JP5800419B2 - ガスタービン及びガスタービンの燃焼制御方法 - Google Patents

ガスタービン及びガスタービンの燃焼制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービン及びガスタービンの燃焼制御方法に関する。
従来より、環境保全の観点から、発電効率の向上を狙った高い燃焼温度の条件下においても、NOxの発生量を抑制できるガスタービンの開発が進められてきた。
具体的には、NOxを低減するために、燃料と空気との予混合気を燃焼させて予混合火炎を形成するメインノズルを備えた燃焼器を用いる。また、メインノズルによる予混合燃焼だけでは燃焼状態が不安定になるため、燃料を拡散燃焼させるパイロットノズルも併用する。これにより、パイロットノズルによる拡散燃焼で形成された拡散火炎(パイロット火炎)からの火移りによって、メインノズルから噴射された燃料と空気との予混合気が燃焼されて、予混合火炎の安定性を向上させている。
メインノズルとパイロットノズルを併用した燃焼器では、パイロットノズルに供給される燃料流量の全燃料流量に対する割合を示すパイロット比(拡散燃料比)を大きくすると、燃焼器における燃焼安定性が向上するものの、NOxが増加する傾向にある。そのため、燃焼安定性とNOx低減とをバランス良く両立するために、パイロットノズルとメインノズルへの燃料供給量の配分比を適切に制御する必要がある。
各ノズルへの燃料供給量の配分比を制御する手法として、例えば、特許文献1(図5及び22参照)のように、電力計で実測した発電機出力、IGV開度、圧縮機の吸気温度、大気圧比等から燃焼負荷指令値を求め、この燃焼負荷指令値に基づいてパイロット比を決定する方法が挙げられる。
一方、ガスタービンは、大気温度が高くなると、圧縮機への吸入空気の密度が低下することから、ガスタービン出力が低下するという特性がある。そのため、大気温度が高い夏場(特に昼間の電力需要ピーク時)に発電出力を増加させる対策として、ガスタービンの吸入空気を冷却して空気密度を高める吸気冷却装置を用いることがある(例えば、特許文献2の図1及び3、特許文献3の図1〜4、並びに、特許文献4の図1参照)。
特開2007−77866号公報 特許第4610717号公報 特開2003−97295号公報 特開2008−175098号公報
しかしながら、吸気冷却装置の作動により、吸気温度の低下や吸入空気の湿分増加によって燃焼器内の燃焼状態が変化し、各ノズルの燃料配分比の適正条件がシフトする結果、火炎が不安定になり燃焼振動が発生する場合がある。
また、吸気冷却装置には、吸気室に設置したメディアの上部から冷却水を流下させて冷却水の蒸発潜熱によって吸入空気を冷却するエバクーラ方式や、ミスト(霧状の水)をスプレーから噴霧して噴霧ミストの蒸発潜熱によって吸入空気を冷却するフォグ方式がある。これらの方式の吸気冷却装置は、冷却水又は噴霧ミストを吸入空気にじかに接触させて冷却を行うため、吸入空気への湿分増加量が多い。また、吸気冷却装置は、吸気フィルタの後段に設置されるのが一般的であり、吸気冷却装置によって湿分が増加した吸入空気は、そのまま圧縮機側に流れていく。よって、エバクーラ方式やフォグ方式の吸気冷却装置を用いる場合、冷却水又はミストとの接触により飽和状態になった吸入空気が、圧縮機を介して燃焼器に流入するため、燃焼器内の燃焼状態に大きく影響する。
この点、特許文献2〜4には、吸気冷却装置の作動によって起こる燃料配分比の適正条件のシフトについての対策が何ら開示されていない。
例えば、特許文献4の高湿分空気利用ガスタービンには、圧縮機への吸入空気を冷却するための吸気噴霧装置が設けられているが、該吸気噴霧装置の作動によって起こる燃料配分比の適正条件のシフトについての対策は当該文献には開示されていない。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、吸気冷却装置の作動によって燃料配分比の適正条件がシフトしても、火炎の安定性を維持しうるガスタービン及びガスタービンの燃焼制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガスタービンは、拡散燃焼用燃料を燃焼させて拡散火炎を形成するとともに、予混合燃焼用燃料を燃焼させて予混合火炎を形成する燃焼器と、前記燃焼器に燃焼用空気としての圧縮空気を供給する圧縮機と、前記圧縮機に吸入される外気を冷却する吸気冷却装置と、前記燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記吸気冷却装置の作動時に、前記拡散燃焼用燃料の全燃料流量に対する割合を示す拡散燃料比を増大させる燃焼コントローラとを備えることを特徴とする。
このガスタービンによれば、燃焼コントローラによって吸気冷却装置の作動時に拡散燃料比を増大させるようにしたので、吸気冷却装置の作動により燃料配分比の適正条件がシフトしても、火炎の安定性を確保することができる。
上記ガスタービンにおいて、前記燃焼コントローラは、前記吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後に前記拡散燃料比の増大を開始するようになっていてもよい。
吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わっても、その影響が即座に燃料配分比の適正条件のシフトとして表れるわけではない。これは、吸気冷却装置の起動後、吸入空気の温度低下や湿分増加が起きるまでにタイムラグが存在するためである。例えば、吸気冷却装置がエバポレーティブクーラの場合、メディアに冷却水を供給するために冷却水ポンプを稼働させてから、メディアに冷却水が供給されて、実際に吸入空気の温度低下及び湿分増加が起きるまでに時間を要する。
そこで、上述のように、吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から所定時間(上記タイムラグに相当する時間)だけ経過した後に拡散燃料比の増大を開始させることで、吸気冷却装置の作動による燃焼器内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
なお、前記燃焼コントローラは、燃料負荷指令値および全燃料流量指令値の少なくとも一方に基づいて決定した前記拡散燃料比にバイアス値を加算して、該拡散燃料比を増大させるようにしてもよい。
これにより、バイアス値の量を任意に調整することで、吸気冷却装置の作動による燃焼器内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
そして、燃料負荷指令値および全燃料流量指令値の少なくとも一方に基づいて決定した拡散燃料比にバイアス値を加算する場合、前記燃焼コントローラは、前記吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から前記所定時間経過後から前記バイアス値をゼロから所定値に向けて時間経過とともに増加させ、前記所定値に達した後は該所定値に前記バイアス値を維持してもよい。
吸気冷却装置の作動による燃料配分比の適正条件のシフトは急激に起こるわけではない。例えば、吸気冷却装置がエバポレーティブクーラの場合、メディア全体に冷却水が行きわたって定常状態に達するまで、吸入空気の温度低下及び湿分増加の程度は徐々に増加していく。
そこで、吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後、急に大きなバイアス値を付与するのではなく、バイアス値を時間経過とともにゼロから所定値まで増加させることで、吸気冷却装置の作動による燃焼器内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
このようにバイアス値をゼロから所定値に向けて時間経過とともに増加させ、前記所定値に達した後は該所定値にバイアス値を維持する場合、前記バイアス値は、前記燃料負荷指令値および全燃料流量指令値の少なくとも一方に基づいて決定したバイアス量に、時間経過に対応するバイアス比を乗算したものであってもよい。
これにより、バイアス量の大きさと、バイアス比の変化速度とを任意に設定することで、吸気冷却装置の作動による燃焼器内の燃焼状態の変化に応じてより適切に燃焼制御を行うことができる。
また、前記燃料コントローラは、前記吸気冷却装置が作動状態から非作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後に前記バイアス値をゼロに向けて減少させ始め、該バイアス値がゼロに達した後は前記バイアス値をゼロに維持してもよい。
吸気冷却装置が作動状態から非作動状態に切り替わると、吸入空気の温度上昇及び湿分減少が起こり、吸気冷却装置の作動によりシフトしていた燃料配分比の適正条件が元の状態に戻ろうとする。そこで、上述のように、吸気冷却装置が作動状態から非作動状態に切り替わった時点から所定時間(待機時間)経過後にバイアス値をゼロに向けて減少させ始め、該バイアス値がゼロに達した後はバイアス値をゼロに維持することで、吸気冷却装置の停止による燃焼器内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
なお、吸気冷却装置を停止させてからバイアス値の減少を開始するまでの待機期間(所定時間)は、吸気冷却装置の特性に応じて決めることが好ましい。例えば、吸気冷却装置がエバポレーティブクーラの場合、エバポレーティブクーラを停止してから冷却水の蒸散によりメディアが乾燥するまでの時間を待機期間としてもよい。ここで、大気の湿度によってもメディアが乾燥するまでの時間は異なるが、想定しうる高湿度条件下にて求めた待機時間を採用すれば、大気の湿度条件によらずに火炎の安定性を維持できる。
また本発明に係るガスタービンの燃焼制御方法は、拡散燃焼用燃料を燃焼させて拡散火炎を形成するとともに、予混合燃焼用燃料を燃焼させて予混合火炎を形成する燃焼器と、前記燃焼器に燃焼用空気としての圧縮空気を供給する圧縮機と、前記圧縮機に吸入される外気を冷却する吸気冷却装置と、前記燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるタービンとを備えるガスタービンの燃焼制御方法であって、前記吸気冷却装置の作動時に、前記拡散燃焼用燃料の全燃料流量に対する割合を示す拡散燃料比を増大させることを特徴とする。
この燃焼制御方法によれば、吸気冷却装置の作動時に拡散燃料比を増大させるようにしたので、吸気冷却装置の作動により燃料配分比の適正条件がシフトしても、火炎の安定性を確保することができる。
本発明によれば、吸気冷却装置の作動時に拡散燃料比を増大させるようにしたので、吸気冷却装置の作動により燃料配分比の適正条件がシフトしても、火炎の安定性を確保することができる。
