JP5802447B2 - 基板の半導体層にドープ領域を形成する方法および該方法の使用 - Google Patents

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Description

本発明は、第1請求項の序文に係る、基板の半導体層にドープ領域を形成する方法に関する。本発明はまた、かかる方法の使用に関する。
基板の半導体層にドープ領域を形成する方法は、当業者に既に知られている。
例えばn型シリコン光電池では、p型ドーピング元素、例えばホウ素またはアルミニウムを使用することによって、エミッタを実現することができる。優れた太陽電池の効果は、エミッタ形成プロセスに対してホウ素拡散を使用することによって得てきた。しかしながら、スクリーン印刷したアルミニウムペーストをベルト焼成し、Al合金化によってエミッタを形成することは、優れた代替である。これは、チューブ炉で行うホウ素拡散と比較して、より単純なアプローチが可能だからである。さらに、大きな知識ベースがこの種のプロセスのために利用できる。これは、アルミニウムペーストのスクリーン印刷および焼成が、p型光電池のための裏面電界(BSF)形成に工業的に使用されるからである。
しかしながら、スクリーン印刷および焼成によるAl合金化は、ドープ領域に不連続部(discontinuities)をもたらす。これは、合金化プロセスに関するものであり、ペースト粒子に起因するアルミニウムのシリコンウエハとの合金化作用は、Alとシリコンとが密接に接触した点で局所的に開始する。p型電池に関して、論文(F. Huster, "Investigation of the alloying process of screen printed aluminium pastes for the BSF formation on silicon solar cells", 20th European Photovoltaic Solar Energy Conference, 2005, page 1466)において、不連続部を有しない閉じたBSFを達成するためには、最大焼成温度で、表面上に閉じた液体Al−Si層を設けることが必要であることが報告されている。それゆえに、最小6mg/cmのアルミニウムペーストの堆積量が要求される。BSFの形成のための、スクリーン印刷および焼成を含むAl合金化プロセスをp型電池に使用する場合、ドープ領域における不連続部は、裏面再結合速度をより大きくできる。
しかしながら、n型シリコン光電池のエミッタ形成のために、アルミニウムのスクリーン印刷および焼成プロセスを使用する場合、該プロセスは、さらに最適化される必要がある。このプロセスを使用してAl合金化エミッタ領域をn型電池上に形成する場合、プロセスパラメータ、例えばペーストの量および焼成条件は、さらに重要である。接合部におけるいずれかの不連続部が、電池にシャントパス(shunt path)をもたらすことがあり、電池の変換効率を大きく減少させる。
n型光電池でのスクリーン印刷および焼成によるAl合金化エミッタの形成に関連する研究は、シャントパスの問題(接合部での不連続部によって生じる)は、最大7.5mg/cmの量のスクリーン印刷Alペーストを使用する場合であっても存在する、ということを示している。スクリーン印刷ペーストの費用は、電池プロセスの総費用の重要な部分を占めるので、必要となるより多くの量のペーストにより、電池の費用が増加することになる。さらに、より多くの量のスクリーン印刷ペーストは、より大きい電池の反りにつながる。このことは、非常に薄い基板上に電池を作成する場合は、さらに重要であるだろう。
近年、スクリーン印刷したAlペーストを焼成することによって形成したAl合金化エミッタを有するn型シリコン光電池における接合部の不連続部は、焼成条件を最適化することによって減少している(論文:Ly Mai et al, "Improved process for the formation of Al-alloyed emitter in n-type solar cells", 18th Int. Photovoltaic Science Engineering Conf., India, Jan. 2009)。該最適化プロセスは、接合部の不連続部の影響を最小化するための、従来の標準的なスパイク焼成後の低温固体相のエピタキシャル成長プロセスを含む。
それゆえに、本発明の目的は、ドープ領域における不連続部に対するリスクを増加させないで、ドーピング元素ペーストの量を減少させることである。
これは、第1請求項の特徴記載部分に係る方法に従って達成される。
さらに、高純度のドーピング元素層が、半導体層に付与された後、ペースト層は該ドーピング元素層にスクリーン印刷される。
