JP5802335B2 - 船内取外し式スラスタ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、掘削船や浮体式生産設備等を定点保持もしくは方位保持するために使用されているスラスタを船内に取外すことができるスラスタ装置に関する。
従来、陸地から離れた沖合の海域で海底石油、ガス田開発が行なわれているが、近年、このような海底石油、ガス田開発は大水深化の傾向にある。そして、大水深海域での開発に使用される掘削船や浮体式生産設備、シャトルタンカー等(以下、総称する場合は「掘削船等」という)には、複数台のスラスタを装備させた定点保持システムもしくは方位保持システムを備えたものが増えてきている。掘削船等は、この複数台のスラスタによって姿勢制御することにより、海底に固定することなく海上で定点保持もしくは方位保持(以下、総称して「定点保持等」という)ができるようになっている。この定点保持等のための姿勢制御としては、荒天下でも、例えば、GPS信号を利用して定点保持するように、上記複数台のスラスタの推力やその方向等が制御される。掘削船等は、例えば、4台から6台程度のスラスタを設けて、定点保持等ができるようになっている。
しかしながら、上記スラスタは、定期的なメンテナンスに加え、経年使用による故障や、偶発的なメンテナンスを必要とする場合がある。しかし、掘削船等の稼動時は、例えば、掘削ドリルによって海底を掘削している状態を保たなければならず、その定点を離れることができない。そのため、スラスタを点検、補修する必要が生じた場合には、スラスタを船外水中から取外して交換できるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。しかし、スラスタを水中で取外すためには、潜水夫による水中での取外し作業等が必要となる。この水中作業には、スラスタを水中でハンドリングするために必要な複数のワイヤーの取付け、取外し作業などの困難な作業が必要となる。また、スラスタが大型化するにしたがって、取外すためのワイヤー、結合金具などの重量が増し、潜水夫による水中作業はより困難になる。その上、吊上げ装置も船内用及び船外用に二重の吊上げ装置を必要とする。しかも、船外の海気象の状態によってはスラスタの取外し作業が行えないため、取外し作業が制約される場合もある。
また、掘削船等を陸地のドックまで移動してスラスタの点検、補修作業を行なうことも考えられるが、この場合、時期的な制約を伴うとともに多大な時間と費用が必要となる。
そこで、近年、上記スラスタを沖合いの稼動地点において点検、補修できるように、スラスタを喫水面よりも上方の船内(この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「船内」は、掘削船等の喫水面よりも上方の構造体内をいう。)へ引き上げることができる装置が提案されている。
この種の先行技術として、例えば、スラスタ、スラスタ駆動装置及び付属機器一式を昇降可能な筒体に内蔵し、この筒体全体をラック&ピニオン駆動方式あるいは油圧シリンダ駆動方式によって昇降させるようにした船舶がある。ラック&ピニオン駆動方式としては、昇降体側にピニオンを設け、船体側のラックを上方へ伸長させることができるようにし、そのラックに沿ってピニオンでスラスタを喫水面よりも上方まで引き上げるようにしている。また、油圧シリンダ駆動方式としては、昇降シリンダをデッキ下に吊り下げ、この昇降シリンダによって昇降体を昇降させるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
日本国 特開昭59−26397号公報 日本国 特許第4526184号公報
しかしながら、上記特許文献2の場合、スラスタ等を含む筒体全体を昇降させる必要があるところから、昇降荷重は非常に大きなものとなり、これを昇降させる昇降装置も大荷重用の特別な昇降装置が必要となり、昇降装置が非常に高価なものとなる。
そこで、本発明は、掘削船等のスラスタを、沖合いの稼動地点において点検、補修が可能なように、簡便なハンドリング装置によって喫水面よりも上方の船内に取外すことができるスラスタ装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、船体の所定位置に設けられた上下方向が開口するスラスタ配置部と、前記スラスタ配置部の下開口部から下方に突出するスラスタと、前記スラスタ及びスラスタの駆動装置を前記スラスタ配置部内に格納する格納座と、前記格納座の船体側固定位置に設けられた取付座と、前記格納座を前記取付座に固定する固定手段と、を備えたスラスタ装置であって、前記スラスタ配置部は周囲を船体構造の一部をなす壁面に覆われており、前記壁面には、前記固定手段による連結を解除した場合に前記格納座を取付座に保持するためのロック装置が備えられており、前記ロック装置は、前記スラスタ配置部の上部からロック状態の作動・解除ができるよう構成されていることを特徴とする。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「船体」は、掘削船や浮体式生産設備、シャトルタンカー等の海上に浮く構造体をいう。
この構成により、スラスタ及び格納座を船体構造に固定している固定手段を取外した状態のときに、前記スラスタ配置部内と船体外部との水位差によりスラスタ及び格納座に作用する上向き荷重をロック装置で船体構造に保持することができる。そのため、スラスタ配置部に注水しない状態で、スラスタ配置部からスラスタ及び格納座を船内へ取外す作業及び船内から取付ける作業を容易に行うことができる。従って、潜水夫による水中での重労働が不要になるとともに、2重の吊上げ装置なども不要となる。また、スラスタ配置部に注水してスラスタ及び格納座を取外す作業時には、クレーンなどによる吊上げ重量はスラスタ本体と格納座の重量のみとなるので、大重量用の昇降装置を必要としない。
