷電粒子ビームの目標位置を照射スポットごとに算出し、この算出結果を前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置および前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置に出力する。
また第6の発明は、第5の発明において、前記中央制御装置は、更に、前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置および前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置を通過する荷電粒子ビームの目標位置をモニタするチャンネル数を設定する。
また第7の発明は、第1ないし第6のいずれかの発明において、前記モニタ監視制御装置は、更に、前記上流ビーム位置モニタと前記下流ビーム位置モニタで検出した電荷量を計測するモニタ信号処理装置と、このモニタ信号処理装置にて計測された電荷量を荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅を計算するために収集処理する演算処理装置と、を備える。
上記目的を達成するために、第8の発明は、荷電粒子ビームを出射する荷電粒子ビーム発生装置と、この荷電粒子ビーム発生装置から出射された荷電粒子ビームを照射室まで導くビーム輸送系と、前記照射室で照射対象物の照射対象形状に合わせて荷電粒子ビームを照射する粒子線照射システム制御装置とを備える粒子線治療システムであって、前記粒子線照射システム制御装置として、第1ないし第7のいずれかの発明を備える。
本発明によれば、ビーム位置モニタからの計測データの取り込みにかかる時間を短縮するとともに、照射線量の検出精度を向上することができる。
本発明の粒子線治療システムの第1の実施の形態の全体構成を示す図である。 図1に示す本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する粒子線照射システム制御装置の概略を示す図である。 本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する下流ビーム位置モニタと、下流ビーム位置モニタ監視制御装置の概略を示す図である。 本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態におけるスキャニング照射方式での制御処理ステップを示すフローチャート図である。 本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する下流ビーム位置モニタで計測された照射ビームのビーム形状の概略を示す図である。 本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する中央制御装置および下流ビーム位置モニタ監視制御装置での制御データの概略の一例を示す図である。 本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する下流ビーム位置モニタ監視制御装置における制御処理ステップを示すフローチャート図である。 本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態と従来の粒子線治療システムでのビーム計測処理に関するタイムチャートを比較した図である。 本発明の粒子線治療システムの第2の実施形態を構成する下流ビーム位置モニタと、下流ビーム位置モニタ監視制御装置の概略を示す図である。
以下に本発明の粒子線治療システムおよび粒子線照射システム制御装置の実施形態を、図面を用いて説明する。
<第1の実施形態>
本発明の粒子線治療システムおよび粒子線照射システム制御装置の第1の実施形態を、図1乃至図8を用いて説明する。
図1において、粒子線治療システムは、治療室内の治療台10に固定された患者13の患部に荷電粒子ビーム(以降、ビームと呼ぶ)12を照射して治療を施すものである。
この粒子線治療システムは、荷電粒子ビーム発生装置1と、ビーム輸送系2と、粒子線照射システム制御系3等を備えている。
荷電粒子ビーム発生装置1は、イオン源(図示せず)、前段加速器(例えば直線加速器)1a及びシンクロトロン1bを有している。イオン源で発生したイオン(例えば、陽子イオンまたは炭素イオン等の荷電粒子ビーム)は前段加速器1aで加速され、前段加速器1aからシンクロトロン1bに入射される。この荷電粒子ビームは、シンクロトロン1bで加速され、設定されたエネルギーまでに高められた後、出射される。
