JP5803007B2 - アルデヒドの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、式(A)に示すように、炭素数が3以上のオレフィンと水素及び一酸化炭素とのヒドロホルミル化反応においては、直鎖型のアルデヒドと分岐型のアルデヒドが生成する。直鎖型のアルデヒドの方が幅広い用途があることから、一般的に需要が高いため、下記式(A)の反応系においては、アルデヒドの直鎖選択性(以下、「L/B比」と称すことがある。)を高めるための種々の遷移金属−有機リン配位子触媒が開発されてきた(式(A)において、Rはアルキル基等の脂肪族炭化水素基を表す。)。
また、R 21 〜R 24 は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R 21 とR 22 、及びR 23 とR 24 においては、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
また、R 41 〜R 44 は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R 41 とR 42 、及びR 43 とR 44 においては、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。
また、A 1 及びA 2 は、それぞれ独立に、O、S、SiR a R b 、NR c 、CR d R e であり、ここで、R a 、R b 、R c 、R d 及びR e は、それぞれ独立に、水素原子、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基である。)
また、R 61 〜R 64 は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R 61 とR 62 、及びR 63 とR 64 においては、それぞれに、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
まず、本発明で用いる遷移金属錯体(a)及び遷移金属錯体(b)について説明する。
R1〜R5のアルキル基としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。なお、アルキル基においては、部分的に炭素−炭素二重結合を有しているものも包含される。
R1〜R5のアルコキシ基としては、炭素数1〜30、好ましくは1〜15の直鎖又は分岐のアルコキシ基が挙げられる。
R1〜R5のアリール基としては、炭素数3〜30、好ましくは5〜22の置換基を有していてもよいアリール基、例えばフェニル基、4−メチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フェナントレニル基等が挙げられる。なお、本アリール基には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子といった炭素原子以外の原子を芳香環形成原子に含んだ複素環式芳香族化合物由来の基(ヘテロアリール基)も包含される。具体的なヘテロアリール基としては、ピロリル基、フラニル基、チオフェニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、ピリミジル基、ピリジル基などが挙げられる。
R1〜R5のアリーロキシ基としては、炭素数3〜30、好ましくは5〜22の置換基を有していてもよいアリーロキシ基が挙げられる。なお、本アリーロキシ基においても、酸素原子の先のアリール基としてヘテロアリール基を含む。
R1〜R5のアミノ基としては、窒素原子上の2つの置換基として水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のアリール基を独立して有するアミノ基、好ましくは窒素原子上の2つの置換基として炭素数1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基、炭素数5〜22の置換基を有していてもよいアリール基を独立して有するアミノ基が挙げられる。
R1〜R5のアミド基としては、窒素原子上の2つの置換基として水素原子、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜30のアリール基を独立して有するアミド基、好ましくは窒素原子上の2つの置換基として水素原子、炭素数1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基、炭素数5〜22の置換基を有していてもよいアリール基を独立して有するアミド基が挙げられる。
R1〜R5のパーフルオロアルキル基としては、炭素数1〜30のパーフルオロアルキル基、好ましくは炭素数1〜15のパーフルオロアルキル基が挙げられる。
R1〜R5のトリアルキルシリル基としては、珪素原子上の3つの置換基として炭素数1〜30のアルキル基を独立して有するシリル基、好ましくは珪素原子上の3つの置換基として炭素数1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。
R1〜R5のアシル基としては、炭素数1〜30のアルキル基、又は炭素数3〜30のアリール基をカルボニル基の先に有するアシル基、好ましくは炭素数1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基、又は炭素数5〜22の置換基を有していてもよいアリール基をカルボニル基の先に有するアシル基が挙げられる。
