JP2018515535A - 不飽和カルボン酸塩の製造方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

アルケン、二酸化炭素、及び[O−]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドから、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を製造するための触媒法は記載されている。中間相の分離の後、アルコール副産物を留去する。これは、最小限の努力で、純粋なα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を提供する。

Description

本発明は、アルケン、二酸化炭素及びアルコキシドからα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を製造するための触媒法(catalytic process)に関する。相分離の直後に、アルコール副産物(アルコキシドの共役酸)を留去する。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩、特にアクリル酸及びそれらの誘導体は、重要な工業用化学物質であり、かつ、吸水性樹脂、すなわち、超吸収剤を製造するためのモノマー単位である。
COをエテンに直接添加してアクリル酸を得ることは、熱力学的限界(298KでΔG=42.7kJ/mol)、及び室温で実質的に完全に反応物側にある好ましくない平衡(K298=7×10−7)が原因で、工業的に魅力がない。他方、CO、エテン及び水酸化ナトリウムからのアクリル酸ナトリウム及び水の形成は、熱力学的に有利である(298KでΔG=−56.2kJ/mol、K298=7.1×10)。しかしながら、求核塩基水酸化ナトリウムは、COと直接反応し、炭酸ナトリウム又は重炭酸ナトリウムを生成する。より少ない求核塩基を使用する場合でも、アクリレートの生成は、動力学的に阻害され、したがって均質又は不均質のカルボキシル化触媒を必要とする。
Limbachら(WO 2013/098772、Chem.Eur.J.2012,18,14017−14025)は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を製造するための触媒法を記載しており、ここで、a)遷移金属−アルケン錯体をCOと反応させ、メタララクトン(metallalctone)を得、b)該メタララクトンを塩基と反応させ、遷移金属錯体を有するα、β-エチレン性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の付加物を得、該塩基は、水酸化アルカリ金属又ははアルカリ土類金属、及びアルカリ金属又ははアルカリ土類金属超塩基から選択され、c)該付加物をアルケンと反応させ、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を放出し、遷移金属−アルケン錯体を再生する。工程c)において、遷移金属−アルケン錯体は、再生され、工程a)に再度使用することができる。このことが、触媒サイクルを完了する。WO 2013/098772の開示によれば、塩基とCOとの直接的反応を避けるために、塩基の添加は、COの添加と分けられる。すなわち、該方法は、一方でのアルケン及びCO反応物と、他方での塩基反応物と、の添加の時間及び/又はサイトの分離が必要である(WO 2013/098772の16頁)。触媒サイクルを2つ(COの豊かなレジーム(CO2-rich regime)、及びCOの貧しいレジーム(CO2-poor regime))に分けることは、Chem.Eur.J.2012,18,14017−14025にも記載されている。14021にも記載されているように、反応混合物をアルコキシド及び二酸化炭素の両方に同時に曝すことは避けられる。アルコキシドは、COとかなり安定した炭酸半エステルを不可逆的に形成すると推測される。したがって、WO 2013/098772において、COで(第1の工程)、その後にNaOtBuで(第2の工程)反応混合物を次に18サイクルのみ処理した後、ニッケル(0.25mmol)に基づいて1020%(2.55mmol)の全体の収率でアクリル酸ナトリウムを得た。個々のサイクルには、CO分圧を上昇及び低下すること、エテン分圧を上昇及び低下すること、並びに、減圧下でNaOtBuを添加することを含むので、このような方法は、エネルギー及び時間におけるかなりの努力を必要とする。
最近、Huguetらは、ナトリウムフェノキシド、特定のフッ素置換ナトリウムフェノキシド又はメチル置換ナトリウムフェノキシドの存在下で、アルケンをCOで直接にニッケル触媒カルボキシル化することを開示している(Chem.Eur.J.2014,20,16858−16862)。高いCO分圧及びフェノキシド塩基の存在下で、触媒の回転(turnover)を達成した。フッ素置換ナトリウムフェノキシドで、特にナトリウム2−フルオロフェノキシド又はナトリウム3−フルオロフェノキシドで、構造的に制限された二座P,P配位子、例えばBINAPINE、TangPhos、DuanPhos又はBenzPを含むニッケル錯体を用いて、最大の回転を達成した。これらのP,P配位子において、リン原子を結合する原子は環状のサブ構造の一部である。
Chem.Eur.J.2014,20,16858−16862に記載のニッケル触媒カルボキシル化を工業規模で実施することは困難である。回転に関して好ましい配位子は高価であり、有機フッ素化合物(例えば、フルオロ置換フェノキシド塩基)は、少量のみ生産現場から放出されても、潜在的に有害な汚染物質である。したがって、工業規模でこのニッケル触媒カルボキシル化を実施することは、配位子又は塩基の任意の放出を避けるためにかなりの努力を必要とする。また、上記の両方の方法とも極性溶媒及び無極性溶媒中の溶解性が同一であるので、フェノール副産物からα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩の主生成物を分離することは困難である。
WO 2013/098772
Chem.Eur.J.2012,18,14017−14025 Chem.Eur.J.2014,20,16858−16862
したがって、本発明の課題は、特に潜在的に有害な化合物を放出するリスクを克服し、十分に純粋なα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を得るための任意のさらなる努力を避けるために、CO及びアルケンからα,β−エチレン性不飽和カルボン酸誘導体を製造するためのより効率的な触媒法を提供することである。
当該課題は、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を製造するための触媒法により達成され、ここで、
a)アルケン及び二酸化炭素を、カルボキシル化触媒、及び[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドと接触させ、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩、及びアルコキシドの共役酸であるアルコール副産物を含む粗反応生成物を得、
b)少なくとも一部の前記粗反応生成物を極性溶媒と接触させ、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩が富化した(enriched)第1の液相、及びカルボキシル化触媒が富化した第2の液相を得、
c)第1の液相から、アルコール副産物を留去する。
本発明による方法の効率は良い。触媒の回転、すなわち、遷移金属に基づくモル過剰でα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を提供することは、WO 2013/098772及びChem.Eur.J.2012,18,14017−14025の方法に必要としたように、複数の次の反応サイクルでCO分圧を上昇及び低下することがなく、工程a)において、単一の段階で最小限の努力により達成される。
今までも、全てのアルコキシドは、COと、かなり安定した炭酸半エステルを不可逆的に形成し、これらの半エステルの形成が単一段階での触媒の回転を妨げると想定されたので、これは、驚くべきことである。今では、[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドを用いて、COの高い分圧の存在下でも、触媒の回転を達成することが見出された。したがって、2013/098772に必要とされるように、工程a)でCO分圧を上昇及び低下することよりCOから個別にアルコキシドを添加する必要がない。
したがって、工程a)において、二酸化炭素の分圧は、好ましくは1バールを超える。例えば少なくとも2バールであり、特に少なくとも4バールであり、最も好ましくは少なくとも6バールである。好ましくは、工程a)において、二酸化炭素の分圧は200バール未満である。例えば160バール以下であり、特に140バール以下であり、最も好ましくは120バール以下である。本発明の方法の工程a)において、二酸化炭素の分圧は、好ましくは1〜200バール、好ましくは2〜160バール、特に4〜140バール、さらに好ましくは6〜120バール、最も好ましくは10〜100バールの範囲にある。
有機フッ素化合物のような潜在的に有害な汚染物質を放出する危険はない。[O]基に直接結合した第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドの放出は、フルオロ置換フェノキシド塩基の放出よりも有害ではない。
本発明による方法において、十分に純粋なα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を得るための任意のさらなる努力は避けられる。工程c)において、任意の副産物(すなわち、アルコール副産物はアルコキシドの共役酸である)は、蒸留により第1の液相から効率的に除去される。第1の液相からの極性溶媒の除去は、いずれにせよ分離工程、すなわち、アルコール副生成物が第2の蒸留部分として得られる蒸留工程を必要とするため、さらなる努力は避けられる。一方、フェノールの分離(先行技術のプロセスで使用されるフェノレート塩基の共役酸)は、さらなる努力を必要とする。フェノールの高い沸点は、蒸留による分離を複雑にする。
本発明による方法は、アルコキシドが[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドであることが必要とする。[O]基に結合した残基が立体的に要求される場合、任意のアルコキシドとCOとの望ましくない直接反応、特に望ましくない半エステルの形成は、より効率的に抑制されると想定される。一般的には、第2級の残基より、第3級の残基は立体的により高く要求されている。したがって、好ましくは、アルコキシドは第3級のものである。これは、[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、好ましくは[O]基に直接結合する第3級の炭素原子を有するアルコキシドであることを意味する。
「[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシド」という表現は、下記の一般式(I)