ビーム輸送系2は、シンクロトロン1bから出射された荷電粒子ビームを粒子線照射システム制御系3に輸送するために、荷電粒子ビーム発生装置1の下流側に接続されている。
粒子線照射システム制御系3は、ビーム輸送系2を介してシンクロトロン1bから出射された荷電粒子ビームを走査して照射室15内にいる患者13の患部に荷電粒子を照射制御するもので、患者の処方箋データ(治療計画データ)を入力するための操作端末4と、中央制御装置5と、治療計画装置6と、荷電粒子ビーム発生装置1およびビーム輸送系2を制御する加速器制御システム7と、ノズル機器11及び回転ガンドリ14を制御する照射制御システム8と、ノズル機器11等を備えている。
中央制御装置5は、操作端末4で入力された患者の処方箋データと治療計画装置6からの設定データに基づいて、加速器運転のための運転パラメータの設定値、照射野を形成するための運転パラメータおよび計画されるビーム位置、ビーム幅および線量の設定値を算出する機能を備える。これらの運転パラメータおよびモニタ設定値は、中央制御装置5から、加速器制御システム7ならびに照射制御システム8に出力される。
加速器制御システム7および照射制御システム8は、ビームの状態ならびに機器状態を監視する。照射制御システム8は、実測したビーム量と予測ビーム量とのずれが基準値より大きい場合や実測ビーム位置・ビーム幅に異常があることを検出した場合には、中央制御装置5に異常信号を出力する。中央制御装置5は、当該異常信号を入力したときは、ビーム停止ならびに機器停止する機能(第1インターロック機能、第2インターロック機能)を備える。
次に、図2において、本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する粒子線照射システム制御系について詳しく説明する。
図2は、図1に示す本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する粒子線照射システム制御装置の概略を示す図である。
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る粒子線照射システム制御装置3aは、照射制御システム8、ノズル機器11等を備えている。なお、図2においては、ノズル機器11を拡大表示しておく。
照射制御システム8は、患者機器を制御するための患者機器制御装置8aと、照射ビームを監視、制御するモニタ監視制御系8bと、ビームを走査するための電磁石電源を制御する走査電磁石電源制御装置8c等を備えている。
患者機器制御装置8aは、粒子線照射システム制御系3が備える、ビームの照射角度を決める回転ガントリ14、患者13の患部の位置決めを行う治療台10、スキャニングビームの照射野を形成するノズル機器11、の各装置の操作および制御を行う装置で、回転ガントリ制御装置8a1と、治療台制御装置8a2と、ノズル内機器制御装置8a3等とを備えている。
モニタ監視制御系8bは、後述する上流ビーム位置モニタ11a,下流ビーム位置モニタ11dの計測データの収集処理、ビーム位置・ビーム幅の演算処理、ビーム位置・ビーム幅の異常判定処理を行う装置で、上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1と、下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2と、線量監視制御装置8b3と、監視手段8b4を有するモニタ監視制御装置8b0等とを備えている。
モニタ監視制御装置8b0は、上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1と下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2の少なくとも一方から、荷電粒子ビームの実測電荷量を取り込み、この実測電荷量の総和と目標線量値から算出した予測電荷量の総和とを比較し、その差が予め設定した閾値の範囲内であるかどうかを監視する監視手段8b4を有する。
走査電磁石電源制御装置8cは、中央制御装置5による励磁電流値に基づいて走査電磁石11bの電源に出力値を出力する。
上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1および下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2の構成については後述する。
ノズル機器11は、上流ビーム位置モニタ11aと、走査電磁石11bと、線量モニタ11cと、下流ビーム位置モニタ11d等とを備えている。
