JP5799636B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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詳しくは触媒としてTi化合物を使用するポリエステルの製造方法に関する。
ジオールの主成分として1,4−ブタンジオール(以下1,4−BGと表すことがある)を用いたポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンンサクシネートなどは、エンジニアリングプラスチックや生分解ポリマーとして射出成形品、フィルムなどに有用に利用されている。
有機チタン化合物はエステル化反応触媒として優れた触媒活性を示すが、例えば、有機チタン化合物であるチタンアルコキシドは、エステル化反応触媒としての優れた触媒活性を示す一方で、分解反応も起こしやすくポリエステルの末端カルボキシル基(以下、AV
と表すことがある)の増加や熱安定性や色調の悪化を招きやすい。
即ち本発明の要旨は下記[1] 〜 [6]に存する。
[1] 1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とジカルボン酸成分とをエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行いオリゴマーを得るエステル化工程、並びに、オリゴマーを重縮合反応させてポリエステルを得る重縮合工程からなるポリエステルの製造方法において、反応触媒としてTi化合物を使用し、該Ti化合物が窒素原子として0.1重量ppm以上40,000重量ppm以下の窒素化合物を含有する1,4−ブタンジオールで希釈されたTi化合物溶液として、反応系に添加されることを特徴とするポリエステルの製造方法。
[2] 前記Ti化合物溶液を前記エステル化工程に添加することを特徴とする[1]に記載のポリエステルの製造方法。
[3] 前記Ti化合物溶液中のTi化合物濃度が0.1%以上10%以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載のポリエステルの製造方法。
[4] 前記窒素化合物がアミン、アミノアルコール、及びアミドからなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物であることを特徴とする[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
[5] 前記Ti化合物溶液を重縮合工程に添加することを特徴とする[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
[6] 前記Ti化合物を希釈する1,4−ブタンジオールがバイオマス資源由来であることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれかに記載の製造方法。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に特定はされない。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸成分とジオール成分がエステル結合した構造を有する高分子であり、ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができ、機械的物性や用途の広さ、原料の入手容易さ等の観点からは、芳香族ジカルボン酸の中では、テレフタル酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸の中ではコハク酸、アジピン酸が好ましい。
本発明において、ジオール成分の主成分は1,4−BGである。1,4−BG以外の成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールなどの脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シ
クロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロールなどの脂環式ジオール
、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオール、
イソソルビド、イソマンニド、イソイデット、エリトリタンなどの植物原料由来のジオール等を挙げることができ、又、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−BGなども植物原料由来のものを使用することができる。
本発明においては、さらに、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分(ヒドロキシ基又はカルボキシル基を1ケ有する成分)、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、リンゴ酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールなどの三官能以上の多官能成分(ヒドロキシ成分及び/又はカルボン酸成分を3ケ以上有する成分)などを共重合成分として用いることができる。
