JP5803197B2 - 金属粉末製造装置および金属粉末製造方法 - Google Patents

金属粉末製造装置および金属粉末製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属粉末製造装置および金属粉末製造方法に関するものである。
従来、金属粉末を製造するには、溶融金属をアトマイズ法により粉末化する金属粉末製造装置(アトマイザー)が用いられている。この金属粉末製造装置として、特許文献1には、溶融金属を保持する容器と、容器から流下させた溶融金属を通過させるオリフィスおよびオリフィスを通過する溶融金属に対して流体ジェットを噴射するスリットを備えたノズルと、を有する装置が開示されている。この装置では、流体ジェットに伴ってオリフィスを高速で通過する気体の作用により、容器から流下させた溶融金属を分裂させ、さらにこれを流体ジェットに衝突させることでより細かくすることにより、微細な金属粉末を製造することができる。
ところが、製造する金属粉末の組成によっては、金属粉末の酸素含有率が高くなり、金属粉末を用いて製造される金属製品の品質低下を招いていた。また、酸素含有率を低くすることができても、金属粉末の粒径が大きくなったり、粒度分布が広くなったりして、微細で粒径の揃った金属粉末を製造することが困難な場合があった。
特許第3858275号公報
本発明の目的は、製造する金属粉末の組成によらず、酸素含有率が低く微細で粒径の揃った高品質の金属粉末を安定して製造可能な金属粉末製造装置および金属粉末製造方法を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の金属粉末製造装置は、溶融金属を貯留する貯留部と、
前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
前記貯留部の上方に設けられ、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、を有し、
前記貯留部に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部の温度を低下させる放熱手段と、前記放熱手段の下方に設けられ、前記溶融金属を加熱する加熱手段と、を有していることを特徴とする。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、酸素含有率が低く微細で粒径の揃った高品質の金属粉末を安定して製造可能な金属粉末製造装置が得られる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記供給部は、溶融金属を貯留する供給部容器と、前記供給部容器の下面から下方に延在するよう設けられ、前記供給部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている供給部筒状部材と、を有し、
前記供給部筒状部材の下端が、前記貯留部に貯留された溶融金属の液面より下方に位置するよう構成されていることが好ましい。
これにより、供給部から供給される溶融金属は、外気にほとんど触れることなく貯留部へと移送されることとなる。その結果、移送に伴う溶融金属の温度低下を最小限に抑えることができ、溶融金属の温度制御をより容易にすることができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記貯留部は、有底筒状をなし、溶融金属を貯留する貯留部容器と、前記貯留部容器の下面から下方に延在するよう設けられ、前記貯留部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている貯留部筒状部材と、を有し、
前記加熱手段は、前記貯留部容器の壁部内に配置された誘導加熱コイルで構成され、前記放熱手段は、誘導加熱コイルを設けない前記壁部で構成されていることが好ましい。
これにより、溶融金属の温度をきめ細かく制御することができるので、短時間で大きく変動する溶融金属の温度を確実に一定に維持することができる。また、放熱手段の構造を簡略化することができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記放熱手段は、前記貯留部に設けられた配管中を流通する冷媒を有するものであることが好ましい。
これにより、溶融金属に取り込まれる酸素量をより低減することができ、特に高品質の金属粉末を安定して製造することができる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記放熱手段は、前記貯留部に貯留された溶融金属の液面に向けてガスを噴射するものであることが好ましい。
これにより、貯留部の絶縁性や熱伝導性を考慮することなく十分な放熱性が発現するため、貯留部の材質の選択において制約がなくなり、機械的特性やコスト等を最優先に材質を選択することが可能になる。
本発明の金属粉末製造装置では、前記加熱手段は、前記貯留部に溶融金属が貯留され始めたときからの経過時間に応じて、その加熱温度を徐々に高めるよう構成されていることが好ましい。
これにより、溶融金属の貯留を開始した直後から溶融金属の温度を一定に維持する制御を簡単に行うことができる。
本発明の金属粉末製造装置では、さらに、前記貯留部に貯留された溶融金属の温度を測定する温度測定部と、
測定された前記溶融金属の温度に基づいて、前記加熱手段による加熱温度を制御する制御部と、を有することが好ましい。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、酸素含有率が低く微細で粒径の揃った高品質の金属粉末を安定してかつ簡単に製造可能な金属粉末製造装置が得られる。
本発明の金属粉末製造装置では、さらに、前記溶融金属の液面の高さを計測する液面計測部と、
計測された前記液面の高さに基づいて、前記供給部による溶融金属の供給量を制御する制御部と、を有することが好ましい。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、酸素含有率が低く微細で粒径の揃った高品質の金属粉末を安定してかつ簡単に製造可能な金属粉末製造装置が得られる。
本発明の金属粉末製造方法は、溶融金属を貯留する貯留部と、
前記貯留部に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部の温度を低下させる放熱手段と、
前記放熱手段の下方に設けられ、前記溶融金属を加熱する加熱手段と、
前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
前記貯留部の上方に設けられ、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
