JP5798450B2 - シリコンウエハ用研磨液組成物 - Google Patents

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本発明はシリコンウエハ用研磨液組成物及びこれを用いた半導体基板の製造方法並びにシリコンウエハの研磨方法に関する。
半導体基板の製造に用いられるシリコンウエハ(ベアウエハ)の研磨に用いられる研磨液組成物として、シリカ粒子を含有する研磨液組成物が知られている。この種の研磨液組成物においては、濃縮液の保存安定性、シリコンウエハの表面の濡れ性、凝集物を除去するために研磨液組成物をろ過する場合のフィルター目詰まり、研磨速度等が問題となっている(例えば、特許文献1等参照)。
一方、半導体デバイスの化学的機械的平坦化用の、アルキルポリグリコシドを含有する金属用研磨液として、複雑な配線金属を平坦化する研磨液組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。又、アルキルポリグリコシドを含有するCMPプロセス用研磨液として、回収研磨液組成物の濾過性が良く回収ロスが少ない研磨液組成物が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2011−171689号公報 特開2010−129941号公報 特開2004−51756号公報
近年、半導体装置のデザインルールの微細化が進み、シリコンウエハに要求される、パーティクル数やHaze値等の表面品質は益々高くなっている。パーティクルとはウエハ表面に付着した、研磨材、研磨パット屑、シリコンの切り屑等の異物であり、Hazeとは、表面粗さ計では測定困難な微細な凹凸に光束を照射した時に観察される“曇り”である。Haze値が小さければ小さいほど表面の平滑性が高いことを意味する。
本発明では、パーティクル数及びHaze値が小さいシリコンウエハを得ることが可能なシリコンウエハ用研磨液組成物、及び当該研磨液組成物を用いた半導体基板の製造方法並びにシリコンウエハの研磨方法を提供する。
本発明のシリコンウエハ用研磨液組成物は、シリカ粒子(成分A)と、水系媒体(成分B)と、水溶性アルカリ化合物(成分C)と、下記一般式(1)で表されるアルキルポリグリコシド(成分D)と、カチオン化ポリビニルアルコール(成分E)とを含み、
前記成分Eは、下記一般式(2)で表される構成単位(e2)、下記一般式(3)で表される構成単位(e3)、及び下記一般式(4)で表される構成単位(e4)を含み、構成単位(e4)のモル濃度が成分Eの全構成単位中0.001〜1.5モル%であり、
前記成分Dの含有量が0.0015重量%以下であり、
前記成分Dと前記成分Aの重量%の比(成分Dの重量%/成分Aの重量%)が、0.0001〜0.008であり、
25℃におけるpHが8〜12である。
1−Gy ・・・(1)
ただし、式(1)中、R1は、炭素数8〜18のアルキル基であり、飽和であっても不飽和であってもよく、且つ、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、Gyは糖鎖であり、Gは糖骨格、yは縮合度であり、縮合度yが1〜5である。成分Dは、一般式(1)で表される複数種のアルキルポリグリコシドのうちから選ばれる1種のアルキルポリグリコシドであってもよいし、2種以上のアルキルポリグリコシドを含む混合物であってよい。
Figure 0005798450
ただし、式(3)中、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、式(4)中、Xは分子中にカチオン基を有し且つビニルアルコール低級脂肪酸エステルと共重合可能な不飽和化合物に由来する構成単位である。
本発明の半導体基板の製造方法は、本発明のシリコンウエハ用研磨液組成物を用いてシリコンウエハを研磨する工程を含む。
本発明のシリコンウエハの研磨方法は、本発明のシリコンウエハ用研磨液組成物を用いてシリコンウエハを研磨する工程を含む。
本発明によれば、パーティクル数及びHaze値が小さいシリコンウエハを得ることが可能なシリコンウエハ用研磨液組成物、及び当該研磨液組成物を用いた半導体基板の製造方法並びにシリコンウエハの研磨方法を提供できる。
本発明は、シリカ粒子(成分A)と、水系媒体(成分B)と、水溶性アルカリ化合物(成分C)と、特定のアルキルポリグリコシド(成分D)と、特定のカチオン化ポリビニルアルコール(成分E)とを含み、成分Dの含有量が0.0015重量%以下、前記成分Dと前記成分Aの重量%の比(成分Dの重量%/成分Aの重量%)が0.0001〜0.008、25℃におけるpHが8〜12の研磨組成物を用いて研磨を行うことにより、パーティクル数及びHaze値の双方が小さいシリコンウエハを得ることができるという知見に基づく。
一般に、シリコンウエハ(以下、「ウエハ」と略称する場合もある。)の研磨において、シリコンウエハとシリカ表面は相互作用が強く、吸着しやすいことが知られている。本発明のシリコンウエハ用研磨液組成物(以下、「研磨液組成物」と略称する場合もある。)を用いた研磨では、特定のアルキルポリグリコシド(成分D)によって、ウエハ表面がシリカ粒子と相互作用しにくい表面に改質されることにより、ウエハ表面に残存するシリカ粒子数が低減されるものと推察される。具体的には、特定のアルキルポリグリコシド(成分D)は疎水基と親水基(OH基)を有しており、ウエハ表面に当該疎水基(炭素数8〜18のアルキル基)が吸着し、シリカ粒子に吸着し難い親水基(OH基)がシリカ粒子に対向することにより、ウエハ表面へのシリカ粒子の吸着が抑制され、パーティクル数が低減し、Haze値が小さくなるものと推察される。
[シリカ粒子(成分A)]
本発明の研磨液組成物(以下、「研磨液組成物」と略称する場合もある。)には、研磨材としてシリカ粒子が含まれる。シリカ粒子の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられるが、シリコンウエハの表面平滑性を向上させる観点から、コロイダルシリカがより好ましい。
