JP5803196B2 - 金属粉末製造装置および金属粉末製造方法 - Google Patents
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Description
ところが、製造する金属粉末の組成によっては、金属粉末の粒径が大きくなったり、金属粉末の粒度分布が広くなったりして、微細で粒径の揃った金属粉末を製造することが困難な場合があった。
本発明の金属粉末製造装置は、溶融金属を貯留する貯留部容器を備える貯留部と、
前記貯留部容器に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部を加熱する加熱手段と、
前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
前記貯留部の上方に設けられ、溶融金属を貯留する供給部容器と、前記供給部容器の下面から下方に延在するよう設けられ前記供給部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている供給部筒状部材と、を備え、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
を有し、
前記供給部筒状部材は、その下端が、前記貯留部容器に貯留された溶融金属の液面より下方に位置するよう構成されており、
前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記加熱手段の下端までの距離をD2とし、前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記供給部筒状部材の下端までの距離をD3としたとき、距離D3は0.01D2以上0.8D2以下であることを特徴とする。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、高品質の金属粉末を安定して製造可能な金属粉末製造装置が得られる。
また、これにより、供給部から供給される溶融金属は、外気にほとんど触れることなく貯留部へと移送されることとなる。その結果、移送に伴う溶融金属の温度低下を最小限に抑えることができ、溶融金属の温度制御をより容易にすることができる。
前記距離D2は、0.3D1以下であることが好ましい。
前記加熱手段は、前記貯留部容器の壁部内に配置された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに電圧を印加する電源と、を有していることが好ましい。
これにより、溶融金属の温度をきめ細かく制御することができるので、短時間で大きく変動する溶融金属の温度を確実に一定に維持することができる。
これにより、溶融金属の貯留を開始した直後から溶融金属の温度を一定に維持する制御を簡単に行うことができる。
測定された前記溶融金属の温度に基づいて、前記加熱手段による加熱温度を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、高品質の金属粉末を安定してかつ簡単に製造可能な金属粉末製造装置が得られる。
計測された前記液面の高さに基づいて、前記供給部による溶融金属の供給量を制御する制御部と、を備えることが好ましい。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、高品質の金属粉末を安定してかつ簡単に製造可能な金属粉末製造装置が得られる。
これにより、溶融金属の流動性が均一になるとともに一次分裂や二次分裂において溶融金属は最適なものとなる。その結果、微細でかつ粒径の揃った金属粉末を確実に製造することができる。
前記貯留部容器に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部を加熱する加熱手段と、
前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した前記溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
前記貯留部の上方に設けられ、溶融金属を貯留する供給部容器と、前記供給部容器の下面から下方に延在するよう設けられ前記供給部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている供給部筒状部材と、を備え、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
を有し、
前記供給部筒状部材は、その下端が、前記貯留部容器に貯留された溶融金属の液面より下方に位置するよう構成されており、
前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記加熱手段の下端までの距離をD2とし、前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記供給部筒状部材の下端までの距離をD3としたとき、距離D3が0.01D2以上0.8D2以下である金属粉末製造装置を用い、
前記貯留部から前記流路を通過するように前記溶融金属を流下させ、前記流体に衝突させることにより、前記溶融金属を微細化するとともに固化させて金属粉末を製造することを特徴とする。
これにより、製造する金属粉末の組成によらず、高品質の金属粉末を安定して製造することができる。
<金属粉末製造装置>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の金属粉末製造装置の第1実施形態を模式的に示す縦断面図、図2は、図1の部分詳細図である。
(供給部)
図1に示す供給部6は、有底筒状をなす供給部容器61と、この供給部容器61の下面に接続された供給部筒状部材62と、を有している。このうち、供給部容器61内には、製造しようとする金属粉末の原材料を溶融した溶融金属90が一時的に貯留される。また、供給部容器61の底部の中央には、底部を貫通する開口611が設けられている。前述した供給部筒状部材62は、その中空部と前記開口611とが重なるように、前記供給部容器61の下面に接続されている。したがって、供給部容器61内に貯留された溶融金属90は、開口611と供給部筒状部材62とを介して下方に流下し、続いて貯留部2に貯留される。