を有する金属粉末製造装置を用い、
前記加熱手段により加熱しつつ前記貯留部に溶融金属を貯留するとともに、前記放熱手段により前記貯留部に貯留されている溶融金属の液面に固化膜を形成し、前記貯留部から溶融金属を流下させ、その後前記体に衝突させることにより、溶融金属を分裂させるとともに固化させて金属粉末を製造することを特徴とする。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、酸素含有率が低く微細で粒径の揃った高品質の金属粉末を安定して製造することができる。
本発明の金属粉末製造方法は、溶融金属を貯留する貯留部と、
前記貯留部に設けられ、前記溶融金属を加熱する加熱手段と、
前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
前記貯留部の上方に設けられ、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
を有する金属粉末製造装置を用い、
前記加熱手段により加熱しつつ前記貯留部に溶融金属を貯留するとともに、前記貯留部に貯留されている溶融金属の液面に金属粉末を撒くことにより前記液面に固化膜を形成し、前記貯留部から溶融金属を流下させ、その後前記体に衝突させることにより、溶融金属を分裂させるとともに固化させて金属粉末を製造することを特徴とする。
これにより、溶融金属に取り込まれる酸素量をより低減することができ、特に高品質の金属粉末を安定して製造することができる。
本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図である。 図1の部分詳細図である。 本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態の一部を模式的に示す縦断面図である。 本発明の金属粉末製造装置の第3実施形態の一部を模式的に示す縦断面図である。 本発明の金属粉末製造装置の第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。
以下、本発明の金属粉末製造装置および金属粉末製造方法について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<金属粉末製造装置>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図、図2は、図1の部分詳細図である。
図1に示す金属粉末製造装置1は、溶融金属90をアトマイズ法により粉末化し、これを固化させて金属粉末を得るのに用いられる装置である。この金属粉末製造装置1は、供給部6と、その下方に設けられた貯留部(タンディシュ)2と、貯留部2の下方に設けられたノズル3と、を有している。また、貯留部2には溶融金属90を加熱する加熱手段8と、溶融金属90の液面部を放熱させる放熱手段5と、が設けられている。
以下、各部の構成について説明する。
(供給部)
図1に示す供給部6は、有底筒状をなす供給部容器61と、この供給部容器61の下面に接続された供給部筒状部材62と、を有している。このうち、供給部容器61内には、製造しようとする金属粉末の原材料を溶融した溶融金属90が一時的に貯留される。また、供給部容器61の底部の中央には、底部を貫通する開口611が設けられている。前述した供給部筒状部材62は、その中空部と前記開口611とが重なるように、前記供給部容器61の下面に接続されている。したがって、供給部容器61内に貯留された溶融金属90は、開口611と供給部筒状部材62とを介して下方に流下し、続いて貯留部2に貯留される。
また、供給部容器61は、図示しない蓋を有していてもよい。蓋を被せることにより、貯留された溶融金属90が大気と接触し難くなるため、溶融金属90の酸化、温度低下等を抑制することができる。
さらに、蓋を被せることにより、供給部容器61内を加圧することもできる。この場合、溶融金属90は自重による流下速度よりも速い速度で吐出されることになるため、加圧力を適宜調整することにより、溶融金属90の単位時間当たりの供給量を制御することができる。
供給部容器61および供給部筒状部材62の構成材料は、溶融金属90との接触で変形、溶融等しない材料であれば、いかなる材料であってもよく、例えば、耐熱鋼のような鉄系材料、タングステン系材料、モリブデン系材料のような各種金属材料、アルミナ、ジルコニアのような各種セラミックス材料、グラファイトのような各種炭素材料等が挙げられ、これらの複合材料であるアルミナ・グラファイト材料等も用いられる。
(貯留部)
図1に示す貯留部(タンディシュ)2は、有底筒状をなす貯留部容器21と、この貯留部容器21の下面に接続された貯留部筒状部材22と、を有している。このうち、貯留部容器21は、供給部6から供給された溶融金属90を受け、これを一時的に貯留する。また、貯留部容器21の底部の中央には、底部を貫通する開口211が設けられている。前述した貯留部筒状部材22は、その中空部と前記開口211とが重なるように、前記貯留部容器21の下面に接続されている。
したがって、貯留部容器21内に貯留された溶融金属90は、開口211と貯留部筒状部材22とを介して、下方に流下する。
貯留部容器21および貯留部筒状部材22の構成材料は、供給部容器61および供給部筒状部材62の構成材料と同様である。
(ノズル)
図1に示すノズル3は、ノズル本体30と、ノズル本体30に設けられ、貯留部2から流下してきた溶融金属90が通過する流路31と、流路31内に向けて流体を噴射するスリット32と、ノズル本体30の下面に設けられたカバー7と、を有している。流体としては、例えば、水が用いられる。
図1に示すノズル本体30は、例えば円柱状をなしており、その軸線と貯留部2から流下する溶融金属90の流下経路とが一致するよう配置されている。
ノズル本体30には、その軸線に沿って貫通するよう形成された流路31と、流路31の下端近傍に開口するよう形成されたスリット32とが設けられている。
流路31は、鉛直方向にノズル本体30を貫通する貫通孔であり、貫通孔の内径は連続的に変化している。具体的には、流路31は、その内径は、流路31の上端部において最も大きく、そこから下方に向かって連続的に減少するよう構成されている。その結果、この領域における流路31の内壁面は、滑らかな曲面になっている。そして、流路31の中間付近において、流路31の内径が最も小さくなっており、そこから下方に向かっては再び連続的に増加している。
また、ノズル本体30に形成されたスリット32には、ノズル本体30内に配された導入路321が接続されている。導入路321は、ノズル3の外部に設けられた流体の供給源(図示せず)とスリット32とを接続するものであり、供給源から供給された流体は、導入路321およびスリット32を介して流路31に向けて噴射される。
