JP5801021B1 - 熱モニタリング具及び熱的治療装置 - Google Patents

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Abstract

本発明の熱モニタリング具は、被検体の組織内に挿入する挿入部と、前記挿入部が前記組織内に挿入された状態において、基端部が前記組織外に延出する所定の長さを有し、先端部が前記挿入部に結合された線状部材と、前記挿入部に設けられ、所定の温度以下の状態において前記組織と係合し、前記所定の温度以下の状態から前記所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に変形することで前記組織との係合を解除する係止部と、を含む。

Description

本発明は、熱的治療の実施時に、被検体の組織の温度上昇の様子をモニタリングする熱モニタリング具及び熱的治療装置に関する。
被検体である人体等の生物の組織に対して前記組織を加温する熱的治療が知られている。熱的治療は、例えば生体内に挿入する熱的治療具から組織にマイクロ波やラジオ波等の高周波電圧の印加又は超音波の照射を行うことによって組織を発熱させる。熱的治療は、例えば日本国特開平8−308853号公報に開示されているように、組織内の腫瘍細胞を死滅させる治療等に用いられる。
熱的治療によって組織を加温する場合には、治療対象の周囲の組織にまで熱が伝わるが、治療対象ではない組織に加温の影響が及ぶことは避けたい。このため、熱的治療の実施時には、サーモグラフィや熱電対を用いて組織の温度をモニタリングする手法が提案されている。
サーモグラフィや熱電対を用いて熱的治療を施す被検体の組織の温度をモニタリングする場合、装置が複雑であり高価なものとなってしまう。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、熱的治療の実施時に、被検体の組織の温度上昇の様子をモニタリングする、簡便な構造の熱モニタリング具及び熱的治療装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の熱モニタリング具は、被検体の組織内に挿入する挿入部と、先端部が前記挿入部に結合された線状部材と、前記線状部材に張力を与える基端部と、前記挿入部に設けられ、所定の温度以下の状態において前記組織と係合しており、前記所定の温度以下の状態から前記所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された状態になると変形し前記基端部に加えた張力によって前記組織から移動する係止部と、を含む。
また、本発明の他の態様の熱モニタリング具は、先端側が被検体の組織内に穿刺可能筒状部材と、前記筒状部材内に挿入する挿入部と、前記筒状部材が前記組織内に穿刺され、前記挿入部が前記筒状部材内に挿入された状態において、基端部が前記筒状部材外に延出する所定の長さを有し、先端部が前記挿入部に結合された線状部材と、前記挿入部に設けられ、所定の温度以下の状態において前記筒状部材と係合し、前記所定の温度以下の状態から前記所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に変形することで前記筒状部材との係合を解除する係止部と、を含む。
また、本発明の一態様の熱的治療装置は、前記熱モニタリング具、前記組織を加温する熱的治療具及び前記熱的治療具を作動させる駆動装置を含み、前記駆動装置は、前記熱モニタリング具の前記検出部により前記線状部材に与える張力の消失が検出された場合には、前記熱的治療具の作動を停止する。
第1の実施形態の熱モニタリング具の構成を説明する図である。 第1の実施形態の熱モニタリング具において、係止部が変形した状態を示す図である。 第1の実施形態の熱モニタリング具を組織内に挿入した状態を示す模式図である。 第1の実施形態の熱モニタリング具を用いた熱的治療の様子を示す図である。 熱的治療の実施例を示す図である。 熱的治療の他の実施例を示す図である。 第1の実施形態の挿入部及び係止部の第1の変形例を示す図である。 第1の実施形態の挿入部及び係止部の第2の変形例を示す図である。 第1の実施形態の挿入部及び係止部の第3の変形例を示す図である。 挿入部及び係止部の第4の変形例を示す図である。 第2の実施形態の熱モニタリング具の構成を説明する図である。 第2の実施形態の熱モニタリング具を組織内に挿入した状態を示す模式図である。 T字状の係止部を筒状部材内に収めた状態を示す図である。 コイル状の係止部を筒状部材内に収めた状態を示す図である。 押圧部材を備える第2の実施形態の熱モニタリング具を示す図である。 熱的治療具を押圧部材とした第2の実施形態の熱モニタリング具を示す図である。 第2の実施形態の筒状部材の第1の変形例を示す図である。 第2の実施形態の筒状部材の第2の変形例を示す図である。 第2の実施形態の筒状部材の第3の変形例を示す図である。 第3の実施形態の熱モニタリング具を示す図である。 第3の実施形態の熱モニタリング具を組織内に挿入した状態を示す模式図である。 第4の実施形態の熱モニタリング具及び牽引装置を示す図である。 第4の実施形態の牽引装置の構成を示す断面図である。 第4の実施形態の牽引装置によって、線状部材の基端部を保持した状態を示す図である。 第4の実施形態において、線状部材の挿入部が組織又は筒状部材から抜去した状態を示す図である。 第5の実施形態の熱モニタリング具及び牽引装置を示す図である。 第5の実施形態の牽引装置の構成を示す断面図である。 第5の実施形態の牽引装置によって、線状部材の基端部を保持した状態を示す図である。 第6の実施形態の熱モニタリング具の構成を示す図である。 第6の実施形態の熱モニタリング具において、スイッチ部が変形した状態を示す図である。 第7の実施形態の熱モニタリング具の構成を示す図である。 第7の実施形態の熱モニタリング具において、スイッチ部が変形した状態を示す図である。 第8の実施形態の熱モニタリング具の構成を示す図である。 第8の実施形態の熱モニタリング具において、スイッチ部が変形した状態を示す図である。
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1に示す本実施形態の熱モニタリング具1は、被検体である人体等の生物に対して所定の組織を加温する熱的治療を施す際に、当該熱的治療に伴う周辺の組織の温度変化の様子を使用者に知覚させる装置である。
熱モニタリング具1は、挿入部2と、挿入部2に設けられた係止部3と、挿入部2に結合された線状部材4と、を有する。
線状部材4は、金属や樹脂、繊維等によって構成された細長の線状の部材である。線状部材4の形状や材料は、所定の大きさの張力(長手方向に加えられる引っ張り力)に耐える部材であればよく、特に限定されるものではない。例えば、線状部材4は、糸のように、長手方向に圧縮力が加えられた場合には容易に座屈し変形する形態であってもよい。また例えば、線状部材4は、針金のように、長手方向に圧縮力が加えられた場合であっても、当該圧縮力が所定の値を越えるまでは座屈しない形態であってもよい。すなわち、線状部材4は、長手方向に張力を伝達する部材であれば、圧縮力を伝達する形態であってもよいし、長手方向に圧縮力を伝達しない形態であってもよい。