ガスタービンの構成例を示す図である。 図1のガスタービンの吸気冷却装置の構成例を示す図である。 図1のガスタービンの燃焼器の構成例を示す図である。 燃焼器のパイロットノズル及びメインノズル周辺の構造を示す図である。 燃焼コントローラにおけるパイロット比の設定ロジックを示すブロック図である。 燃焼負荷指令値とパイロット比との関数の一例を示す図である。 燃焼負荷指令値とバイアス量との関数の一例を示す図である。 バイアス比の経時変化の一例を示す図であり、(A)はバイアス値の付与開始時におけるバイアス比の経時変化を示し、(B)はバイアス値の付与終了時におけるバイアス比の経時変化を示している。 各ノズルの燃料配分比の経時変化を示すグラフである。 燃焼負荷指令値を算出するロジックを示すブロック図である。 全燃料流量指令値を算出するロジックを示すブロック図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、ガスタービンの構成例を示す図である。図2は、図1のガスタービンの吸気冷却装置の構成例を示す図である。図3は、図1のガスタービンの燃焼器の構成例を示す図である。図4は、燃焼器のパイロットノズル及びメインノズル周辺の構造を示す図である。
図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮空気を生成する圧縮機2と、この圧縮機2から供給される圧縮空気を用いて燃料を燃焼させる燃焼器4と、圧縮機2と共通の回転軸5を有し、燃焼器4で生成した燃焼ガスによって駆動されるタービン6とを備える。回転軸5には、発電機8が連結されている。圧縮機2の吸気量は、圧縮機2の入口に設けられた入口案内翼(IGV)3Aの開度をアクチュエータ3Bによって変化させることで調節可能である。
なお、電力計(MWトランスデューサー)7は、発電機8で生成された電力(発電機出力)を計測するために用いられる。また、温度センサ9は、圧縮機2の入口における温度(吸気温度)を計測するために用いられる。
圧縮機2に吸入される大気が流れる吸気系統には、吸気冷却装置10が設けられている。吸気冷却装置10は、図2に示すように、吸気室12内に配置されたメディア14と、冷却水を冷却水循環路15内で循環させる冷却水ポンプ16と、冷却水ポンプ16のON/OFFを制御するクーラ制御装置18とにより構成される。
また、吸気室12の入口には吸気フィルタ13が設けられている。さらに、吸気室12の後流側には吸気ダクト19が設けられ、吸気室12と圧縮機2とは吸気ダクト19によって接続されている。
図2に示す例では、吸気冷却装置10は、冷却水循環路15から供給される冷却水をメディア14の上部から流下させて、冷却水の蒸発潜熱によって、吸気フィルタ13を通って吸気室12内に取り込まれた外気を冷却する所謂エバポレーティブクーラである。
なお、エバポレーティブクーラに替えて、ミスト(霧状の水)をスプレーから噴霧して、噴霧ミストの蒸発潜熱によって、吸気フィルタ13を通って吸気室12に吸い込まれた外気を冷却するフォグ方式の吸気冷却装置10を採用してもよい。
燃焼器4は、図3に示すように、円筒状の内筒20の中心位置にパイロットバーナ22が配置され、このパイロットバーナ22の周囲を取り囲むように複数(たとえば8本)のメインバーナ30が内筒20の周方向に等ピッチで配置された構成を有する。
パイロットバーナ22は、図4に示すように、パイロット燃料を供給するパイロットノズル23と、パイロットノズル23の先端部を取り囲むように設けられた筒状部材24とを備える。筒状部材24の下流側端部は拡径されてパイロットコーン25を形成している。また、筒状部材24は、パイロットノズル23との間にパイロット空気流路26を形成しており、パイロット空気流路26には圧縮空気(パイロット空気)が流れるようになっている。またパイロット空気流路26には、パイロット空気の流れに旋回を与えるパイロットスワラ27が設けられている。パイロットスワラ27を通過したパイロット空気は、パイロットノズル23の燃料噴射口23Aから噴射されたパイロット燃料の拡散燃焼に用いられる。パイロット燃料の燃焼によって、燃料噴射口23Aの位置から下流側に向けて拡散火炎28が形成される。また、パイロットコーン25の下流側には、拡散火炎28からの高温燃焼ガスが後述の予混合火炎34の保炎点としての役割を果たす。
メインバーナ30は、メイン燃料を供給するメインノズル31と、メインノズル31の周囲に形成されてメイン空気を供給するメイン空気流路32とを備えている。メインノズル31に供給されたメイン燃料は、メインノズル31から噴射された後、メイン空気流路32を通って供給されたメイン空気と混合されて予混合気となる。なお、メイン空気流路32には、メイン空気の流れに旋回を与えるメインスワラ33が設けられており、メイン空気とメイン燃料との予混合を促進するようになっている。こうして得られた予混合気は、保炎用低速域29における高温低速の燃焼ガスによって着火燃焼され、予混合火炎34が形成される。
また、パイロットバーナ22及びメインバーナ30よりも上流側には、図3に示すように、複数のトップハットノズル35が設けられている。トップハットノズル35は、内筒20と該内筒20を取り囲む外筒36との間の環状空間内に配置される。
トップハットノズル35から噴射されたトップハット燃料は、圧縮空気に混入され、圧縮空気とともに下流側のパイロットバーナ22及びメインバーナ30に向かって流れていく。そのため、パイロット空気流路26を流れるパイロット空気と、メイン空気流路32を流れるメイン空気とには、トップハットノズル35からのトップハット燃料が混入されており、燃焼安定性が改善されるとともに、NOx低減化を図るようになっている。