シリカ粒子の使用形態としては、操作性の観点からスラリー状であることが好ましい。本発明の研磨液組成物に含まれる研磨材がコロイダルシリカである場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属等によるシリコンウエハの汚染を防止する観点から、コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましい。アルコキシシランの加水分解物から得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって作製できる。
本発明の研磨液組成物に含まれるシリカ粒子の平均一次粒子径は、研磨速度を向上する観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは15nm以上であり、さらにより好ましくは20nm以上であり、さらに好ましくは30nm以上である。また、パーティクル数低減、及びHaze値低減の観点から、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、さらに好ましくは40nm以下である。よって、シリカ粒子の平均一次粒子径は、パーティクル数低減、及びHaze値低減及び研磨速度を向上する観点から、好ましくは5〜50nm、より好ましくは10〜45nm、さらに好ましくは15〜40nm、さらにより好ましくは20〜40nm、さらにより好ましくは30〜40nmである。
特に、研磨材としてコロイダルシリカを用いた場合には、パーティクル数低減、及びHaze値低減及び研磨速度を向上させる観点から、平均一次粒子径は、5〜50nmが好ましく、より好ましくは10〜45nm、さらに好ましくは15〜40nm、さらにより好ましくは20〜40nm、さらにより好ましくは30〜40nmである。
本発明の研磨液組成物におけるシリカ粒子の含有量は、研磨速度の向上の観点から0.0500重量%(500重量ppm)以上が好ましく、0.1000重量%(1000重量ppm)以上がより好ましく、0.2000重量%(2000重量ppm)以上がさらに好ましい。また、研磨液組成物のコスト低減の観点から、0.5000重量%(5000重量ppm)以下が好ましく、0.4000重量%(4000重量ppm)以下がより好ましく、0.3000重量%(3000重量ppm)以下がさらに好ましい。よって、シリカ粒子の含有量は、研磨速度の向上及び研磨液組成物のコスト低減の観点から、0.0500〜0.5000重量%(500〜5000重量ppm)が好ましく、0.1000〜0.4000重量%(1000〜4000重量ppm)がより好ましく、0.2000〜0.3000重量%(2000〜3000重量ppm)がさらに好ましい。
本発明の研磨液組成物に含まれる研磨材であるシリカ粒子は、パーティクル数低減、Haze値低減及び研磨速度の向上の観点から、会合し二次粒子を形成していると好ましい。シリカ粒子の会合度は、パーティクル数低減、Haze値低減及び研磨速度の向上の観点から、1.1〜3.0が好ましく、1.3〜2.8がより好ましく、1.5〜2.5がさらに好ましく、1.8〜2.5がさらにより好ましく、1.8〜2.2がさらにより好ましい。シリカ粒子の形状はいわゆる球型といわゆるマユ型が好ましいが、いわゆるマユ型がより好ましい。シリカ粒子がコロイダルシリカである場合、コロイダルシリカの会合度は、パーティクル数低減、Haze値低減及び研磨速度の向上の観点から、1.1〜3.0が好ましく、1.3〜2.8がより好ましく、1.5〜2.5がさらに好ましく、1.8〜2.5がさらにより好ましく、1.8〜2.2がさらにより好ましい。
シリカ粒子の会合度とは、研磨材の形状を表す係数であり、下記式により算出される。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
シリカ粒子の会合度の調整方法としては、特に限定されないが、例えば、特開平6−254383号公報、特開2005−060219号公報等に記載の方法を採用できる。
平均二次粒子径は、動的光散乱法によって測定される値であり、例えば、実施例に記載の装置を用いて測定できる。
[水系媒体(成分B)]
本実施形態の研磨液組成物に含まれる水系媒体(成分B)としては、イオン交換水や超純水等の水、又は水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。水系媒体としては、なかでも、イオン交換水又は超純水がより好ましく、超純水がさらに好ましい。本発明の成分Bが、水と溶媒との混合媒体である場合、成分Bである混合媒体全体に対する水の割合は、特に限定されるわけではないが、経済性の観点から、95重量%以上が好ましく、98重量%以上がより好ましく、実質的に100重量%がさらに好ましい。
本発明の研磨液組成物における水系媒体の含有量は、特に限定されるわけではなく、成分A、成分C〜成分E、及び、後述する任意成分の残余であってよい。
[水溶性アルカリ化合物(成分C)]
本発明の研磨液組成物は、研磨速度向上の観点から、水溶性アルカリ化合物(成分C)を含有する。尚、本発明において、水溶性アルカリ化合物の「水溶性」とは、水に対して2g/100ml以上の溶解度を有することをいい、「水溶性アルカリ化合物」とは、水に溶解したとき、アルカリ性を示す化合物をいう。水溶性アルカリ化合物としては、水溶性アミン化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩等が挙げられる。具体的には、水溶性アミン化合物としては、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N一メチルエタノールアミン、N−メチル−N,N一ジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノ−ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、及びトリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、ジエチレントリアミン、及び水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられ、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。これらの水溶性アルカリ化合物は2種以上を混合して用いてもよい。本発明の研磨液組成物に含まれ得る水溶性アルカリ化合物としては、研磨速度向上の観点から、水溶性アミン化合物が好ましく、アンモニア、メチルアミンがより好ましく、アンモニアがさらに好ましい。
