JP5791428B2 - 双発機延長運航時のエンジン停止のリスク計算機 - Google Patents

双発機延長運航時のエンジン停止のリスク計算機 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は概して、航空機の運航に関するものである。さらに具体的には、本発明の実施形態は航空機の運航を決定することに関するものである。
国際民間航空機関(ICAO)の国際標準・勧告方式(SARP)では、双発機の民間飛行に対して規定を定めている。この規定によれば、双発機の民間飛行において最寄りの空港から片肺飛行の速度で飛行時間60分の距離を超える延長したルートを飛行することが許可されており、これは航空機とオペレータが上記運航を認可されている場合に限られる。この運航は、延長運航(ETOPS)と呼ばれる。
ETOPSの規則は、リスク予測に基づいている。航空機のオペレータは予測されるリスクがより低い時に、さらなる自由度を得ることができる。リスクをより正確に予測し低減することができれば、航空機のオペレータはよりまっすぐに、より多くの場所へと飛行することが可能になり得る。取締官がリスクの要因を知ることができれば、実質的に重要でないリスクのために運航を制限しなくなるだろう。現在世界中の多くの取締官は、リスクの要因に対する非最適な考え、及び現在の運航のリスクレベルに基づいて航空機の運航を必要以上に制限している。規則及び制限はしばしば、双発機のデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止のリスクに的外れに集中している。
延長運航(ETOPS)の飛行中の停止(IFSD)のリスク計算手段を使用して、ETOPSのデュアル・インディペンデント・エンジンのIFSDのリスクを解析するシステム及び方法が開示されている。双発機/エンジンの連携性能のデータセット、及びユーザ入力可変アレイ等の入力パラメータが提供されている。推力損失確率値等の出力パラメータ、及びETOPS飛行の様々な段階における飛行時間が計算される。リスクは、入力及び出力パラメータに基づいて、ETOPS IFSDリスク計算手段を使用して計算される。ETOPS IFSDリスク計算手段により、双発機のデュアル・インディペンデント・エンジンが飛行中に停止するリスクの予測値は、従来の解析及び数式に概して表される従来のリスク予測値よりも低く、他の既知のリスクよりも低いことが示される。このように、ETOPS IFSDリスク計算手段は、取締官にETOPSの規定時間を長くすることを許可することにより、双発機のETOPS運航の飛行時間の短縮、燃料消費量の削減、及び有料荷重範囲の拡大を可能にするように促し、またそれを可能にする。
第1の実施形態では、ある方法により延長運航(ETOPS)の飛行中の停止(IFSD)のリスク計算手段を使用して、ETOPSのデュアル・インディペンデント・エンジンのIFSDのリスクが解析される。本方法により、飛行固有データ、及びユーザー入力可変アレイを得るための双発機/エンジンの連携性能のデータセットが提供される。本方法では、ユーザ入力可変アレイ及び飛行固有データに基づいて飛行時間が計算される。本方法ではまた、ユーザ入力可変アレイ、飛行固有データ、及び飛行時間に基づいてETOPS飛行の様々な段階のデュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値も計算される。本方法では、デュアル・インディペンデント・エンジンの全推力損失確率値の合計に基づいて、ETOPS飛行でのデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止のリスク計算値が計算される。
第2の実施形態では、延長運航(ETOPS)のデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)リスクの解析システムは、双発機/エンジンの連携性能のデータセットを記憶し、飛行固有データを取得するのに使用可能なメモリモジュールを含む。本システムはさらに、ユーザ入力可変アレイを受けるのに使用可能な入力モジュールを含む。ユーザ入力可変アレイは、ETOPS飛行での特定の双発機/エンジン連携のパラメータと、飛行中の平均エンジン停止率を含む。本方法はまた、ユーザ入力可変アレイ、及び飛行固有データに基づいて飛行時間を計算するのに使用可能なETOPSのIFSDリスク計算モジュールも含む。ETOPSのIFSDリスク計算モジュールはさらに、ユーザ入力可変アレイ、及び飛行固有データ、及び飛行時間に基づいて確率値を計算する。ETOPSのIFSDリスク計算モジュールはさらに、確率値に基づいて、ETOPS飛行中の任意の時点から開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失のリスクを計算する。本方法はまた、ユーザ入力可変アレイ、確率値、及びリスクを表示スクリーン上に表示するのに使用可能な表示モジュールも含む。