-O-R
(I)

(式中、Rは、一般式(I)に示されているように、酸素と結合している炭素原子、並びに、
該炭素原子と結合している1つの水素原子、及び該炭素原子と結合している2つの水素原子、又は
該炭素原子と結合している3つの水素原子
を含むヒドロカルビル残基である)
のサブユニットを含む化合物を指す。
したがって、「[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシド」という表現は、一般式(I)のサブユニットを含む化合物を指し、ここで、Rは、一般式(I)に示されているように、酸素と結合している炭素原子、及び該炭素原子と結合している3つの水素原子を含むヒドロカルビル残基である。
ヒドロカルビル残基Rは、非環状、環状であるか、又は環状構造を含んでもよい。好ましくは、Rは非環状である。
ヒドロカルビル残基Rは、飽和又は非飽和であってもよい。飽和のヒドロカルビル残基Rは一重結合のみを含むが、非飽和のヒドロカルビル残基Rは少なくとも1つの一重結合を含む。好ましくは、ヒドロカルビル残基Rは飽和である。
Rに含まれる任意の水素原子は、例えば、1つ以上の非干渉性置換基で置換されてもよい。非干渉性置換基は、本発明による方法の条件下で不活性である置換基、すなわち、本発明による方法において、アルコキシド又はアルコキシドの共役酸と接触している任意の化合物又は中間物と反応しない置換基である。好適な置換基には、F、Cl、及びO−C〜C−アルキルが含まれる。好ましくは、Rは非置換であり、すなわち、Rは水素原子及び炭素原子からなる。
本発明による好ましい方法において、アルコキシドは、蒸留される場合には分解しないアルコールに由来する。工程a)において、[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、アルコキシドの共役酸であるアルコール副産物に変換される。このアルコール副産物は、工程c)で留去される。したがって、アルコキシドは、その共役酸、すなわち共役アルコールの分解温度に基づいて選択されてもよい。一般的には、アルコキシドの共役酸の分解温度が1バールでその沸点よりもはるかに高い場合は好ましい。アルコキシドの共役酸の分解温度は、1バールでその沸点より、好ましくは少なくとも10℃、特に少なくとも20℃、例えば30℃〜200℃高い。
分解温度と沸点との間のこの差は、例えば、その共役酸、すなわち共役アルコールの分子量に基づいてアルコキシドを選択することにより確立することができる。低分子量の化合物は、低い沸点を有する傾向がある。アルコキシドの共役酸の分子量は、例えば200g/mol以下、好ましくは160g/mol以下、特に140g/mol以下、最も好ましくは120g/mol以下である。アルコキシドの共役酸の分子量は、例えば59〜200g/mol、好ましくは73〜160g/mol、特に73〜140g/mol、最も好ましくは73〜120g/molである。
本発明による好ましい方法において、[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、以下の一般式(II)、

-O-CR1(R2)2
(II)

(式中、Rは、H又はRであり、
は、独立して、C〜C10−ヒドロカルビルから選択されるか、又は、それらと結合している第2級又は第3級の炭素原子を有する任意の2つ又は3つのRは、1つの3員〜8員炭素環である)
のサブユニットを含む。
各Rは、独立して、例えば、C〜C10−アルキル、C〜C10−シクロアルキル、及びC〜C10−アリールから選択される。
本発明による特に好ましい方法において、[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、O−tert−ブチル、O−イソ−プロピル、O−sec−ブチル、O−シクロプロピル、O−((1−メチル)−シクロプロピル)、O−シクロヘキシル、及びO−((1−メチル)−シクロヘキシル)から選択されるサブユニットを含む。
好ましい[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、tert−ブトキシドである。
[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、例えば、アルカリ金属アルコキシド及びアルカリ土類金属アルコキシドから選択される。アルカリ金属アルコキシド、特にナトリウムアルコキシドは好ましい。
特に好ましい[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、ナトリウムtert−ブトキシド及びナトリウムイソ−プロポキシドである。最も好ましくい[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドは、ナトリウムtert−ブトキシドである。
アルコキシドは、例えば、固体の形態で又は溶液として添加することができる。
特に好ましいカルボキシル化触媒は、遷移金属錯体である。
ここで使用される「遷移金属錯体」という用語は、一般的な方法で、それを通じて触媒サイクルが回ると考えられる、全ての遷移金属錯体、すなわち、前記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩が前記遷移金属に配位する、遷移金属−アルケン錯体、メタララクトン、及び付加体を含む。
一般的には、遷移金属錯体は、活性金属として、少なくとも1つの元素周期表の第4族(好ましくはTi、Zr)、第6族(好ましくはCr、Mo、W)、第7族(好ましくはRe)、第8族(好ましくはFe、Ru)、第9族(好ましくはCo、Rh)、及び第10族(好ましくはNi、Pd、Pt)の元素を含む。好ましくは、ニッケル及びパラジウムである。最も好ましくは、遷移金属錯体はパラジウム錯体である。
前記活性金属の役割は、CO2と前記アルケンとの間のC−C結合を形成するための、CO2、及び前記アルケンの活性化にある。メタララクトンは、前記アルケン、二酸化炭素、及び前記遷移金属錯体から、前記触媒サイクルにおいて形成されると想定される。「メタララクトン」という表現は、交換命名法(exchange nomenclature)(「a」命名法)に従って、炭素原子が金属原子と交換されているラクトン(γーラクトン)を意味する。「メタララクトン」という表現は、広義に解釈されるべきであり、Hoberg錯体と類似の構造を有する化合物、又はオリゴマー、ポリマー構造の関連化合物を含んでもよい。前記表現は、単離可能な化合物、及び(不安定な)中間体を含むものとする。
前記メタララクトンは、以下の一般式
Figure 2018515535
(式中、
Mは、遷移金属であり、
Lは、配位子であり、
qは、1又は2であり、
、R及びRは、それぞれ独立して、水素、C1〜12−アルキル、C2〜12−アルケニルであるか、又はRa及びRbは、それらが結合される炭素原子と一緒に、飽和、又はモノ若しくはジエチレン性不飽和の、5〜8員の炭素環である)
によって説明することができる。
前記アルコキシドは、前記α−炭素原子で、前記メタララクトンを脱プロトン化すると想定される。
好ましくは、遷移金属錯体は、P、N、O及びCから選択される少なくとも1つの配位原子により遷移金属に配位する配位子を含む。好ましくは、配位子は、遷移金属に配位する少なくとも1つのリン原子を含む。配位子は、単座又は多座配位子、例えば二座配位子であってもよい。一般的には、2つの単座配位子又は1つの二座配位子は、遷移金属に配位する。
多座配位子、例えば二座配位子は、遷移金属に配位して、4員、5員、6員、7員又は8員環を形成し、すなわち、遷移金属、遷移金属に配位する原子、及び遷移金属に配位する原子を連接する最も短い鎖の原子は一緒に、4員、5員、6員、7員又は8員環を形成する。5員、6員又は7員を形成するために、遷移金属に配位する配位子、例えばニッケル又はパラジウムは好ましい。
代わりに、遷移金属に配位する原子は、第2級の金属、例えば鉄と結合している2つのシクロペンタジエニル配位子の炭素原子と直接結合してもよい。
好ましくは、少なくとも1つの残基は、第2級又は第3級の炭素原子により、リン原子に配位する遷移金属と結合する。より好ましくは、少なくとも2つの残基は、好ましくは、第2級又は第3級の炭素原子により、リン原子と結合する。第2級又は第3級の炭素原子によりリン原子と結合する好ましい残基は、アダマンチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソプロピル、シクロヘキシル及びシクロペンチルである。
好ましくは、配位子は、二座P,X配位子(ここで、Xは、P、N、O及びカルベンからなる群から選択される)、特に二座P,P配位子である。P及びX原子は、例えば、2〜4個の架橋原子を含む二価リンカーによって離される。好ましくは、リンカーは、単結合によりリン原子と結合され、単結合によりX原子と結合され、単結合により結合されている2〜4個の架橋原子も含む。二座P,X配位子、特に二座P,P配位子は、構造的に制限されているか、又は制限されていない。好ましくは、制限されていない。
構造的に制限されている二座P,X配位子、特に二座P,P配位子において、架橋原子は、少なくとも1つの環状構造、特に5〜7員環状構造の一部であってもよい。架橋原子が5〜7員環状構造の一部である好ましい二座P,P配位子において、P原子と直接結合している個々の架橋原子は、それが結合しているP原子と一緒に、5〜7員環状構造の一部である;或いは、2つの隣接している架橋原子は、5〜7員環状構造の一部である。
好ましい構造的に制限されている二座P,P配位子は、式(IIa)
Figure 2018515535
(式中、
は、独立して、CHR 、CR 、C〜C10−シクロアルキル、及び任意に6〜18個の炭素原子を有するアルキル化アリールから選択され、
は、独立して、C〜C−アルキル、好ましくは直鎖C〜C−アルキルから選択され、
は、それが結合する炭素原子、及び介在するリン原子と一緒に、5〜7員の環状構造を形成し、
は、独立して、水素、C〜C12−アルキル、C〜C12−シクロアルキル、C〜C12−ヘテロシクロアルキル、C〜C14−アリール、C〜C14−ヘテロアリール、C〜C12−アルコキシ、C〜C12−シクロアルコキシ、C〜C12−ヘテロシクロアルコキシ、C〜C14−アリールオキシ、及びC〜C14−ヘテロアリールオキシから選択される)
の配位子である。
は、好ましくは−(CR −、及び−(CR=CR−(両方のRは、前記二重結合の同じ側にある)から選択され、式中、Rは、独立して、H、C〜C−アルキル、及び−O−C〜C−アルキルから選択され、Rは、H、及びC〜C−アルキルから選択されるか、または少なくとも2つのRは、式:
Figure 2018515535
の1つの架橋を構成し、
jは、2又は3であり、kは、1又は2である。
は、好ましくはCHR 、CR 及びC〜C−シクロアルキルであり、最も好ましくはCR である。
は、好ましくはメチルである。
は、好ましくはHである。
は、好ましくは、エチレン、エテニレン、1,2−フェニレン、1,2−ナフチレン、2,3−ナフチレン、及び以下の式:
Figure 2018515535
から選択される。
好ましい構造的に制限されている二座P,P配位子は、式(IIb)
Figure 2018515535
(式中、
10は、独立して、C〜C−アルキルから選択され、
11は、独立して、CHR10 、CR10 、及びC〜C10−シクロアルキル、及び任意に6〜18個の炭素原子を有するアルキル化アリールから選択され、
Xは、独立して、C−H、C−CH、及びNから選択され、
は、それが結合する部分X、及び介在する炭素原子と一緒に、5〜7員の環状構造を形成する)
の配位子である。
10は、好ましくは、独立して、C〜C−アルキル、及びC〜C−シクロアルキルから選択され、R11は、CR10 である。
10は、例えば、独立して、直鎖C〜C−アルキルから、特に直鎖C〜C−アルキルから選択されてもよい。
11は、好ましくは、独立して、CHR10 、CR10 、及びC〜C−シクロアルキルから選択される。
は、好ましくは−CH=CH−架橋である。
Xは、好ましくはCHである。
好ましい構造的に制限されている二座P,P配位子は、式(IIc)
Figure 2018515535
(式中、
13及びR14は、独立して、C〜C10−シクロアルキル、例えばC〜C−シクロアルキルから選択され、
15は、H、O−C〜C−アルキルであるか、又は両方のR15が一緒に、−CH=CH−架橋を構成する)
の配位子である。
15は、好ましくはH又はOCHであり、最も好ましくはHである。
好ましい構造的に制限されていない二座P,X配位子、例えば二座P,P配位子において、個々の架橋原子は非分岐であり、架橋原子のいずれも遷移金属を含む環から離れた任意の環状構造の一部でもない。
特に好ましい二座P,P配位子において、個々の架橋原子は非分岐であり、架橋原子のいずれも遷移金属を含む環から離れた任意の環状構造の一部でもない。特に好ましい二座P,P配位子において、P原子は2つの架橋炭素原子を含むリンカーにより離れ、それぞれのP原子は、単結合により、該リンカーと、かつ、2つの第2級炭素結合残基(secondary carbon bound residues)と結合され、架橋炭素原子は単結合により結合される。「第2級炭素結合残基」という表現は、残基中に含まれる第2級の炭素原子によりP原子と結合している残基を指す。それぞれの4つの第2級炭素結合残基は、同一又は異なってもよく、好ましくは第2級C〜C20−ヒドロカルビル残基から選択され、ここで、該第2級C〜C20−ヒドロカルビル残基中に含まれる任意の水素原子が1つ以上の非干渉性置換基で置換されてもよい。非干渉性置換基は、本発明による方法の条件下で不活性である置換基、すなわち、本発明による方法において、配位子と接触している任意の化合物又は中間物と反応しない置換基である。好適な非干渉性置換基には、例えば、O−C〜C−アルキルが含まれる。好ましくは、第2級C〜C20−ヒドロカルビル残基は非置換であり、すなわち、それらは水素原子及び炭素原子からなる。好ましい非置換の第2級C〜C20−ヒドロカルビル残基は、2−プロピル、2−ブチル、2−ペンチル、3−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルである。好ましいリンカーは−CH−CH−である。
好ましい構造的に制限されていない二座P,P配位子は、式(IId)