パイロットノズル23、メインノズル31及びトップハットノズル35は、それぞれ、流量調節弁(37,38,39)により、独立して燃料流量が調節されるようになっている。そして、各ノズル(23,31,35)への燃料配分比は、図1に示す燃焼コントローラ40によって決定される。
ここで、パイロットノズル23によって形成される拡散火炎は保炎性に優れるため、パイロットノズル23に供給されるパイロット燃料ガスの全燃料流量に対する割合であるパイロット比(拡散燃料比)を大きくすると燃焼を安定化できる。一方、メインノズル31によって形成される予混合火炎は燃焼温度を下げることができるため、メインノズル31に供給されるメイン燃料ガスの全燃料流量に対する割合(予混合燃料比)を大きくするとNOxを低減することができる。また、トップハットノズル35自体は独自の火炎を形成するわけではないが、トップハットノズル35からのトップハット燃料はパイロット空気及びメイン空気に予め混合されて、パイロットバーナ22及びメインバーナ30の燃焼性の改善とNOx低減に寄与する。
よって、燃焼安定性を維持しながらNOxを低減するためには、各ノズルの特性を考慮して、燃焼コントローラ40により各ノズルへの燃料配分比を適切に調節する必要がある。
図5は、燃焼コントローラ40においてパイロット比(拡散燃料比)を設定するロジックを示すブロック図である。図6は、燃焼負荷指令値とパイロット比との関数の一例を示す図である。図7は、燃焼負荷指令値とバイアス量との関数の一例を示す図である。図8はバイアス比の経時変化の一例を示す図であり、図8(A)はバイアス値の付与開始時におけるバイアス比の経時変化を示し、図8(B)はバイアス値の付与終了時におけるバイアス比の経時変化を示している。
図5に示すように、燃焼コントローラ40は、燃焼負荷指令値(CLCSO)を関数発生器42に入力してパイロット比aを求める。関数発生器42は、図6に示す関数を用いて、入力された燃焼負荷指令値(CLCSO)に対応するパイロット比aを出力する。ここで、燃焼負荷指令値(CLCSO)とは、詳細は後述するが、タービン6の入口における燃焼ガス温度を無次元化したパラメータである。なお、パイロット比aは、関数発生器42からの出力値に対して吸気温度に基づく補正を行ったものを用いてもよい。
関数発生器42から出力されたパイロット比aは、加算器44に入力されて、次に説明するバイアス値算出部50で求めたバイアス値bが加算される。
バイアス値算出部50は、バイアス量を決定するための関数発生器52と、バイアス値bに変化レートを付与するためのレート設定器54と、吸気冷却装置10の作動状態に応じてバイアス値bの加算を行うか否かを切り替える切替器56とで構成される。
関数発生器52は、図7に示す関数を用いて、燃焼負荷指令値(CLCSO)に対応するバイアス量を出力する。なお、図7には、燃焼負荷指令値によらずバイアス量が一定である例を示したが、関数発生器52が用いる関数はこの例に限定されず、燃焼負荷指令値に応じてバイアス量が変化する関数であってもよい。
レート設定器54は、所定の経時変化を示すバイアス比を出力し、このバイアス比を切替器56に入力する。この際、吸気冷却装置10が非作動状態から作動状態に切り替わったときは図8(A)に示すバイアス比を切替器56に入力し、吸気冷却装置10が作動状態から非作動状態に切り替わったときは図8(B)に示すバイアス比を切替器56に入力する。
具体的には、吸気冷却装置10の起動時(非作動状態から作動状態への切り替え時)、レート設定器54は、図8(A)に示すように、バイアス比をゼロから1まで時間とともに一定の速度で増加させ、1に達したあとはそのまま一定に維持し、経過時間に対応するバイアス比を出力する。一方、吸気冷却装置10の停止時(作動状態から非作動状態への切り替え時)、レート設定器54は、図8(B)に示すように、バイアス比を1からゼロまで時間とともに一定の速度で減少させ、経過時間に対応するバイアス比を出力する。
切替器56には、レート設定器54からのバイアス比だけでなく、シグナルジェネレータ58で生成されたゼロの値も入力される。
切替器56は、吸気冷却装置10が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から所定時間Δtだけ経過した後、吸気冷却装置10が非作動状態に切り替わってさらに所定時間Δt経過するまでの期間(図10に示す期間A)において、レート設定器54から入力された図8(A)に示すバイアス比を出力する。
また、切替器56は、吸気冷却装置10が作動状態から非作動状態に切り替わった時点から所定時間Δtだけ経過した後、バイアス比が1からゼロに減少されるまでの期間(図10に示す期間B)において、レート設定器54から入力された図8(B)に示すバイアス比を出力する。
それ以外の期間(図10に示す期間C)は、切替器56はシグナルジェネレータ58で生成されたゼロの値を選択して出力する。すなわち、吸気冷却装置10が作動状態から非作動状態に切り替わり、レート設定器54によってバイアス比が1からゼロに減少された後、吸気冷却装置10が再び作動状態に切り替わり所定時間Δt経過するまでの期間において、切替器56はゼロの値を出力する。