第3の実施形態では、コンピュータによって読み取り可能な媒体は、延長運航(ETOPS)のデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスクをETOPS IFSDリスク計算手段を使用して解析するためのプログラムコードを含む。プログラムコードにより、飛行固有データと、ユーザ入力可変アレイを得るための双発機/エンジンの連携性能のデータセットが提供される。プログラムコードはさらに、ユーザ入力可変アレイと飛行固有データに基づき飛行時間を計算する。プログラムコードはさらに、ユーザ入力可変アレイ、飛行固有データ、及び飛行時間に基づいてETOPS飛行の様々な段階における、デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値を計算する。プログラムコードはさらに、デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値に基づいて、ETOPS飛行でのデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止のリスクの計算値を得るために、ETOPS飛行中の任意の時点で始まる全推力損失の確率値を計算する。
本概要は、詳細説明において後にさらに説明する選択された概念を簡素化した形で紹介するために提供されている。この概要は、請求項の対象の主な特徴又は必要不可欠な特徴を特定するものではなく、またこの概要は、請求項の対象範囲を決定しやすくするために使用されるように意図されたものでもない。
下記の図面と合わせて詳細説明及び請求項を参照することによって、本発明の実施形態のさらに完全な理解を得ることができ、これらの図面においては同じ参照番号は図面全体において同様の要素を示すものである。図面は、本発明の広さ、範囲、規模、又は適用性を限定することなく、本発明を理解しやすくするために提供されている。図面は必ずしも原寸に比例していない。
図1は3つの異なるETOPS規定時間を伴う、ブエノスアイレスとオークランド間のETOPSルートの図である。 図2は120分のETOPS規定を使用した地続きのアメリカ合衆国とハワイ間の飛行が実際的でないことを示すマップの図である。 図3はETOPS飛行の段階を示す図である。 図4は本発明の実施形態による、ETOPSのデュアル・インディペンデント・エンジンのIFSDリスク解析システムの概略機能ブロック図である。 図5は本発明の実施形態によるETOPSのIFSDリスク計算モジュールの実例となる入力パラメータ表である。 図6は本発明の実施形態によるETOPSのIFSDリスク計算モジュールの実例となる出力パラメータ表である。 図7は本発明の実施形態による、ディスプレイに表示されたETOPSのIFSDリスク計算モジュールの実例となる出力パラメータ表である。 図8は本発明の実施形態による、バーチャートグラフを使用してディスプレイに表示された、図7の出力パラメータ表に示すリスクの合計値を例示的に図で表したものである。 図9は本発明の実施形態による、線形グラフを使用してディスプレイに表示された、図7の出力パラメータ表に示すETOPS飛行の全ての段階の累積リスクの経過を例示的に図で表したものである。 図10は本発明の実施形態による、ディスプレイに表示された実例となる入力パラメータ表である。 図11は本発明の実施形態による、延長運航(ETOPS)のデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスクを解析する工程を示す実例となるフロー図である。
下記の詳細説明は事実上例であり、本発明又は本発明の実施形態の応用形態及び使用を限定するものではない。特定のデバイス、技術、及び応用形態の記載は、実施例としてのみ提供されている。本明細書に記載された実施例への修正は当業者には容易に明らかとなるものであり、本明細書に規定された一般原理は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の実施例及び応用形態に適用することができる。さらに、前述の分野、背景、概要又は下記の詳細説明に表される全ての示された又は暗に含まれた理論によって縛られるべきものではない。本発明は請求項と一致した範囲にあるべきであり、本明細書に記載され示された実施例に限定されるものではない。
本発明の実施形態は、機能及び/又は論理上のブロックコンポーネント及び様々な処理ステップの観点から本明細書に記載することができる。当然ながら、上記ブロックコンポーネントは、特定の機能を発揮するように構成された任意の数のハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアコンポーネントによって実行可能である。簡潔にするために、航空機の運航、及び他のシステムの機能的な態様(及びシステムの独立した動作コンポーネント)に関する従来技術及びコンポーネントは、本明細書に詳しく説明をしていない場合がある。加えて、当業者は、本発明の実施形態を、様々な種類の双発機に合わせて実行することが可能であり、また本明細書に記載された実施形態は本発明の実施形態の例えにすぎないことを認識するだろう。
本発明の実施形態は、実際の非限定的な応用形態、すなわち双発機のETOPSの航空機の運航において本明細書に説明されている。本発明の実施形態はしかしながら、双発機へのETOPSの適用に限定されることなく、本明細書に記載された技術はまた、他の航空機の運航への適用に用いることも可能である。例えば、実施形態は単発機の運航、三発機の運航、四発機の運航等に適用可能である。
この説明を読んだ後に当業者には明らかであるが、下記は本発明の実施例及び実施形態であり、これらの実施例に従った運航に限定されるものではない。他の実施形態を用いることができ、本発明の実例となる実施形態の範囲を逸脱せずに変更を加えることが可能である。
