JP5805256B1 - ビーム整形のための光学デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザービームの調節可能な波面変形を生成し、レーザ光学系の焦点面において調整可能なビームスポット幾何学形状を生成することができる光学デバイスを提供する。【解決手段】光軸30上に短い距離で一列に並んで位置決めされた、第1のプレート状素子10と第2プレート状素子20からなり、各プレート状素子は少なくとも一面が光学的自由曲面(11,21)を有しており、各プレート状素子は軸14と軸24に沿って位置決めされるとともに各軸方向に移動可能に支持され、相対的に各々を変位させることにより、光軸30を通るレーザービームに波面変形を生じさせることを特徴とする。【選択図】図2a

Description

本発明は、光学デバイスおよびその応用に関し、これによって、レーザービームの調節可能な波面変形を生成する。そのようなデバイスを用いることは、レーザービームの焦点範囲におけるビームスポットの幾何学形状を修正すること、およびそれに伴って、レーザービームのビームパラメータ積を修正することを目的としている。
例えば、材料加工のためにレーザービームを用いる場合、作業結果を最適化するために、特別なビームスポットの幾何学形状を用いるための選択肢を有していることが、多くの場合望ましい。リング状強度分布を備えたレーザービーム焦点またはビームスポットは、多くの応用に対して要求される。
いわゆるアキシコンを使用する例が最先端技術において言及され、そこでは、すなわち、円錐形状の有効表面を有するレンズが、レーザー加工光学系の光路の中に挿入される。このタイプのデバイスは、特許文献1、特許文献2、特許文献3または特許文献4に説明されている。
上記の文献で説明されたデバイスは、少なくとも1つの面上でのリング状ビーム分布を目的としている。言及されたデバイスは、例えばリングの直径を調節することによって、ビームパラメータ積を連続的に調節するために用いることはできない。リング直径の修正には、アキシコンを円錐面の異なる円錐角を有する別のアキシコンと置き換える必要がある。
最先端技術で言及されるのは、可変な、すなわち調節可能な波面変形を生成するために、それぞれに特別な形状の表面を有する2つの光学素子を光路の中に配置する必要があるということである。光学素子は、ビーム方向に対して横方向に位置決めされ、かつそれらは、互いに対して変位可能である。光学素子のタイプに依存して、異なるタイプの波面変形を生成することが可能である。屈折力が互いを補償する球面を有する素子の横変位によって、平面波面は、ある調節可能な角度だけ傾くことが可能となる。したがって、そのデバイスは、調節可能なくさび角を有する光学くさびとして働く。そのようなデバイスは、光学技術の分野では「アバットくさび(Abat’s wedge)」と呼ばれている。このタイプに類似のデバイスは特許文献5で言及されているが、しかしながら、それは円筒表面を有する素子を用いている。
特許文献6に説明されている類似のデバイスは、調節可能な曲率を有する放物線状の波面変形を生成するために用いられ、これは、調節可能な屈折力、またはその効果に関する調節可能な焦点距離を有するレンズに対応する。この場合、素子は、素子の局所的厚さが主に三次の項によって、すなわち、要請される光学効果を持つためには、横座標xおよびyに関して三次のべき関数によって定義されるような表面形状から成っていなければならない。このタイプのデバイスは、アルバレス(Alvares)によって発明されたため、一方で「アルバレスレンズ」と呼ばれてきた。可変の屈折力を有するこのレンズは、例えば、レンズの焦点位置を連続的に調節するために用いられる。しかしながら、ビームパラメータ積を修正することは、可能ではない。
言及されたデバイスのどれもが、波面変形によって、レーザービームのビームパラメータ積が連続的に調節され、かつその元の値から始まって拡大され得るような波面変形を生成することは可能ではない。
独国特許第2821883号明細書 独国特許第10044522号明細書 独国特許第10254847号明細書 独国特許公告第102010016628号明細書 独国特許第19961918号明細書 米国特許第3305294号明細書
本発明は、レーザービームを調節しかつ修正するための課題に基づいており、その方法においては、元の焦点形状に基づいてビームの形状が連続的に調節され得るように、すなわち、ビームスポット形状の少なくとも1つのパラメータが可変でしかも調節可能でなければならないように、ビームを集束した後に、ビームスポットが生成される。目的は、焦点位置を修正することだけではない。これによって、元の焦点面においてビーム直径は修正されるであろうが、しかしビームパラメータ積は修正されないであろう。したがって、本発明の特定の課題は、焦点位置を修正する必要なしに、可変である、焦点面におけるビームスポットのパラメータを提供することである。したがって、ビームパラメータ積もまた修正され得るが、このことが要請されている。
そこで、次の用語である「プレート状光学素子」において記述される本発明は、表と裏および厚さを有する光学素子として定義され、厚さは横寸法よりも何倍も小さく、かつその表と裏は、一般的には平面でない光学的有効表面であるが、しかし曲率またはランダム構造を有する自由曲面であり得、その結果、素子の厚さは局所的な変化を与え、かつ、したがって、位置に依存する。両方のプレート状素子の光学的有効表面の1つはまた、オプチカルフラットであり得る。そのようなプレート状光学素子は単に「プレート」として定義され得るが、とりわけ、一列に並んで位置決めされる2つのプレート状光学素子は、発明の記述においては、単に「プレートペア」として定義される。