また、前記固定手段は、前記スラスタ配置部内から前記格納座の周辺の複数個所で船体構造に取付け・取外し可能に構成されていてもよい。
このように構成すれば、スラスタの格納座を固定している固定手段の取付け、取外し作業、吊上げ前準備作業、及び吊降ろし後の後処理作業をスラスタ配置部内のドライな環境で行うことができる。
また、前記ロック装置は、前記格納座の周囲に設けたフランジ部において格納座と係合するロック金物を有し、該ロック金物に連結され前記壁面に上下に延設された伝道軸を軸周りに回転させることで前記ロック金物を前記伝道軸まわりに回転させてロック状態の作動・解除を行うように構成されていてもよい。
このように構成すれば、スラスタ配置部の壁面に上下に延設された伝動軸を回転させることで、ロック金物を回転させてロック状態の作動・解除を行うことができる。
また、前記ロック装置は、前記格納座の周囲に設けたフランジ部の上面に配置したくさび座と、前記船体構造に設けて前記くさび座と係合する係合面を有するロック金物とを有し、前記くさび座とロック金物の係合面は、くさび効果が得られる摩擦角以下の傾斜角度で形成されていてもよい。
このように構成すれば、船体側に設けられたロック装置のロック金物を回転駆動し、このロック金物の係合面をくさび座に係合させれば、くさび効果によってロック金物でくさび座を安定してロックすることができる。しかも、くさび効果によって、上向きに荷重が作用したときにはセルフロックが作用するため、ロック装置を簡易な機構とすることができる。
また、前記ロック装置は、前記ロック金物が水平方向に回転して前記くさび座と係合するように構成され、前記スラスタ配置部は、前記ロック装置のロック金物を回転させて作動・解除する回転駆動手段を上部に備え、前記ロック装置とロック装置の回転駆動手段の間に伸縮継手を設けていてもよい。
このように構成すれば、伸縮継手によって回転駆動手段に上向き荷重が作用しないようにできるので、回転駆動手段は回転力のみをロック装置に伝えればよく、回転駆動手段を簡易な機構とすることができる。
また、前記ロック装置は、前記ロック金物をくさび座と係合させる駆動手段を有し、前記駆動手段は、流体圧で前記ロック金物を駆動する駆動機で構成されていてもよい。流体圧で回転駆動する構成としては、例えば、回転ラムなどが用いられる。
このように構成すれば、ロック金物を機械駆動で回転させることができ、複数のロック金物を同時に回転駆動することもできる等、操作がより簡便となる。
また、前記格納座のフランジ部は、前記固定手段の周囲で取付座に接するシール材を有し、前記ロック装置は、前記格納座の強度部材と対向するように配置されていてもよい。
このように構成すれば、フランジ部における上下方向の撓み量が小さい部分をロック装置で保持し、フランジ部の撓み量を小さく抑えて、このフランジ部に設けられているシール材の圧縮戻り量を小さく抑えることで、シール性を確実なものとすることができる。
また、前記スラスタ配置部は、前記スラスタを取付けた状態の前記格納座を、前記スラスタ配置部内で吊上げ又は吊降ろし可能にガイドする上下方向に延設された昇降ガイドと、前記ロック装置を作動・解除する駆動手段と、を有していてもよい。
このように構成すれば、スラスタ配置部で駆動手段によってロック装置を解除し、スラスタを取付けた状態の格納座を昇降ガイドに沿って安定して上下動させることができる。
また、前記スラスタ配置部は、前記格納座の中心に対して対向する位置に少なくとも2条の前記昇降ガイドを有していてもよい。
このように構成すれば、スラスタ及び格納座をスラスタ配置部内で安定して昇降させることができ、大型のスラスタであっても船内取外し及び船内からの取付け作業を安定して行うことができる。
また、前記取付座は、前記格納座の吊降ろし時に前記取付座の所定位置にガイドする少なくとも2箇所に設けた挿入ガイドを有し、前記スラスタ配置部は、水平方向断面が矩形状の開口部を有し、前記少なくとも2条の昇降ガイドは、前記開口部の短辺側における対向するスラスタ配置部壁面に配設され、前記少なくとも2箇所に設けた挿入ガイドは、前記開口部の短辺側における対向する取付座面上に配設されていてもよい。
このように構成すれば、開口部の長辺側距離で離れた位置に設けた昇降ガイドで格納座の昇降をガイドするので、昇降させる格納座に生じる回転ずれ量などを小さく抑えることができる。
また、前記固定手段は、前記取付座に固定された固定ボルトと、前記格納座に設けたボルト穴とを有し、前記挿入ガイドは、前記取付座に固定された挿入ガイドピンと、前記格納座に設けたピン穴とを有し、前記格納座の吊降ろし時に、前記挿入ガイドピンで前記ピン穴をガイドすることで前記格納座のボルト穴位置を前記固定ボルト位置に位置決めするように構成されていてもよい。
このように構成すれば、昇降ガイドと格納座のフランジ部に設けた昇降ガイド金物との隙間と、固定ボルトとフランジ部に設けたボルト穴との隙間と、挿入ガイドピンとフランジ部に設けたピン穴との隙間とを所定の関係に設定することにより、固定ボルトが植込みボルトの場合であっても、先に挿入ガイドピンによって、ボルト穴の位置が位置決めされる。そのため、固定ボルトとフランジ部のボルト穴を接触させることなく、格納座を取付座に位置決めすることができる。
本発明によれば、掘削船等に備えられたスラスタを、沖合い稼動地点において喫水面よりも上方の船内に引き上げて点検、補修が可能なスラスタ装置を低コストで提供することが可能となる。
