JP5794129B2 - 通信システム、中継通信装置、電磁誘導通信装置、情報記憶媒体、中継通信装置及び電磁誘導通信装置の組み合わせ、通信システムを用いた通信方法 - Google Patents
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Description
非接触ICカード用いた通信方式としては、通信周波数帯域に応じて、電磁結合方式、静電結合方式、電磁誘導方式、電波方式が用いられており、カード形態の非接触IC通信システムでは、電磁誘導方式が主流となっている。
しかし、電磁誘導方式の通信システムは、ICカードのアンテナコイルをエッチング等により形成するため高コストであった。
第3の発明は、第2の発明の中継通信装置において、前記一対の導電部材(532A,532B,632A,632B,732A,732B)は、導電性を有し、前記搬送方向に回転駆動される導電ベルトであること、を特徴とする中継通信装置である。
第4の発明は、第3の発明の中継通信装置において、前記一対の導電部材(532A,532B,632A,632B)は、前記搬送装置(560,660)の少なくとも一部を兼用すること、を特徴とする中継通信装置である。
第5の発明は、第2から第4までのいずれかの発明の中継通信装置において、前記中継ループアンテナ(631,731)と前記搬送方向に沿って配置された前記一対の導電部材(632A,632B,732A,732B)との組み合わせを複数有し、前記各組み合わせが、それぞれ異なる前記情報記憶媒体(640,740)との間で通信すること、を特徴とする中継通信装置である。
第6の発明は、第2から第5までのいずれかの発明の中継通信装置において、利用者が前記情報記憶媒体を挿入する挿入口(534)と、前記挿入口に挿入された前記情報記憶媒体(40,540,640,740)を、前記一対の導電プレートが並べられた方向が、搬送方向とは直交する方向に整列する整列装置(534c,535c)とを備えること、を特徴とする中継通信装置である。
第7の発明は、第2から第6までのいずれかの発明の中継通信装置において、前記情報記憶媒体(40,540,640,740)は、長方形であり、前記各導電プレート(42A,42B,542A,542B,642A,642B,742A,742B)は、長方形であり、前記情報記憶媒体の長辺方向と、前記各導電プレートの長辺方向とは、一致しており、前記一対の導電プレートは、前記情報記憶媒体の長辺方向に並べて配置され、前記搬送装置(560,660,760)は、前記情報記憶媒体の搬送方向と前記情報記憶媒体の長辺とが、直交するように前記情報記憶媒体を搬送すること、を特徴とする中継通信装置である。
第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明の中継通信装置において、前記搬送装置(560,660,760)の情報記憶媒体の搬送範囲内に、通信処理の結果を判定する領域である通信結果判定範囲(C)を有し、前記電磁誘導通信装置(20,520,620,720)又はこの中継通信装置(30,530,630,730)は、通信処理の結果を報知する報知部(523,524)と、前記情報記憶媒体が前記通信結果判定範囲まで搬送された場合に、通信処理の結果を判定する通信結果判定制御部(27,727)とを備え、前記通信結果判定制御部は、通信処理の結果が異常と判定した場合には、前記報知部を制御して異常発生を報知し、通信処理中の場合には、通信処理が完了するまで通信処理を継続し、その結果が異常と判定した場合には、前記報知部を制御して異常発生を報知すること、を特徴とする中継通信装置である。
(1)本発明は、情報記憶媒体にループアンテナを形成する必要がなく、動伝プレートを設ければ良いため、従来のエッチング等のアンテナ形成工程が不要となり、低コストで情報記憶媒体を製造できる。
(2)本発明は、一対の導電部材の組み合わせが、それぞれ異なる情報記憶媒体との間で通信するので、複数の情報記憶媒体との間で同時に通信できるため、例えばゲートアクセス処理時間、検査処理時間、発行処理時間等を、さらに短縮できる。
(3)本発明は、個片化する前の複数の情報記憶媒体が基材によってつながった状態で搬送方向に搬送しながら、各情報記憶媒体との間で独立して通信できる。
(4)本発明は、搬送している複数の組み合わせの情報記憶媒体の各一対の導電プレートと、導電部材移動工程で移動する複数の組み合わせの一対の導電部材との間を、静電結合して通信するので、上記(3)と同様な効果を奏することができる。
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、カード表面及びの導電部材表面の法線方向を鉛直方向Zとし、鉛直方向Zから見た図を適宜平面図といい、平面図の形状を適宜平面形状という。
また、搬送装置の座標系は、ICカードを搬送する方向を搬送方向Yとし、平面図において搬送方向Yに直交する方向を左右方向Xとする。また、ICカードの座標系は、製造時において、複数のICカードが配列される方向(媒体配列方向)を縦方向Bとし、平面図において縦方向Bに直交する方向を横方向Aとする。
最初に、第1実施形態の通信システム10の基本構成について説明する。
図1は、第1実施形態の通信システム10の基本構成を説明する図である。
図1(a)は、電磁誘導通信装置20、リーダライタ21、中継通信装置30、ICカード40の通信方法を説明する斜視図である。
図1(b)は、通信システム10の基本構成を説明する概念図である。
電磁誘導通信装置20は、本来は、電磁誘導方式のループアンテナを備えるICカードとの間で、情報を直接送受信可能な装置であるが、実施形態では、中継通信装置30を介して、静電結合方式の導電プレート42A,42B(後述する)を備えるICカード40との間で情報を送受信する。
電磁誘導通信装置20は、リーダライタ21、記憶部26、制御部27を備える。
リーダライタ21は、R/Wループアンテナ21a(通信装置側ループアンテナ)を備える。
R/Wループアンテナ21aは、例えば、3回巻き程度のループアンテナであり、大きさが40mm×40mm程度である。R/Wループアンテナ21aは、例えばエッチング等の手法により、プリント配線基板上に銅パターンを配線して形成される。R/Wループアンテナ21aの両端の端子は、制御部27に接続される。
制御部27は、電磁誘導通信装置20を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU等から構成される。制御部27は、記憶部26に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
