JP5792176B2 - シアヌル酸誘導体及びそれを用いるメラミンの検出方法 - Google Patents

シアヌル酸誘導体及びそれを用いるメラミンの検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、メラミンを高感度、迅速かつ簡便に検出するための検出方法並びにメラミンの検出に好適に用いられるシアヌル酸誘導体に関する。
動物用飼料、幼児用粉ミルク、鶏卵製品、菓子等に混入しているメラミンを標的とする検出方法として、米国食品医薬品局では、GC−MS、LC、LC−MSを用いる方法を、中国国家標準ではGC−MS、LC、LC−MS−MSを用いる方法を発表している。これらおよび関連の技術に関し、非特許文献1ではCIMS、非特許文献2ではEESI−MS、非特許文献3ではMALDI−MS、非特許文献4ではLC−MS、非特許文献5−6ではHPLC、非特許文献7−8では近赤外分光、非特許文献9−10ではSERS、非特許文献11ではミセル導電クロマトグラフィー、等の機器を用いる方法を開示しているが、これらの方法は機器の設置場所に検体を持ち込む必要があることから簡便さに欠け、また、検体毎に時間をかけた分析を行うため、スループットの観点から優れた方法とは考えられない。
このような機器の設置の必要性に関わる問題点を回避する試みとして、化学センサーを用いる方法も提案されており、非特許文献12−17には金または銀のナノ粒子やその表面をメラミンと相互作用し得る部位を持つ配位子で修飾したものを検出材料として用い、これらがメラミンとの相互作用により色の変化を示すことを利用する方法が、非特許文献18にはエライザによる方法が、非特許文献19にはグリコウリル7単位からなるキューカービチュリルにメラミンが包接された際に蛍光の強度が著しく増大することを利用して検出する方法が提案されている。2007年から2008年にかけて乳製品または牛乳にメラミンおよびメラミン関連化合物が違法に混入される事件が起き、特に中国で多くの乳幼児に健康被害が生じた。この事件以降、アメリカ食品医薬品局(FDA)ではメラミンの食品への最大許容値を2.5ppm、また乳幼児用粉ミルクなど特殊調製粉乳では1ppmと定めた。上記の検出法により、幼児用粉ミルクについて米国食品医薬品局が定めた安全基準を満たす検出限界値が得られている。しかし、メラミンからの蛍光は紫外光の領域にあり、蛍光光度計の設置を必要とするため、先と同様の問題点を含んでいる。一方、非特許文献20にはメラミンを鋳型に用いてゾル−ゲル法により作成したモレキュラーインプリンティング材料とメラミンの親和性をケミルミネッセンスの強度で評価する方法、非特許文献21には酸化多結晶金電極を用いる微分パルスボルタンメトリーにおける酸化波がメラミン濃度増大とともに強くなることを利用する方法が提案されているが、分析コストの面で有利とは言えない。
Analytical Chemistry、2009年、81巻、2426頁 Chemical Communications、2009年、559頁 Analytical Chemistry、2009年、81巻、3676頁 Chinese Science Bulletin、2009年、54巻、732頁 Food Control、2010年、21巻、686-691頁 American Laboratory、2009年、41巻、38頁 HYPERLINK "http://www.impublications.com/nir/journal/jnirs" Journal of Near Infrared Spectroscopy、2010年、 HYPERLINK "http://www.impublications.com/nir/jtoc/18#2" 18巻、113頁 Journal of Near Infrared Spectroscopy、2009年、17巻、59頁 Journal of Physical Chemistry C、2010年、114巻、93頁 Journal of Physical Chemistry C、2010年、114巻、7738頁 Journal of Chromatography A、2009年、1216巻、8296頁 Journal of the American Chemical Society、2009年、131巻、9496頁 Analyst、2010年、135巻、1070頁 HYPERLINK "http://www.sciencedirect.com/science/journal/09565663" Biosensors and Bioelectronics、2010年、25巻、2680頁 Food Chemistry 、2010年、122巻、895頁 Applied Physics Letters、2010年、96巻、133702/1-133702/3頁 Analyst、2010年、135巻、1070頁 Journal of Food Protection、2010年、73巻、701頁 Journal of Luminescence、2010年、130巻、817頁 Analytica Chimica Acta、2009年、651巻、209頁 Journal of Agricultural and Food Chemistry、2010年、58巻、4537頁
上述したように、従来のメラミンの検出手法は、高価な測定機器類を必要とし、また操作も容易ではなく、より経済的に検出でき、且つより簡便な検出手法が求められている。
本発明の課題は、前記の従来技術の問題を克服した、標的に前処理を必要とせず、迅速、高感度、高選択的、かつ安価にメラミンを検出でき、裸眼でも容易に判定可能な検出方法並びに該検出に好適に用いられる検出材料を提供することにある。
本発明者らは、各種共役分子の吸収・発光機能について研究中に、該共役分子に導入した官能基が、ある種の分子の存在下に該共役分子に基づく蛍光の強度を著しく増大させるという興味ある事実を見いだし、特に、シアヌル酸部位を導入した共役分子がメラミン(下記構造)の存在下に蛍光強度を著しく増大させる、いわゆる「ターンオン型」の検出方法の端緒を見いだし、これらの事実に基づいて鋭意研究の結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[13]に関する。
[1]一般式(1)
(式中、Aは共役化合物A′からn個の水素原子を除いたn価の残基を表し、Bは、単結合を表すか、もしくは、1ないし3個の酸素原子で中断されていてもよい炭素原子数1ないし9のアルキレン基(該アルキレン基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、nは2≦n≦8を満足する正の整数を示す。)で表されるシアヌル酸誘導体。
[2]共役化合物A′が、一般式(2)
(式中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、R1とR2は互いに同じであっても異なっていてもよい。式中の波線は二重結合に対してE体、Z体、又はそれらの任意の割合の混合物であることを示す。)で表されるジフェニルエテンである、[1]に記載のシアヌル酸誘導体。
[3]共役化合物A′が、一般式(3)
(式中、R3は、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表す。)で表されるホスホールオキシドである、[1]に記載のシアヌル酸誘導体。
[4]共役化合物A′が、一般式(4)
(式中、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、R4とR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。)で表されるシロールである、[1]に記載のシアヌル酸誘導体。
[5]基Aが、下記式(2−a)、式(3−a)、式(4−a)又は式(2−a’)
(式(2−a)中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、R1とR2は互いに同じであっても異なっていてもよい。式中の波線は二重結合に対してE体、Z体、又はそれらの任意の割合の混合物であることを示す。
式(3−a)中、R3は、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表す。
式(4−a)中、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、R4とR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。)
で表される基である、[1]に記載のシアヌル酸誘導体。
[6]一般式(1)で表される化合物が、式(5)、式(6)、式(7)又は式(8)
で表される化合物である、[1]又は[2]に記載のシアヌル酸誘導体。
[7]検体に含まれるメラミンの検出方法であって、
i)[1]ないし[6]のいずれか1項に記載のシアヌル酸誘導体を含む溶液に検体を添加し、混合する工程、及び
ii)検体が混合された溶液に光を照射し、該溶液からの蛍光強度を測定する工程
を含むことを特徴とする、メラミンの検出方法。
[8]検体に含まれるメラミンの検出方法であって、
i)検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液をメンブランにスポット付着させ、乾燥させる操作を1回為すか、又は同操作を最大10回まで繰り返す工程、
ii)工程i)で形成されたメンブラン上の付着スポットに、[1]ないし[6]のいずれか1項に記載のシアヌル酸誘導体を含む溶液をスポット付着させる工程、及び
iii)前記メンブラン上の付着スポットに光を照射し、該付着スポットからの蛍光強度を測定する工程、
を含むことを特徴とする、メラミンの検出方法。
[9]検体に含まれるメラミンの検出方法であって、
i)[1]ないし[6]のいずれか1項に記載のシアヌル酸誘導体を含む溶液をメンブランにスポット付着させ、乾燥させる工程、