現在おおよそ、「双発機のデュアル・インディペンデント・エンジンの停止」のリスクを計算するために現在の規則で使用される様々な既存の数式がある。既存の数式のほとんどは、リスクをおおよそ概算するのみであることがわかっているため、規則において直接的には引用されていない。ETOPS飛行のリスクを計算するための現在の数式のほとんどはおおむね、同じような欠点を有する。現在の数式はおおむね、ETOPS飛行を全体としてとらえ、リスクを飛行全体にわたって平均化しようとする。これを行うためには、現在の数式では仮定及び一般化を行い、普通保守的な選択をしがちである。保守的な選択のリスク合計値は、実際のリスクを圧倒する可能性があり、リスク合計値は実際のリスクよりも大きく上回るリスクを描写する場合がある。現在の数式を使用するにあたっての別の問題は、多様性と可視性に欠けることである。変動する運航又は仮定に基づいて現在の数式を調節する、又は飛行が進むにつれて予測されたリスクがどのように増大するかを調べる方法は実質的にない。しかしながら現在の数式はICAOから入手可能である。
2010年のETOPS飛行は180分に制限されていた。しかしながら、よりリスクが低くなる、240分、及び300分等のより長いETOPS時間は後にさらに詳しく示すように、より短い飛行と同等とみなされる。図1は異なるETOPS認可レベルを有する3つのETOPS飛行経路を示す。図2は、より長いETOPS時間により、いくつかのルートも可能となることを示す。航空取締官は、本発明の実施形態により、デュアル・インディペンデント・エンジン停止のリスクが許容限度内にとどまることを見れば、より長いETOPSをもっと認可する可能性があり得る。
図1は、ブエノスアイレス110とオークランド112の間に異なるETOPS認可レベルを有する3つのETOPS飛行経路102、104及び106を示す、地球の南半球における長距離運航のマップを示す図である。飛行経路102、104及び106はそれぞれ、3つの異なるETOPS規定時間に基づくものである。上述したように、2010年のETOPS飛行は、飛行経路102で示すように180分に制限されていた。飛行経路102は、現在の一般的な180分114ETOPS規定を利用し、最適な大円108から離れた長い経路を飛行することが要求される。しかしながら、リスクの低い240分116及び300分118の長いETOPS時間は、飛行経路104及び飛行経路106等の短い飛行とそれぞれ同一とみなされる。したがって、飛行経路104は、240分116ETOPS規定を用いると短くなり、飛行経路106は、300分118ETOPS規定を用いるとほぼ最適となる。リスクが十分低くなれば、本発明の実施形態によるETOPS IFSDリスク計算機により、取締官がオペレータに長いETOPS規定時間を用いることを許可することが可能になる。長いETOPS規定時間は短い飛行を意味し、短い飛行はつまり、燃料消費量の削減、環境汚染の削減、そして有料荷重範囲の拡大とみなすことができる。
図2は、地続きのアメリカ合衆国204とハワイ206間の飛行に120分ETOPS規定を用いることが実際的ではないことを示す図である。地域202は、最寄りの空港から120分よりも遠い領域を表し、したがって120分ETOPS飛行の境界線外である。しかしながら、180分ETOPS飛行では、地域202はもはや適用可能ではなく、ハワイ206からの飛行は、地続きのアメリカ合衆国204への、そして地続きのアメリカ合衆国204からの直接経路が可能になる。したがって、ETOPS時間が長くなると、あるETOPSルートも可能になる。航空取締官は、本発明の実施形態により、デュアル・インディペンデント・エンジン停止のリスクが許容限度内にとどまることを見れば、より長いETOPS飛行をもっと認可する可能性があり得る。
図3は、ETOPS飛行の段階を示す図である。図3は、出発する空港302から開始し、目的の空港330で終了する(ETOPSルート)ETOPS飛行の5つの段階を示す。ETOPS飛行の段階は、上昇段階306、非ETOPS初期巡航段階308、ETOPS段階310、非ETOPS後期巡航段階312、及び降下段階314を含む。
上昇段階306は、離陸から非ETOPS初期巡航段階308の開始までのETOPS飛行の部分である。上昇段階306の間は、航空機のエンジンは、巡航レベルにまで高度を上げるために、高い出力レベルで稼働することができる。高出力レベルでのエンジン稼働は、通常の巡航運航の比較的低い出力レベルでのエンジン稼働よりも高い停止率を有し得る。上昇エンジン停止率も、例えば非限定的に、エンジンのメンテナンス後の最初の稼働中にメンテナンスの状態が最適でないことが露わになる、また、異なる高度における可変の大気状態の中での運航によりエンジンにさらなるストレスがかかり得る等の他の理由のために、巡航エンジン停止率よりも高くなる。
非ETOPS初期巡航段階308は、上昇段階306の終了から、ETOPS飛行が、片側のエンジンが稼働不能の巡航速度において最寄りの好適な空港からETOPS閾値時間T316、双発機であれば最寄りの空港304(図2)から通常1時間(60分)経過するまでのETOPS飛行の部分である。非ETOPS初期巡航段階308は上昇及び降下を含むことができ、特定の飛行には存在しない(ゼロ時間間隔)場合がある。非ETOPS初期巡航段階308のゼロ時間間隔は、ETOPS飛行が片側のエンジンが稼働不能の巡航速度において最寄りの(好適な)空港304からT316に達した時に、いまだ上昇している場合の段階である。特に、この時点での最寄りの好適な空港はまだ、出発した空港302である可能性がある。