中継ループアンテナ31は、R/Wループアンテナ21aとの間で電磁誘導方式により通信(結合)するアンテナである。中継ループアンテナ31は、例えば、3回巻き程度のループアンテナであり、大きさが40mm×40mm程度である。中継ループアンテナ31は、例えば、エッチング等の手法により、プリント配線基板上に銅パターンを配線して形成される。
後述する実施形態のように、導電部材32A,32Bは、ベルト61に貼り付けられており、ICカード40と同期して搬送方向Yの下流側Y2(カード搬送方向)に沿って移動する。導電部材32A,32Bは、移動中に、ICカード40の一対の導電プレート42A,42B(後述する)にほぼ密着し(例えば、導電部材32A,32Bの上面と、導電プレート42A,42Bの下面との距離が2mm程度)、かつ、この導電プレート42A,42Bにそれぞれ対向配置されることにより、導電プレート42A,42Bと静電結合する。
ICカード40は、ICチップ41、一対の導電プレート42A,42B、下層43、上層44を備える。
ICチップ41は、電磁誘導方式で通信可能な集積回路であり、従来の電磁誘導方式のICカードに内蔵されているものと、同種のものである。ICチップ41は、ICカード40の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する記憶部と、この記憶部に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することによりICカード40を統括的に制御する制御部とを備える。
ICチップ41の入出力部(リードフレーム等)は、導電プレート42A,42Bに対して、異方性導電性ペースト、異方性導電性フィルム、導電性接着剤等の接続部材46によって、それぞれ電気的及び機械的に接続されている。なお、ICチップ41が電磁誘導方式のものであるため、この入出力部は、本来、ループアンテナに接続されるものである。
上層44は、絶縁性材料(PET、PET−G、PVC、ポリイミド、紙等)により形成されている。上層44は、例えば厚さ200μm程度である。上層44は、ICチップ41、導電プレート42A,42Bを覆うように、接着材45(液状、フィルム状の接着剤や、粘着剤等)によって下層43に貼り付けられている。
次に、第1実施形態の通信システム10の基本的な通信方法について説明する。
(リーダライタ21及び中継通信装置30間の接続)
R/Wループアンテナ21a及び中継ループアンテナ31の間は、電磁誘導方式により非接触で接続され、情報の送受信をすることができる。電磁誘導方式を用いたICカード40の通信方式は、ISO/IEC14443,15693,18092にて規格化されており、13.56MHzの信号周波数が用いられる。
なお、R/Wループアンテナ21a及び中継ループアンテナ31の巻数は、3巻程度である例を説明したが、これに限定されない。両者の間が電磁誘導方式により非接触で接続される巻数であればよく、巻数は、例えば1巻以上であればよい。
導電部材32A,32B及び導電プレート42A,42Bは、コンデンサプレートとして機能して、両者の間が静電結合方式により非接触で接続され、情報の送受信をすることができる。
次に、第1実施形態のICカード40の製造方法について説明する。
図2は、第1実施形態のICカード40の製造方法を説明する平面図である。
導電プレート42A,42Bの配列方向は、横方向A(媒体配列方向に直交する方向)である。
(1)原板配置工程
下層43上に、導電性を有する長方形の原板50を積層し貼り付ける。原板50は、導電プレート42A,42Bへと加工される板材である。原板50は、横方向Aの長さが下層43よりも短く、平面形状が縦方向Bに細長い。
原板切削工程は、原板50の一部の除去領域を切削によって除去して、ICカード40の導電プレート42A,42Bを離間させ、また、隣合うICカード40間の導電プレート42A,42Bを離間させる工程である。これによって、下層43上に、電気的に独立した導電プレート42A,42Bの複数の組み合わせを形成できる。
なお、実施形態では、一対の導電プレートの複数の組み合わせが形成され、個片化され複数のICカードになる前の状態であり、配列方向に隣合う導電プレートの組み合わせが下層等(基材)によって接続された状態であっても、適宜ICカードという。
原板切削工程は、縦方向切削工程(媒体配列方向除去工程)、横方向切削工程(直交方向除去工程)を有する。
図2(b)に示すように、縦方向Bに沿った除去領域を、フライス等の切削加工によって除去する。これにより、原板50が2枚の原板50A,50Bに分断され、縦方向Bに細長いスリット50aが形成される。
切削方法は、切削刃を縦方向Bに沿って走査したり、切削刃を固定した状態で、下層43を縦方向Bに移動するといった工法によって行う。
スリット50aの幅は、ICカード40のスリット40aのL2の長さに等しく、0.5mm程度である。
図2(b−2)の断面図に示すように、切削深さL3は、スリット50aの削除残を防止するために、下層43表面よりも深くする。
なお、切削加工は、円形刃等による切削加工、三角刀、丸刀、平丸刀等による切削加工、金型を用いたハーフカット加工等を用いてよい。
図2(c)に示すように、隣り合うICカード40の間、つまり一対の導電プレート42A,42Bの組み合わせの間の除去領域を、切削によって除去する。切削方法は、縦方向切削工程と同様であり、走査間隔L4毎に複数回、横方向Aに走査すればよい。
縦方向Bにおける走査間隔L4は、ICカード40の短辺の長さに等しい。横方向切削工程の走査幅L5は、2mm程度であり、縦方向切削工程の走査幅L2よりも大きい。横方向切削工程の走査幅L5を大きくする理由は、後述する個片工程における、加工誤差を十分に勘案して、カード端面(切断面)から導電プレート42A,42Bが露出しないようにするためである。
さらに、導電プレート42A,42Bは、下層43に積層後に切削して形成するのではなく、予め個片化して下層43上に配置してもよい。この場合には、導電プレート42A,42Bは、下層43上に積層した状態で図2(c)の状態となり、工程を簡略できる。
図2(d)に示すように、導電プレート42A,42Bの各組み合わせに対して、スリット40aを跨ぐように、それぞれICチップ41を配置する。
ICチップ41には、アンテナ接続用端子に金めっき等のバンプ加工を予め施しておく。そして、アンテナ接続用端子と導電プレート42A,42Bとを、向かい合うように配置して、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、絶縁性ペースト等を介して接続する。
なお、下層43のICチップ41搭載面には、ICチップ41の搭載位置の目印を、印刷等により設けておいてもよい。ICチップ41の搭載時の作業を、容易、かつ、均一にするためである。
図2(d)に示すように、上層44を積層する(図1(b)参照)。