そして、切替器56から出力された値は、乗算器59において、関数発生器52から出力されるバイアス量と乗算されて、バイアス値bが得られる。この際、レート設定器54から出力されたバイアス比が切替器56から出力されれば、乗算器59において、バイアス比とバイアス量とが乗算され、バイアス値bに変化レートが付与される。一方、シグナルジェネレータ58から出力されたゼロの値が切替器56から出力されれば、バイアス値bはゼロになって、パイロット比aへのバイアス値bの加算は行わないことになる。
このようにしてバイアス値算出部50によって得られたバイアス値bは、加算器44に入力されて、関数発生器42から出力されたパイロット比aに加算される。パイロット比aとバイアス値bとの和は、吸気冷却装置10の作動・非作動による燃焼器4内の燃焼状態の変化を考慮した新たなパイロット比として燃焼制御に用いられる。
すなわち、パイロット比aとバイアス値bとの和は、乗算器46において、全燃料流量指令値(CSO)と乗算され、パイロット弁開度指令値が決定される。そして、決定されたパイロット弁開度指令値に基づいて、燃焼コントローラ40は、流量調節弁37の開度を制御して、パイロットノズル23へのパイロット燃料の供給量を調節する。
なお、全燃料流量指令値(CSO)は、詳細は後述するが、各ノズル(23,31,35)に供給される全燃料流量に相当するパラメータであり、弁開度指令値と称されることもある。
図9は、各ノズルの燃料配分比の経時変化を示すグラフである。同図に示すように、吸気冷却装置10が、時刻tにおいて非作動状態から作動状態に切り替えられ、時刻tにおいて作動状態から非作動状態に再び切り替えられた場合について説明する。
燃焼コントローラ40は、時刻tに吸気冷却装置10が作動状態に切り替えられたことを知らせる信号をクーラ制御装置18から受け取る。時刻tから所定時間Δt経過するまでの期間(期間C)は、シグナルジェネレータ58で生成されたゼロの値が切替器56によって選択されているため、パイロット比のバイアス値bはゼロである。よって、吸気冷却装置10が作動しても、時刻tから所定時間Δt経過するまでは、パイロット比は増加せず、それまでと同じ値である。
時刻tから所定時間Δt経過すると、レート設定器54から出力されるバイアス比(図8(A)参照)が切替器56によって選択される。レート設定器54から出力されるバイアス比は、いずれも、ゼロから1まで時間とともに一定の速度で増加し、1に達した後はそのまま維持される。一方、関数発生器52から出力されるバイアス量は時間によらず一定である。そのため、パイロット比のバイアス値bは、時間とともにゼロから所定値(バイアス量)になるまでバイアス比によって決まる一定の変化レートで増加する。よって、吸気冷却装置10が作動した時点tから所定時間Δt経過後に、パイロット比が増大し始めて、所定値に達する。
その後、吸気冷却装置10が時刻tにおいて非作動状態に切り替えられ、時刻tから所定時間Δtだけ経過するまでは、パイロット比は一定に維持される。
このように、時刻tから所定時間Δt経過した後、時刻tから所定時間Δtだけ経過するまでの期間(期間A)では、レート設定器54からのバイアス値付与開始時のバイアス比(図8(A)参照)によって変化レートが付与されたバイアス値bが、パイロット比に加算される。
時刻tから所定時間Δt経過すると、レート設定器54から出力されるバイアス比(図8(B)参照)が切替器56によって選択される。レート設定器54から出力されるバイアス比は、いずれも、1からゼロまで時間とともに一定の速度で減少するものである。一方、関数発生器52から出力されるバイアス量は時間によらず一定である。そのため、パイロット比のバイアス値bは、時間とともに所定値(バイアス量)からゼロになるまでバイアス比によって決まる一定の変化レートで減少する。よって、吸気冷却装置10が非作動になった時点tから所定時間Δt経過後に、パイロット比が減少し始めて、ゼロに達する。
このように、時刻tから所定時間Δtだけ経過した後、バイアス値bがゼロになるまでの期間(期間B)では、レート設定器54からのバイアス値付与終了時のバイアス比(図8(B)参照)によって変化レートが付与されたバイアス値bが、パイロット比に加算される。
その後、切替器56は、レート設定器54から出力されるバイアス比に替えて、シグナルジェネレータ58で生成されたゼロの値を選択するようになり、バイアス値bはゼロのまま維持される(つまり、パイロット比aへのバイアス値bの加算は行われない)。よって、パイロット比は、関数発生器42から出力されるパイロット比aの値がそのまま用いられる。このように、シグナルジェネレータ58で生成されたゼロの値を選択器56が選択する状態は、吸気冷却装置10が次回起動されてから所定時間Δt経過するまで続く。
[燃焼負荷指令値(CLCSO)の算出]
ここで、図5に示すロジックで入力値として用いる燃焼負荷指令値(CLCSO)の算出例について説明する。
燃焼負荷指令値(CLCSO)は、タービン6の入口における燃焼ガスの温度(タービン入口燃焼ガス温度)を無次元化したパラメータであり、燃焼負荷指令値は少なくとも発電機出力の実測値に基づいて決定される。燃焼負荷指令値は、タービン入口燃焼ガス温度が下限値のときの燃焼負荷指令値が0%、タービン入口燃料ガス温度が上限値のときの燃焼負荷指令値が100%となるように設定される。例えば、タービン入口燃焼ガス温度の下限値を700℃、上限値を1500℃としたとき、燃焼負荷指令値は下記式(1)で表される。
Figure 0005800419