R16R17P-(CR18R19)e-PR16R17
(IId)

(式中、
16及びR17は、独立して、1〜20個の炭素原子を有する、非分岐又は分岐の、非環状又は環状の脂肪族残基であり、ここで、個々の炭素原子は、独立して、−O−及び>N−の群から選択されるヘテロ基で置換されてもよく、個々の水素原子は、独立して、Cl又はFで置換されてもよく、同じリン原子と結合している任意の2つの残基は、互いに共有結合していてもよく、
eは、1、2、3、4又は5、好ましくは2、3又は4であり、
18は、独立して、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−シクロアルコキシ、C〜C10−アリール及びC〜C10−アリールオキシから選択され、
19は、独立して、H、C〜C−アルキル、C〜C10−シクロアルキル及びC〜C10−アリールから選択される)
の配位子である。
好ましくは、(CR1819は、−CH−CH−、−CH−CH−CH−又は−CH−CH−CH−CH−である。
好ましくは、R16及びR17は、独立して、C〜C20−アルキル又はC〜C20−シクロアルキルであり、ここで、C〜C20−アルキルは、置換されないか、又は独立して、Cl、F及びC〜C−アルコキシから選択される1、2、3又は4個の置換基で置換され、C〜C20−シクロアルキルは、置換されないか、又は独立して、Cl、F、C〜C−アルキル及びC〜C−アルコキシから選択される1、2、3又は4個の置換基で置換される。
最も好ましくは、R16及びR17は、独立して、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、tert−ブチル、1−(2−メチル)プロピル、1−ペンチル、1−(2−メチル)ペンチル、1−ヘキシル、1−(2−エチル)ヘキシル、1−ヘプチル、1−(2−プロピル)ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、アダマンチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル又はノルボルニルであり、特に、独立して、2−プロピル、2−ブチル、tert−ブチル、アダマンチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル又はノルボルニルである。
特に好ましい構造的に制限されていない二座P,P配位子は、式(IId−1)

R16R17P-(CR18H)e-PR16R17
(IId-1)