上層配置工程では、上層44を、下層43、ICチップ41、導電プレート42A,42Bの上側Z2に、接着材45(図1参照)で貼り付ける。上層44を積層することにより、ICチップ41をカバーして補強でき、また、上層44表面には、印刷等を施すことができる。
図2(e)に示すように、下層43及び上層44のうち、隣合うICカード40間の中心(複数の組み合わせ間の中心)を切断線40bとして、打ち抜き加工によりICカード40を個片にする。
なお、上記除去工程において、隣合う組み合わせ間の導電プレート42A,42Bの距離を広くしている。このため、個片工程において、下層43を切断する際の切断精度マージンを広げることができ、作業性を向上できる。
なお、下層43及び上層44のうち少なくとも1つに、切断位置を示す印刷等を設けておけば、切断作業が容易になる。
また、個片工程は、打ち抜き加工に限定されるものではなく、断裁加工を行ってもよい。
(1)R/Wループアンテナ21aと中継ループアンテナ31とが電磁誘導することにより信号が伝達し、中継通信装置30の導電部材32A,32BとICカード40の導電プレート42A,42Bとを向かい合わせ、静電結合させることにより信号を伝達できる。
これにより、ICカード40は、ループアンテナが必要なく、導電プレート42A,42Bを設ければよいので、従来の複雑なエッチング等のアンテナ形成工程が不要となり、小型かつ低コストで製造できる。このため、ICカード40の発行枚数が多くなる程、コスト面で有利になり、低コストでシステムを構築できる。
また、新たなシステムを導入する場合であっても、電磁誘導方式のICカードに用いられるICチップを流用でき、かつ、既存の非接触IC用のリーダライタを流用できる。これにより、静電結合用の特殊なICチップと、電磁誘導通信装置とを新たに開発する必要なく、システムを構築できる。
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態は、ICカード240の製造方法を第1実施形態から変更したものである。
ICカード240の製造方法は、以下の手順に従う。
(原板配置工程)
図3(b)に示すように、下層243上に一対の原板250A,250Bを配置する。
各原板250A,250Bの横方向Aの長さL6は、各導電プレート242A,242Bの横方向Aの辺の長さL6に等しい。
この一対の原板250A,250Bを、スリット250a(幅L2)を有するように、横方向Aに並べて下層243上に積層する。
図3(c)に示すように、原板切削工程は、横方向切削工程のみを有し、原板250A,250Bの横方向Aに沿った除去領域を、切削によって除去する。
このように、本実施形態の製造方法は、原板250A,250Bを予めスリット250aを有するように下層243に配置するので、スリット240aを形成するための切削工程が不要であるため、工程の短縮化を図ることができる。
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。
第3実施形態は、ICカード340の製造方法を第1実施形態から変更したものである。
図4は、第3実施形態のICカード340の製造方法を説明する平面図である。なお、図4のうち図2に対応する図面には、括弧内に同一の符号を付す。
図4に示すように、ICカード340の配列方向と、導電プレート342A,342Bの配列方向とは、ともに縦方向Bである。
(原板配置工程)
図4(b)に示すように、下層343上に原板350を配置する。
原板350の横方向Aの長さは、導電プレート342A,342Bの横方向Aの辺の長さに等しい。
原板切削工程は、スリット切削工程(一対のプレート間除去工程)、カード間切削工程(組み合わせ間除去工程)を有する。
スリット切削工程は、一対の導電プレート342A,342B間の除去領域を、横方向Aに沿って切削によって除去して、スリット340aを形成する。
カード間切削工程は、隣り合うICカード340の間の除去領域340cを、横方向Aに沿って切削によって除去する。
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、下層443及び原板450A,450Bの積層装置460の例である。
図5は、第4実施形態の積層工程に利用する積層装置460の斜視図である。
本実施形態は、第2実施形態の製造方法と同様な原板450A,450Bを下層443に積層する例を説明する。
積層装置460は、下層送りロール部461、原板送りロール部462、ニップローラ部463,464、巻取りロール部465を備える。
原板送りロール部462、ロール状にした原板450A,450Bを送り出す部分である。
ニップローラ部463は、下層送りロール部461から送り出された下層443と、原板送りロール部462から送り出された原板450A,450Bとを、上ローラ463a及び下ローラ464b間に挟んで圧接して積層する。
ニップローラ部464は、ニップローラ部463よりも下流側に配置されたニップローラである。ニップローラ部464は、上ローラ464a及び下ローラ464b間で、下層443と原板450A,450Bとを、さらに圧接して、これらを確実に貼り合わせる。
巻取りロール部465は、駆動装置(図示せず)によって回転駆動されることによって、積層された下層443と原板450A,450Bとを巻き取るローラである。
次に、本発明を適用した第5実施形態について説明する。
第5実施形態は、電磁誘導改札機520、中継通信装置530、ICカード540を用いた通信システムである。
図6は、第5実施形態の改札システム501のブロック図である。
図7は、第5実施形態の通信システム510の斜視図である。
改札システム501は、鉄道等の入退場ゲートに用いられるシステムである。改札システム501は、サーバ502及び複数の電磁誘導改札機503が接続された従来のシステムに、通信システム510がサーバ502に接続されて構成される。改札システム501で用いられる切符、定期券等は、ICチップが内蔵されたICカード504,540(情報記憶媒体)である。
サーバ記憶部502aは、サーバ502の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
サーバ記憶部502aは、例えば、ICカード504,540の情報(乗車区間、期限、利用者の氏名等)を記憶する。サーバ記憶部502aの情報は、券売機等でICカード504,540が再発行される場合等に適宜参照される。
サーバ制御部502bは、サーバ502を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU等から構成される。サーバ制御部502bは、サーバ記憶部502aに記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行する。
電磁誘導改札機503は、従来の電磁誘導方式の改札機であり、電磁誘導方式の従来のICカード504との間で、情報の送受信をすることができる。