ただし、700℃MWとはタービン入口燃焼ガス温度が700℃のときの発電機出力であり、1500℃MWとはタービン入口燃焼ガス温度が1500℃のときの発電機出力である。また、上記式(1)において、発電機出力の実測値とは電力計7による発電機出力の計測結果である。
図10は、燃焼負荷指令値を算出するロジックを示すブロック図である。同図に示すように、温度センサ9にて計測された圧縮機2の入口温度(吸気温度)、および、入口案内翼3Aの開度の指令値(IGV開度指令値)から、関数発生器80Aで生成された関数を用いて、700℃MWが算出される。同様に、温度センサ9にて計測された圧縮機2の入口温度(吸気温度)、および、入口案内翼3Aの開度の指令値(IGV開度指令値)から、関数発生器80Bで生成された関数を用いて、1500℃MWが算出される。すなわち、吸気温度及びIGV開度指令値が基準値である場合における700℃MW及び1500℃MWの既知の値を、実際の吸気温度およびIGV開度指令値によって補正して700℃MW及び1500℃MWを求める。
このようにして得られた700℃MWおよび1500℃MWには、吸気圧力(大気圧)の実測値に基づく補正処理が施される。すなわち、除算器81において、吸気圧力(大気圧)の実測値を、シグナルジェネレータ82で設定された標準大気圧で除算して吸気圧比(=吸気圧力/標準大気圧)を求める。乗算器83A,83Bでは、関数発生器80A及び80Bを用いてそれぞれ求めた700℃MWと1500℃MWに、除算器81で求めた吸気圧比を乗算する。これにより、吸気圧比を考慮した700℃MWおよび1500℃MWの値が得られる。
減算器84では、電力計7で計測された発電機出力から、乗算器83Aで求めた700℃MWを減算し、上記数式(1)の分子を求める。一方、減算器85では、乗算器83Bで求めた1500℃MWから、乗算器83Aで求めた700℃MWを減算して、上記数式(1)の分母を求める。除算器86では、減算器84で求めた上記数式(1)の分子を、減算器85で求めた上記数式(1)の分母で除算して、CLCSOを求める。
なお、レート制限部87は、発電機出力の微小変動によってCLCSOが微小変動して、流量調節弁(37,38,39)の開閉動作を頻繁に繰り返すことがないようにするため、除算器86によるCLCSOの算出結果を所定の増減レートに制限して出力する。
[全燃料流量指令値(CSO)の算出]
次に、図5に示すロジックで入力値として用いる全燃料流量指令値(CSO)の算出例について説明する。図11は、全燃料流量指令値を算出するロジックを示すブロック図である。
ガバナ制御器90は、ガスタービン1(回転軸5)の回転速度の計測値を入力信号として受け取って、ガスタービン1の回転速度を目標値に一致させるように全燃料流量を制御するための指令値GVCSOを出力する。具体的には、ガバナ制御器90は、ガスタービン1の回転速度、言い換えれば発電機8の回転速度を予め設定されているGV設定値と比較し、比例制御信号をGVCSOとして出力する。
負荷制御器92は、発電機出力、発電機出力指令値を入力信号として受け取って、発電機出力を発電機出力指令値に一致させるように全燃料流量を制御するための指令値LDCSOを出力する。具体的には、負荷制御器92は、発電機出力と発電機出力指令値とを比較し、比例積分演算を行い、この結果をLDCSOとして出力する。
温度制御器94は、ブレードパス温度制御部と、排ガス温度制御部とを備えている。
そして、ブレードパス温度制御部は、ガスタービン1のブレードパス温度の計測値を入力信号として受け取って、このブレードパス温度の計測値が上限値を超えないように全燃料流量を制御するための指令値BPCSOを出力する。具体的には、ブレードパス温度制御部は、ブレードパス温度の計測値と設定値とを比較し、比例積分演算を行い、この結果をBPCSOとして出力する。なお、ブレードパス温度とは、タービン6の最終段直後の排ガス温度を意味する。
また、排ガス温度制御部は、ガスタービン1の最終段よりも後流側の排気ダクトにおける排ガス温度の計測値を入力信号として受け取って、この排ガス温度の計測値が上限値を超えないように全燃料流量を制御するための指令値EXCSOを出力する。具体的には、排ガス温度制御部は、排ガス温度の計測値と設定値とを比較し、比例積分演算を行い、この結果をEXCSOとして出力する。
このようにして算出されたGVCSO、LDCSO、BPCSO及びEXCSOは、低値選択器96に入力され、低値選択器96によってこれらの入力値のうち最も低値の制御信号を選択し、これを全燃料流量指令値CSOとして決定する。
以上説明したように、本実施形態では、拡散火炎28を形成するパイロットバーナ22と予混合火炎34を形成するメインバーナ30とを有する燃焼器4を備えたガスタービン1において、吸気冷却装置10の作動時に、拡散火炎28を形成するためのパイロット燃料(拡散燃焼用燃料)の全燃料流量に対する割合を示すパイロット比(拡散燃料比)を燃焼コントローラ40により増大させるようにした。
これにより、吸気冷却装置10の作動により燃料配分比の適正条件がシフトしても、火炎の安定性を確保することができる。
ところで、吸気冷却装置10が非作動状態から作動状態に切り替わっても、その影響が即座に燃料配分比の適正条件のシフトとして表れるわけではない。これは、吸気冷却装置10の起動後、吸入空気の温度低下や湿分増加が起きるまでにタイムラグが存在するためである。例えば、吸気冷却装置10が図2に示すようなエバポレーティブクーラの場合、メディア14に冷却水を供給するために冷却水ポンプ16を稼働させてから、メディア14に冷却水が供給されて、実際に吸入空気の温度低下及び湿分増加が起きるまでに時間を要する。