ETOPS段階310は、ETOPS飛行が、片側のエンジンが稼働不能の巡航速度において最寄りの空港からT316経過した時の最初の瞬間に開始し、ETOPS飛行が、片側のエンジンが稼働不能の巡航速度において最寄りの好適な空港からT316経過した最後の瞬間に終了する、ETOPS飛行の部分である。ETOPS段階310は、上昇及び降下を含むことができ、前後いずれにおいても、最寄りの好適な空港からT316を超える時間を経過する飛行部分が存在する限り、好適な代替空港324の上を直接飛行することができる。
非ETOPS後期巡航段階312は、片側のエンジンが稼働不能な巡航速度で最寄りの好適な空港326(図2)からT316を超える時間経過したETOPS飛行における最終点から、飛行の着陸段階に向けた降下を開始するまでの、通常のETOPS飛行の一部分である。この段階は上昇及び降下を含むことができ、特定の飛行においては存在しない(ゼロ時間間隔)場合がある。非ETOPS後期巡航段階312のゼロ時間間隔は、片側エンジンが稼働不能な巡航速度で最寄りの好適な(目的地の)空港326又は330からT316よりもさらに経過したところで、着陸に向けて降下を開始した時に発生する。
降下段階314は、最終巡航段階312の終了から目的地の空港330で着陸するまでのETOPS飛行の一部分である。
ETOPS IFSDリスク計算機は、後にさらに詳しく説明するように、様々なETOPSルートのデュアル・インディペンデント・エンジンの停止シーケンスのリスクを計算するのに使用される。ETOPS IFSDリスク計算機を使用して、例えば非限定的に、アメリカ合衆国連邦航空局(FAA)、欧州航空安全局(EASA)、合同航空当局(JAA)、欧州民間航空会議(ECAC)、欧州航空航法安全機構(ユーロコントロール)、国土交通省航空局(JCAB)、中国民用航空局(CAAC)、国際民間航空機関(ICAO)等の様々な民間航空機関より要求され得る性能保証のために、片側のエンジンが動かない状態で十分な性能があることを証明することができる。
航空機のルート解析に加えて、ETOPS IFSDリスク計算機の実施形態は一以上の推進装置、システム、及び/又はエンジンを使用して長距離を運航する他の種類のビークル及び応用形態に対して有用であり得る。他の種類のビークル及び応用形態は、例えば非限定的に、様々な種類の有人機、無人機、軍事任務、宇宙船、海事船、有限水中潜水艦、地上車等を含むことができる。本明細書に説明したETOPS IFSDリスク計算機の実施形態はまた、古い仕様の航空機の能力、そして新しい未来の熟慮された航空機設計を解析するのに使用することもできる。
図4は、本発明の実施形態による、延長運航(ETOPS)のデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスク解析システム400(システム400)の概略的な機能ブロック図である。システム400は、所定の応用形態、又は環境において所望される又は適切であり得る、例えば非限定的に、デスクトップ、ラップトップ又はノートパソコン、ハンドヘルドコンピュータデバイス(PDA、携帯電話、小型電卓など)、メーンフレーム、サーバー、クライアント、又は任意の他の種類の特殊用途又は汎用コンピュータデバイスを表すことができる。例えば非限定的に、システム400は、航空機のコンピュータの一部品、航空機搭載の専用システム、地上サポートコンピュータの一部、専用の地上システム等であってよい。システム400は一般に、物理的なハウジング(図示せず)、入力モジュール402、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404、表示モジュール406、プロセッサモジュール408、及びメモリモジュール410を含む。
実用システム400は、任意の数の入力モジュール、任意の数のプロセッサモジュール、任意の数のメモリモジュール、及び任意の数の表示モジュールを含むことができる。図示したシステム400は、説明しやすくするために、単純な実施形態を示す。これらの要素及び他のシステム400の要素を互いに相互接続することにより、システム400の様々な要素間の通信が可能になる。ある実施形態では、これらの要素及びシステム400の他の要素を、通信リンク412を介して相互接続させることができる。当業者は、本明細書に開示された実施形態と関連して説明した様々な実例となるブロック、モジュール、回路、及び処理ロジックを、ハードウェア、コンピュータによって読み取り可能なソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の実用的な組み合わせにおいて実行可能であることを理解するだろう。ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのこの互換性及び適合性を明示するために、様々な実例となるコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及びステップをおおむねこれらの機能性の観点から説明している。これらの機能性がハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとして実行されるか否かは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられた設計上の制約による。本明細書に説明される概念に詳しい方々には、各特定のアプリケーションに好適な方法で上記機能性を実行することが可能であるが、上記実行形態の決定が本発明の範囲から逸脱させるものと解釈するべきではない。