かかる方法により、後で説明するように、ドープ領域で不連続部に対するリスクを増大させないで、ドーピング元素ペーストの量を減少させることができることを見出した。
特定の発明の態様が、シリコン基板、またはAl合金化により得られる基板のシリコン層にドープ領域を形成するための方法に関し、該方法は、Al含有ペーストのスクリーン印刷およびそれに続くペースト焼成を含み、該方法は、少量、例えば5mg/cm以下のAl含有ペーストを使用する場合であっても、不連続部が先行技術の方法と比較して実質的に減少した状態で、良質のドープ領域を形成することを可能にする。好都合なことに、一態様に係る方法が、p型シリコンのAl合金化、例えばp型光電池におけるBSF形成に使用可能である。好都合なことに、一態様に係る方法が、例えばn型光電池におけるエミッタ領域の形成のために、n型シリコンのAl合金化に使用可能である。
一態様に係る方法の利点は、Al含有ペーストの量を、先行技術の方法と比較して減少させることができ、したがってより費用効率の高いプロセスにつながり、また、電池の反りを減少させることができることである。
発明の一態様は、ドーピング元素との合金化によって、例えばアルミニウム合金化によって、半導体、例えばシリコン基板にドープ領域(または複数のドープ領域)を形成する方法に関し、該方法は、ドーピング元素、例えばアルミニウム層をシリコン基板に設けること、ドーピング元素、例えばアルミニウムを含有するペーストの層をドーピング元素層、例えば純粋なアルミニウム層にスクリーン印刷すること、およびペースト焼成ステップを実施することを含む。この出願においては、ドーピング元素含有ペースト、例えばアルミニウム含有ペーストをドーピング元素ペーストと呼ぶ。
一態様において、高純度のドーピング元素層、例えば高純度アルミニウム層は、99.9%より高い純度を有する層である。かかる高純度ドーピング元素層、例えばアルミニウム層は、例えばスパッタリング、イオンビーム蒸着、熱蒸着のような物理的気相成長法、または例えばALD(原子層堆積)のような化学的気相成長法によって設けることができる。高純度ドーピング元素層、例えば高純度アルミニウム層の厚さは、好ましくは約3マイクロメートル未満であり、例えばおよそ0.2マイクロメートル〜2マイクロメートルの範囲内にあり、例えばおよそ0.2マイクロメートル〜1マイクロメートルの範囲内にある。
一態様にかかる方法において、半導体基板、例えばシリコン基板は、例えば単結晶基板または多結晶基板でもよい。しかしながら、本開示はそれに限定されない。n型基板の場合、例えば光電池のpn接合を形成する方法が使用可能である。p型基板の場合、光電池のBSF(裏面電界)領域を形成する方法が使用可能である。
ドーピング元素、例えばアルミニウムを含有するペーストの層をスクリーン印刷することは、約10mg/cm未満、好ましくは約7mg/cm未満、例えば約2mg/cm〜約5mg/cmの範囲の量のペーストをスクリーン印刷することを含んでもよい。
ペースト焼成ステップは、ベルト炉内で実行してもよく、例えば基板(アルミニウム層およびアルミニウムペーストを有する)を、約870℃〜1000℃の範囲、例えば約900℃〜970℃の範囲の温度まで加熱することを含んでもよい。
本発明の好ましい実施形態に従って、ドーピング元素層は、ペースト層と半導体層との間に挟持される。
本発明の好ましい実施形態に従って、ドーピング元素層は、ペースト層および半導体層と直接接触する。
特定の目的および利点を上記に記載してきた。もちろん、必ずしもかかる目的または利点のすべてを、本開示の特定の実施形態に従って達成することができるわけではない。したがって、例えば当業者は、ここで教示または提案されるような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、ここで教示されるような一利点または利点の集まりを、達成または最適化する方法で、具体化または実行してもよいことを理解するであろう。さらに、この発明の概要は、単に発明の例示にすぎず、本開示の範囲を限定することを意図していると理解すべきでない。組織化および動作方式の両方、並びにそれらの特長および利点に
関する本開示は、添付の図面と関連させて解釈される場合、次の詳細な説明を参照して理解されるであろう。