R1〜R5のアシロキシ基としては、炭素数1〜30のアルキル基、又は炭素数3〜30のアリール基をカルボニル基の先に有するアシロキシ基、好ましくは炭素数1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基、又は炭素数5〜22の置換基を有していてもよいアリール基をカルボニル基の先に有するアシロキシ基が挙げられる。
R1〜R5のエステル基としては、炭素数1〜30のアルキル基、又は炭素数3〜30のアリール基を酸素原子の先に有するエステル基、好ましくは炭素数1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基、又は炭素数5〜22の置換基を有していてもよいアリール基を酸素原子の先に有するエステル基が挙げられる。
R1〜R5のホスフィノ基としては、リン原子上の2つの置換基として炭素数1〜30のアルキル基、又は炭素数3〜30のアリール基を独立して有するホスフィノ基、好ましくは炭素数1〜15の直鎖又は分岐又は環状のアルキル基、又は炭素数5〜22の置換基を有していてもよいアリール基を独立して有するホスフィノ基が挙げられる。
オスミウム化合物としては、CpOsCl(PPh3)2、CpOs(CH3)(CO)2、[CpOs(CO)]2等が挙げられる。
コバルト化合物としては、CpCo(PPh3)2、CpCo(cod)、CpCo(CO)2、[CpCo(NO)]2等が挙げられる。
イリジウム化合物としては、CpIr(cod)、CpIr(CH3)3(Py)Cl、CpIr(CH3)2(CO)、[CpIrCl2]2、[CpIrI2]2等が挙げられる。
ニッケル化合物としては、CpNiCl(PPh3)、[CpNi(CO)]2、CpNi(π−allyl)等が挙げられる。
パラジウム化合物としては、CpPd(π−allyl)、CpPd(CH3)3、CpPdCl(PPh3),CpPdCl(CO)、CpPd(OAc)(P(i−Pr)3)等が挙げられる。
白金化合物としては、CpPt(CH3)3、CpPt(CH3)2Cl、CpPtCl(CO)、CpPtI(PPh3)、CpPt(PPh3)2、CpPt(CH3)(cod)が挙げられる。
上述の例示において、π−allylはパイ−アリル基(即ち、CH2=CH−CH2−基)を、codは1,5−シクロオクタジエンを、Acはアセチル基を、Ph基はフェニル基を、acacはアセチルアセトナト基を、Pyはピリジン、i−Prはイソプロピル基をそれぞれ表す。後掲の実施例においても同様である。
次に、本発明に用いることができる多座の有機リン系化合物由来の配位子について述べる。
具体的には、下記式(c−1)〜(c−3)で表される基本骨格を有する二座ホスフィンや二座ホスファイトを用いることが好ましい。
また、R21〜R24は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R21とR22、及びR23とR24においては、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
また、R41〜R44は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R41とR42、及びR43とR44においては、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。
また、A1及びA2は、それぞれ独立に、O、S、SiRaRb、NRc、CRdReであり、ここで、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、それぞれ独立に、水素原子、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基である。)
また、R61〜R64は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R61とR62、及びR63とR64においては、それぞれに、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
本発明では、多座有機リン配位子を有する遷移金属錯体(a)又は遷移金属錯体(b)を反応器内に存在させてヒドロホルミル化反応を行うが、上述の遷移金属錯体(a)又は遷移金属錯体(b)の原料となる遷移金属化合物と有機リン化合物とは、それぞれ独立して反応器に供給して反応器内で錯体を形成しても、ヒドロホルミル化反応を行う前に、予め錯体を形成させ、その錯体を反応器に供給してもよい。また、有機リン化合物を不溶性樹脂担体に結合させたものに、上述の遷移金属化合物を担持させた、不溶性固体触媒の状態として反応器に供給して使用しても良い。
続いて、本発明に適用可能な原料オレフィンについて述べる。本発明のアルデヒド又はアルコールの製造方法に適用される原料オレフィンとしては、炭素原子数2以上のオレフィンであって、分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも1つ有する化合物であれば特にその構造に制限されるものではなく、飽和炭化水素基のみによって置換されたオレフィン、不飽和炭化水素基を含む炭化水素基によって置換されたオレフィン、又は、ヘテロ原子を含む官能基により置換されたオレフィン等、いずれのオレフィンにも適用できる。