少なくとも2つのプレート状光学素子から成るデバイスが、課題を解決するために提供され、これらは位置に依存する厚さを有し、かつ位置が制限された光線ビームの光路の中で短い距離で一列に並んで位置決めされる。2つのプレート状素子は、光線ビームの拡散方向に対して横方向の軸に沿って位置決めされ、かつそれらは変位可能である。中立位置と呼ばれるプレート状素子の位置は、両方の素子の厚さプロファイルが互いに逆となっている位置で定義される。両方の光学素子の厚さプロファイルの総和は1つのプロファイルを描き、このプロファイルは、変位軸に沿う中央断面を考慮すると、二等辺三角形に対応する。両方の光学素子の和の中央断面を考慮すれば、2つの光学素子を互いに対して変位させることによって、三角形プロファイルの側部の傾斜を調節することが可能である。
さらに、2つのプレート状素子は各々が、変位軸に沿う中央断面を考慮すると、一定の曲率を示す厚さプロファイルを与え、この曲率は、中央断面の一方の半分においては絶えず正であり、他方の半分においては絶えず負であり、かつ曲率の絶対値は、両側で同じである。
本発明の一実施形態が提供され、そこでは、両方の光学素子の位置に依存する厚さの合計が、協力して円錐面を描く。円錐面の円錐角は、2つの光学素子を互いに対して変位させることによって、調節することができる。この実施形態では、単一のプレート状素子の位置に依存する厚さDxyは、2つの素子に対して、次の方程式によって定義される。
xy=D+(a/2){x(x+y1/2+y[ln(x+(x+y1/2)−ln|y|]}+bx
xは変位軸の方向における座標であり、yは変位軸に対して垂直な座標であり、Dは、仮にx=y=0とした場合の光軸上の素子の厚さであり、かつaおよびbは、2つの定数パラメータである。
さらに、本デバイスの一実施形態が提供され、そこでは、両方の光学素子の位置に依存する厚さの合計が、二等辺三角形の断面を有する傾いた屋根表面を協力して描く。屋根表面の側部表面の傾斜角は、2つの光学素子を互いに対して変位させることによって、調節することができる。本発明のこの例示的実施形態では、単一プレート状素子の位置に依存する厚さDxyは、2つの素子に対して、次の方程式によって定義される。
xy=D+(a/2)x|x|+bx
xは変位軸の方向における座標であり、Dは、仮にx=y=0とした場合の光軸上の素子の厚さであり、かつaおよびbは、2つの定数パラメータである。
2つのプレート状素子は、両方のプレート状素子の厚さプロファイルが同一になるように構成され、一方の素子は、他方の素子に関してy軸に沿って180°回転した状態で位置決めされ、y軸は、素子の変位軸および光軸の両方に対して垂直に位置決めされる軸である。
さらに、2つのプレート状素子は、両方のプレート状素子の厚さプロファイルが同一になるように構成され、一方の素子が、他方の素子に関してz軸に沿って180°回転されており、z軸は光軸に対応する。
集束レンズは、2つのプレート状素子の後方に配置することができる。
コリメーションレンズは、両方のプレート状素子の前に配置することができる。
両方のプレート状素子の互いに対する最大の移動は、プレートの横寸法の最大10%に対応することが規定される。
両方のプレート状素子の互いに対する最大の移動は、レーザービームの直径の最大20%に対応することが規定される。
プレート状素子の厚さの変化は、素子の厚さプロファイルに対する方程式において、線形項のパラメータbに対して適切な寸法で、しかもゼロではない寸法を選択することによって、最小に保つことができる。
プレート状素子が、硫化亜鉛から成ることが規定される。
本デバイスは、焦点位置を修正する必要なしに、焦点面におけるビームスポットの少なくとも1つの寸法パラメータを修正するために、使用することができる。
本デバイスは、レーザービームのビームパラメータ積が連続的に調節され、かつその元の値から始まって拡大されるような波面変形を生成するために、使用されることが規定される。
部品を組み立てるか、または切断するように設計されたデバイスにおいて、本発明を使用することが提供される。
本発明は次の図で詳細に説明されるが、しかし本発明は、示された実施形態に限定されるものではない。
円錐レンズ(アキシコン)を用いた光学系の焦点面において、リング状ビームスポットを生成するための、最先端技術によるデバイスの略図である。 互いに対して変位可能に配置された2つのプレート状光学素子を有する、本発明によるデバイスの略図である。 異なる透視図における、本発明によるデバイスの略図である。本発明の可能な実施形態における格子は、プレート状素子の典型的な表面形状を示す。 レーザー光学系における、本発明によるデバイスの配列の略図であり、この配列によって、ゼロ位置にプレートペアを有するレーザー光学系の焦点面においてリング状ビームスポットを生成し、その結果、プレートペアは、いかなる光学的効果も有することがなく、かつ未修正のビームスポットを生成することができる。 レーザー光学系における、本発明によるデバイスの配列の略図であり、この配列によって、変位した位置にプレートペアを有するレーザー光学系の焦点面においてリング状ビームスポットを生成し、その結果、プレートペアがアキシコンに匹敵する光学的効果を有し、かつ、したがって、リング状ビームスポットが生成される。プレートペアの変位によって、リングの直径の調節が可能となる。 可能な実施形態におけるプレートペアの略図であり、そこでは、単一プレートの厚さの変化は比較的広い。 別の可能な実施形態におけるプレートペアの略図であり、そこでは、仮にxに依存する適切な線形項が、単一プレートの厚さの変化が非常に小さいように選択される場合、自由曲面は有利に傾けられる。 