なお、改札システム501は、電磁誘導改札機503を利用せずに、複数の通信システム510のみから構成してもよい。また通信システム510は、従来の電磁誘導改札機520及び通信システム510を組み合わせた装置ではなく、新たに専用に設けた一体型の装置でもよい。
改札記憶部526は、電磁誘導改札機520の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。
改札制御部527は、電磁誘導改札機520を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU等から構成される。改札制御部527は、改札記憶部526に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
なお、電磁誘導改札機520は、電磁誘導改札機503と同様な構成であるので、改札記憶部526、改札制御部527は、電磁誘導改札機503に設けられている記憶部、制御部(図示せず)と、基本構成が同様である。
中継記憶部536は、中継通信装置530の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。
中継制御部537は、中継通信装置530を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU等から構成される。中継制御部537は、中継記憶部536に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
中継制御部537は、電磁誘導改札機520に電気的に接続されており、電磁誘導改札機520及びICカード540間での通信の結果、判定及び状況を確認できる。
ICチップ記憶部541aは、ICカード540の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するための記憶回路である。ICチップ記憶部541aは、例えば、乗車区間、使用期間、利用者の氏名等の情報を、書き換え可能に記憶する。
ICチップ制御部541bは、ICカード540を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU等から構成される。ICチップ制御部541bは、ICチップ記憶部541aに記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、本発明に係る各種機能を実現している。
アナログ回路部541cは、整流回路、変調回路、復調回路、CLK抽出回路等により構成されている。アナログ回路部541cは、ICチップ入出力端子を介して入力された信号に対して、AD変換、クロック生成等を行い、ICチップ制御部541bへの電圧供給、クロック供給、データ入出力等を行う。
通信システム510は、鉄道の各駅に配置される装置である。通信システム510は、利用者が所持するICカード540の情報を読み取り、乗車区間、使用期間等の認証を行い、通過扉522の開閉等を行う。
通信システム510の基本構成は、第1実施形態の通信システム10と同様であり、電磁誘導改札機520と、中継通信装置530とを備える。図7では、通信システム510の手前側から奥側に向かって歩行するようになっている。実施形態では、利用者の入場、出場に関わらず、手前側を入口510a、奥側を出口510bとして説明する。
図6、図7に示すように、電磁誘導改札機520は、リーダライタ521、通過扉522、モニタ523、音声出力部524を備える。
リーダライタ521は、R/Wループアンテナ521a(電磁誘導通信装置側ループアンテナ)を備える。
モニタ523及び音声出力部524は、通信処理の結果を報知する報知部である。
モニタ523は、液晶表示装置等の表示装置である。モニタ523は、電磁誘導改札機520のケース表面のうち搬送方向Yの下流側Y2の範囲に配置されている。モニタ523は、例えば文字等を出力して、残高、通信異常等を報知する。なお、利用者がモニタ523を目視できるように、中継通信装置530は、モニタ523が露出するように、電磁誘導改札機520上に載置されている。
音声出力部524は、音声出力するスピーカである。音声出力部524は、例えば、警告音、音声ガイド等を出力して、通信異常等を報知する。
中継通信装置530は、中継ループアンテナ531、一対の導電部材532A,532B、挿入口534、排出口535、搬送装置560を備える。
なお、後述するように、導電部材532A,532B上の移動範囲のうち下流側Y2の範囲は、通信結果を判定するために、搬送装置560が搬送しているICカード540を停止する停止範囲A1(通信結果判定範囲)である(図8参照)。
挿入カード送り装置534aは、ローラ及びこれを回転するモータ等を備え、挿入されたICカード540を搬送装置560に導く装置である。
挿入口開閉扉534bは、挿入口534を開閉する扉及びこれを開閉駆動するモータ等を備える装置である。
排出カード送り装置535aは、ローラ及びこれを回転するモータ等を備え、搬送装置560によって搬送されたICカード540を、排出口535に導く装置である。
搬送装置560は、ICカード540を導電部材532A,532B上を搬送方向Yに搬送する装置である。搬送装置560の詳細は、後述する。
次に、搬送装置560近傍の構成について説明する。
図8は、第5実施形態の中継通信装置530の内部構成を説明する図である。
図8(a)は、搬送装置560の平面図(図8(b)のa−a部矢視断面図)である。
図8(b)は、搬送装置560の側面図である。
図8(c)は、搬送装置560近傍の斜視図である。
中継通信装置530は、搬送装置560、ロータリコネクタ570(570a,570b)を備える。
搬送装置560は、下ベルト561、下ベルト駆動ローラ562(562a,562b)、上ベルト563、上ベルト駆動ローラ564(564a,564b)を備える。
下ベルト561は、下ベルト駆動ローラ562に巻き掛けられた平ベルトである。下ベルト561は、絶縁材により形成されている。
下ベルト駆動ローラ562a,562bは、下ベルト561を回転する2つのローラである。下ベルト駆動ローラ562a,562bのうち一方には、モータが設けられており、巻き掛けられた下ベルト561の上側部分を、搬送方向Yに回転移動するように、下ベルト561を回転する。
ロータリコネクタ570は、中継ループアンテナ531からの配線531a,531bと、導電部材532A,532Bからの配線532a,532bとを中継するコネクタである。ロータリコネクタ570は、一端側及び他端側間が回転可能になっている。これにより、配線531a,531bは、導電部材532A,532Bに追従して回転しても絡まることなく、中継ループアンテナ531からの配線531a,531bとの導通を維持できる。