なお、オレフィン性化合物の炭素数の上限については特に制限はないが、溶解性の問題、粘度の問題、原料確保の容易さなどを考慮して通常30以下である。
本発明のアルデヒドの製造方法によって生成するアルデヒドとしては、炭素原子数3以上のアルデヒドであって、上述した原料オレフィンのオレフィン性二重結合に対して水素原子とホルミル基(アルデヒド基:−CHO基)が付加した構造のアルデヒドであれば特にその構造に制限されるものではない。ただし、オレフィン性二重結合に対する水素原子とホルミル基の付加の仕方には、炭素原子数2以上の原料オレフィンにおいては、前記の式(A)で述べたように二通りの結合形式があるので、直鎖型のアルデヒドと分岐型のアルデヒドが生成する。直鎖型のアルデヒドの収率を増やしたい場合には、上述したように、L−1〜L−30のような高い直鎖選択性を発現する有機リン化合物を配位子として用いれば良い。
本発明のアルコールの製造方法によって生成するアルコールとしては、炭素原子数3以上のアルコールであって、上述したアルデヒドのホルミル基(アルデヒド基:−CHO基)が水素化された構造のアルコールであれば特にその構造に制限されるものではない。産業界において有用な直鎖型のアルコールを一つの反応器内で効率よく製造したい場合には、L−1〜L−30のような高い直鎖選択性を発現する有機リン化合物を配位子として用い、かつ、遷移金属錯体のシクロペンタジエニル基としてCp−46〜Cp−75のような生成アルデヒドのホルミル基の水素化能を有しているものを用いれば良い。
本発明のアルデヒドの製造方法及びアルコールの製造方法は、溶媒の存在下或いは非存在下のどちらでも反応させることができる。溶媒を使用する場合、上述した遷移金属化合物や有機リン化合物、及び原料オレフィンを少なくとも一部溶解させるものであって、ヒドロホルミル化反応の反応活性や反応の選択性に悪影響を及ぼさないものであれば使用可能であり特に限定はない。
なお、溶媒は、一種類を用いてもよく、複数の溶媒を混合して使用してもよい。
次に、本発明のアルデヒド製造反応及びアルコール製造反応を行う際の反応条件について説明する。
本発明で用いることができる反応プロセスに関して以下に記載する。
また、蒸留を行うに当たって、溶媒の使用は必須ではないが、必要に応じて生成物類や触媒成分に不活性な溶媒を存在させることができる。分離した触媒を含む残液からは、公知の方法により遷移金属を回収することができるし、あるいは残液の全量若しくは一部を反応工程にリサイクルして、触媒を再利用することもできる。
アルゴンガス雰囲気下、乾燥した内容量50mlの磁性誘導攪拌式のステンレス鋼オートクレーブに[Cp*Ru(acac)]2(8.4mg、Ru換算で0.025mmol)及び二座ホスファイト配位子(明細書中式L−22の化合物)(26.8mg、0.025mmol、Ruに対して1当量)を量り取り、トルエン (2.0ml)を加え数分間攪拌し、錯体及び配位子を溶解させた。その後、反応原料である1−デセンとガスクロマトグラフィー分析用の内部標準物質であるドデカンの混合物(モル比=2/1) を210mg(1−デセン:1.0mmol)加え、オートクレーブを密閉後、水素及び一酸化炭素の混合ガス(混合比:水素/一酸化炭素=1/1(モル比))を系内圧力(ゲージ圧)が2.0MPaになるようにフィードし、攪拌速度800rpm下、100℃で18時間ほど反応させた。
ここでCp*は明細書中式Cp−12のペンタメチルシクロペンタジエニル基を表す。
実施例1において、二座ホスファイト配位子(明細書中式L−22の化合物)のRuに対する添加量を2当量(実施例2)、5当量(実施例3)、10当量(実施例4)、0.4当量(比較例1)に変えた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を実施例1の結果と合わせて、表1にまとめて記す。
実施例2において、Ru触媒としてRu3(CO)12(5.3mg、Ru換算で0.025mmol)を用いた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例2において、Ru触媒として[RuCl2(p−cymene)]2(7.7mg、Ru換算で0.025mmol)を用いた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例1において、二座ホスファイト配位子の代わりに二座ホスフィン配位子(明細書中式L−11の化合物、14.5mg、0.025mmol、Ruに対して1当量)を用い、反応温度を160℃とした以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例5において、二座ホスフィン配位子(明細書中式L−11の化合物)のRuに対する添加量を2当量に変えた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例5において、Ru触媒として[Cp*Ru(OCH3)]2(6.7mg、Ru換算で0.025mmol)を用いた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例5において、Ru触媒としてCp*Ru(cod)Cl(9.5mg、0.025mmol)を用い、塩基性化合物としてt−BuOK(2.8mg、0.025mmol、Ruに対して1当量)を添加し、反応時間を20時間にした以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例6において、二座ホスフィン配位子を明細書中式L−11の化合物から1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(20.6mg、0.025mmol、Ruに対して2当量)を用いた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。なお、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンは表1においてDPPPと記載している。