本発明の実施形態の図であり、そこでは、プレートペアの両方の素子の自由曲面は、同じ方向に向けて方向付けられる。 本発明の別の可能な実施形態の図であり、そこでは、プレートペアの素子の2つの自由曲面は、プレート状素子のオプチカルフラットが互いに対向するように位置決めされ、かつ外側に向けて方向付けられる。 本発明の可能な実施形態に対する光学系の焦点面におけるビームスポットの略図であり、そこでは、調節可能なリングの直径を有するリング状ビームスポットが生成される。加えて、プレートペアを変位させるための可能なセッティングに対して、それぞれ対応する強度プロファイルが提示されている。図5aでは、プレートペアはゼロ位置にあり、その結果、リングは生成されない。図5bから図5eでは、変位が徐々に増加され、その結果、ビームスポットのリングの直径は増加する。 本発明の別の可能な実施形態に対する光学形の焦点面におけるビームスポットの略図であり、そこでは、異なる焦点の調節可能な距離を有する二重焦点が生成される。加えて、プレートペアを変位させるための可能なセッティングに対して、それぞれ対応する強度プロファイルが提示されている。図6aでは、プレートペアはゼロ位置にあり、その結果、二重焦点は生成されない。図6bから図6eでは、変位が徐々に増加され、その結果、異なる焦点の距離は増加する。
図1は、リング状ビーム焦点35が、レーザー光学系における円錐レンズすなわちアキシコン60によって、レーザー光学系の焦点面34内でいかに生成されるかを示している。通常、レーザー光学系は、コリメータ40と集束レンズ50とから成り、これらは、光軸30上に連携して位置決めされる。コリメータ40は、ビーム源31によって発射されたビームを平行にする。ファイバ先端32は、例えばビーム源31を生成することができる。焦点距離51を有する集束レンズ50は、焦点面34内に平行化されたビーム33を結像する。この文脈の中では、アキシコン60は、レーザー光学系のコリメータ40と集束レンズ50との間に位置決めすることができる。そのようなデバイスは、最先端技術の中で十分に言及される。アキシコンの円錐角61は、リング状ビームスポット35のリング36の直径を調節するために、修正されなければならない。修正は、仮にアキシコン60が置き換えられるとした場合にのみ、可能である。
図2aは、本発明の略図を示す。本発明は、第1プレート状素子10と第2プレート状素子20とから成り、これらは、光軸30上に短い距離で一列に並んで位置決めされ、かつ結合したプレートペアを表す。各プレート状素子は、少なくとも1つの光学的自由曲面11、21を与える。2つのプレートは、軸14および24に沿って位置決めされ、かつそれらは互いに対して変位可能である。
図2bは、異なる透視図における図2aと同様の、本発明によるデバイスの素子を示す。加えて、本発明の可能な実施形態の典型的な表面形状を例示するために、プレート状素子10の自由曲面11は、格子によって示されている。
図3aおよび図3bは、本発明が、レーザー光学系でいかに使用され得るかを示している。レーザー光学系は、例えばコリメータ40と集束レンズ50とから成り、これらは、光軸30上に連携して位置決めされる。コリメータ40は、ビーム源31によって発射されたビームを平行化する。ファイバ先端32は、例えばビーム源31を生成することができる。焦点距離51を有する集束レンズ50は、焦点面34内に平行化されたビーム33を結像する。この文脈の中では、プレート状素子10および20によって生成される、本発明によるプレートペアは、レーザー光学系のコリメータ40と集束レンズ50との間に位置決めすることができる。図3aは、ゼロ位置にあるプレートペアを示しており、すなわち、この場合、2つのプレート状素子10、20は互いに対して変位しておらず、その結果、プレートペアは、いかなる光学的効果も有していない。したがって、焦点面34内に生成されるビームスポットは、レーザー光学系の未修正の焦点に対応する。
対照的に、図3bは、距離17(符号S)だけ変位した位置にあるプレートペアを示す。したがって、両方のプレート10、20の効果は補償されず、かつビーム33の波面は修正され、その結果、仮にビームが焦点面34内に結像される場合、リング36(符号φRing)の直径を有するリング状ビームスポット35が生成される。リング状ビームスポット35のリング36の直径は、移動17の度合いによって定義され、そして、このように連続的に調節され、かつ修正される。
図4aは、本発明の可能な実施形態を示す。第1プレート状素子10の自由曲面11は、プレートが、位置x、yに依存してプレートの可変厚さ12を与えるという効果を有する。厚さの変化は、プレートの最大厚さと最小厚さの間の距離13(符号ΔD)によって特徴付けられる。自由曲面11の数学的な方程式において、仮に線形x項がゼロ化される場合、厚さの変化は比較的広くなり得る。この場合が図4aに示されているが、そこでは、この場合を例示するために、厚さの変化が極端に誇張されている。
図4bは、本発明の別の実施形態を示している。この文脈の中では、厚さ13の変化を減少させるために、線形x項の数学的な方程式はゼロ化されないが、しかし、結果として生じる厚さ13の変化がはるかに小さくなるように、適切な項が選択される。線形x項は、自由曲面11のわずかな傾斜を明瞭に達成する。第2プレート状素子20の自由曲面21は同じ方法で傾けられるので、線形x項はいかなる光学的効果も有しない。線形x項は、厚さ13の変化を最小化するのに役立つだけである。
図4cおよび図4dは、本発明の他の実施形態を示す。プレート状素子10、20の向きは、自由曲面11、21が互いに対向するという条件に制限されない。図4cに示されるように、2つの自由曲面11、21が同じ側を向くか、または図4dに示されるように、素子の自由曲面だけでなく、オプチカルフラットも互いに対向する、こともまた可能である。
