JP5804957B2 - ポリイミド繊維 - Google Patents

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本発明は、特定の半芳香族ポリイミドからなる繊維に関する。本発明のポリイミド繊維は、高強力、高弾性率で、かつ耐熱性、耐水性、耐薬品性、などの諸性能にも優れており、電気・電子部材やフィルターなどの産業資材用途のほか、耐熱服や防炎服などの防護服、などに好適に使用することができる。
ポリイミド繊維はその優れた耐熱性、力学特性から、産業資材や電気・電子分野における用途、宇宙・航空分野における用途としての期待が大きい。これまでにポリイミドを繊維化する方法としては、溶剤および可塑剤に溶解または分散し、乾式紡糸によって繊維化する方法が知られているが、この方法では溶剤への溶解、脱溶剤及び溶剤の回収等の複数の工程を必要とし、コストの面でも実用的なものでなかった。また、熱可塑性ポリイミドを原料として溶融紡糸する方法も知られているが、ポリイミドは融点が高く、溶融粘度も高いため、メルトフラクチャーが発生しやすいこと等により所望のフィラメントを紡糸することは困難であった。
特許文献1には熱可塑性ポリイミドを溶融紡糸する方法が報告されているが、その溶融粘度は700Pa以下に限定されており、重合度を低くしなければならないために十分な力学物性が得られない。また、特許文献2にはより高粘度のポリイミドを溶融紡糸する方法が報告されているが、きわめて高温での紡糸であるため実用化には至っていない。一方、高重合度でありながら溶融成型が可能なポリイミドとして、脂肪族ジアミンをジアミン成分として含むポリイミドの製造方法(例えば、特許文献3参照)や芳香族テトラカルボン酸と芳香族ジアミンとからなる熱可塑性ポリイミド(例えば、特許文献4参照)が提案されているが、繊維化はなされていない。
特開平6−033316号公報 特開2000−129535号公報 特開2000−212279号公報 特開2001−131284号公報
本発明の目的は、従来の繊維では達し得なかった、高強力、高弾性率で、かつ耐熱性、耐水性、耐薬品性、などの諸性能にも優れ、かつ安定した紡糸が可能なポリイミド繊維を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、ピロメリット酸単位および1,9−ノナンジアミン単位から主としてなる半芳香族ポリイミドに、2−メチル−1,8−オクタンジアミンを特定量共重合したポリイミドを紡糸することにより、安定した条件で溶融紡糸が可能であり、かつ力学物性に優れた繊維を得ることができることを見出して本発明を完成した。
すなわち本発明は、テトラカルボン酸単位の60〜100モル%がピロメリット酸単位からなり、ジアミン単位の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位からなり、かつ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比が40:60〜99:1であるポリアミドであって、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.6〜2.0dl/gであるポリイミドからなる繊維に関するものである。
本発明のポリイミド繊維は、高強力、高モジュラスで、かつ耐熱性、耐水性、耐薬品性、などの諸特性にも優れており、電気・電子部材、フィルターなどの産業資材用途のほか、耐熱服、防炎服などの防護服などにも好適に使用することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。 本発明に用いられるポリイミドは、実質的にテトラカルボン酸単位およびジアミン単位からなる。テトラカルボン酸単位としては、ピロメリット酸単位を60モル%以上含有していることが必要であり、75モル%以上含有していることが好ましく、90モル%以上含有していることがより好ましい。ピロメリット酸単位の含有率が60モル%未満の場合には、得られるポリイミド繊維の耐薬品性、耐熱性などの諸物性が低下する。
ピロメリット酸単位以外の他のテトラカルボン酸単位としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、などの脂肪族ジカルボン酸、3,3’,4,4’―ビスフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メロファン酸(1,2,3,4−テトラカルボン酸)、プレーニト酸(1,2,3,5−テトラカルボン酸)などの芳香族テトラカルボン酸から誘導される単位を1種または2種以上含ませることができる。耐熱性などの点から、上記したテトラカルボン酸単位のなかでも、芳香族テトラカルボン酸単位を含ませるのが好ましい。
一方、ジアミン単位としては、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有していることが必要である。
本発明で使用するポリイミドにおいては、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は40:60〜99:1であり、50:50〜99:1であることが好ましく、70:30〜95:5であることがより好ましい。
1,9−ノナンジアミン単位、2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位以外の他のジアミン単位としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンから誘導される単位を1種または2種以上含ませることができる。
本発明に用いられるポリイミドは、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましく、末端の40%以上が封止されていることがより好ましく、末端の70%以上が封止されていることがさらに好ましい。ポリイミドの末端を封止することにより、紡糸性が向上し、さらに耐水性、耐薬品性により優れたポリイミド繊維が得られる。