本発明の研磨液組成物における水溶性アルカリ化合物の含有量は、パーティクル数低減と研磨速度向上の観点から、0.0010重量%(10重量ppm)以上が好ましく、0.0030重量%(30重量ppm)以上がより好ましく、0.0050重量%(50重量ppm)以上がさらに好ましく、0.0080重量%(80重量ppm)以上がさらにより好ましく、0.0100重量%(100重量ppm)以上がさらにより好ましい。また、シリコンウエハの腐食防止の観点から、5.0000重量%(50000重量ppm)以下が好ましく、1.0000重量%(10000重量ppm)以下がより好ましく、0.1000重量%(1000重量ppm)以下がさらに好ましく、0.0500重量%(500重量ppm)以下がさらにより好ましく、0.0300重量%(300重量ppm)以下がさらにより好ましい。よって、パーティクル数低減、研磨速度向上、及び、シリコンウエハの腐食防止の観点から、水溶性アルカリ化合物の含有量は、0.0010〜5.000重量%(10〜50000重量ppm)が好ましく、0.0030〜1.0000重量%(30〜10000重量ppm)がより好ましく、0.0050〜0.1000重量%(50〜1000重量ppm)がさらに好ましく、0.0080〜0.0500重量%(80〜500重量ppm)がさらにより好ましく、0.0100〜0.0300重量%(100〜300重量ppm)がさらにより好ましい。
[アルキルポリグリコシド(成分D)]
本発明の研磨液組成物には、下記一般式(1)で表されるアルキルポリグリコシド(成分D)が含まれる。
1−Gy (1)
上記一般式(1)中、R1は、パーティクル数低減と研磨速度向上の観点から、炭素数8〜18のアルキル基であるが、上記炭素数は、パーティクル数低減の観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、研磨速度向上の観点から、16以下が好ましく、14以下がより好ましい。よって、上記炭素数は、パーティクル数低減と研磨速度向上の観点から、10〜16が好ましく、10〜14がより好ましく、12〜14がさらに好ましい。R1は、飽和であっても不飽和であってもよく、且つ、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。成分Dは、一般式(1)で表される複数種のアルキルポリグリコシドのうちから選ばれる1種のアルキルポリグリコシドであってもよいし、2種以上のアルキルポリグリコシドを含む混合物であってよい。
上記一般式(1)中、Gyは糖鎖であり、Gは糖骨格であり、yは縮合度である。パーティクル数低減と研磨速度向上の観点から、縮合度yは1〜5であるが、上記縮合度yは、パーティクル数低減の観点から、1.1以上が好ましく、1.2以上がより好ましく、1.3以上がさらに好ましく、研磨速度向上の観点から、4以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましく、1.8以下がさらにより好ましい。よって、上記縮合度yは、パーティクル数低減と研磨速度向上の観点から、1.1〜4が好ましく、1.2〜3がより好ましく、1.2〜2がさらに好ましく、1.3〜1.8がさらにより好ましい。
本発明の研磨液組成物におけるアルキルポリグリコシド(成分D)の含有量は、研磨速度向上及びパーティクル数低減の観点から、0.0015重量%(15重量ppm)以下であるが、0.00125重量%(12.5重量ppm)以下が好ましく、0.0010重量%(10重量ppm)以下がより好ましく、0.0006重量%(6重量ppm)以下がさらにより好ましい。また、アルキルポリグリコシド(成分D)の含有量は、パーティクル数低減の観点から、0.00001重量%(0.1重量ppm)以上が好ましく、0.00005重量%(0.5重量ppm)以上がより好ましく、0.0001重量%(1重量ppm)以上がさらに好ましく、0.0003重量%(3重量ppm)以上がさらにより好ましい。よって、アルキルポリグリコシド(成分D)の含有量は、パーティクル数低減と研磨速度向上の観点から、0.00001〜0.0015重量%(0.1〜15重量ppm)が好ましく、0.00005〜0.0012.5重量%(0.5〜12.5重量ppm)がより好ましく、0.0001〜0.0010重量%(1〜10重量ppm)がさらに好ましく、0.0003〜0.0006重量%(3〜6重量ppm)がさらにより好ましい。
本発明のアルキルポリグリコシド(成分D)とシリカ粒子(成分A)の濃度比、すなわち、アルキルポリグリコシド(成分D)とシリカ粒子(成分A)の重量%の比(成分Dの重量%/成分Aの重量%)は、パーティクル数低減の観点から、0.0001以上であり、0.0005以上が好ましく、0.0010以上がより好ましく、0.0015以上がさらに好ましい。また、重量%の比(成分Dの重量%/成分Aの重量%)は、パーティクル数低減、及びHaze値低減の観点から、0.008以下であり、0.006以下が好ましく、0.004以下がより好ましく、0.002以下がさらに好ましい。よって、重量%の比(成分Dの重量%/成分Aの重量%)は、パーティクル数低減、及びHaze値低減の観点から、0.0001〜0.008であり、0.0005〜0.006が好ましく、0.0010〜0.004がより好ましく0.0015〜0.002がさらに好ましい。
(カチオン化ポリビニルアルコール(成分E))
本発明の研磨液組成物に含まれるカチオン化ポリビニルアルコール(成分E)は、下記一般式(2)〜(4)で表される構成単位(e2)〜(e4)を有する。
Figure 0005798450
上記式(3)中、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、式(4)中、Xは分子中にカチオン基を有し且つビニルアルコール低級脂肪酸エステルと共重合可能な不飽和化合物に由来する構成単位である。