るポリブチレンテレフタレート(PBT)や、(2)ジカルボン酸単位の50モル%以上、好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上がコハク酸単位からなり、ジオール単位の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上が1,4−BG単位から成るポリブチレンサクシネートにおいては、生産規模が大き
く、本発明の効果が大きい。
以下のポリエステルの製造方法の説明ではジカルボン酸としてテレフタル酸、ジオールとして1,4−BGを用いた、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと表すことがある)の製造を一例として説明するが、本発明のポリエステルの製造方法はこれに限定されるものではない。
れてペレット状、チップ状の粒状体とされる。粒状体は引き続き公知の方法で固相重縮合させて固有粘度を上げることもできる。
本発明におけるエステル化またはエステル交換反応触媒としては、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等、のチタン化合物が使用される。チタン化合物以外の触媒としては、三酸化二アンチモン等のアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸、等のスズ化合物、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウムなどのマグネシウム化合物、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、カルシウムアルコキサイド、燐酸水素カルシウム、等のカルシウム化合物の他、マンガン化合物、亜鉛化合物等がチタン化合物と併用されてもよい。チタン化合物の中では、触媒活性、反応系への溶解性などの点からテトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートが好ましい。
Coupled Plasma(ICP)等を用いて測定することができる。
4−BGの一部を用いることも可能である。
1,4−BGで希釈されるTi化合物中の窒素原子濃度の調節には、アミン化合物(単にアミンともいう)、アミノアルコール、アミド化合物(単にアミドともいう)を1,4−BGに添加する方法、1,4−BGを陰イオン交換樹脂を通過させる方法、バイオマス資源由来の1,4−BGを使用する方法などにより行うことが出来る。バイオマス資源由来の1,4−BGは、例えば、バイオマス資源の発酵により得られるコハク酸を水添して1,4−BGを得る場合においては、その発酵条件、アンモニアによる中和条件、コハク酸の晶析条件、コハク酸を水添して得られる1,4−BGの、蒸留を含む精製条件により調節できる。また、1,4−BGがバイオマス資源の発酵により直接得られる場合にも、その発酵条件、アンモニアによる中和条件、得られた1,4−BGの蒸留を含む精製条件などにより調節できる。また、発酵により得られた1,4−BGにアミン化合物、アミノアルコール、アミド化合物を1,4−BGに添加する方法、1,4−BGを陰イオン交換樹脂を通過させる方法によっても窒素原子濃度の調節は可能である。
ミン、N−メチルアニリン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジシクロヘキシルアミン、1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N−ブチルピロール、N−ブチル−2,3−ジヒドロピロール、N−ブチルピロリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、4−アミノメチルピペリジン、4−アミノ−5,6−ジヒドロ−2−メチルピリミジン、2,3,5,6−テトラメチルピラジン
、3,6−ジメチルピリダジンであり、中でもトリブチルアミン、N−ブチルピロリジンが好ましく用いられる。
アミド化合物としては、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピルアミド、N−メチルアクリルアミド等の非環式アミド化合物、2−ピロリドン、δ―バレロラクタム、ε−カプロラクタム等の環式アミド化合物、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の環式イミド化合物があげられ、中でも環式アミド化合物が好ましく、特に、2−ピロリドンが好ましく用いられる。
らを水素化して得られる1,4−BG、アセチレンを原料してホルムアルデヒド水溶液と接触させて得られるブチンジオールを水素化して得られる粗1,4−BG、プロピレンの酸化を経由して得られる1,4−BG、発酵法により得たコハク酸を水添した1,4−BG、糖などのバイオマスから直接発酵により得た1,4−BGなどである。