(式中、
16及びR17は、独立して、1〜20個の炭素原子を有する、非分岐又は分岐の、非環状又は環状の脂肪族残基であり、
eは、2、3又は4であり、
18は、独立して、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−シクロアルコキシ、C〜C10−アリール及びC〜C10−アリールオキシから選択され、好ましくはHである)
の配位子である。
本発明による特に好ましい方法において、配位子は、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジシクロヘプチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジシクロヘプチルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジシクロヘプチルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジ−sec−ブチルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジ−sec−ブチルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ドデシルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ドデシルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ドデシルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(デシルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(デシルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(デシルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(テトラデシルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(テトラデシルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(テトラデシルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ヘキサデシルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ヘキサデシルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ヘキサデシルホスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ブタン、及び
Figure 2018515535
から;
好ましくは、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ドデシルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)エタン、及び
Figure 2018515535
から選択される。
好適な配位子は、例えば、1つ又は2つの配位するリン原子、及び遷移金属と結合するさらなる炭素原子又はヘテロ原子を含む二座配位子又は多座配位子である。好ましくは、さらなる炭素原子又はヘテロ原子が遷移金属と結合する場合、SHOP法から知られている(ジフェニルホスフィノ)酢酸塩、又は2−(ジメチルホスフィノ)−N,N−ジメチルエタンアミンと一緒に、5員環を形成する。特定の二座配位子は、式(IIg)
Figure 2018515535
(式中、
Wは、リン(P)又は亜リン酸塩(P=O)であり、
62は、独立して、1〜16個の炭素原子を有する、非分岐又は分岐の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香脂肪族又は芳香族残基であり、ここで、個々の炭素原子は、独立して、−O−及び>N−の群から選択されるヘテロ基で置換されてもよく、個々の水素原子は、独立して、Cl又はFで置換されてもよく、
63及びR64は、独立して、1〜16個の炭素原子を有する、非分岐又は分岐の、非環状又は環状の、脂肪族、芳香脂肪族又は芳香族残基であり、ここで、個々の炭素原子は、独立して、−O−及び>N−の群から選択されるヘテロ基で置換されてもよく、個々の水素原子は、独立して、Cl、Br、I又はFで置換されてもよく、両方の残基は、互いに共有結合していてもよく、
65及びR66は、一緒に化学結合であるか、又はR63及びR64について規定した通りであり、
67及びR68は、R63及びR64について規定した通りであり、
69及びR70は、R63及びR64について規定した通りである)
の配位子である。
好ましくは、R63、R64、R65及びR66は、独立して、水素、C〜C12−アルキル若しくはC〜C14−アリールであるか;又は、R63及びR64は、独立して、水素、C〜C12−アルキル若しくはC〜C14−アリールであり、R65及びR66は一緒に化学結合であるか;又は、R63及びR64は、独立して、水素若しくはメチルであり、R65及びR66は一緒に、C〜C10−アルカン−1,3−ジイル、C〜C10−アルカン−1,4−ジイル、若しくはC〜C10−アルカン−1,3−ジイル架橋であるか;又は、R65及びR66は一緒に化学結合であり、R63及びR64は、それらが結合する炭素原子と一緒に、単環若しくは二環芳香族環系の一部である。
好ましくは、R62、R67及びR68は、独立して、C〜C12−アルキル、C〜C12−シクロアルキル又はC〜C14−アリールであり、ここで、C〜C12−シクロアルキル及びC〜C14−アリールは、置換されないか、又はCl、F、C〜C−アルキル及びC〜C−アルコキシから選択される、独立して、1個、2個、3個又は4個の置換基で置換される。
最も好ましくは、R62、R67及びR68は、独立して、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、tert−ブチル、1−(2−メチル)プロピル、2−(2−メチル)プロピル、1−ペンチル、1−(2−メチル)ペンチル、1−ヘキシル、1−(2−エチル)ヘキシル、1−ヘプチル、1−(2−プロピル)ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、アダマンチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、フェニル、ナフチル、トリル、キシリル、クロロフェニル又はアニシルである。
また、配位子は、1個又は2個の配位する窒素原子、及び遷移金属と結合するさらなる炭素原子を含む二座配位子又は多座配位子であってもよい。好ましくは、前記さらなる炭素原子が遷移金属と結合する場合、例えば2−フェニルピリジン又は6−フェニル−2,2’−ビピリジンと一緒に5員環を形成する。
好適な三座配位子は、例えば、式(IIh)

R16R17P-(CR18R19)f-PR16-(CR18R19)g-PR16R17
(IIh)

