JP5793380B2 - 工作機械の衝突防止方法 - Google Patents
工作機械の衝突防止方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5793380B2 JP5793380B2 JP2011203113A JP2011203113A JP5793380B2 JP 5793380 B2 JP5793380 B2 JP 5793380B2 JP 2011203113 A JP2011203113 A JP 2011203113A JP 2011203113 A JP2011203113 A JP 2011203113A JP 5793380 B2 JP5793380 B2 JP 5793380B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tool
- axis direction
- moving
- spindle
- cutting edge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Numerical Control (AREA)
Description
例えば、同一主軸軸線上で対向する固定主軸と移動主軸を備え、工具タレットを取り付けた刃物台を主軸軸線の下方に備える2主軸対向旋盤では、固定主軸から移動主軸にワークを受け渡す際に、移動主軸が固定主軸に向かってZ軸方向に前進する。
なお、旋盤においてZ軸は主軸方向、X軸はZ軸と直交する旋削工具の切込み送り方向、Y軸はZ軸及びX軸と直交する方向である。
従来、このような衝突を避けるため、一旦刃物台を主軸軸線から下方(X軸方向)のホームポジションに退避させ、更に工具タレットを短い工具を割り出した状態に回転させた後、ワークの受け渡し動作を行うようにプログラムすることがある。
この衝突防止手段では、仮想空間内において予想される工具の移動軌跡上にあるサンプリング点が立体モデルの外側にあるか内側にあるかをシミュレーションすることにより衝突を検出している。
しかし、NC工作機械は常に加工プログラムに従って運転されるというわけではなく、実加工に移る前の段階、すなわち段取り時やテスト加工時には、オペレータによる手動操作で動作チェックが行われることが多い。
この場合、オペレータの指示は操作ボタンの操作によってNC装置を介して工作機械に与えられることになるが、NC装置はオペレータが現在行っている操作をいつまで続けるのか、あるいは次にどのような操作を行うのかを事前に把握することができないため、オペレータの操作ミスや判断ミスに起因した衝突は事前に検出できないという問題があった。
更に、工具タレットをホームポジションに退避させたり、短い工具を割り出す動作を行うと余分な時間がかかるため、加工時間を可能な限り短くしたいという要求に反するという問題があった。
また、請求項3に係る工作機械の衝突防止方法は、前記第二のステップにおいて、工具のX軸方向の刃先位置を、当該工具のオフセット値から算出した工具刃先の旋回径に基づいて算出することを特徴とする。
また、加工位置に割出されている工具を挟む位置に装着されている2つの工具についても衝突のおそれがないかチェックするので、衝突検出の精度をより高めることができる。
また、実加工において、例えば固定主軸とのワークの受け渡しのために移動主軸がZ軸方向に移動する毎に刃物台をホームポジションに退避させたり、工具タレットを回転させて最も短い工具を割り出す動作を行う場合と比較して、本発明では移動主軸のカバーが工具と衝突する可能性がない場合には刃物台を退避させたり、工具タレットを回転させて短い工具を割り出す動作を行わないので、ワークの加工時間を短縮できる。
本実施の形態では、工作機械として2つの刃物台を備えた2主軸対向旋盤を例にして説明する。
図1において、1a及び1bは加工領域を区画している隔壁、2aは固定主軸3端に装着した左チャック、2bはZ軸方向に移動可能な移動主軸4端に装着した右チャック、5は隔壁から突出する伸縮自在な移動主軸台のカバー、6は左チャックに把持されたワーク、7a、7bは隔壁1a、1bから突出する伸縮自在な刃物台カバー、8a、8bは刃物台カバー内の刃物台に取り付けられているタレット、9a〜9l、9a´〜9l´(図4参照)は工具タレット8a、8bに装着された工具である。なお、移動主軸4を軸支する移動主軸台はカバー5内に格納されている。また、工作機械の動作を制御するNC装置の図示は省略している。
図2は移動主軸4がZ軸方向に前進した状態を示しており、カバー5がZ軸方向に伸長している。
図1に示すように、一般に移動主軸台のZ軸方向の位置は原点位置である後退端位置H1からの距離で規定される。また、刃物台のZ軸方向の位置は刃物台の基準位置(ホームポジション)H2、H2´からの距離で規定され、一般にZ軸方向の原点は刃物台の復帰端(後退端)に設定されている。なお、移動主軸台のZ軸方向の位置及び刃物台のXYZ各軸方向の位置はNC装置によって把握されている。