バイオマス資源とは、植物の光合成作用で太陽の光エネルギーがデンプンやセルロースなどの形に変換されて蓄えられたもの、植物体を食べて成育する動物の体や、植物体や動物体を加工してできる製品等が含まれる。具体的には、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣、水産物残渣、家畜排泄物、下水汚泥、食品廃棄物等が挙げられる。この中でも、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣等の植物資源が好ましく、より好ましくは、木材、稲わら、籾殻、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、芋、油脂、古紙、製紙残渣が挙げられ、最も好ましくはとうもろこし、さとうきび、キャッサバ、サゴヤシが挙げられる。
これらのバイオマス資源は、その方法は特に限定はされないが、例えば、酸やアルカリ等の化学処理、微生物を用いた生物学的処理、物理的処理等の公知の前処理・糖化の工程等を経て炭素源へと誘導される。その工程には、バイオマス資源をチップ化する、削る、擦り潰す等の前処理による微細化工程が含まれることが多く、必要に応じて、更にグラインダーやミルによる粉砕工程も含まれる。こうして微細化されたバイオマス資源は、通常、更に前処理・糖化の工程を経て炭素源へと誘導される。その具体的な方法としては、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸等の強酸による酸処理、アルカリ処理、アンモニア凍結蒸煮爆砕法、溶媒抽出、超臨界流体処理、酸化剤処理等の化学的方法;微粉砕、蒸煮爆砕法、マイクロ波処理、電子線照射等の物理的方法;微生物や酵素処理による加水分解等生物学的処理等が挙げられる。
本発明のPBTを製造するのに用いるジオールは、グルコース等の炭素源から発酵法により直接ジオールを製造してもよいし、発酵法により得られたコハク酸、コハク酸無水物
、コハク酸エステル等を還元触媒により水添してジオール化合物に変換しても良いし、発酵法により得られた1,3−ブタジエンから1,4−ブタンジオールを製造する等してもよい。
公報に記載の方法で行ってもよい。コハク酸、コハク酸無水物、コハク酸エステル等を還元触媒により水添してジオール化合物に変換する方法は、例えば、特開2008−101143号公報に記載の方法で行ってもよい。
コハク酸を水添する触媒の例としては、例えば、Pd、Ru、Re、Rh、Ni、Cu、Co及びその化合物等が挙げられる。具体的には、Pd/Ag/Re、Ru/Ni/Co/ZnO、Cu/Zn酸化物、Cu/Zn/Cr酸化物、Ru/Re、Re/C、Ru/Sn、Ru/Pt/Sn、Pt/Re/アルカリ、Pt/Re、Pd/Co/Re、Cu/Si、Cu/Cr/Mn、ReO/CuO/ZnO、CuO/CrO、Pd/Re、Ni/Co、Pd/CuO/CrO3、リン酸Ru、Ni/Co、Co/Ru/Mn、Cu/Pd/KOH、Cu/Cr/Zn等が挙げられる。この中でも、Ru/Sn又はRu/Pt/Snが触媒活性の点で好ましい。
反応触媒としてのTi化合物溶液は、エステル化工程、及び/又は重縮合工程で反応系に添加することができる。また、エステル化工程及び重縮合工程の両方において、分割して添加することもできる。
攪拌翼の種類も公知のものが選択でき、具体的にはプロペラ翼、スクリュー翼、タービン翼、ファンタービン翼、デイスクタービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼等が挙げられる。
以下、本発明のポリエステルの製造方法をPBTを例として好ましい実施態様を説明する。
攪拌装置、留出管、窒素導入口、加熱装置、温度計を備えたエステル反応槽に、テレフタル酸113重量部、1,4−ブタンジオール184重量部及び、窒素化合物を含有した1,4−ブタンジオールを用いて6重量%テトラブチルチタネート濃度に調製されたチタン化合物溶液0.7重量部を仕込み、窒素減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にする。
次に、酢酸マグネシウム4水塩を水に溶解し、さらに1,4−ブタンジオールに溶解させた酢酸マグネシウム4水塩1重量%の1,4―ブタンジオール溶液(酢酸マグネシウム4水塩、水、1,4―ブタンジオールの重量比は1:2:97)1.3重量部を添加した後、攪拌装置、留出管、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた重縮合反応槽へエステル反応物を移送する。
(i)固有粘度(IV):
ウベローデ型粘度計を使用し次の要領で求めた。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃において、濃度1.0g/dLのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、以下の式(1)より求めた。
(ここで、ηSP=η/η0−1であり、ηはポリマー溶液落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。)
(ii)ペレット色調:
ペレット状ポリエステルを内径30mm、深さ12mmの円柱状の粉体測定用セルに充填し、測色色差計Z300A(日本電色工業(株)社製)を使用して、JIS Z8730の参考例1に記載されるLab表示系におけるハンターの色差式の色座標によるb値を、反射法により、測定セルを90度ずつ回転させて4箇所測定した値の単純平均値として求めた。
