JP2021085984A - ビームシェイパ及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベッセルビームの干渉領域をアキシコンレンズから離れた位置に形成することが可能なビームシェイパを実現する。【解決手段】ビームシェイパ(BS)は、第1アキシコンレンズ(133)、第2アキシコンレンズ(135)、及び第3アキシコンレンズ(137)により構成されている。第1アキシコンレンズ(133)の頂点から第2アキシコンレンズ(135)の頂点までの距離Dは、第1アキシコンレンズ(133)の干渉領域の深度d0よりも大きい、【選択図】図1
Description
本発明は、アキシコンレンズを備えたビームシェイパに関する。また、そのようなビームシェイパを備えた加工装置に関する。
コリメートされたガウシアンビームをベッセルビームに変換するアキシコンレンズが広く用いられている。特許文献1には、アキシコンレンズを備えたビームシェイパ(特許文献1における「レーザビーム整形装置」)が開示されている。
ベッセルビームは、中心軸上で極めて高い強度を持ち、その周辺に環状の干渉縞が同心円状に分布するビームプロファイルを有している。このため、ベッセルビームをワークに照射する加工装置によれば、ベッセルビームの中心軸上にある点を加工(切断、せん孔、溶接、焼結等)しながら、その点の周辺を加熱することができる。しかしながら、ベッセルビームをワークに照射する加工装置においては、以下のような問題が生じる。
図4の(a)は、アキシコンレンズALの斜視図である。アキシコンレンズALは、コリメートされたガウシアンビームGBをベッセルビームBBに変換する。アキシコンレンズALから出射するベッセルビームBBは、円錐状の凸面から出射した光同士が互いに干渉する干渉領域Aにおいて高い強度を持つ。干渉領域Aは、対角線を回転軸として菱形を回転させることにより得られる回転体の形状(別の言い方をすれば、互いに合同な2つの円錐の底面同士を結合することにより得られる形状)であり、一方の頂点がアキシコンレンズALの頂点に接触している。
図4の(b)は、頂角αが165°、170°、175°のアキシコンレンズALに、ビーム径Rが2mmのコリメートされたガウシアンビームを入射させたときに得られる、Z軸上におけるベッセルビームBBの強度分布を示すグラフである。図4の(c)は、頂角αが170°のアキシコンレンズALに、ビーム径Rが2mm、4mm、6mmのコリメートされたガウシアンビームを入射させたときに得られる、z軸上におけるベッセルビームBBの強度分布を示すグラフである。ここで、Z軸は、アキシコンレンズALの光軸上に取られた、アキシコンレンズALの頂点を原点とする座標軸である。図4の(b)及び(b)によれば、干渉領域Aの一方の頂点がアキシコンレンズALの頂点に接しており、ベッセルビームBBの強度が最大になる点が、アキシコンレンズALの頂点から5mm〜300mm程度離れた位置に形成されることが分かる。したがって、干渉領域Aの深度は、10mm〜600mm程度であることが分かる。
以上のように、アキシコンレンズにより得られるベッセルビームの干渉領域は、アキシコンレンズの頂点に接触するように形成され、その深度は、10mm〜600mm程度である。したがって、ワーク上に干渉領域が形成されるようにベッセルビームを照射する加工装置においては、アキシコンレンズの頂点をワークに近接させる必要がある。このため、ワークから飛散した異物等によってアキシコンレンズが汚染又は損傷を受ける可能性が高い。
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ベッセルビームの干渉領域をアキシコンレンズの頂点から離れた位置に形成することが可能なビームシェイパ、及び、そのようなビームシェイパを備えた加工装置を実現することを目的とする。
本発明の態様1に係るビームシェイパは、第1アキシコンレンズと、その円錐面が前記第1アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置された第2アキシコンレンズと、その平坦面が前記第2アキシコンレンズの平坦面と対向するように配置された第3アキシコンレンズと、を備え、前記第1アキシコンレンズの頂点から前記第2アキシコンレンズの頂点までの距離Dは、前記第1アキシコンレンズから出射するベッセルビームの干渉領域の深度d0よりも大きい。
上記の構成によれば、第3アキシコンレンズから出射されるベッセルビームの干渉領域を第3アキシコンレンズの頂点から離れた位置に形成することができる。
