JP5804381B2 - 舗装の補修方法 - Google Patents
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一方、前記混合物を作製してから損傷箇所に投入するまでの間、該混合物の硬化を防止する必要があるため、前記混合物中の超速硬系セメントの配合量を余り増やすことができない場合があり、このように超速硬系セメントが少ない場合には、前記混合物が硬化して強度を発現するまでに要する時間を十分に短くできないおそれもある。
このように、超速硬系セメントを用いた場合には、耐久性は十分であるが、作業性が低下するおそれがあり、また、強度の早期発現性を十分に短くできないおそれがある。
舗装の表面側に生じた凹状の損傷箇所に補修材を投入することによって前記損傷箇所を補修する舗装の補修方法であって、
前記補修材として、セメントと骨材と水とを有するセメント組成物と、該セメント組成物を急結させる急結剤とを用い、
前記損傷箇所に前記セメント組成物を投入し、投入されたセメント組成物の上方から前記急結剤をさらに投入することを特徴とする。
これにより、補修材の表面側において、比較的短時間で、例えば車輌の通過等に耐え得るような強度を発現させることができる。また、前記補修材の表面側が硬化した後、さらに前記補修材の残りの部分が硬化するため、補修材全体としての耐久性を向上させることができる。
加えて、前記急結剤と接触する前においては、前記セメント組成物が硬化するまでの時間を比較的長くすることができるため、例えば、現場と異なる別の場所にて予め前記セメント組成物を作り置きしておくこと等が可能となる。この場合、現場にて前記セメント組成物を作製する手間が省かれるため、現場での施工時間を短縮することができる。また、前記セメント組成物の硬化時間に追われることなく前記セメント組成物を作製することもできるため、作業が容易となる。また、一旦作製した前記セメント組成物を、複数の損傷箇所に用いることも可能となる。
一方、例えば、各現場にて前記セメント組成物を作製する場合であっても、上記と同様、前記セメント組成物の硬化時間に追われることなく前記セメント組成物を作製することができるため、作業が容易となる。
さらに、前記急結剤を投入する前においては、前記急結剤は前記セメント組成物の硬化時間に影響を及ぼさないため、前記急結剤の配合量を比較的増やすことが可能となる。これにより、補修材の表面側の強度の発現に要する時間を、比較的短縮することができる。
従って、前記舗装の補修方法は、舗装の表面側に生じた損傷箇所に対して、作業性、強度の発現性及び耐久性に優れる。
かかる補修材として、セメントと骨材と水とを有するセメント組成物と、該セメント組成物を急結させる急結剤とを用いる。
このように、前記セメントが、前記セメント組成物と前記急結剤との混合物を10分以内に硬化させる得るものであることによって、前記補修材の表面側において、より短時間で強度を発現させることができる。例えば、後述するように交通規制を行った場合には、交通荷重に耐え得る強度を比較的早期に発現せることができ、比較的早期に交通規制を解除することが可能となる。
また、上記骨材の最大粒径とは、重量で少なくとも95%が通るフルイのうち、最小寸法のフルイ目で示される骨材寸法を意味し、その最大粒径は、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」によって測定される。
前記急結剤は、前記セメント組成物を急結させるものであれば、特に限定されるものではない。かかる急結剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、塩化カルシウム、珪酸ナトリウム、硝酸塩、亜硝酸塩、仮焼ミョウバンを含むミョウバン、アルミン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、カルシウムアルミネート類や、これらの水溶液等が挙げられる。また、前記急結剤は、これらのうち2種類以上が混合されたものであってもよい。
これらのうち、前記急結剤が、珪酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウムまたは水酸化アルミニウムであることが好ましい。前記急結剤が、珪酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウムまたは水酸化アルミニウムであることによって、比較的少量の添加で、前記補修材の表面側がより短時間でより高い強度を発現し得る、という利点がある。また、これにより、例えば、より短時間での交通開放が可能となる。