構成単位(e2)と構成単位(e3)と構成単位(e4)とを有するカチオン化ポリビニルアルコールは、構成単位(e3)の供給源である単量体化合物と構成単位(e4)の供給源である単量体化合物とを共重合し、得られた共重合体を部分的にケン化することで得られる。例えば、一般式(3)中のR2がメチル基である場合、重合性カチオン単量体(構成単位(e4)の供給源である化合物)と酢酸ビニルとの共重合体を部分ケン化することで得られるカチオン化ポリビニルアルコールを上記カチオン基を有する高分子化合物として使用できる。
ここで、構成単位(e4)はカチオン基を含み、構成単位(e4)の供給源である単量体化合物は、ビニルアルコール低級(炭素数1〜3)脂肪酸エステル(構成単位(e2)、(e3)の供給源である単量体化合物)と共重合可能な化合物である。構成単位(e4)の供給源である単量体化合物としては、下記一般式(4−1)で表される化合物及び下記一般式(4−2)で表される化合物から選ばれる化合物が挙げられる。構成単位(e4)は、パーティクル数低減の観点から、下記一般式(4−1)で表される化合物及び下記一般式(4−2)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来するものであると好ましい。
Figure 0005798450
式中、R3、R4、R5、R9、R10、R11は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。Y1、Y2は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキレン基、−COOR14−、−CONHR14−、−OCOR14−、及びR15−OCO−R14−から選ばれる基である。ここで、R14、R15は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキレン基である。R6は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又はR34C=C(R5)−Y1−である。R7は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、R8は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又はベンジル基であり、Z-は陰イオンを示す。R12は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、又はR910C=C(R11)−Y2−である。R13は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。Z-は、例えば、ハロゲンイオンである。
構成単位(e4)の供給源である単量体化合物としては、例えば、ジアリルジアルキル(該アルキル基の炭素数は1〜3)アンモニウム塩、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(該アルキル基の炭素数は1〜5)−N,N−ジアルキル(該アルキル基の炭素数は1〜3)アミン、N−(メタ)アクリロイルアミノアルキル(該アルキル基の炭素数は1〜5)−N,N,N−トリアルキル(該アルキル基の炭素数は1〜3)アンモニウム塩、N−(メタ)アクリロイルオキシアルキル(該アルキル基の炭素数は1〜5)−N,N,N−トリアルキル(アルキル基の炭素数は1〜3)アンモニウム塩、及びN−(ω−アルケニル(該アルケニル基の炭素数は2〜10))−N,N−ジアルキル(該アルキル基の炭素数は1〜3)アミンから選ばれる化合物が挙げられる。
本発明の研磨液組成物に含まれるカチオン化ポリビニルアルコールは、構成単位(e2)〜(e4)以外に他の構成単位を本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよいが、実質的に含まないことが好ましく、含まないことがより好ましい。
カチオン化ポリビニルアルコールの全構成単位中、構成単位(e2)、構成単位(e3)及び構成単位(e4)のモル濃度は、パーティクル数低減、及び、Haze値低減の観点から、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%であり、さらに好ましくは90〜100モル%であり、さらにより好ましくは実質的に100モル%であり、さらにより好ましくは100モル%である。
また、カチオン化ポリビニルアルコールの全構成単位中のカチオン基を含む構成単位(e4)のモル濃度は、研磨速度の向上の観点から、0.001モル%以上であり、好ましくは0.01モル%以上、より好ましくは0.05モル%以上、さらにより好ましくは0.10モル%以上、さらにより好ましくは0.20モル%以上である。また、カチオン基を含む構成単位(e4)のモル濃度は、パーティクル数低減、Haze値低減の観点から、1.5モル%以下であり、好ましくは1モル%以下、より好ましくは0.35モル%以下、さらにより好ましくは0.25モル%以下である。よって、カチオン化ポリビニルアルコールの全構成単位中のカチオン基を含む構成単位(e4)のモル濃度は、パーティクル数低減、Haze値低減、及び、研磨速度の向上の観点から、0.001〜1.5モル%であり、好ましくは0.01〜1モル%、より好ましくは0.05〜1モル%、さらに好ましくは0.10〜0.35モル%、さらにより好ましくは0.20〜0.35モル%、さらにより好ましくは0.20〜0.25モル%である。ここで、前記カチオン基を含む構成単位(e4)のモル濃度は、実施例に記載の[カチオン化変性率測定方法]により測定できる。
カチオン化ポリビニルアルコールにおいては、溶解性向上、パーティクル数低減及びHaze値低減の観点から、構成単位(e2)及び構成単位(e3)のモル比(e2)/(e3)が、好ましくは1〜300、より好ましくは2〜50、さらに好ましくは2.5〜20であり、さらにより好ましくは3.0〜15であり、さらにより好ましくは5.0〜10であり、さらにより好ましくは5.0〜8.0である。