上流ビーム位置モニタ11aは、ビーム輸送系2を介して入射される荷電粒子ビームの通過位置を検出するモニタであり、その検出信号は、ビーム走査位置を演算するために上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1に出力されている。
走査電磁石11bは、入射された荷電粒子ビーム12をX軸方向およびY軸方向に偏向・走査する。
線量モニタ11cは、上流ビーム位置モニタ11aおよび走査電磁石11bの下流側、下流ビーム位置モニタ11dの上流側に設けられており、上流ビーム位置モニタ11a、下流ビーム位置モニタ11dにより検出されたビーム走査位置における照射線量を計測する。その計測した検出信号は線量計測装置(不図示)に出力されて線量値が演算され、線量監視制御装置8b3に出力される。
下流ビーム位置モニタ11dは、走査電磁石11bによって偏向された荷電粒子ビーム12の通過位置を検出するモニタであり、その検出信号は、ビーム走査位置を演算するために下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2に出力されている。
ノズル機器11に輸送された荷電粒子ビーム12は、照射ノズル装置5内の上流ビーム位置モニタ装置11aを通過する。その後、走査電磁石11bによりX軸方向およびY軸方向に偏向・走査される。偏向・走査されたビームは線量モニタ11c及び下流ビーム位置モニタ装置11dを通過し、患者13の所定位置(がん患部、スポット)に照射される。ビーム照射中はビームの移動を停止し、この停止した照射位置で線量モニタ11cにより照射線量値が計測される。照射線量値が所定の線量に達すると、ビーム照射(シンクロトロン1bからのビーム出射)を停止し、走査電磁石11bの励磁電流を変更する。その後、再びビーム照射(シンクロトロン1bからのビーム出射)を開始して、次のスポットにて再び線量モニタ11cにより照射線量値が計測され、ビームの照射が行われる。この工程を繰り返し、患者13における照射対象(がん患部)の全体を照射する。
また、患者13の患部は、ビームのエネルギーに応じて、深さ方向に複数の層(以降、レイヤーと呼ぶ)に分割される。このレイヤー内は、複数のスポットと呼ばれる小領域に分割される(図示せず)。このスポット毎に照射線量およびスポット照射位置が治療計画装置にて定められており、中央制御装置5は治療計画装置6による照射データに基づいて、走査電磁石11bに励磁する電流を算出し、走査電磁石制御装置8cにこのデータを送信する。また、中央制御装置5はスポット毎の照射線量の目標値およびスポット目標位置をモニタ監視制御系8bへ送信する。
次に、ビーム位置モニタおよびその制御装置の構成について、下流ビーム位置モニタ11dとその制御装置を参照して説明する。
図3は、本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態を構成する下流ビーム位置モニタ11dと、下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2の概略を示す図である。
図3において、下流ビーム位置モニタ11dは、マルチワイヤイオンチェンバー(図示せず)にて構成され、X方向位置を検出するX電極11d1、Y方向位置を検出するY電極11d2、及び高圧電極(図示せず)で構成されている。X電極11d1およびY電極11d2はタングステンワイヤが等間隔で張られおり、高圧電極との間に電場を発生させる。
荷電粒子ビームがイオンチェンバーを通過すると、高圧電極とX、Y電極11d1,11d2間の気体が電離し、イオンペアが生成される。生成されたイオンペアは、電場によってX、Y電極11d1,11d2に移動し、ワイヤにより回収される。従って、各ワイヤの検出電荷量を計測することにより、ビーム形状21を測定することができる。また、各ワイヤの検出電荷量を演算処理することにより、ビーム位置およびビーム幅を算出できる。なお、ワイヤを以降、チャンネルと呼ぶ。
各チャンネルで検出された電荷量は、アナログ信号処理装置20内の積分器20aにより積算され、電圧として出力される。その後、下流ビーム位置モニタ制御装置8b2内のアナログ/デジタル変換処理装置24にて電圧値(アナログ値)をデジタル値に変換したのち、CPU25にて取り込まれ、実際に通過した荷電粒子ビーム量が計算される。このアナログ/デジタル変換処理装置24とCPU25とにより荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅を計算するために収集処理する演算処理装置を構成する。