図1は本発明の一実施形態に係る船内取外し式スラスタ装置の全体配置側面図である。 図2は図1に示すII−II矢視拡大断面図である。 図3は図1に示すIII−III矢視拡大断面図である。 図4Aは図1に示す昇降ガイドの拡大側面図である。 図4Bは図4Aに示す昇降ガイドの拡大正面図である。 図5は図3に示すV部拡大図である。 図6Aは図4に示す昇降ガイドの他の例を示す拡大側面図である。 図6Bは図6Aに示す昇降ガイドの拡大正面図である。 図7Aは図6Bに示す上部昇降ガイドの位置における昇降ガイド金物との隙間を示す拡大平面図である。 図7Bは図6Bに示す下部昇降ガイドの位置における昇降ガイド金物との隙間を示す拡大平面図である。 図8は図5に示す昇降ガイド金物の他の例を示す拡大正面図である。 図9は図8に示す昇降ガイド金物の平面図である。 図10は図1に示す固定手段として固定ボルトが設けられた部分の拡大断面図である。 図11は図3に示すボルト穴位置決め挿入ガイドピンが設けられた部分の拡大断面図である。 図12は図1に示すロック装置の正面図であり、図13にXII−XII矢視で示す正面視の断面図である。 図13は図12にXIII−XIII矢視で示す側面視の断面図である。 図14は図13にXIV−XIV矢視で示す平面視の断面図である。 図15は図12に示すロック装置のロック部分拡大図である。 図16Aは図1に示すスラスタ装置の船内取外し手順の側面図である。 図16Bは図16Aに続くスラスタ装置の船内取外し手順を示す側面図である。 図17Aは図16Bに続くスラスタ装置の船内取外し手順を示す側面図である。 図17Bは図17Aに続くスラスタ装置の船内取外し手順を示す側面図である。 図18Aは図1に示すスラスタ装置の船内取付け手順の側面図である。 図18Bは図18Aに続くスラスタ装置の船内取付け手順を示す側面図である。 図19Aは図18Bに続くスラスタ装置の船内取付け手順を示す側面図である。 図19Bは図19Aに続くスラスタ装置の船内取付け手順を示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、船舶に設けられた昇降式スラスタ装置を例に説明する。また、以下の説明では、図1に示す紙面左右方向を前後方向、紙面直交方向を左右方向という。前後方向、左右方向を、図2,3に示す。
図1に示すように、この実施形態の船内取外し式スラスタ装置1は、船体2の所定位置に上下方向が開口しているスラスタ配置部10が設けられ、このスラスタ配置部10の底部に設けられた下開口部11から下方に向けて突出するようにスラスタ3が配置されている。
スラスタ配置部10は、水平方向断面が矩形状断面に形成されており、上開口部12から同形断面で下方まで形成され、下端に断面積が小さくなった上記下開口部11が形成されている。スラスタ配置部10の周囲の壁面13は、船体構造2でもある。なお、船体2と船体構造2とは同一構成であるため、同一符号を付す。
スラスタ3は、このスラスタ3とスラスタ駆動装置(モータ)4とを格納する格納座20に設けられている。格納座20は、上記スラスタ配置部10の内部空間17を上下方向に移動可能な外形に形成されている。格納座20の下部は、スラスタ配置部10の下端に形成された下開口部11と所定の隙間を有する大きさに形成されている。
下開口部11は、船体底部において所定の厚みを有する構造部14に形成されている。この下開口部11の上面が、格納座20の周囲に設けられたフランジ部21を固定する取付座15となっている。構造部14の下面は、船底材16である。上記格納座20は、下部が下開口部11の構造部14に入った状態で取付けられ、スラスタ3が船底から下方に突出している。
格納座20には、上記取付座15に固定するフランジ部21から上方に格納部22が設けられ、その上部に駆動装置4が設けられている。この実施形態のスラスタ3は、格納座20の下面に取付けられ、駆動軸5が上記格納部22の内部を通って駆動装置4に連結されている。なお、駆動装置4以外の構成部品は、図示を省略する。スラスタ3は、格納座20のフランジ部21を船体側の取付座15から外せば、格納座20と一体的に取外すことができる。
そして、上記格納座20の周囲に設けられたフランジ部21と、船体側の取付座15との間に、後述する固定手段60を取外した状態のときに、フランジ部21を取付座15に保持するロック装置30が設けられている。
ロック装置30は、スラスタ配置部10の周囲に複数個設けられている。各ロック装置30には、スラスタ配置部10の壁面13に沿って伝動軸31が設けられ、スラスタ配置部10の上部まで延ばされている。伝動軸31は、壁面13に設けられた複数の軸受32で支持され、中間部分に設けられた継手33によってスラスタ配置部10の上下方向に連続するように連結されている。この伝動軸31の上部に、ロック装置30を作動・解除する回転駆動手段が設けられている。
この実施形態のロック装置30は、後述するように、スラスタ配置部10の上部に設けられた回転駆動手段たる操作レバー55(図17A)を作業者が回転させることで、伝動軸31を介してロックの作動・解除ができるようになっている。この操作レバー55により伝動軸31を回転させ、この伝動軸31が後述するようにロック装置30のロック金物34を回転させる構成が、ロック装置30の回転駆動手段である。伝動軸31を回転させる構成としては、回転ラム(図示略)のように、流体圧で回転駆動するようなものでもよい。回転ラムのような機械駆動による構成を用いることにより、例えば、複数の伝動軸31を同時に回転させることもできる。なお、この実施形態では、ロック装置30を回転動作で作動・解除する回転駆動手段の例を説明したが、例えば、ロック装置30の構成によっては、伝動軸31を上下方向に動かす直線的な動作で作動・解除する駆動手段を用いる場合もあり、駆動手段はロック装置の構成に応じて決定すればよい。