(式中、
16、R17、R18及びR19は、それぞれ、すでに規定されており、
f及びgは、独立して、1、2、3、4又は5、好ましくは2、3又は4である)
の配位子である。
三座配位子の例としては、((メチルホスフィンジイル)ビス(メチレン))ビス(ジメチルホスフィン)、((エチルホスフィンジイル)ビス(メチレン))ビス(ジエチルホスフィン)、及び((メチルホスフィンジイル)ビス(メチレン))ビス(ジフェニルホスフィン)が挙げられる。
上記の配位子に加えて、遷移金属錯体は、アルコキシド、アルコキシドの共役酸であるアルコール副産物、ハロゲン化物、アミン、アミド、酸化物、リン化物、カルボン酸塩、アセチルアセトネート、アリール−又はアルキルスルホネート、水素化物、CO、オレフィン、ジエン、シクロオレフィン、ニトリル、芳香族化合物及びヘテロ芳香族化合物、エーテル、PF、ホスホール(phosphole)、及び単座、二座、及び多座のホスフィナイト(phosphinite)、ホスホナイト(phosphonite)、ホスホラミダイト(phosphoramidite)、及びホスファイト(phosphite)配位子から選択される少なくとも1個のさらなる配位子を有してもよい。
アルケン及び二酸化炭素が反応する際に、いずれのこれらのさらなる配位子は、置換され得る。
遷移金属錯体(例えば、パラジウム又はニッケル錯体)は、例えば、配位子及び遷移金属(例えば、パラジウム又はニッケル)から、又は配位子及び遷移金属(例えば、パラジウム又はニッケル)を含む遷移金属源(例えば、パラジウム又はニッケル源)から、酸価状態0で得られてもよい。あるいは、前記遷移金属錯体は、例えば、前記遷移金属の塩を、還元剤、例えばH、Mg、Na、又はZn等で還元することによって得られてもよい。
パラジウム源は、例えば、PdL、PdL、LPdX、LPdX、LPd、LPd、Pd、LPd、LPd
(式中、
Xは、ハロゲン化物、擬ハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコキシド、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物、アセチルアセトネート、シクロペンタジエン、アルキル、及びアリールから選択され、
Lは、ホスフィン、アミン、オレフィン、カルボニル、及びニトリルから選択される中性配位子である)
及び、エーテル、DMSO又は水等の溶媒との対応する付加体を含む。
前記パラジウム源及びその塩は、好ましくは[Pd(アリル)(Cl)]、[Pd(メタリル(メタリル))(Cl)][Pd(dba)]、[Pd(dba)]、PdCl、PdBr、PdI、Pd(NO、PdSO[Pd(OAc)]、[Pd(PtBu]、[Pd(PCy]、[Pd(Poトリル]、[Pd(PPh]、[Pd(COD)(Cl)(Me)]、[Pd(Phen)(OAc)]、[Pd(PtBu(Br)]、[Pd(CCN)(Cl)]、[Pd(PCy(Cl)]、[Pd(PPh(Cl)]、[Pd(ノルボルナジエン)(Cl)]、[Pd(TMEDA)(Cl)]、[Pd(TMEDA)(CH]、[Pd(OAc)]、[Pd(CFCOO)]、[Pd(アセチルアセトネート)]、[Pd(COD)(Cl)]及び[Pd(アリル)(Cp)]から選択される。
ニッケル源及びその塩は、例えば、NiL、NiL、LNiX、LNiX、LNiを含み、ここで、X及びLは上記で規定した通り、かつ、エーテル、DMSO、又は水等の溶媒との対応する付加体である。
前記ニッケル源及びその塩は、好ましくは[Ni(COD)]、NiF、NiCl、NiBr、NiI、[Ni(OAc)]、[Ni(アセチルアセトネート)]、[Ni(PhP)(Cl)]、[Ni((PPhFc)(Cl)]、[Ni(メタリル)(Cl)]、[Ni(アリル)(Cl)]、[Ni(CO)]、[Ni(PPh(CO)]、[Ni(NO]、[Ni(OH)]、[Ni(PPh]、[Ni(CFCOO)]、[Ni(SO)]、[Ni(2−エチルヘキサノエート)]、[Ni(P(OPh)]、[Ni(C15COO)]、[Ni(Cp)]、[Ni(PCy(Cl)]、[Ni(PMe(Cl)]、[Ni(PBu(Br)2]、及び[Ni(dppe)(Cl)]から選択される。
上記のパラジウム及びニッケル源並びにそれらの塩に使用される略語にいて、
dbaは、ジベンジリデンアセトンであり、
Cyは、シクロヘキシルであり、
CODは、1,5−シクロオクタジエンであり、
Phenは、フェナントロリンであり、
TMEDAは、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンであり、
Fcは、フェロセニルであり、
Cpは、シクロペンタジエニルである。
上記のパラジウム及びニッケル源、並びにそれらの塩の多くは市販されている。
好適なアルケンは、下記の一般式
Figure 2018515535
(式中、
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、C1〜12−アルキル、C2〜12−アルケニルであるか、又はR及びRは、それらが結合する炭素原子と一緒に、モノエチレン性、若しくはジエチレン性不飽和の、5〜8員の炭素環である)
のものである。
好適なアルケンは、例えば、エテン、プロペン、イソブテン、ブタジエン、ピペリレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、2−ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、又はスチレンである。本発明による方法において使用されるアルケンは、一般に、前記反応条件下で、気体又は液体である。
好ましい実施態様において、アルケンはエテンである。本発明による方法は、アクリレートを得ることを可能にする。
別の実施態様において、アルケンはピペリレンであり、ソルベートが得られる。
工程a)において、アルケンの分圧は、例えば、0.5〜200バール、好ましくは1〜100バール、特に2〜80バール、さらに好ましくは2〜60バール、最も好ましくは5〜50バールの範囲にある。
本明細書に示される全ての圧力は、絶対圧である。
本発明による方法の工程a)に使用されるCOは、気体、液体、又は超臨界形態で使用することができる。また、工業規模で利用可能な二酸化炭素含有ガス混合物を使用することも、それらが実質的に一酸化炭素を含まないのであれば可能である。
CO及びアルケンはまた、窒素又は希ガス等の不活性ガスを含んでもよい。しかしながら、有利には、それらの含有量は、反応器中の二酸化炭素及びアルケンの総量に基づいて、10モル%未満である。
工程a)において、二酸化炭素のアルケンに対するモル比は、0.1〜10、好ましくは0.5〜5である。一般的には、二酸化炭素及びアルケンは、1モルのアルケン当たり、0.1〜10、好ましくは0.5〜5モルの二酸化炭素のモル比で、工程a)で供給される。
アルコキシドの特定の構造は、極性及び非極性相中の、アルコキシド、及びアルコキシドの共役酸であるアルコール副産物の溶解性を決定する。極性及び非極性相中のアルコキシドの溶解性は、アルコキシドに含まれるアルキル及びシクロアルキル部分の、長さ、サイズ及び数量により制御され得る。
好ましくは、本発明の方法の工程a)は、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンの存在下で行われる。好ましいアルカリ金属カチオンは、Na、Li及びKである。好ましいアルカリ土類金属カチオンは、Mg2+及びCa2+である。前記カチオンは、反応媒体中に完全に溶解する必要がない。アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンは、例えば、アルコキシドのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩の形態で、アルコキシドと一緒に添加されてもよい。
カルボキシル化触媒の一部が活性金属(例えば、ニッケル)の酸化によって不活性化されることがある。前記不活性化は、方法の全体の効率を低下させる。この場合、還元剤を添加することができる。明らかに、還元剤は、酸化された活性金属の還元によって不活性化したカルボキシル化触媒を再活性化する。不活性化したカルボキシル化触媒を還元することができる任意の還元剤は、前記還元剤として好適である。好ましい還元剤は、H、Mg、Na及びZn、又はホスフィンである。
好ましい実施態様において、遷移金属錯体は、錯体型化合物の形態で、反応媒体の均一溶液中に存在する。
工程a)でアルケン及び二酸化炭素が反応される反応媒体は、好ましくは、反応媒体の総質量に基づいて、好ましくは0.1〜20000質量ppm、好ましくは1〜1000質量ppm、特に5〜500質量ppmの遷移金属を含む。
好ましくは、工程a)は、非プロトン性有機溶媒中で行われる。好適な非プロトン性有機溶媒は、原則として、(i)アルケンのカルボキシル化に関して化学的に不活性であり、(ii)その中にアルコキシド及びカルボキシル化触媒が良好な溶解性を有し、かつ、(iii)下記で挙げる極性溶媒中で、非混和性であるか、又は制限された混合性を有するものである。非プロトン性有機溶媒は、好ましくは、脂肪族、芳香族若しくは芳香脂肪族炭化水素、又はエーテル、例えばオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール、ブチル−フェニル−エーテル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン若しくはそれらの混合物である。
好ましくは、工程a)は、既定の温度及び既定の圧力で、ガス/液体反応又は液体/液体反応に適している反応器中で行われる。ガス−液体反応系に適する標準の反応器は、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry 2005,Wiley VCH Verlag GmbH & Co KGaA,DOI:10.1002/14356007.b04_087,第3.3章「ガス−液体反応のための反応器(Reactors for gas−liquid reactions)」中のK.D.Henkel,「反応器の種類及びそれらの産業用途(Reactor Types and Their Industrial Application)」に明記されている。例には、撹拌タンク反応器、管状反応器(tubular reactor)又は気泡塔(bubble column)が含まれる。
本発明による方法の工程a)は、連続的に又は不連続的に実行されてもよい。好ましくは、工程a)を連続的に実行する。
不連続の工程a)において、配位子、例えば遷移金属源の形態で存在してもよい遷移金属、アルコキシド、二酸化炭素及びアルケンを反応器中に供給する。好ましくは、二酸化炭素及びガス状アルケンを、所望の圧力で反応器中に入れる。反応が減速した後、圧力を低下してもよい。
工程a)は、例えば、1〜300バール、好ましくは、3〜200バール、特に5〜150バールの範囲の全圧で行われてもよい。工程a)は、例えば、20〜250℃、特に40〜200℃、好ましくは50〜190℃、さらに好ましくは60〜180℃、最も好ましくは70〜180℃の範囲の温度で行われてもよい。
アルケンと、二酸化炭素と、カルボキシル化触媒と、アルコキシドとの良好な混合を達成するために、工程a)において好適な装置を使用することができる。このような装置は、1つ以上のスターラを備え、バッフル(baffle)を備えるか、若しくは備えなく、充填(packed)若しくは非充填(unpacked)気泡塔、充填若しくは非充填フローチューブを備えるか、又は備えなく、静的ミキサを備えるか、又は備えない機械的攪拌装置、又はこのようなプロセス工程において当業者に知られている他の有用な装置であってもよい。バッフル及び遅延構造(delay structure)の任意の使用は、本発明による方法に明確に含まれている。
CO、アルケン及びアルコキシドは、一緒に又は空間的に別々に、工程a)に供給することができる。このような空間的分離は、例えば攪拌タンク内で、2つ以上の別個の注入口を用いる簡単な方法で、達成することができる。1つ以上のタンクが使用される場合、例えば、異なるタンクに、異なる媒体を充填してもよい。
時間に関する、CO及びアルケンの添加の分離は、本発明による方法の工程a)においても可能である。このような時間的な分離は、例えば、撹拌タンク内で、反応物の充填を交互に行うことによって達成することができる。フローチューブ又はその類似の装置を使用する場合、このような充填は、例えばフローチューブ中の異なる部位で行うことができる;このような添加部位の変化は、滞留時間の関数として反応物を添加するエレガントな方法である。
本発明による方法の工程a)において、CO、アルケン及びアルコキシドを別々に反応中に供給する必要はない。
1つ以上の非混和性又は部分的にしか混和しない液相を使用することができる。超臨界媒体及びイオン性液体の任意の使用、並びに、そのような状態の形成を促進させる条件の確立は、本発明の方法の工程a)に明確に組み込まれている。相間移動触媒作用(phase transfer catalysis)の任意の利用、及び/又は界面活性剤の使用は、本発明による方法の工程a)に組み込むことができる。本発明による方法の工程a)において、アルケン及び二酸化炭素を反応させる場合、アルコキシドは、化学量論的に消費される。アルコキシドは、アルコキシドの共役酸であるアルコール副産物を得るように、プロトン化される。
一般的には、本発明による方法に使用されるアルコキシドの量は、反応器中の反応媒体の全体に基づいて、5〜95質量%、好ましくは20〜60質量%、最も好ましくは5〜25質量%である。
工程a)において、アルコキシ化触媒に基づく準化学量論量で、アルコキシドを使用することは可能である。アルコキシドの準化学量論量を使用する場合さえでも、アルコキシドが下記のように工程a)に再生及び再循環されれば、触媒の濃度に基づいて、過剰のα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を得ることが可能である。
本発明による方法の工程b)において、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩が富化した第1の液相、及びカルボキシル化触媒が富化した第2の液相を得るように、工程a)で得られた粗反応生成物の少なくとも一部を極性溶媒と接触させる。
「富化した」という用語は、それぞれのカルボキシル化触媒及びα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩の分配係数Pが1を超えること意味すると理解される。
Figure 2018515535
分配係数Pは、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは100以上、最も好ましくは1000以上、例えば10000以上である。
分配係数Pは、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは100以上、最も好ましくは1000以上、例えば10000以上である。
工程b)において、アルコール副産物は、第1又は第2の液相中で富化することができる。
工程c)において、第1の液相中に含まれるアルコール副産物のみを留去し、その後、任意の工程d)において、その後に工程a)に再循環することができるアルコキシドを再生するために、アルカリ性材料と接触させる。
以下でさらに詳細に説明するように、第2の液相に含まれるアルコール副産物からアルコキシドを再生するか、又は行わずに、第2の液相は工程a)に再循環することができる。アルコール副産物の低い割合しか第2の液相に含まれない場合、例えば、アルコキシドを再生しないで、第2の液相を工程a)に再循環する。アルコール副産物の低い割合しか第2の液相に含まれない場合、特に、第1の液相に含まれるアルコール副産物のみ(工程c)及びd)により)を再生したアルコキシドの形態で工程a)に再循環することは十分である。
したがって、かなりの割合のアルコール副産物が工程b)で得られた第1の液相に含まれる場合は好ましい。本発明によれば、少なくとも5質量%のアルコール副産物、好ましくは、少なくとも10質量%のアルコール副産物、特に少なくとも15質量%のアルコール副産物、最も好ましくは少なくとも20質量%のアルコール副産物は、第1の液相に含まれている。
工程b)における触媒からのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩の迅速な分離のため、二酸化炭素及びアルケンへの分解を伴う逆反応が抑制される。さらに、触媒が第2の液相に保持されるので、活性金属の損失は低い。
好ましくは、第2の液相の主成分は、上記の非プロトン性有機溶媒である。
一般的には、カルボキシル化触媒は、所望の触媒の分配係数が計画されたプロセス条件下で実験で決定される簡単な実験によって選択される。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩が良好な溶解性を有し、第2の液相と、例えば上記の非プロトン性有機溶媒との混合性がないか、又はごく僅かな混合性を有し、かつ、カルボキシル化触媒が富化した、任意の極性溶媒は好適である。極性溶媒は、該極性溶媒が第1の液相中で富化した形態で存在するように選択される。「富化した」という用語は、両方の液相中の極性溶媒の総量に基づいて、第1液相中の極性溶媒の50質量%を超える質量割合を意味すると理解される。該質量割合は。好ましくは90%を超え、より好ましくは95%を超え、最も好ましくは97%を超える。一般的には、極性溶媒は、2つの液相中の極性溶媒の部分がプロセス条件下で実験で決定される簡単なテストによって選択される。