なお、上流ビーム位置モニタ11aおよび上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1については、下流が上流に、符号11dが符号11aに、符号8b2が8b1に替わり、X、Y電極におけるワイヤ間隔(測定するチャンネル数)が異なるのみで、その構成は実質同一であり、説明は省略する。
次に、図4において、本実施形態におけるスキャニング照射方式での制御処理ステップを説明する。
図4は、本発明の粒子線治療システムの第1の実施形態におけるスキャニング照射方式での制御処理ステップを示すフローチャート図である。
まず、中央制御装置5は、ステップ(S30)にて、最初に照射するレイヤーに相当するエネルギーに応じた荷電粒子ビーム発生装置1、ビーム輸送系2および回転ガンドリ14のデータ設定を行う。
その後、ステップ(S31)にて、走査電磁石11bを励磁し、走査電磁石11bの設定を完了する。
また、ステップ(S32)にて、当該スポットの目標線量の設定を行うことでスポットの照射準備を完了させる。
その後、ステップ(S33)にて、ビーム照射(ビームON)し、目標線量に到達するまで照射を続ける。
線量満了(ステップ(S34))になると、ステップ(S35)にてビームをOFFし、上流ビーム位置モニタ11aで検出したデータを上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1で取り込み、下流ビーム位置モニタ11dで検出したデータを下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2で取り込む。そしてステップ(S36)にて、照射されたビームの位置およびビーム幅の演算処理を行う。
演算処理が終了し、ビーム位置およびビーム幅の異常がなければ、次のスポットに遷移し、走査電磁石11bを励磁する。
この制御フロー41(S31〜S37)をレイヤー内の全てのスポットの照射が終了するまで繰り返す。
当該レイヤーの照射が終了すると、次のレイヤーに相当するエネルギーがあるかどうかを判断し(ステップ(S38))、あるときは対応した加速器の設定・準備を行う(ステップ(S39))。
この制御フロー42(S30〜S39)を、全レイヤーが終了するまで繰り返す。
全スポットおよび全レイヤーの照射が終了すると、治療終了となる(ステップ(S40))。
上述のように、ビーム位置モニタはマルチワイヤと呼ばれる複数のワイヤ(チャンネル)から構成されるが、図5に示すように、下流ビーム位置モニタ11dのX軸またはY軸方向におけるチャンネル方向に対する電荷の検出数の分布(ガウス分布)21は、ビームが通過したチャンネル51部分がもっとも出力が高く、端部にむかって出力は小さくなる。
ここで、治療計画装置6からの設定データを基にすることで、荷電粒子ビームが通過する目標位置は予め計算できるので、この目標位置の値からビーム位置モニタ11dの出力が最大となるチャンネルは予測できる。また、取り込んだ各チャンネルの計測データの総和量は、照射線量値と相関関係にあることから、目標線量値と取り込みを行うチャンネル情報から各チャンネルで計測されるデータを予測することが可能であり、よって出力最大チャンネルの前後の数チャンネルのみのデータを取り込むことで、実際に通過するビームの総量を見積もることができる。
従って、出力最大チャンネルの前後のチャンネルの計測データからビーム位置および幅の計算処理は可能となる。また、上記計測データの総和と予測した総和の健全性確認を行うことで、ビーム位置・ビーム幅の健全性確認を行うことが可能となる。
そこで、ビーム位置・ビーム幅の健全性を照射中に確認することで線量検出の精度向上を図りつつ患者の安全性をより確保すると同時に、演算処理を短縮するための制御処理を図6および図7を用いて説明する。
図6において、中央制御装置5は、治療計画装置6からのデータに基づいて、以下の(1)〜(4)の値を下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2に出力する。
(1)照射するスポットの目標位置
(2)ガウスフィット計算するために必要な有効チャンネルとその数(ここでは5チャンネルとする)
(3)各スポットに照射する目標線量
(4)下流ビーム位置モニタ11dで計測される電荷量と線量の変換係数
下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2は、上記の設定値(1)から下流ビーム位置モニタ11dで計測されるデータが最大となるチャンネル(図6中の◎が計測データ最大となるチャンネルを示す)を算出する。また、設定値(2)から計測データを取り込むチャンネル(図6中の○が計算処理に必要となるチャネルの範囲A(図5参照)を示す)を特定する。