一方、上記スラスタ配置部10の壁面13には、上下方向に昇降ガイド40が設けられている。昇降ガイド40は、スラスタ配置部10の下部から上部まで連続するように設けられており、この実施形態では、格納座20の左右方向中心に対して対向する位置に2条の昇降ガイド40が設けられている。この昇降ガイド40に沿って、上記格納座20がスラスタ配置部10内を上下方向に案内され、この格納座20と一体的にスラスタ3を昇降させることができるようになっている。また、スラスタ配置部10の上部には、スラスタ配置部10から上方に取出した格納座20を吊下げて入れるときの吊降ろしガイド41が複数個設けられている。この吊降ろしガイド41は、上端が後述する昇降ガイド40と同様に傾斜部に形成されている(図1)。
図2に示すように、上記昇降ガイド40は、矩形状断面で形成されたスラスタ配置部10の対向する壁面13の2箇所に設けられており、スラスタ配置部10の下部から上部まで連続する2条の昇降ガイド40となっている。この昇降ガイド40は、矩形状断面の短辺側壁面(左右壁面)13に設けられている。昇降ガイド40を短辺側に設けることにより、昇降ガイド40間の距離を長辺側壁面(前後壁面)の距離として大きくし、安定したガイドができるようにしている。この昇降ガイド40により、格納座20のフランジ部21(二点鎖線)に設けられた昇降ガイド金物23を、スラスタ配置部10の対向する壁面13でガイドするようにしている。
また、スラスタ配置部10の上部に設けられた吊降ろしガイド41は、スラスタ配置部10の周囲に複数個が設けられている。この例では、矩形状断面のスラスタ配置部10の各面に2個ずつ設けられている。この吊降ろしガイド41は、格納座20のフランジ部21の周囲と所定の隙間を有するように設けられている。図2に示す二点鎖線のフランジ部21が、スラスタ配置部10の中心部分に挿入できるようになっている。
図3に示すように、スラスタ3を取付けている格納座20は、中心から前方向に偏位した位置に格納部22の中心が設けられている。格納座20は、周囲に設けられたフランジ部21が複数の固定ボルト(固定手段)60によって取付座15に固定されている。この固定ボルト60は、スラスタ配置部10の内部から取付け・取外し可能となっている。図3では、複数の固定ボルト60の一部を示している。固定ボルト60は、図の一点鎖線に沿って全周に等間隔で設けられている。
格納座20は、フランジ部21と同一面に設けられた面材24と、下面に設けられた底板材25(図1)との間がウエブ材26で連結されている。面材24は、ウエブ材26が設けられた部分以外の部分に軽量化のための開口部27となっている。この面材24とウエブ材26とによって、強度部材である桁材28が形成されている。
また、上記ロック装置30は、取付座15の周囲に複数個が設けられている。この例のロック装置30は、矩形状断面の各壁面13の3箇所に設けられている。このロック装置30は、上記桁材28のウエブ材26が設けられた部分の延長線上の対向する位置に設けられており、格納座20の構造部分をロック装置30で保持するようにしている。ロック装置30を桁材28の部分の延長線上の対向する位置に設けることにより、格納座20のフランジ部21が水圧等で上下方向に撓んだとしても、その撓み量の少ない部分で安定した保持ができるようにしている。なお、フランジ部21の撓み量が後述するシール材29による水密性保持のための撓み量よりも小さい場合、桁材28の部分の延長線上の対向する全ての位置にロック装置30を配置する必要はない。
また、上記昇降ガイド40が設けられた壁面13の取付座15には、スラスタ配置部10に挿入した格納座20が取付座15の所定位置に配置されるように、挿入ガイド70が設けられている。この挿入ガイド70は、下開口部11の対向する位置の取付座15に設けられている。挿入ガイド70の詳細は、後述する。
さらに、上記昇降ガイド40は、上記したように中心が偏位した格納部22のほぼ中心線上の左右両側に設けられている。これにより、格納座20及びスラスタ3の前後方向重心付近をガイドするようにしている。
図4A、図4Bに示すように、上記昇降ガイド40は、スラスタ配置部10の壁面13から内部空間17に突出するように設けられている。この昇降ガイド40は、スラスタ配置部10の壁面13に設けられた昇降ガイド支持材42によって支持されている。この実施形態の昇降ガイド40は、上端に案内部43が形成されている。案内部43は、幅方向と壁面方向が上方に向けて縮小する傾斜面に形成されており、上方から格納座20のフランジ部21を挿入しやすいようになっている。
図5に示すように、上記昇降ガイド40に案内される昇降ガイド金物23は、昇降ガイド40によって3方を案内されるようにコ字状に形成されている。この昇降ガイド金物23は、格納座20のフランジ部21に固定されている。昇降ガイド金物23と昇降ガイド40との隙間としては、左右方向を隙間Cg、前後方向をそれぞれ隙間Cgとしている。これらの隙間Cgは、後述するように挿入ガイド70との関係で決定される。
図6A、図6Bに示す昇降ガイド45は、上記図4A、図4Bに示す昇降ガイド40と異なる例である。図4A,Bと同一の構成には同一符号を付して説明する。この例の昇降ガイド45は、下部昇降ガイド46と上部昇降ガイド47とから構成されている。上部昇降ガイド47は上記図4A,Bに示す昇降ガイド40と同一であるが、下部昇降ガイド46は、昇降ガイド金物23との隙間Cgがより狭くなっている。この下部昇降ガイド46の上端は、吊降ろし時に上部昇降ガイド47から下部昇降ガイド46に昇降ガイド金物23が移りやすいように、上端部が斜めに切除されている。他の構成は、上記昇降ガイド40と同一であるため、同一の符号を付している。
図7Aに示すように、上記上部昇降ガイド47の位置では昇降ガイド金物23と隙間Cgで昇降するようになっている。しかし、図7Bに示すように、下部昇降ガイド46の位置では昇降ガイド金物23と隙間Caで昇降するようになっている。このように、下部昇降ガイド46の位置において昇降ガイド金物23との隙間Caを小さくすることで、スラスタ3と一体的にスラスタ配置部10に降ろされる格納座20をより正確な位置に案内しながら吊降ろしができるようにしている。