フェノール/テトラクロロエタン=3/2(重量比)の混合溶媒20mLにPBT2.70gを110℃で30分間溶解させた後、30℃の恒温水槽で15分間冷却し、日本電色(株)製濁度計(NDH−300A)を使用し、セル長10mmで測定した。値が低いほど透明性が良好であることを示す。
試料15mgを石英ボートへ採取して、微量全窒素分析装置(ダイヤインスツルメンツ
社製「TN−10型」)を用いて試料を燃焼し、燃焼・化学発光法により定量した。また
、その際に使用した標準試料は、トルエン中にアニリンを溶解し、窒素換算で0,0.5,1.0,2.0μg/mLを作製し使用した。
次に、酢酸マグネシウム4水塩を水に溶解し、さらに1,4−ブタンジオールに溶解させた酢酸マグネシウム4水塩1重量%の1,4―ブタンジオール溶液(酢酸マグネシウム4水塩、水、1,4―ブタンジオールの重量比は1:2:97)1.3重量部を添加した後、攪拌装置、留出管、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧用排気口を備えた重合反応槽へエステル反応物を移送した。
窒素原子濃度として2.8重量ppmとなるようにプロリノールを20重量ppm添加した1,4−ブタンジオールを用いて6重量%テトラブチルチタネート濃度に調製されたチタン化合物溶液0.7重量部を仕込んだ以外、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたPBTの評価結果を表1に示す。溶液へーズ、色調が共に良好であった。
内径1.78cm、高さ20.1cmのカラムにCl型強塩基性陰イオン交換樹脂SA−10(三菱化学株式会社製)を50ml充填した。当該カラムに10%水酸化ナトリウム水溶液を1.6L/hrの流速で5L通液し、樹脂をOH型に変換した後、カラムに純水を20L通液して樹脂を洗浄した。続いて、該カラムに40℃、0.028cm/secの条件で1,4−ブタンジオールの通液を行った。1,4−ブタンジオール中の窒素原子濃度は0.7重量ppmであった。
[実施例8]
特開2008−101143号公報の参考例1から参考例5と同様の方法で得られたバイオマス資源由来コハク酸を用いて、以下の方法で1,4−ブタンジオールを得た。
蒸留ならびにその蒸留残をろ過後、減圧蒸留することによりコハク酸ジメチル(収率93%)を得た。得られたコハク酸ジメチル100重量部をCuO−ZnO触媒(ズードケミー社製「T―8402」)15重量部存在下、仕込み、コハク酸ジメチルに対して約4倍の体積容量を持つオートクレーブ(ハステロイC)を用いて水素5MPa加圧下で攪拌させながら1時間かけて230℃まで昇温させた。その後、230℃で15MPaの水素加圧下9時間反応液を攪拌させた。反応液を冷却後、脱ガスを行った。反応液からろ過により触媒を除去した。ろ液を減圧蒸留することにより精製1,4−ブタンジオールを得た(収率81%)。製造された精製1,4−ブタンジオール中には窒素原子が0.7重量ppm含まれたが、硫黄原子は含まれていなかった。また、1,4−ブタンジオール中には酸化生成物である2-(4-ヒドロキシブチルオキシ)テトラヒドロフランが584重量ppm含有されていた。
[比較例1]
市販の1.4−ブタンジオールを用いて触媒溶液の調製を行った以外は実施例1と同様に重合反応を行った。得られたPBTの評価結果を表1に示す。溶液へーズ、色調は共に高い値を示した。
Claims (6)
- 1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とジカルボン酸成分とをエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行いオリゴマーを得るエステル化工程、並びに、オリゴマーを重縮合反応させてポリエステルを得る重縮合工程からなるポリエステルの製造方法において、反応触媒としてTi化合物を使用し、該Ti化合物が窒素原子として0.1重量ppm以上40,000重量ppm以下の窒素化合物を含有する1,4−ブタンジオールで希釈されたTi化合物溶液として、反応系に添加されることを特徴とするポリエステルの製造方法。
- 前記Ti化合物溶液を前記エステル化工程に添加することを特徴とする請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記Ti化合物溶液中のTi化合物濃度が0.1%以上10%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記窒素化合物がアミン、アミノアルコール、及びアミドからなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記Ti化合物溶液を重縮合工程に添加することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリエステルの製造方法。
- 前記Ti化合物を希釈する1,4−ブタンジオールがバイオマス資源由来であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。
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