本発明の態様2に係るビームシェイパにおいては、態様1に係るビームシェイパの構成に加えて、以下の構成が採用されている。すなわち、コリメートレンズを更に備え、前記1アキシコンレンズは、その平坦面が前記コリメートレンズの凸面と対向するように配置されている、構成が採用されている。
上記の構成によれば、ビームシェイパに入射するビームが発散するガウシアンビームであっても、第1アキシコンレンズに入射するビームを、コリメートされたガウシアンビームとすることができる。したがって、ビームシェイパに入射するビームが発散するガウシアンビームであっても、第1アキシコンレンズから出射するビームをベッセルビームとすることができ、第2アキシコンレンズから出射するビームをコリメートされたリングビームとすることができ、第3アキシコンレンズから出射するビームをベッセルビームとすることができる。
本発明の態様2に係るビームシェイパにおいては、態様1に係るビームシェイパの構成に加えて、以下の構成が採用されている。すなわち、前記第2アキシコンレンズ及び前記第3アキシコンレンズの直径は、前記第1アキシコンレンズの直径よりも大きい、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第1アキシコンレンズの頂点から第2アキシコンレンズの頂点までの距離をより大きくすることができる(より大きくしても、第1アキシコンレンズから出射されたベッセルビームを漏れなく第2アキシコンレンズに受光させることができる)。したがって、第3アキシコンレンズから出射されるベッセルビームの干渉領域を第3アキシコンレンズの頂点からより離れた位置に形成することができる。
本発明の態様4に係るビームシェイパにおいては、態様1〜3の何れかに係るビームシェイパの構成に加えて、以下の構成が採用されている。すなわち、その反射面が前記第3アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置されたミラーを更に備えている、構成が採用されている。
上記の構成によれば、ビームシェイパから出力されるベッセルビームの進行方向を、第3アキシコンレンズから出射されたベッセルビームの進行方向と異ならせることができる。
本発明の態様5に係るビームシェイパにおいては、態様1〜3の何れかに係るビームシェイパの構成に加えて、以下の構成が採用されている。すなわち、その反射面が前記第3アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置され、第1の軸を回転軸として回転可能な第1ミラーと、その反射面が前記第1ミラーの反射面と対向するように配置さ、前記第1の軸とは異なる第2の軸を回転軸として回転可能な第2ミラーと、を含むガルバノスキャナを更に備えている、構成が採用されている。
上記の構成によれば、ビームシェイパから出力されるベッセルビームの進行方向を、自在に変更することができる。
本発明の態様6に係るビームシェイパにおいては、態様1〜5の何れかに係るビームシェイパの構成に加えて、以下の構成が採用されている。すなわち、前記第2アキシコンレンズをその光軸と平行な方向に移動する調整機構を更に備えている、構成が採用されている。
上記の構成によれば、第3アキシコンレンズの頂点から、第3アキシコンレンズから出射されるベッセルビームの干渉領域までの距離を、自在に調整することが可能になる。
本発明の態様7に係るビームシェイパは、第1アキシコンレンズと、その円錐面が前記第1アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置された第2アキシコンレンズと、その平坦面が前記第2アキシコンレンズの平坦面と対向するように配置された第3アキシコンレンズと、を備え、前記第1アキシコンレンズの底面の半径をr0、前記第1アキシコンレンズの底角をβ、前記第1アキシコンレンズにコリメートビームが入射したときに形成される干渉領域の頂角をγとして、前記第1アキシコンレンズの頂点から前記第2アキシコンレンズの頂点までの距離Dは、D>r0(cotγ−tanβ)を満たす。
上記の構成によれば、前記第1アキシコンレンズの頂点から前記第2アキシコンレンズの頂点までの距離Dを、前記第1アキシコンレンズから出射するベッセルビームの干渉領域の深度d0よりも大きくすることができる。したがって、上記の構成によれば、第3アキシコンレンズから出射されるベッセルビームの干渉領域を第3アキシコンレンズの頂点から離れた位置に形成することができる。