入力モジュール402は、ユーザからの入力パラメータ(図5)を受信し、入力パラメータをETOPS IFSDリスク計算モジュール404へ送信する。入力モジュール402は、例えば非限定的に、有効化キー、タッチパッドキー、局所アクセス又は遠隔アクセスのデータベース等の入力手段を含むことができる。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、ETOPS飛行の5段階を含む様々なETOPSルートのデュアル・インディペンデント・エンジンの停止シーケンスに関連するリスクを計算する(図3)。ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、事象シーケンス解析の確率モデルに基づいてリスクを計算する。このように、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、飛行の各5段階のリスクを別々に計算し、それから各リスクを合計して飛行全体のリスクを算出する。各飛行段階に対して、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、航空機が着陸できる前に、最初のエンジン停止後に第2のエンジンが停止(再開始不能)し、最初のエンジンの停止が再開可能にならない確率を決定する。各段階の事象シーケンスは、飛行の5段階のうちの他の段階とは相いれないものであるため、ETOPS飛行全体に起きる事象シーケンスの確率は、飛行の5段階の確率の合計となる。このように、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、従来の解析と従来の数式が一般に示す従来のリスク予測値よりも低く、他の既知のリスクよりも低いリスクを計算する。リスクが低いため、取締官による長いETOPS規定時間の認可、したがって双発機のETOPS運航の飛行時間の短縮、燃料消費量の削減、及び有料荷重範囲の拡大が可能になる。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、双発機/エンジン連携の性能データセットを受信し、ユーザが入力した特定のデータとともに性能データを使用して、後にさらに詳しく説明するような「デュアル・インディペンデント・エンジンの停止シーケンス」のリスクを計算する。
例えば、特定の航空機モデルにおいて得られる関連のパラメータを、入力モジュール402を介して入力パラメータモジュール416に入力し、実際のリスクをさらに正確に表すことができる。ユーザは全ての入力パラメータを簡単に変えて(図5)、出力パラメータモジュール418を介して出力パラメータを実質的にすぐに計算し(図6〜7)、飛行の任意の段階(図3)、又は飛行全体にリスクがどのように影響するかを見ることができる。出力パラメータモジュール418からの出力は、後にさらに詳しく説明するように、簡単に理解できるように表示スクリーン414上に図表的に及び/又は数値的に自動で表示される(図8〜10)。
このように、実質的にリスクに影響するパラメータのわずかな変化の影響を、本発明の実施形態にしたがって評価することができる。一方、現在のリスクの数式はおおむね、ほとんどのパラメータの受容に対する不撓性及び能力の欠如のために、過度に保守的である可能性があり、使用しにくい。
ある実施形態では、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、一以上の入力パラメータに対する飛行中の性能パラメータを使用して、リアルタイムでリスクの計算を行うことができる(図5)。ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、例えば非限定的に、航空機/飛行中のコンピュータ、地上サポートコンピュータ、規制当局のコンピュータ等で使用することができ、飛行中の操作において航空機のシステムに変化があったときに使用することができる。例えば、パイロットはETOPS IFSDリスク計算モジュール404を使用してリアルタイムの計算を行うことができる。地上オペレータも同じ計算を行って、パイロットによって行われる計算を確認し、検証することができる。飛行中のコンピュータと地上サポートコンピュータは相互に通信して、計算結果を比較し検証することができる。このように、パイロット、地上オペレータ、及び地上当局は、十分な航空機の性能が得られる運航の機会を利用するために航空機を着陸させるか否かを決定することができる。
表示モジュール406は、システム400の入力及び出力パラメータを表示する。表示モジュール406は、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404の入力パラメータ(図5)及び出力パラメータ(図6〜7)に基づいてイメージを表示する。表示モジュール406は、ユーザの入力操作を受けてデータを入力及び送信して、システム400に設けられた機能の操作コマンドを入力することができる。表示モジュール406は、操作コマンドを受けて、受けた操作コマンドに応答して、プロセッサモジュール408に操作コマンド情報を出力する。表示モジュールは、例えば非限定的に、有機エレクトロルミネッセンス(OEL)パネル、液晶パネル(LCD)等でできた表示スクリーン414を含むことができる。様々な種類の情報を、プロセッサモジュール408から供給されるイメージ/ビデオ信号を介して、表示モジュール406の表示スクリーン414に表示することができる。例えば、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404の入力/出力パラメータを、図8〜10の説明において後にさらに詳しく説明するように、表示スクリーン414上に図表的に(図8〜9)及び数値的に(図10)表示することができる。