n型のAl合金化エミッタの後面接合光電池の概略図(断面図)である。 Al合金化エミッタを有する電池に対して測定した光電池パラメータを、さまざまな合金化方法に対して、使用したアルミニウムペーストの量の関数として示す。 Al合金化エミッタを有する電池に対して測定した光電池パラメータを、さまざまな合金化方法に対して、使用したアルミニウムペーストの量の関数として示す。 Al合金化エミッタを有する電池に対して測定した光電池パラメータを、さまざまな合金化方法に対して、使用したアルミニウムペーストの量の関数として示す。 Al合金化エミッタを有する電池に対して測定した光電池パラメータを、さまざまな合金化方法に対して、使用したアルミニウムペーストの量の関数として示す。 図3(a)および図3(b)は、先行技術のAl合金化方法に対するAl合金化接合部のSEM断面図を、図3(c)および図3(d)は、一実施形態に係るAl合金化方法に対するAl合金化接合部のSEM断面図を示す。 一実施形態に従って形成されたエミッタを有するシリコン光電池に対して測定したI−Vパラメータを、高純度Al層の厚さの関数として示す。 一実施形態に従って形成されたエミッタを有するシリコン光電池に対して測定したI−Vパラメータを、高純度Al層の厚さの関数として示す。 一実施形態に従って形成されたエミッタを有するシリコン光電池に対して測定したI−Vパラメータを、高純度Al層の厚さの関数として示す。 一実施形態に従って形成されたエミッタを有するシリコン光電池に対して測定したI−Vパラメータを、高純度Al層の厚さの関数として示す。 一実施形態に従って形成されたエミッタを有するシリコン光電池に対して測定したI−Vパラメータを、高純度Al層の厚さの関数として示す。
以下の詳細な記載において、本開示、およびそれが特定の実施形態においてどのように実践されうるかの完全な理解を提供するために、多くの具体的詳細を示す。一方、本開示は、これらの具体的詳細がなくても実践しうる、ということが理解されるだろう。よく知られた方法である他の例では、手順および技術は、本開示を不透明にしないために、詳細には記載されていない。本開示は、特定の実施態様に関して、および特定の図面に関して記載されているが、これに限定する意味ではない。本開示は、特定の実施形態について特定の図面を参照しながら説明するが、本開示はこれらに限定されない。本開示が含んでおり、記載している図面は概略的なものに過ぎず、限定的でない。図面において、いくつかのエレメントの大きさは、説明目的のため、誇張し、およびスケールどおり描いていないことがある。
さらに、説明および請求項での用語「第1」「第2」「第3」などは、類似のエレメントを区別するための使用しており、必ずしもシーケンスを時間的、空間的に、序列で、または他のどの様式で表したものでもない。こうして用いた用語は、好適な状況下で交換可能であり、本開示の実施形態は、ここで説明したり図示したものとは別の順番で動作可能であると理解すべきである。
さらに、説明および請求項での用語「上(top)」、「下(bottom)」、「の上に(over)」、「の下に(under)」などは、説明目的で使用しており、必ずしも相対的な位置を記述するためのものでない。こうして用いた用語は、好適な状況下で交換可能であって、ここで説明した実施形態がここで説明または図示した以外の他の向きで動作可能であると理解すべきである。
請求項で使用する用語「備える、含む(comprising)」は、それ以降に列挙された手段に限定されるものと解釈すべきでなく、他のエレメントまたはステップを除外していない。記述した特徴、整数、ステップまたはコンポーネントの存在を、参照したように特定するように解釈する必要があるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップまたはコンポーネント、あるいはこれらのグループの存在または追加を除外していない。したがって、「手段A、Bを備えるデバイス」という表現の範囲は、コンポーネントA、Bだけからなるデバイスに限定すべきでない。
本開示の文脈において、光電池の前面(front surface)または前側(front side)は、光源の方向に向けられ、したがって照射光を受光するように調節された面または側である。光電池の裏面(back surface)もしくは裏側(back side)または後面(rear surface)もしくは後側(rear side)は、前面とは反対側の面または側である。
一実施形態は、アルミニウム合金化によってシリコン基板にドープ領域を形成する方法に関し、該方法は、シリコン基板上に高純度のアルミニウム層を、例えばCVD(化学的気相成長法)もしくはPVD(物理的気相成長法)、アルミニウム含有ペーストを純粋なアルミニウム層上にスクリーン印刷すること、およびペースト焼成ステップを実施することによって設けることを含む。
しかしながら、半導体基板はシリコンである必要はなく、半導体基板はまた、例えばゲルマニウム、その他当業者が適切であると考える半導体材料でもよい。
また、ドーピング元素はアルミニウムである必要はなく、他のドーピング元素も可能である。
一実施形態において、好都合なことに、該方法は、n型シリコン基板に良質の接合部を形成すること、例えばn型シリコン光電池のエミッタを形成することに使用可能である。好都合なことに、該方法はまた、p型シリコン光電池に対して、良質の裏面電界を作成することにも使用可能である。