また、例えば、導電部材532A,532Bに巻き掛けられ、導電部材532A,532Bをそれぞれ駆動する金属性のローラを独立して設けて、中継ループアンテナ531及び導電部材532A,532Bを、このローラを介して接続してもよい。
また、搬送装置560は、ICカード540の導電プレート542A,542Bと、導電部材532A,532Bとが対向配置された状態でICカード540を搬送する。このため、導電部材532A,532Bは、搬送されているICカード540の導電プレート542A,542Bとの間の静電結合を維持できる。
さらに、導電部材532A,532Bは、ICカード540を挟み込んだ状態で、回転駆動されることにより、ICカード540を搬送方向Yに搬送するように、機能している。つまり、導電部材532A,532Bは、搬送装置560の一部としても機能し、搬送装置560の一部を兼用している。このため、中継通信装置530は、構成を簡単にできる。
次に、ICカード540の搬送時のずれにともなう通信安定性について説明する。
図9は、第5実施形態のICカード540の平面図、及びICカード540のずれを説明する平面図である。
図9(a)に示すように、ICカード540の導電プレート542A,542Bは、ICカード540の長手方向に沿って並べて配置されている。
例えば、ICカード540の外形は、長辺×短辺が、57.5mm×25mmの長方形であり、また導電プレート542A,542Bの外形は、長辺×短辺が、25mm×20mmの長方形である。
これにより、ICカード540が左右方向X(搬送方向Yとは直交する方向(長辺方向))にずれても、ICカード540の導電プレート542A,542Bと中継通信装置530の導電部材532A,532Bとが対向する面積の減少率が少なくなるため、位置ずれの許容度を向上でき、通信安定性を向上できる。
図9(c)のICカード140は、導電プレート142A,142Bが、ICカード140の長手方向に細長く、短辺142bの方向に並べて配置されたものである。平面形状において、ICカード540の面積は、ICカード140の面積に等しい。このため、各導電プレートの搬送方向Yの長さは、「L20<L30」である。
例えば、図9(b)、図9(c)に示すように、ICカード540及びICカード140が左右方向Xに長さΔ分ずれた場合を考える。ICカード540の場合は、導電プレート542A,542Bと導電部材532A,532Bとが対向する面積は、「Δ×L20」減少し、一方、ICカード140は、「Δ×L30」減少する。「L20<30」であるため、「Δ×L20<Δ×L30」が成り立つ。
なお、ICカード540、ICカード140が搬送方向Yにずれた場合は、いずれの場合も面積減少はなく、同等の通信安定性を保つことができる。
次に、カード挿入時及び排出時のICカード540の整列機構について説明する。
図10は、第5実施形態の搬送装置560、挿入口534、排出口535を模式的に示す平面図である。
挿入口534、排出口535の内部には、それぞれ、ICカード整列装置534c,535cを備える。
挿入口534のICカード整列装置534cは、長手方向が搬送方向Yになるように、ICカード540が挿入口534に挿入された場合に、ICカード540が挿入カード送り装置534aによって搬送装置560に導かれる途中で、ICカード540をその長手方向(つまり一対の導電プレート542A,542Bが並べられた方向)が左右方向X(搬送方向Yとは直交する方向)になるように、回転させて整列させる装置である。ICカード整列装置534cは、突出したり、引き込んだりする突起534dを備えており、これらを駆動して、ICカード540を整列させる。なお、ICカード整列装置534cの構成は、これに限らず、搬送するカードを回転する他の公知技術を用いることができる。
次に、実施形態の通信システム510の動作について説明する。
図11は、第5実施形態の通信システム510の動作のフローチャートである。
(ICカード挿入処理)
S1において、図6,図7に示すように、利用者が入口510aでICカード540を挿入口534に挿入すると、挿入口534の光学センサ等の検出部(図示せず)は、挿入されたICカード540を検出し、検出情報を中継制御部537に出力する。中継制御部537は、この検出部の出力に応じて、挿入カード送り装置534aを駆動して、挿入されたICカード540を搬送装置560へと導く。
S2において、中継制御部537は、挿入口534の検出部の出力に基づいて、挿入口534から他のICカード540が挿入できないように、挿入口開閉扉534bを閉駆動する。挿入口開閉扉534bを閉駆動する理由は、ICカード540の通信処理中に他のICカード540が挿入されと、リーダライタ521がいずれのICカード540と通信しているのかの判別が困難になり、通信処理の異常発生要因となるためである。
なお、利用者は、入口510aから出口510bに向けて歩行を続ける。
S3において、導電部材532A,532Bの上流の光学センサ等の検出部(図示せず)は、挿入カード送り装置534aによって導かれたICカード540を検出すると、検出情報を中継制御部537に出力する。中継制御部537は、この検出部の出力に基づいて、搬送装置560を駆動してICカード540の搬送を開始する。
(通信処理)
S4において、ICカード540が導電部材532A,532B上を搬送方向Yに搬送される間、R/Wループアンテナ521aが中継ループアンテナ531に電磁誘導方式により接続され、導電部材532A,532BがICカード540の導電プレート542A,542Bに静電結合する。
これにより、改札制御部527は、導電部材532A,532B上を移動しているICカード540のICチップ541との間で情報の送受信を開始する。
S5において、改札制御部527は、通信処理として、ICチップ541の情報を読み出し、書き込みを開始する。改札制御部527は、例えば、ICチップ541の情報を読み出して乗車区間等が適切であるかの認証や、利用者の改札からの出入に関する情報のICチップ541への書き込みを行う。
S6において、ICカード540が、導電部材532A,532B上の下流側Y2の停止範囲C(図8参照)に搬送されると、停止範囲Cに配置された光学センサ等の検出部は、搬送されたICカード540を検出して、検出情報を中継制御部537に出力する。中継制御部537は、この検出部の出力に基づいて、搬送装置560を駆動停止して、停止範囲CにICカード540を滞留させる。
S7において、中継制御部537は、改札制御部527及びICチップ541の間の送受信の監視内容に基づいて、改札制御部527及びICチップ541の間で通信中であるか否かを判定する。中継制御部537は、改札制御部527及びICチップ541の間で通信中であると判定した場合には(S7:YES)、S71に進み、一方、通信が終了したと判定した場合には(S7:NO)、S12に進む。