また、下流ビーム位置モニタ11dによって検出される電荷量の総和と照射線量とは上記設定値(4)に示すような変換係数によって相関関係にあるので、下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2は、設定値(3)および設定値(4)から、先に特定したチャンネルに対して、当該チャンネルにて検出される電荷量を予測し、その総和をスポット毎に算出する。
上記により算出したチャンネル情報と予想電荷量をスポット毎に照射開始前にCPU25に格納する。
そして、スポットの照射終了後の計測データ取込み処理において、全チャンネルではなく特定されたチャンネルデータのみを取り込み、通過した荷電粒子ビームの実測電荷量を計算する。そしてこの計算した実測電荷量の総和と先に予測した予測電荷量の総和とを比較し、その差が予め設定しておいた閾値の範囲内であるかどうかをチェックするトレランス判定を行う。この閾値は、電荷量の検出精度の誤差を考慮した値とすることができ、また照射対象における線量の総量の誤差の許容範囲に収まるように照射スポット数ごとに割り当てる値とすることも可能である。
この判定結果に基づき、異常時には、荷電粒子ビームの照射位置が所定の箇所からのずれが大きい可能性があり、照射を継続すると問題が生じる可能性があることから、照射中断もしくは照射完了させて次のスポットの照射を行わないように、中央制御装置5へ照射中止もしくは照射完了させるための信号を出力する。中央制御装置5は、当該信号を受けて、ビーム停止ならびに機器の停止を行う。
これに対し、正常時には、次の照射スポットに遷移するための演算処理(次スポットに荷電粒子ビームを照射するための上記(1)〜(4)のデータの演算及び当該演算結果の下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2への出力、更には走査電磁石11bの設定のための信号の出力)を行う。
これと同時に、計算した荷電粒子ビームの電荷量からビームの通過位置およびビーム幅の演算処理を行って、ビーム位置およびビーム幅に異常があるかどうかの異常判定処理を行う。
この判定結果が異常時の場合には、荷電粒子ビームの制御に問題が生じている可能性があり、照射を継続すると問題が生じる可能性があることから、照射中断もしくは照射完了させて次のスポットの照射を行わないように、中央制御装置5へ照射中止もしくは照射完了させるための信号を出力し、照射中止・完了させる。
これに対し、正常時には、次の照射スポットに遷移することを承認するための信号を下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2へ出力する。
なお、上記(2)で設定するチャンネル数は、入射する荷電粒子ビーム幅や、下流ビーム位置モニタ11dや上流ビーム位置モニタ11aの1チャンネル当たりの面積等、コンデンサの容量等によって適宜変更することができる。
図7に、スポット照射後の計測・演算に関わる制御処理フローを示す。
モニタ監視制御系8bの線量監視制御装置8b3は、スポット毎に設定された目標線量に到達すると、ビームOFF(ステップ(S100))とするべく中央制御装置5に停止信号を出力し、ビームの出射を停止させる。
その後、下流ビーム位置モニタ制御装置8b2は、中央制御装置5からの上記(1)〜(4)の値によって特定したチャンネルについて計測データを取得し(ステップ(S101))、オフセット補正処理(ステップ(S102))を行う。
そして計測したチャンネルについて電荷量の総和を計算し、予想した電荷量の総和との差分から、照射線量に異常があるかどうかの異常判定を行う(ステップ(S103))。
上記の異常判定結果(ステップ(S104))において異常と判定された場合は、照射中断もしくは照射完了のインターロック信号(ステップ(S105))を中央制御装置5に出力する。さらに、下流ビーム位置モニタ11b2の全チャンネルについて計測データの取り込みを行い(ステップ(S106))、オフセット補正処理(ステップ(S107))、ピークチャンネル検出処理(ステップ(S108))、ビーム位置およびビーム幅の演算処理(ステップ(S109))を行う。
一方、ステップ(S104)にて正常と判定された場合は、次のスポットに遷移させ(ステップ(S110))、走査電磁石の設定(ステップ(S111))および目標線量の設定(ステップ(S112))を行うと同時に、ビーム位置およびビーム幅の演算処理(ステップ(S107))と、ビーム位置およびビーム幅が予測値に対してずれているかどうかの異常判定処理(ステップ(S113))を行う。