オペレータは移動主軸台と刃物台のZ軸方向の相対距離が十分に確保されるように配慮した上で、当該相対距離に関するZ軸方向の許容値Δzを規定し、NC装置に登録しておく。
移動主軸台のカバーは上述の通りその内部に移動主軸台を格納する伸縮自在の部材であり、通常は矩形状(直方体状)に形成されている。従って、カバーのX軸方向の寸法LXはその長手方向(Z軸方向)にわたってほぼ同一の値となる。また、一般的に移動主軸台及びカバーの中心線は主軸軸線Mと一致している。
そこで、オペレータはカバーのX軸方向の長さLxに若干の安全マージンを取った値を「X軸方向の許容値Δx」として規定し、NC装置に登録しておく。なお、旋盤では一般にX方向の距離は直径で指定されている。
NC装置は、工具タレットに装着した工具の刃先位置を示すオフセット値を登録したオフセットテーブル(図3参照)を備えている。オフセットテーブルのレコード番号をオフセット番号とも呼んでおり、加工に使用する工具は、工具タレットへの装着位置を示す番号(工具番号)と、オフセット番号とを組み合わせた工具コード(Tコード)で指定するようになっている。
例えば、旋盤で一般的に用いられる工具コードはT○○××と表示され、○○は工具番号、××はオフセット番号で、共に2桁の数字である。加工プログラムでこの工具コードが指定されると、NC装置は工作機械に工具タレットの○○番の装着位置に装着している工具を選択させ、その加工位置をオフセットテーブルのレコード番号(オフセット番号)××に登録されているオフセット値で補正した位置に刃物台を移動させるように指令する。
例えば加工プログラム中にT0102と記述されているとき、NC装置は、工具タレットの01番の工具装着位置をワークに向けて割出し、オフセットテーブルのレコード番号「02」に登録されているオフセット値を読み取って、それを基準として刃物台を移動させることにより、ワークと工具番号「01」の工具の刃先との相対位置関係を調節する。
図4に示すように、工具タレットが回転した場合の工具刃先の旋回径は、ホームポジションH2における刃物台の回転中心NのX軸方向の位置X1(主軸Mから回転中心NまでのX軸方向の距離)から工具のX軸方向のオフセット値X0を引いた値(X1−X0)と一致する。
このように、工具コード及びオフセットテーブルというNC工作機械で通常使用している数値データに基づいて工具のX軸方向の刃先位置を算出できる。
移動主軸台が前進するのは、固定主軸に把持されたワーク6を受取に行くときであるが、このとき移動主軸側の加工済ワークはアンロードされており、固定主軸側のワーク6の加工は終了している。従って、この移動主軸台の前進と並行して行われるタレットの動作は、タレットに装着した把持具(ワークハンド。図示していない。)でアンロードした加工済ワークを機外へと搬出する動作を行っているか、ワークから離隔する動作を行っているかである。従って、タレットのX軸方向の移動は、主軸軸線Mから離隔する方向の移動(待避)である。しかし、操作ミスなども考慮して、図5のフローチャートでは、タレットが主軸軸線M側に移動(接近)している場合も想定した(ステップA6参照)手順を示している。また、移動主軸台と刃物台とのZ軸方向の相対距離D1の算出や工具のX軸方向の刃先位置を算出するときは、それに先だって(ステップA2及びA3の前に)、移動主軸台及びタレットのZ軸方向の位置(座標)やタレットのX軸方向の位置を読み込む必要があるが、図5ではこの読み込みステップを省略して示している。
NC装置には予め「Z軸方向の許容値Δz」、「X軸方向の許容値Δx」及び工具タレットに装着した全ての工具についての工具刃先の工具オフセット値が事前に登録されている。
図5の衝突防止手順は、例えば段取り時やテスト加工時において、加工プログラム又はオペレータによる手動操作によって、移動主軸台にZ軸方向の移動(前進)指令が与えられたときに動作を開始(スタート)する。
主軸台が前進を続けていれば(ステップA1でNO)、NC装置は、そのときどきの移動主軸台の位置から移動主軸台と刃物台とのZ軸方向の相対距離D1を算出し、当該相対距離D1がZ軸方向の許容値Δz以下かどうかを判定する(ステップA2)。D1が許容値Δz以下となる前に移動主軸が停止すれば(ステップA1でYES)、正常終了する。
なお、移動主軸台と並行してタレットがZ軸方向に移動している場合、その移動方向が移動主軸側に向かう方向であるか又は固定主軸側に向かう方向であってその移動速度が移動主軸台の移動速度より遅いときは、そのタレットとの相対関係では、移動主軸台の相対前進速度が速いか遅いかの差でしかないので、一旦相対距離D1が許容値Δz以下になった後で許容値Δz以上になることはない。また、タレットが移動主軸台と同方向に移動主軸台より速い速度で移動しているときは、相対距離D1が時間の経過と共に大きくなるので、許容値Δz以下になることはなく、移動主軸台が停止したときにステップA1で分岐して正常終了となる。