ii)検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液を、工程i)で形成されたメンブラン上の付着スポットにスポット付着させ、乾燥させる操作を1回為すか、又は同操作を最大10回まで繰り返す工程、及び
iii)前記メンブラン上の付着スポットに光を照射し、該付着スポットからの蛍光強度を測定する工程、
を含むことを特徴とする、メラミンの検出方法。
[10]前記工程iii)の前に、該メンブランを密閉容器に入れるか、又は該メンブラン表面上に溶媒をスポット付着させることにより、メンブラン表面の乾燥を防ぐ工程をさらに含む、[8]又は[9]に記載の方法。
[11]前記シアヌル酸誘導体を含む溶液に使用する溶媒、及び、検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液に使用する溶媒が、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合溶媒である、[7]ないし[10]のいずれか1項に記載の方法。
[12]前記光が紫外線である、[7]ないし[11]のいずれか1項に記載の方法。
[13]前記蛍光強度を測定する工程が、目視により行われるか又は蛍光光度計を用いて行われる、[7]ないし[12]のいずれか1項に記載の方法。
本発明の一般式(1)で表される化合物は、既知の反応手法を準用して容易に合成することが出来、分離精製もクロマトグラフィーや再結晶により行うこと出来る。また、一般式(1)で示される化合物自身が示す蛍光に比べ、メラミンとの選択的な相互作用や凝集体形成により飛躍的に強い蛍光を示すため、メラミンを迅速、高感度に検出するための材料として有用であり、かつ、オンサイトでの検出も簡便に行うことが出来るため、実用技術として極めて有用である。
図1は、実施例5〜10で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(5)のアセトニトリル溶液(化合物(5)の濃度:10μM)に加えた試料の、メラミン添加後の超音波照射時間に対する、波長500nmにおける蛍光強度(励起波長:350nm)の変化を示す図である。 図2は、実施例11〜25で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(5)のアセトニトリル溶液(化合物(5)の濃度:10μM)に加えた試料の、3時間超音波照射後の、メラミン濃度に対する、波長500nmにおける蛍光強度(励起波長:350nm)を示す図である。 図3は、実施例11ないし18及び実施例25で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(5)のアセトニトリル溶液(化合物(5)の濃度:10μM)に加えた試料の、3時間超音波照射後の、蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図4は、実施例26及び28ないし31で調製した、検体I、III、IV、V及びVIの蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図5は、実施例26ないし29で調製した、検体I、II、III及びIVに365nmのUVランプを光照射して撮影した写真である。 図6は、実施例32ないし35で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(5)のアセトニトリル−水(1:1)混合溶媒(化合物(5)の濃度:10μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図7は、実施例36及び37で調製した、メラミンを濃度0又は500μMにて、化合物(5)のTHF溶液(化合物(5)の濃度:10μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図8は、実施例38ないし44で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(5)のエタノール溶液(化合物(5)の濃度:100μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図9は、実施例45ないし51で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(5)のエチレングリコールジメチルエーテル溶液(化合物(5)の濃度:100μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図10は、実施例52ないし55で調製した、メラミンを濃度0又は1ppmで化合物(5)のアセトン溶液(化合物(5)の濃度:10μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図11は、実施例56及び57で調製した、調製粉乳のみ又はメラミン10ppmを混入させた調製粉乳のアセトン溶液を濾過し、化合物(5)を加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図12は、実施例56及び57で調製した、調製粉乳のみ又はメラミン10ppmを混入させた調製粉乳のアセトン溶液を濾過し、化合物(5)を加えた試料に365nmのUVランプを光照射して撮影した写真である。 図13は、参考例1ないし7で調製した、メラミン又はその類似化合物を化合物(5)のアセトニトリル溶液(化合物(5)の濃度:10μM)に加えた試料の、3時間超音波照射後の、波長500nmにおける蛍光強度(励起波長:350nm)(上段)、並びに、365nmのUVランプを光照射した際に撮影した写真を示す図である。 図14は、実施例58ないし62で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(6)のTHF溶液(化合物(6)の濃度:10μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図15は、実施例63ないし69で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(7)のアセトニトリル溶液(化合物(7)の濃度:10μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図16は、実施例70ないし76で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(8)のアセトン溶液(化合物(8)の濃度:10μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図17は、実施例77ないし83で調製した、種々の濃度のメラミンを化合物(8)のアセトニトリル溶液(化合物(8)の濃度:10μM)に加えた試料の蛍光スペクトル(励起波長:350nm)を示す図である。 図18は、<方法1>により、標準ろ紙と、0または10ppmのメラミン溶液を用いて作製した試験片をバイアル中に3時間静置後、365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例85)。 図19は、<方法1>により、PVDFメンブランと、0または10ppmのメラミン溶液を用いて作製した試験片をバイアル中に3時間静置後、365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例85)。 図20は、<方法1>により、PVDFメンブランと、種々の濃度を有するメラミン溶液を用いて作製した試験片をバイアル中に3時間静置後、365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例85)。 図21は、<方法1>により、PVDFメンブランと、種々の濃度を有するメラミン溶液を用いて作製した試験片をバイアル中に静置し、365nmのUV光を照射して撮影した写真の画像解析により算出される蛍光強度の時間変化を示す図である(実施例85)。 図22は、<方法2>により、PVDFメンブランと、0、1または10ppmのメラミン溶液を用いて作製した試験片に対して、作製後1分経過後に365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例86)。 図23は、<方法2>により、ナイロンメンブランと、0、1または10ppmのメラミン溶液を用いて作製した試験片に対して、作製後1分経過後に365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例86)。 図24は、<方法2>により、コーヒーフィルタと、0、1または10ppmのメラミン溶液を用いて作製した試験片に対して、作製後1分経過後に365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例86)。 図25は、<方法2>により、PVDFメンブランと、調製粉乳を混入させた0、1、5または10ppmのメラミン溶液を用いて作製した試験片に対して、作製後1分経過後に365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例86)。 図26は、<方法2>により、PVDFメンブランと、調製粉乳を混入させた10ppmのメラミン溶液を用い、ただし溶液のスポット数を変化させて作製した試験片に対して、作製後1分経過後に365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例86)。 図27は、<方法2>により、PVDFメンブランと、0、1あるいは10ppmのメラミン溶液(抽出溶媒としてアセトンを使用)を用いて作製した試験片に対して、エタノールをスポット付着させた直後に365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例87)。 図28は、<方法2>により、PVDFメンブランと、調製粉乳を混入させた0、1、5あるいは10ppmのメラミン溶液(抽出溶媒としてアセトンを使用)を用いて作製した試験片に対して、エタノールをスポット付着させた直後に365nmのUV光を照射して撮影した写真である(実施例87)。