プロセッサモジュール408は、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404の機能をサポートする。例えば、プロセッサモジュール408は、システム400の動作を制御することができ、これによりシステム400の処理が好適に行われる。これらの処理は、例えば非限定的に、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404への/からの入力/出力パラメータデータ信号の制御、後に説明するように、様々な数式に基づいたETOPS飛行の様々な段階での、着陸時間と全推力損失の確率値の計算の実施、表示モジュール406を制御して入力/出力パラメータを表示すること等を含むことができる。このように、プロセッサモジュール408はETOPS IFSDリスク計算機404を使用して従来のリスク予測値よりもさらに正確で低いリスクを計算することにより、双発機のETOPS運航の飛行の短縮、燃料消費量の削減、有料荷重範囲の拡大、及び飛行時間の低減を、後にさらに詳しく説明するように、迅速で効率的な方法で可能にする。
プロセッサモジュール408はまた、例えば、双発機/エンジンの連携性能データセット、ユーザ入力可変アレイ、及び飛行時間等の入力パラメータへのアクセス等、メモリモジュール410へアクセスする。プロセッサモジュール408は、本明細書で説明した機能を行うように設計された汎用プロセッサ、連想記憶装置、デジタル信号プロセッサ、アプリケーション特有の集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、任意の好適なプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲート又はトランジスタ論理回路、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネント、又はこれらの任意の組み合わせで実行する又は実現することができる。このように、プロセッサはマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械等として実現することができる。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えばデジタル信号プロセッサとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ・コア、又は他の任意の上記構成と連結した一以上のマイクロプロセッサとして実行することもできる。実際には、プロセッサモジュール408は、システム400の操作に関する機能、技術及び処理タスクを実行する処理論理回路を含む。特に、処理論理回路は、本明細書で説明したETOPS IFSDリスク計算モジュール404のリスクの計算をサポートする。
メモリモジュール410は、システム400の操作をサポートする形式の好適なメモリ容量を有する任意の好適なデータ記憶領域であってよい。メモリモジュール410は、以下に説明する方法でシステム400の機能性をサポートするため、必要に応じてデータを記憶し、保持し、提供する。実際の実施形態では、メモリモジュール410は例えば非限定的に、非揮発性記憶装置(非揮発性半導体メモリ、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス等)、ランダムアクセス記憶デバイス(例えば、SRAM、DRAM)、又は当技術分野で周知の他の任意の形態の記憶媒体を含むことができる。メモリモジュール410はプロセッサモジュール408に結合させることができ、例えば非限定的に、リスクアセスメント・シナリオに対応する入力パラメータ値及び出力パラメータ値を記憶する。
メモリモジュール410は、例えば非限定的に、図5〜7の説明において後にさらに詳しく説明するように、例えばユーザからユーザ入力可変アレイ等のETOPS IFSDリスク計算モジュール404への入力、例えば確率値等のETOPS IFSDリスク計算モジュール404からの出力を記憶することができる。さらに、メモリモジュール410は、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404を使用するための表を含む同時更新データベースに相当し得る。メモリモジュール410はまた、プロセッサモジュール408、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、プログラムの処理の実行に使用される一時データ等によって実行されるコンピュータプログラムも記憶可能である。メモリモジュール410を、プロセッサモジュール408に結合させることができ、これにより、プロセッサモジュール408によってメモリモジュール410からの情報を読み取り、メモリモジュール410への情報の書き込みが可能になる。一実施例としては、プロセッサモジュール408とメモリモジュール410はそれぞれのASICに属することができる。メモリモジュール410はまた、プロセッサモジュール408と一体化させることもできる。一実施形態では、メモリモジュール410は、プロセッサモジュール408によって実行するための命令を実行中に一時変数又は他の中間情報を記憶するためのキャッシュメモリを含むことができる。