この異常判定処理(ステップ(S113))において、ビーム位置もしくはビーム幅のいずれかが異常と判定された場合は、照射中断もしくは照射完了のインターロック信号(ステップ(S105))を中央制御装置5に出力する。
この異常判定処理(ステップ(S113))において正常と判定された場合は、ステップ(S111)およびステップ(S112)の設定完了の条件成立を判断し(ステップ(S114))、共に成立した段階で次のスポットの照射を開始(ステップ(S115))させる。
なお、上流ビーム位置モニタ11aの計測データについてはビームが通過した中心部が最も出力が高くなり、上流ビーム位置モニタ11aで計測されたデータは中心部がピークとなる分布となる(図示せず)。また、上記設定値(1)〜(4)は上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1についても同様に設定され、同様の処理が適用される。また、図7に示すフローチャートによる制御処理についても、上流ビーム位置モニタ11aおよび上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1に対して同様に適用される。
図8において、上述の一連の処理のタイムチャートを示す。
図8(a)に示すように、従来方式の下流ビーム位置モニタ監視制御装置では、ビーム位置・幅計測処理(図4のステップ(S36))にて、下流ビーム位置モニタの全チャンネル数の計測データ取り込み、各チャンネルにおけるオフセット(バックグランド)分を差し引いたのちに出力が最大となっているピークチャンネル51を検索する。
検索終了後、図5における基準ライン52(ピークチャンネルの出力のN%(図はN=30%としている))以下のチャンネルのデータを除外し、ガウスフィット計算処理を行う。その後、照射したビーム位置およびビーム幅を算出する。この場合、全チャンネル(計160チャンネル分)の計測データを取り込むため、演算処理に時間を要することになる。しかし、出力最大値の30%以下のチャンネルのデータは基準ライン以下のデータ除外の際に除外されてしまうため、出力が小さい端部の計測データは使われない。これにも関わらず、全チャンネルのデータを収集することになり、無駄な処理を大量に行うことになる。
これに対し、本実施形態では照射開始前に下流ビーム位置モニタ11dや上流ビーム位置モニタ11aでのデータ取り込みチャンネルを特定させ、実際にデータを処理するチャンネル数を限定(5チャンネル分)することにより、下流ビーム位置モニタ11dや上流ビーム位置モニタ11aでの計測データの取り込みにかかる時間が短縮される。具体的には、データ取り込み時間を従来に比べてX軸またはY軸あたり5/160(約3%)に短縮することができ、大きな処理時間短縮を達成することができる。また、オフセット補正処理も該当チャンネルのデータのみ補正計算処理すればよく、更なる処理時間の短縮が可能となる。また、予め荷電粒子ビームが通過する位置(ビーム位置モニタの出力が最大となるチャンネル)は予測することができるため、計測データの出力が最大となるピークチャンネルを検索する処理を省くことも可能となり、処理時間を更に短縮することができる。
更に、ビーム位置モニタからの計測結果と予測した電荷量との差を基に異常の有無の判定を行い、正常の場合は、次のスポットに遷移させると同時に計測データからビーム位置およびビーム幅の演算処理を行い、異常の場合は、照射中断もしくは照射完了させる。これによって、照射対象物に対して所望の量だけ荷電粒子を照射することができずに照射線量の過多・不足が発生することを防ぐことができ、照射線量の検出精度を向上することができる。更には、荷電粒子ビームの位置・形状に何らかの異常が生じている場合であっても、照射対象物に対してそのまま荷電粒子ビームの照射を継続しないようにできるため、患者の安全性をより容易かつ確実に確保することができる。そのうえ、取り込みチャンネルを限定していることにより、下流ビーム位置モニタ11dの特定したチャンネルで計測された電荷量の総和と予測した電荷量の総和による正常/異常の判定処理を早めることができ、次スポットの遷移処理と並行してビーム位置およびビーム幅の演算処理を行うことも可能である。
上述のように、ビーム位置モニタからの計測結果と予測した電荷量との差を基に異常の有無の判定を行うことにより、照射線量の検出精度を向上することができ、また安全性を確保することができる。これとともに、図8(b)に示すように、ビームOFFの期間をスポットあたり50%ほど短縮して、照射線量を照射時間(照射開始からの積算時間)で割った値で定義される線量率を向上させることができる。また、照射するスポット数に応じた照射開始から照射終了までの積算時間、つまり患部を照射する時間(治療時間)も従来よりも短縮することが可能となる。