本明細書中「n」はノルマルを、「sec」はセカンダリーを意味する。
本明細書において示される各基は、具体的には以下の通りである。
炭素原子数1ないし9のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,8−オクチレン基、ノナメチレン基等の直鎖状のアルキレン基、プロパン−1,2−ジイル基、3−メチルペンタン−1,5−ジイル基等の分枝鎖状のアルキレン基を例示することが出来る。
1ないし3個の酸素原子で中断された炭素原子数1ないし9のアルキレン基とは、アルキレン鎖中に酸素原子が含まれる基、アルキレン鎖の少なくとも一方の末端に酸素原子が結合する基、又はアルキレン鎖中に酸素原子が含まれ且つアルキレン鎖の少なくとも一方の末端に酸素原子が結合する基、のいずれの場合の基をも意味するものである。
その具体例としては、1−オキシ−1,3−プロピレン基、1,4,7−トリオキシノナン−1,9−ジイル基、1−オキシペンタン−1,5−ジイル基、1,4−ジオキシヘキサン−1,6−ジイル基、3−オキシペンタン−1,5−ジイル基等のオキシアルキレン基を例示することが出来る。
炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基としては、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、エチル基、メチル基等の、直鎖状、分枝鎖状又は環状のものを包含した脂肪族飽和炭化水素基を例示することが出来る。
炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基としては、ビニル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテン−1−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、3−ブテン−2−イル基、2,2−ジメチルビニル基、1−ペンテン−1−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、4−ペンテン−1−イル基、4−ペンテン−2−イル基、4−ペンテン−3−イル基、4−ペンテン−4−イル基、1,2−ジメチル−1−ブテン−1−イル基、1−オクテン−1−イル基、1−デセン−1−イル基、1−ドデセン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、1−シクロヘキセン−3−イル基、1−シクロオクテン−1−イル基、1−メチル−1−シクロヘキセン−2−イル基、フェニル基、アルファナフチル基、ベータナフチル基、ベータアントリル基、オルトビフェニル基、メタビフェニル基、パラビフェニル基、ベンジル基、1−又は2−フェニルエチル基等の、直鎖状、分枝鎖状又は環状の脂肪族不飽和炭化水素基、及び、芳香族炭化水素基を例示することが出来る。
炭素原子数7以下の置換基としては、前記炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基において挙げた基、n−ヘプチル基、前記炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基において挙げた基の内の炭素原子数が7以下の基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジロキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、ジメチルアミノ基、カルボメトキシ基、カルボエトキシ基、シアノ基、アセチル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基等を例示することができる。
またハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等を例示することが出来る。
前記一般式(1)で表される化合物を構成する基Aの母体となる共役化合物A′は、光化学の研究において従来報告されて来たいかなるものでもよいが、検出の簡便さの面からは、可視光領域に蛍光を示すものが好ましく、電界発光材料として研究開発されてきた構造を含め、多様な共役分子を用いることが出来る。
中でも好適なものとして、一般式(2)
(式中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、R1とR2互いに同じであっても異なっていてもよい。式中の波線は二重結合に対してE体、Z体、又はそれらの任意の割合の混合物であることを示す。)で表される化合物、一般式(3)
(式中、R3は、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表す。)で表される化合物、一般式(4)
(式中、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、R4とR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。)で表される化合物等を例示することが出来る。
尚、一般式(2)、式(3)及び式(4)で表される化合物における、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基、炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基及び炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子としては、前述に例示した基又は原子と同様の基又は原子を挙げることが出来る。
nが2又は4を示す場合の好ましい基Aの具体例としては、以下の式(2−a)、式(3−a)、式(4−a)又は式(2−a’)で表される2価又は4価の基等が挙げられる。
(式中、R1ないしR5、並びに式中の波線は前述の定義と同じ意味を表す。)
また、好適な一般式(1)で表される化合物として、下記式(5)、式(6)、式(7)又は式(8)で表される化合物を挙げることができる。
次に、一般式(1)で表される化合物の製造方法を説明する。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、以下のスキーム1に記載の方法に従って、製造することができる。
上記スキーム1中、A、B及びnは、前記と同じ意味を表し、Xは、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等)、脂肪族スルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等)又は芳香族スルホニルオキシ基(ベンゼンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基等)等の脱離基を表す。
即ち、式(1−a)で表される化合物とシアヌル酸を無溶媒又は適当な溶媒中、塩基の存在下又は非存在下で縮合させることにより一般式(1)で表される化合物を製造することができる。
尚、nが2又は4である場合における、好ましい式(1−a)で表される化合物としては、以下の式(2−b)、式(3−b)、式(4−b)又は式(2−b’)で表される化合物等が挙げられる。
(式中、R1ないしR5、B及びX、並びに式中の波線は前述の定義と同じ意味を表す。)
本発明はまた、前記式(1)で表されるシアヌル酸誘導体を用いることを特徴とする、検体に含まれるメラミンの検出方法を対象とする。
本発明のメラミンの検出方法は、
i)前述の式(1)で表されるシアヌル酸誘導体を含む溶液に検体を添加し、混合する工程、及び
ii)検体が混合された溶液に光を照射し、該溶液からの蛍光強度を測定する工程
を含むことを特徴とする。
メラミンの検出に当たっては、メラミンを含む検体と前記一般式(1)で表される化合物とを、適当な媒体中で混合して相互作用させ、目視又は蛍光光度計で蛍光強度の増大によって判定することが出来る。その際、媒体によっては相互作用を十分に進行させるために必要に応じて超音波照射等により混合物を振とうしてもよい。
また、シアヌル酸誘導体を含む溶液に使用する溶媒は、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合溶媒であることが望ましい。
メラミンの検出方法に用いる媒体、すなわちシアヌル酸誘導体を含む溶液に使用する溶媒の具体例しては、水、または、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等の有機溶媒、または、これらの有機溶媒と水とを混合した混合溶媒を用いることが出来る。
また、検体が混合された溶液に照射する光が紫外線であること、並びに、蛍光強度を測定する測定が、目視により行われるか又は蛍光光度計を用いて行われることが好ましい。
なお、上記検出方法において、ii)蛍光強度を測定する工程の前に、当業者が通常使用し得る方法を用いて、検体が混合された溶液を濃縮してもよい。
本発明によれば、メラミンの検出方法の別の手法として、検体及びシアヌル酸誘導体をメンブランにスポット付着させた試験片を用いることによっても、検体に含まれるメラミンを検出することができる。この場合、検体とシアヌル酸誘導体をメンブランに付着させる順序はいずれが先であってもよい。
より具体的には、本発明は、
i)検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液をメンブランにスポット付着させ、乾燥させる操作を1回為すか、又は同操作を最大10回まで繰り返す工程、