また、図8,9に示すように、上記昇降ガイド金物23としては、格納座20の上部に仮設の上部昇降ガイド金物取付台50を設け、この上部昇降ガイド金物取付台50に上部昇降ガイド金物51を設けるようにしてもよい。上部昇降ガイド金物取付台50としては、格納座20の駆動装置4が取付けられていた部分に設けられている。この上部昇降ガイド金物取付台50に設けられる上部昇降ガイド金物51は、格納座20のフランジ部21に設けられた昇降ガイド金物23の鉛直線上に設けられている。
このように上部昇降ガイド金物51を設ければ、フランジ部21の昇降ガイド金物23とで上下方向に離れた位置で昇降ガイド40にガイドされるので、格納座20とスラスタ3を一体的に昇降させるときに、より安定したガイドができる。
従って、この例によれば、スラスタ3が一体となった格納座20の重心位置と、後述するように水中で昇降させるときの浮心位置の前後左右位置にずれがあったとしても、上部昇降ガイド金物取付台50に設けられた上部昇降ガイド金物51とフランジ部21に設けられた昇降ガイド金物23とによる格納座20の上下2点、左右2点の合計4点支持により、スラスタ3が昇降時に傾斜するのを抑制することができる。なお、図8,9では、異なる構成のみを示し、他の構成は図示を省略している。
図10に示すように、上記格納座20のフランジ部21は、船体構造2の取付座15に設けられた固定ボルト60によって船体2に固定されている。この実施形態の固定ボルト60は、取付座15に植え込まれた植込みボルトとなっており、フランジ部21に設けられたボルト穴61を挿入して上方からナット62を締付けて固定するようになっている。また、フランジ部21の固定ボルト60よりも内側には、下面にシール材29が設けられている。このシール材29により、固定ボルト60でフランジ部21を取付座15に固定すれば、フランジ部21の下面と取付座15の上面とが密着してシールされるようになっている。シール材29としては、例えば、Oリングが用いられる。
図11に示すように、上記挿入ガイド70は、固定ボルト60の間に設けられた挿入ガイドピン71と、この挿入ガイドピン71に挿入されるようにフランジ部21に設けられたピン穴72とを有している。挿入ガイドピン71は、上部に縮径するテーパ部73が形成されており、上方から挿入されるフランジ部21のピン穴72が挿入されやすいようになっている。この挿入ガイド70により、吊降ろされた格納座20のピン穴72が挿入ガイドピン71にガイドされ、フランジ部21のボルト穴61が固定ボルト60に挿入されるようになっている。
これら固定ボルト60とフランジ部21に設けられたボルト穴61との隙間Cbと、挿入ガイドピン71とフランジ部21に設けられたピン穴72との隙間Cpとの関係は、上記昇降ガイド40と格納座20のフランジ部21に設けられた昇降ガイド金物23との隙間Cgとの関係において、「Cp<Cb<Cg」となるようにしている。
また、挿入ガイドピン71の高さhは、固定ボルト60の上端位置より少し高くなっている。この高さhは、フランジ部21がテーパ部73の下端に位置したときに、フランジ部21が固定ボルト60に当接しない高さに設定される。
このような関係にすることにより、固定ボルト60が植込みボルトの場合であっても、吊降ろされた格納座20のフランジ部21は、先に挿入ガイドピン71によってピン穴72が位置決めされ、それによってボルト穴61の位置が位置決めされる。そのため、固定ボルト60とフランジ部21のボルト穴61が接触することなく、格納座20を取付座15に位置決めすることができる。
従って、スラスタ配置部10の上方から吊り下げた状態で降ろす格納座20を、取付座15の正確な位置に降ろすことができる。
図12は図13に示すXII−XII矢視の図面であり、図13は図12に示すXIII−XIII矢視の図面である。これらの図に示すように、上記ロック装置30は、スラスタ配置部10の壁面13である船体構造2と取付座15との角部に設けられている。このロック装置30には、上記格納座20のフランジ部21に向けて突出又は壁面13に向けて格納されるロック金物34が備えられている。ロック金物34は、船体構造2から内方に突設された取付台80に回転軸部35が支持されている。取付台80は、上下方向に所定距離離れて設けられた所定厚の板状部材81を有している。両板状部材81には、上下方向に貫通する取付穴82が設けられ、この取付穴82に上記回転軸部35の上下に設けられた支持軸36が挿入されている。これにより、回転軸部35が回転可能なように支持され、ロック金物34が水平方向に回転可能となっている。また、ロック金物34は、取付台80によって船体構造2に支持されているため、このロック金物34で支持する荷重を船体構造2で支持するようになっている。
さらに、ロック金物34は、回転軸部35の上部に設けられた支持軸36の上部に、上方に突出する回転駆動軸37が設けられている。この実施形態の回転駆動軸37は、断面が矩形状に形成されている。そして、この回転駆動軸37は、上方の伝動軸31の下端に設けられた伸縮継手38と連結されている。この伸縮継手38は、回転駆動軸37の上下方向移動を許容するようになっている。これにより、ロック金物34の回転軸部35は、伝動軸31を回転させれば伸縮継手38を介して回転させることができる。また、仮に回転軸部35が上向きに変位したとしても、伸縮継手38の部分で回転駆動軸37の上向き変位を吸収して伝動軸31に伝えることがないようになっている。
このように、このロック装置30によれば、ロック金物34に作用する上向きの荷重は取付台80を介して船体構造2で支持し、回転軸部35の回転駆動軸37と伸縮継手38で連結されている伝動軸31には、上向きの荷重が作用しないようになっている。これにより、上述したように、スラスタ配置部10の上部に設けられる回転駆動手段によって伝動軸31を回転させ、スラスタ配置部10の下部に設けられたロック装置30を操作できるようになっている。