実施例5において配位子を用いず、反応時間を12時間にした以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例8において配位子を用いず、反応時間を18時間にした以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
実施例5において、Ru触媒として下記構造のRu化合物(I)(13.6mg、Ru換算で0.025mmol)を用い、反応時間を23時間にした以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。なお、Ru化合物(I)は、二核錯体であり、形式上、右側のRu錯体ではシクロペンタジエン配位子が配位した構造で記載しているが、明細書にも述べているようにこのシクロペンタジエン配位子は水素ガスが存在する雰囲気下では左側のRu錯体のように水酸基を持つシクロペンタジエニル基に変化する。
実施例10において、Ru触媒として下記構造のRu化合物(II)(14.2mg、0.025mmol)を用いた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。なお、Ru化合物(II)はシクロペンタジエン配位子が配位した構造を有しているが、実施例10で述べたように、水素ガス存在下では水酸基を持つシクロペンタジエニル基に変化する。
実施例10において、Fe触媒として下記構造のFe化合物(III)(10.5mg、0.025mmol)を用いた以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。なお、Fe化合物(III)はシクロペンタジエン配位子が配位した構造を有しているが、実施例10で述べたように、水素ガス存在下では水酸基を持つシクロペンタジエニル基に変化する。
実施例11において、二座ホスフィン配位子の代わりに単座ホスフィンであるトリフェニルホスフィン(26.2mg、0.100mmol、Ruに対して4当量)を用い、反応時間を18時間にした以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表1に記す。
アルゴンガス雰囲気下、乾燥した内容量50mlの磁性誘導攪拌式のステンレス鋼オートクレーブに[Cp*Ru(acac)]2(8.4mg、Ru換算で0.025mmol)及び二座ホスフィン配位子(明細書中式L−11の化合物)(28.9mg、0.050mmol、Ruに対して2当量)を量り取り、1,4−ジオキサン (2.0ml)を加え数分間攪拌し、錯体及び配位子を溶解させた。その後、オートクレーブにプロピレンガスを導入し、プロピレンのガス圧として0.8MPaかけた後、水素及び一酸化炭素の混合ガス(混合比:水素/一酸化炭素=1/1(モル比))を系内圧力(ゲージ圧)が2.0MPaになるようにフィードし、攪拌速度800rpm下、160℃で24時間ほど反応させた。
ここで、TONは反応に用いたRu化合物に対する目的生成物のモル比を示す。結果を表2に記す。
実施例13において、[Cp*Ru(acac)]2の代わりに下記構造のRu化合物(III)(11.3mg、0.025mmol)を用いて反応を行なった以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、溶媒を1,4−ジオキサンからトルエンに変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例13において、[Cp*Ru(acac)]2の代わりに下記構造のRu化合物(IV)(6.8mg、Ru換算で0.025mmol)を用いて反応を行なった以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例13において、[Cp*Ru(acac)]2の代わりに下記構造のRu化合物(V)(15.1mg、Ru換算で0.025mmol)を用いて反応を行なった以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例13において、[Cp*Ru(acac)]2の代わりに[RuCl2(p−cymene)]2(7.7mg、Ru換算で0.025mmol)を用いて反応を行なった以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例13において、配位子を明細書中式L−11の二座ホスフィンから明細書中式L−1の二座ホスフィン(27.5mg、0.050mmol、Ruに対して2当量)に変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例18において、[Cp*Ru(acac)]2の代わりに上述したRu化合物(III)(11.3mg、0.025mmol)を用いて反応を行なった以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