なお、導入路321は、その一部の縦断面形状がくさび状をなしている。このような形状であれば、導入路321に導入された流体が、くさび状の部分においてその流速を徐々に高めることができる。このため、くさび状の部分をスリット32の直前に配置することにより、スリット32からは高速の流体を安定して噴射することができる。また、流体は加圧された状態で導入路321に供給されるので、ノズル本体30には十分な耐圧性が求められる。
スリット32は、流路31の内壁面の全周にわたって開口している。このため、このような形状のスリット32から噴射された流体は、図1に示すような円錐状の流体ジェット33を形成する。
このようなノズル本体30の構成材料は、供給部容器61および供給部筒状部材62の構成材料と同様であってもよいが、金属材料が好ましい。これにより、耐熱性と流体に加わる耐圧性とを両立するノズル本体30が得られる。
また、カバー7は、円筒状をなしており、その軸線と流路31の軸線とが一致するように設けられている。ノズル本体30の下方にカバー7を設けることにより、落下する金属粉末の飛散を防止することができ、金属粉末を効率よく回収することができる。
また、カバー7は、ノズル本体30の下面に気密的に接続されているのが好ましい。これにより、カバー7内に外気が流入するのを防止することができる。その結果、溶融金属90が粉末化され、固化して金属粉末が生成される際に、溶融金属90が外気と接触して、金属粉末が酸化、変質してしまうのを防止することができる。
(金属粉末製造方法)
次に、金属粉末製造装置1を用いて金属粉末を製造する方法について説明する。
まず、供給部容器61内に溶融金属90を貯留する。貯留された溶融金属90は、供給部筒状部材62を介して下方の貯留部容器21内に流下する。
貯留部容器21内に流下した溶融金属90は、貯留部容器21内に貯留されるとともに、貯留部筒状部材22を介して下方のノズル3に向かって流下する。
この際、ノズル3のスリット32から高速の流体を噴射し、流体ジェット33を形成する。流体ジェット33が形成されると、それに伴って流路31の上方から下方に向かう空気の流れGが生起される。この空気の流れGにより、流路31内の圧力が低下する。
この状態にある流路31に貯留部筒状部材22から流下した溶融金属90が到達すると、流路31内の圧力低下により溶融金属90が分裂(一次分裂)する。これは、溶融金属90が密集しようとする力よりも、周囲の減圧力が上回ることにより生じるものである。この一次分裂により、溶融金属90は多数の液滴91となる。
なお、この際、貯留部筒状部材22の下端が、流路31の内径が最小になる箇所に位置するよう貯留部筒状部材22が配置されるのが好ましい。このように配置すると、貯留部筒状部材22の下端近傍における圧力が最も低くなるため、一次分裂において溶融金属90を特に細かく分裂させることができる。その結果、最終的に、特に微細な金属粉末を製造することができる。
一次分裂により生じた液滴91は、続いて流体ジェット33に衝突する。流体ジェット33との衝突に伴う衝撃により、液滴91はさらに細かく分裂(二次分裂)する。それとともに、二次分裂した液滴91は、流体ジェット33が有する大きな熱容量により、急速に冷却する。その結果、液滴91の温度は融点を下回り、固化に至る。以上のようにして金属粉末が得られる。
(放熱手段および加熱手段)
また、本実施形態では、供給部6とノズル3との間に貯留部2を有していることから、ノズル3への溶融金属90の供給量を安定化することができる。すなわち、供給部6からノズル3へ直接溶融金属90を供給する場合に比べて、貯留部2に一旦供給し、そこから流下させるよう構成されているため、ノズル3へ供給される溶融金属90の単位時間当たりの供給量を一定に制御し易い。このため、金属粉末の製造条件も一定となり、粒径の揃った高品質の金属粉末を製造することができる。
また、本実施形態では、供給部6とその下方に設けられた貯留部2とを有する構成としたことにより、供給部容器61の容積を大きくしても、金属粉末の品質に影響を及ぼし難いという利点がある。このため、供給部容器61の容積を貯留部容器21の容積よりも十分に大きくする(例えば、10倍以上)ことにより、供給部容器61における溶融金属90の温度低下を抑えることができる。その結果、最終的に得られる金属粉末の品質をより高めることができる。
ところで、金属粉末製造装置1では、上述したように、貯留部2において溶融金属90を一旦貯留し、ここで単位時間当たりの供給量を一定化するための緩衝機能が発揮されている。このため、この緩衝機能を確実にするためには、貯留部2において一定量の溶融金属90を貯留しておく必要がある。
しかしながら、従来の金属粉末製造装置では、溶融金属を一旦貯留することによってノズルに供給される溶融金属の単位時間当たりの供給量は一定になるものの、最終的に得られる金属粉末の酸素含有率が著しく高くなるという課題があった。このため、金属粉末の焼結性や磁気特性等が低下してしまい、金属粉末を用いて製造される各種金属製品の機械的特性や電磁気的特性を十分に高めることができなかった。特に、アルミニウムやチタンのような酸化し易い元素を含む場合、その傾向が顕著であった。
そこで、本発明では、金属粉末製造装置1の貯留部2に、溶融金属90の液面部の温度を部分的に低下させる放熱手段5を設けるとともに、放熱手段5の下方に、溶融金属90を加熱する加熱手段8を設けることとした。これにより、金属粉末製造装置1では、溶融金属90の液面が部分的に固化し、固化膜が形成される一方、固化膜より下方では、溶融金属90が溶融状態を確実に維持されるよう加熱されることになる。その結果、溶融金属90は、固化膜によって大気との接触が阻害されることとなり、溶融金属90中に酸素が取り込まれることが防止される。そして、最終的に得られる金属粉末において酸素含有率の上昇を防止することができる。
以下、加熱手段8および放熱手段5について順次説明する。
加熱手段8としては、例えば、誘導加熱、抵抗加熱、マイクロ波加熱等の各種加熱原理を利用したものが挙げられ、特に限定されるものではないが、ここでは誘導加熱を利用した場合について説明する。誘導加熱による加熱は、溶融金属90を直接発熱させることができるので加熱効率が高いのに加え、溶融金属90の温度をきめ細かく制御することができるので、短時間で大きく変動する溶融金属90の温度を一定に維持する上で有効である。