最後に、図5aから図5eは、レーザー光学系の焦点面における可能なビームスポット像の略図を表しており、これらは、リング状ビームスポットが生成される本発明の実施形態を示している。図の下側部は、焦点面を外観するグレースケール画像におけるビームスポットを示し、その一方で、それぞれ対応する強度プロファイルが、上の部分に表されている。仮にプレートペアがゼロ位置にある場合、すなわち、プレート状素子が互いに対して変位していない場合(S=0)、ビームスポットにおけるリングの直径もまた、ゼロに等しい。したがって、リングは存在せず、かつビームスポットは、未修正のビームスポットに、すなわちプレートペアのないレーザー光学系の焦点に対応する。この場合が、図5aに示されている。しかしながら、仮にプレート状素子が互いに対して変位する場合、焦点面におけるビームスポットはリング状である。仮に変位17が徐々に増加すると、リング状ビームスポットのリングの直径もまた増加するが、このことは、図5bから図5eに示されている。リングの直径が、ビームスポットの中央での強度をゼロにまで減少させるのに十分大きくなるとすぐに、リングの幅は、未修正の(すなわち、ゼロ位置におけるプレートペアに対する)ビームスポットの直径に常に対応することが理解され得る。
図6aから図6eは、レーザー光学系の焦点面におけるビームスポット像の略図を表しており、これらは本発明の別の可能な実施形態を示しているが、そこでは、両方の異なるビーム焦点の調節可能な距離を有する二重焦点が生成される。仮に素子のプロファイル形状が、y=0とした場合に中央断面と同一であるyの方向にある各部分によって特徴付けられるなら、そのような焦点形状を生成することは可能である。仮に両方の素子が互いに対して変位していない場合(S=0)、ビームスポットにおける両方の異なる焦点の距離もまた、ゼロに等しい。したがって、二重焦点は存在しない。そのビームスポットは、プレートペアがないレーザー光学系の未修正のビームスポットに対応する。この場合が、図6aに示されている。しかしながら、仮にプレート状素子が互いに対して変位している場合、焦点面におけるビームスポットは、二重焦点の形状を有する。仮に変位17が徐々に増加する場合、異なるビーム焦点の距離もまた増加するが、このことは、図5bから図5eに示されている。したがって、2つの異なるビーム焦点が互いに対して部分的に重なる(図6b)ほどの短い距離を定義すること、および2つの異なるビーム焦点が互いから完全に分離され、かつビーム焦点の間で調節可能なサイズのギャップを有する(図6cから図6e)ほどの長い距離を定義することは、共に可能である。
レーザービームを修正しかつ調節するための課題に対して、ビーム集束後にビームスポットが生成されるように、解決策が提供されるものとする。ビームスポットの形状は、元の焦点形状に基づいて連続的に調節可能でなければならず、すなわち、ビームスポット形状の少なくとも1つのパラメータは可変的に調節可能でなければならず、それによって、焦点位置を修正することなく、ビームのビームパラメータ積を修正することが可能になる。
光軸30上に短い距離で一列に並んで位置決めされ、かつ光軸(14、24)に対して横方向で互いに対して変位可能に位置決めされる2つのプレート状光学素子10、20から成るデバイスが、課題を解決するために提案される。この文脈の中では、両方の素子10、20の各々は、少なくとも1つの自由曲面11、21、すなわち面ではない表面を有し、これはランダムな曲率の球によっては描かれず、かつこれは回転対称ではなく、その結果、素子10、20の厚さは位置に依存する。この文脈の中では、ゼロ位置と呼ばれるプレート状素子10、20の位置が定義され、この位置ではプレート状素子の厚さプロファイルが互いに逆であり、その結果、両方のプレートの効果が、この位置で互いによって取り消される。仮にプレートが互いに対して変位する場合、それらの効果は、もはや取り消されない。ビーム33は2つの素子10、20を連続的に横切り、ビーム33の波面を修正する。波面を修正することは、2つの素子10、20を横切った後に、光路長を修正することに対応する。光路長ΔLxyの修正は、次の方程式に由来する。
ΔLxy=(n−1)(D1xy+D2xy) [方程式1]
1xyは第1光学素子10の位置に依存する厚さ12であり、かつD2xyは第2光学素子20の位置に依存する厚さである。nは両方の素子の屈折率である。2つのプレートは、互いに対してx方向(14、24)に距離S(17)だけ変位することができ、その結果、両方のプレートの内部x座標x、xは、x=x+S/2およびx=x−S/2に従って外部座標xに変換される。
両方の素子の厚さD1xy、D2xyは、光線ビーム33の部分的な光線が2つの素子を貫く位置xyで変わるが、その理由は、2つの素子10、20を互いに対してx方向に距離S(17)だけ変位させることが可能だからである。したがって、部分的な光線の光路長もまた変わる。このように、光線ビーム33の波面プロファイルを、連続的に変えることが可能である。波面を直接修正することは、変位S(17)に依存する両方のプレート状素子10、20の厚さプロファイルの総和に対応する。波面プロファイルを修正するように設計されたこのタイプのデバイスは、最先端技術において示されるように、基本的に新しくはない。本発明の1つの特定の態様は、根本的な問題が解決され得るように、素子の厚さプロファイルまたは自由曲面11、21のプロファイルを定義することが可能なことである。