なお、図示する本実施形態の線状部材4は、長手方向に太さが一定であるが、線状部材4は長手方向に断面形状が変化する形状を有していてもよい。また、線状部材4を構成する部材は単一でなくともよく、線状部材4は複数の部材によって構成されていてもよい。例えば、線状部材4は、より糸のように、同一断面内に複数の部材が存在する形態であってもよいし、鎖のように長手方向に複数の部材が連結された形態であってもよい。
線状部材4の一方の端部である先端部4aは、挿入部2に結合されている。なお、線状部材4と挿入部2とは、単一の部材により一体に構成されていてもよい。
挿入部2は、被検体である人体等の生物の組織の内部、又は内視鏡に設けられた管路や生物の組織に穿刺可能な針管等の生物の体内に導入可能な筒状部材の内部、に挿入される部位である。
挿入部2には、係止部3が設けられている。挿入部2は、その温度が所定の温度以下である場合と、前記所定の温度を超える所定の温度範囲である場合とで、後述するように外形が異なる。なお、挿入部2は、所定の温度以下の状態から所定の温度範囲に至るまで加温された場合に変形する構成であればよく、所定の温度範囲の状態から所定の温度以下にまで温度が低下する場合には変形しなくともよい。すなわち、挿入部2の温度変化による変形は、不可逆であってもよい。
挿入部2が生物の組織の内部に挿入されており、挿入部2の温度が所定の温度以下である場合には、係止部3は周囲の組織と係合する。ここで挿入部2を組織内から抜去する方向の力が挿入部2に加えられた場合には、係止部3は、この力に反して挿入部2を組織内に留める抵抗力を生ずる。また、挿入部2が筒状部材の内部の所定の位置に挿入されており、係止部3の温度が所定の温度以下である場合には、係止部3は、筒状部材に設けられた係合部と係合する。挿入部2を組織内から抜去する方向の力が挿入部2に加えられた場合には、係止部3は、この力に反して挿入部2を筒状部材内に留める抵抗力を生ずる。
すなわち、挿入部2が組織内部又は筒状部材内に挿入されており、挿入部2の温度が所定の温度以下である場合には、線状部材4の基端側を引っ張ることで線状部材4に張力を加えても、係止部3が組織又は筒状部材と係合しているため、挿入部2は組織内部又は筒状部材内に留まる。なお、係止部3、組織又は筒状部材が大きく変形又は破壊するような過大な張力が線状部材4に加えられた場合には、挿入部2が抜け落ちてしまうことは勿論のことである。
また、挿入部2が生物の組織の内部に挿入されており、挿入部2が所定の温度以下の状態から所定の温度範囲に至るまで加温された場合には、挿入部2は変形して係止部3の係止機能が消失し、係止部3と組織又は筒状部材との係合が解除される。
すなわち、挿入部2が組織内部又は筒状部材内に挿入されており、挿入部2が所定の温度範囲にまで加温された場合には、線状部材4の基端側を引っ張ることで線状部材4に張力を加えれば、挿入部2は組織内部又は筒状部材内から抜ける。
次に、挿入部2及び係止部3の具体的な構成について説明する。本実施形態では一例として、挿入部2は、被検体である人体等の生物の組織の内部に挿入される形態を有する。図1は、係止部3の温度が所定の温度以下である場合を示している。
図1に示すように、本実施形態の挿入部2は、線状の部材からなる。挿入部2の一方の端部である先端部2aには係止部3が設けられている。また、挿入部2の他方の端部である基端部2bは、線状部材4の先端部4aに結合されている。本実施形態の挿入部2は、所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合に変形する形状記憶合金によって構成されている。
挿入部2の温度が所定の温度以下である場合には、係止部3は、線状の形状記憶合金からなる挿入部2の先端部2aが折れ曲がった形状を有する。
具体的には、図1中に記号θで示すように、係止部3は、挿入部2の先端から所定の長さの箇所において挿入部2が90度以上屈曲した形状を有する。すなわち、係止部3は、挿入部2の温度が所定の温度以下である場合において鉤状の形状を有する。このような係止部3の形状は、矢尻や釣り針においてカエシ等と称される。
よって、挿入部2が、被検体である人体等の生物の組織の内部に挿入されており、挿入部2の温度が所定の温度以下である場合において、鉤状である係止部3は周囲の組織に係合する。
なお、図示する本実施形態では、係止部3における屈曲部は略V字形状であるが、屈曲部は丸みを帯びた略U字形状であってもよい。
挿入部2は、所定の温度である状態から所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合、図2に示すように、挿入部2の屈曲を解消するように変形する。すなわち、挿入部2が所定の温度範囲にまで加温され変形した状態では、係止部3は挿入部2の長手方向に沿い、係止部3と挿入部2とは直線状となる。
よって、挿入部2が、被検体である人体等の生物の組織の内部に挿入されており、挿入部2が所定の温度以下の状態から所定の温度範囲に至るまで加温された場合には、鉤状であった係止部3は直線状に変形し、組織との係合を解除する。
ここで、所定の温度の値は特に限定されるものではなく、熱モニタリング具1を使用する条件によって適宜に設定される。本実施形態では一例として、所定の温度は42℃から45℃とする。この42℃から45℃の所定の温度では、腫瘍細胞が死滅する温度ではあるが、正常細胞は生存する温度である。なお、所定の温度は、42℃未満であってもよいし、45℃超であってもよい。
次に、本実施形態の熱モニタリング具1の作用について説明する。図3は、腫瘍細胞を含む生物の組織に熱的治療を行う様子を示す模式図である。図3では、人体等の生物のある組織10の断面を示しており、当該断面には治療対象である腫瘍細胞等の目的部位11が存在している。なお、熱的治療の対象は、例えば、膵臓癌、肝癌、腎臓癌、肺癌、前立腺癌又は悪性リンパ腫等の悪性腫瘍であってもよいし、また例えば子宮筋腫又は子宮内膜症等の良性腫瘍であってもよい。
熱的治療では、組織10内に挿入された熱的治療具20、または組織10外に配置された熱的治療具20によって目的部位11を加熱する。ここで、熱的治療具20は、マイクロ波やラジオ波等の高周波電圧の印加又は超音波の照射によって組織10を発熱させる装置である。本実施形態では一例として、目的部位11内に挿入された熱的治療具20の動作によって、熱的治療具20の先端部20aの周囲に存在する組織が加熱されるものとする。なお、組織10外に配置された熱的治療具20によって目的部位11を発熱させる方法としては、熱的治療具20から超音波を目的部位11において集束するように照射する、いわゆる強力集束超音波(HIFU)が知られている。熱的治療具20の具体的な構成は公知であるため詳細な説明は省略する。
熱的治療の実施前に、熱モニタリング具1の挿入部2を組織10内に挿入し、係止部3を、組織10内の温度変化の様子を検出したい箇所に配置する。この、係止部3が配置される組織10内の温度変化の様子を検出したい箇所とは、本実施形態では一例として、熱的治療具20の先端部20aと、血管12との間とする。なお、係止部3が配置される箇所はこれに限定されるものではなく、腫瘍細胞である目的部位11と正常細胞との境界部であってよいし、目的部位11の内部であってもよい。
組織10内への挿入部2の挿入経路は、被検体の体外から皮膚を通過する場合であってもよいし、被検体の消化管内から当該消化管の管壁を通過する場合であってもよいし、体腔内から組織10を有する内臓の外壁を通過する場合であってもよい。熱モニタリング具1の挿入部2を組織10内の所定の位置に挿入する操作は、例えば超音波内視鏡等の超音波診断装置による観察下において行われる。