極性溶媒として好適である物質類は、水、アルコール、ジオール及びそれらのカルボン酸エステル、ポリオール及びそれらのカルボン酸エステル、スルホン、スルホキシド、開鎖又は環状のアミド、並びに上記の物質類の混合物である。
好適なアルコールの例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール及びブタノールが挙げられる。好適なジオール及びポリオールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール及びグリセロールが挙げられる。
好適なスルホキシドの例としては、ジアルキルスルホキシド、好ましくはC〜C−ジアルキルスルホキシド、特にジメチルスルホキシドが挙げられる。
好適な開鎖又は環状のアミドの例としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトアミド及びN−メチルカプロラクタムが挙げられる。
好ましくは、極性溶媒は、1バールの圧力で150℃未満の沸点を有する極性溶媒から選択される。
好ましい実施態様において、極性溶媒は水性相又はアルコールである。特に好ましい実施態様において、極性溶媒は、少なくとも90質量%の水、例えば少なくとも95質量%の水を含む。
第1の液相を除去るために、例えば、から第1の液相のみをカルボキシル化反応器の外に導出し、第2の液相をカルボキシル化反応器中に残ってもよい。
あるいは、液体−液体混合相流をカルボキシル化反応器の外に導出してもよい。好ましくは、粗反応生成物をカルボキシル化反応器の外に導出し、その後にこの粗反応生成物を極性溶媒と接触させる。その後、カルボキシル化反応器の外にある好適な装置中で、液体−液体分離を行うことができる。
工程b)において、2つの液相は、一般に重量相分離(gravimetric phase separation)で分離される。この目的のための好適な例は、例えば、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,2005,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,DOI:10.1002/14356007.b03_06,第3章「装置(Apparatus)」中のE.Mueller et al.,「液体−液体分離(Liquid−Liquid Extraction)」に見出される標準装置及び標準方法である。一般的には、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を有する第1の液相はより重く、下相(lower phase)を形成する。
超臨界媒体及びイオン性液体、並びに、そのような状態の形成を促進させる条件の確立は、相分離に適用されてもよい。好ましくは、第1の液相と第2の液相との分離は、温度及び/又は圧力の変化により促進される。
液体−液体抽出は、この目的に適する全ての装置、例えば撹拌容器、抽出器(extractor)、又はパーコレーター(percolator)で実行することができる。
工程b)は、連続的に又は不連続的に実行されてもよい。好ましくは、連続的に実行する。
工程b)は、例えば、工程a)と同様の全圧又はより低い全圧で実行されてもよい。好ましくは、工程b)は、工程a)より低い全圧で実行される。工程a)から得られた粗反応生成物は、例えば、それを工程b)に直接に入れる前に、減圧容器中で減圧されてもよい。減圧の間に粗反応生成物から放出される任意のガス、すなわち、CO及び任意にアルケンは、好ましくは、プロセス中に、特に工程a)中に再循環される。好ましくは、工程b)は、0.01〜20バール、例えば0.1〜10バールの範囲の全圧で実行される。
本発明による方法の工程c)において、アルコール副産物は、第1の液体から留去される。これは、大部分のアルコール副産物、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、特に少なくとも97%、最も好ましくは99%の、工程c)に供給される第1の液相に含まれるアルコール副産物を含む、第1の留分(distillation fraction)を提供する。
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩が蒸留残留物として得られるように、工程c)に供給される第1液相からのアルコール副産物及び極性溶媒の両方を留去することは好ましい。したがって、工程c)において、少なくとも一部の極性溶媒は、第1の液体相から留去される。これは、大部分の極性溶媒、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、特に少なくとも97%、最も好ましくは99%の、工程c)に供給される第1の液相に含まれる極性溶媒を含む、第2の留分を得る。
工程c)は、例えば、トレイ(trays)又は充填材料を含んでもよい蒸留カラムを備える蒸留ユニットで実行されてもよい。第1の液相を蒸留ユニットに供給し、そこで第1の液相を加熱する及び/又は減圧に曝す。第1の留分及び第2の留分は、異なる沸点を有し、異なるレベルで蒸留塔から放出される。
工程c)における圧力は、例えば0.0001〜10バール、好ましくは0.001〜5バール、最も好ましくは0.01〜2バールの範囲にある。極性溶媒も、蒸留圧力でアルコール副産物の沸点より高い温度で留去される場合、蒸留カラムの底部の温度は、好ましくは、蒸留圧力でアルコール副産物の沸点より高い温度によく維持される。蒸留カラムの底部の温度は、例えば60〜200℃、好ましくは80〜180℃の範囲にある。
工程c)は、連続的に又は不連続的に実行されてもよい。好ましくは、連続的に実行する。
好ましくは、工程c)で回収された極性溶媒は、工程b)における極性溶媒として使用される。第2の留分、すなわち、大部分の極性溶媒を含む留分は、例えば、第2の留分のさらなるワークアップをしないで、工程b)における極性溶媒として使用されてもよい。
本発明による好ましい方法は工程d)を含み、ここで、アルコキシドを再生するために、工程c)で回収されたアルコール副産物の少なくとも一部がアルカリ性材料と接触される。工程d)において、アルコール副産物を脱プロトン化することができ、こうしてアルコキシドを再生するアルカリ性材料を、アルコール副産物と反応させつことにより、アルコキシドは再生される。
アルコール副産物は、カルボキシル化反応器の外で得られる留分中に含まれる。したがって、それは、カルボキシル化反応器の外で、すなわち、低い二酸化炭素の分圧でアルカリ性材料と接触することができる。アルケンと二酸化炭素の間の反応の条件下で、すなわち、高い二酸化炭素の分圧で不活化される求核アルカリ性材料は、したがって、アルコキシドを再生するために使用されてもよい。これらのアルカリ性材料の一部が、他の求核性の低いアルカリ性材料より安価であるので、これは有利である。
工程d)で使用されるアルカリ性材料は、好ましくはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、アルカリ金属酸化物又はアルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物、及びそれらの混合物から、特にLi、Na、K、Ca、LiO、NaO、KO、CaO、LiOH、NaOH、KOH、Ca(OH)及びそれらの混合物から選択される。
工程d)で使用することができる他のアルカリ性材料は、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の、水素化物、アミド、ホスフィド、シラノレート、アルキル及びアリールから選択される。これらは、アルコール副産物に対して、同様に又はさらに反応性であるが、前述した好ましいアルカリ性材料より、取り扱いがより困難で、及び/又は高価である。
好適なアルカリ金属水素化物又はアルカリ土類金属水素化物は、例えば水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化マグネシウム及び水素化カルシウムである。
好適なアルカリ金属アミド又はアルカリ土類金属アミドは、例えばLiNH、NaNH、KNH、LiNMe、LiNEt、LiN(iPr)、NaNMe、NaNEt、NaN(iPr)、KNMe、KNEt、KN(iPr)(Me=メチル;Et=エチル;iPr=イソプロピル)である。好適なアミドには、シリコン含有アミド、例えばナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)、又はリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)も含まれる。
好適なアルカリ金属ホスフィド又はアルカリ土類金属ホスフィドは、例えば式MPR101 (式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の等価物であり、R101はC1〜12−アルキル、又はC6〜10−アリールである)のもの、例えばKPPh又はNaPPh(Ph=フェニル)である。
好適なアルカリ金属シラノレート又はアルカリ土類金属シラノレートは、例えば、式MOSi(C1〜4−アルキル)(式中、Mは、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属の等価物である)のもの、例えばNaOSiMeである。
好適なアルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルキル又はアリールは、例えば、リチウムアルキル化合物及びリチウムアリール化合物、例えばメチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フェニルリチウム(ベンゼン環が任意の位置で置換基(例えば、OCH、CHNMe、CONR)を有してもよい)、シクロヘキシルリチウム(シクロヘキシル環が、ヘテロ原子(例えば、O、N、S)を含んでもよい)、エチルリチウム、リチウムペンタジエニル、リチウム2−フラニル、リチウム2−チオフェニル、リチウムエチニルである。シクロペンタジエニルナトリウム等のアルキルナトリウム化合物及びアリールナトリウム化合物も好適である。
好適なアルカリ土類金属のアルキル及びアリールは、一般式R102MgX(式中、R102は、アルキルリチウム、及びアリールリチウム化合物用に上記で挙げたアルキル、及びアリール残基の1個でもよく、Xは、F、Cl、Br、又はIでもよい)のマグネシウムアルキル化合物、及びアリールマグネシウム化合物(グリニャール試薬(Grignard reagents))を含む。
アルカリ性材料が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、例えばナトリウム、リチウム又はカリウム、特にナトリウムから選択される場合、アルコール副産物の脱プロトン化は酸化還元反応に伴う。アルカリ金属又はアルカリ土類金属は、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンに酸化され、アルコール副産物の酸素と結合しているプロトンは水素に還元される。
好ましくは、アルコキシドの再生は、液相又は超臨界相で、0.0001〜150バール、好ましくは0.001〜100バール、より好ましくは0.001〜60バールの範囲の圧力で行われる。温度は、例えば−20〜300℃、好ましくは20〜250℃、より好ましくは40〜200℃の範囲であってもよい。
好ましい実施態様において、特にアルカリ性材料がアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物から選択される場合、工程d)で水を除去する。水の除去は、例えば、水を蒸発すること、例えば蒸留によって達成される。したがって、好ましくは、工程d)は、第2の蒸留ユニットで実行される。アルカリ金属又はアルカリ土類金属水酸化物をアルカリ性材料として使用する場合、アルコキシドの再生は、副産物として生成される水の連続的除去が必要とする。例えば、副産物として生成される水の連続的除去は、蒸発又は水の留去、例えば、例えばFalbe,J.,Bahrmann,H.,Lipps,W.,Mayer,D.及びFrey,G.D.2013,Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,DOI:10.1002/14356007.a01_279の第4.2章、又はDE 968 903に記載されているように、例えばベンゼン、トルエン又はアルコール副産物自身を用いて、水の共沸蒸留によって、達成される。
工程d)は、連続的に又は不連続的に実行されてもよい。好ましくは、連続的に実行する。
本発明による好ましい方法において、工程d)で得られた再生のアルコキシドの少なくとも一部は、工程a)に再循環される。カルボキシル化触媒が富化した第2の液相は、工程a)に、例えばカルボキシル化反応器中に再循環することができる。
第2の液相は、さらなるワークアップ工程で又はさらなるワークアップ工程がないで、工程a)に再循環されてもよい。さらなるワークアップは、乾燥すること、すなわち、第2の液相に含まれる水を除去すること、及び/又は第2の液相をアルカリ性材料と接触させることによって第2の液相に含まれるアルコール副産物からアルコキシドを再生することを含んでもよい。
第1の液相と第2の液相との間のアルコール副産物の分布は、アルコール副生成物の構造、及び工程b)で得られた第1の液相及び第2の液相の具体的な組成に依存する。
したがって、第2の液相を工程a)に再循環させる前に、一部のアルコキシドは、上記で説明したように、第2の液相をアルカリ性材料と接触させることによって、第2の液相に含まれるアルコール副産物から再生されてもよい。アルコール副産物の相対的高い割合が第2の液相中に存在する場合、特に工程a)で得られたアルコール副産物の90%以上が工程b)で得られた第2の液相中に存在する場合、これは特に有利である。
あるいは、第2の液相に含まれるアルコキシドの再生がないで、第2の液相を工程a)に再循環させる。例えば少なくとも5質量%のアルコール副産物、好ましくは少なくとも0質量%のアルコール副産物、特に少なくとも15質量%のアルコール副産物、最も好ましくは少なくとも20質量%のアルコール副産物が第1の液相に含まれる場合、この代替手段は有利である。極性溶媒及び非プロトン性有機溶媒が、アルコール副産物が第1の液相中で富化するように選択される場合、例えば少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%の工程a)で得られたアルコール副産物が工程b)で得られた第1の液相に含まれる場合、この代替手段は特に有利である。
第2の液相をアルカリ性材料と接触させることによってアルコキシドを再生する実施態様において、アルカリ性材料は、例えば、第2の液相に添加することができる。
以下、実施例を参照して本発明をより具体的に説明する。
実施例において、以下の略語を使用する:
Ni(COD) ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)
THF テトラヒドロフラン
TON 遷移金属に関する回転数(turnover number)
実施例1
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.093g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、1.1g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。有機相、すなわち、第2の液相は、カルボキシル化触媒を含有し、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコート(aliquot)を得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。60のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。H−NMRスペクトルには、前記水性相(=上記した第1の液相)がα,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩(アクリル酸ナトリウム)、第3級ブタノール副産物及び水を含有することを示した。真空で、全ての揮発性物質を前記水性相から除去し、残留物としての所望のアクリル酸ナトリウムを得た。該残留物をDO中に溶解し、第2のH−NMRスペクトルを検出した。第3級ブタノール副産物に含まれるメチルプロトンの共鳴は、第2のH−NMRスペクトルに存在しなかった。このことは、水性溶媒を蒸発した場合、第3級ブタノール副産物が定量的に除去されたことを示す。
実施例2
30mLのTHF中の、Ni(COD)(0.2mmol、0.056g)、(R,R)−(+)−1,2−ビス(ジ−t−ブチルメチルホスフィノ)ベンゼン(0.22mmol、0.062g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、1.1g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で5バールのエテン及び10バールのCO(15バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。80℃で22時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。14のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例3