基板上に、ドーピング元素、例えばアルミニウムを含有するペーストをスクリーン印刷する前に、高純度のドーピング元素、例えばアルミニウムの層を設けることによって(例えばスパッタリングまたは蒸着して)、焼成後のドーピング元素の合金化層、例えばAl合金化層の均一性が、先行技術の方法と比較して改善されることがわかったのは驚くべきことであった。薄い高純度のドーピング元素、例えばアルミニウムの層、およびドーピング元素、例えばAlの合金化エミッタを形成するために、スクリーン印刷したドーピング元素、例えばAlのペーストを使用する場合、ドーピング元素の合金化、例えばAl合金化エミッタにおける不連続部は、先行技術の方法と比較して大きく減少した。ここで、スクリーン印刷したドーピング元素、例えばAlのペースト層のみが、Al合金化エミッタを形成することに使用される。ドーピング元素の合金化、例えばAl合金化光電池エミッタを形成するために、スクリーン印刷したドーピング層成分、例えばアルミニウムのペーストの層の下に、高純度ドーピング元素、例えばAlの層を付加することにより、光電池のシャント抵抗は、ドーピング元素、例えばアルミニウムのペーストを使用する場合であっても実質的に増加する。
図1に概略的に示すような構造を有するN型Alエミッタの裏面接合光電池を製造した。該電池は、約1〜4オームcmの範囲にある抵抗率を有する、約180マイクロメートルの厚さのn型多結晶シリコンウエハ4(125mm×125mm)を用いて製造した。プロセスシーケンスは、酸テクスチャー(acid texturing)によって開始し、続いてリン・ゲッタリング、n+前面電界(FSF)2を形成するための基板の前側でのリン拡散、および前側で反射防止コーティングする際に、PECVDによるSiN層3の堆積を実施する。次に、約2マイクロメートルの厚さのAl層を、AlスパッタリングまたはAl蒸着によって後側に設ける。続けて、前側コンタクト1を形成するために、前側にAgペーストをスクリーン印刷する。また、後側にAl合金化エミッタ5を形成し、後側コンタクト6を形成するために、後側にAgペーストをスクリーン印刷する。
実験は、さまざまな量のAlペーストを、電池の後面にスクリーン印刷した状態で実施した。異なるメッシュサイズを有する三種類のスクリーンを、5mg/cm〜9mg/cmの範囲にある(約30マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲にあるペースト層の厚さに対応する)種々の量のアルミニウムペーストをスクリーン印刷するのに使用した。スクリーン印刷の後、ペーストをベルト炉の中で300℃で乾燥した。次にペーストを、約900℃の最大焼成温度で焼成した。
図2は、スクリーン印刷したAl量の、光電池の曲線因子FFに対する影響(図2(a))、光電池の開回路電圧Vocに対する影響(図2(b))、光電池の短絡電流密度Jscに対する影響(図2(c))、および光電池のエネルギー変換密度に対する影響(図2(d))を示す。先行技術に係る、スクリーン印刷したAl層のみを用いてAl合金化エミッタを形成するようにした電池(三角)、一実施形態に係る、蒸着したAl層およびスクリーン印刷したAl層を含む堆積部を用いてAl合金化エミッタを形成するようにした電池(四角)、ならびに一実施形態に係る、Alスパッタリング層およびスクリーン印刷したAl層を含む堆積部を用いてAl合金化エミッタを形成するようにした電池(菱形)について結果を示す。
スクリーン印刷したAlのみがAl合金化エミッタを形成することに使用されるようにした電池の場合、曲線因子は、スクリーン印刷したAl量に非常に強い依存性を示す。Alペーストの量が5.2mg/cmから8.5mg/cmへ増加するのに伴って、曲線因子は、46%から77%へほぼ直線的に増加する(図2(a))。しかしながら、2マイクロメートルの厚さの高純度Al層(スパッタリングまたは蒸着した)を含む堆積部、およびスクリーン印刷したAl層を使用する場合、焼成ステップにより、スクリーン印刷したAlペーストの量の増加に伴って、約72%から80%以上に及ぶ、より大きな曲線因子を生じる。
図2(b)に示すように、開回路電圧は、同様の挙動を示す。スクリーン印刷したAlペースト層のみを使用する場合、開回路電圧は、Alペーストの量の増加に伴って約475mVから約610mVに増加する。一実施形態にかかる方法を使用する場合、Alペーストの量が小さいところでも600mVより大きい開回路電圧が得られる。
図2(c)は、短絡電流密度を、スクリーン印刷したAl量の関数として示す。短絡電流密度もまた、スクリーン印刷したAl層の下で純粋なAlを付加する場合、明確な増加を示すが、Alペースト量に対する依存性は、曲線因子および開回路電圧の場合に比べて顕著でない。
光電池のエネルギー変換効率(図2(d))は、曲線因子および開回路電圧の場合に似た傾向に従う。高純度Al層としての、蒸着したAlを有するサンプルと、スパッタリングしたAlを有するサンプルとの間に、明確な結果の差異は見出せなかった。