また、熱モニタリング具1の挿入部2が組織10内に挿入された状態において、線状部材4の基端部4bを組織10を有する内臓の外にまで延出させる。線状部材4の基端部4bは、挿入部2が組織10内に挿入された状態において、被検体の体外にまで延出されてもよい。
熱モニタリング具1の挿入部2が組織10内に挿入され、係止部3が組織10内に配置された状態(図3の状態)では、挿入部2の温度は、所定の温度である42℃から45℃よりも低いため、係止部3は周囲の組織10と係合する。このため、線状部材4の基端部4b側に張力Tを与え、挿入部2に組織10内から抜去する方向の力を加えた場合でも、組織10内における挿入部2の位置は変化しない。
すなわち、係止部3が配置されている組織10の温度が所定の温度以下である場合には、組織10の外に延出している線状部材4を、使用者の手指もしくは何らかの装置によって引っ張ったとしても、熱モニタリング具1は組織10内に挿入されたままとなる。言い換えれば、線状部材4に張力Tを与えても熱モニタリング具1の挿入部2が組織10内から抜け落ちない場合には、挿入部2が配置された場所の組織10の温度は、所定の温度以下である、と使用者は判断することができる。
熱的治療具20を動作させ熱的治療を開始すると、熱的治療具20の先端部20aの周囲の組織10が発熱する。熱的治療具20の動作によって生じた熱は周囲の組織10に伝わるため、熱的治療開始からの時間経過にともない組織10の温度が所定の温度(42℃から45℃)を超える領域が周囲に広がる。図4では、組織10の温度が所定の温度を超える領域を破線で示している。
そして、図4に示すように、組織10の温度が所定の温度を超える領域が、挿入部2が配置された場所にまで拡大すると、係止部3が変形し、係止部3と組織10との係合が解除される。このため、線状部材4の基端部4b側に張力Tを与え、挿入部2に組織10内から抜去する方向の力を加えた場合には、挿入部2は組織10から抜け落ちる。
すなわち、挿入部2が配置されている組織10の温度が所定の温度を越える所定の温度範囲にまで加温された場合には、組織10の外に延出している線状部材4を、使用者の手指もしくは何らかの装置によって引っ張れば、熱モニタリング具1が組織10から抜去される。言い換えれば、線状部材4に張力Tを与えて熱モニタリング具1の挿入部2が組織10内から抜け落ちた場合には、挿入部2が配置された場所の組織10が所定の温度範囲にまで加温された、と使用者は判断することができる。
図5を参照して、腫瘍細胞である目的部位11が存在する組織10を有する膵臓13に対して熱的治療を施す実施例を説明する。図5に示す例では、被検体である人体を左側臥位とし、消化管である胃14内に超音波内視鏡30を挿入し、超音波内視鏡30の先端部31aから突出させた熱的治療具20を用いて、胃14内から膵臓13に熱的治療を施す。
超音波内視鏡30の構成、及び超音波内視鏡30及び熱的治療具20を用いた熱的治療は周知のものであるため、詳細な説明は省略するものとする。
超音波内視鏡30は、被検体の内部に導入可能な挿入部31と、挿入部31の基端に位置する操作部32とを有している。挿入部31の先端部31aには、超音波を送受信する超音波振動子31b、光学像を撮像するための撮像装置及び照明装置、及び処置具チャンネル34の先端側開口部31c等が設けられている。
超音波振動子31bを駆動することによって得られる超音波画像、及び撮像装置を駆動することによって得られる光学画像は、操作部32から延出するユニバーサルコード33を介して接続される図示しない画像表示装置に表示される。
処置具チャンネル34は、挿入部31内に挿通された管路である。処置具チャンネル34の基端側開口部34bは、操作部32に開口している。基端側開口部34bから熱的治療具20を処置具チャンネル34内に挿入することにより、熱的治療具20の先端部20aを、先端側開口部34aから突出させることができる。
図5に示す熱的治療では、超音波内視鏡30の挿入部31を胃14内に挿入し、超音波内視鏡30を用いた光学画像及び超音波画像による観察下において、熱モニタリング具1の挿入部2を、胃14の内部から膵臓13の組織10内に挿入する。前述のように本実施形態では、挿入部2を目的部位11と血管12との間に配置する。ここで、超音波内視鏡30に設けられた管路を経由して、被検体の体外にまで延出する。
線状部材4が被検体の体外に出るまでの間に挿通される管路は、熱的治療具20が挿通される処置具チャンネル34であってもよいし、処置具チャンネル34とは別に超音波内視鏡30に設けられた管路であってもよい。また、線状部材4が挿通される管路は、超音波内視鏡30とは別に被検体内に挿入された筒状部材であってもよい。
被検体の体外にまで延出された線状部材4には、例えば使用者の手指によって基端部4bを把持することにより、張力Tを与える事ができる。また、例えば、基端部4bに所定の重さの錘を固定する方法や、基端部4bにバネや電動モータ等を用いた牽引装置を接続する方法によっても、線状部材4に張力Tを与える事ができる。
そして、挿入部31の先端部31aに設けられた先端側開口部34aから熱的治療具20を突出させ、熱的治療具20を胃14の内部から膵臓13の組織10内に挿入し、腫瘍細胞11を加温する熱的治療を開始する。
そして、熱的治療の熱が周囲に伝わることによって挿入部2の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温されると、挿入部2が変形して係止部3と組織10との係合が解除され、挿入部2は組織10から抜け落ちる。挿入部2の組織10からの抜去は、例えば超音波内視鏡30を用いた光学画像及び超音波画像による観察によって確認できる。また、使用者の手指によって線状部材4を牽引する場合には、使用者は線状部材4に掛けていた張力が消失することによって、挿入部2の組織10からの抜去を直接認識できる。使用者は、挿入部2の組織10からの抜去を確認することによって、挿入部2が配置された場所の組織10が所定の温度範囲にまで加温されたと判断できる。
なお、図5に示す実施例では、熱モニタリング具1の挿入部2が膵臓13の組織10内に挿入された状態において、線状部材4の基端部4bは被検体の体外に延出するが、線状部材4の基端部4bは、図6に一例として示すように、被検体の体内(胃14の内部)に延出する形態であってもよい。
図6に示す実施例では、超音波内視鏡30の挿入部31を胃14内に挿入し、超音波内視鏡30を用いた光学画像及び超音波画像による観察下において、熱モニタリング具1の挿入部2を、胃14の内部から膵臓13の組織10内に挿入する。前述のように本実施形態では、挿入部2を腫瘍細胞11と血管12との間に配置する。ここで、線状部材4の基端部4bは、胃14内にまで延出する。
胃14内にまで延出した線状部材4には、錘7が固定される。錘7が線状部材4に固定されることによって、線状部材4には張力Tが与えられる。すなわち、錘7は、熱モニタリング具1の挿入部2を組織10から抜去する方向の力を生じる牽引装置である。なお、錘7は、線状部材4の基端部4bと一体であってもよい。
そして、挿入部31の先端部31aに設けられた先端側開口部34aから熱的治療具20を突出させ、熱的治療具20を胃14の内部から膵臓13の組織10内に挿入し、目的部位11を加温する熱的治療を開始する。