本発明の態様8の態様に係る加工装置においては、態様1〜7の何れかに係るビームシェイパを含む加工ヘッドを備え、前記ビームシェイパから出力されるベッセルビームをワークに照射する構成が採用されている。
上記の構成によれば、第3アキシコンレンズから出射されるベッセルビームの干渉領域を第3アキシコンレンズの頂点から離れた位置に形成することができる。したがって、干渉領域がワーク上に形成されるようにベッセルビームをワークに照射する場合であっても、ワークから飛散した異物等によってアキシコンレンズ(第3アキシコンレンズ)が汚染又は損傷を受け難い加工装置を実現することができる。
本発明によれば、ベッセルビーム(第3アキシコンレンズから出射するベッセルビーム)の干渉領域をアキシコンレンズ(第3アキシコンレンズ)の頂点から離れた位置に形成することが可能なビームシェイパを実現することができる。
(加工装置の構成)
本発明の一実施形態に係る加工装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1において、(a)は、加工装置1の構成を示すブロック図であり、(b)は、加工装置1が備える加工ヘッド13の断面図である。
本発明の一実施形態に係る加工装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1において、(a)は、加工装置1の構成を示すブロック図であり、(b)は、加工装置1が備える加工ヘッド13の断面図である。
加工装置1は、レーザ光を用いてワークWを加工するための装置であり、図1の(a)に示すように、レーザ光源11と、デリバリファイバ12と、加工ヘッド13と、可動ステージ14と、を備えている。
レーザ光源11は、レーザ光を生成する装置である。デリバリファイバ12は、レーザ光源11にて生成されたレーザ光を導波する光ファイバである。加工ヘッド13は、デリバリファイバ12を導波されたレーザ光をワークWに照射する装置である。可動ステージ14は、加工ヘッド13から照射されるレーザ光の進行方向と直交する方向へのワークWの移動を可能ならしめるための装置である。レーザ光源11としては、例えば、ファイバレーザが用いられる。デリバリファイバ12としては、例えば、マルチモードファイバが用いられる。可動ステージ14としては、例えば、精密XYステージが用いられる。
加工ヘッド13は、図1の(b)に示すように、筐体130と、コリメートレンズ131と、第1アキシコンレンズ133と、第2アキシコンレンズ135と、第3アキシコンレンズ137と、レンズホルダ132,134,136,138、を備えている。コリメートレンズ131、第1アキシコンレンズ133、第2アキシコンレンズ135、及び第3アキシコンレンズ137は、ワークWに照射されるビームを成形するビームシェイパBSとして機能する。
筐体130は、一端(図1における上端)が閉塞され、他端(図1における下端)が開放された筒状の構造体である。デリバリファイバ12は、筐体130に設けられた挿通孔を介して筐体130の内部に引き込まれている。デリバリファイバ12から出射する光は、発散する(光路に沿ってビーム径が次第に大きくなる)ガウシアンビームである。
デリバリファイバ12から出射するガウシアンビームの光路上にはコリメートレンズ131が配置されている。コリメートレンズ131は、平坦面と球状凸面を有する平凸コリメートレンズであり、その(コリメートレンズ131の)平坦面がデリバリファイバ12の出射面に対向するように、レンズホルダ132によって筐体130の内側面に固定されている。コリメートレンズ131の光軸は、デリバリファイバ12の光軸Lに一致する。コリメートレンズ131から出射する光は、コリメートされた(光路に沿ってビーム径が一定の)ガウシアンビームとなる。
コリメートレンズ131から出射するガウシアンビームの光路上には、第1アキシコンレンズ133が配置されている。第1アキシコンレンズ133は、平坦面と円錐状凸面を有する平凸アキシコンレンズであり、その(第1アキシコンレンズ133の)平坦面がコリメートレンズ131の球状凸面に対向するように、レンズホルダ134によって筐体130の内側面に固定されている。第1アキシコンレンズ133の光軸は、デリバリファイバ12及びコリメートレンズ131の光軸にLに一致する。第1アキシコンレンズ133から出射する光は、ベッセルビームB1となる。