金属粉末製造装置1は、貯留部容器21の壁部内に内蔵された誘導加熱コイル81と、誘導加熱コイル81と電気的に接続された制御部82と、を備えた加熱手段8を有している。制御部82から誘導加熱コイル81に電圧を印加することで、貯留部容器21および溶融金属90が加熱され、貯留部2において貯留される溶融金属90の条件を、アトマイズ法に適した条件に維持することができる。その結果、溶融金属90が一次分裂および二次分裂する際に、経時的な条件のバラツキが抑えられるため、均一な条件で分裂させることができ、粒径の揃った金属粉末を製造することができる。
ここで、加熱手段8の各部の構成について詳述する。
図1、2に示す誘導加熱コイル81は、貯留部容器21の壁部内に内蔵されている。壁部内に設けられることにより、誘導加熱コイル81と溶融金属90とが接触するのを防止して、溶融金属90の汚染を防止するとともに、誘導加熱コイル81の劣化を防止することができる。
誘導加熱コイル81の構成材料は、導電性材料であれば特に限定されないが、例えば、銅、アルミニウム、真鍮等が挙げられる。また、誘導加熱コイル81は、上記材料で構成された管体をコイル状に成形したものが一般的に用いられ、管体内には冷却用の水が通される。
誘導加熱コイル81には、制御部82が電気的に接続されている。制御部82は、誘導加熱コイル81に電圧を印加する電源と、この電源の動作を制御する制御回路と、を含んでいる。電源としては、一般に高周波電源が用いられ、誘導加熱コイル81に対して周波数1kHz以上500kHz以下程度の交流電圧が印加される。
また、制御回路は、あらかじめ設定されたプログラムあるいは入力された情報等に基づいて、電源の動作を制御する。これにより、溶融金属90の温度を所定の範囲に制御する。具体的なプログラムの例として、貯留部容器21に溶融金属90が貯留され始めたときからの経過時間に応じて、誘導加熱コイル81による加熱温度を徐々に高めるプログラムが挙げられる。このようなプログラムを設定しておくことにより、溶融金属90の貯留を開始した直後から溶融金属90の温度を一定に維持する制御を簡単に行うことができる。
加熱手段8による加熱温度(加熱中心における溶融金属90の温度)は、溶融金属90の量や組成等に応じて適宜設定される。具体的には、溶融金属90の組成の融点をTm[℃]としたとき、加熱温度がTm+50[℃]以上であるのが好ましく、Tm+100[℃]以上Tm+300[℃]以下であるのがより好ましく、Tm+150[℃]以上Tm+250[℃]以下であるのがさらに好ましい。溶融金属90の加熱温度を前記範囲内に設定することにより、溶融金属90の流動性が均一になるとともに一次分裂や二次分裂において溶融金属90は最適なものになる。このため、溶融金属90の加熱温度を前記範囲内に設定することにより、微細でかつ粒径の揃った金属粉末を確実に製造することができる。
また、溶融金属90の温度を一定に維持する際には、維持している最中の温度幅が30℃以下になるよう制御するのが好ましく、20℃以下になるよう制御するのがより好ましい。
なお、貯留している溶融金属90の温度を測定することはできるものの、高温の溶融金属90の温度を測定するという過酷な環境であるがゆえ、隔壁を介して測定したり、あるいは、赤外線センサーを用いて測定する必要がある。このため、温度をリアルタイムにかつ継続的に測定したり、あるいは、液面下の温度を測定することができないので、この点からも加熱手段8による加熱動作をあらかじめ設定しておいたプログラムに基づいて行うことが有用である。特に、図1に示す金属粉末製造装置1の貯留部2では、溶融金属90を下方に流下させる一方、上方から新たな溶融金属90が供給されるため、溶融金属90の温度は短時間で大きく変動することになる。このため、上記のようなプログラムの設定が有効なのである。
また、誘導加熱コイル81の設置位置は、放熱手段5より下方であれば、貯留部容器21の壁部の全体であってもよいが、壁部のうち放熱手段5の直下の一部分のみであってもよい。前者の場合、貯留中の溶融金属90全体をムラなく加熱することができ、後者の場合、温度低下し易い放熱手段5の直下のみを加熱することで、溶融金属90の温度低下を効率よく防ぐ点で有用である。しかも、図1に示す貯留部容器21には、その上方に位置する供給部6から溶融金属90が供給されてくるので、貯留中の溶融金属90には、貯留部容器21の中央部において下方に向かう流れが生じる。そして、この溶融金属90の流れの一部は、貯留部容器21の底部に当たり、壁部側に向かうこととなる。後者の場合、溶融金属90の液面部のみが加熱されているため、下方に向かう溶融金属90も周囲に比べてやや温度の高いものになる。このため、壁部側に向かった後、壁部に沿って再び上方に向かう流れが生起される。その結果、後者の場合、貯留中の溶融金属90に対流が生起されることとなり、溶融金属90全体の温度が均一になり易いという効果も得られる。
なお、溶融金属90の液面部とは、以下のように定義される。貯留部容器21の形状により若干異なるものの、溶融金属90の液面から貯留部容器21の底面までの深さをD1としたとき、溶融金属90の液面から0.4D1以下の深さの領域が液面部とされる。したがって、この領域よりも下方に加熱手段8を設けることで、前述した本発明の効果を享受することができる。
また、放熱手段5の直下の一部分のみに誘導加熱コイル81を設置する場合、その設定の範囲、すなわち誘導加熱コイル81の上端から下端までの距離D4は、0.05D1以上0.5D1以下であるのが好ましく、0.1D1以上0.3D1以下であるのがより好ましい。D4を上記のような範囲に設定することで、前述したような効果がより顕著に発揮される。その結果、粒径の揃った高品質な金属粉末をより確実に製造することができる。
一方、放熱手段5としては、例えば、溶融金属90の液面部の温度を部分的に低下させ得るものであれば、特に限定されないが、本実施形態では、貯留部容器21の壁部のうち、誘導加熱コイルのような加熱手段を設けない部分で放熱手段5が構成されている。このような放熱手段5であれば、壁部を介してあるいは大気との接触により溶融金属90の液面部が放熱されることとなり、溶融金属90の温度が融点を下回ることによって固化膜92が形成される。また、上記のような構造であれば、放熱手段5の構造を簡略化することができる。
なお、壁部を介する放熱の効率を高める観点、あるいは誘導加熱コイル81により壁部が加熱され、それにより溶融金属90を間接的に加熱する場合の効率を高める観点から、貯留部容器21の構成材料には比較的熱伝導性の高いものが好ましく用いられる。前述した構成材料の中でも、炭素材料を含むものが好ましく、誘導加熱コイル81に対する絶縁性との兼ね合いからセラミックスと炭素との複合材料がより好ましく用いられる。このような複合材料としては、例えば、アルミナ・グラファイト材料等が挙げられる。