Al合金化接合部の断面は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって調査した。最小量の、スクリーン印刷したアルミニウムペースト(5.2mg/cm)を用いて形成した接合部のSEM画像を図3に示している。図3(a)および図3(b)は、スクリーン印刷したAlのみが、Al合金化に使用されるようにしたサンプル(先行技術にかかる)のSEM画像を示す。これらの画像は、Al合金化した接合部の不連続部およびエミッタ厚さの多くのバリエーションを明確に示している。該不連続部により、接合部のシャントが生じるが、これはこのサンプルに対して測定したシャント抵抗の非常に低い値(〜90Ωcm)と相互に大きく関連する。図3(c)および図3(d)は、接合部が、2マイクロメートルの厚さの、Alスパッタリング層およびスクリーン印刷したAl層を含む堆積部を使用する一実施形態における方法、に従って形成されるようにしたサンプルのSEM画像を示す。この方法により、より均一な接合部の形成が可能になり、接合部におけるシャントパスの数が少なくなることが認められる。これは、より大きいシャント抵抗値(〜350Ωcm)、したがって電池のより大きい曲線因子によって確かめられた。
より少ない量のペーストを用いて均一な接合部を得ることは、コスト削減にとって重要であるだけでなく、電池の反りをより小さくする。これは、将来のより薄い電池にとって非常に重要であるだろう。
実験は、次のように実施した。たった2マイクロメートルの厚さのAlスパッタリング層をn型シリコン基板に(スクリーン印刷したAlペーストを有しないで)設けた。続いて、Al合金化エミッタを形成するための焼成ステップを実施した。かかるエミッタを備える光電池が、25%のFFおよび218mVのVocを有した。これは、このアプローチにより均一のエミッタまたは、非常に薄い、もしくは非常にドープ率の低いエミッタが得られるのではないということ、およびAlスパッタリング層を、例えばスクリーン印刷したAlペーストによって形成した層と結合させる必要があるということを明確に示している。
本発明の複数の実施形態における、スクリーン印刷したAlペースト層の下に設けられた高純度のAl層の厚さの影響を調査するために、それぞれ1マイクロメートル、2マイクロメートル、および3マイクロメートルの厚さを有するAlスパッタリング層、およびそれの上部にある、10.5mg/cmのスクリーン印刷したAl層を含む堆積部を用いてAl合金化することによって形成したエミッタ接合部を有する電池の分析を実施した。電池の電流−電圧パラメータは、図4に示されている。電池の曲線因子は、スパッタリング層の厚さが増加するにしたがって、単調減少する。1マイクロメートルの高純度Alが、最大82.2%の大きい曲線因子をもたらすことが認められた。電池のJscおよびVocは、明確な傾向を示していない。1μmの厚さのAlスパッタリング層を有する電池は、180マイクロメートルの厚さのウエハにおいて15%の最大効率を示した。
高純度Al層の厚さを最適化するために、それぞれ0.25マイクロメートル、0.5マイクロメートル、および1マイクロメートルの厚さを有するAlスパッタリング層を含む堆積部、および5.2mg/cmのスクリーン印刷したAl層を用いてAl合金化することによって形成したエミッタ接合部を有する電池に対して分析を実施した。参照のために、5.2mg/cmのスクリーン印刷したAl層(高純度Al層を下に有しない)を用いて合金化することによって形成したエミッタを有する電池も分析した。電池の電流−電圧パラメータは図5に示されている。焼成条件はまた、電池においてシャントパスが減少するように改良した。
図5(a)は、高純度Al層の厚さの関数として測定した曲線因子を示す。エミッタを形成するための、スクリーン印刷したAl層のみを有する電池に対して、曲線因子の平均値が測定され、66%±3%であることがわかった。曲線因子は、焼成条件の改善に伴って改善を示したが、電池は、未だ明らかに分路していた。興味深いことに、たった0.25マイクロメートルの高純度Alを有する電池は、曲線因子において大きな改善を示した。平均曲線因子は、76%±3%であることがわかった。最大1マイクロメートルまで厚さが増加した純粋なAl層を有する電池のそれぞれは、曲線因子において、最大78%±1%の更なる小さな改善を示した。
同様の特性が、電池の開回路電圧Vocに対して認められた(図5(b))。0.25マイクロメートルの厚さの高純度Al層を有する電池は、参照電池の574mV±3mVと比較して、593mV±2mVの大きく改善した開回路電圧を示した。1マイクロメートルの厚さの高純度Al層を有する電池は、Vocにおいて、最大596mV±2mVの更なる小さい改善を示す。