第1アキシコンレンズ133から出射するベッセルビームB1の光路上には、第2アキシコンレンズ135が配置されている。第2アキシコンレンズ135は、平坦面と円錐状凸面を有する平凸アキシコンレンズであり、その(第2アキシコンレンズ135の)円錐面が第1アキシコンレンズ133の円錐面に対向するように、レンズホルダ136によって筐体30の内側面に固定されている。第2アキシコンレンズ135の光軸は、デリバリファイバ12、コリメートレンズ131、及び第1アキシコンレンズ133の光軸Lに一致する。第1アキシコンレンズ133の頂点から第2アキシコンレンズ135の頂点までの距離Dは、ベッセルビームB1の干渉領域A1の深度d0よりも長く設定されている。このため、第2アキシコンレンズ135に入射するベッセルビームB1は、発散するリングビームとなり、第2アキシコンレンズ135から出射する光は、コリメートされたリングビームとなる。
第2アキシコンレンズ135から出射するリングビームの光路上には、第3アキシコンレンズ137が配置されている。第3アキシコンレンズ137は、平坦面と円錐状凸面を有する平凸アキシコンレンズであり、その(第3アキシコンレンズ137の)平坦面が第2アキシコンレンズ135の平坦面に対向するように、レンズホルダ138によって筐体130の内側面に固定されている。第3アキシコンレンズ137の光軸は、デリバリファイバ12、コリメートレンズ131、第1アキシコンレンズ133、及び第2アキシコンレンズ135の光軸Lに一致する。第3アキシコンレンズ137から出射する光は、ベッセルビームB2となる。
コリメートレンズ131、第1アキシコンレンズ133、第2アキシコンレンズ135、及び第3アキシコンレンズ137により構成されるビームシェイパBSにおいて注目すべきは、以下の点である。
すなわち、第2アキシコンレンズ135と第3アキシコンレンズ137とは、第2アキシコンレンズ135と第3アキシコンレンズ137との中間点を通り光軸Lに直交する平面Sに対して対称に配置されている。したがって、第3アキシコンレンズ137から出射するベッセルビームB2のプロファイルは、第2アキシコンレンズ135に入射するベッセルビームB1のプロファイルと、平面Sに対して対称になる。
ビームシェイパBSにおいては、第1アキシコンレンズ133の頂点から第2アキシコンレンズ135の頂点までの距離DがベッセルビームB1の干渉領域A1の深度d0よりも長く設定されている。したがって、第2アキシコンレンズ135の頂点からベッセルビームB1の干渉領域A1までの距離d1は、正の値となる。したがって、上述した対称性ゆえ、第3アキシコンレンズ137の頂点からベッセルビームB2の干渉領域A2までの距離d2も、第2アキシコンレンズ135の頂点からベッセルビームB1の干渉領域A1までの距離d1と同じ正の値になる。すなわち、ベッセルビームB2の干渉領域A2は、第3アキシコンレンズ137の頂点から離れた位置に形成される。
これにより、加工装置1においては、ワークWの表面に干渉領域A2が形成されるように加工を行う場合であっても、ワークWから加工ヘッド13までの距離を十分に大きく保つことができる。したがって、加工中にワークWから飛散する異物等によって、加工ヘッド13が汚染されたり、損傷を受けたりする可能性を低減することができる。
なお、本実施形態においては、第2アキシコンレンズ135と第3アキシコンレンズ137とが別体である構成を採用しているが、本発明は、これに限定されない。第2アキシコンレンズ135と第3アキシコンレンズ137とは、平坦面同士を接合することによって一体化されていてもよい。
また、本実施形態においては、第1アキシコンレンズ133の直径と第2アキシコンレンズ135の直径と第3アキシコンレンズ137の直径とが同一である構成を採用しているが、本発明は、これに限定されない。例えば、第2アキシコンレンズ135及び第3アキシコンレンズ137の直径は、第1のアキシコンレンズ133の直径よりも大きくてもよい。これにより、第1アキシコンレンズ133の頂点から第2アキシコンレンズ135の頂点までの距離Dをより大きく設定することが可能になり、その結果、第3アキシコンレンズ137からベッセルビームB2の干渉領域A2までの距離をより大きくすることが可能になる。なお、第2アキシコンレンズ135と第3アキシコンレンズ137とは、互いに合同であることが好ましい。これにより、干渉領域A1と干渉領域A2とが互いに合同になるので、ビーム設計が容易になる。
(加工ヘッドの第1の変形例)
加工装置1の備える加工ヘッド13の第1の変形例(以下、加工ヘッド13Aと記載する)について、図2を参照して説明する。図2は、本変形例に係る加工ヘッド13Aの断面図である。
加工装置1の備える加工ヘッド13の第1の変形例(以下、加工ヘッド13Aと記載する)について、図2を参照して説明する。図2は、本変形例に係る加工ヘッド13Aの断面図である。