ii)工程i)で形成されたメンブラン上の付着スポットに、前記式(1)で表されるシアヌル酸誘導体を含む溶液をスポット付着させる工程、及び
iii)前記メンブラン上の付着スポットに光を照射し、該付着スポットからの蛍光強度を測定する工程、
を含むことを特徴とするメラミンの検出方法に関する。
また、本発明は、
i)前記式(1)で表されるシアヌル酸誘導体を含む溶液をメンブランにスポット付着させ、乾燥させる工程、
ii)検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液を、工程i)で形成されたメンブラン上の付着スポットにスポット付着させ、乾燥させる操作を1回為すか、又は同操作を最大10回まで繰り返す工程、及び
iii)前記メンブラン上の付着スポットに光を照射し、該付着スポットからの蛍光強度を測定する工程、
を含むことを特徴とする、メラミンの検出方法に関する。
本発明のメラミンの検出方法に使用されるメンブランは、メンブラン自体が、例えば、紫外線照射によって蛍光を発するものを除いて、特に限定されない。
本発明で使用可能なメンブランは、例えば、市販の標準ろ紙(例えばアドバンテック社製など)、低蛍光ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;PVDF)メンブラン(例えばGEヘルスケア社製など)、ナイロンメンブラン(例えばワットマン社(現:GEヘルスケア社)製など)、及び酵素漂白コーヒーフィルタ(例えば(株)カリタ製など)を使用することが挙げられる。これらの中でも好ましくは、PVDFメンブランである。
また、本発明において、メンブランを用いてメラミンを検出する場合、メラミンを含むことが疑われる検体は、固体又は液体のいずれであってもよい。メンブランに検体をスポット付着させる際には液体の形態として調製することが好ましく、使用可能な媒体(溶媒)としては、ただしこれらに限定されないが、水、または、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル等の有機溶媒、または、これらの有機溶媒と水とを混合した混合溶媒が挙げられる。好ましくは、エタノール又はアセトンである。
メンブランを用いる本検出方法では、蛍光強度を測定する工程の前に、検体とシアヌル酸誘導体を付着させたメンブラン表面が乾燥している場合には、上記媒体(溶媒)をさらに付着させたスポットの上からスポット付着させてもよい。
したがって、本発明の検出方法において、前記工程iii)の前に、メンブラン表面上に前記溶媒をさらにスポット付着させるか、或いは、該メンブランを密閉容器(例えば、プラスチック製容器、バイアル、セル)に入れることにより、該メンブラン表面の乾燥を防ぐ工程をさらに含んでいてもよい。
本発明のメラミンの検出方法では、メンブラン上にシアヌル酸誘導体を含む溶液と、検体を含む試験液をスポット付着させるが、検体を含む試験液はスポット付着させた後、乾燥させて、同試験液を同一個所に重ねてスポット付着させる工程を繰り返してもよい。繰り返しの数は、当業者であれば適宜調整することができ、特に限定されないが、好ましくは、最大10回、1〜7回、1〜5回、2〜5回、3〜5回、1〜4回、2〜4回、5回、4回、3回、2回、1回である。
上述の本発明の検出方法において、検体が混合された溶液(試験液)に照射する光、並びに、メンブラン上の付着スポットに照射する光は、好ましくは紫外線である。その光源は共役化合物A′の吸収波長近辺の波長の光を放射するものであればいかなるものを用いてもよく、共役化合物の構造に応じて、キセノンランプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯等を用いることが出来るが、必要に応じて、キセノンランプからの放射光を分光して用いてもよく、簡便には、クロマトグラフィー作業において検出に用いる紫外線ランプを用いることも出来る。
光照射に用いる検出は、一般に裸眼による目視でも容易に行えるが、蛍光光度計を用いることにより定量的データを得ることも出来る。
尚、検出に用いる蛍光の好ましい波長範囲としては、例えば、430nmないし600nm、また、460nmないし550nmの範囲等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例中の記載に使用されている略号の意味を以下に説明する。
DBU=1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エン
THF=テトラヒドロフラン
DMF=N,N−ジメチルホルムアミド。
実施例1 化合物(5)の合成
磁気撹拌子を備えた100mL二口フラスコを窒素置換した。窒素雰囲気下、シアヌル酸(1.20g、9.26mmol)、DMF(8mL)、DBU(0.29mL、1.85mmol)、1,2−ジフェニル−1,2−ジ[p−(4−ブロモブトキシ)フェニル]エテン(587mg、0.926mmol)のDMF(1.5mL)溶液を加えた。その後、70℃で21時間20分撹拌した。低沸点物を減圧留去し、THF(30mL)を加えて、析出する固体を濾過により除いた。濾液を減圧留去し、再びTHF(15mL)を加えて析出物を濾過し、濾液を減圧留去し、黄色固体(800mg)を得た。このうち200mgを用いて次のようにGPC分取を行った。黄色固体をTHF(3mL)に溶解し、0.45μMのメンブレンフィルターで不溶物を取り除いた後にGPC分取(THF溶媒、流速2.50mL/分)することにより、薄黄色固体を40.1mg得た。このうち30.5mgにベンゼン(3mL)を加えて、凍結脱気することにより、化合物(5)(28.3mg)を得た(0.203mmol、収率22%)。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、物性値や分光学的データは以下の通りであった。
白色粉末(シス体とトランス体の混合物)、158.1℃(分解)。
1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 1.64 (br, 16H, OCH2CH2 + NCH2CH2), 3.66 (br, 8H, NCH2), 3.87 (br, 8H, OCH2), 6.65 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 4H, ArH), 6.69 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 4H, ArH), 6.81 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 4H, ArH), 6.85 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 4H, ArH), 6.92 ? 6.97 (m, 8H, ArH), 7.06 ? 7.17 (m, 12H, ArH), 11.40 (s, 8H, NH)
13C NMR (75 MHz, DMSO?d6) δ 24.3 (× 2), 26.1 (× 2), 67.0 (× 2), 113.7 (× 2), 126.3 (× 2), 127.8 (× 2), 127.9 (× 2), 130.8 (× 2), 132.0 (× 2), 135.6 (× 2), 139.3 (× 2), 143.8 (× 2), 148.8 (× 2), 150.0 (× 2), 157.0 (× 2).
高分解能MS (FAB, マトリックス=3?ニトロベンジルアルコール) C40H38N6O8 ([M]+) としての計算値 m/z 730.2751, 実測値 730.2740.
実施例2 化合物(6)の合成
窒素置換し、磁気撹拌子を備えた50mL二口メスフラスコに、シアヌル酸(1.29g,10.0mmol)、DMF(12mL)、DBU(0.30mL,2.01mmol)および1,1,2,2−テトラキス(4−(2−(2−ブロモエトキシ)エトキシ)フェニル)エテン(0.501g,0.500mmol)のDMF溶液(8mL)を加えた。その後70℃で24時間加熱撹拌した。低沸点物を減圧留去し、THF(30mL)を加えて析出する固体を濾過により除去した。再びTHF(20mL)を加えて、析出する固体を濾過により除去した。再度THF(15mL)を加えて析出物を濾過し、濾液を減圧留去し、黄色固体(785mg)を得た。このうち300mgを用いて次のようにGPC分取を行った。黄色固体をTHF(3mL)に溶解させ、メンブレンフィルターで少量の不溶物を除去した後にGPC分取(流速:2.50mL/分、THF溶媒)を行い、化合物(6)(27.1mg)を得た(0.0227mmol、換算収率12%)。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、物性値や分光学的データは以下の通りである。
黄色固体、融点110.4-111.3℃。
1H NMR (THF-d8, 300 MHz) δ 1.69 (br, 8H, CH2N), 3.62 (t, J = 6.0 Hz, 8H, ArOCH2CH2), 3.70 (t, J = 4.8 Hz, 8H, CH2CH2N), 3.92 (t, J = 6.0 Hz, 8H, ArOCH2), 6.59 (d, J = 8.1 Hz, 8H, ArH), 6.84 (d, J = 8.1 Hz, 8H, ArH), 10.4 (s, 8H, NH)
13C NMR (THF-d8, 75 MHz) δ 40.4, 68.0, 68.1, 69.7, 114.2, 133.1, 137.7, 139.2, 148.8, 150.4, 158.2
高分解能MS (FAB, マトリックス=3−ニトロベンジルアルコール) C54H56N12O20 ([M+])としての計算値 m/z 1192.3734, 実測値1192.3728.