そして、熱的治療の熱が周囲に伝わることによって係止部3の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温されると、係止部3が変形して係止部3と組織10との係合が解除され、挿入部2は組織10から抜け落ちる。挿入部2の組織10からの抜去は、例えば超音波内視鏡30を用いた光学画像及び超音波画像による観察によって確認できる。使用者は、挿入部2の組織10からの抜去を確認することによって、挿入部2が配置された場所の組織10が所定の温度範囲にまで加温されたと判断できる。
以上のように、本実施形態では、熱的治療の実施時において、使用者は熱モニタリング具1を用いることによって、熱的治療の実施時に、所望の箇所の組織の温度上昇の様子を容易かつ確実に知ることができる。そして、本実施形態の熱モニタリング具1は、形状記憶合金からなる挿入部2に係止部3を設け、当該挿入部2に線状部材4を結合した簡便な構造であることから、安価に製造することができる。
例えば、本実施形態のように、目的部位11と血管12との間に係止部3を配置した場合には、線状部材4に張力Tを与えながら熱的治療を実施し、挿入部2が組織10からの抜けた時に熱的治療を停止すれば、血管12が所定の温度を越える温度にまで加温されることを防止できる。所定の温度は、前述のように、腫瘍細胞が死滅する温度ではあるが、正常細胞は生存する温度であるから、血管12に熱的治療による加温の影響が及ぶことはない。このように、熱モニタリング具1を腫瘍細胞を死滅させる熱的治療に用いれば、腫瘍細胞である目的部位11の周囲の正常な組織に、熱的治療による加温の影響が及ぶことを防止できる。
なお、本実施形態の熱モニタリング具1は、前述の用途の他に、熱的治療によって所定の温度を超える温度にまで加温されたか否かを使用者が知覚し、熱的治療が十分に施されたか否かを判断するためにも用いることができる。よって、熱モニタリング具1の使用時に、係止部3を組織10内に配置する箇所は、前述した実施形態に限られるものではなく、用途に応じて適宜に定められるものである。
例えば、目的部位11の外側の近傍に係止部3を配置すれば、挿入部2が抜けることによって、使用者は、目的部位11の全体が腫瘍細胞が死滅する温度にまで加温されたと判断することができる。
また例えば、目的部位11が存在する組織10が、膵臓等のように加温に対して弱い部位であれば、熱的治療による副作用を抑えるために目的部位11の外側の通常組織が加温されることを避けたい場合がある。この場合には、目的部位11の内側であって目的部位11の外周近傍に係止部3を配置すれば、目的部位11の外側の組織10の温度上昇を防ぐことができる。
以上に述べた熱モニタリング具1は、被検体の組織の温度変化を、形状記憶合金からなる挿入部2の変形によって知覚する装置である。本実施形態では、熱モニタリング具1を被検体の組織を加熱する場合に用いているが、熱モニタリング具1は、被検体の組織を冷却する凍結療法にも用いることが可能である。この場合、熱モニタリング具1の挿入部2は、例えば0℃等の所定の温度を下回った場合に、係止部3と組織との係合が解除されるように変形するように構成される。
次に、挿入部2及び係止部3の変形例を説明する。前述した係止部3は、鉤状の形状であるが、係止部3はこの形状に限られるものではない。係止部3は、生物の組織10内に挿入され、挿入部2の温度が所定の温度以下である場合において、挿入部2を抜去する方向の力に抗して挿入部2を組織10内部に留める力を生じる形状を有し、かつ挿入部2の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合に、この抵抗力が消失するように変形するものであればよい。
図7は、挿入部2及び係止部3の第1の変形例を示す図である。図7に示すように、本変形例の係止部3は、所定の温度以下である場合において、線上の形状記憶合金からなる挿入部2の先端部2aを、コイル状に巻回した形状を有する。係止部3は、所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合には、図7中に二点鎖線で示すように、直線状に変形する。
図8は、挿入部2及び係止部3の第2の変形例を示す図である。図8に示すように、本変形例の係止部3は、所定の温度以下である場合において、線上の形状記憶合金からなる挿入部2の先端部2aを、略T字状に折り曲げた形状を有する。具体的には、係止部3は、挿入部2の先端から基端側に所定の長さL1の点Aを略180度折り返し、さらに点Aから基端側に長さL1よりも短い長さL2の点Bを略90度折り曲げた形状を有する。係止部3は、所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合には、図8中に二点鎖線で示すように、直線状に変形する。
図9は、挿入部2及び係止部3の第3の変形例を示す図である。図9に示すように、本変形例の挿入部2は、先端部2aが複数に分かれており、それぞれの先端部2aに係止部3が設けられている。
図10は、挿入部2及び係止部3の第4の変形例を示す図である。本変形例では、挿入部2は、線状の部材である。係止部3は、挿入部2の先端部2aに固定され、温度が所定の温度以下である場合において、先端部2aの側方に突出する外形を有する部材である。
本変形例の係止部3は、所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合に、溶けるもしくは軟化する材料によって構成されている。係止部3を構成する材料は、例えば、蜜蝋、骨蝋又はパラフィン等である。本変形例では、係止部3が所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温され、挿入部2に抜去方向に力が加えられた場合には、係止部3がこの力に応じて変形するため、係止部3と組織10との係合が解除される。
図7から図10に示す変形例であっても、前述したように、熱的治療の実施時において、使用者は熱モニタリング具1を用いることによって、熱的治療の実施時に、所望の箇所の組織の温度上昇の様子を容易かつ確実に知ることができる。また、これらの変形例の熱モニタリング具1は、線状の部材の先端部に係止部3を固定した簡便な構造であることから、安価に製造することができる。
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態を説明する。以下では第1の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
本実施形態の熱モニタリング具1は、図11に示すように、筒状部材5を備える点が第1の実施形態と異なる。
筒状部材5は、中空の管状の部材であり、内部に挿入部2、係止部3及び線状部材4を挿通することが可能である。本実施形態では一例として、筒状部材5は、先端部5aが生物の組織10に穿刺しやすくするために、長手方向に対して斜めに切断された形状である、針管である。線状部材4の基端部4bは、筒状部材5の基端部から外側に延出する。なお、筒状部材5の先端部5aは、長手方向に対して直交する面によって切断された形状であってもよい。
本実施形態において、挿入部2及び係止部3の形態は、図示する係止部3が鉤状である形態に限られず、第1の実施形態において図7から図10を参照して述べた変形例の形態であってもよい。