図14に示すように、上記ロック金物34は、平面視において約90°の範囲で水平方向に回転させることができるようになっている。上記格納座20のフランジ部21には、上記ロック金物34が係合するくさび座90が設けられている。ロック金物34は、二点鎖線で示す位置からくさび座90に向けて約90°回転させ、くさび座90の上面と係合させることでロック作動状態となる。取付台80には、ロック金物34を壁面13に向けて回転させたときに当接するストッパー83が設けられている。ロック金物34は、このストッパー83に当接した二点鎖線で示す位置が格納位置であり、ロック解除の状態である。
図15に示すように、上記くさび座90は、上面がくさび効果を得られる角度θのテーパ面91に形成されている。また、このくさび座90に係合するロック金物34も、その係合面39はくさび座90の上面と同一の角度θで形成されている。この角度θは、ロック金物34の回転に要する力や、接触面積等に応じて設定される。
次に、図16A〜図17Bに基づいて、スラスタ配置部10に配置されたスラスタ3を船内に取外す手順を説明する。
図16Aに示すように、稼働状態では、ロック装置30はロック状態であり、格納座20のフランジ部21は取付座15に固定ボルト60(図3)で固定された状態である。また、スラスタ3を駆動する駆動装置4等の構成部品も取付けられた状態である。なお、稼働状態では、ロック装置30はロック状態でもロック解除状態でもよいが、この実施形態では、稼働状態でロック装置30がロック状態となっている場合を説明する。
そして、図16Bに示すように、スラスタ3の停止後、スラスタ3を取外す準備として、駆動装置4、その他の構成部品を取外し、各部に防水カバー等を取付ける。構成部品の多くを図示していないが、具体的な取外し準備としては、配管、電線の取外し、駆動装置4、駆動軸5の取外し、潤滑油ポンプユニットの取外し、旋回ポンプユニットの取外し、旋回用バルブユニットの取外し、それらへの防水カバー等の取付け、などが行われる。また、格納座20の所定位置に、吊上げ装置のワイヤー7が取付けられる。
その後、ロック装置30のロック状態を再確認し、固定ボルト60によるフランジ部21の固定が解除される。このフランジ部21の固定解除は、スラスタ配置部10の内部空間17に作業者が入って行われるが、ドライな環境で作業を行うことができる。これにより、格納座20はロック装置30によってのみ取付座15に保持された状態となる。すなわち、この固定ボルト60を取外した状態のときには、スラスタ配置部10の内部と船体外部との水位差によりスラスタ3及び格納座20に作用する上向き荷重を、格納座20の周囲の複数箇所に設けたロック装置30によって船体構造に保持した状態となる。
次に、図17Aに示すように、スラスタ配置部10の内部に注水が行われる。この注水は、スラスタ配置部10の内部空間17に外部喫水8と同レベルの水が溜まるまで行われる。これにより、スラスタ3と格納座20とに作用する外部からの水圧と内部からの水圧とがバランスする。
そして、外部喫水8と同レベルまで注水されると、伝動軸31の上部に操作レバー55が取付けられ、作業者がこの操作レバー55を回すことによって伝動軸31が回転させられる。これにより、ロック装置30のロック金物34が回転させられて、ロックが解除される(図14に示す二点鎖線のロック金物34の状態)。この時、スラスタ3と格納座20とに作用する内外の水圧はバランスしており、格納座20とスラスタ3の下向き自重がこれらに作用する上向き浮力より大きく、これら下向き荷重は取付座15で支えられている状態であるため、ロック金物34には上向き荷重は作用していない。そのため、ロック金物34を容易に回転させることができる。
その後、ロック装置30の解除ができているかを潜水夫によって確認する。この潜水夫による作業は、単にロック解除状態の確認であるため、簡単な作業として行える、しかも、スラスタ配置部10の内部に入る作業であるため、船外の海気象に左右されず容易に行える。
この作業により、スラスタ3と格納座20を船体構造2に固定している構成の解除作業が終わる。
その後、図17Bに示すように、ウインチやクレーン等の吊上げ装置のワイヤー7により格納座20が吊上げられる。この格納座20の吊上げ時には、フランジ部21の昇降ガイド金物23が昇降ガイド40にガイドされた状態で行われるので(図2,3)、格納座20とスラスタ3を一体的に安定して吊上げることができる。
また、ワイヤー7で吊上げる重量は、水中では格納座20とスラスタ3の自重からこれらに作用する浮力を差引いた重量、水中から吊上げた空中でもスラスタ3と格納座20の自重のみによる重量となるので、それらの重量が吊上げられるウインチやクレーン等があればスラスタ3を船内に取外すことができる。従って、大重量用の特別な昇降装置を必要とせず、通常の簡便なウインチ等で吊上げ、吊降ろしすることができる。
そして、スラスタ配置部10から船内に吊上げられたスラスタ3は、所定の場所において点検、補修が行われる。
このような手順により、ウインチやクレーン等を用いた簡便なハンドリング装置によって、掘削船等を沖合いの稼動地点において定点保持等した状態で、船体構造2から下方に突出させていたスラスタ3を喫水面よりも上方の船内に取外して、点検、補修などを行うことができる。
次に、図18A〜図19Bに基づいて、船内で点検、補修などを行ったスラスタ3をスラスタ配置部10に取付ける手順を説明する。
図18Aに示すように、スラスタ配置部10内の水位が外部喫水8と同レベルの状態で、格納座20と一体的に固定されたスラスタ3をウインチやクレーン等によって吊降ろして入れる。この時、上述したスラスタ配置部10の上部に設けられた吊降ろしガイド41(図2)によって格納座20のフランジ部21がガイドされ、スラスタ配置部10に設けられた昇降ガイド40にフランジ部21の昇降ガイド金物23を係合させるように降ろすことができる(図2,3)。