変位軸に沿う中央断面を考慮しながら、すなわち、仮にy=0とした場合にx方向において、二等辺三角形に対応するプロファイルを描きながら、プレートペアの厚さプロファイルの総和ΣDx,0をとることによって、すなわち、それぞれの変位した位置における両方の光学素子10、20の厚さの和をとることによって、課題は解決される。この文脈の中では、三角形プロファイルの両側部の傾斜角は、2つのプレート10、20の互いに対する変位17によって調節され得る。プレートが互いに対して変位すればするほど、三角形プロファイルの側部の傾斜角はますます大きくなる。プレートペアの中央断面を考慮しながら厚さプロファイルの総和をとることは、次の方程式によって数学的な表現で記述され得る。
三角形の側部の傾斜角αは、傾斜tan(α)によって定義される。傾斜角は、両方のプレートの互いに対する変位Sによって調節され得る。パラメータdは、光軸上の両方の素子の厚さの和を記述する。
さらに、変位軸に沿う中央断面を考慮すると、すなわち、仮にy=0とした場合に光軸を横切るx軸に沿う部分を考慮すると、異なる素子10、20の厚さプロファイルは、一定の曲率を与え、これは、その部分の一方の半分では正であり、他方の半分では負である。曲率の絶対値は、両側で同じである。この条件は次の方程式によって記述され得るが、その理由は、曲率が、数学的な表現では、位置に関する二次微分によって定義されるからである。
x>0の場合(∂/∂x)Dx,0=a [方程式3a]
x<0の場合(∂/∂x)Dx,0=−a [方程式3b]
曲率とは、これの次元が、変位Sのタイプと発生した傾斜角αのタイプによって定義される絶対的な用語である。その相関は次の方程式によって記述される。
tan(α)=aS [方程式4]
仮に同じ傾斜角αがより低い度合いの移動Sによって達成される場合、より高い度合いの曲率が選択されなければならいことが、方程式4で示される。
仮に微分方程式が方程式3aおよび3bに統合される場合、中央断面を考慮すると、次の方程式が、厚さプロファイルに対する可能な解である。
x,0=(a/2)x|x| [方程式5]
方程式5の右辺にある項は、(a/2)xによる二次の項と同一ではないが、その理由は、後者においては、一定の曲率は、仮にx=0である場合、代数符号を変化させないからであり、このことは考慮されなければならない。したがって、本発明による光学素子の中央断面は放物線関数に対応し、そこでは、放物線ブランチの1つが、極端な位置で代数符号に反映される。定性的な進展を考慮すれば、このプロファイルは、確かに三次の関数(例えば、f=x)に類似しており、三次の関数は、基本的な特性として、米国特許第3305294号明細書に提示されるデバイスにおいて使用される。したがって、この文脈の中で、図に示される素子の部分は(米国特許第3305294号明細書の図1、図2、図4および図5を参照)、本文献の中で提示された部分と類似している(図4aから図4d)。しかしながら、米国特許第3305294号明細書におけるような部分としての三次の関数は、本課題を解決しないであろう。その理由は、可変な屈折力は要素の互いに対する変位に起因し、軸方向の焦点位置の単純な変位に帰着するであろうということである。この結果に対する理由は、曲率(すなわち、位置に関する二次微分)は三次の関数に対して一定ではなく、しかし位置(x)と共に直線的に増加するということである。したがって、米国特許第3305294号明細書の決定的な要求は、位置に関する三次微分が一定でなければならないこと(米国特許第3305294号明細書の2欄64行にある方程式を参照)、および、本発明におけるように、二次微分ではないということである。
課題の解決策は、独国特許第19961918号明細書においてもまた見出すことができないが、その理由は、この文脈の中では、本課題、すなわち、部分的な光線の焦点の横移動を解決するためには、円筒レンズが要求されるということである。後者は一定の曲率を与えるが、しかし素子の一方の半分における代数符号を変化させない。しかしながら、本課題を解決するには、代数符号を変化させる必要がある。代数符号を変化させることは、異なる方向に光線ビームの一部をずらすただ1つの方法であり、集束後に横方向に分離された点に結像させることが可能になり、そこでは、光軸に沿う、すなわちz方向にある焦点位置の平面が保たれる。この文献および最先端技術からの他の任意の文献のいずれもが、本発明によって定義されるような光学素子の曲率を調節する方法に関して、いかなる指摘も有していない。このことは、本応用で開示された発明による解決法が、過去14年の中で提示されてこなかったという事実に由来する。
自由曲面11または21全体の描写、または中央断面を超える厚さプロファイル12全体の描写は、結局のところ焦点面34内で要求されるビーム形状に依存し、それと同様に、素子10、20の互いに対する変位17によって選択されたパラメータにも依存する。ビーム33の波面は、例えば焦点にリング状ビームスポット35を生成するためにアキシコンを横切るための方法と類似の方法で、修正されなければならない。したがって、両方の素子10、20の位置に依存する厚さの和ΣDxyは、協力してアキシコンの厚さプロファイル、すなわち、円錐面に対応しなければならない。それは、次の方程式によって、数学的な表現で記述される。
本発明のすべての実施形態に対して要求される、方程式2に従って中央断面を考慮することによる厚さプロファイルの総和は、中央断面、すなわち、仮にy=0とした場合に対する方程式6に由来する。
方程式6は、焦点面34内にリング状ビームスポット35を生成するために、素子10、20の互いに対する任意の変位17に適用されるべきである。両方のプレートの厚さプロファイルの和によって定義される、等価的なアキシコンの円錐面の結果として生じる円錐角αは、プレートを変位S(17)させることによって調節され得るというような方法で、方程式6は適用されるべきである。異なる素子10、20は、これらの要求を満足させるために、複雑な厚さプロファイルを与えなければならず、そこでは、1つの素子の位置に依存する厚さは、次の方程式によって定義される。