本実施形態の熱モニタリング具1を使用する場合には、挿入部2及び係止部3を、筒状部材5内に収容した状態で筒状部材5を組織10内に穿刺し、その後、図12に示すように挿入部2、係止部3及び線状部材4に対して筒状部材5を相対的に基端側に移動させることによって、挿入部2及び係止部3を組織10内に配置する。なお、筒状部材5は、係止部3の先端部3aから基端側に向かって所定の距離だけ相対移動する形態であってもよいし、線状部材4の基端部4bまで相対移動して挿入部2、係止部3及び線状部材4が筒状部材5内から抜ける形態であってもよい。
このように、本実施形態では筒状部材5を用いて挿入部2及び係止部3を組織10内に挿入するため、挿入部2及び係止部3を組織10の所定の箇所に配置する操作が容易となる。
例えば係止部3の形状が図7に示したコイル状や、図8に示したT字状である場合には、係止部3が露出した状態で挿入部2を組織10内に挿入する際の抵抗が大きいため、深い位置にまで挿入部2を挿入することが難しい。本実施形態では、図13及び図14に示すように、T字状及びコイル状である係止部3を筒状部材5内に収容することによって、挿入部2及び係止部3を組織10の所定の箇所にまで容易に挿入することが可能となる。
図13及び図14に示す実施形態では、係止部3は、筒状部材5内に収容された状態においては、筒状部材5の内径に収まる形状に弾性的に変形している。係止部3は、組織10内で筒状部材5の外に出された場合に弾性によって展開し、図7及び図8に示すように、組織6と係合する形状に戻る。
本実施形態であっても、第1の実施形態と同様に、熱的治療の実施時において、使用者は熱モニタリング具1を用いることによって、熱的治療の実施時に、所望の箇所の組織の温度上昇の様子を容易かつ確実に知ることができる。また、熱モニタリング具1は、簡便な構造であることから、安価に製造することができる。
なお、組織10内において、挿入部2、係止部3及び線状部材4に対して筒状部材5を相対的に基端側に移動させる作業は、線状部材4が例えば金属ワイヤのように長手方向の圧縮力に対して座屈しにくい形態であれば、線状部材4を固定しながら筒状部材5を基端方向に引っ張るだけで容易に行うことができる。
しかし、線状部材4が糸のような柔軟な形態である場合には、挿入部2及び係止部3を、筒状部材5内から相対的に先端側に押し出す操作が必要となる。そこで、線状部材4が糸のような柔軟な形態である場合には、図15に示すように、筒状部材5内に押圧部材6が配設される。押圧部材6は、筒状部材5よりも長く、筒状部材5の内径よりも小さい外径を有する部材である。押圧部材6は、筒状部材5内から挿入部2及び係止部3を組織10内に押し出すために必要な力量が軸方向に加えられても座屈しない剛性を有する。なお、図16に示すように、筒状部材5内に挿通された熱的治療具20を、押圧部材6として用いてもよい。
以上に説明した本実施形態では、筒状部材5は針管の形態を有するが、筒状部材5の形態はこれに限られるものではない。
例えば、図17に第1の変形例として示すように、筒状部材5は、複数の管路を有する形態であってもよい。図17に示す本変形例では、筒状部材5は、2つの管路5b及び5cを有する。そして、一方の管路5bには、熱モニタリング具1が挿通され、他方の管路5cには熱的治療具20が挿通される。
図18に第2の変形例として示すように、筒状部材5が複数の管路を有する場合、それぞれの管路の先端側の開口部は、筒状部材5の長手方向に離間して設けられていてもよい。図18に示す本変形例では、筒状部材5は、熱モニタリング具1が挿通される管路5b及び熱的治療具20が挿通される管路5cを有する。管路5cは、筒状部材5の先端において開口しており、管路5bは、筒状部材5の先端から所定の距離だけ基端側に離れた位置において開口している。
また例えば、図19に第3の変形例として示すように、筒状部材5は、2つの管路5b及び5cを有し、一方の管路5bに熱モニタリング具1が挿通され、他方の管路5cに超音波内視鏡30の挿入部31が挿通される形態であってもよい。このような、超音波内視鏡30が挿通される筒状部材は、オーバーチューブ等と称される。
図17から図19に示す変形例であっても、前述したように、熱的治療の実施時において、使用者は熱モニタリング具1を用いることによって、熱的治療の実施時に、所望の箇所の組織の温度上昇の様子を容易かつ確実に知ることができる。また、これらの変形例の熱モニタリング具1は、簡便な構造であることから、安価に製造することができる。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態を説明する。以下では第1及び第2の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1及び第2の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
前述した第1及び第2の実施形態では、熱モニタリング具1の挿入部2は組織10内に挿入され、温度が所定の温度以下である場合には、係止部3が周囲の組織10と係合する。これに対し、本実施形態では、熱モニタリング具1の挿入部2は筒状部材5内に挿入され、温度が所定の温度以下である場合には、係止部3が筒状部材5と係合する。
図20に示すように、熱モニタリング具1は、筒状部材5と、筒状部材5内に挿通される挿入部2及び線状部材4を備える。挿入部2の先端部2aには、係止部3が設けられている。
本実施形態では一例として、筒状部材5は、組織10に穿刺可能な針管である。筒状部材5の先端部5a近傍の壁面には、貫通孔5dが穿設されている。
線状部材4は、第1及び第2の実施形態と同様に、金属や合成樹脂等によって構成された細長の線状の部材である。
挿入部2は、線状の部材からなる。挿入部2の一方の端部である先端部2aには係止部3が設けられている。また、挿入部2の他方の端部である基端部2bは、線状部材4の先端部4aに結合されている。本実施形態の挿入部2は、所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合に直線状に変形する形状記憶合金によって構成されている。なお、線状部材4と挿入部2とは、単一の部材により一体に構成されていてもよい。
係止部3は、線状の形状記憶合金からなる挿入部2の先端部2aを、温度が所定の温度以下である状態で鉤状に折り曲げることによって形成されている。係止部3は、筒状部材5の壁面に形成された貫通孔5dを通って筒状部材5の外側に突出する。よって、係止部3の温度が所定の温度以下である場合において、係止部3は筒状部材5に係合する。
また、係止部3が、筒状部材5の貫通孔5dに係合している状態において、線状部材4の基端部4bは、筒状部材5の基端から外側に延出する。
係止部3は、所定の温度である状態から所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合、図20中に二点鎖線で示すように、直線状に変形する。よって、係止部3が所定の温度以下の状態から所定の温度範囲に至るまで加温された場合には、係止部3は直線状に変形し、筒状部材5との係合を解除する。
