JP5801253B2 - 成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、成膜装置に関するものである。
被処理物の表面に成膜材料を成膜する方法としては、例えばイオンプレーティング法が知られている。イオンプレーティング法においては、真空容器(チャンバー)内において成膜材料をイオン化し、拡散して成膜材料粒子を被処理物の表面に付着させることにより成膜を行う(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−9309号公報
プラズマを用いた成膜装置において、成膜中のプラズマの状態を把握することが求められている。例えば、チャンバー内にプローブを設置して、プラズマの状態を直接検出すると、プラズマに外乱を与えてしまい成膜に影響を及ぼすおそれがある。また、レーザーによる励起や干渉を用いて、プラズマの状態を測定する方法や、プラズマ自身の発する光を分光計測しプラズマの状態を算出する方法は、装置が大がかりとなる。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、成膜への悪影響を抑制しつつ、簡素な装置構成で、成膜時におけるチャンバー内のプラズマの状態を把握することが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
本発明は、チャンバー内で成膜材料をイオン化させて拡散し被処理物に付着させる成膜装置であって、チャンバー内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、基準とチャンバーの壁部との間の電位差である壁面電位を検出する電位検出手段と、壁面電位とチャンバー内のプラズマの分布とが関連付けられた情報を記憶する記憶部と、電位検出手段によって検出された壁面電位、及び記憶部に記憶された情報に基づいて、チャンバー内のプラズマの分布を予測する予測手段と、を備える成膜装置を提供する。
このような成膜装置によれば、成膜時において、基準とチャンバーの壁部との電位差である壁面電位を検出し、検出された壁面電位及び記憶部に記憶された情報に基づいて、チャンバー内のプラズマの分布を予測することができる。記憶部には、壁面電位とチャンバー内のプラズマの分布とが関連付けられた情報が記憶されている。予測手段は、チャンバーの壁面電位と、記憶部に記憶された情報に基づいて、成膜時のプラズマの分布を予測する。この成膜装置では、チャンバーの壁面電位を検出しているため、チャンバー内のプラズマに外乱を与えず、成膜に影響を及ぼすことが回避される。この成膜装置では、プラズマの分布を把握するための大がかりな装置も不要であるため、簡素な装置構成で、成膜時のプラズマの状態を把握することができる。
成膜装置は、予測手段による予測結果に関する情報を表示する表示手段を備える構成でもよい。この構成の成膜装置によれば、予測手段によって予測されたプラズマの分布に関する情報を、表示手段に表示させることができる。成膜装置の使用者は、成膜時に表示手段に表示された情報を視認することで、プラズマの状態を直感的に認識することができる。成膜装置の使用者は、成膜時のチャンバー内の現象を的確に理解することができ、チャンバー内で不具合が生じている場合には、素早く対応することが可能である。
成膜装置は、予測手段による予測結果に基づいて、プラズマ生成部を制御する制御手段を備える構成でもよい。この構成の成膜装置によれば、予測手段によって予測されたプラズマの分布に関する情報に基づいて、プラズマ生成部を制御することができるので、チャンバー内のプラズマの状態を調整することができる。
成膜装置は、予測手段による予測結果に基づいて、プラズマ生成部の操作を促す情報を報知する報知手段を備える構成でもよい。この構成の成膜装置によれば、予測手段によって予測されたプラズマの分布に関する情報に基づいて、使用者に対してプラズマ生成部の操作を促すための情報を報知することができる。使用者は、報知手段による情報に基づいて、プラズマ生成部の操作を行うことができ、チャンバー内のプラズマの状態を調整することができる。