図5は、本発明の一実施形態による、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404の例示となる入力パラメータ表500を示す。入力パラメータ表500は、現在値の列502、範囲の列504、及び任意的なデフォルト値の列506を含む。図5に示す実施形態では、入力パラメータ表500は例えば非限定的に、所定の双発機/エンジンの連携性能データセット(飛行固有データ)、ユーザ入力パラメータ、例えばETOPS飛行での特定双発機/エンジン連携パラメータ(航空機モデルの固有パラメータ)、様々な飛行段階での飛行中のエンジン停止率の平均、様々な飛行段階におけるETOPS IFSDリスク計算モジュール404によって計算された飛行時間(計算上の飛行時間)等を含む入力データを含む。現在値の列502は、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404が現在リスクを計算するために使用している入力データ値を示す。現在値の列502は、入力データの所定のデフォルト値を含む。ユーザは、範囲の列504に示す範囲内の任意の値で、現在値の列502のデータを修正することができる。ある実施形態では、ユーザは、特定の航空機モデルに関連する入力パラメータを手で入力することができる。あるいは、各航空機モデルの入力パラメータを自動的に入力することができる。このやり方で、各航空機モデルの入力パラメータを事前に入力しておいて、例えば航空機モデルをユーザが選択すると、これに応答してシステム400がアクセスすることができる。
ETOPS飛行での特定の双発機/エンジンモデルのパラメータ(航空機モデルの固有パラメータ)は経験によって確立されており、例えば非限定的に、ハード上昇IFSD率の全上昇IFSD率(KNI)に対する比率、ハード巡航IFSD率の全巡航IFSD率(K)に対する比率、ハード降下IFSD率の全降下IFSD率(KND)に対する比率、片肺飛行の降下時間の双発機の降下時間(K)に対する比率等を含むことができる。
(ETOPS IFSDのリスク計算モジュール404によって個別に計算される)Kの効果は、IFSD後に残ったエンジンのIFSD率を低減させることである。しかしながら、計算におけるデフォルト値Kにより、この2番目のIFSDの通常巡航のIFSD率は2倍となり、計算は非常に保守的なものとなる。
ハードIFSDとは、延長時間の間最大の連続的な推力まで安全に再スタートし運航することができない状態である。ハードIFSDは、再スタートできないIFSDと同一である。あるIFSD(すなわちハードIFSDではないIFSD)は、エンジンは実際には完全に連続稼働が可能である(例えば、つまったオイルフィルターの虚偽表示、又は火事の虚偽表示)場合の虚偽表示又は誤認のせいである。ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、最初のIFSDの全巡航IFSD率(すなわち、ハード及びハードでないIFSDの両方を含むr)を使用する。しかしながら、最初のIFSD後は、片肺飛行で巡航し、最終的に降下する時に、停止又は推力生成の中止が回避不能出ない限り、乗務員は残ったエンジンを停止する又は残りのエンジンを停止させて推力の生成を中止することはしない。したがって、2個目のエンジンの巡航段階r(巡航IFSD率)での一エンジン当たりの停止率と、降下段階r(降下IFSD率)での一エンジン当たりの停止率は、後に説明するように、それぞれK及びKNDだけ低下する。しかしながら、第2のエンジンの稼働を維持するために全てを試みた後に第2のエンジンが停止した場合には、乗務員は巡航中に停止した最初のエンジンを再スタートさせようとするだろう。Kは、最初のエンジンが再スタート可能にはならない確率値である。2008年6月に終了した3年間の運航経験の基づくデフォルト値Kは0.78であり、これは、巡航中のIFSDの78%がハードであり、22%が再スタート可能である(つまり23件中5件はハードではなかった)ことを意味する。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、後に説明するように降下中の最初のIFSDの降下IFSD率rを使用する。しかしながら、この最初のIFSDの後に、片肺飛行で降下を続けている時は、停止又は推力生成の中止が回避不能でない限り、乗務員は残ったエンジンを停止する又は残りのエンジンを停止させて推力の生成を中止することはしない。したがって、2個目のエンジンの降下IFSD率はKNDだけ低下する。2008年6月に終了した3年間の運航経に基づくデフォルト値KNDは1.0であり、これは降下中のIFSDの8件が全てハードであり、全て再スタート不能であったことを意味する。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、上昇中の最初のIFSDに関して後に説明するように、上昇段階r(上昇中のIFSD率)での一エンジン当たりの停止率を使用する。この後で、乗務員は、停止又は推力生成の中止が回避不能でない限り、残ったエンジンを停止する又は残りのエンジンを停止させて推力の生成を中止することはしない。したがって、(着陸重量を低減するために燃料を捨てる時間を含む)2個目のエンジンの次の巡航及び降下中のIFSD率はそれぞれ、K及びKNDだけ低減される。しかしながら、2番目のエンジンの稼働を維持するために全てを試みた後に2番目のエンジンが停止した場合、乗務員は停止した最初のエンジンを再スタートさせようとするだろう。KNIは、最初のエンジンが再スタート可能にはならない確率値である。2008年6月に終了した3年間の運航経験に基づくデフォルト値KNIは0.87であり、これは、上昇中のIFSDの87%がハードであり、13%が再スタート可能である(つまり31件中4件はハードではなかった)ことを意味する。