さらに、蓋を被せることにより、供給部容器61内を加圧することもできる。この場合、溶融金属90は自重による流下速度よりも速い速度で吐出されることになるため、加圧力を適宜調整することにより、溶融金属90の単位時間当たりの供給量を制御することができる。
図1に示す貯留部(タンディシュ)2は、有底筒状をなす貯留部容器21と、この貯留部容器21の下面に接続された貯留部筒状部材22と、を有している。このうち、貯留部容器21は、供給部6から供給された溶融金属90を受け、これを一時的に貯留する。また、貯留部容器21の底部の中央には、底部を貫通する開口211が設けられている。前述した貯留部筒状部材22は、その中空部と前記開口211とが重なるように、前記貯留部容器21の下面に接続されている。
したがって、貯留部容器21内に貯留された溶融金属90は、開口211と貯留部筒状部材22とを介して、下方に流下する。
貯留部容器21および貯留部筒状部材22の構成材料は、供給部容器61および供給部筒状部材62の構成材料と同様である。
図1に示すノズル3は、ノズル本体30と、ノズル本体30に設けられ、貯留部2から流下してきた溶融金属90が通過する流路31と、流路31内に向けて流体を噴射するスリット32と、ノズル本体30の下面に設けられたカバー7と、を有している。流体としては、例えば、水が用いられる。
ノズル本体30には、その軸線に沿って貫通するよう形成された流路31と、流路31の下端近傍に開口するよう形成されたスリット32とが設けられている。
流路31は、鉛直方向にノズル本体30を貫通する貫通孔であり、貫通孔の内径は連続的に変化している。具体的には、流路31は、その内径が、流路31の上端部において最も大きく、そこから下方に向かって連続的に減少するよう構成されている。その結果、この領域における流路31の内壁面は、滑らかな曲面になっている。そして、流路31の中間付近において、流路31の内径が最も小さくなっており、そこから下方に向かっては再び連続的に増加している。
なお、導入路321は、その一部の縦断面形状がくさび状をなしている。このような形状であれば、導入路321に導入された流体が、くさび状の部分においてその流速を徐々に高めることができる。このため、くさび状の部分をスリット32の直前に配置することにより、スリット32からは高速の流体を安定して噴射することができる。また、流体は加圧された状態で導入路321に供給されるので、ノズル本体30には十分な耐圧性が求められる。
このようなノズル本体30の構成材料は、供給部容器61および供給部筒状部材62の構成材料と同様であってもよいが、金属材料が好ましい。これにより、耐熱性と流体に加わる耐圧性とを両立するノズル本体30が得られる。
また、カバー7は、ノズル本体30の下面に気密的に接続されているのが好ましい。これにより、カバー7内に外気が流入するのを防止することができる。その結果、溶融金属90が粉末化され、固化して金属粉末が生成される際に、溶融金属90が外気と接触して、金属粉末が酸化、変質してしまうのを防止することができる。
次に、金属粉末製造装置1を用いて金属粉末を製造する方法(本発明の金属粉末製造方法)について説明する。
まず、供給部容器61内に溶融金属90を貯留する。貯留された溶融金属90は、供給部筒状部材62を介して下方の貯留部容器21内に流下する。
この際、ノズル3のスリット32から高速の流体を噴射し、流体ジェット33を形成する。流体ジェット33が形成されると、それに伴って流路31の上方から下方に向かう空気の流れGが生起される。この空気の流れGにより、流路31内の圧力が低下する。
この状態にある流路31に貯留部筒状部材22から流下した溶融金属90が到達すると、流路31内の圧力低下により溶融金属90が分裂(一次分裂)する。これは、溶融金属90が密集しようとする力よりも、周囲の減圧力が上回ることにより生じるものである。この一次分裂により、溶融金属90は多数の液滴91となる。
また、本実施形態では、供給部6とノズル3との間に貯留部2を有していることから、ノズル3への溶融金属90の供給量を安定化することができる。すなわち、供給部6からノズル3へ直接溶融金属90を供給する場合に比べて、貯留部2に一旦供給し、そこから流下させるよう構成されているため、ノズル3へ供給される溶融金属90の単位時間当たりの供給量を一定に制御し易い。このため、金属粉末の製造条件も一定となり、粒径の揃った高品質の金属粉末を製造することができる。
しかしながら、従来の金属粉末製造装置では、溶融金属を一旦貯留することによってノズルに供給される溶融金属の単位時間当たりの供給量は一定になるものの、最終的に得られる金属粉末の粒径が不均一になるという課題があった。このため、金属粉末の粒度分布が広くなってしまい、金属粉末を用いて製造される各種金属製品の特性を十分に高めることができなかった。特に、アルミニウムやチタンのような酸化し易い元素を含む場合、その傾向が顕著であった。
加熱手段8としては、例えば、誘導加熱、抵抗加熱、マイクロ波加熱等の各種加熱原理を利用したものが挙げられ、特に限定されるものではないが、ここでは誘導加熱を利用した場合について説明する。誘導加熱による加熱は、溶融金属90を直接発熱させることができるので加熱効率が高いのに加え、溶融金属90の温度をきめ細かく制御することができるので、短時間で大きく変動する溶融金属90の温度を一定に維持する上で有効である。
また、このような金属粉末製造装置1によれば、酸化し易く、金属酸化物を生成し易い元素を含む溶融金属90についても、粒度分布の狭い高品質な金属粉末を製造することができる。
図1、2に示す誘導加熱コイル81は、貯留部容器21の壁部内に内蔵されている。壁部内に設けられることにより、誘導加熱コイル81と溶融金属90とが接触するのを防止して、溶融金属90の汚染を防止するとともに、誘導加熱コイル81の劣化を防止することができる。