本発明によれば、成膜への悪影響を抑制しつつ、簡素な装置構成で、成膜時におけるチャンバー内のプラズマの状態を把握することが可能な成膜装置を提供することができる。
本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。 表示部に表示されたプラズマ分布の一例を示す図である。 成膜装置で実行される処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明による成膜装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。図1には、説明を容易にする為にXYZ直交座標系も示されている。本実施形態の成膜装置1はいわゆるイオンプレーティング装置である。
本実施形態の成膜装置1は、主陽極2、搬送機構3、プラズマ源4(プラズマガン)、ユニットコントローラ5、補助陽極6、電位検出部7、表示部9、及び真空容器10(チャンバー)を備える。
真空容器10は、成膜対象である被処理物11を、イオン化成膜材料粒子Mbに曝しつつ搬送するための搬送室10aと、成膜材料Maをイオン化して拡散させるための成膜室10bと、プラズマ源4から照射されるプラズマPを成膜室10b内へ受け入れるプラズマ口10cと、酸素等の雰囲気ガスを成膜室10b内部へ導入するためのガス供給口10d、10eと、成膜室10b内の残余ガスを排気する排気口10fとを有する。搬送室10aは、本実施形態における所定方向である搬送方向(図中の矢印A)に延びており、成膜室10b上に配置されている。本実施形態においては、搬送方向(矢印A)はX軸の正方向に設定されている。また、真空容器10は、導電性の材料からなり接地電位に接続されている。
成膜室10bは、壁部10wとして、搬送方向(矢印A)に沿った一対の側壁と、搬送方向(矢印A)と交差する方向(Y軸方向)に沿った一対の側壁10h及び10iと、Z軸方向と交差して配置された底面壁10jを有する。
搬送機構3は、成膜材料Maと対向した状態で被処理物11を保持する被処理物保持部材32を搬送方向Aに搬送する。搬送機構3は、搬送室10a内に設置された複数の搬送ローラ31によって構成されている。搬送ローラ31は、搬送方向(矢印A)に沿って等間隔で並んでおり、被処理物保持部材32を支持しつつ搬送方向に搬送することができる。なお、被処理物11としては、例えばガラス基板やプラスチック基板などの板状部材が例示される。
プラズマ源4(プラズマ生成部)は、圧力勾配型のプラズマ源であり、その本体部分が成膜室10bの側壁(プラズマ口10c)に設けられている。プラズマ源4において生成されたプラズマビームPは、プラズマ口10cから成膜室10b内へ出射される。プラズマ源4は、陰極41により一端が閉塞されたガラス管42を備える。このガラス管42の内部においては、LaB6製の円盤43及びタンタル(Ta)製のパイプ44を内蔵するモリブデン(Mo)製の円筒45が、陰極41に固定されている。パイプ44は、アルゴン(Ar)等のキャリアガスGをプラズマ源4内に導入するために設けられる。円盤43、パイプ44、円筒45などプラズマ源4を構成する各部品は、その他の材質によって形成されていてもよい。
ガラス管42の陰極41とプラズマ口10cとの間には、第1の中間電極(グリッド)46と、第2の中間電極(グリッド)47とが同心的に配置されている。第1の中間電極46内にはプラズマビームを収束するための環状永久磁石46aが内蔵されている。第2の中間電極47内にもプラズマビームを収束するための電磁石コイル47aが内蔵されている。
プラズマ源4が装着されたプラズマ口10cの周囲には、プラズマビームPを成膜室10b内に導くステアリングコイル48が設けられている。このステアリングコイル48はステアリングコイル用の電源により励磁される。プラズマビームPの出射方向は、ステアリングコイル48によって制御される。また、陰極41と第1、第2の中間電極46、47との間には、それぞれ抵抗器を介して可変電源が接続される。