そこで、上述の実施形態のように、吸気冷却装置10が非作動状態から作動状態に切り替わった時点tから所定時間Δtだけ経過した後にパイロット比(拡散燃料比)の増大を開始させることで、吸気冷却装置10の作動による燃焼器4内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
また、上述の実施形態では、燃焼コントローラ40は、燃料負荷指令値(CLCSO)に基づいて決定したパイロット比aにバイアス値bを加算して、該パイロット比(拡散燃料比)を増大させるようにした。
これにより、バイアス値bの大きさを任意に調整することで、吸気冷却装置10の作動による燃焼器4内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
また、吸気冷却装置10が非作動状態から作動状態に切り替わってから所定時間Δt経過しても、燃料配分比の適正条件のシフトが急激に起こるわけではない。例えば、吸気冷却装置10が図2に示すようなエバポレーティブクーラの場合、メディア14全体に冷却水が行きわたって定常状態に達するまで、吸入空気の温度低下及び湿分増加の程度は徐々に増加していく。
そこで、上述の実施形態のように、吸気冷却装置10が非作動状態から作動状態に切り替わった時点tから所定時間Δt経過後、急に大きなバイアス値を付与するのではなく、バイアス値bを時間経過とともにゼロから所定値まで増加させることで、吸気冷却装置10の作動による燃焼器4内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
また、上述の実施形態では、バイアス値bは、関数発生器52を用いて燃料負荷指令値に基づいて決定したバイアス量に、レート設定器54から出力された時間経過に対応するバイアス比を乗算したものである。
これにより、バイアス量の大きさと、バイアス比の変化速度とを任意に設定することで、吸気冷却装置10の作動による燃焼器4内の燃焼状態の変化に応じてより適切に燃焼制御を行うことができる。
また、上述の実施形態では、燃料コントローラ40は、吸気冷却装置10が作動状態から非作動状態に切り替わった時点tから所定時間Δt経過後にバイアス値bをゼロに向けて減少させ始め、該バイアス値bがゼロに達した後はバイアス値bをゼロに維持するようにした。
吸気冷却装置10が作動状態から非作動状態に切り替わると、圧縮機2への吸入空気の温度上昇及び湿分減少が起こり、吸気冷却装置10の作動によりシフトしていた燃料配分比の適正条件が元の状態に戻ろうとする。そこで、上述の実施形態のように、吸気冷却装置10が作動状態から非作動状態に切り替わった時点tから所定時間Δt経過後にバイアス値bをゼロに向けて減少させ始め、該バイアス値bがゼロに達した後はバイアス値bをゼロに維持することで、吸気冷却装置10の停止による燃焼器4内の燃焼状態の変化に応じて適切に燃焼制御を行うことができる。
なお、吸気冷却装置10を停止させてからバイアス値bの減少を開始するまでの待機期間(所定時間)Δtは、吸気冷却装置の特性に応じて決めることが好ましい。例えば、吸気冷却装置10が図2に示すようなエバポレーティブクーラの場合、エバポレーティブクーラを停止してから冷却水の蒸散によりメディア14が乾燥するまでの時間を待機期間Δtとしてもよい。ここで、大気の湿度によってもメディア14が乾燥するまでの時間は異なるが、高湿度条件下でもメディア14が乾燥しうる時間を待機時間Δtとして採用すれば、大気の湿度条件によらずに火炎の安定性を維持できる。また、吸気冷却装置10がミストをスプレーから噴霧することで吸気室12に吸い込まれた外気を冷却するフォグ方式である場合、スプレーに水を供給するポンプの停止後、配管内に残存する水がスプレーから排出されるまでの時間を待機時間Δtとして採用してもよい。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
例えば、上述の実施形態では、パイロットバーナ22、メインバーナ30及びトップハットノズル35を有する燃焼器4を例に挙げて説明したが、燃焼器4は、拡散燃焼用燃料を燃焼させて拡散火炎を形成するとともに、予混合燃焼用燃料を燃焼させて予混合火炎を形成することが可能である限り、そのノズル構成は特に限定されない。
また上述の実施形態では、図5に示すロジックにおいて、関数発生器(42,52)には燃焼負荷指令値(CLCSO)を入力する例について説明したが、燃焼負荷指令値に替えて全燃料流量指令値(CSO)を入力してもよい。すなわち、パイロット比aを全燃料流量指令値に基づいて決定してもよいし、パイロット比のバイアス量を全燃料流量指令値に基づいて決定してもよい。
さらに、パイロット比aと、パイロット比に関するバイアス量とを、燃料負荷指令値及び全燃料負荷指令値の両方に基づいて決定してもよい。
1 ガスタービン
2 圧縮機
3A 入口案内翼
3B アクチュエータ
4 燃焼器
5 回転軸
6 タービン
7 電力計
8 発電機
9 温度センサ
10 吸気冷却装置
12 吸気室
13 吸気フィルタ
14 メディア
15 冷却水循環路
16 冷却水ポンプ
18 クーラ制御装置
19 吸気ダクト
20 内筒
22 パイロットバーナ
23 パイロットノズル
23A 燃料噴射口(第1噴射口)
24 筒状部材
25 パイロットコーン
26 パイロット空気流路
27 パイロットスワラ
28 拡散火炎(パイロット火炎)
30 メインバーナ