熱的治療の実施時において本実施形態の熱モニタリング具1を使用する場合には、図21に示すように、熱モニタリング具1の筒状部材5を組織10内に挿入し、係止部3を、組織10内の温度変化の様子を検出したい箇所に配置する。この、係止部3が配置される組織10内の温度変化の様子を検出したい箇所とは、本実施形態では一例として、熱的治療具20の先端部20aと、血管12との間とする。なお、係止部3が配置される箇所はこれに限定されるものではなく、腫瘍細胞である目的部位11と正常細胞との境界部であってよいし、目的部位11の内部であってもよい。
組織10内への筒状部材5の挿入経路は、被検体の体外から皮膚を通過する場合であってもよいし、被検体の消化管内から当該消化管の管壁を通過する場合であってもよいし、体腔内から組織10を有する内臓の外壁を通過する場合であってもよい。筒状部材5を組織10内の所定の位置に挿入する操作は、例えば超音波内視鏡30等の超音波診断装置による観察下において行われる。線状部材4には、第1及び第2の実施形態と同様に、使用者の手指もしくは何らかの牽引装置(例えば錘7)によって張力Tが与えられる。
熱的治療具20が作動し、熱的治療の熱が周囲に伝わることによって係止部3の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温されると、係止部3が変形して係止部3と筒状部材5との係合が解除され、挿入部2は、筒状部材5から抜け落ちる。使用者は、挿入部2の筒状部材5からの抜去を確認することによって、係止部3が配置された場所の組織10が所定の温度範囲にまで加温されたと判断できる。
以上のように、本実施形態では、熱的治療の実施時において、使用者は熱モニタリング具1を用いることによって、熱的治療の実施時に、所望の箇所の組織の温度上昇の様子を容易かつ確実に知ることができる。そして、本実施形態の熱モニタリング具1は簡便な構造であることから、安価に製造することができる。
(第4の実施形態)
以下に、本発明の第4の実施形態を説明する。以下では第1から第3の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1から第3の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
本実施形態は、熱的治療の実施時に、第1から第3の実施形態で説明した熱モニタリング具1を使用する場合に、線状部材4に張力Tを与える牽引装置40について説明する。本実施形態では一例として、図22に示すように、超音波内視鏡30及び熱的治療具20を用いて、被検体に熱的治療を施すものとする。
熱モニタリング具1の線状部材4の基端部4bは、超音波内視鏡30に設けられた管路である処置具チャンネル34を経由して、基端側開口部34bから延出する。牽引装置40は、超音波内視鏡30の処置具チャンネル34の基端側開口部34bに固定される。
牽引装置40は、図23に示すように、基台部41、スライダ42、保持部43及び付勢部材44を備えて構成されている。
基台部41は、基端側開口部34bに固定される部材である。基台部41には、貫通孔41aが形成されている。基台部41が基端側開口部34bに固定された状態において、貫通孔41aの一端41bは基端側開口部34bと対向する。したがって、基台部41が基端側開口部34bに固定された状態において、貫通孔41aと処置具チャンネル34とが接続される。
スライダ42は、基台部41に対して相対的に移動する部材である。スライダ42は、貫通孔41aの中心軸に沿って基台部41に対して相対的に移動する。スライダ42には、保持部43が固定されている。
保持部43は、スライダ42と共に貫通孔41aの中心軸に沿って基台部41に対して相対的に移動する部材である。保持部43は、基台部41に設けられた貫通孔41aの他端41cに対向して配設される。すなわち、保持部43は、貫通孔41aの他端41cとの距離が変化するように、貫通孔41aの中心軸に沿って進退移動する。
保持部43は、線状部材4の基端部4bを保持する構成を有する。保持部43による線状部材4の基端部4bの保持は、使用者によって解除可能である。図示する本実施形態では、一例として保持部43は、クリップの様に線状部材4の基端部4bを側方から挟持する構成を有する。
付勢部材44は、スライダ42を、基端側開口部34bから遠ざかる方向に付勢するバネ等からなる部材である。言い換えれば、付勢部材44は、保持部43を、貫通孔41aの中心軸に沿って貫通孔41aの他端41cから遠ざかる方向へ付勢する。
熱的治療を実施する場合には、図24に示すように、付勢部材44の付勢力に反して保持部43を貫通孔41aの他端41cの他端に近づけた状態で、基端側開口部34bから延出した線状部材4の基端部4bを保持部43により保持する。これにより、付勢部材44の付勢力が線状部材4に伝えられるため、線状部材4に張力Tが加えられる。
そして、熱モニタリング具1の係止部3の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合には、係止部3と組織10又は筒状部材5との係合が解除されるため、挿入部2は、付勢部材44の付勢力によって組織10内又は筒状部材5内から抜去される。またこの時、図25に示すように、保持部43は貫通孔41aの他端41cから遠ざかる方向へ移動する。このため、使用者は、超音波内視鏡30を用いた光学画像及び超音波画像を用いた観察以外に、保持部43の移動を見ることによって、挿入部2の組織10又は筒状部材5からの抜去を確認することができる。
このように、本実施形態では、前述した第1から第3の実施形態と同様に、熱的治療の実施時において、使用者は熱モニタリング具1を用いることによって、熱的治療の実施時に、所望の箇所の組織の温度上昇の様子を容易かつ確実に知ることができる。
(第5の実施形態)
以下に、本発明の第5の実施形態を説明する。以下では第4の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第4の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
図27に示すように、本実施形態の牽引装置40は、挿入部2が組織10又は筒状部材5から抜去したことを検出する抜去検出部45を備える。抜去検出部45は、牽引装置40が線状部材4に与えている張力Tの消失を検出し、当該張力Tが消失した場合に、挿入部2が組織10又は筒状部材5から抜去したと判定する。
熱的治療具20は、熱的治療具20を作動させる駆動装置21に接続されている。熱的治療具20及び駆動装置21は、熱的治療装置を構成する。抜去検出部45は、電気ケーブル46を介して、熱的治療具20の駆動装置21に電気的に接続されている。
駆動装置21は、例えばフットスイッチ22が使用者によってオン状態とされている期間の間だけ、熱的治療具20を作動させる。また、駆動装置21は、熱的治療具20の作動中において、抜去検出部45によって挿入部2の組織10又は筒状部材5からの抜去が検出された場合に、熱的治療具20の作動を停止する。
抜去検出部45の構成は特に限定されるものではないが、図27に示すように、本実施形態では一例として、抜去検出部45は、スライダ42及び保持部43の進退移動に応じてオン・オフが切り替わるプッシュスイッチの形態を有する。