ここで、溶融金属90の液面から放熱手段5の下端までの距離(加熱手段8の上端までの距離)をD2としたとき、D2は、0.01D1以上0.3D1以下であるのが好ましく、0.02D1以上0.2D1以下であるのがより好ましい。D2を上記のような範囲に設定することで、溶融金属90中に酸素が取り込まれるのを確実に防止し得る程度の厚さの固化膜92が形成される。その結果、製造される金属粉末における酸素含有率の上昇を確実に抑制することができる。また、酸化し易く、金属酸化物を生成し易い元素を含む溶融金属90についても、酸素含有率の低い高品質な金属粉末を製造することができる。
また、放熱手段5を設けることにより溶融金属90の液面には固化膜92が形成されるが、形成される固化膜92の厚さは、好ましくは1μm以上500μm以下程度とされ、より好ましくは20μm以上300μm以下程度とされる。固化膜92の厚さが前記範囲内であれば、酸素の取り込みを確実に防止しつつ、溶融金属90が無駄になる量を最小限に抑えることができる。なお、固化膜92の厚さは、D2により調整することが可能であり、例えばD2を大きくすることによって厚くすることができる。
また、供給部筒状部材62の下端は、貯留部容器21に貯留された溶融金属90の液面より上方に位置していてもよいが、好ましくは液面より下方に位置しているのが好ましい。供給部筒状部材62の位置をこのように設定することで、供給部6から供給される溶融金属90は、外気にほとんど触れることなく貯留部容器21へと移送されることとなる。その結果、移送に伴う溶融金属90の温度低下を最小限に抑えることができ、溶融金属90の温度制御をより容易にすることができる。
この場合、溶融金属90の液面から供給部筒状部材62の下端までの距離をD3としたとき、D3は、D2より大きくてもよいが、0.01D2以上0.8D2以下であるのが好ましく、0.05D2以上0.6D2以下であるのがより好ましい。D3を前記範囲内に設定することにより、溶融金属90の温度をより均一かつ一定に維持することができる。
さらに、D3は、固化膜92の厚さより大きいことが好ましい。これにより、供給部筒状部材62の下端は、固化膜92を突き抜けるようにして固化膜92の下方に延伸することになるので、供給部筒状部材62を介して溶融金属90が供給されたとき、溶融金属90の流れに固化膜92が巻き込まれるのを防止することができる。その結果、金属粉末の品質が低下するのを防止することができる。
なお、金属粉末を製造する際には、供給部6から貯留部2へと供給される溶融金属90の供給量を適宜調整することにより、貯留部容器21に貯留された溶融金属90の液面の高さが一定になるように制御するのが好ましい。これにより、溶融金属90の温度をより厳密に制御することができる。溶融金属90の供給量を調整するには、例えば供給部筒状部材62の途中に開閉弁等を設け、これを開閉すればよい。この際、液面の高さの上下幅は50mm以下であるのが好ましく、30mm以下であるのがより好ましい。
以上、放熱手段5および加熱手段8について説明したが、これらの構成は上記のものに限定されない。例えば、誘導加熱コイル81は、貯留部容器21の壁部内に内蔵されていなくてもよく、壁部の外側に設けられていてもよい。
また、供給部6は、溶融金属90を貯留部2に対して供給し得るものであれば、その他のもの(例えば、溶融炉等)で代替することもできる。
また、加熱手段8において誘導加熱コイルの出力調整は、あらかじめ入力されたプログラムに基づいてなされる場合のみでなく、人為的に調整されるよう構成されていてもよい。
なお、固化膜92の形成は、上述したような放熱手段5を用いる方法以外にも、貯留部容器21に貯留された溶融金属90の液面に金属粉末を撒く方法によっても行うことができる。金属粉末を撒くことにより、溶融金属90の上面に金属粉末からなる被膜および金属粉末により溶融金属90の熱が奪われて固化してなる固化膜が形成される。このため、固化膜が増強されるとともに、速やかに固化膜が形成されることとなり、溶融金属90中に取り込まれる酸素量がより低減される。
金属粉末の組成としては、特に限定されず、Fe系粉末、Ni系粉末等が挙げられるが、好ましくは溶融金属90と同じ組成が挙げられる。溶融金属90と同じ組成の金属粉末を撒くことにより、仮に金属粉末が溶融金属90中に取り込まれたとしても、それによって溶融金属90の組成が変動するおそれがない。このため、最終的に得られる金属粉末についても、目的とする組成のものが得られることとなる。
用いられる金属粉末の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上30μm以下程度であるのが好ましく、1μm以上20μm以下程度であるのがより好ましい。金属粉末の平均粒径を前記範囲内にすることにより、金属粉末を液面上に浮かせることができ、固化膜92が確実に形成される。また、固化膜92が緻密なものとなり、溶融金属90に取り込まれる酸素量を十分に低減することができる。
なお、このような金属粉末を撒く方法を用いる場合、金属粉末製造装置1において放熱手段5を省略してもよい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態の一部を模式的に示す縦断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態は、放熱手段の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、放熱手段5が、貯留部容器21の壁部内に内蔵された冷却水回路51と、この冷却水回路51に冷却水を供給する供給源(図示せず)と、を有している。冷却水回路51には、供給源から絶えず冷却水が送られ、流通している。このため、壁部のうち、冷却水回路51の周囲は、冷却水によって効率的に冷却され、それに伴って溶融金属90の液面部が間接的に冷却される。その結果、固化膜92を短時間で効率よく形成することができ、溶融金属90に取り込まれる酸素量をより低減することができる。
冷却水回路51は、貯留部容器21の壁部内に形成した管状の孔、または、貯留部容器21の壁部内または壁部外に敷設された熱伝導性の高い材料からなる管体等で構成される。熱伝導性の高い材料としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼のような金属材料等が挙げられる。
また、冷却水回路51は、貯留部容器21の壁部に沿って螺旋状に成形されるのが好ましい。なお、冷却水は、他の冷媒(各種液体および各種気体)で代替することもできる。
冷却水の流通量は、貯留部容器21の大きさに応じて異なるが、一例として、1L/min以上100L/min以下程度であるのが好ましく、3L/min以上50L/min以下程度であるのがより好ましい。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の金属粉末製造装置の第3実施形態について説明する。