S71において、中継制御部537は、停止範囲CにICカード540を滞留させた状態を維持し、S7からの処理を繰り返す。これにより、中継制御部537は、通信が終了するまで(S7:NO)、ICカード540を停止範囲Cに滞留する。
これにより、中継制御部537は、通信処理時間と搬送スピードとを合わせる必要がなくなるので、搬送装置560の制御を容易にできる。
また、改札システム501は、通信処理遅延にともなう異常発生を低減できる。その理由は、以下の通りである。
例えば、「搬送に要する時間>通信に要する時間(リトライなし)」となるように搬送スピードを設定したとしても、通信異常が発生し、リトライ処理が行われた場合、「搬送に要する時間<通信処理に要する時間(リトライ処理含む)」となり、搬送完了時に通信処理が完了せずに、通信異常と判定されてしまうおそれがある。これに対して、改札システム501は、中継制御部537が、通信が終了するまで、停止範囲CにICカード540を滞留させた状態を維持するので、リトライ等による通信処理遅延にともなう異常発生を低減できる。
改札制御部527は、通信処理の結果が正常である判定した場合には(S8:YES)、S9に進み、一方、通信処理の結果が異常であると判定した場合には(S8:NO)、S81に進む。
S9において、改札制御部527は、通過扉522を開駆動する。
S10において、光学センサ等の検出部は、出口510bに向かって利用者が改札機を通過したことを検出すると、改札制御部527は、この検出部の出力に基づいて、通過扉522を閉駆動したり、又は、一定時間経過の後、通過扉522を閉駆動し、そして、電磁誘導改札機520側の処理を終了し、次のICカード540の受付を開始する(S11)。
(異常報知処理)
S81において、改札制御部527は、通過扉522の閉状態を維持して、S82において、音声出力部524か警告音を出力し、また表示部にICカード540が不適切である旨の表示をして、利用者に通信処理の結果が異常であることを報知する。そして、電磁誘導改札機520側の処理を終了し、次のICカード540の受付を開始する(S11)。
S12において、中継制御部537は、排出搬送機構を駆動して、停止範囲Cに搬送されたICカード540を排出口535から排出する。
なお、ICカード540が切符等の一回券である場合のために、出場時においては、ICカード540を収容する収容装置を設けてもよい。この場合には、中継制御部537(通信結果判定制御部)が改札制御部527及びICチップ541の間の送受信の監視内容に基づいて、改札制御部527及びICチップ541の間の通信処理が正常に終了したか否かを判定すればよい。そして、中継制御部537は、正常に終了したと判定した場合には、収容装置を制御して、ICカード540を収容容器内に収容し、一方、異常があったと判定した場合には、ICカード540を排出すればよい。
S13において、排出口535に設けられた光学センサ等の検出部(図示せず)は、排出口535から排出されたICカード540を利用者が抜き取ったことを検出すると、検出情報を中継制御部537に出力する。中継制御部537は、この検出部の出力に基づいて、挿入口開閉扉534bを開駆動して、中継通信装置530側の処理を終了し、次のICカード540の受付を開始する(S14)。
これにより、ICカード540の通信処理が正常に終了し通過扉522の挿入口開閉扉534bが開駆動が完了するまで(S10)、又は通信処理が異常であった場合に復旧処理が完了するまで、挿入口534への他のICカード540の挿入防止をすることができる。
一方、利用者は、通信結果が異常である場合には(S8:NO)、通過扉522が閉位置を維持されているので(S81)、通信システム510を通過できず、入口510aに戻って排出口535から排出されたICカード540(S12)を抜き取って、再度挿入口534に挿入したり、ICカード540が不適切であることを認識して、清算処理等を行うことができる。
これに対して、静電結合方式の通信システムのICカード540及びリーダライタ521間の通信距離は、前述したように2mm程度であり、電磁誘導方式の通信システムと比較すると短い。このため、ICカード540をリーダライタ521にほぼ密着させないと通信が開始されない。そのため、ICカード540及びリーダライタ521の間の通信時間は、電磁誘導方式の通信システムと同等であっても、利用者が体感する処理時間は、ICカード540を2mm程度まで近づける時間の分、長くなる。
実施形態の通信システム510は、前述したように、利用者が入口510aから出口510bに向かって歩行する時間を利用して、ICカード540を通信処理して、利用者が体感する処理時間の短縮を図っている。これにより、通信システム510は、静電結合方式を利用しても、利用者の通過時の混雑を抑制できる。
次に、本発明を適用した第6実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第5実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図12は、第6実施形態の改札システム601のブロック図である。
図13は、第6実施形態の中継通信装置630の内部構成を説明する図である。
図13(a)は、搬送装置660の平面図(図15(b)のa−a部矢視断面図)である。
図13(b)は、搬送装置660の側面図である。
電磁誘導改札機620は、7つのリーダライタ621(621−1〜621−7)と、これら各リーダライタ621−1〜621−7にそれぞれ接続された7つのR/Wループアンテナ621a(621a−1〜621a−7)とを備える。
中継通信装置630は、7つの中継ループアンテナ631(631−1〜631−7)と、これら各中継ループアンテナ631−1〜631−7に接続された7組の導電部材632A,632B(632A−1,632B−1〜632A−7,632B−7)とを備える。
このため、7組の導電部材632A−1,632B−1〜632A−7,632B−7は、それぞれ異なるICカード640の間で独立して静電結合できる。
図13の場面は、導電部材632A−1,632B−1〜632A−3,632B−3がそれぞれ3枚のICカード640−1〜640−3の導電部材642A−1,642B−1〜642A−3,642B−3との間で静電結合しながら、搬送装置660がICカード640−1〜640−3を搬送方向に搬送している場面である。
次に、本発明を適用した第7実施形態について説明する。
図14は、第7実施形態の通信システム710のブロック図である。
図15は、第7実施形態の中継通信装置730の内部構成を説明する図である。
図15(a)は、搬送装置760の平面図(図15(b)のB−B部矢視断面図)である。
図15(b)は、搬送装置760の側面図である。
図14に示すように、中継通信装置730は、中継記憶部736、中継制御部737、搬送装置760、導電部材732A(732A−1〜732A−14),732B(732B−1〜732B−14)を備える。