カチオン化ポリビニルアルコールの重合度は、パーティクル数低減の観点から、好ましくは220以上、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上、さらにより好ましくは1000以上である。また、カチオン化ポリビニルアルコールの重合度は、研磨組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、さらに好ましくは2500以下、さらにより好ましくは2000以下である。よって、カチオン化ポリビニルアルコールの重合度は、パーティクル数低減と研磨組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは220〜3500、より好ましくは300〜3000、さらに好ましくは500〜2500であり、さらにより好ましくは1000〜2000である。ここで、高分子化合物の重合度とは、一般的には重合体分子を構成する繰返し単位数のことであるが、本発明におけるカチオン化ポリビニルアルコールの重合度に関しては、(e2)の繰り返し単位数と(e3)の繰り返し単位数の合計を意味する。
また、カチオン化ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、パーティクル数低減の観点から、好ましくは5000以上、より好ましくは20000以上、さらに好ましくは50000以上、さらにより好ましくは80000以上である。カチオン化ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、研磨組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは500000以下、より好ましくは300000以下、さらに好ましくは200000以下、さらにより好ましくは100000以下である。よって、カチオン化ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、パーティクル数低減と研磨組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは5000〜500000、より好ましくは20000〜300000、さらに好ましくは50000〜200000、さらにより好ましくは80000〜100000である。ここで重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、実施例に記載の測定条件で、プルランを標準として求めることができる。
本発明の研磨液組成物におけるカチオン化ポリビニルアルコールの含有量は、パーティクル数低減の観点から、0.0001重量%(1重量ppm)以上が好ましく、0.0010重量%(10重量ppm)以上がより好ましく、0.0025重量%(25重量ppm)以上がさらに好ましく、0.0040重量%(40重量ppm)以上がさらにより好ましい。また、パーティクル数低減、及びHaze値低減の観点から、0.0300重量%(300重量ppm)以下が好ましく、0.0200重量%(200重量ppm)以下がより好ましく、0.0150重量%(150重量ppm)以下がさらに好ましく、0.0125重量%(125重量ppm)以下がさらにより好ましく、0.0080重量%(80重量ppm)以下がさらにより好ましい。よって、カチオン化ポリビニルアルコールの含有量は、パーティクル数低減とHaze値低減の観点から、0.0001〜0.0300重量%(1〜300重量ppm)が好ましく、0.0010〜0.0200重量%(10〜200重量ppm)がより好ましく、0.0025〜0.0150重量%(25〜150重量ppm)がさらに好ましく、0.0040〜0.0125重量%(40〜125重量ppm)がさらにより好ましく、0.0040〜0.0080重量%(40〜80重量ppm)がさらにより好ましい。
本発明の研磨液組成物には、本発明の効果が妨げられない範囲で、さらに、水溶性高分子化合物(成分F)、pH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び酸化剤から選ばれる少なくとも1種の任意成分が含まれていてもよいが、パーティクル数低減とHaze値低減の観点から、本発明の研磨液組成物に含まれる全界面活性剤のうちの、アルキルポリグリコシド(成分D)の含有量は、80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは実質的に100重量%、さらに好ましくは100重量%である。尚、上記水溶性高分子化合物(成分F)は、ポリビニルアルコール、成分E以外のポリビニルアルコール誘導体、及びヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物である。
[水溶性高分子化合物(成分F)]
本発明の研磨液組成物は、パーティクル数低減の観点から、ポリビニルアルコール、成分E以外のポリビニルアルコール誘導体、及びヒドロキシエチルセルロースからなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物(成分F)を含有していると好ましい。これらの水溶性高分子化合物は任意の割合で2種以上を混合して用いてもよい。成分E以外のポリビニルアルコール誘導体としては、イタコン酸変性ポリビニルアルコール、マレイン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、アルキル変性ポリビニルアルコール、エーテル変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