これにより、補修材の表面側において、比較的短時間で、例えば車輌の通過等に耐え得るような強度を発現させることができる。また、前記補修材の表面側が硬化した後、さらに前記補修材の残りの部分が硬化するため、補修材全体としての耐久性を向上させることができる。
加えて、前記急結剤と接触する前においては、前記セメント組成物が硬化するまでの時間を比較的長くすることができるため、例えば、現場と異なる別の場所にて予め前記セメント組成物を作り置きしておくこと等が可能となる。この場合、現場にて前記セメント組成物を作製する手間が省かれるため、現場での施工時間を短縮することができる。また、前記セメント組成物の硬化時間に追われることなく前記セメント組成物を作製することもできるため、作業が容易となる。また、一旦作製した前記セメント組成物を、複数の損傷箇所に用いることも可能となる。
一方、例えば、各現場にて前記セメント組成物を作製する場合であっても、上記と同様、前記セメント組成物の硬化時間に追われることなく前記セメント組成物を作製することができるため、作業が容易となる。
さらに、前記急結剤を投入する前においては、前記急結剤は前記セメント組成物の硬化時間に影響を及ぼさないため、前記急結剤の配合量を比較的増やすことが可能となる。これにより、補修材の表面側の強度の発現に要する時間を、比較的短縮することができる。
従って、本実施形態の舗装の補修方法は、舗装の表面側に生じた損傷箇所に対して、作業性、強度の早期発現性及び耐久性に優れる。
補修材として、普通ポルトランドセメント、細骨材、水及び急結剤を用いて舗装の補修を行った。
具体的には、普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)と、細骨材(揖斐川産川砂)とを重量比1:1で混合し、前記普通ポルトランドセメントに対して40重量%(水セメント比40重量%)の水を加えてさらに混合して、前記セメント組成物としてのベース混練物を得た。この混練物を直径20〜30cm、深さ5cm程度のポットホールに投入し、コテを用いて粗仕上げ補修を行った。その後、直ちに、前記混練物の表面に、急結剤としての30重量%の珪酸ナトリウム水溶液を、混練物表面に対して10L/m2となるように(すなわち、混練物表面の単位面積当たり固形分換算で3kg/m2となるように)散布し、散布した急結剤を、コテを用いて前記混練物の表面側に刷り込ませて、仕上げ補修を行った。さらに、かかる仕上げ補修後、補修箇所をビニールシートで覆うことによって養生を行った。
上記養生は、次のようにして行った。すなわち、まず、舗装調査・試験法便覧B003に準じて測定したゴルフボールの反発係数(GB係数)と、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて測定した圧縮強度との相関関係を予め調べ、圧縮強度が3.5N/mm2に相当するGB係数を求めた。その結果、GB係数が40%のとき、圧縮強度が3.5N/mm2に相当することがわかった。そして、上記した養生の開始後、舗装調査・試験法便覧B003に準じて、経時的にGB係数を測定し、GB係数が40%に達したとき、圧縮強度が3.5N/mm2に達したと判断して、養生を終了した。
このときの、前記普通ポルトランドセメントと前記細骨材と水との混合から仕上げ補修終了までに要した時間(現場施工時間)と、長期耐久性試験との結果を表1に示す。また、これら結果に加え、養生開始から補修材の上記した圧縮強度が3.5N/mm2に到達するまでの時間(養生時間)と、ベース混練物における上記した60分経過後のモルタルフロー(表1にフローとして表す。)との結果を、表2に示す。
なお、モルタルフローは、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」によって測定した。