主陽極2は、成膜材料Maを保持するための部分である。主陽極2は、真空容器10の成膜室10b内に設けられ、搬送機構3に対し、Z軸方向の負方向に配置されている。主陽極2は、プラズマ源4から出射されたプラズマPを成膜材料Maへ導く主ハース21を有する。主ハース21は、接地電位である真空容器10に対して正電位に保たれており、プラズマP を吸引する。このプラズマPが入射する主ハース21の中央部には、成膜材料Maを装填するための貫通孔が形成されている。そして、成膜材料Maの先端部分が、この貫通孔から露出している。
成膜材料Maとしては、ZnOなどの透明導電材料や、SiONなどの絶縁封止材料が例示される。成膜材料Maが絶縁性物質からなる場合、主ハース21にプラズマPが照射されると、プラズマPからの電流によって主ハース21が加熱され、成膜材料Maの先端部分が蒸発する。また、成膜材料Maが導電性物質からなる場合、主ハース21にプラズマPが照射されると、プラズマPが成膜材料Maに直接入射し、成膜材料Maの先端部分が加熱されて蒸発する。蒸発した成膜材料Maは、プラズマPによってイオン化されてイオン化成膜材料粒子Mbとなる。イオン化成膜材料粒子Mbは、成膜室10b内に拡散しながら成膜室10bの上方(Z軸正方向)へ移動し、搬送室10a内において被処理物11の表面に付着する。なお、成膜材料Maは、その先端部分が所定の位置を常に維持するように、主陽極2の下方から押し出される。なお、成膜材料Maが絶縁性物質からなる場合、主ハース21にプラズマPが照射されると、プラズマPからの電流によって主ハース21が加熱され、成膜材料Maの先端部分が蒸発し、プラズマPによりイオン化された成膜材料粒子Mbが成膜室10b内に拡散する。
補助陽極6は、プラズマPを誘導するための電磁石である。補助陽極6は、成膜材料Maを保持する主ハース21の周囲に配置されており、環状の容器、並びに該容器内に収容されたコイル6a及び永久磁石6bを有する。コイル6a及び永久磁石6bは、コイル6aに流れる電流量に応じて、主ハース21に入射するプラズマPの向きを制御する。
成膜装置1は、主陽極2(アノード)とプラズマ源4の陰極41とを電気的に接続する第1の配線71を備えている。第1の配線71には、可変電源72が直列に接続されている。可変電源72は、接地電位にある真空容器10を挟んで、負電圧をプラズマ源4に、正電圧を主陽極2に印加する。
ユニットコントローラ5は、演算処理を行うCPU、記憶部51となるROM及びRAM、入力信号回路、出力信号回路、電源回路などにより構成されている。ユニットコントローラ5では、記憶部51に記憶されたプログラムを実行することで、予測部52、制御部53が構築されている。
成膜装置1は、基準と成膜室10bの壁部10wとの間の電位差である壁面電位を検出する電位検出部7を備えている。ユニットコントローラ5は、電位検出部7と電気的に接続されている。電位検出部7は、第2の配線73と、抵抗74とを有する。第2の配線73の一端側は、第1の配線71を介して、主陽極2(基準)と電気的に接続され、第2の配線73の他端側は、成膜室10bの壁部10wと電気的に接続されている。第2の配線73は、第1の配線71を介さずに、主陽極2と成膜室10bの壁部10wとを接続するものでもよい。抵抗74は、第2の配線73に直列に接続されている。電位検出部7は、第2の配線73及び抵抗74を備えるものに限定されず、その他の構成でもよい。電位検出部は、基準の電位と、成膜室10bの壁部10wの電位との電位差である壁面電位を検出可能な構成であればよい。
本実施形態では、基準の電位を主陽極2の電位として、主陽極2と成膜室10bの壁部10wとの間の電位差である壁面電位を検出しているが、基準の電位は主陽極2の電位に限定されない。成膜室10b内のプラズマPの影響を受けていない電位であればよい。電位検出部7は、成膜室10bの壁面に流れこむ電子の流れとプラズマ中のイオンの流れとの釣り合いで決まる壁面電位を計測する。