ポリビニルアルコール及び成分E以外のポリビニルアルコール誘導体の重量平均分子量は、パーティクル数低減の観点から、好ましくは5000以上、より好ましくは20000以上、さらに好ましくは50000以上、さらにより好ましくは80000以上である。ポリビニルアルコール及び成分E以外のポリビニルアルコール誘導体の重量平均分子量は、研磨組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは500000以下、より好ましくは300000以下、さらに好ましくは250000以下、さらにより好ましくは200000以下、さらにより好ましくは100000以下である。よって、ポリビニルアルコール及び成分E以外のポリビニルアルコール誘導体の重量平均分子量は、パーティクル数低減と研磨組成物の保存安定性向上の観点から、好ましくは5000〜500000、より好ましくは20000〜300000、さらに好ましくは50000〜250000、さらにより好ましくは80000〜200000、さらにより好ましくは80000〜100000である。尚、ポリビニルアルコール及び成分E以外のポリビニルアルコール誘導体の重量平均分子量の測定方法は、標準物質がポリエチレングリコールであること以外は、下記のカチオン化ポリビニルアルコールの重量平均分子量の測定方法と同じである。
ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量(ポリエチレングリコール換算)としては、パーティクル数低減とHaze値低減の観点から、200000〜4000000が好ましく、400000〜2000000がより好ましく、600000〜1000000がさらに好ましい。尚、ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量の測定方法は、標準物質がポリエチレングリコールであること以外は、下記のカチオン化ポリビニルアルコールの重量平均分子量の測定方法と同じである。
本実施形態の研磨液組成物における水溶性高分子化合物(成分F)の含有量は、パーティクル数低減とHaze値低減の観点から、好ましくは0.0001重量%(1重量ppm)以上、より好ましくは0.0010重量%(10重量ppm)以上、さらに好ましくは0.0050重量%(50重量ppm)以上であり、さらにより好ましくは0.0080重量%(80重量ppm)以上である。また、水溶性高分子化合物(成分F)の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは5.0000重量%(50000重量ppm)以下、より好ましくは1.0000重量%(10000重量ppm)以下、さらに好ましくは0.1000重量%(1000重量ppm)以下、さらにより好ましくは0.0300重量%(300重量ppm)以下であり、さらにより好ましくは0.0150重量%(150重量ppm)以下である。よって、水溶性高分子化合物(成分F)の含有量は、パーティクル数低減、Haze値低減、及び、研磨速度の向上の観点から、好ましくは0.0001〜5.0000重量%(1〜50000重量ppm)、より好ましくは0.0010〜1.0000重量%(10〜10000重量ppm)、さらに好ましくは0.0050〜0.1000重量%(50〜1000重量ppm)、さらにより好ましくは0.0080〜0.0300重量%(80〜300重量ppm)である。
本発明の研磨液組成物の25℃におけるpHは、パーティクル数低減とHaze値低減の観点から、8以上であり、9以上が好ましく、9.5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。また、上記pHは、Haze値低減の観点から、12以下であり、11以下が好ましく、10.8以下がより好ましく、10.5以下がさらに好ましい。よって、上記pHは、パーティクル数低減とHaze値低減の観点から、8〜12であり、9〜11が好ましく、9.5〜10.8がより好ましく、10〜10.5がさらに好ましい。pHの調整は、水溶性アルカリ化合物(成分C)と公知の酸性化合物を適宜添加して行うことができる。酸性化合物としては、硫酸、塩酸、硝酸又はリン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸又は安息香酸等の有機酸等が挙げられる。ここで、25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
次に、本実施形態の研磨液組成物の製造方法の一例について説明する。
本実施形態の研磨液組成物の製造方法の一例は、何ら制限されず、例えば、研磨材(成分A)と、水系媒体(成分B)と、水溶性アルカリ化合物(成分C)と、アルキルポリグリコシド(成分D)と、カチオン化ポリビニルアルコール(成分E)と、必要に応じて任意成分とを混合することによって調製できる。
これらの各成分の混合順序については特に制限はなく、全ての成分を同時に混合してもよいが、研磨材(成分A)の凝集等を十分に防止する観点から、カチオン化ポリビニルアルコール(成分E)及び水溶性アルカリ化合物(成分C)を溶解した水系媒体に研磨材(成分A)を分散させると好ましい。研磨液組成物に、任意成分として水溶性高分子化合物(成分F)が含まれる場合は、カチオン化ポリビニルアルコール(成分E)、水溶性アルカリ化合物(成分C)及び水溶性高分子化合物(成分F)を溶解した水系媒体に研磨材(成分A)を分散させると好ましい。
研磨材の水系媒体への分散は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。研磨材が凝集等してできた粗大粒子が水系媒体中に含まれる場合、遠心分離やフィルターを用いたろ過等により、当該粗大粒子を除去すると好ましい。
本発明の研磨液組成物は、高濃度の前駆組成物を調整し、それを水系媒体(成分B)で希釈することにより得てもよい。具体的には、前記前駆組成物における水系媒体以外の成分の総量の濃度は、生産性、物流容易性、及び前駆組成物の保存安定性の観点から、前駆組成物中、5〜20重量%が好ましく、8〜20重量%がより好ましく、8〜15重量%がさらに好ましい。
本発明の研磨液組成物は、例えば、半導体基板の製造過程における、シリコンウエハ(被研磨ウエハ)の研磨工程に用いられる。
シリコンウエハの研磨工程には、シリコン単結晶インゴットを薄円板状にスライスすることにより得られたシリコンウエハを平面化するラッピング工程と、ラッピングされたシリコンウエハをエッチングした後、シリコンウエハ表面を鏡面化する粗研磨及び仕上げ研磨工程とがある。本発明の研磨液組成物は、上記仕上げ研磨工程で用いられるとより好ましい。