プッシュスイッチである抜去検出部45は、基台部41に固定されている。図28に示すように、スライダ42及び保持部43が貫通孔41aの他端41cに近接している状態において、抜去検出部45はスライダ42と接触し、オン状態となる。すなわち、付勢部材44の付勢力に反して保持部43を貫通孔41aの他端41cの他端に近づけた状態で、線状部材4の基端部4bを保持部43により保持し、線状部材4に張力Tを与えた状態において、抜去検出部45はオン状態となる。
一方、線状部材4に張力Tが加わっていない状態、すなわち、付勢部材44の付勢力によってスライダ42及び保持部43が貫通孔41aの他端41cから離れた位置に位置している状態においては、抜去検出部45はスライダ42と離間し、オフ状態となる。
駆動装置21は、熱的治療具20の作動中において、抜去検出部45がオフ状態となった場合に、熱的治療具20の作動を停止する。
以上のように構成された本実施形態の熱的治療装置は、熱的治療の実施時において、挿入部2が組織10又は筒状部材5から抜去した場合に、自動的に熱的治療具20を停止する。このため、熱モニタリング具1の係止部3の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に、確実に熱的治療具20を停止することができる。
(第6の実施形態)
以下に、本発明の第6の実施形態を説明する。以下では第1から第5の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第1から第5の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
前述の実施形態では、熱モニタリング具1の挿入部2の変形の確認を、線状部材4に加えた張力の変化に基づいて行っている。一方、本実施形態では、挿入部2の変形の確認を、挿入部2に設けられた一対の電極8b間の電気的な導通の有無に基づいて行う。
図29は、熱モニタリング具1の挿入部2が変形する前の状態を示しており、図30は、挿入部2が変形した後の状態を示している。
図29に示すように、本実施形態の熱モニタリング具1は、挿入部2の先端部2aに配設されたスイッチ部8を備える。スイッチ部8は、一対の電極8b、板バネ8a及び絶縁部材8dを含む。一対の電極8bは、互いに対向して配設されている。一対の電極8bは、板バネ8aによって互いに接する方向に付勢されている。
一対の電極8bからは導線8cが延出している。導線8cは、電気ケーブルを介して、図示しない熱的治療具20の駆動装置21に電気的に接続される。駆動装置21は、熱的治療具20の動作中に一対の電極8b間の電気的な導通が確認された場合に、熱的治療具20の動作を停止する。
そして、一対の電極8bの間には、絶縁部材8dが挟持されている。絶縁部材8dは、電気絶縁性を有し、かつ所定の温度を超えると融解もしくは軟化する材料からなる。絶縁部材8dを構成する材料は、例えば、蜜蝋、骨蝋又はパラフィン等である。
挿入部2の温度が所定の温度以下である場合には、図29に示すように、一対の電極8bは、間に介在する絶縁部材8dによって離間しており、一対の電極8間は導通していない。
温度が所定の温度を超えて絶縁部材8dが融解もしくは軟化した場合には、図30に示すように、一対の電極8bは板バネ8aの付勢力によって接触する。すなわち、スイッチ部8は、温度が所定の温度を超えると変形し、一対の電極8b間の電気的な導通を確立する。
以上のように構成された本実施形態の熱的治療装置は、熱的治療の実施時において、熱モニタリング具1の挿入部2が変形した場合に自動的に熱的治療具20を停止する。このため、熱モニタリング具1の挿入部2の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に、確実に熱的治療具20を停止することができる。
(第7の実施形態)
以下に、本発明の第7の実施形態を説明する。以下では第6の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第6の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
図31は、熱モニタリング具1の挿入部2が変形する前の状態を示しており、図32は、挿入部2が変形した後の状態を示している。
図31に示す本実施形態の熱モニタリング具1は、挿入部2の先端部2aが管状に形成されており、この先端部2aの内部に、スイッチ部8を備える。管状である先端部2aは、導電性を有する材料によって形成されている。先端部2aを構成する材料は特に限定されるものではないが、先端部2aは、例えばステンレス合金やNi-Ti(ニッケル・チタン)合金等の生体適合性を有する金属からなる。なお、先端部2aの内壁面2dは、例えばニッケルめっき等の導電性を高める表面処理がなされていることが好ましい。管状である先端部2aの内部空間は、封止部材2cによって密閉されている。
スイッチ部8は、バネ部材8f、保持部8g、電極8e及び絶縁部材8dを含む。バネ部材8fは、金属等の導電性を有する材料によって形成された細長の棒状又は板状の部材である。バネ部材8fの基端部は、保持部8gによって先端部2aの内部に固定されている。保持部8gは、電気絶縁性を有する材料からなる。
バネ部材8fの先端部には、電極8eが形成されている。バネ部材8fは、電極8fを先端部2aの内壁面2dに接触する方向に付勢する力を生じる。
電極8eと先端部2aの内壁面2dとの間には、絶縁部材8dが挟持されている。絶縁部材8dは、電気絶縁性を有し、かつ所定の温度を超えると融解もしくは軟化する材料からなる。絶縁部材8dを構成する材料は、例えば、蜜蝋、骨蝋又はパラフィン等である。
挿入部2の温度が所定の温度以下である場合には、図31に示すように、電極8eと先端部2の内壁面2dとは、間に介在する絶縁部材8dによって離間しており、電極8eと先端部2の内壁面2dとは導通していない。
温度が所定の温度を超えて絶縁部材8dが融解もしくは軟化した場合には、図32に示すように、電極8eはバネ部材8fの付勢力によって先端部2の内壁面2dに接触する。すなわち、スイッチ部8は、温度が所定の温度を超えると変形し、電極8eと先端部2の内壁面2dとの間の電気的な導通を確立する。
電極8eは、バネ部材8f、バネ部材8fに接続された導線8h及び電気ケーブルを介して、図示しない熱的治療具20の駆動装置21に電気的に接続される。また、先端部2aの内壁面2dも、電気ケーブルを介して、図示しない熱的治療具20の駆動装置21に電気的に接続される。
以上のように構成された本実施形態の熱的治療装置は、熱的治療の実施時において、熱モニタリング具1の挿入部2が変形した場合に自動的に熱的治療具20を停止する。このため、熱モニタリング具1の挿入部2の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に、確実に熱的治療具20を停止することができる。
また、本実施形態では、第6の実施形態に比して、融解した絶縁部材8dが被検体と接触することが無いため、絶縁部材8dの生体適合性を考慮する必要が無く、絶縁部材8dを構成する材料の選択の自由度が向上する。
(第8の実施形態)
以下に、本発明の第8の実施形態を説明する。以下では第6の実施形態との相違点のみを説明するものとし、第6の実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、その説明を適宜に省略するものとする。
図33は、熱モニタリング具1の挿入部2が変形する前の状態を示しており、図34は、挿入部2が変形した後の状態を示している。