電池の短絡電流は、明確な傾向を全く示さなかった(図5(c))。短絡電流の値は、より大きい許容誤差の範囲内にあった。すべての条件に対する短絡電流密度の平均値は、27.2mA/cm〜27.4mA/cmの範囲内であった。
図5(d)に示したように、電池のエネルギー変換効率は、曲線因子および開回路電圧と同じ傾向に従う。それは、参照電池と比較して、0.25マイクロメートルの厚さの高純度Al層において大きな増加を示し、高純度Al層の厚さが増加するに従って、比較的小さい増加をさらに示す。
これらの結果は、非常に少量のスクリーン印刷したAlペースト(5.2mg/cm)を用いて、純粋なアルミニウムの非常に薄い層(たった0.25マイクロメートル)を堆積することによって、76%±3%の曲線因子をもたらすことができることを示している。コスト削減の利点は別にして、これらの結果は、非常に薄いウエハで作成した電池の反りを減少させる点で特に重要である。これにより、Al合金化は、非常に薄い電池のためのホウ素分散に対する興味深い代替となる。
先の説明は、本発明の特定の実施形態を詳説する。しかしながら、先の説明が文章中にいかに詳細になされてても、本発明は、多くの方法で実施してもよいことが理解されるであろう。特定の用語の使用は、本発明の特定の特徴または態様を説明する場合、用語はここで再定義され、その用語が関連している本発明の特徴または態様についていずれか特定の特性を含むことに限定されることを暗示するものでないことに留意すべきである。
上記の詳細な説明は、種々の実施形態に適用されるように、本発明の新規な特徴を示し、記載し、および指摘しているが、本発明の精神から逸脱することなく、図示したデバイスまたはプロセスの形態および詳細な説明での種々の省略、置換、および変化は、当業者によってなし得ることは理解されるであろう。

Claims (15)

  1. ドーピング元素ペーストのペースト層を基板にスクリーン印刷し、該スクリーン印刷したドーピング元素ペーストのペースト層を焼成して行うドーピング元素との合金化により、基板の半導体層にドープ領域を形成する方法であって、
    高純度ドーピング元素層を半導体層に付与した後、ペースト層をドーピング元素層にスクリーン印刷することを特徴とする方法。
  2. ドーピング元素層は、ペースト層と半導体層との間に挟持されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ドーピング元素層は、ペースト層および半導体層と直接接触することを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 半導体層は、シリコン層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 半導体層は、ドープ層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 半導体層は、n型層であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 半導体層は、p型層であることを特徴とする請求項5記載の方法。
  8. ドーピング元素は、アルミニウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 高純度ドーピング元素層は、物理的気相成長法を使用して、または化学的気相成長法を使用して半導体層に付与することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 0mg/cm満の量のペーストを基板にスクリーン印刷することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 焼成は、半導体層、高純度ドーピング元素層、およびペースト層を含む基板を、870℃〜1000℃温度まで加熱することを含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 高純度ドーピング元素層の厚さは、3マイクロメートル未満であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. ドーピング元素層の純度は、少なくとも99.9%であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法により基板の半導体層にドープ領域を形成するステップを含むことを特徴とする、pn接合を製造する方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法により基板の半導体層にドープ領域を形成するステップを含むことを特徴とする、光電池の裏面電界領域を製造する方法。
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