<研磨材の平均一次粒子径の測定法>
研磨材の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
研磨材の比表面積は、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の研磨材を硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の研磨材をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過する。
(e)フィルター上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルターをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(砥粒)をフィルター屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
<研磨材の平均二次粒子径の測定法>
研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.5重量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水溶液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて測定した。
<カチオン化ポリビニルアルコールの重量平均分子量の測定法>
カチオン化ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づいて算出した。
カラム:α−M+α−M
溶離液:0.15mol/L Na2SO4,1%CH3COOH/水
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器:RI検出器
標準物質:プルラン(分子量;78.8万,19.4万,4.73万,5900 全てShodex社製)
(1)研磨液組成物の調製
研磨材(コロイダルシリカ)、イオン交換水、29%アンモニア水(関東化学(株)電子工業用)、ウエハ吸着剤、及びカチオン化ポリビニルアルコールを攪拌混合して、実施例1〜10、比較例1〜9の研磨液組成物を得た。研磨液組成物の調製に用いたシリカ粒子(コロイダルシリカ)の、平均一次粒子径は、35nm、平均二次粒子径は、65nm、会合度は、2.1である。各研磨液組成物中、研磨材の含有量は0.2500重量%(2500重量ppm)、アンモニアの含有量は0.0100重量%(100重量ppm)である。ウエハ吸着剤の含有量、ウエハ吸着剤と研磨材の重量%比(ウエハ吸着剤の重量%/研磨材の重量%)、カチオン化ポリビニルアルコールの含有量、研磨液組成物のpH(25℃)は表1に記載の通りである。ウエハ吸着剤及びカチオン化ポリビニルアルコールの詳細は、各々表2及び表3に示した。
尚、カチオン化ポリビニルアルコールA〜Cは、構成単位(e3)の供給源である単量体化合物と構成単位(e4)の供給源である単量体化合物とを共重合し、得られた共重合体を部分的にケン化することで得た。
表3中のカチオン化ポリビニルアルコールA〜Cにおいて、各高分子化合物の全構成単位中の、構成単位(e2)、構成単位(e3)及び構成単位(e4)のモル濃度は100モル%である。カチオン化ポリビニルアルコールA〜Cの構造を下記に示す。
Figure 0005798450
2はCH3であり、構成単位(e3)の供給源である単量体化合物は酢酸ビニルである。構成単位(e4)は、上記一般式(4−1)で表される化合物に由来するものであり、Z-はCl-、Y1は−CH2−、R3は−H、R4は−H、R5は−Hである。R6はR34C=C(R5)―Y1―、R7は−CH3、R8は−CH3である。
表3に記載の(e4)のモル濃度は下記のカチオン化変性率測定方法により測定した窒素量及び塩素濃度を用いて算出した。
Figure 0005798450
Figure 0005798450
表2中の「9−11」は、マイドール10が、炭素数が9のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が10のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が11のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドとの混合物であることを意味している。「10−14」は、マイドール12が、炭素数が10のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が11のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が12のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が13のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が14のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドとの混合物であることを意味している。「12−16」は、グルコポン600UPが、炭素数が12のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が13のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が14のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が15のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドと、炭素数が16のアルキル基を含むアルキルポリグリコシドとの混合物であることを意味している。
Figure 0005798450
[カチオン化変性率測定方法]