31 メインノズル
32 メイン空気流路
33 メインスワラ
34 予混合火炎
35 トップハットノズル
36 外筒
37 流量調節弁
38 流量調節弁
39 流量調節弁
40 燃焼コントローラ
42 関数発生器
44 加算器
46 乗算器
50 バイアス値算出部
52 関数発生器
54 レート設定器
56 選択器
58 シグナルジェネレータ
59 乗算器
80A 関数発生器
80B 関数発生器
81 除算器
82 シグナルジェネレータ
83A 乗算器
83B 乗算器
84 減算器
85 減算器
86 除算器
87 レート制限部
90 ガバナ制御器
92 負荷制御器
94 温度制御器
96 低値選択器

Claims (8)

  1. 拡散燃焼用燃料を燃焼させて拡散火炎を形成するとともに、予混合燃焼用燃料を燃焼させて予混合火炎を形成する燃焼器と、
    前記燃焼器に燃焼用空気としての圧縮空気を供給する圧縮機と、
    前記圧縮機に吸入される外気を冷却する吸気冷却装置と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるタービンと、
    前記吸気冷却装置の作動時に、前記拡散燃焼用燃料の全燃料流量に対する割合を示す拡散燃料比を増大させる燃焼コントローラとを備え
    前記燃焼コントローラは、前記吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後に前記拡散燃料比の増大を開始することを特徴とするガスタービン。
  2. 拡散燃焼用燃料を燃焼させて拡散火炎を形成するとともに、予混合燃焼用燃料を燃焼させて予混合火炎を形成する燃焼器と、
    前記燃焼器に燃焼用空気としての圧縮空気を供給する圧縮機と、
    前記圧縮機に吸入される外気を冷却する吸気冷却装置と、
    前記燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるタービンと、
    前記吸気冷却装置の作動時に、前記拡散燃焼用燃料の全燃料流量に対する割合を示す拡散燃料比を増大させる燃焼コントローラとを備え、
    前記燃焼コントローラは、前記吸気冷却装置が作動状態から非作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後に前記拡散燃料比の減少を開始することを特徴とするガスタービン。
  3. 前記燃焼コントローラは、燃焼負荷指令値および全燃料流量指令値の少なくとも一方に基づいて決定した前記拡散燃料比にバイアス値を加算して、該拡散燃料比を増大させることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタービン。
  4. 前記燃焼コントローラは、前記吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から前記所定時間経過後から前記バイアス値をゼロから所定値に向けて時間経過とともに増加させ、前記所定値に達した後は該所定値に前記バイアス値を維持することを特徴とする請求項3に記載のガスタービン。
  5. 前記バイアス値は、前記燃焼負荷指令値および全燃料流量指令値の少なくとも一方に基づいて決定したバイアス量に、時間経過に対応するバイアス比を乗算したものである請求項4に記載のガスタービン。
  6. 前記燃焼コントローラは、前記吸気冷却装置が作動状態から非作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後に前記バイアス値をゼロに向けて減少させ始め、該バイアス値がゼロに達した後は前記バイアス値をゼロに維持することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載のガスタービン。
  7. 拡散燃焼用燃料を燃焼させて拡散火炎を形成するとともに、予混合燃焼用燃料を燃焼させて予混合火炎を形成する燃焼器と、前記燃焼器に燃焼用空気としての圧縮空気を供給する圧縮機と、前記圧縮機に吸入される外気を冷却する吸気冷却装置と、前記燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるタービンとを備えるガスタービンの燃焼制御方法であって、
    前記吸気冷却装置の作動時に、前記拡散燃焼用燃料の全燃料流量に対する割合を示す拡散燃料比を増大させるとともに、
    前記吸気冷却装置が非作動状態から作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後に前記拡散燃料比の増大を開始することを特徴とするガスタービンの燃焼制御方法。
  8. 拡散燃焼用燃料を燃焼させて拡散火炎を形成するとともに、予混合燃焼用燃料を燃焼させて予混合火炎を形成する燃焼器と、前記燃焼器に燃焼用空気としての圧縮空気を供給する圧縮機と、前記圧縮機に吸入される外気を冷却する吸気冷却装置と、前記燃焼器からの燃焼ガスによって駆動されるタービンとを備えるガスタービンの燃焼制御方法であって、
    前記吸気冷却装置の作動時に、前記拡散燃焼用燃料の全燃料流量に対する割合を示す拡散燃料比を増大させるとともに、
    前記吸気冷却装置が作動状態から非作動状態に切り替わった時点から所定時間経過後に前記拡散燃料比の減少を開始することを特徴とするガスタービンの燃焼制御方法。
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