実施例3 化合物(7)の合成
窒素置換し、磁気撹拌子を備えた30mL二口フラスコに、シアヌル酸(0.855g,6.63mmol)、DMF(12mL)、DBU(0.200mL,1.34mmol)、及び1,2−ジフェニル−1,2−ビス(4−(2−(2−(2−ブロモエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル)エテン(498mg,0.661mmol)のDMF(8mL)溶液を順次加えた。その後、60℃で3日間加熱撹拌した。その後、反応溶液にトルエン(150mL)を加えて、濾過をし、白色濾物を0.962g得た。この固体にTHF(15mL)を加えて、析出する固体を濾過により除去した。濾液を減圧留去し、再びTHF(5mL)を加えて析出物を濾過し、低沸点物を減圧留去して白色固体(351mg)を得た。このうち、220mgを用いて次のようにGPC分取を行った。白色固体をTHF(3mL)に溶解し、0.45μmメンブレンフィルターで少量の不溶物を取り除いた後にGPC分取(流速:2.50mL/分、THF溶液)を行い、化合物(7)(15.7mg)を得た(0.0185mmol、換算収率4.5%)。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、物性値や分光学的データは以下の通りである。
黄色固体(シス体とトランス体の混合物)、融点51.6-65.7℃。
1H NMR (THF-d8, 300 MHz) δ 1.67 (br, 8H, CH2N, cis + trans), 3.52-3.59 (m, 24H, ArOCH2CH2OCH2 + ArOCH2CH2OCH2CH2 + CH2CH2N, cis + trans), 3.67 (t, J = 4.5 Hz, 4H, OCH2CH2, cis or trans), 3.68 (t, J = 4.5 Hz, 4H, OCH2CH2, cis or trans), 3.92 (t, J = 4.5 Hz, 4H, OCH2, cis or trans), 3.98 (t, J = 4.5 Hz, 4H, OCH2, trans or cis), 6.58 (AA'BB', J = 9.0 Hz, 4H, ArH, cis or trans), 6.59 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 4H, ArH, cis or trans), 6.82 (AA'BB', J = 9.0 Hz, 4H, ArH, cis or trans), 6.83 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 4H, ArH, cis or trans), 6.90-7.04 (m, 20H, ArH, cis + trans)
13C NMR (THF-d8, 75 MHz) δ 26.2 (× 2), 68.0, 68.1, 70.4 (× 2), 70.9 (× 2), 71.4 (× 2), 114.2, 114.3, 126.67, 126.73, 128.1, 128.2, 132.0, 132.1, 133.07, 133.10, 137.00, 137.03, 140.5 (× 2), 145.18, 145.24, 148.9 (× 2), 150.4 (× 2), 158.42, 158.45
高分解能MS (FAB, マトリックス=3−ニトロベンジルアルコール) C44H46N6O12 ([M]+)としての計算値m/z 850.3174, 実測値850.3162.
実施例4 化合物(8)の合成
窒素置換し、磁気撹拌子を備えた30mL三口ナスフラスコに、シアヌル酸(0.480g,3.72mmol)、DMF(2mL)、DBU(0.111mL,0.742mmol)を加えた。その後1,2−ジフェニル−1,2−ビス(4−(2−(2−ブロモエトキシ)エトキシ)フェニル)エテン(0.247g,0.371mmol)のDMF(3mL)溶液を加え、70℃で24時間撹拌した。低沸点物を減圧留去し、THF(10mL)を加え、析出した固体を濾過により除去した。濾液を減圧留去し、再度THF(5mL)を加えて析出物を濾過し、濾液を減圧留去し、白黄色固体(0.713g)を得た。このうち、0.300gを用いて次のようにGPC分取を行った。白黄色固体をTHF(3mL)に溶解し、0.45μmメンブレンフィルターで少量の不溶物を取り除いた後にGPC分取(流速:2.50mL/分、THF溶液)を行い、化合物(8)(59.5mg)を得た(0.0780mmol、換算収率36.1%)。
本化合物は文献未収載の新規化合物であり、物性値や分光学的データは以下の通りである。
黄色固体(シス体とトランス体の混合物)、106.0℃(分解)。
1H NMR (acetone-d6, 300 MHz) δ 3.67 (t, J = 6.3 Hz, 4H, CH2N, cis or trans), 3.71 (t, J = 6.0 Hz, 4H, CH2N, cis or trans), 3.77 (t, J = 4.2 Hz, 4H, ArOCH2CH2, cis or trans), 3.80 (t, J = 3.6 Hz, 4H, ArOCH2CH2, cis or trans), 3.69-4.05 (m, 16H, CH2CH2N + ArOCH2, cis + trans), 6.69 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 8H, ArH, cis + trans), 6.91 (AA'BB', J = 8.7 Hz, 8H, ArH, cis + trans), 6.99-7.15 (m, 20H, ArH, cis + trans), 10.3 (brs, 8H, NH, cis + trans)
13C NMR (acetone-d6, 75 MHz) δ 40.3, 40.4, 67.68 (× 2), 67.72 (× 2), 69.5 (× 2), 114.1, 114.2, 126.7, 126.8, 128.1, 128.2, 131.69, 131.72, 132.8, 132.9, 136.8, 136.9, 140.3 (× 2), 144.8, 144.9, 148.5, 148.6, 150.16, 150.19, 157.99, 158.01
高分解能MS (FAB, マトリックス=3−ニトロベンジルアルコール) C40H38N6O10 ([M]+)としての計算値 m/z 762.2649, 実測値762.2644.
実施例5〜10
アセトニトリルに化合物(5)を10μMの濃度で溶解し、ここにメラミンをその濃度が1μM(実施例5)、5μM(実施例6)、7.7μM(実施例7)、10μM(実施例8)、15μM(実施例9)、又は20μM(実施例10)となるように加えた。
各溶液を超音波照射によって混合しながら、励起波長350nmにて蛍光スペクトルを測定した。図1に、メラミン添加後の超音波照射時間(横軸)に対して、波長500nmにおける蛍光強度(励起波長:350nm)(縦軸)を示した図を示す。
図1に示す通り、メラミン濃度が1μM(実施例5)では、5時間経過後も蛍光強度の増大は認められなかったが、5μM以上(実施例6〜10)では1.5時間以上の超音波照射で蛍光強度の著しい増大が認められ、その傾向はメラミンが高濃度であるほど著しくなった。なお、実施例7のメラミン濃度7.7μMは米国食品医薬品局の定めた幼児用粉ミルク中に許容される最大メラミン濃度1ppmに相当し、この一連の実施例は、それより低濃度のメラミン(例えば実施例6)であっても、時間をかけることで、メラミンが検出可能であることを示している。
実施例11〜25
実施例5〜10と同様に、化合物(5)を10μMの濃度で溶解したアセトニトリル溶液に対して、濃度が1μM(0.13ppm相当:実施例11)、2μM(0.26ppm相当:実施例12)、3μM(0.39ppm相当:実施例13)、5μM(0.65ppm相当:実施例14)、7.7μM(1.0ppm相当:実施例15)、10μM(1.3ppm相当:実施例16)、15μM(1.9ppm相当:実施例17)、20μM(2.6ppm相当:実施例18)、50μM(6.5ppm相当:実施例19)、100μM(13ppm相当:実施例20)、200μM(26ppm相当:実施例21)、1540μM(200ppm相当:実施例22)、7700μM(1000ppm相当:実施例23)、23100μM(3000ppm相当:実施例24)又は46200μM(6000ppm相当:実施例25)となるようにメラミンを加えて、3時間超音波照射し、その後蛍光スペクトルを測定した。