また、長期耐久性試験は、ラベリング試験用型枠(厚さ10cm×幅250cm×長辺300cm×短辺170cm)に、上記と同様にベース混練物を投入した後、急結剤を散布し、養生終了後、回転ラベリング試験機(回転スパイクチェーン型)による走行試験を行い、補修材破損までの回転数を測定する方法で行った。また、測定結果が、10000回転以上であった場合を◎、1000回転以上10000回転未満であった場合を○、1000回転未満であった場合を×と評価した。
また、上記細骨材の最大粒径を、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」によって測定したところ、5mmであった。
補修材として、アスファルト常温合材を用いて舗装の補修を行った。
具体的には、上記と同程度の大きさのポットホールに対して、収容袋に収容されたアスファルト常温合材(製品名:タフストック、昭和瀝青工業社製)を、該収容袋から取り出して投入し、投入したアスファルト常温合材に対して上方からスコップで加圧することによって、該アスファルト常温合材を固めた。
このときの、アスファルト常温合材を収容袋から取り出してからスコップで固めるまでに要した時間(現場施工時間)と、養生時間と、長期耐久性試験の結果を表1に示す。
なお、長期耐久性試験は、実施例1と同様にして行った。
補修材として、超速硬系セメント系補修材を用いて舗装の補修を行った。
具体的には、上記と同程度の大きさのポットホールに対して補修を行った。すなわち、超速硬系セメント(製品名:マイルドジェットスーパー、住友大阪セメント社製)と、実施例1で用いたのと同様の細骨材とを重量比1:1で混合し、この混合物に、超速硬セメントに対して40重量%の水を加えてさらに混合し(水セメント比40重量%)、混合後直ちに、混合物(ベース混練物)をポットホールに投入し、コテを用いて表面の仕上げを行った。さらに、かかる仕上げ補修後、補修箇所をビニールシートで覆うことによって養生を行った。
このときの、超速硬系セメントと細骨材と水との混合から仕上げ補修終了までに要した時間(現場施工時間)と、補修材の上記した養生時間と、長期耐久性試験との結果を表1に示す。
なお、長期耐久性試験は、実施例1と同様にして行った。
珪酸ナトリウムの添加量を表2に示すようにすること以外は実施例1と同様にして、補修を行った。そして、実施例1と同様にして、ベース混練物のモルタルフローと、現場施工時間と、養生時間と、長期耐久性試験とを調べた。結果を表2に示す。なお、表2には、実施例1の結果も併せて示す。
表2に示すように、普通ポルトランドセメントに代えて超速硬系セメント(製品名:マイルドジェットスーパー、住友大阪セメント社製)を用い、急結剤としてアルミン酸ナトリウム(商品名P100、浅田化学工業社製)を用い、さらに、該アルミン酸ナトリウムを、表2に示すような添加量で粉体状のまま散布したこと以外は実施例1と同様にして、補修を行った。そして、実施例1と同様にして、ベース混練物のモルタルフローと、前記超速硬系セメントと前記細骨材と水との混合から仕上げ補修終了までに要した時間(現場施工時間)と、補修材の上記した養生時間と、長期耐久性試験とを調べた。結果を表2に示す。
急結剤として、実施例3、4と同様のアルミン酸ナトリウムを用い、表2に示す添加量で粉体状のまま散布したこと以外は実施例1と同様にして、補修を行った。そして、実施例1と同様にして、ベース混練物のモルタルフローと、前記普通ポルトランドセメントと前記細骨材と水との混合から仕上げ補修終了までに要した時間(現場施工時間)と、補修材の上記した養生時間と、長期耐久性試験とを調べた。結果を表2に示す。
急結剤として、水酸化アルミニウムを用い、表2に示す添加量で粉体状のまま散布したこと以外は実施例1と同様にして、補修を行った。そして、前記普通ポルトランドセメントと前記細骨材と水との混合から仕上げ補修終了までに要した時間(現場施工時間)と、補修材の上記した養生時間と、長期耐久性試験を調べた。結果を表2に示す。
Claims (1)
- 舗装の表面側に生じた凹状の損傷箇所に補修材を投入することによって前記損傷箇所を補修する舗装の補修方法であって、
前記補修材として、セメントと骨材と水とを有するセメント組成物と、該セメント組成物を急結させる急結剤とを用い、
前記損傷箇所に前記セメント組成物を投入し、投入されたセメント組成物の上方から前記急結剤をさらに投入し、前記セメント組成物の表面部と前記急結剤とを混合することを特徴とする舗装の補修方法。
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