加工ヘッド13Aは、第3アキシコンレンズ137から出射するベッセルビームB2の光路上にミラーMを設け、加工ヘッド13から出射するベッセルビームB2の進行方向を第3アキシコンレンズ137から出射するベッセルビームB2の進行方向(図2におけるY軸正方向)と直交する方向(図2におけるZ軸負方向)とする構成を採用している点で図1に示す加工ヘッド13と相違する。これに伴い、加工ヘッド13Aの筐体130は、L字型に変形されている。
本変形例に係る加工ヘッド13Aは、加工ヘッド13Aの加工対象面と直交する方向のサイズを小さくすることができる点で、図1の(b)に示す加工ヘッド13よりも有利である。逆に、図1の(b)に示す加工ヘッド13は、加工ヘッド13Aの加工対象面と平行な方向のサイズを小さくすることができる点で、本変形例に係る加工ヘッド13Aよりも有利である。
(加工ヘッドの第2の変形例)
加工装置1の備える加工ヘッド13の第2の変形例(以下、加工ヘッド13Bと記載する)について、図3を参照して説明する。図2は、本変形例に係る加工ヘッド13Bの断面図である。
加工装置1の備える加工ヘッド13の第2の変形例(以下、加工ヘッド13Bと記載する)について、図3を参照して説明する。図2は、本変形例に係る加工ヘッド13Bの断面図である。
加工ヘッド13Bは、第3アキシコンレンズ137から出射するベッセルビームB2の光路上にガルバノスキャナGSを設け、加工ヘッド13から出射するベッセルビームB2の進行方向を可変としている点で図1に示す加工ヘッド13と相違する。これに伴い、加工ヘッド13Bの筐体130は、L字型に変形されている。
ガルバノスキャナGSは、例えば、第3アキシコンレンズ137から出射するベッセルビームB2の進行方向を、Y軸正方向からX軸正方向へと変換する第1ミラーM1と、第1ミラーM1にて反射されたベッセルビームB2の進行方向を、X軸正方向からY軸負方向に変換する第2ミラーM2と、により構成することができる。第1ミラーM1は、不図示の第1モータによってZ軸を回転軸として回転することが可能であり、第2ミラーM2は、不図示の第2モータによってY軸を回転軸として回転することが可能である。第1ミラーM1を回転させることによって、干渉領域A2の位置をワークWの表面でY軸に沿って移動させることができる。また、第2ミラーM2を回転させることによって、干渉領域A2の位置をワークWの表面でX軸に沿って移動させることができる。
本変形例に係る加工ヘッド13Bは、ガルバノスキャナGSを用いることによって、可動ステージ14を用いずにワークWの加工対象箇所を自在に変更できる点で、図1の(b)に示す加工ヘッド13よりも有利である。逆に、図1の(b)に示す加工ヘッド13は、可動ステージ14を用いることによって、ガルバノスキャナGSを用いずにワークWの加工対象箇所を自在に変更できる点で、本変形例に係る加工ヘッド13Bよりも有利である。
(更なる変形例)
なお、第3アキシコンレンズ137の頂点からベッセルビームB2の干渉領域A2までの距離d2(図1参照)は、第2アキシコンレンズ135の頂点からベッセルビームB1の干渉領域A1までの距離d1(図1参照)に一致する。したがって、第3アキシコンレンズ137の頂点からベッセルビームB2の干渉領域A2までの距離d2は、第2アキシコンレンズ135の頂点から第3アキシコンレンズ137までの距離D(図1参照)を変化させることによって変更することができる。
なお、第3アキシコンレンズ137の頂点からベッセルビームB2の干渉領域A2までの距離d2(図1参照)は、第2アキシコンレンズ135の頂点からベッセルビームB1の干渉領域A1までの距離d1(図1参照)に一致する。したがって、第3アキシコンレンズ137の頂点からベッセルビームB2の干渉領域A2までの距離d2は、第2アキシコンレンズ135の頂点から第3アキシコンレンズ137までの距離D(図1参照)を変化させることによって変更することができる。
このため、加工ヘッド13、13A,13Bにおいては、第2アキシコンレンズ135を光軸Lに沿って移動させる調整機構を有していることが好ましい。これにより、第3アキシコンレンズ137の頂点からベッセルビームB2の干渉領域A2までの距離d2を調整することが可能な加工装置1を実現することができる。
また、ベッセルビームB1,B2の干渉領域A1,A2における干渉縞の間隔は、第1アキシコンレンズ133に入射するガウシアンビームの発散角を変更することによって調整することができる。そして、第1アキシコンレンズ133に入射するガウシアンビームの発散角は、コリメートレンズ131から第1アキシコンレンズ133までの距離を保ったまま、デリバリファイバ12の出射面からコリメートレンズ131までの距離を変化させることによって変更することができる。