図2に、メラミン濃度(対数目盛、横軸)に対して、波長500nmにおける蛍光強度(励起波長:350nm)(縦軸)をプロットした図を示す。また、図3には、実施例11〜18及び実施例25の、波長370nmから600nmの蛍光スペクトル(励起波長350nm)を示す。
図2において点線で示す1ppmの濃度は、米国食品医薬品局の定めた幼児用粉ミルク中に許容される最大メラミン濃度であり、メラミン濃度7.7μMに相当する。図2に示すように、1ppm(7.7μM)の前後(5〜20μM)でちょうど蛍光強度の立ち上がりが観測されており、米国食品医薬品局の許容基準によくマッチした検出感度であるとする結果が得られた。また、それより遙かに高濃度のメラミンを含む場合であっても、メラミンのない場合に比べて極めて大きな蛍光強度を示しており、本発明の検出方法が広い範囲のメラミン濃度に対応する検出能力を持っていることが確認された。
実施例26〜31
メラミンを1ppm含む検体を以下のように調製した。市販品の調製粉乳(明治ほほえみらくらくキューブ、(株)明治)を調乳方法に従い、粉乳(1ブロック)を蒸留水(40mL)に溶解した。ここにメラミン(4.00mg、0.317μmol)を加えて、30分間超音波を照射した。その後、このうち2.0mLを量りとり、アセトニトリル(78mL)を加えて抽出操作を行った。アセトニトリルに不溶な白色沈殿物が析出するため、3000rpmで30分間遠心分離し、無色の上澄み液(2.0mL)を0.45μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、メラミンを含む調製粉乳抽出アセトニトリル溶液を得た。濾液を減圧留去した後、ここに化合物(5)の濃度が100μMとなるようにアセトニトリルに溶解したストックソリューション(0.50mL)およびアセトニトリル(4.5mL)を加えて3時間超音波照射することにより、メラミンを1ppm含む検体を得た。この検体をIIIとする。
同様の方法で、メラミンを10ppm、300ppm、又は3000ppm含む検体を得た。これらの検体をそれぞれIV、V、VIとする。なお、対照試料として、メラミンを含まないサンプルI、IIも同様の手順にて準備した。準備した6種の検体の詳細は以下のとおりである。
こうして得られた各検体の蛍光スペクトルを測定し(励起波長:350nm)、また、検体I〜IVに365nmのUVランプで光照射して蛍光を観測し、写真撮影した。図4に蛍光スペクトルを、図5に蛍光観察の結果を示す。図4に示すように、メラミン濃度が1ppm(検体III)であっても蛍光強度の増大が観測され、また図5の写真に示すように、目視でも容易に判定可能であるとする結果が得られた。また、多量のメラミンを含む場合(検体IV〜VI)であっても、メラミンのない場合に比べて著しい蛍光強度の増大が認められ、本発明の検出方法が、広い濃度範囲のメラミンの検出が可能であることを示している。
実施例32〜35
アセトニトリル−水(1:1)混合溶媒に、化合物(5)を10μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを、それぞれ濃度が0μM(実施例32)、500μM(実施例33)、1000μM(実施例34)又は5000μM(実施例35)となるように加えた試料を用意し、これらの蛍光スペクトルを測定した(励起波長:350nm)。得られた結果を図6に示す。
図6に示すように、メラミンの濃度が1000μM(631ppm)で蛍光強度が増加しはじめ、5000μMでは著しく高くなり、高濃度のメラミンを検出できるとする結果が得られた。
実施例36及び37
THFに化合物(5)を10μMの濃度で溶解し、メラミンをその濃度が500μMとなるように加えた試料(実施例36)、及び、対照データとして、メラミンを加えない試料(実施例37)を用意し、励起波長350nmで励起した際の蛍光スペクトルを測定した。得られた結果を図7に示す。
図7に示すように、溶媒がTHFの場合においてもメラミンの存在により蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例38〜44
エタノールに化合物(5)を100μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを、それぞれ濃度が0ppm(実施例38)、1ppm(実施例39)、2ppm(実施例40)、4ppm(実施例41)、6ppm(実施例42)、8ppm(実施例43)、又は10ppm(実施例44)になるように加えた試料を用意し、2時間超音波照射後に蛍光スペクトルを測定した(励起波長350nm)。得られた結果を図8に示す。
図8に示すように、溶媒がエタノールの場合においてもメラミンの存在で蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例45〜51
エチレングリコールジメチルエーテルに化合物(5)を100μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを、それぞれ濃度が0ppm(実施例45)、1ppm(実施例46)、2ppm(実施例47)、4ppm(実施例48)、6ppm(実施例49)、8ppm(実施例50)、又は10ppm(実施例51)になるように加えた試料を用意し、2時間超音波照射後に蛍光スペクトルを測定した(励起波長350nm)。得られた結果を図9に示す。
図9に示すように、溶媒がエチレングリコールジメチルエーテルの場合においてもメラミンの存在で蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例52〜55
アセトンに化合物(5)を10μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを0ppm(実施例52)とした試料、またはメラミンを1ppmを加えた試料を2時間、超音波照射(実施例53)、撹拌(実施例54)あるいは静置(実施例55)し、蛍光スペクトルを測定した(励起波長350nm)。得られた結果を図10に示す。
図10に示すように、溶媒としてアセトンを用いた場合でも、静置又は撹拌によってメラミンの存在で蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例56及び57
化合物(5)(3.65mg,5.00μmol)をアセトン(25mL)に溶解し、200μMの溶液を調製した。また市販品の調製粉乳(明治ほほえみらくらくキューブ、(株)明治)(1.35g)にメラミン(0.103g:10ppmに相当)を添加し、次いでアセトン(5mL)を加え、3分間激しく撹拌した。上澄み溶液を、脱脂綿を詰めたパスツールピペットで濾過し、この濾液(2.0mL)に先に調製した化合物(5)の溶液を2.0mL加え、室温で3時間静置した後に蛍光スペクトルを測定し、またUV光(365nm)照射下での写真を撮影した(実施例56)。なお、対照試料として、メラミンを含まないサンプルも同様に作成し、蛍光スペクトル測定及び写真撮影を行った(実施例57)。得られた結果を図11(蛍光スペクトル)及び図12(UV光照射下の写真)に示す。
図11に示すように、メラミンが混入した粉ミルクのサンプルでは、蛍光強度の著しい増加が観測され、また図12に示すように目視によっても青色蛍光が観測されることから、アセトン中でも調製粉乳に混入したメラミンの検出が出来るとする結果が得られた。
参考例1〜7
メラミンと類似構造を持つアンメリン(参考例3)、アンメリド(参考例4)、ウラシル(参考例5)、シトシン(参考例6)、チミン(参考例7)について、それぞれの濃度が100μMとなるように化合物(5)の10μMアセトニトリル溶液に加え、3時間超音波を照射した。同様に、アンメリン、アンメリド、ウラシル、シトシン、チミン、メラミンのいずれをも加えないブランクの試料(参考例1)、および、メラミンを加えた試料(参考例2)も調製したが、メラミンについてはその濃度が10μMとなるように加えた。これらの試料について蛍光スペクトルを測定(励起波長:350nm)し、また、UV光(365nm)照射下での写真を撮影した。図13の上段に波長500nmでの各試料の蛍光強度を、図13の下段に各試料の蛍光の写真を示す。
図13に示すように、メラミン以外は波長500nm付近の青色蛍光は実質的にほとんど観測されず、本発明の検出方法がメラミンを特異的に検出できるとする結果が得られた。
尚、上記の化合物の構造は以下の通りである。
実施例58〜62
THFに、化合物(6)を10μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを、それぞれ濃度が0μM(実施例58)、10μM(実施例59)、20μM(実施例60)、50μM(実施例61)、又は100μM(実施例62)となるように加えた試料を用意し、3時間超音波照射後に蛍光スペクトルを測定した(励起波長350nm)。得られた結果を図14に示す。
図14に示すように、化合物(6)を用いた場合においてもメラミンの存在で蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例63〜69
アセトニトリルに、化合物(7)を10μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを、それぞれ濃度が0ppm(実施例63)、1ppm(実施例64)、10ppm(実施例65)、20ppm(実施例66)、30ppm(実施例67)、40ppm(実施例68)、又は50ppm(実施例69)となるように加えた試料を用意し、3時間超音波照射後に蛍光スペクトルを測定した(励起波長350nm)。得られた結果を図15に示す。
図15に示すように、化合物(7)を用いた場合においてもメラミンの存在で蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例70〜76
アセトンに、化合物(8)を10μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを、それぞれ濃度が0ppm(実施例70)、1ppm(実施例71)、2ppm(実施例72)、3ppm(実施例73)、4ppm(実施例74)、5ppm(実施例75)、又は10ppm(実施例76)となるようにを加えた試料を用意し、これを3時間静置した後、蛍光スペクトルを測定した(励起波長350nm)。得られた結果を図16に示す。
図16に示すように、アセトン中で化合物(8)を用いた場合においてもメラミンの存在で蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例77〜83
アセトニトリルに、化合物(8)を10μMの濃度で溶解し、ここにメラミンを、それぞれ濃度が0ppm(実施例77)、1ppm(実施例78)、2ppm(実施例79)、3ppm(実施例80)、4ppm(実施例81)、5ppm(実施例82)、又は10ppm(実施例83)となるように加えた試料を用意し、3時間超音波照射後に蛍光スペクトルを測定した(励起波長350nm)。得られた結果を図17に示す。
図17に示すように、アセトニトリル中で化合物(8)を用いた場合においてもメラミンの存在で蛍光が著しく強くなるとする結果が得られた。
実施例84
化合物(5)を用い、以下の方法1又は2に示す方法により試験片を作製し、メンブラン上でメラミンを検出する実験を行った。メンブランとしては、標準ろ紙(アドバンテック社製 No.2、サイズ:6Φあるいは5mm×5mm)、低蛍光ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride;PVDF)メンブラン(GEヘルスケア社製、Hybond−LFP、サイズ:6Φ)、ナイロンメンブラン(ワットマン社(現:GEヘルスケア社)製、Nytran N、サイズ:6Φ)、酵素漂白コーヒーフィルタ((株)カリタ製、サイズ:6Φ)を使用した。
<方法1>
各濃度のメラミンのエタノール溶液をメンブランにパスツールピペット(又はマイクロピペット)で2滴(1滴≒10μL)スポット付着させた後、メンブランを乾燥させた。この操作を5回繰り返し、メンブラン上に合計10滴分のメラミンの溶液をスポット付着させた。次いで、メラミンの溶液をスポット付着させた上記メンブランに、化合物(5)のエタノール溶液(100μM)をパスツールピペットで2滴滴下し、バイアル(高さ5.5cm、底の直径1.6cm)中で蓋をして静置、又はメンブランをスライドガラスに載せ、そのまま静置した。
<方法2>
化合物(5)のエタノール溶液(100μM)をパスツールピペット(又はマイクロピペット)でメンブランに2滴(1滴≒10μL)滴下し、メンブランを乾燥させた。次いで、各濃度のメラミンのエタノール溶液をパスツールピペット(又はマイクロピペット)を用いてメンブランに2滴(1滴≒10μL)スポット付着させ、そのまま静置した。メンブランの種類に応じて、メラミンのエタノール溶液をさらにスポット付着させた後、乾燥させる工程を1〜4回繰り返した。繰り返し操作の最終回においては、乾燥させずに、メンブランをスライドガラスに載せ、そのまま静置した。
また、上記方法に準じて、溶媒としてエタノールに代えてアセトンを使用する場合には、まず化合物(5)のアセトン溶液(100μM)をメンブランに滴下し、乾燥させた。次いで、メラミンのアセトン溶液をスポット付着させ、乾燥させる工程を全5回行った(メンブラン上に合計10滴のメラミンのアセトン溶液を滴下したことになる)。その後、メンブランをスライドガラスに載せ、乾いたメンブランを濡らすために、エタノールをパスツールピペット(又はマイクロピペット)で1滴滴下し、そのまま静置した。
なお、<方法1>および<方法2>のいずれの場合も、メラミン濃度が0ppmの対照試料として、メラミン溶液をメンブランにスポット付着させずに化合物(5)のエタノール溶液のみをスポット付着させた試験片を作製した。
以上の<方法1>あるいは<方法2>で作製した試験片に、365nmのUV光を照射し、試験片の蛍光観測、又はUV光照射下での写真を撮影し、さらに撮影したデジタル写真を用いてデータの画像解析(ImageJを使用)により蛍光の強度を数値化し、メラミンの検出実験を行った。
次に、調製粉乳に混入させたメラミンの検出実験を行った。典型例として、調製粉乳に10ppmのメラミンを混入させた検体をエタノールを用いて調製する方法を以下に記す。
乳児用調製粉乳(1.35g)にメラミン(0.101mg)を添加し、次いでエタノール(10mL)を加え、室温で5分間撹拌した。得られた上澄み溶液を、綿を詰めたパスツールピペットを用いてろ過し、ろ液を検体として用いた。この検体と、化合物(5)(100μM)のエタノール溶液を用い、前述の<方法2>と同じ操作を行い、試験片を作製した。
なお、アセトンを溶液の溶媒とした用いた場合、アセトンの気化が早く乾いた状態ではメラミンの有無にかかわらず蛍光が観測されるため、調製粉乳のアセトン溶液のろ液をスポット付着させた後、メンブランにエタノールを1滴スポット付着させたものを試験片として用いた。
また、メラミン0ppmの対照試料として、調製粉乳にメラミンを混入させず先と同様にろ過したろ液を用いた。
実施例85
方法1を用いて、メラミン検出における各メンブランの効果と、各種メラミン濃度に対する蛍光強度の変化を経時的に調べた。使用したメンブランは、標準ろ紙とPVDFメンブランである。各メンブランに、0又は10ppmのメラミン溶液を用いて方法1によって作製した試験片をバイアル中に3時間静置し、365nmのUV光を照射して写真を撮影した。得られた結果を図18と19に示す。
ろ紙を使用した場合(図18)、メラミン0ppmの試験片でろ紙自体の蛍光が観測されるものの、10ppmのメラミン溶液をスポット付着させた試験片がより明るく蛍光を示していることから容易に識別でき、メラミンを検出可能であるとする結果が得られた。同様に、PVDFメンブランを用いた場合(図19)においても、10ppmのメラミン溶液をスポット付着させた試験片がより強く蛍光を示しており、メラミンを検出可能であるとする結果が得られた。
両メンブランを比較すると、PVDFメンブランの方がバックグランドの蛍光(0ppm)が殆どなく、メラミンの検出において検出感度が優れていると言える。そこで、さらに、PVDFメンブランを用いて、メラミン溶液の濃度を変化させた場合の検出限界について検討した。0ppm、1ppm、10ppm、50ppm、100ppm又は1000ppmのメラミン溶液を用い、方法1にてPVDFメンブランにスポット付着させた試験片を用意し、それらをバイアル中に3時間静置した後、365nmのUV光を照射して蛍光観察を行った。得られた結果を図20に示す。図20から明らかなように、1ppm以上のメラミン溶液を用いて作製した試験片の蛍光が目視により確認でき、メラミンが検出可能であるとする結果が得られた。
次に、上記の各種濃度のメラミン溶液を用いて作製した試験片における蛍光強度の経時変化を静置直後からのUV光照射下での写真のデータの画像解析により算出した。得られた結果を図21に示す。図21に示すように、メラミン濃度が10ppm以上の試験片では、数分から数十分以内で蛍光強度の増加が観察された。一方、メラミン濃度が1ppmの試験片では、1時間以上経過してようやく蛍光強度が増加しているものの、120分程度経過後であれば十分に蛍光強度の増加を観察することができた。
実施例86
方法2を用いて、メラミン検出における各メンブランの効果を調べた。使用したメンブランは、PVDFメンブラン、ナイロンメンブラン、及びコーヒーフィルタ(酵素漂白)である。メラミン溶液として濃度を0ppm、1ppm又は10ppmに調製したものを用いて各メンブランに滴下(10滴)した試験片を作製し、1分経過した試験片に365nmのUV光を照射して写真を撮影した。得られた結果を図22(PVDFメンブラン)、図23(ナイロンメンブラン)、図24(コーヒーフィルタ)に示す。
図22〜図24に示すように、いずれの試験片においても、10ppmのメラミン溶液をスポット付着させた試験片が蛍光を示していることがはっきりと確認でき、メラミンを検出することができた。特にPVDFメンブランを用いた試験片(図22)では、メラミン濃度が1ppmであっても、方法1と同様にはっきりとメラミンを検出することができた。
次に、検体としてメラミンを混入させた調製粉乳を用いた場合においても、上記と同様にメラミンを検出できるかどうかをPVDFメンブランを用いて試験した。方法2に従って調製した、調製粉乳に0ppm、1ppm、5ppm又は10ppmの濃度でメラミンを混入させた検体をスポット付着(10滴)させて試験片を作製し、1分経過時に365nmのUV光を照射して写真を撮影した。得られた結果を図25に示す。図25に示すように、5ppm及び10ppmのメラミン溶液をスポット付着させた試験片が蛍光を示し明るく観測されることから、調製粉乳に混入したメラミンを検出可能であるとする結果が得られた。
さらに、上記試験において検出限界を調べるために、調製粉乳の滴下数を変化させて試験を行った。調製粉乳に混入した10ppmのメラミン溶液のスポット数を計0滴、2滴、4滴、6滴又は8滴としてPVDFメンブランにスポット付着させて試験片を作製し、1分経過後に365nmのUV光を照射して写真を撮影した。得られた結果を図26に示す。図26に示すように、4滴以上の10ppmメラミン溶液をスポット付着させた試験片が蛍光を示し明るく観測されていることから、調製粉乳に混入したメラミンを検出可能であるとする結果が得られた。
実施例87
方法2において、PVDFメンブランと、エタノールの代りにアセトンを抽出溶媒として用いた0ppm、1ppm又は10ppmのメラミン溶液を用いて試験片を作製し、その後、アセトンの気化により乾燥した表面を濡らすためにエタノールをスポット付着させた。図27に、エタノールのスポット直後に365nmのUV光照射下で撮影した写真を示す。図27に示すように、1ppm又は10ppmメラミン溶液をスポット付着させた試験片が蛍光を示していることからアセトンを溶媒として用いた場合でもメラミンを検出可能であるとする結果が得られた。
次に、同様にして、メラミンを混入させた調製粉乳におけるメラミン検出を検討した。方法2に従って調製した、調製粉乳に0ppm、1ppm、5ppm又は10ppmの濃度でメラミンを混入させた検体をPVDFメンブランにスポット付着(10滴)させて試験片を作製し、乾燥した表面を濡らすため、試験片表面にエタノールをスポット付着させた。図28に、エタノールのスポット直後に365nmのUV光照射下で撮影した写真を示す。図28に示すように、1ppm、5ppm及び10ppmメラミン溶液をスポット付着させた試験片が蛍光を示していることから調製粉乳に混入したメラミンを、アセトンを用いても検出可能であるとする結果が得られた。
以上のように、メンブランを用いたメラミン検出系では、実施例5〜83と比較して、短時間(数分から数十分)で、しかも容易にメラミンを検出することができた。

Claims (10)

  1. 一般式(1)
    (式中、Aは共役化合物A’からn個の水素原子を除いたn価の残基を表し、Bは、単結合を表すか、もしくは、1ないし3個の酸素原子で中断されていてもよい炭素原子数1ないし9のアルキレン基(該アルキレン基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、nは2≦n≦8を満足する正の整数を示す。)で表されるシアヌル酸誘導体であって、
    該共役化合物A’が、一般式(2)
    (式中、 及び は、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、 は互いに同じであっても異なっていてもよい。式中の波線は二重結合に対してE体、Z体、又はそれらの任意の割合の混合物であることを示す。)で表されるジフェニルエテンであるシアヌル酸誘導体。
  2. 基Aが、下記式(2−a)又は式(2−a’)
    (式(2−a)中、R及びRは、各々独立して、水素原子、炭素原子数1ないし6の飽和炭化水素基(該飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)又は炭素原子数2ないし12の不飽和炭化水素基(該不飽和炭化水素基は、炭素原子数7以下の置換基又はハロゲン原子で置換されていても良い。)を表し、RとRは互いに同じであっても異なっていてもよい。式中の波線は二重結合に対してE体、Z体、又はそれらの任意の割合の混合物であることを示す。)
    で表される基である、請求項1に記載のシアヌル酸誘導体。
  3. 一般式(1)で表される化合物が、式(5)、式(6)、式(7)又は式(8)
    で表される化合物である、請求項1又は2に記載のシアヌル酸誘導体。
  4. 検体に含まれるメラミンの検出方法であって、
    i)請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシアヌル酸誘導体を含む溶液に検体を添加し、混合する工程、及び
    ii)検体が混合された溶液に光を照射し、該溶液からの蛍光強度を測定する工程
    を含むことを特徴とする、メラミンの検出方法。
  5. 検体に含まれるメラミンの検出方法であって、
    i)検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液をメンブランにスポット付着させ、乾燥させる操作を1回為すか、又は同操作を最大10回まで繰り返す工程、
    ii)工程i)で形成されたメンブラン上の付着スポットに、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシアヌル酸誘導体を含む溶液をスポット付着させる工程、及び
    iii)前記メンブラン上の付着スポットに光を照射し、該付着スポットからの蛍光強度を測定する工程、
    を含むことを特徴とする、メラミンの検出方法。
  6. 検体に含まれるメラミンの検出方法であって、
    i)請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシアヌル酸誘導体を含む溶液をメンブランにスポット付着させ、乾燥させる工程、
    ii)検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液を、工程i)で形成されたメンブラン上の付着スポットにスポット付着させ、乾燥させる操作を1回為すか、又は同操作を最大10回まで繰り返す工程、及び
    iii)前記メンブラン上の付着スポットに光を照射し、該付着スポットからの蛍光強度を測定する工程、
    を含むことを特徴とする、メラミンの検出方法。
  7. 前記工程iii)の前に、該メンブランを密閉容器に入れるか、又は該メンブラン表面上に溶媒をスポット付着させることにより、メンブラン表面の乾燥を防ぐ工程をさらに含む、請求項5又は請求項6に記載の方法。
  8. 前記シアヌル酸誘導体を含む溶液に使用する溶媒、及び、検体を混合、溶解又は懸濁させた試験液に使用する溶媒が、水、有機溶媒又は水と有機溶媒の混合溶媒である、請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記光が紫外線である、請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記蛍光強度を測定する工程が、目視により行われるか又は蛍光光度計を用いて行われる、請求項4ないし請求項9のいずれか1項に記載の方法。
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