中継制御部737は、中継通信装置730を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU等から構成される。中継制御部737は、記憶部726に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
搬送されるICカード740は、前述した個片工程前(切断前)の状態であり、搬送方向Yに沿って配列され、下層及び上層(基材)によってシート状に接続された状態である。
リール状のICカード740は、後述する送り出しローラ765a、巻き取りローラ765bに巻かれている。
搬送装置760は、下ベルト761、下ベルト駆動ローラ762(762a,762b)、送り出しローラ765a、巻き取りローラ765bを備える。
巻き取りローラ765bは、通信後のICカード740をリール状にして貯留するローラである。巻き取りローラ765bは、駆動モータ(図示せず)が設けられており、巻き取り方向に回転駆動される。この駆動モータは、中継制御部737によって制御される。
上記構成により、巻き取りローラ765bが回転駆動することにより、送り出しローラ765aのICカード740を送り出して、巻き取りローラ765bに巻き取ることができる。これにより、ICカード740が、搬送方向Yに搬送される。
各導電部材732A−1,732B−1〜732A−14,732B−14は、中継ループアンテナ731−1〜731−14がそれぞれ接続されている。また、この中継ループアンテナ731−1〜731−14は、リーダライタ721−1〜721−14との間で通信するようになっている。
一方、本実施形態の搬送装置760は、第6実施形態のような上ベルト663(図13参照)等が設けられていない。その理由は、前述したように、ICカード740は、送り出しローラ765a及び巻き取りローラ765bによって、搬送されるからである。なお、搬送中のICカード740を、各導電部材732A,732Bからの浮き上がりを防止して安定した通信処理をするために、上ベルト等や、押さえローラ等を設けてもよい。
通信システム710は、以下の工程に従って、ICカード740との間の通信処理を行う。
(1)ICカード搬送工程(情報記憶媒体搬送工程)
図15に示すように、中継制御部737は、巻き取りローラ765bを駆動して、リール状に接続された複数のICカード740を搬送方向Yに搬送する。
中継制御部737は、複数の導電部材732A,732Bを、複数のICカード740と同期させて、搬送方向Yに移動する。
なお、同期を取る方法は、ICカード740の搬送速度及び位置を検出する光学センサと、導電部材732A,732Bの移動速度及び位置を検出する光学センサとを設ければよい。そして、中継制御部737がこれらの検出に基づいて、ICカード740及び導電部材732A,732Bの移動速度を同一にし、かつ、ICカード740及び導電部材732A,732Bの同期を取ればよい。
電磁誘導通信装置720のR/Wループアンテナ721a−1〜721a−14と、中継通信装置730の中継ループアンテナ731−1〜731−14は、電磁誘導方式により独立して通信する。
一方、導電部材移動工程で移動する複数の導電部材732A,732Bと、ICカード搬送工程で搬送している複数のICカード740の導電プレート742A,742Bとは、独立して静電結合する。
例えば、図15は、6枚のICカード740−1〜740−6の導電プレート742A−1,742B−1〜742A−6,742B−6が、6組の導電部材732A−1,732B−1〜732A−6,732B−6の間で、それぞれ独立して静電結合している例である。これにより、制御部727は、R/Wループアンテナ721a−1〜721a−6、中継ループアンテナ731−1〜731−6、導電部材732A−1,732B−1〜732A−6,732B−6、導電プレート742A−1,742B−1〜742A−6,742B−6を介して、ICカード740−1のICチップとの間で通信処理をする。
また、通信システム710は、中継通信装置730の中継記憶部736、中継制御部737は、電磁誘導通信装置720に設けて、中継通信装置730、電磁誘導通信装置720を一体の装置構成にしてもよい。
また、通信システム710は、ICカード740が基材により接続された状態で通信できる。これにより、例えば、ICカード740を切符に利用する場合のように、ICカード740をリール状で出荷し、切符販売機で切断して個片化する場合であっても、工場出荷時の検査等を行うことができる。
(1)実施形態において、リーダライタ及び中継通信装置は、電磁誘導方式により通信する例を示したが、これに限定されない。例えば、リーダライタ及び中継通信装置は、電磁結合方式によって通信してもよい。この場合には、ICカードに設けるICチップを、電磁結合方式によって通信できるタイプにすればよい。
なお、電磁結合は、原理的には電磁誘導と同じである。また、電磁結合方式の通信とは、カード側のアンテナとリーダライタ側のアンテナを対向させ、静止状態で電磁誘導により通信することをいう。
20,720 電磁誘導通信装置
21,521,621,721 リーダライタ
21a,521a,621a,721a R/Wループアンテナ
26,726 記憶部
27,727 制御部
30,530,630,730 中継通信装置
31,531,631,731 中継ループアンテナ
32A,32B,532A,532B,632A,632B,732A,732B 導電部材
40,240,340,540,640,740 ICカード
41,241,341,541 ICチップ
42A,42B,242A,242B,342A,342B,542A,542B,642A,642B,742A,742B 導電プレート
43,243,343,443 下層
44,244,344 上層
原板 50,250A,250B,350,450A,450B
501,601 改札システム
520,620 電磁誘導改札機
523 モニタ
524音声出力部
526,626 改札機記憶部
527,627 改札制御部
534c,535c ICカード整列装置
560,660,760 搬送装置
Claims (13)
- 情報記憶媒体と電磁誘導通信装置との間に中継通信装置を介在させ、前記情報記憶媒体を搬送させながら通信する通信システムであって、
前記情報記憶媒体は、
電磁誘導方式又は電磁結合方式で通信可能なICチップと、
前記ICチップに接続され、導電性を有する一対の導電プレートとを備え、
前記中継通信装置は、
中継ループアンテナと、
前記情報記憶媒体を搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記中継ループアンテナの両端に接続され、前記搬送装置の搬送方向に沿って移動し、前記情報記憶媒体の前記導電プレートとの間で静電結合し、導電性を有する一対の導電部材とを備え、