なお、「基準」とは、プラズマPにより電位が変化しない箇所をいう。また、基準となる他の例としては、成膜室10bの外部に設けられた外部回路を挙げることができる。本実施形態では、主陽極2を基準としているため、基準としての外部回路を別途設ける必要がない。これにより、装置の簡素化を図り、コストの増加を抑制することができる。
記憶部51には、プラズマPの分布の予測に用いるプラズマ分布マップが記憶されている。成膜室10bの側面電位と成膜室10b内のプラズマPの分布とには、相関関係がある。プラズマ分布マップは、成膜室10bの壁面電位と成膜室10b内のプラズマPの分布とが関連付けられた情報である。プラズマ分布マップは、例えば、事前に実行されたシミュレーションの結果に基づくものでもよく、事前の実験結果に基づくものでもよい。プラズマ分布マップに適用可能な情報としては、成膜室10b内のプラズマPの電位の分布に関する情報、成膜室10b内のプラズマP中の電子密度分布に関する情報が挙げられる。なお、「プラズマの分布」としては、プラズマPの電子密度(電子密度分布)、及び温度分布を挙げることができる。
プラズマPの分布は、例えば、ステアリングコイル48の傾斜角の値、ステアリングコイル48に流す電流値、主ハースのコイル6aに流す電流に対応する磁場情報に関する値、成膜室圧力(酸素分圧、アルゴン分圧などの雰囲気ガスの分圧)などの操作条件の値と相関関係がある。これらの値をパラメータとして、それぞれの値が変化したときの値に対応するプラズマPの分布に関する情報が記憶部51に記憶されている。
なお、ステアリングコイル48の傾斜角の値、ステアリングコイル48に流す電流値、主ハースのコイル6aに流す電流に対応する磁場情報に関する値、成膜室圧力(酸素分圧、アルゴン分圧などの雰囲気ガスの分圧)などの操作条件の値は、成膜中は基本的に一定であり、成膜室10bの壁面電位は、成膜中でも変化することが多いため、成膜中のプラズマPの分布をリアルタイムに把握するには、側面電位を測定する。
成膜室10b内に発生するプラズマPは、電子温度(例えば2〜5eV)が低く定常状態であるため、壁面電位及び印加磁場分布に基づいて、プラズマPの分布を予測することができる。成膜室10b内に印加される磁場の分布を予め測定し、壁面電位を計測することで、各壁面電位に対応するプラズマPの分布を求めることができる。成膜室10b内に印加される磁場の分布は、例えばガウスメータ等を用いて測定することができる。測定に代えて、シミュレーションを実行して、プラズマPの分布を算出してもよい。各壁面電位に対応したプラズマPの分布に関する情報は、マップ化され、記憶部51に記憶されている。なお、ユニットコントローラ5は、記憶部51に記憶されているプラズマ分布マップを書き換え可能な変更手段を備える構成でもよい。
予測部52は、電位検出部7によって検出された成膜室10bの壁面電位、及び記憶部51に記憶されたプラズマ分布マップに基づいて、成膜室10b内のプラズマPの分布を予測する。予測部52は、プラズマ分布マップを参照して、検出された壁面電位に応じたプラズマPの分布を予測する。なお、「プラズマPの分布を予測する」とは、検出した側面電位に基づき、側面電位ごとに予め測定又はシミュレーションしておいたプラズマPの分布を算出(取得)することである。
制御部53は、予測部52による予測結果に基づいて、プラズマ源4を制御し成膜室10b内で発生するプラズマPの状態を変化させる。制御部53は、プラズマ源4のステアリングコイル48の角度を制御することができる。ユニットコントローラ5は、予測部52による予測結果に基づいて、成膜室10b内のプラズマの状態が、正常状態であるか否かを判定する。プラズマPの状態が正常状態ではない場合に、制御部53は、ステアリングコイル48を駆動し、ステアリングコイル48を傾斜させて、プラズマ源4から出射されるプラズマの出射方向を制御することができる。
制御部53は、ステアリングコイル47に流す電流量を制御してプラズマPの状態を変化させてもよい。制御部53は、主ハース21のコイル6aに流す電流量を制御し、主ハース21近傍の磁場を変化させて、プラズマPの状態を変化させてもよい。制御部53は、成膜室10b内の酸素分圧、アルゴン分圧等の雰囲気ガスの分圧を操作して成膜室圧力を制御し、プラズマPの状態を変化させてもよい。制御部53は、記憶部51を参照して、ステアリングコイル47の電流量、主ハース21のコイル6aの電流量、成膜室圧力を制御することができる。制御部53は、これらのうち少なくとも一つを制御するものでもよく、これらのうちの複数を制御することで、プラズマPの状態を変化させてもよい。