そして、格納座20とともにスラスタ3を下降させると、格納座20のフランジ部21に設けられたピン穴72が取付座15に設けられた挿入ガイドピン71に挿入される(図11の二点鎖線)。これにより、フランジ部21が正確に位置決めされ、更に格納座20を下降させることでフランジ部21のボルト穴61が固定ボルト60に挿入される。そして、更に下降させることで格納座20のフランジ部21が取付座15に載置される(図11の実線)。また、これにより、フランジ部21の下面に設けられたシール材29(図10)が格納座20及びスラスタ3の自重によって取付座15と密着し、スラスタ配置部10の内部が外部と水密シールされる。
次に、図18Bに示すように、伝動軸31の上部に取付けられた操作レバー55によって伝動軸31が回転させられる。これにより、ロック装置30のロック金物34が回転させられて、格納座20のフランジ部21に設けられたくさび座90と係合し、フランジ部21が取付座15にロックされる(図14の実線)。このロック金物34の回転も、格納座20及びスラスタ3が自重で取付座15に載置された状態で、くさび座90のテーパ面91に向けてロック金物34を回転させる動作であるため、水中でも確実に係合させることができる。また、このロック装置30によるロック状態は、スラスタ配置部10内の水中に潜水夫が入って確認される。この潜水夫による確認作業は、ロック状態の確認のみであるため、簡単な作業として行える、しかも、スラスタ配置部10の内部に入る作業であるため、船外の海気象に左右されず容易に行える。
この作業により、スラスタ3及び格納座20を、船体構造2の取付座15にロック装置30で固定する作業が完了する。
次に、図19Aに示すように、スラスタ配置部10内の水が全て排出される。この時、上記したようにフランジ部21と取付座15とがロック装置30によってロックされているため、これらフランジ部21と取付座15との間に設けられたシール材29によってスラスタ配置部10の内部空間17は水密シールされている。そして、全ての水を排出することで、スラスタ配置部10の内部がドライな環境(空間)となる。
次に、図19Bに示すように、吊下げ装置のワイヤー7が取外される。また、格納座20の周囲のフランジ部21が取付座15に設けられた固定ボルト60に固定される(図11に示す実線の状態)。これらの作業は、スラスタ配置部10から排水した後に行われるため、ドライな環境での作業となり、容易に行うことができる。これにより、格納座20及びスラスタ3は、船体構造2に固定される。
その後、スラスタ3を取外す時に取付けられた防水カバー等が取外される。そして、種々の構成部品が取付けられる。構成部品の多くを図示していないが、具体的な構成としては、配管、電線の取付け、駆動装置4、駆動軸5の取付け、潤滑油ポンプユニットの取付け、旋回ポンプユニットの取付け、旋回用バルブユニットの取付け、などである。また、各構成部品を取付けた後、機器の調整と運転確認が行われる。
このような手順により、ウインチやクレーン等を用いた簡便なハンドリング装置によって、掘削船等を沖合い稼動地点において定点保持等しながら、船内からスラスタ配置部10の下部にスラスタ3を取付けることができる。
以上のように、上記船内取外し式スラスタ装置1によれば、掘削船等を沖合い稼動地点において定点保持等しながら、船底から突出させたスラスタ3を船内に取外すことができるので、船内に取外したスラスタ3は船内において点検、補修等を行うことができる。
また、取外したスラスタ3を点検、補修後にスラスタ配置部10に取付けたり、点検、補修時に他のスラスタ3をスラスタ配置部10に配置することもでき、船体の定点保持等を保った状態で、一部のスラスタ3を容易に点検、補修又は交換することが可能となる。
さらに、スラスタ3を船内に取外すために大重量用の昇降装置を必要としないため、船内取外し式スラスタ装置1を低コストで構成することができる。
また、スラスタ3を船内に取外す作業を船外水中で行う必要がないため、天候に影響されることなくスラスタ3の故障時等に迅速が取外し作業を行うことができる。
なお、上記実施形態では、格納座20のフランジ部21を取付座15に固定する固定手段として植込み式の固定ボルト(固定手段)60を例に説明したが、固定手段はフランジ部21の上方からボルトを挿入する押えボルトや、他の手段であってもよく、固定手段は上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態のロック装置30は、ロック金物34をくさび座90と係合させてロックする構成としているが、くさび座90以外の構成でロックするように構成してもよく、ロック装置30の構成は上記実施形態に限定されるものではない。しかも、ロック金物34を回転させてロック作動・解除する構成としているが、ロック装置30の作動・解除は回転式以外に直動式であってもよく、上記実施形態に限定されるものではない。
さらに、上記スラスタ配置部10の対向する壁面13に2条の昇降ガイド40を設けた例を説明したが、格納座20を安定して昇降させることができる昇降ガイドであれば、例えば、1条でも3条でもよく、昇降ガイド40の構成も上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る船内取外し式スラスタ装置は、洋上で定点保持等を行いながらスラスタを船内に取外して点検、補修などを行いたい掘削船等に利用できる。
1 船内取外し式スラスタ装置
2 船体(船体構造)
3 スラスタ
7 ワイヤー
8 外部喫水
10 スラスタ配置部
11 下開口部
12 上開口部
13 壁面(船体構造)
15 取付座
17 内部空間
20 格納座
21 フランジ部