前記電磁誘導通信装置は、
前記中継ループアンテナとの間で電磁誘導方式又は電磁結合方式により通信する通信装置側ループアンテナと、
前記通信装置側ループアンテナが前記中継通信装置との間で電磁誘導方式又は電磁結合方式により通信し、前記中継通信装置及び前記情報記憶媒体が静電結合することにより、前記情報記憶媒体の前記ICチップとの間で通信処理をする制御部とを備えること、
を特徴とする通信システム。 - 通信システムに設けられた情報記憶媒体と電磁誘導通信装置との間に介在して、前記情報記憶媒体を搬送しながら通信する中継通信装置であって、
前記電磁誘導通信装置の通信装置側ループアンテナとの間で、電磁誘導方式又は電磁結合方式により通信する中継ループアンテナと、
前記情報記憶媒体を搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記中継ループアンテナの両端に接続され、前記搬送装置の搬送方向に沿って移動し、前記情報記憶媒体に設けられ電磁誘導方式又は電磁結合方式で通信可能なICチップに接続された導電性を有する一対の導電プレートとの間で静電結合し、導電性を有する一対の導電部材とを備えること、
を特徴とする中継通信装置。 - 請求項2に記載の中継通信装置において、
前記一対の導電部材は、導電性を有し、前記搬送方向に回転駆動される導電ベルトであること、
を特徴とする中継通信装置。 - 請求項3に記載の中継通信装置において、
前記一対の導電部材は、前記搬送装置の少なくとも一部を兼用すること、
を特徴とする中継通信装置。 - 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の中継通信装置において、
前記中継ループアンテナと前記搬送方向に沿って配置された前記一対の導電部材との組み合わせを複数有し、前記各組み合わせが、それぞれ異なる前記情報記憶媒体との間で通信すること、
を特徴とする中継通信装置。 - 請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の中継通信装置において、
利用者が前記情報記憶媒体を挿入する挿入口と、
前記挿入口に挿入された前記情報記憶媒体を、前記一対の導電プレートが並べられた方向が、搬送方向とは直交する方向に整列する整列装置とを備えること、
を特徴とする中継通信装置。 - 請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載の中継通信装置において、
前記情報記憶媒体は、長方形であり、
前記各導電プレートは、長方形であり、
前記情報記憶媒体の長辺方向と、前記各導電プレートの長辺方向とは、一致しており、
前記一対の導電プレートは、前記情報記憶媒体の長辺方向に並べて配置され、
前記搬送装置は、前記情報記憶媒体の搬送方向と前記情報記憶媒体の長辺とが、直交するように前記情報記憶媒体を搬送すること、
を特徴とする中継通信装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の中継通信装置において、
前記搬送装置の情報記憶媒体の搬送範囲内に、通信処理の結果を判定する領域である通信結果判定範囲を有し、
前記電磁誘導通信装置又はこの中継通信装置は、
通信処理の結果を報知する報知部と、
前記情報記憶媒体が前記通信結果判定範囲まで搬送された場合に、通信処理の結果を判定する通信結果判定制御部とを備え、
前記通信結果判定制御部は、
通信処理の結果が異常と判定した場合には、前記報知部を制御して異常発生を報知し、
通信処理中の場合には、通信処理が完了するまで通信処理を継続し、その結果が異常と判定した場合には、前記報知部を制御して異常発生を報知すること、
を特徴とする中継通信装置。 - 請求項1に記載の通信システムに使用され、
前記通信装置側ループアンテナと、前記制御部とを備えること、
を特徴とする電磁誘導通信装置。 - 請求項1に記載の通信システムに使用され、
前記ICチップと、前記一対の導電プレートとを備えること、
を特徴とする情報記憶媒体。 - 請求項1に記載の前記電磁誘導通信装置と、
請求項1に記載の前記中継通信装置と、
を備える中継通信装置及び電磁誘導通信装置の組み合わせ。 - 情報記憶媒体と電磁誘導通信装置との間に中継通信装置を介在させ、複数の組み合わせの前記情報記憶媒体を搬送させながら通信する通信システムであって、
前記各情報記憶媒体は、
電磁誘導方式又は電磁結合方式で通信可能なICチップと、
前記ICチップに接続され、導電性を有する一対の導電プレートとを備え、
前記複数の組み合わせの前記情報記憶媒体は、搬送方向に沿って配列され、基材により接続されており、
前記中継通信装置は、
複数の中継ループアンテナと、
前記情報記憶媒体を搬送方向に搬送する搬送装置と、
前記各中継ループアンテナの両端に接続され、前記搬送方向に沿って移動し、前記各情報記憶媒体の前記導電プレートとの間で静電結合し、前記複数の組み合わせの前記情報記憶媒体との間で独立して通信し、導電性を有する一対の導電部材の複数の組み合わせとを備え、
前記電磁誘導通信装置は、
前記各中継ループアンテナとの間で電磁誘導方式又は電磁結合方式により通信する複数の通信装置側ループアンテナと、
前記各通信装置側ループアンテナが前記中継通信装置との間で電磁誘導方式又は電磁結合方式により通信し、前記中継通信装置及び前記情報記憶媒体が静電結合することにより、前記情報記憶媒体の前記ICチップとの間で通信処理をする制御部とを備えること、
を特徴とする通信システム。 - 請求項12に記載の通信システムを用いた通信方法において、
前記複数の組み合わせの前記情報記憶媒体を、前記搬送装置によって搬送方向に搬送する情報記憶媒体搬送工程と、
前記複数の組み合わせの前記一対の導電部材を、前記複数の組み合わせの前記情報記憶媒体と同期させて、前記搬送方向に移動する導電部材移動工程と、
前記情報記憶媒体搬送工程で搬送している前記複数の組み合わせの前記情報記憶媒体の前記各一対の導電プレートと、前記導電部材移動工程で移動する前記複数の組み合わせの前記一対の導電部材とが向かい合い、静電結合して信号伝達する静電結合信号伝達工程とを備えること、
を特徴とする通信システムを用いた通信方法。
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JP2011265593A JP5794129B2 (ja) | 2011-12-05 | 2011-12-05 | 通信システム、中継通信装置、電磁誘導通信装置、情報記憶媒体、中継通信装置及び電磁誘導通信装置の組み合わせ、通信システムを用いた通信方法 |
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