誘導加熱コイル81には、制御部82が電気的に接続されている。制御部82は、誘導加熱コイル81に電圧を印加する電源と、この電源の動作を制御する制御回路と、を含んでいる。電源としては、一般に高周波電源が用いられ、誘導加熱コイル81に対して周波数1kHz以上500kHz以下程度の交流電圧が印加される。
また、溶融金属90の温度を一定に維持する際には、維持している最中の温度幅が30℃以下になるよう制御するのが好ましく、20℃以下になるよう制御するのがより好ましい。
なお、加熱手段8の上端の位置については、特に限定されないが、溶融金属90の液面より上方であるのが好ましい。これにより、溶融金属90の液面部をより確実に加熱することができる。
この場合、溶融金属90の液面から供給部筒状部材62の下端までの距離をD3としたとき、D3は、0.01D2以上0.8D2以下であるのが好ましく、0.05D2以上0.6D2以下であるのがより好ましい。D3を前記範囲内に設定することにより、溶融金属90の温度をより均一かつ一定に維持することができる。
また、供給部6は、溶融金属90を貯留部2に対して供給し得るものであれば、その他のもの(例えば、溶融炉等)で代替することもできる。
また、加熱手段8において誘導加熱コイルの出力調整は、あらかじめ入力されたプログラムに基づいてなされる場合のみでなく、人為的に調整されるよう構成されていてもよい。
次に、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の金属粉末製造装置の第2実施形態を模式的に示す縦断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態は、加熱手段の構成が異なる以外、第1実施形態と同様である。
また、本実施形態では、誘導加熱コイル81が複数の部分に分かれており、各部分に対して独立に電圧を印加し得るよう構成されている。これにより、部分ごとに異なる電圧を印加することができ、それにより溶融金属90の加熱量を液面からの深さごとに異ならせることができる。その結果、溶融金属90の温度をより均一に維持することができる。
(実施例1)
まず、ステンレス鋼SUS316L(融点Tm:1450℃)を高周波誘導炉で溶融して溶融金属を得た。
次いで、得られた溶融金属を図1に示す金属粉末製造装置の供給部容器内に移した。そして、溶融金属を貯留部およびノズルへと流下させるとともに、ノズルのスリットから水ジェットを噴射することにより、溶融金属を粉末化した。これにより、金属粉末を得た。
・供給部容器の材質 :アルミナ・グラファイト複合材料
・貯留部容器の材質 :アルミナ・グラファイト複合材料
・供給部筒状部材の内径 :5mm
・貯留部筒状部材の内径 :5mm
・貯留部容器における溶融金属の液面から底面までの深さD1 :300mm
・貯留部容器における溶融金属の液面から加熱手段の下端までの距離D2:50mm
・溶融金属の液面から供給部筒状部材の下端までの距離D3 :40mm
また、金属粉末製造装置における溶融金属の温度は以下の通りである。
・供給部容器に貯留された溶融金属の初期温度 :1720℃
・貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度 :1650℃
なお、加熱手段では、貯留部容器に貯留した溶融金属の温度が1分あたり1.5℃低下することを事前に測定しておいたので、この低下率を踏まえ、この温度低下を打ち消すように、溶融金属の貯留開始後からの経過時間に応じて徐々に加熱温度を高めるよう、あらかじめプログラムを入力しておいた。その結果、溶融金属の温度は金属粉末の製造開始時から終了時まで前記温度でほぼ一定に維持することができた(温度幅:約10℃)。
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を1575℃に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
(実施例3)
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を1720℃に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
D2を90mmに変更するとともに、溶融金属の加熱温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
(実施例5)
D2を120mmに変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
図1に示す金属粉末製造装置において誘導加熱コイルを貯留部容器の全体にわたって敷設するよう変更した装置を用いるとともに、溶融金属の加熱温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
(実施例7)
D3を30mmに変更するとともに、溶融金属の加熱温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
D3を0mmに変更するとともに、溶融金属の加熱温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
(実施例9)
図3に示す金属粉末製造装置を用いるとともに、溶融金属の加熱温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
まず、液面モニターにより貯留部容器に貯留された溶融金属の液面の高さを検出し、この高さが一定の高さになるよう、供給部筒状部材に取り付けた開閉弁の開閉量を制御した。これにより、液面の高さを一定に維持することができた。
ステンレス鋼に代えてアルミニウム(融点Tm:660℃)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
なお、金属粉末製造装置における溶融金属の温度は以下の通りである。
・供給部容器に貯留された溶融金属の初期温度 :950℃
・貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度 :900℃