xy=D+(a/2){x(x+y1/2+y[ln(x+(x+y1/2)−ln|y|]}+bx [方程式7]
xは変位軸(14、24)の方向における座標であり、yは変位軸に対して垂直な座標であり、Dは、仮にy=0とした場合の光軸上の素子の厚さであり、かつaおよびbは、2つの定数パラメータである。この方程式は、完全な数学的方程式における、理想的な厚さプロファイルに対する最良の可能な近似を示す。すなわち、両方の素子の厚さプロファイルの和が協力して円錐面の厚さプロファイルとわずかにのみ異なるという条件では、示された方程式と少しだけ異なる他の数学的方程式または形状プロファイルの数的表現は、本発明の範囲内にある。
方程式7におけるパラメータaは、プレートペアの移動Sと方程式4に従う円錐面の傾斜tan(α)との間の比例定数である。
集束レンズ50の焦点面34において、本発明の例示的な本実施形態によって生成されるリング36の調節可能な直径を有するリング状ビームスポット35は、図5aから図5eにおける略図に示されている。
本発明の別の例示的な実施形態において、プレートペアの自由曲面は、両方の素子10、20の位置に依存する厚さの和が、二等辺三角形部分を有する傾いた屋根表面に対応するように設計される。プレートペアの厚さプロファイルの屋根形状の総和は、次の方程式によって数学的表現で記述される。
方程式8の右辺は、厚さプロファイルの総和の中央断面に対して、方程式2において対応する項と同一である。それは、中央断面に対して当てはまるだけでなく、全表面、すなわち、座標yの余域全体にも当てはまる。
本発明のこの例証的な実施形態によって、焦点面内にリング状のビームスポットを生成することが可能となるわけではない。その理由は、任意の回転対称性は存在しないが、しかし二重ビームスポットが生成されることにあり、このことは、二重くさびまたは屋根エッジプリズムによってビーム33をずらすことに類似している。そこでは、異なるビーム焦点の互いに対する距離は、プレートペアをSだけを移動させることによって調節され得る。この文脈の中では、異なるプレート状素子は、次の方程式に従って、位置に依存する厚さを与える。
xy=(a/2)x|x|+bx [方程式9]
本発明の実施形態で生成され得る、集束レンズ50の焦点面34におけるビームスポットは、図6aから図6eにおける略図に示されている。
プレート状素子の位置に依存する厚さに関する方程式7および方程式9は、各々が付加的な線形項(+bx)を備える。原則として、線形項は厚さプロファイルの総和にいかなる影響も持たないので、この項の定数bは任意である。この任意の選択肢は、単一素子の厚さの全変化量Δ(13)を最適化するために用いることができる。製造の観点では、例えば、単一素子の厚さの全変化量を低いレベルに保つことは、道理にかなうことであり得る。この目的は、適切な定数bを選択することによって達成することができる。図4aは、線形項を持たない(すなわち、b=0)厚さプロファイルの例を示し、これに対して図4bは、厚さの変化量ΔDが、適切な定数bを選択することによってかなり低くなっている例を示す。
表および裏に関する、プレート状素子10、20の向きは任意である。両方の自由曲面11、21およびオプチカルフラットは、互いに向き合う。2つの自由曲面は、同じ方向に向けることができる。しかしながら、プレートは変位方向、すなわちx軸に関して、互いに対して逆となっている必要がある。図4aから図4dは、異なる調節の可能性を示す。
プレートペアの2つのプレート状素子10、20は、同一に設計することができる。特に、両方のプレートの自由曲面11、21は、同一形状とすることができる。したがって、2つのプレートは、第2プレート20が第1プレート10に対向し、y軸に沿って180°回転した状態で位置決めされるように調節される。図4a、図4bまたは図4dは、結果として生じる配置を示している。
2つの同一なプレート状素子は、第2プレート20が第1プレート10、すなわち光軸に対向し、z軸に沿って180°回転した状態で位置決めされるように調節され得る。図4cは、このタイプの配置を示している。
このデバイスによって生成された波面修正をより詳しく見ると、理想化された数学的に公式化された波面修正からのわずかなずれが、ビーム33の中央に、すなわち、光軸30の周りのごく近い近軸範囲に生じることが明らかとなる。方程式1に従うと、波面修正は、両方の素子10、20の厚さプロファイルの総和に比例する。プレートの互いに対する変位17は、中央における厚さプロファイルの総和をわずかにホーニング仕上げした結果となり、すなわち、仮にリング状ビームが整形される場合、和プロファイルの要求される円錐面は、中央で尖らず、しかしわずかに平坦化される。このずれは実用的には重要ではなく、その理由は、ずれはビームの小さな部分にのみ関係するが、しかしビームの出力の非常に小さな部分が、リング状ビームスポットにおけるリング内側の範囲に分配されるという事実に帰着するからである。プレートが互いに対して変位すればするほど、この効果はより多く生じる。この効果を低いレベルに保つために、プレートペアの最大移動範囲を制限すること、例えば、最大でプレートの横寸法の10%に制限することは有効である。しかしながら、自由曲面11、21の十分に高い曲率は、要求されるリングの最大直径を生成するためのパラメータaを用いて選択されなければならない。
拡大されたレーザービーム33の直径に依存して、プレートペアの最大移動範囲を制限すること、例えば、ビーム直径の最大20%にまで制限することもまた可能であるが、レーザービームは、これをプレートペアの範囲の中で提供し、理想的な形状からの波面ずれの効果を低いレベルに保つ。