22 格納部
23 昇降ガイド金物
28 桁材(強度部材)
29 シール材
30 ロック装置
31 伝動軸(回転駆動手段)
34 ロック金物
38 伸縮継手
39 係合面
40 昇降ガイド
41 吊降ろしガイド
42 昇降ガイド支持材
43 案内部
45 昇降ガイド
46 下部昇降ガイド
47 上部昇降ガイド
50 上部昇降ガイド金物取付台
51 上部昇降ガイド金物
55 操作レバー(回転駆動手段)
60 固定ボルト(固定手段)
61 ボルト穴
70 挿入ガイド
71 挿入ガイドピン
72 ピン穴
80 取付台
90 くさび座
91 テーパ面

Claims (9)

  1. 船体の所定位置に設けられた上下方向が開口するスラスタ配置部と、前記スラスタ配置部の下開口部から下方に突出するスラスタと、前記スラスタ及びスラスタの駆動装置を前記スラスタ配置部内に格納する格納座と、前記格納座の船体側固定位置に設けられた取付座と、前記格納座を前記取付座に固定する固定手段と、を備えたスラスタ装置であって、
    前記スラスタ配置部は周囲を船体構造の一部をなす壁面に覆われており、
    前記壁面には、前記固定手段による連結を解除した場合に前記格納座を取付座に保持するためのロック装置が備えられており、
    前記ロック装置は、前記スラスタ配置部の上部からロック状態の作動・解除ができるよう構成されており、
    前記ロック装置は、前記格納座の周囲に設けたフランジ部において格納座と係合するロック金物を有し、該ロック金物に連結され前記壁面に上下に延設された伝道軸を軸周りに回転させることで前記ロック金物を前記伝道軸まわりに回転させてロック状態の作動・解除を行うように構成されている船内取外し式スラスタ装置。
  2. 船体の所定位置に設けられた上下方向が開口するスラスタ配置部と、前記スラスタ配置部の下開口部から下方に突出するスラスタと、前記スラスタ及びスラスタの駆動装置を前記スラスタ配置部内に格納する格納座と、前記格納座の船体側固定位置に設けられた取付座と、前記格納座を前記取付座に固定する固定手段と、を備えたスラスタ装置であって、
    前記スラスタ配置部は周囲を船体構造の一部をなす壁面に覆われており、
    前記壁面には、前記固定手段による連結を解除した場合に前記格納座を取付座に保持するためのロック装置が備えられており、
    前記ロック装置は、前記スラスタ配置部の上部からロック状態の作動・解除ができるよう構成されており、
    前記ロック装置は、前記格納座の周囲に設けたフランジ部の上面に配置したくさび座と、前記船体構造に設けて前記くさび座と係合する係合面を有するロック金物とを有し、
    前記くさび座とロック金物の係合面は、くさび効果が得られる摩擦角以下の傾斜角度で形成されている船内取外し式スラスタ装置。
  3. 前記ロック装置は、前記ロック金物が水平方向に回転して前記くさび座と係合するように構成され、
    前記スラスタ配置部は、前記ロック装置のロック金物を回転させて作動・解除する回転駆動手段を上部に備え請求項に記載の船内取外し式スラスタ装置。
  4. 前記ロック装置は、前記ロック金物をくさび座と係合させる駆動手段を有し、
    前記駆動手段は、流体圧で前記ロック金物を駆動する駆動機で構成されている請求項に記載の船内取外し式スラスタ装置。
  5. 前記格納座のフランジ部は、前記固定手段の周囲で取付座に接するシール材を有し、
    前記ロック装置は、前記格納座の強度部材と対向するように配置されている請求項1〜のいずれか1項に記載の船内取外し式スラスタ装置。
  6. 船体の所定位置に設けられた上下方向が開口するスラスタ配置部と、前記スラスタ配置部の下開口部から下方に突出するスラスタと、前記スラスタ及びスラスタの駆動装置を前記スラスタ配置部内に格納する格納座と、前記格納座の船体側固定位置に設けられた取付座と、前記格納座を前記取付座に固定する固定手段と、を備えたスラスタ装置であって、
    前記スラスタ配置部は周囲を船体構造の一部をなす壁面に覆われており、
    前記壁面には、前記固定手段による連結を解除した場合に前記格納座を取付座に保持するためのロック装置が備えられており、
    前記ロック装置は、前記スラスタ配置部の上部からロック状態の作動・解除ができるよう構成されており、
    前記スラスタ配置部は、前記スラスタを取付けた状態の前記格納座を、前記スラスタ配置部内で吊上げ又は吊降ろし可能にガイドする上下方向に延設された昇降ガイドと、前記ロック装置を作動・解除する駆動手段と、を有している船内取外し式スラスタ装置。
  7. 前記スラスタ配置部は、前記格納座の中心に対して対向する位置に少なくとも2条の前記昇降ガイドを有している請求項に記載の船内取外し式スラスタ装置。
  8. 前記取付座は、前記格納座の吊降ろし時に前記取付座の所定位置にガイドする少なくとも2箇所に設けた挿入ガイドを有し、
    前記スラスタ配置部は、水平方向断面が矩形状の開口部を有し、
    前記少なくとも2条の昇降ガイドは、前記開口部の短辺側における対向するスラスタ配置部壁面に配設され、
    前記少なくとも2箇所に設けた挿入ガイドは、前記開口部の短辺側における対向する取付座面上に配設されている請求項に記載の船内取外し式スラスタ装置。
  9. 前記固定手段は、前記取付座に固定された固定ボルトと、前記格納座に設けたボルト穴とを有し、
    前記挿入ガイドは、前記取付座に固定された挿入ガイドピンと、前記格納座に設けたピン穴とを有し、
    前記格納座の吊降ろし時に、前記挿入ガイドピンで前記ピン穴をガイドすることで前記格納座のボルト穴位置を前記固定ボルト位置に位置決めするように構成されている請求項に記載の船内取外し式スラスタ装置。
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