このため、加工ヘッド13、13A,13Bにおいては、コリメートレンズ131から第1アキシコンレンズ133までの距離を保ったまま、コリメートレンズ131及び第1アキシコンレンズ133を光軸Lに沿って移動させる調整機構を有していることが好ましい。これにより、ベッセルビームB2の干渉領域A2における干渉縞の間隔を調整することが可能な加工装置1を実現することができる。
また、ベッセルビームB1,B2の干渉領域A1,A2におけるパワー密度は、第1アキシコンレンズ133に入射するガウシアンビームのビーム径を変更することによって調整することができる。そして、第1アキシコンレンズ133に入射するガウシアンビームが発散光又は収斂光である場合、第1アキシコンレンズ133に入射するガウシアンビームのビーム径は、コリメートレンズ131から第1アキシコンレンズ133までの距離を変化させることによって変更することができる。
このため、加工ヘッド13、13A,13Bにおいては、コリメートレンズ131までの位置を、第1アキシコンレンズ133に入射するガウシアンビームが発散光となる位置に保ったまま、或いは、第1アキシコンレンズ133に入射するガウシアンビームが収斂光となる位置に保ったまま、第1アキシコンレンズ133を光軸Lに沿って移動させる調整機構を有していることが好ましい。これにより、ベッセルビームB2の干渉領域A2におけるパワー密度を調整することが可能な加工装置1を実現することができる。
(条件D>d0の十分条件)
第1アキシコンレンズ133にコリメートビームを入射させたときに形成される干渉領域A1の頂角γは、第1アキシコンレンズ133の底角をβ、第1アキシコンレンズ133の屈折率nとして、nsinβ=sin(β+γ)の解として与えられる(図5参照)。また、干渉領域A1の深度d0は、第1アキシコンレンズ133に入射するコリメートビームの半径をrとして、d0=r(cotγ−tanβ)により与えられる(図5参照)。したがって、干渉領域Aの深度d0は、第1アキシコンレンズ133の底面の半径をr0とすると、r<r0なので、d0<r0(cotγ−tanβ)を満たす。
第1アキシコンレンズ133にコリメートビームを入射させたときに形成される干渉領域A1の頂角γは、第1アキシコンレンズ133の底角をβ、第1アキシコンレンズ133の屈折率nとして、nsinβ=sin(β+γ)の解として与えられる(図5参照)。また、干渉領域A1の深度d0は、第1アキシコンレンズ133に入射するコリメートビームの半径をrとして、d0=r(cotγ−tanβ)により与えられる(図5参照)。したがって、干渉領域Aの深度d0は、第1アキシコンレンズ133の底面の半径をr0とすると、r<r0なので、d0<r0(cotγ−tanβ)を満たす。
したがって、第1アキシコンレンズ133の頂点から第2アキシコンレンズ135の頂点までの距離Dに関して、D>r0(cotγ−tanβ)という条件を満たせば、D>d0という条件を満たす。すなわち、D>r0(cotγ−tanβ)という条件を満たせば、D>d0という条件を満たしたときに得られる効果と同様の効果が得られる。
(付記事項)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。上述した実施形態に含まれる個々の技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。上述した実施形態に含まれる個々の技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 加工装置
11 レーザ光源
12 デリバリファイバ
13 加工ヘッド
130 筐体
131 コリメートレンズ
133 第1アキシコンレンズ
135 第2アキシコンレンズ
137 第3アキシコンレンズ
M ミラー
GS ガルバノスキャナ
M1 第1ミラー
M2 第2ミラー
11 レーザ光源
12 デリバリファイバ
13 加工ヘッド
130 筐体
131 コリメートレンズ
133 第1アキシコンレンズ
135 第2アキシコンレンズ
137 第3アキシコンレンズ
M ミラー
GS ガルバノスキャナ
M1 第1ミラー
M2 第2ミラー
Claims (8)
- 第1アキシコンレンズと、
その円錐面が前記第1アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置された第2アキシコンレンズと、
その平坦面が前記第2アキシコンレンズの平坦面と対向するように配置された第3アキシコンレンズと、を備え、