ステップA3の判定において、加工位置に割出されている工具(主軸軸線M側を向いている工具)の刃先位置がX軸方向の許容値Δx以下になった場合には(ステップA3において「YES」)、移動主軸台の移動を停止し(ステップA6)、アラームを鳴らし(ステップA7)、異常終了となる。
また、加工位置に割出されている工具のX軸方向の刃先位置が許容値Δx以下でない場合は(ステップA3において「NO」)、当該工具を前後から挟む位置に装着されている2つの工具9b、9lのうちいずれか一方(例えば上側9b)の工具に関する工具刃先の旋回径に基づき、X軸方向の刃先位置が、許容値Δx以下かどうかを判定する(ステップA4)。
したがって、加工位置に割出されている工具9aを挟む位置に装着されている工具9b及び9lのうち上側の工具9bの旋回径RbにCOSθ(θ=30度)を掛けることで、当該工具9bのX軸方向の刃先位置を算出できる。
そして、当該工具のX軸方向の刃先位置が許容値Δx以下の場合(ステップA4において「YES」)、移動主軸台の移動を停止し、アラームを鳴らして終了する。
また、許容値Δx以下でない場合(ステップA4において「NO」)、他方の工具(例えば下側9l)のX軸方向の刃先位置が許容値Δx以下かどうかを判定する(ステップA5)。そして、許容値Δx以下の場合(ステップA5において「YES」)、移動主軸台の移動を停止し、アラームを鳴らして終了する。
また、許容値ΔX以下でない場合(ステップA5において「NO」)であれば、タレットが停止しているか主軸軸線Mから離れる方向に移動しているときは、移動主軸台が工具に衝突するおそれはない。そこでタレットが主軸軸線Mに接近する方向に移動している場合のみ(ステップA6で「YES」)、ステップA3に戻ってタレットの新しいX座標についてステップA3〜A5の判定を繰り返し、そうでない場合は(ステップA6で「NO」)、正常終了する。なお、本実施の形態のように刃物台を2つ備える場合には各刃物台について上記手順が実行される。
なお、タレットが移動主軸と並行する特別の動作(例えば前記したワーク搬出動作)を行っていないときは、工具のX軸方向の刃先位置がX軸方向の許容値Δx以下になった場合、異常停止するのではなく、当該刃先位置がX軸方向の許容値Δxより大きくなる位置まで刃物台をX方向に退避させることにしてもよい。また、その時点で割り出されている工具よりも短い工具がワーク側を向くように工具タレットを回転させることにしてもよい。
2 チャック
3 固定主軸
4 移動主軸
5 移動主軸台のカバー
6 ワーク
7 刃物台カバー
8 タレット
9 工具
Claims (3)
- 主軸方向であるZ軸方向に移動可能な移動主軸と、当該移動主軸を軸支する移動主軸台と、Z軸方向及びZ軸に直交するX軸方向に移動可能な少なくとも一つの刃物台と、当該刃物台に取り付けられた工具タレットとを備える工作機械の衝突防止方法であって、
前記移動主軸台と前記刃物台とのZ軸方向の相対距離が予め規定しているZ軸方向の許容値以下であることを検出する第一のステップと、次にその時点で加工位置に割出されている工具のX軸方向の刃先位置が、前記移動主軸台のカバーのX軸方向の長さに基づいて予め規定しているX軸方向の許容値以下であることを検出する第二のステップと、次に前記移動主軸台の移動を停止する第三のステップを備えることを特徴とする工作機械の衝突防止方法。 - 前記第二のステップが、前記工具タレットに装着されている複数の工具のうち、前記加工位置に割出されている工具を挟む位置に装着されている2つの工具各々のX軸方向の刃先位置が、前記X軸方向の許容値以下であることを検出するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の衝突防止方法。
- 前記第二のステップにおいて、工具のX軸方向の刃先位置を、当該工具のオフセット値から算出した工具刃先の旋回径に基づいて算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の衝突防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011203113A JP5793380B2 (ja) | 2011-09-16 | 2011-09-16 | 工作機械の衝突防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011203113A JP5793380B2 (ja) | 2011-09-16 | 2011-09-16 | 工作機械の衝突防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013065180A JP2013065180A (ja) | 2013-04-11 |
JP5793380B2 true JP5793380B2 (ja) | 2015-10-14 |
Family