(イ)試料1〜5mgをウルトラミクロ天秤にて精秤し、試料を触媒存在下、アルゴン−酸素気流中で分解してNOに変換した。このNOとオゾンとが反応する際に発する化学発光強度を測定して窒素量を求めた。試料の燃焼・分解は、試料状況を確認しながら手動で行った。この際、不完全燃焼が起きていないことを目視レベルならびに検出強度により確認した。
測定装置 :三菱化学アナリテック社製 TN−10
電気炉設定条件 :INLET 800℃
:OUTLET 900℃
ガス流量 :O2 MAIN 300ml/min
:Ar 1L/min
:O2 0.5L/min
検量線調整法 :アニリンをトルエンに溶解した溶液を検量線試料とした。
(ロ)一方で、試料100mgを酸素気流中で燃焼し、発生ガスを3%過酸化水素水に吸収させた。吸収液中の塩化物イオンをイオンクロマトグラフ法により測定して塩素濃度を求めた。
燃焼装置 :吉田科学器械社製 QS-AB2
燃焼温度 :PREH 400℃
:HIH 1000℃
燃焼ガス流量 :2.5L/min(Ar)
測定装置 :Dionex社製 ICS-2000
分離カラム :IonPack AS418
ガードカラム :IonPack AG18
溶離液 :30mM KOH
検出器 :電気伝導度検出器
(ハ)カチオン化ポリビニルアルコールA〜Cには、NとClがモル比1:1の割合で含まれており、且つ、(e4)の供給源には、N原子とCl原子が各々一つずつ含まれているので、窒素量及び塩素濃度のそれぞれからカチオン基の含有量(mol%)を計算し、その平均値を(e4)の構成単位量(mol%)とした。
(2)研磨方法
得られた研磨液組成物を用いて、下記シリコンウエハに対して下記の研磨条件で粗研磨と仕上げ研磨を行った。
<シリコンウエハ>
直径200mmのシリコン片面鏡面ウエハ(伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率1Ω以上100Ω未満)を被研磨ウエハとして使用した。
<研磨条件>
[粗研磨]
研磨機:TRCP541(テクノライズ株式会社製)
研磨荷重:250g/cm2
研磨液流量:200ml/min
定盤回転数:60rpm
ヘッド回転数:60rpm
研磨時間:7min
研磨パッド表面温度:23度
研磨パッド:SUBA400(ニッタ・ハース(株)製)
[仕上げ研磨]
研磨機:SPP600S(株式会社岡本工作機械製作所製)
研磨荷重:100g/cm2
研磨液流量:200ml/min
定盤回転数:60rpm
ヘッド回転数:100rpm
研磨時間:5min
研磨パッド表面温度:23度
研磨パッド:CIEGAL7355
(3)評価方法
<パーティクル数の測定>
前述の研磨方法に従ってシリコンウエハ(被研磨ウエハ)を粗研磨・仕上げ研磨・洗浄・乾燥した後、ウエハ欠陥装置(SP−1 DLS、ケーエルエー・テンコール社製)を用いて、シリコンウエハ上に残留したパーティクル数(50nm以上)を測定した。
<Haze値の測定>
前述の研磨方法に従ってシリコンウエハを仕上げ研磨・洗浄・乾燥した後、ウエハ欠陥装置(SP−1 DLS、ケーエルエー・テンコール社製)を用いて、Haze値(DWOモード)を各々測定した。
表1に示すように、実施例1〜10の研磨液組成物を用いた場合、比較例1〜9の研磨液組成物を用いた場合よりも、シリコンウエハ表面に残存するパーティクル数、及びHaze値が小さかった。
本発明の研磨液組成物を用いれば、パーティクル数とHaze値の双方を低減できる。よって、本発明の研磨液組成物は、様々な半導体基板の製造過程で用いられる研磨液組成物として有用であり、なかでも、シリコンウエハの仕上げ研磨用の研磨液組成物として有用である。

Claims (6)

  1. シリカ粒子(成分A)と、水系媒体(成分B)と、水溶性アルカリ化合物(成分C)と、下記一般式(1)で表されるアルキルポリグリコシド(成分D)と、カチオン化ポリビニルアルコール(成分E)とを含み、
    前記成分Eは、下記一般式(2)で表される構成単位(e2)、下記一般式(3)で表される構成単位(e3)、及び下記一般式(4)で表される構成単位(e4)を含み、構成単位(e4)のモル濃度が成分Eの全構成単位中0.001〜1.5モル%であり、
    前記成分Dの含有量が0.0015重量%以下であり、
    前記成分Dと前記成分Aの重量%の比(成分Dの重量%/成分Aの重量%)が、0.0001〜0.008であり、
    25℃におけるpHが8〜12である、シリコンウエハ用研磨液組成物。
    1−Gy ・・・(1)
    ただし、式(1)中、R1は、炭素数8〜18のアルキル基であり、飽和であっても不飽和であってもよく、且つ、直鎖であっても分岐鎖であってもよく、Gyは糖鎖であり、Gは糖骨格、yは縮合度であり、縮合度yが1〜5である。前記成分Dは、一般式(1)で表される複数種のアルキルポリグリコシドのうちから選ばれる1種のアルキルポリグリコシドであってもよいし、2種以上のアルキルポリグリコシドを含む混合物であってよい。
    Figure 0005798450
    ただし、式(3)中、R2は炭素数1〜3のアルキル基であり、式(4)中、Xは分子中にカチオン基を有し且つビニルアルコール低級脂肪酸エステルと共重合可能な不飽和化合物に由来する構成単位である。
  2. シリカ粒子(成分A)の含有量が0.05〜0.5重量%である、請求項1に記載のシリコンウエハ用研磨液組成物。
  3. カチオン化ポリビニルアルコール(成分E)の含有量が0.0001〜0.03重量%である、請求項1又は2に記載のシリコンウエハ用研磨液組成物。
  4. 前記水溶性アルカリ化合物(成分C)が、水溶性アミン化合物である請求項1〜3のいずれかの項に記載のシリコンウエハ用研磨液組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかの項に記載のシリコンウエハ用研磨液組成物を用いてシリコンウエハを研磨する工程を含む、シリコンウエハの研磨方法。
  6. 請求項1〜4いずれかの項に記載のシリコンウエハ用研磨液組成物を用いてシリコンウエハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
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