集束レンズ50はレーザービーム33を結像させることができるが、その場合の波面は、プレートペアによって調節し、かつ修正することができる。仮にレーザービーム33がプレートペアの前で平行化する場合、ビームスポット35は、集束レンズ50の焦点面34内に、すなわち、ほぼレンズの焦点距離51の距離に生成され、そこでは、ビームスポットのパラメータ36を可変に調節することが可能である。
リング状ビームスポット35の生成を可能とする実施形態において、焦点距離fFok(51)を有する集束レンズ50の焦点面34におけるリングの直径φRing(36)は、次の方程式によって定義される。
φRing=2a(n−1)fFok [方程式10]
aは、中央断面を考慮した場合の、プレート状素子の曲率に等しいか、または方程式7におけるパラメータaに等しい。nは、プレート状素子10、20の屈折率である。したがって、焦点面34におけるリング状ビームスポット35の直径36は、プレート状素子の互いに対する移動S(17)に比例する。仮に移動17がゼロに等しい場合、リング36の直径もまたゼロに等しい。この場合、ビームスポットは、図5aに示されるように、レーザービームの未修正の焦点に対応する。
二重焦点の生成を可能にする実施形態において、焦点距離fFok(51)を有する集束レンズ50の焦点面34における両方の異なるビーム焦点の距離AFokiは、方程式10におけるのと同じ項によって記述される。
Foki=2a(n−1)fFok [方程式11]
aは、中央断面を考慮した場合の、プレート状素子の曲率に等しいか、または方程式9におけるパラメータaに等しい。nは、プレート状素子の屈折率である。したがって、焦点面34における異なるビーム焦点の距離は、プレート状素子の互いに対する移動S(17)に比例する。仮に移動がゼロに等しい場合、距離もまたゼロに等しい(図6aを参照)。
プレートペアの前のコリメーションレンズ40は、レーザービームを平行化するために提供することができる。コリメーションレンズ40はビームを平行化し、すなわち、それは、例えばファイバ先端32から発射され得る発散レーザービームから、ほぼ平行な光線ビーム33を生成する。
しかしながら、本発明は、プレートペア10、20が平行化されたビーム33の中に位置決めされるという要求に制限されない。プレートペアはまた、ビームの発散領域または集中領域に位置決めすることができ、ビームがプレートペアの十分な領域に及ぶ程度に、ビームは単に拡大されなければならない。したがって、単一結像レーザー光学系の中に、コリメーションレンズ40と集束レンズ50を結合することが可能であり、そこでは、プレートペアは、レーザー光学系の前方または後方に位置決めされる。
コリメーションレンズ40、集束レンズ50またはレーザー光学系は、調節可能な焦点距離を有するレンズ、すなわちズームレンズとして設計することができるが、これによって、再生スケールを修正することが可能となり、その結果、焦点直径またはリングの幅を修正することもまた可能であり、これは、リングの直径とは無関係に、焦点直径に対応する。
原則として、任意のタイプの光学ガラスを、光学素子10、20用の材料として使用することができる。
仮にデバイスが高強度のレーザービーム技術と組み合わせて使用される場合、プレートペア10、20用の材料として、特に低い吸収を有する光学ガラスおよび結晶を使用することが推奨される。特に低い吸収を有する材料は、例えば石英ガラス、溶融石英、サファイアまたは硫化亜鉛である。
プレート状光学素子10、20用の材料として硫化亜鉛を用いることは有利であるが、その理由は、この材料はダイアモンドの旋盤によって直接加工することができ、複雑な表面形状を容易に生成することが可能であることによる。
本発明は、例えば部品切削(切断、ドリル加工)、部品接合(溶接、ろう付けまたはハンダ付け)または部品上への材料充填(コーティング)のためのような、異なるレーザー接合プロセスに適用されるべく設計されている。仮に2つの部品が溶接される場合、または最良に調節されたビーム形状を用いることによって、エネルギー入力を最適化することに対して、本デバイスは、例えば切断洗浄剤およびバリのない切断エッジのためのプロセス品質、または接着断面を強化するためのプロセス品質を改善するために、レーザー接合プロセスで使用されるべく設計されている。一方で、本デバイスによって、デバイスを改造するまたは変更する必要なしに、異なる部品を加工するための、それぞれ最適なビーム形状を調節することが可能となる。他方で、例えば、仮に部品の材料厚さが接合の幾何学形状内で変化する場合、本デバイスによって、加工プロセスの間にビーム形状を調節することが可能となる。さらに、接合品質の変化に実時間で応答するために、レーザー接合プロセスの閉ループの中で、ビーム形状を変数として用いることが可能である。
10 第1プレート状素子
11 第1素子の自由曲面
12 プレート状素子の厚さ
13 プレート状素子の厚さの変化
14 第1素子の移動方向
17 第1素子と第2素子との間の変位
20 第2プレート状素子
21 第2素子の自由曲面
24 第2素子の移動方向
30 光軸
31 ビーム源、ビーム出口位置またはビームウエスト
32 ファイバ先端
33 平行化されたビーム
34 ビームの焦点面
35 リング状ビーム焦点
36 リング状ビーム焦点のリングの直径
37 リング状ビーム焦点のリングの幅
40 コリメーションレンズ
50 集束レンズ
51 集束レンズの焦点距離
60 アキシコン(円錐レンズ)
61 アキシコンの円錐面の角度

Claims (17)