ID=48188618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011203113A Expired - Fee Related JP5793380B2 (ja) | 2011-09-16 | 2011-09-16 | 工作機械の衝突防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5793380B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6346256B2 (ja) * | 2016-12-14 | 2018-06-20 | ファナック株式会社 | 数値制御装置 |
CN116604421B (zh) * | 2023-07-21 | 2023-11-03 | 苏州博宏源机械制造有限公司 | 一种减薄机撞机检测方法、装置和减薄机 |
-
2011
- 2011-09-16 JP JP2011203113A patent/JP5793380B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013065180A (ja) | 2013-04-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9895810B2 (en) | Cooperation system having machine tool and robot | |
TWI630964B (zh) | Automatic setting device and automatic setting method of tool offset value of machine tool | |
EP2937752B1 (en) | Machine tool and interpretive program | |
JP6538503B2 (ja) | 工作機械の幾何誤差同定方法及び幾何誤差同定プログラム | |
JP4727689B2 (ja) | ワーク計測装置、衝突防止装置および工作機械 | |
JP5554235B2 (ja) | 干渉チェック装置及び干渉チェック方法並びに干渉チェック装置を備えた工作機械 | |
US9229443B2 (en) | Numerical control machine tool | |
US20110257778A1 (en) | Method and device for simulating nc working machine | |
JP2010105072A (ja) | 複合加工旋盤 | |
JP2017213658A (ja) | 工作機械 | |
JP5793380B2 (ja) | 工作機械の衝突防止方法 | |
JP2009080517A (ja) | 工作機械 | |
CN111752218B (zh) | 控制装置和机床 | |
JP4658734B2 (ja) | 旋盤における機械稼動部の衝突防止方法 | |
JP7266511B2 (ja) | 工作機械における対象物の位置計測方法及び位置計測システム、位置計測プログラム | |
JPH11325869A (ja) | ワーク形状測定方法、装置及び座標測定機 | |
US20190202017A1 (en) | Selecting device, selecting method, and program | |
US20240058915A1 (en) | Machine Tool, Method of Estimating Force Applied to Tool, and Program for Estimating Force Applied to Tool | |
JP2011189417A (ja) | 加工ロボットとその重力補償方法 | |
JP5167767B2 (ja) | 工作機械の干渉検出装置 | |
US20190391565A1 (en) | Numerical controller | |
JP4549150B2 (ja) | 工作機械の干渉領域設定方法 | |
JP4491686B2 (ja) | 工作機械におけるワークの加工制御方法 | |
JP2007249671A (ja) | 工作機械の衝突防止方法 | |
JP4066178B2 (ja) | 工作機械及びその異常検査方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140818 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150619 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150804 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150810 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5793380 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |