以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
なお、本実施形態では、アルファベットによる符号を、以下の通り使用する。
N:リールの図柄コマ数
P:最大移動コマ数
Z:各リールのゾーン
M:そのゾーン内の1つの複合ベルに係る図柄の種類(数)
C:ゾーン内の図柄コマ数
Y:リールのゾーンZの数
S:Nを(P+M)で割ったときの剰余
<第1実施形態>
図1は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技の進行を制御するメイン制御手段60と、演出の出力を制御するサブ制御手段80とを備える。
メイン制御手段60は、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し等を制御する。メイン制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、サブ制御手段80は、演出の選択・出力、ART遊技の抽選(決定)、ストップスイッチ42の報知等を制御する。サブ制御手段80は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、上記メイン制御基板と同様に、演算等を行うCPU、演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、メイン制御基板とサブ制御基板は、別体で構成されるとともに、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、遊技に関する情報(遊技結果等)を送信可能なように両者が電気的に接続されている。
図1に示すように、メイン制御手段60の入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態でのベットスイッチ40は、max投入専用のスイッチであり、遊技者は、いずれの遊技状態においても、常に最大枚数のメダルを投入して遊技を行うようになっている。
なお、本実施形態では、特別遊技(MB遊技)以外の遊技では、3枚のメダルを投入して遊技を行い、特別遊技では2枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。したがって、特別遊技以外の遊技でベットスイッチ40を操作したときは、3枚のメダルが投入され、特別遊技でベットスイッチ40を操作したときは、2枚のメダルが投入されるように設定されている。
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
メイン制御手段60の出力側(図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。たとえば、左リール31において、図柄番号20番の図柄は、「ベル」である。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31は、20コマに等分割され、各コマに所定の図柄が表示されている。
なお、図2に示すように、本実施形態では、「スイカ」は、異なる図柄である「スイカA」と「スイカB」とを備える。さらにまた、「BAR」は、異なる図柄である「黒BAR」と「白BAR」とを備える。
さらに、「ブランク」は、所定の図柄を有するものであり、当該コマに図柄が何も表示されていないという意味ではない。
さらにまた、コマの一部を濃色で図示している範囲は、後述するゾーンZを意味する(実際にそのように着色されていることを意味するものではない)。たとえば、中リール31については、2コマのゾーンZ11、2コマのゾーンZ12、及び4コマのゾーンZ13を有する。さらに、ゾーンZ11とZ12との間、ゾーンZ12とZ13との間、及びゾーンZ13とZ11との間は、いずれも、Pだけ離れて配置されている。ここで、「P」は、リール31の停止時における最大移動コマ数であり、第1実施形態では「4」である。
また、右リール31においては、各1コマのゾーンZ21、Z22、Z23、及びZ24を有する。さらに、各ゾーンZ21〜Z24間は、いずれも、最大移動コマ数Pだけ離れて配置されている。
また、図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。なお、各図柄の右下の数字は図柄番号を示している。
なお、本明細書では、図3中、左リール31の「スイカA」、中リール31の「リプレイ」、及び右リール31の「スイカB」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「ベル」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「リプレイ」、中リール31の「スイカA」、及び右リール31の「リプレイ」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
さらにまた、図3に示すように、表示窓11から見える9個の図柄に対し、有効ラインが設定されている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。本実施形態では、図3に示すように、水平方向中段の有効ライン(1本)のみが定められ、他の図柄組合せラインは、全て無効ラインとなっている。
例えば、図3中、各リール31の上段を通過する図柄組合せラインや、左リール31の下段、中リール31の中段、及び右リール31の上段を通過する図柄組合せラインも考えられるが、このようなラインは、本実施形態では無効ラインとなっている。無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
また、従来より、メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。例えば、メダル投入枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダル投入枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダル投入枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。これに対し、本実施形態では、遊技中は、2枚又は3枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、すべての遊技において、常に水平方向中段の1本のみが有効ラインとなる。
さらに、図1において、サブ制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、ドットディスプレイ、有機ELディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、ストップスイッチ42の押し順等を表示するものである。
図4及び図5は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
本実施形態の役は、大別して、小役、特別役、リプレイを有する。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(役が入賞する。以下同じ。)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される。
ただし、特別役の入賞時の払出し枚数は0枚に設定されている。また、リプレイは、メダルが自動投入される。さらに、小役(ベル)のうち、ベル01においては、特別遊技を除く遊技での払出し枚数は8枚であるが、特別遊技では2枚の払出しとなる。
小役は、図4及び図5に示すように、ベル及び特殊役の2種類に大別される。さらに、ベルは、ベル01〜ベル33の33種類を有し、特殊役は、特殊役01〜特殊役04の4種類を有する。なお、特殊役における「ANY」とは、いずれの図柄でもよいこと(任意の図柄)を意味する。
ベル01は、いわゆる「ベル」揃いの図柄の組合せであり、ストップスイッチ42の押し順正解時(後述)に停止する図柄の組合せである。また、ベル02〜ベル33は、押し順不正解時に停止表示可能な図柄の組合せである。ベル02〜ベル25は、左リール31の図柄は「リプレイ」に設定されている。さらに、ベル02〜ベル07の右リール31の図柄は「赤7」、ベル08〜ベル13の右リール31の図柄は「青7」、ベル14〜ベル19の右リール31の図柄は「黒BAR」、ベル20〜ベル25の右リール31の図柄は「白BAR」である。
さらに、ベル02〜ベル25において、右リール31の図柄が同一であるベルについては、中リール31の図柄が、「スイカA」、「黒BAR」、「赤7」、「チェリー」、「青7」、又は「白BAR」のいずれかに設定されている。
さらにまた、ベル26〜ベル29については、中リール31の図柄は、「ベル」に設定されており、ベル30〜ベル33については、右リール31の図柄は、「ベル」に設定されている。
さらに、図4及び図5に示すように、ベル02〜ベル33の入賞時のメダル払出し枚数は、常に1枚に設定されている。
特殊役は、払出し枚数が2枚に設定されており、左リール31の図柄のみが定められている。特殊役は、後述するART遊技の抽選等に用いられる。
また、特別役は、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、図5に示すように、特別役として、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナス(2BB)ともいう。)のみが設けられている。さらに、MBは、MB1と、MB2との種類を有する。
なお、特別役としては、他に、1BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
MB1又はMB2がそれぞれ入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つであるMB1遊技及びMB2遊技に移行する。MB1遊技とMB2遊技とで、特別遊技の終了条件等を異ならせてもよいが、本実施形態では同一の特別遊技に設定されている。
なお、上記の1BBやRBの入賞によってそれぞれ移行する1BB遊技及びRB遊技は、出玉率が1を超えるように設定されていることで、通常遊技以上にメダル獲得が期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
これに対し、本実施形態のMBは、MB遊技でメダルを増加させることを直接の目的としたものではなく、MBに当選した後、入賞前の遊技状態(内部中)を作り出すことを主目的とする。
また、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した(メダルを自動投入する)再遊技を行うことができる役である。本実施形態では、リプレイとして、リプレイA(ノーマルリプレイ)と、リプレイB(レアリプレイ)とを有する。なお、リプレイBの図柄の組合せにおいて、「/」は、「又は」を意味する。したがって、リプレイBのたとえば中リール31では、「スイカA」、「スイカB」又は「ブランク」のいずれでもよいことを意味する。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役は、特別役であるMBである。MBに当選したときは、MBが入賞するまでの遊技において、MBの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
一方、MBの当選は持ち越されるのに対し、MB以外の小役及びリプレイは、持ち越されない。役の抽選において、小役又はリプレイに当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが入賞可能にリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
なお、特別役(MB)に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役が入賞していない遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時における図柄の組合せにより、当該遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
次に、メイン制御手段60の具体的構成について説明する。
図1に示すように、メイン制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61は、役(上述した特別役、リプレイ、及び小役)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、たとえば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。たとえば、抽出した乱数値がMB1の当選領域に属する場合は、MB1の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられ、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
図6は、各遊技状態で抽選される当選の種類を示す図である。
ここで、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と特別遊技とを有する。通常遊技は、非内部中遊技、MB1内部中遊技、及びMB2内部中遊技を有する。さらにMB1内部中遊技は、非ART遊技であり、MB2内部中遊技は、ART遊技であるときと、非ART遊技(非AT、かつRT)であるときとを有する。
また、特別遊技は、MB1遊技とMB2遊技とを有する。
そして、これらの遊技状態ごとに役抽選テーブル62が設けられているとともに、抽選される役の種類や当選確率が設定されている。
まず、非内部中遊技では、MB1及びMB2の双方が抽選される。そして、いずれか一方に当選したときは、次遊技から内部中遊技に移行する。
たとえば非内部中遊技でMB1に当選し、当該遊技でMB1が入賞しなかったときは、次遊技から、MB1が入賞するまでMB1内部中の遊技状態となる。同様に、MB2に当選し、当該遊技でMB2が入賞しなかったときは、次遊技から、MB2が入賞するまでMB2内部中の遊技状態となる。これらのMB1内部中遊技及びMB2内部中遊技では、MB1及びMB2は抽選されない。
特別遊技以外の遊技状態では、リプレイの当選として、単独当選(リプレイ)と、複合リプレイ(リプレイの重複当選)とを有する。
非内部中遊技及びMB1内部中遊技は、リプレイの単独当選確率が1/7.3(通常確率)に設定され、複合リプレイの当選確率は、極めて低く(ほとんど当選しないように)設定されている。
これに対し、MB2内部中遊技は、リプレイの当選確率と、複合リプレイの当選確率との双方が、非内部中遊技やMB1内部中遊技よりも高く設定されている。
小役の当選の種類としては、第1に、複合ベルA1〜複合ベルD3の12種類を有し、いずれも複数種類のベルが重複当選するものである。そして、これらの各当選確率は1/24であり、合算の当選確率は1/2に設定されている。
MB2内部中遊技は、ベル合算の当選確率が1/2、リプレイ合算の当選確率がほぼ1/2である。これにより、MB2内部中遊技では、非当選確率が「0」、又は1/65536程度の極めて低確率に設定される。
さらに第2に、小役の当選である複合特殊役は、複数種類の特殊役の重複当選であり、これに当選したときは、ARTが抽選される。
また、MB1遊技及びMB2遊技では、すべての役の抽選が行われない。なお、リプレイについては抽選を行うことも可能である。後述するように、MB遊技では、すべての小役の当選フラグがオンとなり、いずれかの小役が入賞可能な遊技状態となる。
図7は、図6で示した当選の種類の内容をより具体的に示す図である。
まず、単独リプレイは、リプレイAの単独当選である。これに対し、複合リプレイは、リプレイA及びリプレイBの重複当選である。
また、複合ベルA1〜D3は、いずれも、5種類のベル(ベル01〜ベル33のいずれか)の重複当選であり、いずれの複合ベルも、ベル01の当選を含む。
さらにまた、例えば複合ベルA1では、ベル02及びベル03の当選を含むが、ベル02及びベル03の中リール31に係る図柄は、図4に示すようにそれぞれ「スイカA」と「黒BAR」である。そして、これらの図柄は、図2に示すように、ゾーンZ11内の図柄に設定されている。
同様に、複合ベルA2では、ベル04及びベル05の当選を含むが、ベル04及びベル05の中リール31に係る図柄は、図4に示すようにそれぞれ「赤7」と「チェリー」である。そして、これらの図柄は、図2に示すように、ゾーンZ12内の図柄に設定されている。
さらに同様に、複合ベルA3では、ベル06及びベル07の当選を含むが、ベル06及びベル07の中リール31に係る図柄は、図4に示すようにそれぞれ「青7」と「白BAR」である。そして、これらの図柄は、図2に示すように、ゾーンZ13内の図柄に設定されている。
他の複合ベルについても上記と同様に、たとえば複合ベルB1においては、ベル08とベル09(図7中、2番目に記載したベルと3番目に記載したベル)の中リール31の各図柄は、いずれかの1ゾーンZ内に配置されている図柄に設定されている。
また、図7に示すように、各複合ベルには、正解押し順が割り当てられている。
具体的には、複合ベルA1〜A3の正解押し順は、中左右であり、複合ベルB1〜B3の正解押し順は、中右左である。さらにまた、複合ベルC1〜C3の正解押し順は、右左中であり、複合ベルD1〜D3の正解押し順は、右中左である。
たとえば複合ベルA1では、中左右の押し順が正解押し順であり、他の5通りの押し順は不正解押し順となる。そして、正解押し順のときは、ベル01を常に入賞させる。これに対し、不正解押し順の場合において、順押し(左第一停止時。順挟みを含む。以下同じ。)のときは、ベル02又はベル03を入賞可能とし、変則押し(中又は右第一停止を指す。以下同じ。)のときは、ベル26又はベル27を入賞させる。
これらのリール停止制御については、後述する。
説明を図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、すべての役について、各役ごとに当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選においていずれかの当選となったときは、当該当選に対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。
たとえば、非内部中遊技において、複合ベルA1に当選したときは、ベル01、02、03、26、27(合計5個)に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフとなる。
さらに、上述したように、特別役以外の小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、MBの当選は持ち越されるので、当該遊技でMBに当選し、当選したMBに係る当選フラグ63aが一旦オンになったときは、そのMBが入賞するまでオンの状態が維持され、そのMBが入賞した時点でオフにされる。
たとえば役抽選手段61でMB1に当選し、当該遊技でMB1が入賞しなかった場合において、次遊技(内部中遊技)で複合ベルA1に当選したときは、前遊技で当選したMB1、及び当該遊技で当選したベル01、02、03、26、27(合計6個)の当選フラグ63aがオンにされる。そして、この遊技でMB1が入賞しなかったときは、MB1の当選フラグ63aのオンの状態は維持される。これに対し、当該遊技での遊技結果(入賞/非入賞)にかかわらず、当該遊技の終了時に複合ベルA1に係る5個の当選フラグ63aはオフにされる。
図1において、リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
たとえば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動コマ(図柄)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、通常遊技では、ストップスイッチ42が操作されたときは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数Pが4コマに設定されている。
また、MB遊技中の左リール31については、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が75ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動コマ数が1コマに設定されている。なお、MB遊技中の中及び右リール31については、上記と同様に190ms以内(最大移動コマ数が4コマ)に設定されている。
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技では、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する図柄の引込み停止制御を行う。
さらに、リール制御手段64は、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出する。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力される。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
さらに、本実施形態では、非ART遊技中は、最初に操作すべき(第一停止の)ストップスイッチ42は、左(順押し)と定めており、中又は右第一停止(変則押し)の場合には後述するペナルティを課す。なお、ART遊技中に押し順報知が行われた場合において、その報知内容が中又は右第一停止であるときはペナルティを課すことはない。このため、遊技者は、押し順の報知がないときは、常に、左第一停止を行う(左ストップスイッチ42を操作する)こととなる。
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段61による役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、たとえば01番の図柄(左リール31であれば「スイカA」)が中段(有効ライン)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を中段に停止させる、というように停止位置が事前に定められている。
停止位置決定テーブル65は、以下のものを備える。
MB1テーブルは、MB1の当選フラグ63aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技でMB1に当選したとき、又は当該遊技以前にMB1に当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、MB1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MB1以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
本実施形態では、MB1に係る図柄は、すべてのリール31において「ブランク」である(図5)。さらに、「ブランク」は、左及び右リール31では1個、中リール31には2個設けられている。したがって、遊技者は、「ブランク」が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42を操作しなければ、「ブランク」を有効ラインに停止させることはできない。
ここで、上記のように、適切なリール31の位置で(対象図柄を最大移動コマ数Pの範囲内において停止可能な操作タイミングで)ストップスイッチ42を操作しなければ、対象となる図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを、「PB(引込み率)≠1」と称する。
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象となる図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを、「PB=1」と称する。
そして、「PB=1」は、その役について、すなわち全リール31がそのようになっている場合と、特定の(一部の)リール31についてそのようになっている場合とを有する。
上述したように、第1実施形態では、最大移動コマ数Pは「4」であるので、5図柄以内の間隔で対象図柄が配列されているときは、「PB=1」となり、5図柄を超える間隔で配列されているときは、「PB≠1」となる。
さらに、第1実施形態では、MB1内部中において、非ART遊技を継続させようとするときは、当選したMB1を入賞させない制御を行う。ここで、MB1内部中遊技の場合には、図6に示すように、非当選確率は約35%である。このため、MB1内部中遊技における(当該遊技での)役の非当選時には、当選しているMB1を入賞させないようにする。
その方法として、第1に、遊技者に対して所定の目押しを行わせることにより、当選しているMB1の入賞を回避させる必要がある。そのために、たとえば、スロットマシン10のいずれかの場所に、MB1内部中遊技(通常遊技として、非AT中の遊技)においては、左リール31について、「赤7」を狙って停止させることを促す告知を行い、同時に、告知した図柄(「赤7」)以外の位置で左ストップスイッチ42を操作すると(「赤7」を停止させないと)遊技者に後述するペナルティを課す可能性があることを示唆することが望ましい。
また、たとえば、MB1内部中遊技における(当該遊技での)役の非当選時には、左リール31について、「「赤7」を狙え!」等を報知し、左リール31の2番の「ブランク」が有効ラインに停止させないようにする報知を行う。あるいは、左及び中リール31の停止時には何ら報知を行わず、「ブランク」−「ブランク」−「回転中」となってMB1のテンパイ形を形成したときに限り、右リール31について報知を行う(たとえば、「「赤7」を狙え!」等)ことも考えられる。
これに反し、(ART遊技への移行権利を有さない場合に)MB1を入賞させてしまったときは、ART遊技の抽選に関し、遊技者に不利な条件(ペナルティ)を課すことが挙げられる。たとえば、MB1遊技の終了後は、所定遊技回数の期間、ART遊技の抽選を行わないことが挙げられる。
第2の方法として、MBは、逆押し(右第一停止)の場合に限り入賞可能とし、非ART遊技中のように左第一停止で遊技を行うときは、MBに係る図柄が有効ラインに停止可能なタイミングでストップスイッチ42が操作されてもMBを入賞させないようにリール31を停止制御することが挙げられる。
MB2テーブルは、MB1テーブルと同様に、MB2の当選フラグ63aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技でMB2に当選したとき、又は当該遊技以前にMB2に当選し、かつ当該遊技で非当選であるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、MB2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MB2以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、MB2の図柄の組合せにおいて、左リール31の図柄は「リプレイ」であり、5図以内の間隔で配置されている。したがって、MB2の左リール31に係る図柄は、「PB=1」配置である。これに対し、中及び右リール31の図柄は、「PB≠1」配置である。
複合ベルA1テーブルは、複合ベルA1の当選となったとき(ベル01、02、03、26、27の各当選フラグ63aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順及び操作タイミングに応じて、当選したベルを入賞させる又は入賞可能となるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
また、複合ベルA2〜D3の当選となったときの停止位置決定テーブル65として、それぞれ複合ベルA2テーブル〜複合ベルD3テーブルが設けられている。
ここで、複数の役が同時に当選(重複当選)している場合のリール31を停止制御する方法として、「枚数優先」と「個数優先」とが挙げられる。
「枚数優先」とは、重複当選している役のうち、払出し枚数の最も多い役に係る図柄を優先して有効ラインに停止させる(引き込む)ように停止制御するものである。
一方、「個数優先」とは、リール31の停止時に、その図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、リール31を停止制御するものである。
本実施形態では、複合ベルA1の当選時は、8枚役のベル01、1枚役のベル02及び03、同じく1枚役のベル26及び27の重複当選となる。
複合ベルの当選時は、8枚役のベル01と、1枚役の4種類のベルとの重複当選になることは、他の複合ベルについても同様である。
そして、第1実施形態では、いずれかの複合ベル当選時において、ストップスイッチ42の押し順が正解押し順であるときは枚数優先に基づく停止制御を行い、押し順が不正解押し順であるときは個数優先に基づく停止制御を行う。
以下、複合ベルA1当選時の停止制御について説明する。
図8は、複合ベルA1当選時において、押し順正解時のリール停止制御を説明する図である。
図7に示すように、複合ベルA1では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段64は、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する(図8(A))。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから(6択押し順の場合には、第二停止で押し順正解が確定する)、リール制御手段64は、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する(図8(B))。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、中段に「ベル」の図柄を停止させるように制御する(図8(C))。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止するので、ベル01の入賞となり、通常遊技であれば8枚の払出しとなる。
一方、複合ベルA1当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル02又はベル03を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル02及び03に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に、「ベル」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は1個(ベル01)であるが、「リプレイ」を有効ラインに停止させると、その時点で入賞可能となる役の数は2個(ベル02及び03)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」の図柄を有効ラインに停止させる。
図9(A)は、このときの左リール31の停止状態を示す。なお、左リール31の「リプレイ」は、「PB=1」であるので、左ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず常に停止させることができる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「ベル」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル02に係る「スイカA」又はベル03に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。図9(B)の例では、有効ラインに「スイカA」を停止させた例を示している。
ここで、図2に示すように、中リール31において、ベル02又はベル03に係る図柄である「スイカA」又は「黒BAR」は、ゾーンZ11内にのみ配置されている。
そして、たとえば17番の「黒BAR」を有効ラインに停止させるためには、13番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。
同様に、18番の「スイカA」を有効ラインに停止させるためには、14番〜18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA1当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、13番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、17番の「黒BAR」のみが有効ラインに停止可能であり、18番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、18番の「スイカA」のみが有効ラインに停止可能である。一方、14番〜17番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」及び「スイカA」のいずれも有効ラインに停止可能である。
図2では、リール31の総図柄コマ数を「N」(図2の例では20個)、最大移動コマ数(第1実施形態では4コマ)をPで示している。そして、上記の例の場合に、中リール31の停止時にベル02又はベル03を停止させるためには、「P(13番〜16番)+Z11(17番〜18番)」のいずれかのコマが有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。
よって、中リール31を無作為に停止させたときに、複合ベルA1に係る図柄が有効ラインに停止する確率は、
(Z11+P)/N
となる。
ここで、実施形態では、「Z11(ゾーンZ11内の図柄コマ数)=2」、「P=4」、「N=20」であるので、上記確率は、
6/20
となる。
以上から明らかであるが、中リール31の停止時に、ゾーンZ12やZ13内の図柄が有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42を操作したときには、ゾーンZ11内の図柄を有効ラインに停止させることができない。
また、ベル02又はベル03の右リール31に係る図柄は、「赤7」であり、ゾーンZ22に配置されている。そして、図2に示すように、右リール31において、12番の「赤7」を有効ラインに停止させるためには、08番〜12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に右ストップスイッチ42を操作する必要がある。
したがって、複合ベルA1当選時の順押し時(押し順不正解時)は、右リール31については、中リール31と同様に「PB≠1」である。
そして、右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させるためには、「P(08番〜11番)+Z22(ゾーンZ22内の図柄コマ数、すなわち12番の1コマ)」のいずれかのコマが有効ラインを通過する瞬間に右ストップスイッチ42を操作する必要がある。
よって、右リール31を無作為に停止させたときに、複合ベルA1に係る図柄が有効ラインに停止する確率は、
(Z22+P)/N
となる。
ここで、実施形態では、「Z22=1」であるので、
5/20
となる。
以上より、複合ベルA1当選時における左第一停止時には、当選しているベル02又はベル03の停止確率は、
a)左リール31:PB=1(100%)
b)中リール31:確率6/20
c)右リール31:確率5/20
となる。
よって、合計では、
1×6/20×5/20
≒1/13.3
となる。
右リール31の停止時に、12番の「赤7」が有効ラインに停止するような上記のタイミングで右ストップスイッチ42を操作すれば、「赤7」が有効ラインに停止する。図9(C)は、このときのリール31の停止態様を示している。
一方、図9(B)に示すように、中リール31の停止時には「スイカA」が有効ラインに停止したが、右リール31の停止時には「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、たとえば図10(A)に示すように、有効ラインに「ベル」を停止させる。右リール31において、「ベル」は、5図柄以内の間隔で配置されているので、常に有効ラインに停止させることができる。
また、図9(A)の状態から、中リール31を停止させたときに、ゾーンZ11内の図柄(当選したベル02又はベル03に係る図柄)を有効ラインに停止させることができないときは、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないことを条件に、どの図柄を有効ラインに停止させてもよい。
たとえば図10(B)は、中リール31の停止時に「ベル」を中段に停止させた例を示している。ただし、これに限らず、たとえばゾーンZ12やZ13内の図柄が有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、ゾーンZ12内の「赤7」等や、ゾーンZ13内の「青7」等を停止させてもよい。
図10(B)の場合には、中リール31の停止時点で、複合ベルA1に係る当選役は、非入賞が確定する。したがって、右リール31の停止時にも、他の役の図柄の組合せが有効ラインに停止しない限り、どのような図柄を有効ラインに停止させてもよい。たとえば図10(C)に示すように、「リプレイ」を中段に停止させる。右リール31の「リプレイ」は、「PB=1」の図柄配置であるので、常に停止させることができる。これにより、図10(C)の例では、有効ラインに「リプレイ」−「ベル」−「リプレイ」が停止する。そして、この図柄の組合せを、複合ベル当選時の1枚ベル取りこぼし出目としてもよい。
なお、図10(C)において、右リール31の停止時に、たとえば複合ベルA1の当選役であるベル02又はベル03に係る「赤7」の図柄が有効ラインに停止可能であるときは、「赤7」を停止させてもよい。
ここで、中リール31の停止時に、たとえば有効ラインに「赤7」を停止させるように制御するときは、右リール31の停止時には有効ラインに「赤7」を停止させることができない。ベル04の入賞となってしまうからである。
したがって、中リール31の停止時に、他のベルに係る図柄を有効ラインに停止させたときは、右リール31の停止時には、ゾーンZ21〜Z24以外の図柄を停止させる。
一方、中リール31の停止時に、他のベルに係る図柄以外の図柄を停止させたときは、右リール31の停止時には、ゾーンZ21〜Z24内の図柄を停止させることが可能である。
複合ベルA1の当選時に、左右中の順(順挟み)でストップスイッチ42が操作されたときは、上述の左中右の押し順時と同様の停止制御を、中及び右リール31に対して行う。
一方、複合ベルA1当選時において、ART遊技中は、正解押し順である「中左右」が報知され、かつ、非ART遊技中は、左第一停止と定めている。したがって、一般には、非ART遊技では、「中右左」や、「右第一停止」の押し順は、想定されない。しかし、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等でそのような押し順となったときは、以下のように制御する。
まず、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、図8(A)に示すように、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、右第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて右リール31を停止する。右リール31の停止時に、「ベル」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル01(1個)となるが、「リプレイ」を中段に停止させると、その時点で入賞可能性を有する役は、ベル26又はベル27(2個)となる。よって、ベル26又はベル27の入賞を優先し、「リプレイ」を中段に停止させる。
そして、最後の左リール31の停止時には、ベル26に係る「チェリー」、又はベル27に係る「ブランク」を有効ラインに停止させる。
ここで、図2に示すように、左リール31においては、5図柄以内の間隔で、「チェリー」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、左リール31において、ベル26又はベル27に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、中右左の押し順では、常に、ベル26又はベル27を入賞させることができる。ただし、ベル26又はベル27は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
なお、非ART遊技中において、複合ベルA1当選時に中右左の押し順でストップスイッチ42を操作したときは、ペナルティとなる。
次に、複合ベルA1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。そして、押し順不正解であるので、個数優先によりリール31を停止制御する。ここで、右リール31の停止時に中段に「赤7」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル02又はベル03の2個となり、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル26又はベル27の2個となる。このように、個数優先時に入賞可能性を有する役の数が同一となる場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。仮に、ベル02又はベル03を優先するのであれば、左第一停止時と同様に、各リール31を停止制御する。
これに対し、ベル26又はベル27を優先するのであれば、右リール31の停止時には「リプレイ」(右リール31では「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「チェリー」又は「ブランク」を有効ラインに停止させ、中リール31の停止時には「ベル」を有効ラインに停止させる。これにより、右第一停止時には、上述の中右左の押し順時と同様の停止制御となり、「PB=1」でベル26又はベル27が入賞する。
次に、複合ベルA2当選時について説明する。複合ベルA2では、正解押し順は「中左右」である。したがって、中第一停止のときは、最初のストップスイッチ42の押し順は正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
次に、左第二停止のときは、2番目のストップスイッチ42の押し順も正解であるから、リール制御手段64は、有効ラインに「ベル」を停止させる。
最後の右第三停止時は、左及び中リール31と同様に、有効ラインに「ベル」を停止させる。これにより、有効ラインにはベル01の図柄の組合せが停止する。よって、個々のリール31の停止制御は、図8と同様となる。
一方、複合ベルA2当選時に、押し順不正解の場合において、左第一停止時は、個数優先を行うことにより、ベル04又はベル05を入賞可能に制御する。
左第一停止において、左リール31の「ベル」は、ベル01に係る図柄である。これに対し、左リール31の「リプレイ」は、ベル04及びベル05に係る図柄である。したがって、左リール31の停止時に「ベル」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は1個(ベル01)となり、「リプレイ」を有効ラインに停止させると入賞可能となる役の数は2個(ベル04及びベル05)となる。したがって、個数優先では、「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
また、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させると、左リール31の図柄が「ベル」でない図柄となっているベル01、26、27は、その時点で非入賞が確定する。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル04に係る「赤7」又はベル05に係る「チェリー」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」又は「チェリー」を停止させる。
ここで、図2に示すように、中リール31において、ベル04又はベル05に係る図柄である「赤7」又は「チェリー」は、ゾーンZ12内にのみ配置されている。
そして、「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させるためには、07番〜12番の図柄(ゾーンZ12内の図柄+Pの範囲の図柄)が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA2当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、07番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、11番の「チェリー」のみが有効ラインに停止可能であり、12番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、12番の「赤7」のみが有効ラインに停止可能である。一方、08番〜11番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「チェリー」及び「赤7」のいずれも有効ラインに停止可能である。
そして、中リール31を無作為に停止させたときに、複合ベルA2に係る図柄が有効ラインに停止する確率は、
(Z12(ゾーンZ12内の図柄コマ数)+P)/N
となる。
ここで、実施形態では、「Z11=2」、「P=4」、「N=20」であるので、上記確率は、
6/20
となる。
なお、中リール31の停止時に、ゾーンZ11やZ13内の図柄が有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42を操作したときには、ゾーンZ12内の図柄は有効ラインに停止させることができない。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「赤7」又は「チェリー」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
また、複合ベルA3当選時の押し順正解時の停止制御は、複合ベルA1と同様である。また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル06又はベル07を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル06に係る「青7」又はベル07に係る「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」又は「白BAR」を停止させる。
ここで、図2に示すように、中リール31において、ベル06又はベル07に係る図柄である「青7」又は「白BAR」は、ゾーンZ13内にのみ配置されている。
そして、「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させるためには、19番〜20番、又は01番〜06番の図柄(ゾーンZ13内の図柄+Pの範囲の図柄)が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要がある。したがって、複合ベルA3当選時の順押し時(押し順不正解時)は、左リール31については「PB=1」であるが、中リール31については、「PB≠1」である。
なお、19番〜20番、及び01番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」のみが停止可能であり、04番〜06番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、06番の「青7」のみが停止可能である。02番又は03番の図柄が有効ラインを通過する瞬間に中ストップスイッチ42が操作されたときは、03番の「白BAR」及び06番の「青7」のいずれの図柄も有効ラインに停止可能である。
そして、中リール31を無作為に停止させたときに、複合ベルA3に係る図柄が有効ラインに停止する確率は、
(Z13(ゾーンZ13内の図柄コマ数)+P)/N
となる。
ここで、「Z13=4」、「P=4」、「N=20」であるので、上記確率は、
8/20
となる。
なお、中リール31の停止時に、ゾーンZ11やZ12内の図柄が有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42を操作したときには、ゾーンZ13内の図柄は有効ラインに停止させることができない。
最後の右リール31については、複合ベルA1当選時と同様に、「赤7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「赤7」を有効ラインに停止させることができない。
中リール31の停止時に「青7」又は「白BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「赤7」を有効ラインに停止させることができないときは、複合ベルA1当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
さらに、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」又は「右第一停止」であるときは、上述した複合ベルA1当選時と同様である。
複合ベルB1当選時の正解押し順は、中右左であり、複合ベルB1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル08又はベル09を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル08に係る「スイカA」又はベル09に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル08又はベル09に係る図柄は「青7」であるので、図2中、ゾーンZ23の「青7」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「青7」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「青7」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「青7」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルB1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「中左右」である場合において、中第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル28又はベル29の入賞を優先するように制御する。これにより、ベル01よりもベル28又はベル29の入賞が優先されるので、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の右リール31については、「チェリー」又は「ブランク」を有効ラインに停止させる。図2に示すように、右リール31においては、5図柄以内の間隔で、「チェリー」又は「ブランク」のいずれかが配置されている。したがって、右リール31において、ベル28又はベル29に係るいずれかの図柄は、「PB=1」の配置である。
以上より、複合ベルB1当選時の中左右の押し順では、常に、ベル28又はベル29を入賞させることができる。ただし、ベル28又はベル29は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」である場合においては、右第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、右第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するので、「青7」(ベル08又はベル09)、又は「チェリー」若しくは「ブランク」(ベル28又はベル29)を停止させる。
右第一停止時に「青7」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「スイカA」又は「黒BAR」を停止可能であるときは、これらのいずれかの図柄を停止させる。
また、右第一停止時に「チェリー」又は「ブランク」を停止させたときは、中リール31の停止時には、「ベル」(PB=1)を停止させる。
複合ベルB2当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル10又はベル11と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルB3当選時の停止制御は、上述の複合ベルB1当選時に対し、ベル08又はベル09をベル12又はベル13と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルC1当選時の正解押し順は、右左中であり、複合ベルC1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル14又はベル15を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル14に係る「スイカA」又はベル15に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル14又はベル15に係る図柄は「黒BAR」であるので、図2中、ゾーンZ21の「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「黒BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「黒BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルC1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右中左」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、中第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて中リール31を停止する。すなわち、ベル30又はベル31の入賞を優先するように制御する。これにより、中リール31の停止時には「リプレイ」(中リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の左リール31については、「チェリー」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルC1当選時の右中左の押し順では、常に、ベル30又はベル31を入賞させることができる。ただし、ベル30又はベル31は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させると、その停止時点で入賞可能性のあるベルは、1つに絞られるが、「リプレイ」を停止させると、入賞可能性のあるベルは、ベル30又はベル31の2個となる。よって、個数優先により、中第一停止時には「リプレイ」(「PB=1」)を停止させる。
そして、左リール31の停止時には「チェリー」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルC2当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル16又はベル17と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルC3当選時の停止制御は、上述の複合ベルC1当選時に対し、ベル14又はベル15をベル18又はベル19と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
複合ベルD1当選時の正解押し順は、右中左であり、複合ベルD1当選時に正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、複合ベルA1と同様にベル01を入賞させるように制御する。
また、押し順不正解時の左第一停止時は、複合ベルA1当選時と同様に、個数優先を行うことにより、ベル20又はベル21を入賞可能に制御する。したがって、左第一停止時には、個数優先によって「リプレイ」を有効ラインに停止させる。
次に、中リール31を停止させるときは、ベル20に係る「スイカA」又はベル21に係る「黒BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させる。このときのリール31の停止制御は、複合ベルA1当選時と同様である。
最後の右リール31については、ベル20又はベル21に係る図柄は「白BAR」であるので、図2中、ゾーンZ24の「白BAR」を有効ラインに停止可能なタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは「白BAR」を有効ラインに停止させるが、それ以外のタイミングで右ストップスイッチ42が操作されたときは、「白BAR」を有効ラインに停止させることができない。
左右中(順挟み時)についても、各リール31の停止制御は、左中右(順押し時)と同様に行われる。
中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を有効ラインに停止させることができないとき、及び右リール31の停止時に「白BAR」を有効ラインに停止させることができないときは、他の複合ベル当選時の取りこぼし時と同様に、他の役が入賞しないような図柄を有効ラインに停止させればよい。
また、複合ベルD1当選時に、ストップスイッチ42の押し順が「右左中」である場合において、右第一停止は、その時点では押し順正解となるので、上述した枚数優先により、有効ラインに「ベル」を停止させる。次に、左第二停止であるときは、この時点で押し順不正解となる。押し順不正解時には、個数優先に切り替えて左リール31を停止する。すなわち、ベル32又はベル33の入賞を優先するように制御する。これにより、左リール31の停止時には「スイカA」(左リール31ではPB=1)を有効ラインに停止させる。
また、最後の中リール31については、「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
以上より、複合ベルD1当選時の右左中の押し順(不正解時)では、常に、ベル32又はベル33を入賞させることができる。ただし、ベル32又はベル33は、いずれも1枚の払出しとなるので、ベル01の入賞時よりは、遊技者が受ける利益が少ない。
さらにまた、複合ベルD1当選時において、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」である場合においては、中第一停止時点で、押し順不正解となる。したがって、中第一停止時は、個数優先によりリール31を停止制御するが、「スイカA」(ベル20)、「黒BAR」(ベル21)、「スイカB」(ベル32)、又は「ブランク」(ベル33)のいずれを停止させても、その停止時点で入賞可能性を有する役は、1個となる。
このような場合には、いずれを優先してもよく、いずれを優先するかを予め定めておけばよい。たとえば、中第一停止時に、16番の「スイカB」が有効ラインを通過する直前に中ストップスイッチ42が操作されたときは、「スイカB(16番)」、「黒BAR(17番)」、又は「スイカA(18番)」のいずれかを有効ラインに停止可能となる。
ここで、仮に、ベル20又はベル21を優先し、中リール31の停止時に「スイカA」又は「黒BAR」のいずれかを停止させたときは、左リール31は「PB=1」、右リール31は「PB≠1」となる。
これに対し、ベル32又はベル33を優先するのであれば、中リール31の停止時には「スイカB」又は「ブランク」(合算で「PB=1」)を有効ラインに停止させる。そして、左リール31の停止時には「スイカA」(「PB=1」)を有効ラインに停止させ、右リール31の停止時には「ベル」(「PB=1」)を有効ラインに停止させる。
複合ベルD2当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル22又はベル23と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「赤7」又は「チェリー」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「赤7」又は「チェリー」の停止制御は、複合ベルA2当選時と同様である。
さらに、複合ベルD3当選時の停止制御は、上述の複合ベルD1当選時に対し、ベル20又はベル21をベル24又はベル25と置き換えるとともに、中リール31の図柄を「スイカA」又は「黒BAR」から「青7」又は「白BAR」と置き換えたものに相当する。なお、中リール31の「青7」又は「白BAR」の停止制御は、複合ベルA3当選時と同様である。
以上説明したように、1つの複合ベル当選時(1つの条件装置)において、押し順不正解時の図柄の引込みを上述の個数優先によって行うときには、
押し順正解時の(枚数優先に係る)図柄の組合せ数L1<押し順不正解時の(個数優先に係る)図柄の組合せ数L2
を満たすことが必要である。
上記の例では、左リール31の停止時(第一停止時)に、枚数優先に係る図柄が「ベル」であり、個数優先に係る図柄が「リプレイ」であるので、枚数優先に係る図柄の組合せ数(ベル01)よりも、個数優先に係る図柄の組合せ数(ベル02又はベル03)の方を多くする必要がある。すなわち、個数優先を行う場合、個数優先に係る(押し順不正解時の)図柄の組合せ数L2は、最低でも2種類必要である。
ここで、本願発明以前のスロットマシンについて説明する。
まず、リール31の図柄コマ数Nを、第1実施形態のように20個、又は後述する第2実施形態のように21個とし、最大移動コマ数Pを「4」とする。
そして、複合ベルの個数優先に係る1図柄(1ゾーン)を、Z1、Z2、・・・、Znとしたとき、
N≧(Z1+Z2+・・・+Zn)×P
を満たす必要がある。
したがって、「N=20又は21、P=4」であるとき、図柄の種類(ゾーン数)の最大値Zは「4」となる。
よって、複合ベル当選時の押し順不正解時には、第2及び第3リールをそれぞれ4択(4ゾーン)とすることが、押し順不正解時の取得率を最も下げることができる。
また、複合ベル当選時における押し順不正解時の図柄の組合せとして、第1リールの図柄を「PB=1」とし、第2及び第3リールの図柄がそれぞれ4種類(4ゾーン)であるとき、押し順不正解時の図柄の組合せ数は、全部で16通りとなる。そして、複合ベル当選時における押し順不正解時に、個数優先によって押し順不正解時の図柄の組合せを停止可能とするとき、上記16通りのうち、2つの図柄の組合せを、当該複合ベル(当該条件装置)内に設ける必要がある。
以上より、複合ベル当選時における押し順不正解時に、個数優先を行い、かつ第2及び第3リールをそれぞれ4択としたとき、取得率は、
2/16(=1/8)
となり、この取得率が、本願発明以前の最小値である。
これに対し、第1実施形態において、複合ベル当選時に、中リール31は、ゾーンZ11〜Z13の3択であり、右リール31は、ゾーンZ21〜Z24の4択である。
そして、中リール31では、1つのゾーン内に、1つの複合ベル(1つの条件装置)の個数優先の対象となる全図柄が配置されていることから、1つのゾーン内の図柄の引込みを行えば、個数優先が成立する。
さらに、右リール31の個数優先に係る図柄を、第1実施形態のように4択(4ゾーン)の配置とすれば、複合ベル当選時の押し順不正解時(個数優先時)には、取得率を、「1/(3×4)」(1/12)にすることができる。
すなわち、中リール31をY1択、右リール31をY2択としたとき、取得率を、
「1/(Y1×Y2)」
に設定することができる。
よって、これまでは、個数優先時の取得率の分子は「2」となっていたが、第1実施形態では(以下の実施形態も同様である)、個数優先時の取得率の分子を「1」にすることができる。
上記の例のように、ベル取得率が「1/12」になれば、本願発明以前の最小値である「1/8」を、さらに「2/3」にすることができる。
なお、個数優先に係る図柄の組合せ数は、「2」以上であることが条件となるので、図2中、中リール31を右リール31と同様に設定することはできない。
いずれか1つのリール31(第1実施形態では、中リール31)においては、互いに引き込むことができないゾーンZを設け、かつ、各ゾーンZは、2コマ以上を有し、そのゾーン内に、1つの複合ベルのうち、個数優先に係る複数種類の図柄(1つの複合ベルにおける当選に係る図柄)を配置することが必要である。
このため、1ゾーン内に、個数優先に係る図柄を2種類配置する場合において、「N=20又は21、P=4」であるときは、ゾーン数Zの最大値は「3」となる。
また、1ゾーン内に、個数優先に係る図柄を3種類配置する場合には、「N=21、P=4」であれば、ゾーン数Zの最大値は「3」となる(後述する第2実施形態)。
なお、右リール31を中リール31と同様に設定することは可能である。たとえば、右リール31を中リール31と同様に3択とすれば、個数優先時の取得率は、「1/9」となる。
また、中リール31と右リール31とを入れ替えた構成とすることは、勿論、可能である。
複合特殊役テーブルは、特殊役01〜特殊役04の重複当選となったときに用いられ、左リール31の停止時に、「黒BAR」、「赤7」、「青7」、又は「白BAR」のいずれかを有効ラインに停止させるようにリール31を停止制御するものである。
左リール31の停止時に、これら4つの図柄のうちのいずれかが有効ラインに停止したときは、チャンス役としての役割を有する(後述するARTの抽選契機となる)。
なお、左リール31では、「黒BAR」、「赤7」、「青7」、又は「白BAR」の各図柄が5図柄間隔で配置されているので、これらの図柄は合算で「PB=1」である。
MB1又はMB2の当選を持ち越しているとき(内部中)にいずれかの小役又はリプレイに当選したときは、以下の停止位置決定テーブル65を用いてリール31を停止制御する。
先ず、MB内部中遊技のリプレイ当選時は、リプレイの入賞を優先する停止位置決定テーブル65が用いられる。そして、リプレイは、上述したように、常に入賞するので(PB=1)、MBの内部中遊技におけるリプレイの当選時は、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、MB内部中の複合ベル当選時は、ベルの入賞を優先し、ベルを入賞させることができないときは、当選を持ちしているMBを入賞させる停止位置決定テーブル65が用いられる。
まず、MBの内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順正解時には、常にベル01を入賞させる停止位置決定テーブル65が用いられる。したがって、MB内部中の複合ベル当選時かつ押し順正解時は、「PB=1」でベル01が常に入賞し、当選を持ち越しているMBが入賞する場合はない。
また、MB1の内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時(第一停止左時)には、1枚ベルを入賞させることを優先し、MB1が入賞する場合はない。
上述したように、複合ベル当選時の押し順不正解時において、第一停止左時は、常に、中段に「リプレイ」が停止する。これに対し、MB1の左リール31の図柄は、「ブランク」であるから、左第一停止時点でMB1の非入賞が確定する。したがって、MB1の内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時、かつベル取りこぼし時であっても、MB1が入賞する場合はない。
なお、ベル29については、右リール31の図柄がMB1と同一の「ブランク」である。そして、複合ベルB1〜B3の当選時には、ベル29の当選を含む。このため、複合ベルB1〜B3のいずれかの当選時に、右第一停止時(押し順不正解時)には、右リール31の「ブランク」が有効ラインに停止する場合がある。しかし、ベル29の左リール31の「スイカA」、中リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」の配置であるので、常にベル29が有効ラインに停止する。よって、MB1が入賞する場合はない。
さらに、複合ベルD1〜D3の当選時において、中第一停止時(押し順不正解時)には、ベル33の「ブランク」を停止させる場合がある。しかし、ベル33の左リール31の「スイカA」及び右リール31の「ベル」は、いずれも「PB=1」配置であるので、ベル33が常に入賞する。したがって、この場合にもMB1が入賞する場合はない。
さらにまた、MB2の内部中遊技において、複合ベル当選時の押し順不正解時(第一停止左時)には、1枚ベルを入賞させることを優先するとともに、1枚ベルを入賞させることができないとき(1枚ベル取りこぼし時)は、次に、当選を持ち越しているMB2を入賞させるように制御する。
図11は、MB2内部中遊技の複合ベルA1当選時において、1枚ベル取りこぼし時のリール31の停止制御の例を示す図である。図11は、ストップスイッチ42が左中右の順で操作された例を示している。
図11(A)において、左第一停止時は、非内部中遊技と同様に、中段に「リプレイ」を停止させる。この例では、4番の「リプレイ」を中段に停止させた例を示している。
次に、中第二停止時には、上述したように、「スイカA」又は「黒BAR」(ゾーンZ11内の図柄)を停止させることができるときは、「スイカA」又は「黒BAR」を停止させるが、それ以外の位置で中ストップスイッチ42が操作されたときは、第2に、2番又は7番の「ブランク」が中段に停止可能であるときは「ブランク」を中段に停止させる(MB2に係る図柄の引込みのため)。図11(B)の例では、2番の「ブランク」を中段に停止させた例を示している。中リール31の停止時に「ブランク」が中段に停止した時点で、1枚ベル取りこぼしが確定するとともに、MB2のテンパイ形となる。
なお、中第二停止時に、中段に「スイカA」又は「黒BAR」を停止させることができず、かつ「ブランク」を中段に停止させることができないときは、いずれの図柄を停止させてもよいが、たとえば、他のゾーンZ12又はZ13内の1枚ベルの図柄である「赤7」、「チェリー」、「青7」又は「白BAR」のいずれかを中段に停止させることが挙げられる。
次に、中第二停止時に「スイカA」又は「黒BAR」を停止させた場合において、右第三停止時に、「赤7」を中段に停止させることができるとき(ベル02又はベル03を入賞させることができるとき)は、「赤7」を中段に停止させる。これに対し、「赤7」を中段に停止させることができないときは、「ベル」を中段に停止させる。
また、図11(B)のように、中第二停止時に「ブランク」を中段に停止させた場合において、右リール31の停止時に「スイカB」(01番)を中段に停止させることができるときはその位置で停止させる。図11(C)の例では、「スイカB」を中段に停止させた例を示している。これにより、MB2の入賞となる。一方、「スイカB」を中段に停止させることができないときは、常に「ベル」を中段に停止させる。
以上より、MB2内部中遊技の複合ベルA1当選時において、第1に、押し順正解時には、ベル01が常に入賞し、MB2が入賞する場合はない。
また第2に、左第一停止時(押し順不正解時)には、
a)「リプレイ」−「スイカA/黒BAR」−「赤7」が中段ライン(有効ライン)に停止して、ベル02又はベル03の入賞となる場合と、
b)「リプレイ」−「ブランク」−「スイカB」が中段ラインに停止して(1枚ベル取りこぼし)、MB2の入賞になる場合と、
c)ベル02、ベル03、MB2のいずれも入賞しない場合(1枚ベル取りこぼし)と
を有する。
以上のことは、MB2内部中遊技において、他の複合ベル当選時についても同様である。
また、MB2内部中遊技において、中又は右第一停止時の押し順不正解時は、非内部中遊技の複合ベル当選時の押し順不正解時と同様のリール31の停止制御を行う(1枚ベルを入賞させる)。
次に、リプレイに係る停止位置決定テーブル65について説明する。
まず、単独リプレイテーブルは、単独リプレイの当選となったとき(リプレイAの当選フラグ63aのオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、リプレイAを入賞させるとともに、リプレイA以外の役を入賞させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
図2に示すように、すべてのリール31において、「リプレイ」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。したがって、リプレイAについては、ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず、リプレイAを常に入賞させることができる(PB=1)。
非内部中遊技及びMB内部中遊技のいずれも、単独リプレイ当選時は、「PB=1」でリプレイAが入賞する。
複合リプレイテーブルは、複合リプレイの当選となったとき(リプレイA及びリプレイBの当選フラグ63aオン時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が右中左であるときはリプレイBを入賞させ、それ以外の押し順であるときは、リプレイAを入賞させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
特に本実施形態では、MB2内部中遊技かつART遊技中において、複合リプレイに当選したときは、リプレイBを入賞させるために、「右中左」の押し順を報知し、遊技者に、リプレイBの入賞を促すように制御する。それ以外の場合には、押し順を報知せずに、リプレイAを入賞させるようにする。
図12は、複合リプレイ当選時の逆押し時(右中左時)におけるリール31の停止制御の例を示す図である。
図12(A)に示すように、右第一停止時には、中段に「チェリー」又は「ブランク」を停止させるように制御する。右リール31では、5図柄以内の間隔で、「チェリー」又は「ブランク」のいずれかの図柄が配置されている。したがって、常に、「チェリー」又は「ブランク」を中段に停止させることができる。図12(A)の例では、13番の「チェリー」を停止させた例を示している。
また、中第二停止時には、「スイカA」、「スイカB」又は「ブランク」のいずれかを停止させるように制御する。中リール31では、5図柄以内の間隔で、「スイカA」、「スイカB」又は「ブランク」のいずれかの図柄が配置されている。したがって、常に、「スイカA」、「スイカB」又は「ブランク」を停止させることができる。図12(B)の例では、13番の「スイカB」を停止させた例を示している。
さらにまた、左第三停止時には、「リプレイ」を中段に停止させる。上述したように、「リプレイ」は、5図柄以内の間隔で配置されているので、常に「リプレイ」を停止させることができる。図12(C)の例では、14番の「リプレイ」を停止させた例を示している。
図12(C)から明らかなように、上記の各図柄を中段(有効ライン)に停止させたとき、下段ライン(非有効ライン)には、「赤7」揃いが停止する。
特に本実施形態では、ART遊技中に複合リプレイに当選したときは、右中左の逆押しをすべき旨、及び「赤7」図柄を狙うべきことを遊技者に対して報知する。遊技者がこの報知に従って、逆押しをし、かつすべてのリール31について「赤7」を狙って停止させたときは、図12(C)の停止形となるとともに、リプレイBが入賞する。
図13は、他のリプレイBの入賞態様を示す図である。
まず、図13(A)は、「リプレイ(19番)」−「ブランク(07番)」−「チェリー(08番)」が有効ラインに停止してリプレイBが入賞した例を示している。図13(A)の停止形では、下段ラインに「青7」揃いが停止する。
また、図13(B)の例では、「リプレイ(09番)」−「スイカA(18番)」−「チェリー(18番)」が有効ラインに停止してリプレイBが入賞した例を示している。図13(B)の停止形では、下段ラインに「黒BAR」揃いが停止する。
さらにまた、図13(C)の例では、下段ラインに同一図柄揃いとならない例を示している。このように、下段ラインに同一図柄が停止しなくても、リプレイBの入賞となる場合がある。
また、複合リプレイ当選時に、右中左の押し順でないときは、単独リプレイテーブルと同様の停止制御により、常にリプレイAを入賞させる。
以上の複合リプレイ当選時におけるリール31の停止制御は、非内部中遊技とMB内部中遊技とで同一であってもよく、異なるものであってもよい(異なる場合の停止制御については後述する)。
MB遊技中テーブルは、MB遊技中において役の抽選が一切行われないか、又は役(たとえば、リプレイ)の抽選が行われる場合にあっては当該役に当選していないときに用いられ、全小役の当選フラグ63aがオンとなり、リール31の停止制御の範囲内において、いずれかの小役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように、リール31の停止位置を定めたものである。
本実施形態では、左リール31については75ms以内(最大移動コマ数が1コマ)の停止制御、中及び右リール31については190ms(4コマ以内)の停止制御が行われる。
さらに、MB遊技中は、どのような小役を入賞させるように制御してもよいが、本実施形態では、ベル01を入賞させるように制御する。
また、MB遊技中テーブルが用いられた場合において、左リール31の停止時に、最大移動コマ数「1」の範囲内では、中段に「ベル」を停止させることができない場合がある。たとえば、04番又は05番の図柄が中段に位置する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されれば、05番の「ベル」を中段に停止させることができる。これに対し、06番の「スイカA」が中段に位置する瞬間に左ストップスイッチ42が操作されたときは、「ベル」を中段に停止させることができない。
この場合には、06番の「スイカA」又は07番の「チェリー」を中段に停止させる。そして、左リール31の停止時に「スイカA」を停止させたときは、中リール31の停止時(190ms以内の停止)には、「ベル」を停止させ、右リール31の停止時(190ms以内の停止)には、「チェリー」又は「ブランク」を停止させて、ベル28又はベル29を入賞させる。
さらにまた、左リール31の停止時に、「ベル」を停止させることができないが「ブランク」を停止可能であるときは、「ブランク」を停止させる。そして、当該遊技ではベル31を入賞させる。
さらに、左リール31の停止時に、「ベル」を停止させることができないが「リプレイ」を停止可能であるときは、「リプレイ」を停止させる。
次に、中リール31の停止時には、ゾーンZ11〜Z13内のベルに係る図柄のいずれかを停止させる。さらに、右リール31の停止時には、ゾーンZ21〜Z24内のベルに係る図柄のいずれかを停止させる。これにより、ベル02〜ベル25のいずれかを入賞させることができる。
なお、MB遊技において、ベル01が入賞したときは、2枚の払出しとなり、ベル01以外のベルが入賞したときは、1枚の払出しとなる。
非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、たとえばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時には、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
MB1又はMB2が入賞したときは、特別遊技制御手段68は、次遊技から、MB遊技を開始するように制御する。なお、MB1の入賞によるMB1遊技と、MB2の入賞によるMB2遊技とを分けて、それぞれ異なる終了条件等を定めてもよいが、本実施形態では、同一のMB遊技に移行する。
本実施形態のMB遊技は、メダルの投入枚数を2枚に設定して遊技を行う。そして、MB遊技中のメダル払出し枚数が30枚以上になったときは、MB遊技の終了条件を満たすと判断し、MB遊技を終了するように制御する。
なお、上述したように、MB遊技では全ての役が当選状態となり、いずれの役が入賞した場合でも2枚の払出しが行われる。したがって、2枚イン/2枚アウトを、MB遊技の終了条件である30枚に達するまで(15遊技)行っても、MB遊技中の差枚数は0枚となる。
そして、左リール31の停止時に「リプレイ」を停止させたときは、ベル02〜ベル025のいずれかを入賞させるように制御する。たとえば、中リール31の停止時に「スイカA」を停止させたときは、ベル02、ベル08、ベル14、又はベル20のいずれかを停止可能となる。そして、右リール31については、「赤7」、「青7」、「黒BAR」又は「白BAR」のいずれかを停止可能である。よって、ベル02、ベル08、ベル14、又はベル20のいずれかを常に入賞させることができる。
また、左リール31の停止時に「スイカA」を停止させたときは、ベル28、ベル29、ベル32又はベル33のいずれを入賞させることができ、左リール31の停止時に「チェリー」を停止させたときは、ベル26又はベル30を常に入賞させることができ、左リール31の停止時に「ブランク」を停止させたときは、ベル27又はベル31を常に入賞させることができる。
メイン状態制御手段69は、遊技状態間の移行を制御するものである。なお、メイン状態制御手段69は、特別役(MB)に当選したか否か、MBが入賞したか否か、MB遊技が終了したか否かに基づいて、遊技状態を移行させる。
図14は、第1実施形態における遊技状態の移行を説明する図である。
本実施形態の遊技状態の移行条件は、MBに当選したか否か、MBが入賞したか否か、MB遊技が終了したか否かに設定されている。
先ず、非内部中遊技では、MB1及びMB2の抽選が行われる。そして、MB1又はMB2に当選し、当該遊技において当選したMB1又はMB2が入賞しなかったときは、次遊技から、内部中遊技に移行する。
本実施形態では、MB1当選時は、MB1内部中遊技に移行し、MB2当選時は、MB2内部中遊技に移行する。
内部中遊技は、それぞれ当選したMB1又はMB2が入賞するまで継続される。当選したMB1が入賞するとMB1遊技に移行する。また、当選したMB2が入賞すると、MB2遊技に移行する。なお、本実施形態では、MB1遊技及びMB2遊技は、同一又はほぼ同一の遊技に設定されているが、これに限らず、終了条件等を異ならせることも可能である。
MB1遊技又はMB2遊技が終了すると、非内部中遊技に移行する。
以上のようにして、メイン状態制御手段69は、各遊技状態では、遊技状態の移行条件を満たすか否かを判断し、遊技状態の移行条件を満たすと判断したときは、それぞれ所定の遊技状態に移行するように制御する。
また、メイン制御手段60は、サブ制御手段80に対し、各種の情報(コマンド)を送信するように制御する。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作されたかの情報(ストップスイッチ42の押し順を含む)、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態の情報等が挙げられる。
図1に示すように、メイン制御手段60は、外部端子基板100と電気的に接続されている。そして、外端信号送信手段70は、たとえばART遊技の開始時には、外部端子基板100に対して外端信号(ART遊技の実行信号)を送信する。その外端信号は、たとえば外部端子基板100から、遊技情報表示装置110やホールコンピュータ等に送信される。
本実施形態では、外端信号送信手段70は、所定の条件を満たしたときに、外端信号を送信する。
図1に示すように、外端信号送信手段70は、外端信号Aフラグ70a、外端信号Bフラグ70b、外端信号Cフラグ70cを備える。
後述するように、MB2内部中遊技においてART遊技が開始されると、複合ベル当選時に、正解押し順が報知される。そして、2回の複合ベル当選時に、連続して正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、メイン制御手段60は、サブ制御手段80側でART遊技を開始したと判断する。
これにより、外端信号送信手段70は、外端信号Aフラグ70a及び外端信号Bフラグ70bの双方をオンにし、外端信号A及び外端信号Bを外部端子基板100に送信する。ここで、外端信号Aは、ART遊技を開始したことを示す信号であり、外端信号Aフラグ70aがオンにされたときに送信される。そして、外端信号Aが送信されると、たとえばその1秒経過後に外端信号Aフラグ70aはオンからオフにされる。
これに対し、外端信号Bは、ART遊技中であることを示す信号であり、外端信号Bフラグ70bは、一旦オンにされたときは、オンの状態を維持し、毎遊技(たとえば、遊技の開始時、遊技の終了時等)、外端信号Bを送信し続ける。
ART遊技が終了すると、複合ベル当選時に、正解押し順が報知されない。さらに、第一停止左がペナルティ無しの押し順となるので、複合ベル当選時は、押し順不正解となる。そして、2回の複合ベル当選時に、連続して押し順不正解となったときは、メイン制御手段60は、サブ制御手段80側でART遊技を終了したと判断する。これにより、外端信号送信手段70は、外端信号Bフラグ70bをオフにする。これにより、その後は、外端信号Bが送信されない。
また、2回の複合ベル当選時に、連続して押し順が正解/不正解となったときは、当該遊技の全リール31の停止時に外端信号フラグをオンにするとともに外端信号を送信してもよく、あるいは、押し順正解となったことが確定した時(ストップスイッチ42の第2停止時や)、押し順不正解となったことが確定した時(ストップスイッチ42の左第一停止時)に、外端信号フラグをオンにしたり、外端信号を送信してもよい。
なお、外端信号フラグのオフからオンへの切り替え、及び外端信号の送信に限らず、外端信号フラグのオンからオフへの切り替え、及び外端信号の送信の終了についても、外端信号の出力制御に含まれる。
また、メイン制御手段60は、外端信号Aの送信後、差枚数を管理する。そして、差枚数が「+250枚」となったときは、外端信号送信手段70は、外端信号Aフラグ70aをオンにし、外端信号Aを送信する。外端信号Aの送信後は、上記と同様に外端信号Aフラグ70aをオフにする。
ここで、ART遊技中における複合ベル当選時(押し順正解時)は、3枚イン(投入)、8枚アウト(払出し)となるので、複合ベル当選時の1遊技での差枚数は、「+5枚」となる。よって、複合ベル当選の遊技が50回となった程度のタイミングで、外端信号Aが送信される。1回のART遊技で外端信号AがN回送信されたときは、ART遊技の実行回数をN回と設定している(いわゆる連チャン)。
ART遊技の遊技回数の初期値は、後述する抽選によって決定される。さらにART遊技中は、遊技回数の上乗せの可能性を有するので、1回のART遊技における遊技回数及び差枚数は、種々変動するが、差枚数「+250枚」以上となったときは、2セット目のART遊技が実行されたものと設定している。
さらに、ART遊技中に複合リプレイに当選したときは、リプレイBを入賞させる押し順が報知され、リプレイBの入賞により、後述するサブ状態制御手段83は、ART遊技を中断し、サブボーナス遊技に移行する。本実施形態のサブボーナス遊技は、差枚数が「+250枚」以上になったときに終了する。そして、サブボーナス遊技の終了後は、ART遊技(サブボーナス遊技開始前)に戻る。
ここで、複合リプレイに当選したときは、外端信号送信手段70は、外端信号Cフラグ70cをオンにする。そして、全リール31の停止時に、外端信号送信手段70は、外端信号Cを送信する。外端信号Cが送信されると、外端信号Cフラグ70cがオンからオフにされる。外端信号Cは、サブボーナス遊技の実行時に送信する信号である。
また、本実施形態のサブボーナス遊技は、遊技状態自体が特別な遊技状態に移行するのではなく、MB2内部中遊技において、ART遊技とは異なる演出を行う遊技である。ただし、複合ベル当選時には正解押し順を報知する遊技であり、その内容は、ART遊技と同等である。
ただし、これに限らず、リプレイBの入賞によって、他の遊技状態に移行させることも可能である。
ここで、非内部中遊技及びMB1内部中遊技のときは、複合リプレイの当選確率は、極めて低確率に設定されているので、複合リプレイに当選することは、稀である。ただし、非内部中遊技やMB1内部中遊技であっても、複合リプレイ当選時は、外端信号Cフラグ70cをオンにし、全リール31の停止後に外端信号Cを送信する。
また、非内部中遊技やMB1内部中遊技の非ART遊技では、左第一停止と定められているので、逆押しはペナルティとなる。よって、遊技者がペナルティ押し順(逆押し)でストップスイッチ42を操作しない限り、複合リプレイ当選時であってもリプレイAが入賞し、リプレイBは入賞しない。ただし、複合リプレイ当選時にリプレイAが入賞したときであっても、全リール31の停止後に外端信号Cが送信され、その後、外端信号Cフラグ70cがオンからオフにされる。
なお、非内部中遊技及びMB1内部中遊技では、複合リプレイに当選したときや、リプレイBが入賞しても、サブボーナス遊技を開始しない。
さらに、非内部中遊技において、ART遊技に当選していない状態でMB2に当選したときは、当該遊技でMB2を入賞させる報知を行う。MB2は、各リール31ともに「白BAR」を目安に目押しすれば入賞させることができるので、たとえば「「白BAR」揃いを狙え!」等の報知を行う。
そして、当該遊技でMB2が入賞すると、MB2遊技に移行し、MB2遊技の終了後は非内部中遊技に移行する。
これに対し、ART遊技に当選していない非内部中遊技において、MB2に当選したがMB2を入賞させることができず、MB2内部中遊技に移行したときは、MB2を入賞させるために、以下の制御を行う。
単独リプレイ又は複合リプレイに当選した遊技では、リプレイの入賞が優先されるので、MB2が入賞する場合はない。よって、当該遊技では、何ら報知を行わない。
また、複合ベル当選時において、中リール31の図柄が「青7」又は「白BAR」に設定されているベルを含む複合ベル当選時(複合ベルA3、B3、C3、D3当選時)は、何ら報知を行わない。たとえば複合ベルA3当選時の順押し時において、左リール31の停止時には中段に「リプレイ」が停止し、中リール31の停止時にはたとえ「ブランク」図柄を狙っても、「白BAR」図柄の停止が優先されるからである。
なお、18番の「スイカA」を中段ビタ押しすれば、02番の「ブランク」が停止可能となり、かつ03番の「白BAR」は停止不可能となる。
同様に、07番の「ブランク」を中段ビタ押しすれば、07番の「ブランク」が停止可能となり、かつ06番の「青7」は停止不可能となる。
よって、複合ベルA3、B3、C3、D3当選時の遊技では、MB2の入賞可能性は低く、逆に、中リール31の停止時に「白BAR」を狙わせると、1枚ベルに係る中リール31の図柄を報知することにもなってしまうので、当該遊技では報知を行わない。
一方、中リール31の図柄が「青7」又は「白BAR」を含まない複合ベル(複合ベルA3、B3、C3、D3以外)の当選時には、中及び右リール31の停止時に、「白BAR」を狙うべき旨の報知を行う。
これにより、1枚ベルの取りこぼしになるとともに、MB2を入賞させることができる。
また、ART遊技に当選しておらず、かつMB2内部中遊技に移行した場合において、上記の「白BAR」を狙うべき旨の指示に従わなかった場合(あるいは、当該指示を複数回行ったが、MB2が入賞しなかった場合)には、遊技者に対し、その後の所定回数の遊技において、ART遊技の抽選を行わない等のペナルティを課してもよい。たとえば、上記の「白BAR」を狙うべき旨の指示後のMB2内部中遊技では、一切、ART遊技の抽選を行わないことが挙げられる。
なお、MB2内部中遊技において、MB2を意図的に入賞させずにMB2内部中遊技を継続しても、遊技者にはメリットはない。MB2内部中遊技は、リプレイの当選確率が高い分だけ、MB1内部中遊技よりも差枚数の期待値は増加する。しかし、複合ベル当選時の1枚ベル入賞時でも、当該遊技の差枚数は「−2枚」となって、全体の差枚数の期待値は、「0」未満となるからである。
説明を図1に戻す。
図1において、サブ制御手段80は、演出制御手段81等を備える。
演出制御手段81は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段81は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出を選択し、出力する。
演出制御手段81は、遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、演出内容を選択する。特に本実施形態では、複数種類の演出内容が予め設けられている。そして、演出制御手段81は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出内容を選択する。
また、演出内容は、当選役及び遊技状態等に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。たとえば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等というように、それぞれ複数種類の演出内容が設けられている。
演出内容は、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段81は、選択した演出内容に従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
また、本実施形態では、ART遊技を備える。本実施形態のART遊技とは、リプレイの当選確率を高く設定するとともに(RT遊技)、ストップスイッチ42の押し順に応じて遊技結果に有利/不利が生じる役に当選したときには、有利な押し順を報知する遊技(AT遊技)である。
特に、本実施形態では、MB2内部中遊技が、リプレイの当選確率を高く設定したRT遊技である。そして、MB2内部中遊技においてAT遊技が実行されると、ART遊技となる。
これに対し、MB1内部中遊技は、リプレイの当選確率が非内部中遊技と同等に設定されている。また、MB1内部中遊技では、AT遊技は実行されない。
さらにまた、ART遊技に当選していない状態でMB2内部中遊技に移行したときは、非AT遊技かつRT遊技となる。
また、MB2内部中遊技において、ART遊技が実行された後、ART遊技を終了したときは、当選しているMB2が入賞するまでは、非AT遊技かつRT遊技となる。そして、MB2の入賞により、MB2内部中遊技が終了する。
報知制御手段82は、MB2内部中遊技において、ART遊技中は、複合ベル当選時に、ベル01を入賞させるストップスイッチ42の押し順、すなわち正解押し順を報知する。
また、MB2内部中遊技において、複合リプレイに当選したときは、リプレイBを入賞させる押し順を報知する。本実施形態では、「右中左」の押し順を報知する。さらには、図12で示したように、「「赤7」を狙え!」と報知する(図13に示す「青7」揃い等の報知でもよい)。
そして、リプレイBが入賞したときは、次遊技から、ART遊技を中断し、サブボーナス遊技を開始する。また、リプレイBの入賞時に、有効ラインではないが下段ラインに「赤7」揃いが停止することで、サブボーナス遊技が開始されることを遊技者に見せるという演出効果を出すことができる。
なお、非ART遊技中は、複合ベルに当選したときでも、正解押し順を報知しない。同様に、複合リプレイに当選したときでも、逆押しを報知しない。
さらにまた、サブ状態制御手段83は、メイン制御手段60から送信されてくる役抽選手段61の役抽選結果に基づいて、ART遊技を実行するか否かの抽選(決定)、ART遊技を実行することに決定したときは、遊技回数の初期値の決定、ART遊技の当選後には加算(上乗せ)遊技回数の決定、及びART遊技中の遊技回数のカウント等を制御する。また、ART遊技中に複合リプレイに当選した旨の信号を受信したときは、サブボーナス遊技を開始する。
なお、ART遊技中に複合リプレイに当選し、遊技者のストップスイッチ42の操作ミスによりリプレイBを入賞させることができなかったときは、ペナルティとしてサブボーナス遊技を実行しないようにしてもよいが、複合リプレイの当選自体によって(当該遊技における入賞役を問わず)、サブボーナス遊技の実行条件を満たすように設定している。
上述のように、MB遊技の終了後は、非内部中遊技に移行し、非内部中遊技においてMB1又はMB2に当選すると、それぞれMB内部中遊技に移行する。そして、本実施形態では、MB1内部中が通常遊技(非ART遊技)に相当する。
また、本実施形態では、第一停止を中又は右にすべき旨の押し順報知が行われたとき以外(非ART遊技中)は、ストップスイッチ42の押し順は、左第一停止と定めている(左第一停止指示)。そして、左第一停止指示中に、中又は右第一停止(変則押し)でストップスイッチ42が操作されたときは、たとえば所定遊技回数の間、ART遊技の抽選を行わない等のペナルティを設定する。
これにより、遊技者は、第一停止を中又は右にすべき旨の押し順報知が行われたとき以外は、常に左第一停止として遊技を消化する。
サブ状態制御手段83は、非ART遊技中は、ART遊技を実行するか否かの決定(抽選)を行う。
本実施形態では、
1)複合特殊役当選時の40%、
2)複合ベル当選時の0.05%、
3)リプレイ当選時の0.05%、
4)役の非当選時の0.1%、
の確率で、ART遊技の抽選に当選するように設定されている。
なお、本実施形態では説明を省略するが、たとえば、サブ状態制御手段83側で独自に決定するモードであって、特定条件下で移行する「低確率」、「通常」、「高確率」のような複数のモードを設け、高確率であるほど、ART遊技の抽選に当選しやすくなるように設定してもよい。たとえば、複合特殊役当選時は、サブ滞在モードが「低確率」であるときは30%、「通常」であるときは40%、「高確率」であるときは80%の確率でART遊技の抽選に当選するように設定すること等が挙げられる。
また、ART遊技を実行することに決定したときは、ART遊技の遊技回数の初期値を決定する。初期値としては、たとえば「30」、「50」、「100」、「200」、「300」等の複数種類を有し、各初期値ごとに当選確率が設定された抽選テーブルに従って抽選を行い、初期値を決定する。
さらに、ART遊技の当選後の非ART遊技中、又はART遊技中に複合特殊役に当選したときは、ART遊技の遊技回数を上乗せするか否かの抽選を行う。たとえば、ART遊技の抽選に当選したときに、その遊技回数の初期値を抽選で決定するが、その後の遊技中における複合特殊役の当選時は、ART遊技を実行するか否かの抽選ではなく、ART遊技の遊技回数を上乗せするか否かの抽選に切り替える。
さらに、サブ状態制御手段83は、ART遊技の抽選に当選した後は、ただちに、又は所定遊技回数の本前兆演出を経て、ART遊技を開始するように制御する。ART遊技に当選したときは、常に本前兆演出を行うようにしてもよいが、本前兆演出を行うことなく直ちにART遊技を開始する場合を設けてもよい。本前兆演出を行う場合と行わない場合とを有するときは、抽選によって、本前兆演出を行うか否かを決定する。
また、本前兆演出とは別に、ART遊技の抽選に当選していないが本前兆演出と類似のフェイク(いわゆるガセ)前兆演出を行うように設定する。フェイク前兆演出の実行は、たとえば複合特殊役当選時において、ART遊技の抽選に非当選となった場合に(常に、又は所定確率で)行うことや、毎遊技、あるいは前回のART遊技の終了後又は前回のフェイク前兆演出終了後から所定遊技回数を消化したとき等に、抽選で決定することが挙げられる。
本前兆演出及びフェイク前兆演出のいずれも、数遊技〜数十遊技(少なくとも複数回の遊技の間)行われ、本前兆演出の場合には、最終的に、ART遊技に当選した旨を遊技者に報知する。これに対し、フェイク前兆演出の場合には、ART遊技に当選した旨を報知することなく前兆演出を終了するか、又はART遊技には当選していない旨を報知して前兆演出を終了する。
また、前兆演出は、ART遊技に当選しているか否かと、ART遊技に当選しているときの遊技回数の初期値との双方を包括して遊技者に示唆する演出を行う。たとえば、主人公キャラクタが敵キャラクタを倒したときにART遊技の当選確定演出とする。そして、たとえば主人公キャラクタA1、A2、A3と、敵キャラクタB1、B2、B3とを設ける。ここで、主人公キャラクタの強さを、「A1>A2>A3」に設定し、敵キャラクタの強さを、「B1=B2=B3」に設定する。また、主人公キャラクタが敵キャラクタを倒したときのART遊技の遊技回数の初期値の期待値を、「B1>B2>B3」に設定する。
このようにすれば、主人公キャラクタA1と敵キャラクタB1との対決時が、最もART遊技の当選信頼度が高く、かつART遊技に当選しているときのART遊技回数の初期値の期待値が最も多いこととなる。逆に、主人公キャラクタA3と敵キャラクタB3との対決時が、最もART遊技の当選信頼度が低く、かつART遊技に当選しているときのART遊技回数の初期値の期待値が最も少ないこととなる。
さらには、前兆演出のラスト数ゲーム間を、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決演出とし、この対決演出以前の前兆演出内容によって、ART遊技の当選信頼度を示唆したり、ART遊技に当選しているときの遊技回数の初期値の期待度を示唆してもよい。
また、フェイク前兆演出時は、対決演出まで出力する場合と、対決演出を出力しないで前兆演出を終了する場合とを設けてもよい。
さらにまた、ART遊技に当選した後、ART遊技の実行前には、所定の契機で(たとえば複合特殊役当選時に)、ART遊技の遊技回数の初期値を増加させる(加算する、上乗せする)抽選を行う。そして、この抽選に当選したときは、初期値を増加させるように制御する。たとえば、ART遊技の当選時に、遊技回数の初期値を「50」に決定した後、初期値を増加させる抽選に当選し、増加数を「30」に決定したときは、初期値は「50」から「80」に変更される。
さらに、ART遊技の遊技回数の初期値を増加したときは、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決演出において、初期値を増加したことを示唆する演出を出力してもよい。
たとえば、主人公キャラクタA2と敵キャラクタB2とが対決を開始し、その後、敵キャラクタがB2からB1に変更される演出を出力することが挙げられる。敵キャラクタが途中で変更になること、具体的には、遊技回数の初期値として、より回数の多いことを期待できる敵キャラクタに変更する。
あるいは、主人公キャラクタA2と敵キャラクタB2とが対決し、主人公キャラクタA2が勝利した後(すなわち、この時点でART遊技の当選が確定する)、新たに敵キャラクタB1が登場して、主人公キャラクタA2と対決する演出を出力することが挙げられる。この場合には、たとえば主人公キャラクタA2が新たな敵キャラクタB1を倒す演出と、新たな敵キャラクタB1と主人公キャラクタA2との対決に決着がつかないで対決演出が終了する場合とを設けることが挙げられる。前者は、遊技回数の初期値の増加が確定するが、後者は、遊技回数の初期値の増加しないか又は増加の期待が少ない場合に設定する。
さらに、主人公キャラクタ又は敵キャラクタの少なくとも一方を1つとし、相手に出した技によって、ART遊技の当選期待度や、遊技回数の初期値の期待値を示唆するようにしてもよい。
たとえば、主人公キャラクタはA1のみとし、敵キャラクタは上記と同様にB1、B2、B3を設ける。この場合の敵キャラクタの強度は、B1>B2>B3とする。主人公キャラクタA1が敵キャラクタB1〜B3を倒したときのART遊技の遊技回数の初期値の期待値は、「B1=B2=B3」とする。
そして、主人公キャラクタA1の技として、技S1、S2、S3を有しており、技S1、S2、S3で敵キャラクタを倒したときのART遊技の遊技回数の初期値の期待値を、「S1>S2>S3」に設定することが挙げられる。
さらにまた、フェイク前兆演出の出力中は、ART遊技に当選していない状態であるので、ART遊技の抽選を継続している。そして、フェイク前兆演出中に、複合特殊役等に当選してART遊技の抽選をした結果、当選したと仮定する。この場合には、フェイク前兆演出から本前兆演出に変更する。
さらに、上記の対決をしているフェイク前兆演出中に、ART遊技に当選したときは、フェイク前兆演出で出力している敵キャラクタ、又は技に対応する遊技回数を初期値に設定するように制御する。
たとえば、ART遊技回数の初期値が、敵キャラクタB1、B2、B3に応じて、
敵キャラクタB1:初期値「100」〜「300」
敵キャラクタB2:初期値「50」〜「200」
敵キャラクタB3:初期値「30」〜「100」
の中から選択されると仮定する。
ここで、フェイク前兆演出において、敵キャラクタB1との対決中にART遊技に当選したときは、初期値「30」や「50」を選択せず、敵キャラクタB1時の初期値である「100」〜「300」の中から選択するように制御する。同様に、敵キャラクタB3との対決中にART遊技に当選したときは、初期値「200」や「300」を選択せず、敵キャラクタB3時の初期値である「30」〜「100」の中から選択するように制御する。
このように、フェイク前兆演出時に選択された敵キャラクタ(遊技回数の初期値を示唆する演出)の選択後に、ART遊技に当選したときは、選択した敵キャラクタ(遊技回数の初期値を示唆する演出)を受け継ぐように遊技回数の初期値を選択する。
サブ状態制御手段83は、ART遊技中は、その遊技回数をカウントし続け、ART遊技の残り遊技回数が「0」となったときは、ART遊技を終了する。これにより、サブ状態制御手段83は、ART遊技の終了の演出を出力するとともに、サブ制御手段80側の遊技状態を非AT遊技とする。
次に、非ART遊技からART遊技への流れについて説明する。
非内部中遊技では、MB1及びMB2の抽選が行われ、その当選確率は、図6に示すように、「MB1:MB2=2:1」に設定されている。したがって、非内部中遊技では、2/3の確率でMB1に当選する。また、MB1は、上述したように、ART遊技の当選後でなければ、できる限り入賞させないように制御し、MB1当選後の次遊技から、MB1内部中遊技に移行する。また、MB1内部中遊技に移行した後は、当選を持ち越しているMB1をできる限り入賞させないように制御する。
MB1内部中遊技では、ART遊技の抽選が行われる。また、非内部中遊技におけるMB1当選時、及びMB1内部中遊技における役の非当選時は、MB1テーブルが用いられるので、当該遊技では、MB1が入賞する可能性を有する。この場合、MB1内部中遊技を維持するとき(ART遊技に当選していないとき)は、上述したように、MB1がたとえばテンパイしたら、MB1を入賞させないように報知を行う。
なお、ART遊技に当選していないMB1内部中遊技において、MB1を入賞させたときは、ART遊技の抽選を、所定遊技回数の間、行わない等のペナルティを設けることが好ましい。そのようにすれば、遊技者は、MB1を入賞させない指示に従うからである。
また、MB1内部中遊技における当該遊技での役の非当選時に、MB1がテンパイしなかったときはMB1の入賞を回避する報知を行わず、MB1がテンパイしたことを条件としてMB1の入賞を回避する報知を行ってもよい。
また、MB1内部中遊技を維持する場合において、MB1テーブルが用いられる遊技では、第一停止時から、MB1の入賞を回避する報知を行ってもよい。
MB1の左リール31の図柄は、「ブランク」(図5参照)であり、図2に示すように、左リール31の「ブランク」の図柄は、02番のみ(1か所)であるので、02番の「ブランク」を中段に停止させなければ、MB1の入賞を回避することができる。
したがって、たとえば、左第一停止前に「13番の「赤7」を狙え!」等の報知を行い、02番の「ブランク」を中段に引き込むことができない位置(02番の「ブランク」図柄から5図柄以上離れた位置にある図柄)を遊技者に目押しさせる(狙わせる)ことが挙げられる。
そして、MB1内部中遊技においてART遊技に当選したときは、その後の役の非当選時の遊技で、MB1を入賞させる報知を行う。
ここで、MB1の図柄の組合せは、図5に示すように、「ブランク」揃いであるが、図2に示すように、左及び右リール31の「ブランク」(左リール31の02番、右リール31の03番)は、いずれも「白BAR」の1コマ前又は1コマ後に位置する。
また、中リール31については、07番にも「ブランク」が設けられているが、02番の「ブランク」の1つ上には「白BAR」が設けられている。
このため、MB1の入賞を遊技者に狙わせるときは、たとえば「白BAR」揃いを狙え等の報知を行うことで、MB1の入賞を促す。
遊技者の目押しミス等で、当該遊技でMB1が入賞しなかったときは、再度、役の非当選時にMB1を入賞させる報知を行う。
そして、MB1が入賞したときは、MB1遊技に移行する。MB1遊技は、2枚の払出しで終了するので、すぐにMB1遊技が終了する。MB1遊技の終了後は、非内部中遊技に移行する。この非内部中遊技でMB1に当選したときは、MB1を入賞させるべきことを遊技者に報知し、再度、MB1遊技を経て非内部中遊技に戻るように制御する。
これに対し、ART遊技に当選した後の非内部中遊技においてMB2に当選したときは、当該遊技ではMB2の入賞を回避する報知を行い、MB2内部中遊技に移行させる。MB2テーブルが用いられる遊技では、左リール31(「リプレイ」)は「PB=1」であるが、中及び右リール31の図柄は「PB≠1」である。したがって、MB2の入賞を回避する報知としては、中リール31の「ブランク」、及び/又は右リール31の「スイカB」が中段に停止しない位置で目押しをさせる方法が挙げられる。
あるいは、MB2テーブルが用いられる遊技において、MB2の非入賞時に停止する取りこぼし出目として、たとえば「リプレイ」−「黒BAR」−「スイカA」を設ける。そして、遊技者に「黒BAR」揃いを狙わせ、「リプレイ(09番)」−「黒BAR(17番)」−「スイカA(16番)」を停止させることができる。この場合、(有効ラインではないが)斜め右上がりラインに、「黒BAR」揃いが停止する。
そして、当該遊技でMB2が入賞しなかったときは、MB2内部中遊技に移行し、ART遊技を開始する。
また、仮に、MB2に当選した遊技でMB2を入賞させてしまったときは、MB2遊技を開始し、MB2遊技の終了後、非内部中遊技に移行する。そして、非内部中遊技でMB2に当選し、MB2が入賞しなかったときは、MB2内部中遊技に移行し、ART遊技を開始する。一方、非内部中遊技で、MB2より先にMB1に当選してしまったときは、非内部中遊技でMB2に当選するまで、上記の遊技状態の移行を繰り返すように制御する。
なお、ART遊技の当選後、非内部中遊技でMB2より先にMB1に当選してしまったときは、その後のMB1内部中遊技、MB1遊技中、及び非内部中遊技を、ART遊技の遊技回数(初期値)の上乗せ期間とし、所定の条件(遊技回数、何からの役の当選)を満たしたときに遊技回数を上乗せするように設定してもよい。
また、演出上は、ART遊技に当選した旨の演出を出力した後、MB1を入賞させてMB1遊技に移行させるが、その後、MB2内部中遊技に移行するまでの間をART遊技の準備状態に設定してもよい。そして、この準備状態では、複合ベル当選時には正解押し順を報知して遊技者にとって有利な遊技状態とし、MB2内部中遊技に移行したときに、ART遊技を開始する旨の報知(演出)を行ってもよい。
さらにまた、ART遊技に当選した後、非内部中遊技でMB2に当選し、MB2を入賞させてしまったときは、ペナルティとしてART遊技の権利を付与しないようにしてもよい。
なお、非内部中遊技やMB1内部中遊技において、複合リプレイに当選したときは、遊技者に有利となる権利を何ら付与しなくてもよいが、ART遊技の当選に設定してもよい。
<第2実施形態>
第1実施形態では、複合ベル当選時に、6択の押し順のうちいずれか1つを正解押し順とし、他の5つの押し順を不正解押し順とした。
これに対し、第2実施形態では、正解押し順を複数有する。
図15は、第2実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。
第2実施形態では、各リール31の図柄コマ総数Nは、「21」に設定されている。また、最大移動コマ数Pは、第1実施形態と同じ「4」に設定されている。
そして、左リール31では、「リプレイ」は、第1実施形態と同様に「PB=1」の図柄配置である。
また、中リール31では、最大移動コマ数Pを隔てて3つのゾーンZ31、Z32、Z33が設けられている。そして、各ゾーンZ31〜Z33には、ベルに係る図柄が配置されている。
同様に、右リール31では、最大移動コマ数Pを隔てて3つのゾーンZ41、Z42、Z43が設けられている。そして、各ゾーンZ41〜Z43には、ベルに係る図柄が配置されている。
図16〜図19は、第2実施形態における役の種類と図柄の組合せを示す図である。第2実施形態のベルは、ベル01〜ベル83を有し、ベル01は、第1実施形態のベル01と同一である。さらに、ベル02は、ベル01と同様に、入賞時は8枚の払出し(MB遊技中は、2枚)に設定されている。
第2実施形態において、全リール31の「ベル」の図柄は、第1実施形態と同様に「PB=1」配置である。さらに、ベル02は、ベル01に対し、左リール31の図柄のみが異なり、「スイカA」に設定されている。そして、左リール31の「スイカA」の図柄は、図15に示すように、5図柄以内の間隔で配置されており、「PB=1」配置である。したがって、リール制御手段64は、常に、ベル01又はベル02を入賞可能である。
図16〜図19に示すように、ベル03〜ベル83の左リール31の図柄は、いずれも「リプレイ」に設定されており、第1実施形態のベル02〜ベル25と同様である。
さらに、ベル03〜ベル83において、中リール31の図柄は、ゾーンZ31〜Z33の9種類の図柄のうちのいずれかに設定されている。同様に、右リール31の図柄は、ゾーンZ41〜Z43の9種類の図柄のうちのいずれかに設定されている。
なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、特殊役が設けられている。さらに、MB及びリプレイは、それぞれ1種類に設定しているが、第1実施形態のように複数種類設けてもよいのは勿論である。
図20は、第2実施形態における複合ベルの当選内容を示す図であり、第1実施形態の図7に相当する図である。図20において、たとえば複合ベルA1は、ベル01、ベル02、ベル03、ベル04、ベル05の5重複当選であり、正解押し順1は、中左右に設定されている。
各複合ベルの当選には、いずれも、ベル01及びベル02を含む。さらに、各複合ベルの当選に含まれるベル(1枚ベル)の図柄の組合せは、上述したように、左リール31はいずれも「リプレイ」、中リール31は、いずれか1つのゾーンZ31〜Z33内の図柄、右リール31は、いずれか1つのゾーンZ41〜Z43内の図柄に設定されている。
たとえば、複合ベルA1において、ベル03の中リール31の図柄は「赤7」、ベル04の中リール31の図柄は「青7」、ベル05の中リール31の図柄は「黒BAR」であり、いずれも、ゾーンZ31内に配置された図柄に設定されている。同様に、ベル03、ベル04、ベル05の右リール31の図柄は、いずれも「赤7」であり、ゾーンZ41内に配置された図柄である。
このため、第1実施形態と同様に、複合ベルA1の当選時には、中リール31については、3択で1枚ベルに係る図柄を中段に停止可能である。同様に、右リール31についても、3択で1枚ベルに係る図柄を中段に停止可能である。
また、たとえば、複合ベルB2において、ベル33の中リール31の図柄は「白BAR」、ベル34の中リール31の図柄は「リプレイ」、ベル35の中リール31の図柄は「スイカA」であり、いずれも、ゾーンZ32内に配置された図柄に設定されている。同様に、ベル33、ベル34、ベル35の右リール31の図柄は、いずれも「白BAR」であり、ゾーンZ42内に配置された図柄である。
このため、複合ベルA1と同様に、複合ベルB2の当選時には、中リール31については、3択で1枚ベルに係る図柄を中段に停止可能である。同様に、右リール31についても、3択で1枚ベルに係る図柄を中段に停止可能である。
以上のことは、他の複合ベルについても同様にあてはまる。
また、複合ベルA1当選時において、正解押し順1である中左右の順でストップスイッチ42が操作されたときは、第1実施形態と同様に、常にベル01を入賞させるように制御する。
さらにまた、複合ベルA1当選時において、不正解押し順である第一停止左であるときは、ベル03、ベル04、ベル05のいずれかを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御する。ベル03、ベル04、ベル05を有効ラインに停止させることができないときは、第1実施形態と同様に1枚ベル取りこぼしとなる。
さらに、すべての複合ベルA1〜C9において、第一停止左は、不正解押し順に設定されている。
また、第2実施形態では、図20に示すように、正解押し順として、正解押し順1及び正解押し順2を有する。正解押し順2は、正解押し順1及び不正解押し順を除いた押し順に設定されている。すなわち、複合ベルA1における正解押し順2は、中右左、第一停止右(右左中、及び右中左)である。他の複合ベルについても同様に、正解押し順2は、正解押し順1を除いた変則押し(第一停止中又は右)である。
そして、正解押し順2のときは、いずれの複合ベルにおいても、ベル02を(常に)入賞させるように制御する。
なお、第2実施形態において、押し順を6択としたとき、複合ベルA1〜B9の正解押し順1は1つであり、正解押し順2は3つである。また、複合ベルC1〜C9は、正解押し順1は2つ(第一停止右、すなわち右左中又は右中左)であり、正解押し順2は2つ(第一停止中、すなわち中左右又は中右左)である。
また、上述の構成に限らず、正解押し順1及び正解押し順2の双方を第一停止中にすることも可能である。すなわち、正解押し順1を中左右(又は中右左)とし、正解押し順2を中右左(又は中左右)とすることである。
このようにすることで、第一停止中以外の場合には全て不正解押し順となり、不正解押し順を多く設けることができる。これにより、遊技者の操作ミス等によって不用意にベル01やベル02が入賞することを抑制することができる。
この場合、たとえば複合ベルA1当選時において、第一停止を右から停止させたときには、前述の個数優先制御を用いて「赤7」を優先的に停止させることで、ベル03、ベル04、又はベル05を有効ラインに停止させるようにする。
以上のように設定することで、第2実施形態では、正解押し順を複数設けることができる。これにより、たとえばベル01をノーマルベル、ベル02をレアベルとして扱うことができ、サブ制御手段80側で、入賞させたいベルに応じた押し順を報知することができる。また、ベル01とベル02との図柄の組合せが異なるので、正解押し順であっても入賞態様を異ならせることができる。
そして、ベル01とベル02の払出し枚数は同一であるので、サブ制御手段80側で正解押し順1又は正解押し順2のいずれを報知しても、メダルの払出しにおいて遊技者の有利/不利はない。
複数の正解押し順(ベル01入賞時とベル02入賞時)をどのように用いるかについては、種々挙げられるが、たとえば第1に、ART遊技において遊技回数を増加(加算、上乗せ)することが確定したときに、ベル02の押し順を報知し、レアベルとしてのベル02を入賞させることで、その入賞態様によってART遊技の遊技回数の増加を遊技者に報知することが挙げられる。
あるいは第2に、サブ制御手段80側で、所定の条件を満たしたときに、たとえば複合ベルA1当選時には、中左右(正解押し順1)、又は右左中(正解押し順2)のいずれかを遊技者に選択させる報知を行い(サブゲーム)、右左中の押し順でレアベルのベル02を入賞させたときは、遊技者に何らかの特典(ART遊技の付与、ART遊技の遊技回数の増加等)を付与することが挙げられる。
さらに、第2実施形態では、たとえば複合ベルA1当選時には、正解押し順1が1つ、正解押し順2が3つであり、正解押し順1の方が数が少ないことから、「中左右、中右左、右左中、右中左」の4つの中からいずれか1つを選択させる報知を行い、正解押し順1でストップスイッチ42を操作したとき(数が少ない方の正解押し順の選択時)は、何らかの特典を遊技者に付与するようにしてもよい。
さらにまた、正解押し順1であるときにベル01を入賞させるときは、中段の有効ラインに「ベル」揃いとなるが、正解押し順2であるときにベル02を入賞させるときは、中段の有効ラインには「スイカA」−「ベル」−「ベル」が停止する。この入賞形態時には、同時に、「左リール31下段」−「中リール31中段」−「右リール31上段」(斜め右上がりライン)に「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止するように制御し、ベル01と異なるラインに「ベル」揃いがしたように見せるようにしてもよい。
特に第2実施形態では、左リール31について中段に「スイカA」を停止させると、必ず下段に「ベル」が停止する図柄配列となっている。また、右リール31については、たとえば08番の「ベル」が中段に位置する直前に右ストップスイッチ42が操作されたときは08番の「ベル」を中段に停止させ、09番の「ベル」を上段に停止させればよい。また、09番の「ベル」が中段に位置する直前に右ストップスイッチ42が操作されたときは13番の「ベル」を中段に停止させ、14番の「ベル」を上段に停止させればよい。
なお、「ベル」揃いを停止させるラインは、非有効ラインであればよく、上段揃い、下段揃い、斜め右下がりラインであってもよい。
第2実施形態において、当該遊技でいずれかの複合ベルに当選していると遊技者が予想したと仮定する。
たとえば複合ベルA1に当選していると予想したとき、中リール31についてはゾーンZ31内のいずれかの図柄が中段に停止可能に中ストップスイッチ42を操作すればよいので、ゾーン数の選択率からみると、1/3の選択率で、複合ベルA1に係る図柄を停止させることができる。
一方、ゾーンZ31のいずれかの図柄を中段に停止させるためには、13番〜19番の図柄が中段に位置する瞬間に中ストップスイッチ42を操作する必要があるので、無作為に中ストップスイッチ42を操作したときは、
(ゾーンZ31の図柄数+P(最大移動コマ数))/N(総図柄コマ数)
の確率で複合ベルA1に係る図柄を停止させることができる。
そして、第2実施形態では、
(3+4)/21=1/3
となり、ゾーン数の選択率と一致する。
また、右リール31については、ゾーンZ41内の図柄が中段に停止可能に右ストップスイッチ42を操作すればよいので、ゾーン数の選択率からみると、1/3の選択率で、複合ベルA1に係る図柄を停止させることができる。
一方、ゾーンZ41の「赤7」を中段に停止させるためには、15番〜19番の図柄(5コマ)が中段に位置する瞬間に右ストップスイッチ42を操作する必要があるので、無作為に右ストップスイッチ42を操作したときは、
5/21
の確率で複合ベルA1に係る図柄を停止させることができる。
<第3実施形態>
図21は、第3実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。なお、図21中、空欄となっているコマには図柄が配置されていないことを意味するものではなく、説明に係る図柄のみを図示したものである(以下の実施形態においても同様である)。
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、図柄コマ総数は、「21」である。
また、ベルの種類と図柄の組合せ、及び複合ベルの当選の種類は、第1実施形態と同一である。
第1実施形態(図2)の中リール31においては、
ゾーンZ11=2コマ、
ゾーンZ12=2コマ、
ゾーンZ13=4コマ
に設定した。
これに対し、第3実施形態の中リール31では、
ゾーンZ51=ゾーンZ52=ゾーンZ53=3コマ
に設定している。
すなわち、第1実施形態では、中リール31のゾーンZ13は、ベルに係る図柄「青7」と「白BAR」の間に2コマを配置し、ゾーンZ11及びZ12は、ベルに係る図柄のみとしている。
これに対し、第3実施形態では、中リール31のゾーン数を同一数に設定している。
ここで、
a)N個の図柄コマ数の中に、複数の図柄コマ数からなるゾーンをY個設け、
b)いずれかの複合ベルの当選時に、最大移動コマ数Pの範囲内において、いずれか1つのゾーン内の図柄を停止可能とし、
c)1つのゾーン内に、1つの複合ベルにおける1枚ベルを構成するM種類の図柄を配置したとき、
ゾーン数Yは、
式1:Y=[N/(P+M)]
(ただし、[、]は、整数の商(整数の最大値)を表すガウス記号)
を満たすように設定すればよい。
たとえば第1実施形態(図2)の中リール31では、
Y=3、N=20、P=4、M=2
であるので、上記式1を満たす。
さらに、各ゾーン間は、最大移動コマ数P以上離れていればよいが、常に、最大移動コマ数Pだけ離れている場合には、
式2:(N)mod(P+M)=S
(ただし、modは、剰余を表す演算子)
により算出される剰余図柄コマ数Sが存在する。
この場合、少なくとも1つのゾーン内にS個以下(「0」を含む)の剰余図柄コマ数を配置するとともに、Y個のゾーンに配置された剰余図柄コマ数の合計をS個に設定すればよい。
たとえば第1実施形態(図2)の中リール31では、余剰図柄コマ数S=2であり、ゾーンZ11及びZ12内の剰余図柄コマ数は「0」であり、ゾーンZ13内には、余剰図柄コマ数S=2を配置している(図柄番号04番及び05番)。
ただし、これに限らず、上記を満たせばよいので、
ゾーンZ11=3(余剰図柄コマ数「1」を配置)
ゾーンZ12=2(余剰図柄コマ数「0」)
ゾーンZ13=3(余剰図柄コマ数「1」を配置)
としてもよい。
あるいは、各ゾーンの図柄コマ数について、
ゾーンZ11=2、ゾーンZ12=3、ゾーンZ13=3
としたり、
ゾーンZ11=3、ゾーンZ12=3、ゾーンZ13=2
とすることも可能である。
また、第1実施形態(図2)では、複合ベル当選時の右リール31の図柄は、4択(ゾーンZ21、Z22、Z23、又はZ24)となる。そして、第1実施形態では、右リール31の各ゾーンZ21〜Z24は、いずれも1コマ(1枚ベルに係る図柄)である。
特に第1実施形態の右リール31では、図柄コマ総数N=20、ゾーン数=4、各ゾーンは1コマであるので、4つのゾーン間にそれぞれ最大移動コマ数P=4を配置すれば、ちょうど割り切れる。
これに対し、第3実施形態(図21)の右リール31では、図柄コマ総数N=21、ゾーン数=4であるので、4つのゾーン間にそれぞれ最大移動コマ数P=4を配置すると、1コマ剰余となる。
この場合には、図21に示すように、いずれか1つのゾーン内に同一図柄を配置する(右リール31における03番及び04番の「白BAR」)方法が挙げられる。
あるいは、ゾーンZ64を1コマ(04番のみ)とし、ゾーンZ64とゾーンZ61間は、「P+1」だけ離れるように設定することも可能である。
さらには、剰余コマ数を「n」(n≧2)としたとき、1つのゾーンとその隣のゾーンとの間を、「P+n」(n≧2)だけ離れるように設定することも可能である。
<第4実施形態>
図22は、第4実施形態における図柄配列を示す図である。
第4実施形態では、リール31の図柄コマ総数Nは、「21」である。
また、中リール31では、複合ベルに係る図柄のゾーンを、ゾーンZ71〜Z74の4つを設けている。すなわち、第3実施形態(図21)の中リール31のゾーン数Yは「3」であるが、第4実施形態では「4」としている。
さらに、第4実施形態では、最大移動コマ数P=3に設定している。
リール31の図柄コマ総数N、Y個のゾーンZ1、Z2、・・・の各図柄コマ数を、それぞれC1、C2、・・・とする。
そして、各ゾーン間が最大移動コマ数Pだけ離れているとき、
式3:N=C1+P+C2+P+・・・
=(C1+C2+・・・)+(Y×P)
を満たせばよい。
第4実施形態では、
Z71、Z72、Z73の各図柄コマ数=2、
Z74の図柄コマ数=3、
N=21、
P=3
であるので、
これらの値を式3に代入すると、
21=(2+2+2+3)+4×3
となり、式3を満たす。
そして、複合ベル当選時には、中リール31の図柄として、ゾーンZ71〜Z74のうちのいずれか1つのゾーンの図柄となるように設定しているので、中リール31の図柄は、4択となる。
さらに、右リール31については、ゾーンは、ゾーンZ81〜Z85の5つが設けられている。そして、複合ベル当選時には、右リール31の図柄として、ゾーンZ81〜Z85のうちのいずれか1つのゾーンの図柄となるように設定しているので、右リール31の図柄は、5択となる。
なお、右リール31についても、
Z81、Z82、Z83、Z84の各図柄コマ数=1、
Z85の図柄コマ数=2、
N=21、
P=3
であるので、
これらの値を式3に代入すると、
21=(1+1+1+1+2)+5×3
となり、式3を満たす。
第4実施形態のベルは、第1実施形態と同様に、左リール31の図柄を「リプレイ」に設定している。また、中リール31においては、第1実施形態に加えて、ベルに係る図柄として、「スイカB」又は「ブランク」を有するように設定している。さらにまた、右リール31においては、第1実施形態に加えて、ベルに係る図柄として、「スイカA」を有するように設定している。
図23及び図24は、第4実施形態における役の種類と図柄の組合せを示す図である。上述したように、1枚ベルの図柄は、左リール31で「リプレイ」の1種類であるが、中リール31では8種類、右リール31では5種類であるので、合計40種類(ベル02〜ベル41)設けられている。
また、図25は、第4実施形態における複合ベルの当選内容を示す図である。図25において、たとえば、複合ベルA1は、ベル01、ベル02、ベル03の重複当選であり、正解押し順は中左右であり、押し順正解時はベル01が常に入賞する。また、それ以外の5通りの押し順(不正解押し順)では、1枚ベル(複合ベルA1では、ベル02又はベル03)が入賞可能となる。
第4実施形態では、たとえば当該遊技においていずれかの複合ベルに当選していると遊技者が予想して、1枚ベルの図柄を狙っても、中及び右リール31においては、いずれか1つのゾーンしか狙えない。したがって、中リール31は、4択(ゾーンZ71〜Z74)、右リール31は5択(Z81〜Z85)となる。よって、トータルでは、20択となる。
また、複合ベル当選時に、無作為に中リール31を停止させたとき、当選に係る1枚ベルの図柄を中段に停止させることができる確率は、「5/21」となる。
同様に、無作為に右リール31を停止させたとき、当選に係る1枚ベルの図柄を中段に停止させることができる確率は、「4/21」(当選に係る右リール31の図柄がゾーンZ81〜Z84の場合)又は「5/21」(当選に係る右リール31の図柄がゾーンZ85の場合)となる。
よって、第4実施形態では、第1実施形態よりさらに、複合ベル当選時の1枚ベル取得率を低下させることができる。
特に、後述する第7実施形態のように、MB内部中遊技を、通常遊技とART遊技との双方に用いる場合には、通常遊技においてもリプレイの当選確率が高くなるので、それだけベースが高くなる。
ここで、「ベース」とは、所定枚数のイン(投入)枚数に対し、そのイン枚数で払い出されるアウト枚数の期待値を指す。たとえば、イン枚数100枚を基準としたときは、イン枚数100枚に対してアウト枚数の期待値が「50」であるときは、「ベース50」となる。また、ベースの算出にあたっては、リプレイ入賞時は、イン枚数3枚、アウト枚数3枚とカウントする。したがって、リプレイの当選(入賞確率)が高くなれば、ベースは高くなる。
リプレイの当選確率の高い内部中遊技において、複合ベル当選時(押し順非報知時)のベル入賞率(ベル取得率)が高くなると、さらにベースが高くなる。このため、複合ベル当選時のベル入賞率は、適度に低いことが好ましいが、上記各実施形態を適用することで、ベル入賞率、ひいてはベースを低下させることができる。
ここで、スロットマシンの出玉設計上、AT遊技中の傾斜(非AT遊技からAT遊技に移行したときの出玉の変化率)には限界がある。そのため、通常遊技中(非AT遊技中)のベースが高いと(出玉の割を食ってしまうと)、AT遊技への突入率(AT遊技の当選確率)を低くしたり、AT遊技に移行してもAT遊技に長く滞在させることができないという問題がある。
しかし、本願発明におけるベルの取得率を低下させる技術により、ベースを下げることができるので、AT遊技に移行させるまでの通常遊技の期間を短く設定したり、あるいは、AT遊技に滞在できる期間を長くすることができるようになる。
なお、第1実施形態のように、MB1内部中遊技を通常遊技に位置づけ、MB1内部中遊技のようにリプレイの当選確率を高くしなければ、それだけベースを下げることができる。しかし、リプレイの当選確率が低いと、当選を持ち越しているMB1の入賞率が高くなる。したがって、ART遊技に当選していないときには、第1実施形態で説明したようなMB1の入賞を回避する制御(報知等)を行う必要がある。
これに対し、第1実施形態のMB2内部中遊技のように、通常遊技であっても、非当選確率をほぼ「0」に設定し、大半をリプレイの当選とすれば、非ART遊技中であっても当選を持ち越しているMBの入賞率を低下させることができる。
よって、本実施形態のように、押し順不正解時のベル入賞率を低下させることは、内部中遊技を通常遊技に位置づける場合には特に有効である。
<第5実施形態>
図26は、第5実施形態における図柄配列を示す図である。第5実施形態は、第1実施形態と同様に、リール31の図柄コマ総数N=20である。
第5実施形態の中リール31は、3つのゾーンZ91〜Z93からなる。そして、各ゾーンZ91の図柄コマ数は「2」であり、ゾーンZ92及びZ93の図柄コマ数は「3」である。
ここで、第1実施形態(図2)では、ゾーンZ11、Z12、Z13の各図柄コマ数は、それぞれ「2」、「2」、「4」としているが、ゾーンを3つ設けたとき、各ゾーン間を最大移動コマ数Pだけ離れた位置に配置すると、
N=「3つのゾーンの図柄コマ数の総数」+3×P
を満たせばよい。
そして、N=20、P=4であるとき、
3つのゾーンの図柄コマ数の総数=8
であればよい。
ここで、第1実施形態(図2)の中リール31では、各ゾーンZ11〜Z13の図柄コマ数を、それぞれ、「2」、「2」、「4」としたが、これに代えて、第5実施形態では、「2」、「3」、「3」としている。
また、第5実施形態の右リール31は、第1実施形態と同様に、
ゾーン数Y=4、
ゾーンZ101〜Z104の図柄コマ数=1
に設定している。
なお、1つのゾーン内に、ベルに係る図柄と、それ以外の図柄とを有するとき、たとえば図26の中リール31において、ゾーンZ92では、11番の「チェリー」と13番の「赤7」がベルに係る図柄であり、12番の図柄がそれ以外の図柄である。
ここで、図26のゾーンZ92では、ゾーンZ92の両端の図柄コマ(11番及び13番)にベルに係る図柄を配置し、その間(12番)にベル以外の図柄を配置しているが、これに限らず、たとえば11番及び12番にベルに係る図柄を配置し、13番にベル以外の図柄を配置してもよい。同様に、11番にベル以外の図柄を配置し、12番及び13番にベルに係る図柄を配置してもよい。
特に、第1実施形態(図2)において、ゾーンZ13は、両端(03番及び06番)にベルに係る図柄を配置し、その間(04番及び05番)にベル以外の図柄を配置している。特に、ゾーンZ13内の両端の図柄である、03番の「白BAR」と06番の「青7」との間が最大移動コマ数P以下であるので、19番〜20番、及び01番〜06番のいずれかが中段に位置する瞬間にストップスイッチ42が操作されれば、03番の「白BAR」又は06番の「青7」を中段に停止させることができる。
これに対し、図2中、03番の「白BAR」と04番の「ベル」とを入れ替えたような図柄配置としてもよい。
ただし、このように設定したときは、実質的には、ゾーンZ13を04番〜06番の範囲とし、ゾーンZ13とゾーンZ11との間を「P+1」だけ離すことと等価となる。
<第6実施形態>
図27は、第6実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。第6実施形態では、リール31の図柄コマ総数N=12に設定されている。
なお、第6実施形態では、ベルの種類と図柄の組合せ、及び複合ベルの当選の種類は、第1実施形態と同一である。
第6実施形態では、リール31の図柄コマ総数N=12に設定されている。このように、リール31の図柄コマ数Nの数を少なくすれば、それだけリール31の外周を小さくすることができる。これにより、スロットマシン10の筐体外形サイズを同一とした上で、より大型サイズ(たとえば、15〜20インチ程度)のディスプレイ(液晶表示装置等)を設けるとともに、その上側又は下側等に、リールユニットを配置することが可能となる。
また、第6実施形態では、最大移動コマ数P=2に設定されている。
さらに、中リール31では、ゾーン数Y=3であり、ゾーンZ111、Z112、Z113を有する。各ゾーンZ111〜Z113の図柄コマ数は、いずれも「2」である。
さらにまた、右リール31では、ゾーン数Y=4であり、ゾーンZ121、Z122、Z123、Z124を有する。各ゾーンZ121〜Z124の図柄コマ数は、いずれも「1」である。
したがって、中リール31について、式3に代入すると、
12=2+2+2+(3×2)
となり、式3を満たす。
また、右リール31について、式3に代入すると、
12=1+1+1+1+(4×2)
となり、式3を満たす。
<第7実施形態>
第1実施形態では、2種類のMB1とMB2とを設けたが、第2実施形態等のように、MBを1種類のみとしてもよい。
図28は、第7実施形態、すなわちMBを1つとしたときの遊技状態の移行を説明する図である。先ず、非内部中遊技では、MBが抽選される。MBは、第1実施形態と同様に、たとえば1/8程度で当選するようにし、比較的早期にMB内部中遊技に移行させる。
また、MBは、「PB≠1」とし、正確に目押しをしなければMBが入賞しないか、又は逆押しをしないと入賞しないように制御する。あるいは、MB当選時にMBを入賞させたときは、遊技者に対し、所定遊技回数の間、ART遊技の抽選を行わない等のペナルティを課すようにしてもよい。
非内部中遊技でMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、MB内部中遊技に移行する。MB内部中遊技では、役の非当選となることはほとんどなく、大半が、リプレイの当選又は複合ベルの当選となる。これにより、一旦、MB内部中遊技に移行すると、MBが入賞する機会はほとんどない。
仮に、MB内部中遊技においてMBが入賞したときはMB遊技に移行し、MB遊技の終了後は、非内部中遊技に移行する。非内部中遊技においてMBに当選し、かつ当該遊技でMBが入賞したときも同様である。
MB内部中遊技では、リプレイの当選確率が高いので、いわゆるRT遊技となる。また、MB内部中遊技の中で、通常遊技とART遊技とを実行する。
MB内部中遊技に移行したときは、通常遊技を開始する。そして、この通常遊技でART遊技に当選したときは、ART遊技を実行する。ART遊技の終了後は、再度、通常遊技に移行する。
この場合、メイン制御手段60側で制御する遊技状態は、通常遊技及びART遊技のいずれも、MB内部中遊技である。これに対し、サブ制御手段80で制御する遊技状態は、通常遊技とART遊技とを有する。
サブ制御手段80は、所定の契機で、たとえば複合特殊役当選時に、ART遊技を実行するか否かの抽選を行う。そして、ART遊技に当選したときは、複合ベル当選時に、ストップスイッチ42の押し順報知を行う。
そして、メイン制御手段60側では、上述したように、複合ベル当選時に2回連続で正解押し順でストップスイッチ42が操作されたとき(8枚ベル入賞時)は、外端信号Aフラグ70aをオンにし、外端信号Aを送信する。
また、メイン制御手段60側では、ART遊技又はサブボーナス遊技を実行する契機となる特定役の抽選を行う。特定役は、第1実施形態のように、複合リプレイであってもよいが、リプレイBの単独当選、又は他の役の当選(単独当選又は重複当選)であってもよい。
ART遊技の実行中に特定役に当選したときは、サブボーナス遊技に当選となり、通常遊技中に特定役に当選したときは、ART遊技の当選となるように制御する。
サブ制御手段80は、ART遊技の実行中に特定役に当選した旨の情報を受信したときは、ART遊技を中断し、サブボーナス遊技を開始する。そして、サブボーナス遊技の終了後に、中断前のART遊技に戻る。
また、サブ制御手段80は、通常遊技中に特定役に当選した旨の情報を受信したときは、ART遊技を開始する。
なお、サブ制御手段80は、通常遊技中に特定役に当選した旨の情報を受信したときは、ART遊技ではなく、サブボーナス遊技のみを開始するようにしてもよい。
特定役の当選時は、サブ制御手段80は、たとえば逆押しで「赤7」揃いを狙うように報知する。そして、遊技者のストップスイッチ42の操作及び目押しにより、第1実施形態のように「赤7」揃いを停止させれば、ART遊技の開始を遊技者に報知することができる。
メイン制御手段60の外端信号送信手段70は、外端信号Bフラグ70bがオフであるとき、すなわち非ART遊技中であるときに特定役に当選し、この特定役の当選がART遊技の当選に相当するときは、外端信号Aフラグ70aをオンにし、外端信号Aを送信するように制御する。また、外端信号フラグ70bをオンにし、ART遊技を終了したと判断するまで(たとえば、複合ベル当選時に、押し順不正解時が2回連続したとき)オンの状態を維持する。
一方、メイン制御手段60の外端信号送信手段70は、外端信号Bフラグ70bがオンであるとき、すなわちART遊技中であるときに特定役に当選したときは、外端信号Cフラグ70cをオンにし、外端信号Cを送信するように制御する。
また、サブ制御手段80側でART遊技の抽選を行い、この抽選に当選したときに、メイン制御手段60側で、外端信号Aを送信する方法としては、上述した、複合ベル当選時に2回連続で正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときに限られるものではない。
MB内部中遊技では、リプレイに高確率(たとえば、1/2程度)で当選する。また、リプレイは、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、「PB=1」に設定されている。すなわち、リプレイ当選時には、ストップスイッチ42の押し順によって、遊技者が不利になることはない。よって、ART遊技の開始時には、複数回のリプレイ当選時に、所定の変則押しを報知し、その押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、外端信号Aを送信することが挙げられる。
たとえば、メイン制御手段60側で、1回目のリプレイ当選時の遊技でストップスイッチ42の押し順が「右左中」、2回目のリプレイ当選時の遊技で押し順が「中右左」、3回目のリプレイ当選時の遊技で押し順が「右中左」で操作されたときは、外端信号Aを送信すると事前に定めておく。
そして、サブ制御手段80は、ART遊技に当選したときは、その後のリプレイ当選時の3遊技で、上記押し順を報知することが挙げられる。
さらに、メイン制御手段60は、リプレイ当選時に所定の変則押しが複数回連続で実行されたことにより、ART遊技に当選したと判断したときは、ART開始フリーズを実行してもよい。なお、「フリーズ」については後述する。
<第8実施形態>
第7実施形態では、1つの遊技状態、すなわちリプレイ当選確率が同一である1つのMB内部中遊技において、通常遊技とART遊技とを実行するようにした。しかし、これに限らず、メイン制御手段60側で複数の遊技状態を持ち、その遊技状態の移行によってAT遊技を実行するようにしてもよい。
図29は、第8実施形態における遊技状態の移行を説明する図である。
たとえば、メイン制御手段60側の遊技状態としてMB内部中遊技を有し(第7実施形態と同様)、このMB内部中遊技には、さらに、非AT遊技であるRT1遊技、RT2遊技(AT準備中)、RT3遊技(AT遊技)を設けておく。また、メイン制御手段60では、通常の(ノーマル)リプレイの他に、レアリプレイ(ノーマルリプレイとの重複当選を含む)を設けておく。
まず、メイン制御手段60は、非AT遊技中かつMB内部中は、RT1遊技に滞在し続ける。MBに当選して内部中遊技となったとき(内部中遊技に移行した旨の信号をメイン制御手段60から送信されてきたとき)に、サブ制御手段80は、AT遊技の抽選可能な状態とする。
次に、サブ制御手段80側でAT遊技に当選したときは、サブ制御手段80は、レアリプレイの当選時に変則押し(左第一停止以外)を報知する。レアリプレイの当選時に所定の変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段60は、遊技状態をRT1遊技からRT2遊技に移行させる。
なお、「レアリプレイの当選」とは、
a)1種類のレアリプレイの単独当選であって、所定の押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では昇格リプレイ取りこぼし目(転落停止出目)が停止表示される場合、
b)2種類以上のレアリプレイの重複当選又は1種類以上のレアリプレイとノーマルリプレイとの重複当選であって、所定の押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では転落リプレイ(転落リプレイに相当するノーマルリプレイを含む)が入賞する場合
等が挙げられる。
さらに、RT2遊技では、レアリプレイの抽選を継続し、AT遊技に移行させるときは、サブ制御手段80は、レアリプレイ当選時に所定の変則押しを報知する。そして、その押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。ここで昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段60は、遊技状態をRT2遊技からRT3遊技に移行させる。遊技状態がRT3遊技に移行したときは、メイン制御手段60は、AT遊技が開始されたと判断する。メイン制御手段60は、AT遊技の開始時には、外端信号Aの送信を行う。
メイン制御手段60は、RT3遊技への移行後は、転落リプレイが入賞しない限り、RT3遊技に滞在し続ける。RT3遊技で転落リプレイが入賞して初めて、RT1遊技に移行する。
これに対し、サブ制御手段80は、AT遊技を終了したときは、次遊技から、レアリプレイ当選時に、転落リプレイの入賞を回避するための押し順の報知や、複合ベルの当選時に正解押し順の報知を行わない。したがって、メイン制御手段60による遊技状態の移行(RT3遊技からRT1遊技への移行)と、サブ制御手段80によるAT遊技の終了のタイミングとは必ずしも一致するものではない。
これは、RT3遊技を継続するか否かは、メイン制御手段60によって決定されるものであり、メイン制御手段60は、現在のRT3遊技がAT遊技であるか否かは不明であり、サブ制御手段80側からメイン制御手段60側にはAT信号等を送信しないからである。
なお、RT1遊技においてAT遊技の抽選に当選していない状態で、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等によって偶然にレアリプレイ当選時に昇格リプレイが入賞してRT1遊技に移行したときは、サブ制御手段80は、AT準備中ではないと判断するので、一切の報知を行わない。その結果、RT1遊技で抽選されるレアリプレイの当選時に転落リプレイの入賞確率が高くなるので、RT3遊技に移行する前にRT1遊技に転落する可能性が高くなる。
特に、本実施形態のように、ストップスイッチ42の押し順が左第一停止以外はペナルティを課すようにしておくとともに、レアリプレイの当選時に左第一停止時には転落リプレイが入賞するように設定しておけば、当該遊技で転落リプレイを入賞させることができるので、RT3遊技に移行してしまう可能性を低く設定することができる。
<第9実施形態(外端信号)>
第1実施形態では、外端信号Cフラグ70cは、複合リプレイ当選時のときにオンとなり、外端信号送信手段70は、全リール31の停止時に外端信号Cを送信し、その後、外端信号Cフラグ70cをオフとした。
しかし、これに限らず、ART遊技の開始時又はサブボーナス遊技開始時の外端信号の送信は、種々設定することが可能である。
(第1例)
第1実施形態では、複合リプレイの当選時に外端信号Cフラグ70cをオンにし、全リール31の停止時に外端信号Cを送信している。
しかし、これに限らず、複合リプレイ当選時(スタートスイッチ41の操作直後)に、外端信号Cフラグ70cをオンにし、かつ外端信号Cを送信するようにしてもよい。すなわち、複合リプレイの当選が外端信号Cの送信契機となり、リール31の停止や、入賞役とは無関係とすることも可能である。
たとえば第1実施形態において、非内部中遊技やMB1内部中遊技の複合リプレイの当選確率は、「1/65536」であるので、非内部中遊技やMB1内部中遊技で外端信号Cが送信されることは極めて稀である。このように極めて稀である場合には、複合リプレイの当選のみで外端信号Cを送信してもよい。また、非内部中遊技やMB1内部中遊技で複合リプレイに当選したときは、ART遊技の抽選に当選したとみなすことが挙げられる。
なお、非内部中遊技では、外端信号Cが送信される場合はないようにし、MB内部中遊技でのみ外端信号Cが送信されるようにすることが考えられる。しかし、MB内部中遊技にのみ外端信号Cが送信されるとともに、外端信号Cの送信が遊技者にわかる場合(遊技情報表示装置110に表示される場合等)には、外端信号Cの送信が、MB内部中遊技であることを報知してしまうことになり、遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則に抵触するおそれがある。その対策としては、以下の第2例が挙げられる。
(第2例)
非内部中遊技では点灯(消灯)し、MB内部中遊技では消灯(点灯)するような(装飾)ランプ(状態報知ランプ)をスロットマシン10に設けることが挙げられる。このようなランプの点灯/消灯状態は、遊技者が容易に理解できるように目立つようなものでもよいが、ランプを小さく形成する等、遊技者が注意して見ない限り、わかりにくく形成してもよい。
また、非内部中/内部中を表示するためのランプは、スロットマシン10の筐体に新規で設けてもよいが、既存のランプのうち、スロットマシン10の遊技上、使用しないランプが事前に設けられている場合には、そのランプを利用することも可能である。
たとえば、スロットマシン10に、打ち止めランプが設けられており、かつそれが使用されない仕様の場合には、その打ち止めランプの点灯/消灯を用いて、非内部中/内部中を表示してもよい。
非内部中/内部中を表示するランプを設ければ、非内部中/内部中をランプの点灯/消灯により遊技者に報知することになる。したがって、上記のように、非内部中遊技では複合リプレイに当選せず、外端信号Cが送信される場合がないスロットマシンであっても、外端信号Cの送信が内部中遊技であることの報知にならないようにすることができる。
(第3例)
第1実施形態では、複合リプレイ当選時に外端信号Cフラグ70cをオンにし、全リール31の停止時に外端信号Cを送信するようにした。
しかし、これに限らず、
a)1つ又は2つ(一部)のリール31の停止時に外端信号Cフラグ70cをオンにし、かつ、外端信号Cを送信する
b)1つ又は2つ(一部)のリール31の停止時に外端信号Cフラグ70cをオンにし、かつ、全リール31の停止時に外端信号Cを送信する
ように設定することも可能である。
(第4例)
第1実施形態では、複合リプレイ当選時に、逆押しをすれば「赤7」揃いが下段ラインに停止可能となり、順押しをすれば「赤7」揃いが停止しないようにした。
しかし、これに限らず、複合リプレイ当選時に、順押しで「赤7」揃いがいずれかのラインに停止するように制御してもよい。
この場合、非内部中遊技では、最後の右リール31について、下段に「赤7」をビタ押ししないと停止しないように制御する。すなわち、図2中、右リール31の12番の「赤7」が下段に位置する瞬間に右ストップスイッチ42が操作されたときは12番の「赤7」を下段に停止させるが、それ以外の位置で右ストップスイッチ42が操作されたときは、下段には12番の「赤7」以外の図柄を停止させるように制御する。
これに対し、MBの内部中遊技では、最大移動コマ数Pの範囲内で下段に「赤7」を停止させることができるときは、下段に「赤7」を停止させる。
ここで、非内部中遊技では、複合リプレイ当選時は、リプレイAとリプレイBとの2個の当選フラグ63aがオンである状態である。これに対し、MB内部中遊技では、MB、リプレイA、リプレイBの3つの当選フラグ63aがオンである状態である。これにより、リール31の停止制御を異ならせることができる。
なお、以上の「赤7」揃いをさせる/させないは、第1実施形態のような場合には、非内部中遊技及びMB1内部中遊技では「赤7」揃いをさせず、MB2内部中遊技では「赤7」揃いをさせる制御としてもよい。MB1内部中遊技とMB2内部中遊技とでは、MBの当選フラグ63aが異なるので、異なるリール31の停止制御を行うことができる。
また、いずれかのラインに「赤7」−「赤7」−「回転中」が停止した場合において、非内部中遊技では、必ず「赤7」揃いが停止しないようにし、内部中遊技では、必ず「赤7」揃いが停止する制御として、サブリールを用いる方法が挙げられる。
この場合には、たとえば、左及び中リール31をメインリール(メイン制御手段60によって停止制御されるリール)とし、右リール31の本来の配置位置に、サブリール(サブ制御手段80によって停止制御されるリール。ダミーリール。)を配置することが挙げられる。
図30は、このときのリール31(メインリール)及びサブリールの配置例を示す図である。なお、サブリールと右リール31は、同一図柄配列でも異なる図柄配列でもよい。図30の例では、サブリールと右リール31は、同一図柄配列としている。
また、サブリールと右リール31を異なる図柄配列とする場合は、右リール31の図柄を遊技者が視認し難い図柄(たとえば、一般的にスロットマシンで使用されている「ベル」、「リプレイ」、「7」等の図柄ではなく、「ダイヤ」や「☆」を模った図柄や、無色の図柄等)にすることで、よりサブリールを主のリールとして機能させることができる。
さらに、サブリールと右リール31は同一の回転速度でもよいし、互いのリールが同期することで遊技者に対する目押しの補助となることを避けるために、回転速度を変えてもよい。この場合、たとえば、サブリールの回転速度をメインリールよりも若干速く(あるいは遅く)することが望ましい。
図30において、表示窓11は、第1実施形態と同様であり、サブリールは、左及び中リール31と同様に、上下に連続する3コマが見えるように配置されている。
そして、右ストップスイッチ42が操作されたときは、サブリールと右リール31とを同時に停止させるように制御する。
一方、右リール31は、表示窓11から少し離れた位置に配置されるとともに、中段の有効ラインの1コマのみが見える(透明な)表示窓12を設けている。なお、有効ライン上の図柄のみが視認できれば、規則上、問題はないと考えられる。
図30の例では、図12(C)と同一の停止形を示している。また、サブリールは、上段に「赤7」を停止させている。すなわち、実際には、左、中及び右リール31の停止時に、下段に「赤7」揃いが停止している。
このような停止形が非内部中遊技において表示されても、サブリールによって、表示窓11内では、「赤7」揃いをさせないように制御し、かつ、右リール31については、有効ライン上の中段の図柄しか視認できないので、遊技者からみると、「赤7」揃いが表示されたことが認識しにくくなる。
なお、サブリールは、最大移動コマ数Pの範囲内における停止に制限されないので、ストップスイッチ42が操作された瞬間からサブリールが実際に停止するまでの移動コマ数は、何コマであってもよい。
ただし、サブリールが、頻繁に、メインリールの最大移動コマ数Pを超えて停止するように制御すると、右側のリールがサブリールであると遊技者に容易にわかってしまうので、「赤7」揃いをさせる/させないような例外を除いては、メインリールと同様に、最大移動コマ数Pの範囲内で停止させることが好ましい。
また、上記説明では、下段ラインに「赤7」揃いが停止するようにしたが、リプレイBの図柄の組合せを「赤7」揃いとすることも可能である。
図31は、サブリールの他の例を示す図である。
たとえば、複合リプレイ当選時に、逆押しをさせることで「赤7」揃いで停止可能とするとき、本来の左リール31の位置にサブリールを配置するとともに、本来の左リール31を右側に配置することも可能である。
この場合には、左ストップスイッチ42の操作時に、サブリール及び左リール31を同時に停止させる。
また、複合リプレイ当選時に、逆押しを報知して「赤7」揃いをさせるときは、最後に停止するサブリール(ダミーの左リール)については、たとえば「PB=1」で「赤7」揃いを下段に停止させることも可能である。
図31の例では、実際には下段に「赤7」揃いとなっているが、左側のリールであるサブリールの停止時に、「赤7」を表示窓11内に停止させない例を示している。このように設定しても、図31の例では、下段に「赤7」揃いとなったことを遊技者に知られないようにすることができる。
(第5例)
第1実施形態では、複合リプレイ当選時に外端信号Cフラグ70cをオンにし、全リール31の停止時に外端信号Cを送信するようにした。
しかし、外端信号Cフラグ70cをオンにし、外端信号Cを送信する契機となる役(以下、「外端信号契機役」という。)は、他の役の重複当選時や、単一の役の当選時であってもよい。
ここで、外端信号契機役の図柄の組合せが「PB=1」であるときと、「PB≠1」であるときとがある。
外端信号契機役の図柄の組合せを「PB≠1」とした場合、停止する図柄の組合せとしては、
MB内部中遊技:図柄の組合せX1、又は図柄の組合せY1(X1のコボシ目)
非内部中遊技:図柄の組合せX1、又は図柄の組合せY2(X1のコボシ目)
とすることが挙げられる。
なお、「コボシ目」とは、その図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときに停止する停止出目を指す。
たとえば、外端信号契機役を「赤7」揃いとしたとき、図柄の組合せX1は「赤7」揃いであり、図柄の組合せY1又はY2は、「PB=1」で停止する図柄の組合せである。また、図柄の組合せY1とY2との関係は、「Y1=Y2」でもよく、「Y1≠Y2」でもよい。
たとえば、第1実施形態と同一のリール図柄配列である場合において、外端信号契機役を「赤7」−「赤7」−「赤7」(図柄の組合せX1)としたとき、
図柄の組合せY1(PB=1)を、
「赤7/ベル」−「赤7/リプレイ」−「ベル」
「ベル」−「赤7/リプレイ」−「赤7」
「赤7/ベル」−「リプレイ」−「赤7」
とし、
図柄の組合せY2(PB=1)を、
「赤7/ベル」−「赤7/ベル」−「リプレイ」
「ベル」−「赤7/ベル」−「赤7」
「赤7/ベル」−「ベル」−「赤7」
とすることが挙げられる。
さらに、図柄の組合せX1は、第1実施形態のように、所定の押し順では停止可能であるが、他の押し順では停止不可能となるようにリール31を停止制御してもよい。
図柄の組合せX1を、上記のように第1実施形態の「赤7」揃いとしたときは、すべてのリール31において、「PB≠1」となる。また、1つのリール31に2個以上の「赤7」が設けられている場合であっても、2つの「赤7」の間が最大移動コマ数Pを超える間隔で配置されていれば、当該リール31は、「PB≠1」となる。
さらに、図柄の組合せX1については、一部のリール31を「PB=1」、他のリール31を「PB≠1」としてもよい。
さらにまた、外端信号契機役の当選時に、MB内部中遊技と非内部中遊技とで、図柄の組合せX1が停止する確率は、同一であってもよいが、非内部中遊技ではその確率が低くなるように設定してもよい。
上述したように、非内部中遊技では、MB当選フラグオフ、かつ外端信号契機役の当選フラグオンとなり、MB内部中遊技では、MB当選フラグオン、かつ外端信号契機役の当選フラグオンとなり、両者の当選フラグ63aが異なるので、リール停止制御を異ならせることができるからである。
リール停止制御を異ならせる方法としては、上述したように、非内部中遊技では、少なくとも1つのリール31について、外端信号契機役に係る図柄を有効ラインに停止させるためには、ビタ押し(ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの移動可能な図柄数が「0」)でしか停止しないようにすることが挙げられる。
あるいは、非内部中遊技における少なくとも1つのリール31について、最大移動コマ数P未満の最大移動コマ数P’を設定し、外端信号契機役に係る図柄を有効ラインに停止しにくくすることが挙げられる。
<第10実施形態(フリーズ)>
メイン制御手段60側で、フリーズを制御するようにしてもよい。
ここで、「フリーズ(フリーズ演出、又はフリーズ動作ともいう。)」とは、一般的に、遊技機(本実施形態ではスロットマシン10)の操作スイッチの機能を一時停止状態にすることをいう。
さらに、「操作スイッチの機能を一時停止状態にする」とは、操作スイッチの機能が遊技を進行して遊技結果を得るためのものとして有効になっていないことを指す。フリーズを実行するときは、メイン制御手段60側に、「フリーズ制御手段」を設ける。
具体的には、ベットスイッチ40は、メダルを投入するときに遊技者が操作するスイッチであり、スタートスイッチ41は、リール31の回転を開始するときに遊技者が操作するスイッチであり、ストップスイッチ42は、回転中のリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。遊技結果は、リール31の停止時における有効ライン上に停止した図柄の組合せによって得られるものであり、リール31を停止させるためには、ストップスイッチ42の操作によってリール31を停止する必要がある。
また、リール31を停止させるためには、その前提としてリール31の回転を開始する必要があるので、スタートスイッチ41の操作は、遊技結果を得るために必要な遊技者の操作である。さらにまた、ベットスイッチ40の操作は、前遊技でリプレイが入賞した場合を除き、リール31を回転させるためにメダル(遊技媒体)を投入するという遊技結果を得るために必要な操作である。
一方、ベットスイッチ40を操作してメダルを投入すること、スタートスイッチ41を操作してリール31の回転を開始すること、ストップスイッチ42を操作して回転中のリール31を停止させることは、いずれも、通常遊技を進行する上で必要な操作である。
したがって、上記操作は、いずれも、通常遊技を進行して、遊技結果を得るために必要な操作である。
よって、ベットスイッチ40を操作してもメダルが投入されない、スタートスイッチ41を操作してもリール31の回転が開始しない、ストップスイッチ42を操作しても、リール31が遊技結果を示す位置で停止しないことは、操作スイッチの機能が通常遊技を進行して通常遊技での遊技結果を得るためのものとして有効になっていないことである。
また、フリーズの態様としては、たとえば、
a)メダル投入口43から投入された遊技媒体の受付け、又は予めクレジットされた遊技媒体の投入(賭け)枚数を定めるためのベットスイッチ40の操作を一時停止状態にすること、
b)遊技を開始するためのスタートスイッチ41の操作を一時停止状態にすること、
c)ストップスイッチ42の操作(リール31の停止操作)を一時停止状態にすること
等が挙げられる。
また、操作スイッチの機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(例えば、遊技媒体の投入を検知するセンサからの信号、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41又はストップスイッチ42の操作に基づき操作スイッチから送信される信号)の受付けを所定期間行わないことが挙げられる。この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行うことや、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を検知したときであっても受付け処理自体を行わないことが挙げられる。
さらにまた、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受付けは行うが、受け付けた信号に基づいて実施する操作スイッチの制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させることが挙げられる。
さらに、スタートスイッチ41のフリーズに関しては、スタートスイッチ41を操作しても、所定期間、スタートスイッチ41の操作受付けに基づくリール31の回転を開始させないことや、所定期間、役抽選を開始しないことが挙げられる。
また、フリーズの終了条件としては、予め定めた所定時間が経過することが挙げられるが、所定時間の経過前であっても、メイン制御手段60に入力される各種操作信号によって途中でフリーズをキャンセルすることも考えられる。
この場合、単純にスタートスイッチ41の操作入力を受け付けることでフリーズをキャンセルすることが可能であり、あるいは、所定の操作手順(例えば、「スタートスイッチ41を5回操作する」、「ストップスイッチ42を、中、右、左の順で操作する」、「所定のタイミングに合わせてベットスイッチ40を操作する」等)を検知したことを条件にフリーズをキャンセルすることも可能である。
本実施形態においてフリーズを実行する例としては、第1実施形態において、MB2内部中遊技の複合リプレイ当選時(サブボーナス遊技当選時)に、スタートスイッチ41が操作された時にフリーズを実行し、右中左の押し順で操作すべき旨、及び「赤」揃いを狙うべき旨を報知する。その後、フリーズを解除して、ストップスイッチ42の機能を有効にすることが挙げられる。このようにすれば、遊技者が、当該遊技で誤って左第一停止操作をすることを回避することができる。
また、ART遊技中においてガセ報知を行うときに、フリーズをかけることも可能である。
たとえば第1実施形態において、複合ベルB1〜B3当選時に、ガゼ報知を行うか否かを抽選等で決定するとともに、ガセ報知を行うときは、フリーズを実行し、複合リプレイ当選時と同様に、「右中左」の押し順と、「赤7」を狙うべきことを遊技者に報知し、その後、フリーズを解除する。
複合ベルB1〜B3当選時に、右第一停止時には、ベル28又はベル29の入賞が優先されるが、図2中、右リール31の12番の「赤7」を狙うと、13番の「チェリー」が中段に停止する。次に、中第二停止時に、中リール31の12番の「赤7」を狙ったときは、09番又は14番の「ベル」が中段に停止するので、12番の「赤7」は下段に停止しない。
その後、当該遊技で複合リプレイには当選していない旨、すなわちサブボーナス遊技は実行されない旨の報知(演出)を行う。
なお、上記のガセ報知時に、「右中左」の押し順を報知したときは、左第一停止でなくても、当該遊技ではペナルティを課さないようにする。
一般的には、フリーズの終了(解除)は、所定時間を経過したとき、又は機能が有効になっていない操作スイッチの操作によって行われる。
さらに、このフリーズ中に、リール制御手段64は、操作スイッチの操作を契機として、リール動作(リールの回転及び停止を含む動作。リール演出ともいう。)を実行することも可能である。
フリーズ制御手段は、フリーズの実行条件を満たすと判断したときは、次遊技における通常遊技の開始時に、フリーズを実行する。すなわち、スタートスイッチ41が操作されると、本来であれば通常遊技が開始されるが、通常遊技の進行を一時停止して、フリーズを実行する。なお、フリーズを実行するときであっても、スタートスイッチ41の操作により、全リール31を回転させる。
上記のようにフリーズを実行したときは、ストップスイッチ42は、その機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態である。いいかえれば、ストップスイッチ42を操作しても、当該遊技における遊技結果を示す位置でリール31が停止しない。
しかし、フリーズが実行されたときは、リール31は既に回転中である。そして、遊技者がストップスイッチ42を操作すると、そのストップスイッチ42の操作を契機として、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42の操作時は左リール31)を停止するように制御する(フリーズ中のリール動作)。
このようにして、フリーズ中においてすべてのリール31が停止した後は、遊技者によりスタートスイッチ41が操作されることを待ち、スタートスイッチ41が操作されたときは、フリーズを終了するとともに、全リール31の再変動を行う。なお、このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作であり、遊技者が自らフリーズを終了(解除、キャンセル)する操作である。
また、リール31の再変動は、各リール31ごとに回転開始時のタイミングを異ならせる(ずらす)ランダム遅延を行うことで、各リール31ごとに、再変動のタイミングをばらばらにする制御を行う。
また、フリーズ中に、上記のリール動作を複数回にわたって連続で実行することも可能である。
この場合、1回目のリール動作の終了後、遊技者がスタートスイッチ41を操作することで、2回目のリール動作を開始するためのリール31の再変動が行われる。したがって、この再変動時のスタートスイッチ41の操作は、フリーズ中に係る操作であるので、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていない状態での操作である。このため、このときのスタートスイッチ41の操作によっては、役の抽選が行われないのはもちろんである。
まず、1回目のスタートスイッチ41が操作され、リール31の回転が開始されると、スタートスイッチ41の操作と同時にフリーズが実行され、実際には通常遊技は開始されない。そして、各ストップスイッチ42の操作時ごとに(その操作を契機として)、ストップスイッチ42に対応するリール31が停止する。
全リール31が停止した後、スタートスイッチ41が操作されると(この期間は、フリーズ中であるので、実際にはスタートスイッチ41の機能は遊技結果を得るためのものとして有効になっていない)、2回目のリール動作を開始するために全リール31が回転する。
そして、1回目のリール動作と同様に、各ストップスイッチ42の操作時ごとに、ストップスイッチ42に対応するリール31が停止する。全リール31が停止した後、スタートスイッチ41が操作されると(このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないときの操作である)、3回目のリール動作を開始するために全リール31が回転する。
そして、1、2回目のリール動作と同様に、各ストップスイッチ42の操作時ごとに、ストップスイッチ42に対応するリール31が停止する。
以上のようにして、1回のフリーズの中で、複数回のリール動作を行うことも可能である。そして、フリーズを終了するときは、全リール31が停止した後、スタートスイッチ41が操作されたときに(このときのスタートスイッチ41の操作は、スタートスイッチ41の機能が遊技結果を得るためのものとして有効になっていないときの操作である)フリーズを終了し、リール31の再変動を行うことで通常遊技を開始する。
また、フリーズ中のリール31の仮停止は、通常遊技でのリール31の停止時と同様に、完全に静止させるものでもよいが、フリーズ中のリール動作と異なることを示唆するために、揺れ変動を伴う停止であってもよい。
また、フリーズ中のリール動作における停止出目としては、任意に設定することができる。さらに、通常遊技における最大移動コマ数Pの範囲内(190ms以内)での停止に限らず、最大移動コマ数P(190ms)を超えてリール31を仮停止させるものでもよい。たとえば、リール31の仮停止時に、サブボーナス遊技を示唆する停止出目を強制的に出現させることも可能である。
また、フリーズ中に、ストップスイッチ42の操作や、全リール31の停止後のスタートスイッチ41の操作が有効時間内に行われなかったときは、フリーズを終了して通常遊技に移行する。有効時間内にストップスイッチ42が操作されなかったときは、回転中のすべてのリール31を自動停止させる。なお、この自動停止についても、通常遊技移行前の停止の1つである。
たとえば、スタートスイッチ41が操作され、フリーズが開始されると、スタートスイッチ41の操作時からの時間を計測し、有効時間(たとえば20秒)を経過したか否かを判断する。20秒を経過する前に第1ストップスイッチ42が操作されたときは、計測時間をクリアし、第1ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。
次に、この20秒の経過前に第2ストップスイッチ42が操作されたときは、計測時間をクリアし、第2ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。さらに次に、この20秒の経過前に第3ストップスイッチ42が操作されたときは、計測時間をクリアし、第3ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。
これに対し、スタートスイッチ41の操作時から第1ストップスイッチ42が操作されるまで、第1ストップスイッチ42の操作時から第2ストップスイッチ42が操作されるまで、第2ストップスイッチ42の操作時から第3ストップスイッチ42が操作されるまで、及び第3ストップスイッチ42の操作時からスタートスイッチ41が操作されるまでのいずれかの間に20秒を経過したときは、その時点でフリーズを終了し(リール31の回転中にフリーズを終了するときは、回転中のリール31の自動停止を行い)、リール31のランダム遅延による再変動を自動で開始して通常遊技に移行する。
たとえば、リール31の回転開始とともにフリーズを実行したが、いずれのストップスイッチ42も操作されることなく20秒を経過したときは、自動停止によって全リール31を停止させる(このときの停止出目は任意に設定することができる)。さらに、この場合の自動停止は、たとえば左、中、右リール31の順に停止させてもよく、あるいは、最短時間で一斉に停止させるものであってもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)第1、第3、第5、及び第6実施形態では、中リール31のゾーン数を3個とし、右リール31のゾーン数を4個とした。
また、第2実施形態では、中及び右リール31のゾーン数を、いずれも3個とした。
さらにまた、第4実施形態では、中リール31のゾーン数を4個とし、右リール31のゾーン数を5個とした。
このように、各リール31のゾーン数は、リール31の図柄コマ総数N、最大移動コマ数P、及び各ゾーン内に配置されるベルに係る図柄数によって決定されるものであり、種々設定することが可能となる。
たとえば第1実施形態では、中リール31は3択、右リール31は4択であるので、トータルで12択となっているが、たとえば右リール31を中リール31と同様に3択(ゾーン数Y=「3」)に設定すれば、トータルで9択となる。
一方、中リール31を右リール31と同様に4択(ゾーン数Y=「4」)に設定すれば、トータルで16択となる。
(2)複合ベル当選時において、不正解押し順時に個数優先でベルに係る図柄を停止させる場合において、正解押し順に係る図柄の組合せの数がL1個であり、不正解押し順に係る図柄の組合せの数がL2であるとき、
L1<L2(L1≧1、L2≧2)
であればよい。
したがって、第1実施形態では、正解押し順が1つであるので、不正解押し順に係る図柄の組合せは、2種類以上設ければよい。また、正解押し順に係る図柄の組合せ数が「2」であるときは、不正解押し順に係る図柄の組合せ数を「3」以上にすればよい。
(3)第1実施形態において、複合ベル当選時の正解押し順時(ベル01入賞時)は8枚の払出し(通常遊技中)とし、不正解押し順時のベル入賞時は1枚の払出しとした。しかし、払出し枚数は、これに限らず、「正解押し順時の払出し枚数>不正解押し順時の払出し枚数」であればよい。
(4)また、第2実施形態において、正解押し順1と正解押し順2との払出し枚数は、いずれも8枚(通常遊技中)とした。しかし、これに限らず、正解押し順1を「正解押し順」とし、正解押し順2を「準正解押し順」としてもよい。そして、「正解押し順時の払出し枚数>準正解押し順時の払出し枚数」としてもよい。
さらに、第1実施形態においても同様に、複合ベル当選時の正解押し順以外の押し順であって変則押し(左第一停止以外)を「準正解押し順」とし、「正解押し順時の払出し枚数>準正解押し順時の払出し枚数>不正解押し順時(左第一停止時)におけるベル入賞時の払出し枚数」としてもよい。
(5)上記各実施形態、及び各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来の技術においては、非内部中遊技では外端出力が行われる場合がなく、内部中遊技でのみ外端出力が行われる。その結果、外端出力が内部中遊技であることを報知することになってしまうので、いわゆる5号機の検定においては、不適合となるおそれがある。
そこで、当初本発明が解決しようとする課題は、外端出力が内部中遊技であることを報知することにならないようにすることである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
当初発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。
第1の解決手段は、
複数のリール(31)と、
各前記リールを停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)と、
役の抽選を行う役抽選手段(61)と、
前記ストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段の役抽選結果に基づいて前記リールを停止させるリール制御手段(64)と
を備え、
前記役抽選手段は、所定役(MB)を含めて役の抽選を行い、
前記役抽選手段で前記所定役に当選したときは、前記所定役に対応する図柄の組合せが停止するまで前記所定役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御し、
遊技状態として、前記所定役に当選している所定役当選遊技状態(MB内部中遊技)と、前記所定役に当選していない所定役非当選遊技状態(非内部中遊技)とを有し、
前記リール制御手段は、前記役抽選手段で特定の役抽選結果(複合リプレイの当選)となった場合には、図柄の組合せX1(リプレイBの図柄の組合せが有効ラインに停止し、かつ、下段「赤7」揃い)を停止可能に前記リールを停止制御するとともに、前記所定役非当選遊技状態であるときは前記所定役当選遊技状態であるときよりも図柄の組合せX1の停止確率が低くなるように設定し(リプレイAの図柄の組合せが有効ラインに停止し、かつ、下段「赤7」揃いとならないようにする)、
前記所定役当選遊技状態又は前記所定役非当選遊技状態のいずれであっても、前記役抽選手段で前記特定の役抽選結果となったときは、外部信号を出力する処理、前記外部信号を出力するために必要な処理、又は前記外部信号の出力の開始若しくは終了処理を含む、前記外部信号の出力に係わる処理(外端信号フラグC70cをオフからオンにする処理、外端信号Cの送信処理、外端信号フラグC70cをオンにしてからオフにするまでの間の処理、外端信号Cの送信中の処理、外端信号フラグC70cをオンからオフにする処理等)を実行する信号出力制御手段(外端信号送信手段70)を備える
ことを特徴とする。
なお、「図柄の組合せX1の停止確率が低くなる」とは、停止確率が「0」である場合と、「0」を超えるものの所定役非当選遊技状態では所定役当選遊技状態よりも低い場合との双方を含む。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、
前記外部信号の出力を制御するためのフラグ(外端信号Cフラグ70c)を有し、
前記信号出力制御手段は、前記役抽選手段で前記特定の役抽選結果となったときは(複合リプレイ当選時、スタートスイッチ41がオン時に)前記フラグをオンにするとともに、すべての前記リールが停止したことを条件として前記外部信号の出力を開始又は終了する処理を実行する
ことを特徴とする。
第3の解決手段は、第1又は第2の解決手段において、
前記役抽選手段及び前記信号出力制御手段を含む、遊技の進行を制御するメイン制御手段(60)と、
遊技者にとって有利となる情報の報知を含む制御を行うサブ制御手段(80)と
を備え、
前記メイン制御手段は、前記所定役当選遊技状態において前記役抽選手段で前記特定の役抽選結果となったときは、前記外部信号の出力を行うとともに、次遊技から、前記サブ制御手段によって、遊技者にとって有利となる情報(複合ベル当選時の正解押し順)の報知を開始させる
ことを特徴とする。
ここで、「遊技者にとって有利となる情報の報知を開始させる」とは、実施形態では、複合ベル当選時に正解押し順を報知するサブボーナス遊技(又はART遊技)を開始することに相当する。
なお、たとえば第1実施形態のようにMB2内部中遊技でART遊技を実行しているときに複合リプレイに当選したとき(特定の役抽選結果となったとき)は、ART遊技を中断してサブボーナスを開始する。
また、たとえば第7実施形態のように1つのMB内部中遊技を有する場合において、MB内部中遊技で複合リプレイに当選したとき(特定の役抽選結果となったとき)は、ART遊技を開始する。
第4の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、
前記役抽選手段で前記特定の役抽選結果となったときは、前記ストップスイッチの操作タイミングに応じて、図柄の組合せX1が停止する場合と停止しない場合とを有するように、図柄の組合せX1を構成する図柄を前記リールに配置した
ことを特徴とする。
具体的には、少なくとも1つのリールにおいて、特定の役抽選結果に係る図柄を「PB≠1」で配置することが挙げられる。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、所定役当選遊技状態又は所定役非当選遊技状態のいずれであっても、特定の役抽選結果となったときは、外部信号の出力に係わる処理を実行するようにしたので、外部信号の送信が、内部中遊技であることを報知することにならないようにすることができる。同時に、所定役当選遊技状態を条件にART遊技等を開始する場合には、所定役非当選遊技状態、すなわちART遊技等を開始しない場合には、図柄の組合せX1を停止させない、あるいは停止しにくくすることができる。