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を800℃に変更した以外は、実施例10と同様にして金属粉末を得た。
(実施例12)
貯留部容器に貯留された溶融金属の加熱温度を950℃に変更した以外は、実施例10と同様にして金属粉末を得た。
加熱手段の設置を省略した以外は、実施例1と同様にして金属粉末を得た。
(比較例2)
ステンレス鋼に代えてアルミニウム(融点Tm:660℃)を用いるようにした以外は、比較例1と同様にして金属粉末を得た。
なお、金属粉末製造装置における溶融金属の温度は以下の通りである。
・供給部容器に貯留された溶融金属の初期温度 :950℃
各実施例および各比較例で得られた金属粉末について、レーザー回折式粒度分布測定装置により平均粒径および標準偏差を測定した。なお、平均粒径は、体積基準で累積量が50%になるときの粒子径(μm)である。また、標準偏差は、次式で定義され、粒度分布の幅の目安となるものである。
(標準偏差)=(d84%−d16%)/2
これらの結果を表1に示す。なお、実施例1〜9で得られた金属粉末の標準偏差については、比較例1で得られた金属粉末の標準偏差を1としたときの相対値で示し、実施例10〜12で得られた金属粉末の標準偏差については、比較例2で得られた金属粉末の標準偏差を1としたときの相対値で示した。
特に、実施例1、7、9、10で得られた金属粉末では、このような傾向が顕著であった。
Claims (8)
- 溶融金属を貯留する貯留部容器を備える貯留部と、
前記貯留部容器に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部を加熱する加熱手段と、
前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
前記貯留部の上方に設けられ、溶融金属を貯留する供給部容器と、前記供給部容器の下面から下方に延在するよう設けられ前記供給部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている供給部筒状部材と、を備え、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
を有し、
前記供給部筒状部材は、その下端が、前記貯留部容器に貯留された溶融金属の液面より下方に位置するよう構成されており、
前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記加熱手段の下端までの距離をD2とし、前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記供給部筒状部材の下端までの距離をD3としたとき、距離D3は0.01D2以上0.8D2以下であることを特徴とする金属粉末製造装置。 - 前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記貯留部容器の底面までの深さをD1としたとき、
前記距離D2は、0.3D1以下である請求項1に記載の金属粉末製造装置。 - 前記貯留部は、前記貯留部容器の下面から下方に延在するよう設けられ、前記貯留部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている貯留部筒状部材をさらに備え、
前記加熱手段は、前記貯留部容器の壁部内に配置された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに電圧を印加する電源と、を有している請求項1または2に記載の金属粉末製造装置。 - 前記加熱手段は、前記貯留部に溶融金属が貯留され始めたときからの経過時間に応じて、その加熱温度を徐々に高めるよう構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
- 前記加熱手段は、さらに、前記貯留部に貯留された溶融金属の温度を測定する温度測定部と、
測定された前記溶融金属の温度に基づいて、前記加熱手段による加熱温度を制御する制御部と、を備える請求項1ないし4のいずれかに記載の金属粉末製造装置。 - 前記加熱手段は、さらに、前記溶融金属の液面の高さを計測する液面計測部と、
計測された前記液面の高さに基づいて、前記供給部による溶融金属の供給量を制御する制御部と、を備える請求項1ないし5のいずれかに記載の金属粉末製造装置。 - 前記加熱手段による加熱温度は、前記溶融金属の組成の融点をTm[℃]としたとき、Tm+50[℃]以上である請求項1ないし6のいずれかに記載の金属粉末製造装置。
- 溶融金属を貯留する貯留部容器を備える貯留部と、
前記貯留部容器に設けられ、貯留された溶融金属の液面部の少なくとも一部を加熱する加熱手段と、
前記貯留部の下方に設けられ、前記貯留部から流下した前記溶融金属が通過可能な流路と、前記流路の下端部に開口し、前記流路内に向けて流体を噴射するスリットと、を備えるノズルと、
前記貯留部の上方に設けられ、溶融金属を貯留する供給部容器と、前記供給部容器の下面から下方に延在するよう設けられ前記供給部容器内に貯留された溶融金属が通過可能になっている供給部筒状部材と、を備え、前記貯留部に溶融金属を供給するよう構成された供給部と、
を有し、
前記供給部筒状部材は、その下端が、前記貯留部容器に貯留された溶融金属の液面より下方に位置するよう構成されており、
前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記加熱手段の下端までの距離をD2とし、前記貯留部容器に貯留されている溶融金属の液面から前記供給部筒状部材の下端までの距離をD3としたとき、距離D3が0.01D2以上0.8D2以下である金属粉末製造装置を用い、
前記貯留部から前記流路を通過するように前記溶融金属を流下させ、前記流体に衝突させることにより、前記溶融金属を微細化するとともに固化させて金属粉末を製造することを特徴とする金属粉末製造方法。
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