<第2の実施形態>
本発明の粒子線治療システムおよび粒子線照射システム制御装置の第2の実施形態を図9を用いて説明する。
第2の実施形態における粒子線治療システムおよび粒子線照射システム制御装置は、各チャンネルで検出した電荷量を積算するモニタ信号処理装置がデジタル出力(パルス出力方式)の場合を示すもので、モニタ監視制御系8bとノズル機器11の一部構成が替わる以外の構成は第1の実施形態の粒子線治療システムおよび粒子線照射システム制御装置と概略同じであり、詳細は省略する。
図9は、本発明の粒子線治療システムの第2の実施形態を構成する下流ビーム位置モニタ11dと、下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2の概略を示す図である。
図9に示すように、本発明の粒子線治療システムおよび粒子線照射システム制御装置の第2の実施形態に係るノズル機器11および照射制御システム8は、第1の実施形態の上流ビーム位置モニタ11aおよび下流ビーム位置モニタ11dにおけるモニタ信号処理装置としてモニタ信号処理装置22を、上流ビーム位置モニタ8b1および下流ビーム位置モニタ制御装置8b2における電圧値をデジタル値に変換する装置として積算パルス取込装置26とを備えている。
本実施形態では、マルチワイヤイオンチェンバーで検出される電荷量に応じたパルス信号がパルス発生器23から出力される。その後、デジタル信号処理装置22のパルスカウンタ22aでパルス数を積算し、積算されたパルス数を、上流ビーム位置モニタ監視制御装置8b1および下流ビーム位置モニタ監視制御装置8b2内の積算パルス取込装置26にてデータ収集を行い、CPU25にて取り込む。この積算パルス取込装置26とCPU25とにより荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅を計算するために収集処理する演算処理装置を構成する。
第2の実施態様の粒子線治療システムおよび粒子線照射システム制御装置においても、得られる効果は第1の実施形態の場合と同様である。
上述の実施形態においては、電離箱の電荷収集電極についてマルチワイヤ型を参照して説明したが、本発明はこれに限定されず、マルチストリップ型にも適用することができる。
1…荷電粒子ビーム発生装置、
2…ビーム輸送系、
3…粒子線照射システム制御系、
3a…粒子線照射システム制御装置、
4…操作端末、
5…中央制御装置、
6…治療計画装置、
7…加速器制御システム、
8…照射制御システム、
8a…患者機器制御装置、
8a1…回転ガントリ制御装置、
8a2…治療台制御装置、
8a3…ノズル内機器制御装置、
8b…モニタ監視制御系、
8b0…モニタ監視制御装置、
8b1…上流ビーム位置モニタ監視制御装置、
8b2…下流ビーム位置モニタ監視制御装置、
8b3…線量監視制御装置、
8b4…監視手段、
8c…走査電磁石電源制御装置、
10…治療台、
11…ノズル機器、
11a…上流ビーム位置モニタ、
11b…走査電磁石、
11c…線量モニタ、
11d…下流ビーム位置モニタ、
11d1…X電極、
11d2…Y電極、
12…荷電粒子ビーム、
13…患者・患部、
14…回転ガントリ、
15…照射室、
20…アナログ信号処理装置、
21…ビーム分布、
22…デジタル信号処理装置、
22a…パルスカウンタ、
23…パルス発生器、
24…アナログ/デジタル変換処理装置、
25…CPU、
26…積算パルス取込装置、
41…スポット照射制御フロー部、
42…レイヤー・エネルギー変更制御フロー部、
51…計測データ最大出力値、
52…基準ライン。

Claims (8)

  1. 照射対象物に照射する荷電粒子ビームを走査する粒子線照射システム制御装置であって、
    前記照射対象物に照射される荷電粒子ビームを走査する走査電磁石と、
    この走査電磁石の上流側に配置され、入射する荷電粒子ビームの通過により電離したイオンペアの電荷量を検出する上流ビーム位置モニタと、
    この上流ビーム位置モニタの検出結果から前記入射荷電粒子ビームの通過位置を計測するとともに前記上流ビーム位置モニタによって検出された電荷量に基づいて通過した荷電粒子ビームの実測電荷量を計算する上流ビーム位置モニタ監視制御装置と、
    前記走査電磁石の下流側に配置され、前記走査電磁石にて走査された荷電粒子ビームの通過により電離したイオンペアの電荷量を検出する下流ビーム位置モニタと、