図33に示す本実施形態の熱モニタリング具1は、挿入部2の先端部2aが管状に形成されており、この先端部2aの内部に、スイッチ部8を備える。管状である先端部2aは、導電性を有する材料によって形成されている。先端部2aを構成する材料は特に限定されるものではないが、先端部2aは、例えばステンレス合金やNi-Ti(ニッケル・チタン)合金等の生体適合性を有する金属からなる。なお、先端部2aの内壁面2dは、例えばニッケルめっき等の導電性を高める表面処理がなされていることが好ましい。管状である先端部2aの内部空間は、封止部材2cによって密閉されている。
スイッチ部8は、変形部8i、保持部8g、電極8e及び絶縁流体8jを含む。変形部8iは、所定の温度を超える所定の温度範囲にまで加温された場合に変形する形状記憶合金によって構成されている。変形部8iの基端部は、保持部8gによって先端部2aの内部に固定されている。保持部8gは、電気絶縁性を有する材料からなる。
変形部8iの先端部には、電極8eが形成されている。また、先端部2aの内部空間は、電気絶縁性を有する液体である絶縁流体8jによって満たされている。
形状記憶合金からなる変形部8iは、所定の温度以下である場合には、図33に示すように、電極8eと先端部2の内壁面2dとが離間するように、先端部2の長手方向に延在する略直線状の形状となる。すなわち、この場合には、電極8eと先端部2の内壁面2dとは導通していない。
一方、変形部8iは、所定の温度を超えた場合には、図34に示すように、電極8eと先端部2の内壁面2dとが接触するように、屈曲した形状となる。すなわち、この場合には、電極8eと先端部2の内壁面2dとが導通する。
以上に説明したように、スイッチ部8、温度が所定の温度を超えると変形し、電極8eと先端部2の内壁面2dとの間の電気的な導通を確立する。先端部2内に充填されている絶縁流体8jは、先端部2の温度を、スイッチ部8の変形部8iに伝達する役割を有する。したがって、先端部2の温度が所定の温度以下であれば、スイッチ部8の電極8eと先端部2の内壁面2dとは電気的に絶縁された状態となり、先端部2の温度が所定の温度を超えれば、スイッチ部8の電極8eと先端部2の内壁面2dとは電気的に導通した状態となる。
電極8eは、変形部8i、変形部8iに接続された導線8h及び電気ケーブルを介して、図示しない熱的治療具20の駆動装置21に電気的に接続される。また、先端部2aの内壁面2dも、電気ケーブルを介して、図示しない熱的治療具20の駆動装置21に電気的に接続される。
以上のように構成された本実施形態の熱的治療装置は、熱的治療の実施時において、熱モニタリング具1の挿入部2が変形した場合に自動的に熱的治療具20を停止する。このため、熱モニタリング具1の挿入部2の温度が所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に、確実に熱的治療具20を停止することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う熱モニタリング具及び熱的治療装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
[付記1]被検体の組織内に挿入する挿入部と、前記挿入部に設けられ、所定の温度以下の状態から前記所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に変形して電気的な導通の有無が切り替わるスイッチ部と、を含むことを特徴とする熱モニタリング具。
[付記2]前記挿入部は、先端部が封止された管状の部材からなり、前記スイッチ部は、前記挿入部の先端部内に配設されていることを特徴とする付記1に記載の熱モニタリング具。
[付記3]付記1又は2に記載の熱モニタリング具、前記組織を加温する熱的治療具及び前記熱的治療具を作動させる駆動装置を含み、前記駆動装置は、前記熱モニタリング具の前記スイッチ部の導通の有無の切り替わりを検出した場合に、前記熱的治療具の作動を停止することを特徴とする熱的治療装置。
本出願は、2014年3月13日に日本国に出願された特願2014−50571号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。

Claims (9)

  1. 被検体の組織内に挿入する挿入部と、
    端部が前記挿入部に結合された線状部材と、
    前記線状部材に張力を与える基端部と、
    前記挿入部に設けられ、所定の温度以下の状態において前記組織と係合しており、前記所定の温度以下の状態から前記所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された状態になると変形し前記基端部に加えた張力によって前記組織から移動する係止部と、
    を含むことを特徴とする熱モニタリング具。
  2. 前記係止部は、所定の温度以下では鉤状又はコイル状に屈曲した形状であることにより組織と係合し、前記所定温度以下の状態から前記所定の温度を超える所定の温度範囲に加温されると屈曲を解消することにより前記組織との係合を解除することを特徴とする請求項1に記載の熱モニタリング具。
  3. 先端側が被検体の組織内に穿刺可能な筒状部材と、
    前記筒状部材内に挿入する挿入部と、
    前記筒状部材が前記組織内に穿刺され、前記挿入部が前記筒状部材内に挿入された状態において、基端部が前記筒状部材外に延出する所定の長さを有し、先端部が前記挿入部に結合された線状部材と、
    前記挿入部に設けられ、所定の温度以下の状態において前記筒状部材と係合し、前記所定の温度以下の状態から前記所定の温度を超える所定の温度範囲に加温された場合に変形することで前記筒状部材との係合を解除する係止部と、
    を含むことを特徴とする熱モニタリング具。
  4. 前記線状部材の基端部に固定され、前記線状部材を基端側に牽引して前記線状部材に張力を与える牽引装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱モニタリング具。
  5. 前記牽引装置は、前記線状部材に与える張力が消失したことを検出する検出部を含むことを特徴とする請求項4に記載の熱モニタリング具。
  6. 請求項5に記載の熱モニタリング具、前記組織を加温する熱的治療具及び前記熱的治療具を作動させる駆動装置を含み、
    前記駆動装置は、前記熱モニタリング具の前記検出部により前記線状部材に与える張力の消失が検出された場合には、前記熱的治療具の作動を停止することを特徴とする熱的治療装置。
  7. 前記線状部材の基端部に固定され、前記線状部材を基端側に牽引して前記線状部材に張力を与える牽引装置を含むことを特徴とする請求項3に記載の熱モニタリング具。
  8. 前記牽引装置は、前記線状部材に与える張力が消失したことを検出する検出部を含むことを特徴とする請求項7に記載の熱モニタリング具。
  9. 請求項8に記載の熱モニタリング具、前記組織を加温する熱的治療具及び前記熱的治療具を作動させる駆動装置を含み、
    前記駆動装置は、前記熱モニタリング具の前記検出部により前記線状部材に与える張力の消失が検出された場合には、前記熱的治療具の作動を停止することを特徴とする熱的治療装置。
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