表示部9は、予測部52で予測された予測結果であるプラズマ分布に関する情報を表示する。表示部9は、予測部52から出力された情報を取得して、成膜室10b内のプラズマPの分布を示す画像情報を表示する。表示部9としては、例えば液晶表示装置を使用することができる。図2は、表示部9に表示されたプラズマ分布の一例を示す図である。表示部9に表示される情報としては、成膜室10b内のプラズマPの分布の状態を示す画像情報、壁面電位の測定値を示す文字情報、ステアリングコイル48の傾斜角を示す文字情報などが挙げられる。その他、成膜条件に関する情報などを表示してもよい。
成膜装置1は、予測部52で予測された予測結果であるプラズマ分布に関する情報に基づいて、使用者によるプラズマ源4の操作を促す情報を報知する報知手段を備える構成でもよい。報知手段としては、画像を表示する表示手段、音声を出力する音声出力手段を用いることができる。例えば、表示部9に操作案内に関する情報を表示することで、使用者による操作を促す情報を報知してもよく、音声による案内情報を出力することで、使用者による操作を促す情報を報知してもよい。表示部9は、例えば「ステアリングコイルの角度を調節して下さい」などの文字情報を、ユニットコントローラ5の指示に従い表示する。入力操作可能な表示部(タッチパネル)を備える構成として、表示部に操作画面を表示することで、使用者の操作を促す情報を報知してもよい。
次に、成膜装置1を用いた成膜方法について説明する。まず、主陽極2に配置された主ハース21へ成膜材料Maを装着するとともに、被処理物11を保持した被処理物保持部材32を搬送機構3にセットする。そして、真空容器10内を真空に保持する。
続いて、接地電位にある真空容器10を挟んで、負電圧をプラズマ源4に、正電圧を主陽極2に印加して放電を生じさせ、プラズマPを生成する。プラズマPは、補助陽極6に案内されて主陽極2へ照射される。本方法では、被処理物保持部材32をX軸方向に搬送しつつ、このようにプラズマPを主陽極2へ照射する。プラズマPに曝された主陽極2内の成膜材料Maは、徐々に加熱される。成膜材料Maが十分に加熱されると、成膜材料Maが蒸発してイオン化され、イオン化成膜材料粒子Mbとなって成膜室10b内に拡散する。成膜室10b内に拡散したイオン化成膜材料粒子Mbは、成膜室10b内をZ軸方向の正方向に上昇し、被処理物11に向けて飛行する。
図3は、本実施形態の成膜装置1で実行される処理を示すフローチャートである。電位検出部7は、成膜室10bの壁面電位を検出している。ユニットコントローラ5は、検出された成膜室10bの壁面電位を取得する(ステップS1)。ユニットコントローラ5の予測部52は、検出された壁面電位及び記憶部51に記憶されているプラズマ分布マップに基づいて、成膜室10b内のプラズマ分布を予測する(ステップS2)。
ユニットコントローラ5は、予測部52による予測結果を出力し、表示部9は、予測結果であるプラズマPの分布を示す画像を表示する(ステップS3)。ユニットコントローラ5は、プラズマPの分布が正常であるか否かを判定する(ステップS4)。プラズマPの分布が正常である場合には、ここでの処理を終了し、ステップS1に戻る。
プラズマPの分布が正常ではない場合には、ステップS5に進み、プラズマ源4を制御する。例えば、ユニットコントローラ5は、プラズマ源4のステアリングコイル48の傾斜角を制御し、プラズマPの出射方向を制御して、プラズマPの分布を調整する。
このように本実施形態の成膜装置1では、成膜室10bの壁面電位を検出し、検出された壁面電位及び記憶部に記憶されたプラズマ分布マップに基づいて、成膜室10b内のプラズマPの分布を予測することができる。成膜装置1では、壁面電位を測定することで、プラズマPの分布を予測することができるので、真空容器10内のプラズマPに影響を与えず成膜を行いながら、成膜時のプラズマの分布の状況を把握することができる。成膜装置1では、プラズマPの分布を測定するための特別な装置が不要であり、簡素な構成で、プラズマPの分布を予測することができる。