例13において、配位子を明細書中式L−11の二座ホスフィンから明細書中式L−22の二座ホスファイト(53.6mg、0.050mmol、Ruに対して2当量)に変更し、反応温度を160℃から120℃に変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例20において、溶媒を1,4−ジオキサンからトルエンに変更し、反応温度を120℃から160℃に変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、反応温度を160℃から120℃に変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、反応温度を160℃から140℃に変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、反応開始時の系内圧力(ゲージ圧)を2.0MPaから0.5MPaに変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、反応開始時の系内圧力(ゲージ圧)を2.0MPaから1.0MPaに変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、反応開始時の系内圧力(ゲージ圧)を2.0MPaから1.5MPaに変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、反応開始時の系内圧力(ゲージ圧)を2.0MPaから3.0MPaに変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
実施例14において、反応開始時の系内圧力(ゲージ圧)を2.0MPaから4.0MPaに変更した以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。結果を表2に記す。
アルゴンガス雰囲気下、乾燥した内容量50mlの磁性誘導攪拌式のステンレス鋼オートクレーブに[Cp*Ru(acac)]2(8.4mg、Ru換算で0.025mmol)及び二座ホスフィン配位子(明細書中式L−22化合物)(53.6mg、0.050mmol、Ruに対して2当量)を量り取り、トルエン(2.0ml)を加え数分間攪拌し、錯体及び配位子を溶解させた。その後、オートクレーブにプロペンガスを導入し、プロペンのガス圧として0.8MPaかけた後、水素及び一酸化炭素の混合ガス(混合比:水素/一酸化炭素=1/1(モル比))を系内圧力(ゲージ圧)が2.0MPaになるようにフィードし、攪拌速度800rpm下、120℃で24時間ほど反応させた。
ここで、TONは反応に用いたRu化合物に対する目的生成物のモル比を示す。
実施例29において、[Cp*Ru(acac)]2の代わりに、実施例16で用いたRu化合物(IV)(6.8mg、0.025mmol)を用いて反応を行なった以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。
ここで、TONは反応に用いたRu化合物に対する目的生成物のモル比を示す。
実施例29において、[Cp*Ru(acac)]2の代わりに、下記のRu化合物(VI)(7.9mg、0.025mmol)を用いて反応を行なった以外は同様に反応を行ない、分析を実施した。
ここで、TONは反応に用いたRu化合物に対する目的生成物のモル比を示す。
Claims (1)
- 二座の有機リン化合物由来の配位子と下記式(a)で示される構造を有する鉄又はルテニウムを一種以上含む錯体の存在下、炭素原子数2以上の原料オレフィンを水素及び一酸化炭素と反応させることによりアルデヒドを製造する方法であって、
前記二座の有機リン化合物が下記式(c−1)〜(c−3)のいずれかで表される基本骨格を有し、
該鉄又はルテニウムを一種以上含む錯体に対する該二座の有機リン化合物由来の配位子のモル比が1以上20以下であることを特徴とするアルデヒドの製造方法。
また、R 21 〜R 24 は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R 21 とR 22 、及びR 23 とR 24 においては、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
また、R 41 〜R 44 は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R 41 とR 42 、及びR 43 とR 44 においては、それぞれ、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。
また、A 1 及びA 2 は、それぞれ独立に、O、S、SiR a R b 、NR c 、CR d R e であり、ここで、R a 、R b 、R c 、R d 及びR e は、それぞれ独立に、水素原子、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基である。)
また、R 61 〜R 64 は、それぞれ独立に、鎖状又は環状の、アルキル基、若しくはアリール基を表す。これらの基は、更に置換基を有していても良く、R 61 とR 62 、及びR 63 とR 64 においては、それぞれに、互いに結合を形成して環状構造を形成しても良い。)
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