末端封止率を求めるにあたっては、ポリアミドに存在しているカルボキシル基末端、アミノ基末端および末端封止剤によって封止された末端の数をそれぞれ測定し、下記の式(1)により末端封止率を求めることができる。各末端基の数は、1 H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。
末端封止率(%)=[(A−B)÷A]×100 ………(1)
〔式中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリイミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル基末端およびアミノ基末端の合計数を表す〕
末端封止剤としては、ポリイミド末端のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性および多官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸、オルトジカルボン酸、モノアミンが好ましく、取扱いの容易さ、反応の安定性、均一性などの点から、モノカルボン酸およびオルトジカルボン酸がより好ましい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類なども使用できる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。
末端封止材として使用されるジカルボン酸としては、フタル酸もしくはフタル酸無水物が挙げられる。これらの内、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸、フタル酸が好ましい。
ポリイミドの末端基をモノカルボン酸またはジカルボン酸で封止する場合は、ポリイミドの製造に際してテトラカルボン酸成分に対するジアミン成分の使用モル数をわずかに多くして、ポリイミドの両末端がアミノ基になるようにし、モノカルボン酸またはジカルボン酸を末端封止剤として加えるのがよい。
本発明に用いられるポリイミドのアミノ基末端は、これらのモノカルボン酸またはジカルボン酸で封止されることにより、下記の一般式(I)または(II)で示される封止末端を形成する。
Figure 0005804957
Figure 0005804957
末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。これらの内、反応性、沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
ポリイミドの末端基をモノアミンで封止する場合は、ポリイミドの製造に際してテトラカルボン酸成分に対するジアミン成分の使用モル数をわずかに少なくして、ポリイミドの両末端がカルボキシル基になるようにし、モノアミンを末端封止剤として加えるのがよい。
本発明に用いられるポリイミドのカルボキシル基末端は、これらのモノアミンで封止されることにより、下記の一般式(III)で示される封止末端を形成する。
Figure 0005804957
ポリイミドを製造する際に用いられる末端封止剤の使用量は、最終的に得られるポリイミドの極限粘度[η]および末端基の封止率が、本発明に規定する範囲内となるように選ぶことが必要である。具体的な使用量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって変化するが、通常、テトラカルボン酸とジアミンの総モル数に対して0.5〜10モル%の範囲内で使用されるのが好ましい。
ポリイミドの製造法は特に制限されず、任意の製造方法を用いることができる。例えば、ポリアミド酸を脱水環化させる方法、溶融重合法、固相重合法、などの方法により重合可能である。以下に、ポリイミドの製造法の一例を示す。
末端封止剤および触媒を、最初にジアミン成分およびテトラカルボン酸成分に一括して添加し、ナイロン塩を製造した後、さらに固相重合するか、あるいは溶融押出機を用いて重合を行うことにより、容易に本発明に用いられるポリイミドを得ることができる。末端封止剤および触媒を、ナイロン塩の製造段階以降に添加した場合には、重合中にカルボキシル基とアミノ基のモルバランスがずれたり、架橋構造が生成するなどの問題点が生じ易くなる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温度が200〜310の範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に押さえることができるので好ましい。重合の最終段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が380℃以下であるとポリイミドの分解がほとんどなく、劣化の無いポリイミドが得られるので好ましい。
本発明に用いられるポリイミドの、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]は0.6〜2.0dl/gであり、好ましくは0.6〜1.8dl/g、より好ましくは0.8〜1.6dl/gである。極限粘度[η]がこの範囲であると、溶融紡糸性が良好であり、さらに得られる繊維の力学的性能も優れている。
ポリイミドの製造に用いる触媒としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらのアンモニウム塩、それらの金属塩(カリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなどの金属塩)、それらのエステル類(エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなど)を挙げることができる。これらの中でも、次亜リン酸ナトリウムが入手し易さ、取扱いの簡便さなどから好ましい。その他、必要に応じて銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを重縮合反応時、またはその後に添加することもできる。特に、熱安定剤としてヒンダードフェノールなどの有機系安定剤、ヨウ化銅などのハロゲン化銅化合物、ヨウ化カリウムなどのハロゲン化アルカリ金属化合物を添加すると、紡糸時の溶融滞留安定性、糸の耐乾熱劣化性が更に向上するので好ましい。