成膜装置1では、プラズマPの分布に関する画像情報が、表示部9にリアルタイムで表示することができるので、使用者は、成膜室10bの内部のプラズマの状況を視認することが可能である。成膜装置1の使用者は、成膜時の成膜室10b内の現象を的確に理解することができ、成膜室10b内で不具合が生じている場合には、素早く対応することが可能である。成膜室10b内のプラズマPの分布を正常に維持することで、品質の高い成膜を実行することができる。
成膜装置1は、制御部53を備え、予測部52による予測結果に基づいて、プラズマPの分布を制御することができるので、成膜室10b内のプラズマPの分布を正常に維持することができる。
成膜装置1は、予測部52による予測結果に基づいて、プラズマ源4を制御するための操作を促す情報を報知する報知手段を備える構成でもよい。使用者は、報知手段による情報に基づいて、プラズマ源4を制御する操作を行うことができ、成膜室10b内のプラズマの状態を調整することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、被処理物11がハース部20の上方を通過する構成としているが、位置関係はこれに限定されない。例えば、ハース部20及び被処理物11が水平方向に向かい合うように配置されている構成でもよい。
搬送機構3は、搬送ローラを備え被処理物11を載置させて搬送するものに限定されない。専用の保持具によって被処理物を上方から支持しながら搬送する構成でもよい。搬送機構3を備えていない成膜装置でもよい。
上記実施形態では、成膜装置1をイオンプレーティング装置としているが、EB(イオンビーム)蒸着法などその他の蒸着法を用いた成膜装置でもよい。
上記実施形態の成膜装置1は、表示部9を備える構成としているが、表示部9を備えていない成膜装置でもよい。例えば、表示部9を備えず、制御部53を備える構成でもよい。このような構成の成膜装置1においても、装置として、成膜室10b内のプラズマPの状態を把握することができる。
1…成膜装置、2…主陽極、3…搬送機構、4…プラズマ源(プラズマ生成部)、5…ユニットコントローラ、6…補助陽極、6a…コイル、6b…永久磁石、7…電位検出部、9…表示部、10…真空容器(チャンバー)、10a…搬送室、10b…成膜室、11…被処理物、21…主ハース、31…搬送ローラ、48…ステアリングコイル、51…記憶部、52…予測部、53…制御部、Ma…成膜材料、Mb…イオン化成膜材料粒子、P…プラズマ。

Claims (4)

  1. チャンバー内で成膜材料をイオン化させて拡散し被処理物に付着させる成膜装置であって、
    前記チャンバー内にプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    基準と前記チャンバーの壁部との間の電位差である壁面電位を検出する電位検出手段と、
    前記壁面電位と前記チャンバー内の前記プラズマの分布とが関連付けられた情報を記憶する記憶部と、
    前記電位検出手段によって検出された前記壁面電位、及び前記記憶部に記憶された前記情報に基づいて、前記チャンバー内の前記プラズマの分布を予測する予測手段と、を備える成膜装置。
  2. 前記予測手段による予測結果に関する情報を表示する表示手段を備える請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記予測手段による予測結果に基づいて、前記プラズマ生成部を制御する制御手段を備える請求項1又は2に記載の成膜装置。
  4. 前記予測手段による予測結果に基づいて、前記プラズマ生成部の操作を促す情報を報知する報知手段を備える請求項1〜3の何れか1項に記載の成膜装置。
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