前記第1アキシコンレンズの頂点から前記第2アキシコンレンズの頂点までの距離Dは、前記第1アキシコンレンズから出射するベッセルビームの干渉領域の深度d0よりも大きい、
ことを特徴とするビームシェイパ。 - コリメートレンズを更に備え、
前記第1アキシコンレンズは、その平坦面が前記コリメートレンズの凸面と対向するように配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のビームシェイパ。 - 前記第2アキシコンレンズ及び前記第3アキシコンレンズの直径は、前記第1アキシコンレンズの直径よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のビームシェイパ。 - その反射面が前記第3アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置されたミラーを更に備えている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のビームシェイパ。 - その反射面が前記第3アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置され、第1の軸を回転軸として回転可能な第1ミラーと、その反射面が前記第1ミラーの反射面と対向するように配置さ、前記第1の軸とは異なる第2の軸を回転軸として回転可能な第2ミラーと、を含むガルバノスキャナを更に備えている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のビームシェイパ。 - 前記第2アキシコンレンズをその光軸と平行な方向に移動する調整機構を更に備えている、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のビームシェイパ。 - 第1アキシコンレンズと、
その円錐面が前記第1アキシコンレンズの円錐面と対向するように配置された第2アキシコンレンズと、
その平坦面が前記第2アキシコンレンズの平坦面と対向するように配置された第3アキシコンレンズと、を備え、
前記第1アキシコンレンズの底面の半径をr0、前記第1アキシコンレンズの底角をβ、前記第1アキシコンレンズにコリメートビームを入射させたときに形成される干渉領域の頂角をγとして、前記第1アキシコンレンズの頂点から前記第2アキシコンレンズの頂点までの距離Dは、D>r0(cotγ−tanβ)を満たす、
ことを特徴とするビームシェイパ。 - 請求項1〜7の何れか1項に記載のビームシェイパを含む加工ヘッドを備え、前記ビームシェイパから出力されるベッセルビームをワークに照射する、
ことを特徴とする加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019214541A JP2021085984A (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | ビームシェイパ及び加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019214541A JP2021085984A (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | ビームシェイパ及び加工装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2021085984A true JP2021085984A (ja) | 2021-06-03 |
Family
ID=76087503
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019214541A Pending JP2021085984A (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | ビームシェイパ及び加工装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021085984A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2019
- 2019-11-27 JP JP2019214541A patent/JP2021085984A/ja active Pending
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