図4は、本発明の金属粉末製造装置の第3実施形態の一部を模式的に示す縦断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態に係る放熱手段5は、第1実施形態に係る構成に加え、貯留部容器21に貯留された溶融金属の液面に向けてガスを噴射する送気部52を有している以外、第1実施形態と同様である。
図4に示す送気部52は、壁部の上方に載置されている。送気部52から液面に向けてガスが噴射されると、液面の熱が効率よく奪われるため、液面部の温度が急速に低下する。その結果、溶融金属90の液面に固化膜92を効率よく形成することができる。
送気部52から噴射されるガスは、空気であってもよいが、窒素ガスやアルゴンガスのような不活性ガスであるのが好ましい。不活性ガスであれば、溶融金属90中に取り込まれる酸素量を低減することができるので、金属粉末中の酸素含有率をより低下させることができる。
送気部52は、いかなる構成のものでもよいが、好ましくは貯留部容器21の壁部に沿って敷設された送気管521に、複数の送気口522が均等に配置された構成とされる。
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。また、第3実施形態に係る放熱手段5では、貯留部容器21の壁部の絶縁性や熱伝導性を考慮することなく十分な放熱性が発現するため、壁部の材質の選択において制約がなくなり、機械的特性やコスト等を最優先に材質を選択することが可能になる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の金属粉末製造装置の第4実施形態について説明する。
図5は、本発明の金属粉末製造装置の第4実施形態を模式的に示す縦断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態は、加熱手段の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、加熱手段8が、誘導加熱コイル81、制御部82の他に、貯留部容器21内に貯留された溶融金属90の温度を測定する第1の温度センサー(温度測定部)83と、貯留部容器21内に貯留された溶融金属90の液面の高さを検出する液面モニター84、供給部容器61内に貯留された溶融金属90の温度を測定する第2の温度センサー(温度測定部)85と、供給部筒状部材62を通過する溶融金属90の単位時間当たりの通過量を調整する開閉弁86と、を有している。第1の温度センサー83、液面モニター(液面計測部)84および第2の温度センサー85は、それぞれ制御部82と電気的に接続されており、測定結果および検出結果を制御部82に送るよう構成されている。また、開閉弁86も制御部82と電気的に接続されており、制御部82によってその開閉動作が制御されるよう構成されている。なお、制御部82では、測定結果および検出結果に基づいて、誘導加熱コイル81に印加する出力や開閉弁86の開閉量を調整することにより、溶融金属90の温度、液面の高さ等の条件を一定に維持する制御が、より容易かつ確実に行える。また、場合によっては、溶融金属90の組成、気温、貯留部容器21および供給部容器61の容量等の条件をあらかじめ制御部82に入力しておくことにより、さらに厳密な制御が可能になる。
このように本実施形態によれば、制御部82によって溶融金属90の状態を一元的に管理し、それに基づいて加熱量等を自動的に制御するため、溶融金属90の組成によらず、高品質の金属粉末を確実に製造することができる。すなわち、本実施形態に係る制御部82は、フィードバック制御を行うよう構成されている。
なお、この場合、第1の温度センサー83や第2の温度センサー85による測定値は、実際の温度変化に対してタイムラグがあるため、あらかじめ入力した経験値等に基づき、タイムラグを補正するようにするのが好ましい。
また、本実施形態では、誘導加熱コイル81が複数の部分に分かれており、各部分に対して独立に電圧を印加し得るよう構成されている。これにより、部分ごとに異なる電圧を印加することができ、それにより溶融金属90の加熱量を液面からの深さごとに異ならせることができる。その結果、溶融金属90の温度をより均一に維持することができる。
以上、本発明の金属粉末製造装置および金属粉末製造方法を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、例えば、金属粉末製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
1.金属粉末の製造
(実施例1)
まず、ステンレス鋼SUS316L(融点Tm:1450℃)を高周波誘導炉で溶融して溶融金属を得た。
次いで、得られた溶融金属を図1に示す金属粉末製造装置の供給部容器内に移した。そして、溶融金属を貯留部およびノズルへと流下させるとともに、ノズルのスリットから水ジェットを噴射することにより、溶融金属を粉末化した。これにより、金属粉末を得た。
なお、金属粉末製造装置の各部の構成は以下の通りである。
・供給部容器の材質 :アルミナ・グラファイト複合材料
・貯留部容器の材質 :アルミナ・グラファイト複合材料
・供給部筒状部材の内径 :5mm
・貯留部筒状部材の内径 :5mm
・貯留部容器における溶融金属の液面から底面までの深さD1 :300mm
・貯留部容器における溶融金属の液面から放熱手段の下端までの距離D2:50mm
・溶融金属の液面から供給部筒状部材の下端までの距離D3 :40mm
また、金属粉末製造装置における溶融金属の温度は以下の通りである。
・供給部容器に貯留された溶融金属の初期温度 :1720℃
・貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度 :1650℃
なお、貯留部容器に貯留された溶融金属の液面には、平均厚さ120μmの固化膜が形成された。
また、金属粉末の製造中は、貯留部容器における溶融金属の液面の高さが一定になるよう、供給部から供給される溶融金属の供給量を適宜調整するようにした。この調整時の液面の高さの上下幅は30mmに収まっていることが確認された。
なお、加熱手段では、貯留部容器に貯留した溶融金属の温度が1分あたり1.5℃低下することを事前に測定しておいたので、この低下率を踏まえ、この温度低下を打ち消すように、溶融金属の貯留開始後からの経過時間に応じて徐々に加熱温度を高めるよう、あらかじめプログラムを入力しておいた。その結果、溶融金属の温度は金属粉末の製造開始時から終了時まで前記温度でほぼ一定に維持することができた(温度幅:約10℃)。
(実施例2)
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を1575℃に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例3)
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を1720℃に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例4)
D2を10mmに変更するとともに貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を表1に示す温度にした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例5)
D2を80mmに変更するとともに貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を表1に示す温度にした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例6)
図1に示す金属粉末製造装置において誘導加熱コイルを貯留部容器のうち、放熱手段を設けた部分以外の全体にわたって敷設するよう変更した装置を用いるとともに、貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を表1に示す温度にした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例7)
D3を30mmに変更するとともに貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を表1に示す温度にした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例8)
D3を0mmに変更するとともに貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を表1に示す温度にした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例9)
放熱手段の構成を図3に示す構成に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、冷却水は、5L/minで循環させるようにした。また得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例10)
放熱手段の構成を図4に示す構成に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、冷却ガスとしては空気(20℃)を用い、ガスの圧力は0.3MPaとした。また、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例11)
金属粉末の製造開始時に、貯留部容器に貯留された溶融金属の液面に、平均粒径5μmのステンレス鋼(SUS316L)粉末を撒き、表面に被膜(固化膜)を形成するようにした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例12)
図5に示す金属粉末製造装置を用いるとともに貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
ここで、加熱手段では、以下のように制御を行った。なお、第1の温度センサーおよび第2の温度センサーは、それぞれ容器の底部付近に取り付けた。
まず、液面モニターにより貯留部容器に貯留された溶融金属の液面の高さを検出し、この高さが一定の高さになるよう、供給部筒状部材に取り付けた開閉弁の開閉量を制御した。これにより、液面の高さを一定に維持することができた。
また、第1の温度センサーによる測定値、第2の温度センサーによる測定値、および加熱温度に基づいて、誘導加熱コイルに印加する出力を制御した。具体的には、第1の温度センサーによる測定値と加熱温度との差を求め、これが0に近づくように誘導加熱コイルに印加する出力を制御した。なお、出力を求める演算においては、第2の温度センサーによる測定値を用い、この測定値が加熱温度を上回っている場合は、その分の熱量を出力に換算し、その出力分を減少させ、加熱温度を下回っている場合は、その分の熱量を出力に換算し、その出力分を高めるよう、演算結果を補正する制御を行った。
(実施例13)
ステンレス鋼に代えてアルミニウム(融点Tm:660℃)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
ここで、金属粉末製造装置における溶融金属の温度は以下の通りである。
・供給部容器に貯留された溶融金属の初期温度 :950℃
・貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度 :900℃
また、加熱手段では、貯留部容器に貯留した溶融金属の温度が1分あたり2℃低下することを事前に測定しておいたので、この低下率を踏まえ、この温度低下を打ち消すように、溶融金属の貯留開始後からの経過時間に応じて徐々に加熱温度を高めるよう、あらかじめプログラムを入力しておいた。その結果、溶融金属の温度は金属粉末の製造開始時から終了時まで前記温度でほぼ一定に維持することができた(温度幅:約10℃)。
(実施例14)
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を800℃に変更した以外は、実施例13と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(実施例15)
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を950℃に変更した以外は、実施例13と同様にして金属粉末を得た。なお、得られた固化膜の厚さを表1に示す。
(比較例1)
放熱手段および加熱手段の設置を省略した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
(比較例2)
ステンレス鋼に代えてアルミニウム(融点Tm:660℃)を用いるようにした以外は、比較例1と同様にして金属粉末を得た。
なお、金属粉末製造装置における溶融金属の温度は以下の通りである。
・供給部容器に貯留された溶融金属の初期温度 :950℃
2.金属粉末の評価
2.1.酸素含有率の評価
各実施例および各比較例で得られた金属粉末について、その酸素含有量を酸素窒素同時分析装置(LECO社製、TC−136)により測定した。測定結果を表1に示す。
2.2.粒径の評価