    この下流ビーム位置モニタの検知結果から前記走査荷電粒子ビームの通過位置を計測するとともに前記下流ビーム位置モニタによって検出された電荷量に基づいて通過した荷電粒子ビームの実測電荷量を計算する下流ビーム位置モニタ監視制御装置と、
    前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置と前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置の少なくとも一方から荷電粒子ビームの実測電荷量を取り込み、この実測電荷量の総和と目標線量値から算出した予測電荷量の総和とを比較し、その差が予め設定した閾値の範囲内であるかどうかを監視する手段を有するモニタ監視制御装置とを備えたことを特徴とする粒子線照射システム制御装置。
  2. 請求項1に記載の粒子線照射システム制御装置において、
    更に、前記実測電荷量と前記予測電荷量の総和との差が閾値の範囲より大きいときに荷電粒子ビームの照射を中断・完了させる第1インターロック機能を有する中央制御装置を備えることを特徴とする粒子線照射システム制御装置。
  3. 請求項2に記載の粒子線照射システム制御装置において、
    前記モニタ監視制御装置は、更に、
    前記実測電荷量と前記予測電荷量の総和との差が閾値の範囲内であるときは、次の照射スポットに遷移するための処理と並行して、前記計算した荷電粒子ビームの電荷量から荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅の演算処理を行い、この演算結果から荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅が異常かどうかの判定処理を行うことを特徴とする粒子線照射システム制御装置。
  4. 請求項3に記載の粒子線照射システム制御装置において、
    前記中央制御装置は、更に、
    荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅の少なくともいずれか一方が異常と判定されたときに荷電粒子ビームの照射を中断・完了させる第2インターロック機能を有することを特徴とする粒子線照射システム制御装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の粒子線照射システム制御装置において、
    前記中央制御装置は、更に、
    前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置および前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置を通過する荷電粒子ビームの目標位置を照射スポットごとに算出し、この算出結果を前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置および前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置に出力することを特徴とする粒子線照射システム制御装置。
  6. 請求項5に記載の粒子線照射システム制御装置において、
    前記中央制御装置は、更に、前記上流ビーム位置モニタ監視制御装置および前記下流ビーム位置モニタ監視制御装置を通過する荷電粒子ビームの目標位置をモニタするチャンネル数を設定することを特徴とする粒子線照射システム制御装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の粒子線照射システム制御装置において、
    前記モニタ監視制御装置は、更に、前記上流ビーム位置モニタと前記下流ビーム位置モニタで検出した電荷量を計測するモニタ信号処理装置と、このモニタ信号処理装置にて計測された電荷量を荷電粒子ビーム位置および荷電粒子ビーム幅を計算するために収集処理する演算処理装置と、を備えることを特徴とする粒子線照射システム制御装置。
  8. 荷電粒子ビームを出射する荷電粒子ビーム発生装置と、
    この荷電粒子ビーム発生装置から出射された荷電粒子ビームを照射室まで導くビーム輸送系と、
    前記照射室で照射対象物の照射対象形状に合わせて荷電粒子ビームを照射する粒子線照射システム制御装置とを備える粒子線治療システムであって、
    前記粒子線照射システム制御装置として、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の粒子線照射システム制御装置を備えることを特徴とする粒子線治療システム。
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