  1. 少なくとも2つのプレート状光学素子(10,20)を備える光学デバイスであって、変位軸に沿う方向の座標をxとし、変位軸に対して垂直な方向の座標をyとし、光軸に沿う方向の座標をzとし、2つのプレート状光学素子(10,20)は位置x,yに依存する厚さを有し、かつ位置に制限された光線ビーム(33)の光路の中に短い距離で一列に並んで位置決めされ、両方のプレート状素子(10,20)は、前記光線ビームの伝搬方向に対して横方向の軸(14,24)に沿って変位可能に配置され、ゼロ位置と呼ばれる前記プレート状素子(10,20)の位置が、厚さプロファイルが互いに逆となっている位置で定義される、光学デバイスにおいて、
    a.両方のプレート状光学素子(10,20)の厚さプロファイルの総和が、y=0とした前記x座標に沿う中央断面内で、二等辺三角形に対応するプロファイルを協力して描き、かつ、前記中央断面における前記二等辺三角形の側部の傾斜が、両方のプレート状光学素子(10,20)の前記x座標の方向における互いに対する変位(17)によって調節可能であり、かつ、
    b.両方のプレート状光学素子(10,20)がy=0とした前記x座標に沿う中央断面の中で一定の二次微分係数を示す厚さプロファイルを与え、一定の二次微分係数は、前記中央断面の一方の半分では絶えず正であり、かつ他方の半分では絶えず負であり、しかも前記二次微分係数の絶対値は両側で同じであることを特徴とする、光学デバイス。
  2. 両方のプレート状光学素子(10,20)の前記位置x,yに依存する厚さの和が、円錐面を描くことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記円錐面の円錐角が、両方の光学素子の互いに対する変位(17)によって調節され得ることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
  4. 単一のプレート状素子の前記位置x,yに依存する厚さDxyが、両方の素子(10,20)に対して、次の方程式によって定義され、
    xy=D+(a/2){x(x+y1/2+y[ln(x+(x+y1/2)−ln|y|]}+bx
    は、x=y=0の条件に関する光軸上での前記素子の厚さであり、かつaおよびbは2つの定数パラメータであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 両方のプレート状光学素子(10,20)の前記位置x,yに依存する厚さの和が、二等辺三角形断面協力して描くことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
  6. 前記二等辺三角形断面の傾斜角が、両方の光学素子の互いに対する変位(17)によって調節可能であることを特徴とする、請求項5に記載のデバイス。
  7. 単一のプレート状素子の位置に依存する厚さDxyが、両方の素子(10,20)に対して、次の方程式によって定義され、
    xy=D(a/2)x|x|+bx
    は、x=y=0の条件に関する前記光軸上での素子の厚さであり、かつaおよびbは、2つの定数パラメータであることを特徴とする、請求項1、5または6のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 両方のプレート状素子(10,20)の厚さプロファイルが同一であり、かつ一方の素子が他方の素子に関してy軸に沿って180°回転した状態で配置され、しかもy軸が、前記素子の前記変位軸(14,24)と前記光軸(30)の両方に対して垂直であるように位置決めされる軸であることを特徴とする、請求項1から7の少なくとも一項に記載のデバイス。
  9. 両方のプレート状素子(10,20)の厚さプロファイルが同一であり、かつ一方の素子が、他方の素子に関してz軸に沿って180°回転しており、かつz軸が前記光軸(30)に対応することを特徴とする、請求項1から7の少なくとも一項に記載のデバイス。
  10. 集束レンズ(50)が、前記ビーム方向において両方のプレート状素子(10,20)の後方に配置されることを特徴とする、請求項1から9の少なくとも一項に記載のデバイス。
  11. コリメーションレンズ(40)が、前記ビーム方向において両方のプレート状素子(10,20)の前方に配置されることを特徴とする、請求項1から10の少なくとも一項に記載のデバイス。
  12. 両方のプレート状素子(10,20)の互いに対する最大変位が、前記プレートの横寸法の最大10%に対応することを特徴とする、請求項1から11の少なくとも一項に記載のデバイス。
  13. 両方のプレート状素子(10,20)の互いに対する最大変位が、前記レーザービームの直径の最大20%に対応することを特徴とする、請求項1から12の少なくとも一項に記載のデバイス。
  14. 前記プレート状素子(10,20)が硫化亜鉛から成ることを特徴とする、請求項1から13の少なくとも一項に記載のデバイス。
  15. 焦点位置自体を修正することなく、焦点面におけるビームスポットの少なくとも1つの寸法パラメータを修正するための、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイスの使用法。
  16. 前記レーザービームのビームパラメータ積が、その元の値から始まって連続的に調節可能かつ拡大可能である状態で、波面変形を生成するための、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイスの使用法。
  17. 加工品上への材料充填、部品接合または部品切削における、請求項1から14のいずれか一項に記載のデバイスの使用法。
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