各実施例および各比較例で得られた金属粉末について、レーザー回折式粒度分布測定装置により平均粒径および標準偏差を測定した。なお、平均粒径は、体積基準で累積量が50%になるときの粒子径(μm)である。また、標準偏差は、次式で定義され、粒度分布の幅の目安となるものである。
(標準偏差)=(d84%−d16%)/2
ただし、d84%は、体積基準で累積量が84%になるときの粒子径(μm)であり、d16%は、体積基準で累積量が16%になるときの粒子径(μm)である。
これらの結果を表1に示す。なお、実施例1〜12で得られた金属粉末の標準偏差については、比較例1で得られた金属粉末の標準偏差を1としたときの相対値で示し、実施例13〜15で得られた金属粉末の標準偏差については、比較例2で得られた金属粉末の標準偏差を1としたときの相対値で示した。
Figure 0005803197
表1に示すように、各実施例で得られた金属粉末は、酸素含有率が低いことが明らかとなった。また、各実施例で得られた金属粉末は、各比較例で得られた金属粉末に比べて粒径が小さく、粒径の揃った粉末であることが明らかとなった。
特に、実施例1、7、9、10、12、13で得られた金属粉末では、このような傾向が顕著であった。
1……金属粉末製造装置 2……貯留部 21……貯留部容器 211……開口 22……貯留部筒状部材 3……ノズル 30……ノズル本体 31……流路 32……スリット 321……導入路 33……流体ジェット 5……放熱手段 51……冷却水回路 52……送気部 521……送気管 522……送気口 6……供給部 61……供給部容器 611……開口 62……供給部筒状部材 7……カバー 8……加熱手段 81……誘導加熱コイル 82……制御部 83……第1の温度センサー 84……液面モニター 85……第2の温度センサー 86……開閉弁 90……溶融金属 91……液滴 92……固化膜 G……空気の流れ

Claims (10)

  1. 溶融金属を貯留する貯留部と、
    前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
    前記貯留部の上方に設けられ、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、を有し、
    前記貯留部に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部の温度を低下させる放熱手段と、前記放熱手段の下方に設けられ、前記溶融金属を加熱する加熱手段と、を有していることを特徴とする金属粉末製造装置。
  2. 前記供給部は、溶融金属を貯留する供給部容器と、前記供給部容器の下面から下方に延在するよう設けられ、前記供給部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている供給部筒状部材と、を有し、
    前記供給部筒状部材の下端が、前記貯留部に貯留された溶融金属の液面より下方に位置するよう構成されている請求項1に記載の金属粉末製造装置。
  3. 前記貯留部は、有底筒状をなし、溶融金属を貯留する貯留部容器と、前記貯留部容器の下面から下方に延在するよう設けられ、前記貯留部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている貯留部筒状部材と、を有し、
    前記加熱手段は、前記貯留部容器の壁部内に配置された誘導加熱コイルで構成され、前記放熱手段は、誘導加熱コイルを設けない前記壁部で構成されている請求項1または2に記載の金属粉末製造装置。
  4. 前記放熱手段は、前記貯留部に設けられた配管中を流通する冷媒を有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
  5. 前記放熱手段は、前記貯留部に貯留された溶融金属の液面に向けてガスを噴射するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
  6. 前記加熱手段は、前記貯留部に溶融金属が貯留され始めたときからの経過時間に応じて、その加熱温度を徐々に高めるよう構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
  7. さらに、前記貯留部に貯留された溶融金属の温度を測定する温度測定部と、
    測定された前記溶融金属の温度に基づいて、前記加熱手段による加熱温度を制御する制御部と、を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
  8. さらに、前記溶融金属の液面の高さを計測する液面計測部と、
    計測された前記液面の高さに基づいて、前記供給部による溶融金属の供給量を制御する制御部と、を有する請求項1ないし7のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
  9. 溶融金属を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部の温度を低下させる放熱手段と、
    前記放熱手段の下方に設けられ、前記溶融金属を加熱する加熱手段と、
    前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
    前記貯留部の上方に設けられ、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
    を有する金属粉末製造装置を用い、
    前記加熱手段により加熱しつつ前記貯留部に溶融金属を貯留するとともに、前記放熱手段により前記貯留部に貯留されている溶融金属の液面に固化膜を形成し、前記貯留部から溶融金属を流下させ、その後前記体に衝突させることにより、溶融金属を分裂させるとともに固化させて金属粉末を製造することを特徴とする金属粉末製造方法。
  10. 溶融金属を貯留する貯留部と、
    前記貯留部に設けられ、前記溶融金属を加熱する加熱手段と、
    前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
    前記貯留部の上方に設けられ、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
    を有する金属粉末製造装置を用い、
    前記加熱手段により加熱しつつ前記貯留部に溶融金属を貯留するとともに、前記貯留部に貯留されている溶融金属の液面に金属粉末を撒くことにより前記液面に固化膜を形成し、前記貯留部から溶融金属を流下させ、その後前記体に衝突させることにより、溶融金属を分裂させるとともに固化させて金属粉末を製造することを特徴とする金属粉末製造方法。
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