30mLのアニソール中の、Ni(PPh(0.22mmol、0.221g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。10のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例4
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(20mmol、1.92g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。88のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例5
30mLの水で飽和したアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(11mmol、1.1g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。56のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例6
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.01mmol、0.012g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.011mmol、0.005g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(20mmol、0.960g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で65時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。90のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例7
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.001mmol、0.001g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.0011mmol、0.001g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で65時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。100のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例8
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.2mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.22mmol、0.058g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。80℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。22のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例9
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.2mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.22mmol、0.193g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。80℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。10のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例10
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.2mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.22mmol、0.142g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。80℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。3のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例11
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.2mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.22mmol、0.120g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。80℃で20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。5のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例12
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、ナトリウムtert−ブトキシド(11mmol、1.1g)、及び1,3−ブタジエン(トルエン中1.5M、10mL)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で20バールのCOを15分間にわたって入れた。100℃で3時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。60のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例13
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、ナトリウムtert−ブトキシド(11mmol、1.1g)、及び1−ヘキセン(30mmol、3.8mL)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で20バールのCOを15分間にわたって入れた。100℃で3時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。13のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例14
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.093g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(11mmol、1.1g)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、25℃で、攪拌しないで7バールのプロピレンを3分間いれ、800rpmで攪拌しながら20バールのCOを15分間にわたって入れた。100℃で3時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。16のTON(1.7n/i及び2.0 E/Z比)をH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例15
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、ナトリウムtert−ブトキシド(11mmol、1.1g)、及びスチレン(30mmol、3.5mL)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で20バールのCOを15分間にわたって入れた。100℃で3時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。5のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例16
30mLのアニソール中の、Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、ナトリウムtert−ブトキシド(11mmol、1.1g)、及びシクロペンテン(30mmol、2.7mL)を、グローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で20バールのCOを15分間にわたって入れた。100℃で3時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLのガラス瓶に移した。15mLのDOを用いて、オートクレーブ容器中の残留物を回収し、前記ガラス瓶に移した。この二相混合物に、3−(トリメチルシリル)プロピオン−2,2,3,3−d酸ナトリウム塩(0.13mmol、0.0216g)を添加し、さらなる10mLのDOを前記ガラス瓶に添加した。相分離を有利にするために、40mLのEtOを混合物に添加した。カルボキシル化触媒を含有する、有機相、すなわち、第2の液相は、再循環することができる。水性相、すなわち、第1の液相から、アリコートを得、遠心分離し、H−NMRにより分析した。6のTONをH−NMR(200 MHz、70スキャン)により決定した。
実施例17
Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、960mg)をグローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。前記固体混合物を30mLのアニソール中に溶解した。
オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で800rpmで20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、前記オートクレーブを再び前記グローブボックス中に入れた。反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLの磁気バーを備えるシュレンク管に移した。グローブボックスの外側に、30mLの脱気水を注射器により添加した。アクリル酸ナトリウムの溶解を有利にするために、混合物を室温で10分間攪拌し、2つの相を2分間安定した。水相を、他の実施例に記載されているように分析し、60のTONを達成した。有機相を再び前記グローブボックス中に入れ、マイクロフィルターにより濾過し、予めナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)及びZn(1mmol)を添加した60mLの鋼製オートクレーブに移した。その後、オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で800rpmで20時間攪拌した後、反応を精製し、上述したように分析し、25のTONを達成した。
実施例18
Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、960mg)をグローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。前記固体混合物を30mLのアニソール中に溶解した。
オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で800rpmで20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、前記オートクレーブを再び前記グローブボックス中に入れた。反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLの磁気バーを備えるシュレンク管に移した。グローブボックスの外側に、30mLの脱気水を注射器により添加した。アクリル酸ナトリウムの溶解を有利にするために、混合物を室温で10分間攪拌し、2つの相を2分間安定させた。水相を、他の実施例に記載されているように分析し、60のTONを達成した。有機相を再び前記グローブボックス中に入れ、マイクロフィルターにより濾過し、予めZn(1mmol)を添加した60mLの鋼製オートクレーブに移した。前記グローブボックスの外側に、前記オートクレーブを20バールのCで加圧し、800rpmで1.5時間攪拌した。その後、圧力を解放し、前記オートクレーブを再び前記グローブボックス中に入れた。固体混合物を濾過し、予めナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を添加した60mLの鋼製オートクレーブに移した。前記グローブボックスの外側に、前記オートクレーブを25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)でそれぞれ15分間にわたって加圧した。145℃で800rpmでさらに20時間攪拌した後、反応を精製し、上述したように分析し、18のTONを達成した。
実施例19
Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、960mg)をグローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。前記固体混合物を30mLのアニソール中に溶解した。
オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で800rpmで20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、前記オートクレーブを再び前記グローブボックス中に入れた。反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLの磁気バーを備えるシュレンク管に移した。グローブボックスの外側に、30mLの脱気水を注射器により添加した。アクリル酸ナトリウムの溶解を有利にするために、混合物を室温で10分間攪拌し、2つの相を2分間安定させた。水相を、他の実施例に記載されているように分析し、60のTONを達成した。有機相を再び前記グローブボックス中に入れ、60mLの鋼製オートクレーブに移した。前記グローブボックスの外側に、前記オートクレーブを30バールのCで加圧し、800rpmで1.5時間攪拌した。その後、圧力を解放し、前記オートクレーブを再び前記グローブボックス中に入れた。固体混合物を濾過し、予めナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を添加した60mLの鋼製オートクレーブに移した。前記グローブボックスの外側に、前記オートクレーブを25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)でそれぞれ15分間にわたって加圧した。145℃で800rpmでさらに20時間攪拌した後、反応を精製し、上述したように分析し、18のTONを達成した。
実施例20
Pd(PPh(0.22mmol、0.234g)、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(0.20mmol、0.0929g)、及びナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、960mg)をグローブボックス中の60mLの鋼製オートクレーブに入れた。前記固体混合物を30mLのアニソール中に溶解した。
オートクレーブをグローブボックスから取り出し、800rpmで攪拌しながら、25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)をそれぞれ15分間にわたって入れた。145℃で800rpmで20時間攪拌した後、オートクレーブを20℃まで冷却し、圧力を解放し、前記オートクレーブを再び前記グローブボックス中に入れた。反応混合物、すなわち、粗反応生成物を100mLの磁気バーを備えるシュレンク管に移した。グローブボックスの外側に、30mLの脱気水を注射器により添加した。アクリル酸ナトリウムの溶解を有利にするために、混合物を室温で10分間攪拌し、2つの相を2分間安定した。水相を、他の実施例に記載されているように分析し、60のTONを達成した。有機相を再び前記グローブボックス中に入れた。固体混合物を濾過し、予めナトリウムtert−ブトキシド(10mmol、0.960g)を添加した60mLの鋼製オートクレーブに移した。前記グローブボックスの外側に、前記オートクレーブを25℃で10バールのエテン及び20バールのCO(30バールの全圧)でそれぞれ15分間にわたって加圧した。145℃で800rpmでさらに20時間攪拌した後、反応を精製し、上述したように分析し、15のTONを達成した。
結果には、本発明の方法において、CO及びアルケンからα,β−エチレン性不飽和カルボン酸誘導体の効率的な触媒調製が達成されること、並びに、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩が触媒及びアルコール副産物から容易に分離することができることを示す。また、結果には、カルボキシル化触媒を含む第2の液相がカルボキシル化反応に再循環することができることを示す。