溶融紡糸は、通常、溶融押出機を用いて行うが、スクリュー型押出機を使用するのが好ましい。上記のポリイミドを、好ましくは融点〜370℃で溶融し、30分以内の溶融滞留時間で、口金ノズルより紡出することにより繊維を得ることができる。溶融温度および溶融滞留時間が上記条件を満たしていれば、紡糸時の熱分解を有効に抑えることができ、高品質のポリイミド繊維を得ることができる。
前記のごとく紡出した糸条を、引取りローラーなどにより引き取る。この時、必要に応じて、ノズル直下に加熱または保温ゾーンを設けたり、吹き付けチャンバーなどによる冷却ゾーンを設けたり、紡出した糸条に油剤を塗布してもよい。引き取った繊維の複屈折は20×10−3 以下であるのが好ましい。複屈折がこの範囲内であれば、延伸工程で十分に延伸することができ、高強度の繊維を得ることができる。
延伸は、加熱浴、加熱蒸気吹付け、ローラーヒーター、接触式プレートヒーター、非接触式プレートヒーター等を使用して、350℃以下で行うのが好ましく、250℃〜320℃で行うのがより好ましい。さらに、延伸倍率は2倍以上が好ましく、3倍以上がより好ましい。この時、350℃より高い温度で延伸を行うと、ポリイミド樹脂の劣化や、結晶の再組織化などが起こり強度が低下する。必要に応じて、延伸に引き続いて、さらに250℃〜340℃℃で定長熱処理、緊張熱処理または弛緩熱処理を行うことができる。上記の方法の他にも、紡糸直結延伸を行うことも可能である。このようにして得られたポリイミド繊維は、分散染料、酸性染料などを用いた通常の染色方法で染色可能である。
本発明のポリイミド繊維は、高強力、高弾性率で、かつ耐熱性、耐水性、耐薬品性、などの諸性能にも優れているので、電気・電子部品やフィルター類などの産業資材用途のほか、耐熱服や耐炎服などの防護服などに好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、以下の例において、ポリイミドの、極限粘度[η]、ポリイミド繊維の強度、弾性率、耐薬品性、吸水率は、下記の方法により測定または評価した。
<極限粘度[η]>
濃硫酸中、30℃にて、0.05,0.1,0.2,0.4g/dlの濃度の試料の固有粘度(ηinh )を測定し、これを濃度0に外挿した値を極限粘度[η]とした。
ηinh =[ln(t1 /t0 )]/c
〔式中、ηinh は固有粘度(dl/g)、t0 は溶媒の流下時間(秒)、t1 は試料溶液の流下時間(秒)、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)を表す。〕
<強度、弾性率 cN/dtex>
JIS L 1013に準じて測定した。
<耐薬品性>
延伸糸を、70℃の各種薬品(10%塩酸、10%硫酸、10%水酸化ナトリウム水溶液、28%アンモニア水溶液)中に、下記の表1に記載した時間浸漬した。処理前後の強度を測定し、強度の保持率(%)を求めた。
<吸水率>
延伸糸約2gを真空乾燥機にて乾燥(60℃で6時間)した後に、調湿されたデシケーター(95%RH)中に1週間放置した。調湿前後の重量変化を測定し、下式により吸水率を算出した。
吸水率(%)=[(w−w1 )/w1 ]×100
〔式中、wは調湿後の試料重量(g)、w1 は絶乾時の試料重量(g)を表す。〕
[実施例1]
ピロメリット酸0.49molおよびフタル酸0.02molをエタノール2L中に溶解させ、1,9−ノナンジアミン:2−メチルー1,8−オクタンジアミン=85:15 0.5molをエタノール2L中に溶解させた。各々が完全に溶解した後、ピロメリット酸とフタル酸の混合溶液を60℃で攪拌した中に、ジアミン溶液を2時間かけて滴下した。滴下完了後、さらに2時間攪拌を続け、ピロメリット酸とジアミンの塩モノマーを作製した。この塩モノマーをろ過、乾燥した後、窒素下で2.5時間かけて300℃まで昇温して固相熱処理し、ポリマーを得た。
得られたポリマーを(株)島津製作所製フローテスター[FT−500型](口金:0.5mmφ)を用いて、320℃で吐出速度と巻取速度の比(ドラフト比)が15前後となるような条件下で紡糸することにより、モノフィラメントを作製した。これを引き続き、300℃のホットプレート上で最大延伸倍率の0.8倍に延伸した。得られた繊維について評価した結果を下記の表1に示す。
[比較例1]
ナイロン6(濃硫酸中、30℃での極限粘度[η]:1.3dl/g)を用いて、実施例1と同様にしてモノフィラメントを製造した。得られた繊維について評価した結果を下記の表1に併せて示す。
[比較例2]
ナイロン66(濃硫酸中、30℃での極限粘度[η]:1.4dl/g)を用いて、実施例1と同様にしてモノフィラメントを製造した。得られた繊維について評価した結果を下記の表1に併せて示す。
[比較例3]
ポリエチレンテレフタレート樹脂(フェノール/テトラクロロエタン=1/1の混合溶媒中、30℃での極限粘度[η]:0.65dl/g)を使用して、実施例1と同様にしてモノフィラメントを製造した。得られた繊維について評価した結果を表1に併せて示す。
表1から明らかなように、実施例1によって得られた繊維は比較例1、2、3によって得られた繊維よりも良好な強度、耐熱性、耐薬品性を有していた。
Figure 0005804957
本発明のポリイミド繊維は、高強力、高弾性率で、かつ耐熱性、耐水性、耐薬品性、などの諸性能にも優れているので、電気・電子部品やフィルター類などの産業資材用途のほか、耐熱服や耐炎服などの防護服などに好適に使用することができる。

Claims (1)

  1. テトラカルボン酸単位の60〜100モル%がピロメリット酸単位からなり、ジアミン単位の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位からなり、かつ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比が40:60〜99:1であるポリイミドであって、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.6〜2.0dl/gであるポリイミドからなる繊維。
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