Claims (17)

  1. α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩を製造するための触媒法であって、
    a)アルケン及び二酸化炭素を、カルボキシル化触媒、及び[O]基に直接結合する第2級又は第3級の炭素原子を有するアルコキシドと接触させ、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩、及びアルコキシドの共役酸であるアルコール副産物を含む粗反応生成物を得、
    b)少なくとも一部の前記粗反応生成物を極性溶媒と接触させ、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸塩が富化した第1の液相、及びカルボキシル化触媒が富化した第2の液相を得、
    c)前記第1の液相から、アルコール副産物を留去する、
    触媒法。
  2. d)工程c)で回収された前記アルコール副産物の少なくとも一部をアルカリ性材料と接触させ、アルコキシドを再生する、
    請求項1に記載の触媒法。
  3. 工程d)で得られた前記アルコキシドの少なくとも一部を、工程a)に再循環させる、請求項2に記載の触媒法。
  4. 工程b)で得られた前記第2の液相の少なくとも一部を、工程a)に再循環させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の触媒法。
  5. 前記極性溶媒が、1バールの圧力で150℃未満の沸点を有する極性溶媒から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の触媒法。
  6. 前記極性溶媒が少なくとも90質量%の水を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の触媒法。
  7. 工程c)において、前記極性溶媒の少なくとも一部を、前記第1の液相から留去する、請求項5又は6に記載の触媒法。
  8. 工程c)で回収された前記極性溶媒を、工程b)において極性溶媒として使用する、請求項7に記載の触媒法。
  9. 非プロトン性有機溶媒中で、工程a)を行う、請求項1から8のいずれか一項に記載の触媒法。
  10. 前記非プロトン性有機溶媒が、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソール、ブチル−フェニル−エーテル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン又はそれらの混合物である、請求項10に記載の触媒法。
  11. 工程a)において、二酸化炭素の分圧を1バールを超えるように維持する、請求項1から10のいずれか一項に記載の触媒法。
  12. 前記アルコキシドが、アルカリ金属アルコキシド及びアルカリ土類金属アルコキシドから選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の触媒法。
  13. 前記アルコキシドがナトリウムtert−ブトキシドである、請求項1から12のいずれか一項に記載の触媒法。
  14. 工程a)において、温度が70℃〜180℃の範囲にある、請求項1から13のいずれか一項に記載の触媒法。
  15. 前記カルボキシル化触媒が、二座P,X配位子を含むニッケル錯体又はパラジウム錯体であり、ここで、XがP、N、O及びカルベンからなる群から選択され、P及びX原子が、2〜4個の架橋原子を含む二価リンカーによって離される、請求項1から14のいずれか一項に記載の触媒法。
  16. 前記P,X配位子が、式(IId−1)

    R16R17P-(CR18H)e-PR16R17
    (IId-1)
    (式中、
    16及びR17は、それぞれ独立して、1〜20個の炭素原子を有する、非分岐又は分岐の、非環状又は環状の脂肪族残基であり、
    eは、2、3又は4であり、
    18は、独立して、H、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C10−シクロアルキル、C〜C10−シクロアルコキシ、C〜C10−アリール及びC〜C10−アリールオキシから選択される)
    のP,P配位子である、請求項15に記載の触媒法。
  17. 前記アルケンがエテンであり、前記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸がアクリル酸である、請求項1から16のいずれか一項に記載の触媒法。
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