は飛行の初期部分では少し低くなっており、これは重量に機内に残ったほとんどの燃料が含まれるため、片肺での巡航高度が低くなるためである。しかしながら、妥当なデフォルト平均値は0.6である。すなわち、双発機の巡航高度からに比べて、片肺飛行での巡航高度から降下し着陸するのには、60%の時間を要するということである。
は、ETOPS飛行全体で平均化されたIFSD率のおおよその値である(1000×ETOPS飛行全体のエンジン停止/エンジン飛行時間)。デフォルト値(0.004)は、2008年を通して特定の種類の航空機(ETOPS飛行及び全ての飛行の両方)が遭遇した平均停止率である。ユーザは、IFSD発生率の任意の所望の値を入力パラメータモジュール416に入力することができ、全ての段階における停止率及びリスクは、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404において比例して調節される。
メモリモジュール410に記憶された、所定のデフォルト値に設定されたETOPS飛行での航空機モデルの固有パラメータのデフォルト値は、必要に応じてユーザが受信する又は調節することができる。例えば非限定的に、現在の値の列502に示すように、デフォルト値Kは0.78に設定され、デフォルト値KNDは1に設定され、デフォルト値KNIは0.87に設定され、デフォルト値Kは0.6に設定される。
一旦航空機モデルの固有パラメータがメモリモジュール410に入力されると、後にさらに詳しく説明するように、リスクを計算するために飛行固有データを入力することができる。
所定の双発機/エンジンの連携性能のデータセット(飛行固有データ)は、例えば非限定的に、計画上の全飛行時間(T)、ETOPS規定時間(T)、ETOPS閾値時間(T)、上昇段階の平均持続時間(T)、上昇段階にある間にエンジンが停止した後、着陸するまでの予測時間(TA1)、非ETOPS初期巡航段階の通常持続時間(T)、非ETOPS後期巡航段階の通常持続時間(T)、双発機の降下段階の通常持続時間(T)、一エンジン飛行時間当たりの全飛行IFSD率の平均値(K)(ユーザ設定可能なIFSD率)、片肺巡航時の停止ストレス因数(K)等を含むことができる。
メモリモジュール410に記憶された、所定のデフォルト値に設定される、現在の値の列502に示す飛行固有データのデフォルト値は、必要に応じてユーザが受信する又は調節することが可能である。例えば、現在値の列502に示すように、計画上の全飛行時間(T)がユーザによって9.1時間に設定されている。Tのデフォルト値は1時間に等しく、Tは3時間(180分ETOPS)に等しく、Tは0.333時間に等しく、TA1は0.7時間に等しく、Tは2時間に等しく、Tは2時間に等しく、そしてTは0.417時間に等しい。
計画上の全飛行時間(T)は、個々の段階全ての持続時間の合計に等しい:T=T+T+T+T+T
上述したように、TA1は上昇段階306の間のエンジン停止後に着陸するまでの予測時間である。燃料を捨てる時間を考慮すると、TA1の平均の保守的な予測値は42分である。確率的なモデルにおいて上昇段階の半分のところで平均上昇中のIFSDが発生したと仮定すると、飛行は出発した空港302からT/2=0.333/2=0.167時間となる。しかしながら、着陸するまでの時間を長引かせる別の要因がある。飛行の初期において、航空機は燃料を有しているために重くなっている。この重さを着陸させることは着陸ギアにとっては非最適なことであり、高価な時間のかかる検査が必要となる。重量を軽くして着陸させるために、乗務員は普通着陸前に大気中に燃料を廃棄するのに時間を費やすことを選択し得る。TA1の下限値(最小限度)は、(例えば、低高度で空港に近い等の)エンジンが停止した時に上昇中だった航空機を着陸させるための最小時間であり、約0.1時間である。燃料廃棄時間を考慮したTA1の上限値(最大限度)は、(すなわち他の要因がなければ)約1時間である。
現実の世界の多くのETOPSルートは、2時間を越えるTの値を有し、ある場合には8時間を超える。ユーザはT及びTが入力された後に、図示した範囲内の任意のTを選択することができる。小さい値は、空港からさらに離れたさらなる飛行時間と同一であるため、これに関しては最悪の事態を示している。Tの最小限度はT−Tとして計算される(例えば、万が一(初期の)上昇段階306をいまだ飛行しているときに、飛行がETOPS段階310に入った場合にはこれはゼロまで下がる可能性がある)。Tの最大限度は、T−2Tである。ある実施形態では、T−T−TをTの適正上限値として使用することができる。しかしながら、実際にはETOPS IFSDリスク計算モジュール404はT−2TをTのさらに保守的な上限として使用する。
は、最寄の空港(A)がETOPS閾値時間を越える距離を離れた(通常1時間)最後の瞬間に始まる飛行部分であり、その後飛行は別の空港を通過して巡航し、降下して着陸態勢に入るときに終了する。Tの最小限度は、ユーザがT−Tであることを確認するために計算される。万が一飛行がまだETOPS段階にある間に降下して着陸態勢に入り始めた場合に、Tはゼロに下がり得る。しかしながら、通常の降下時間の0.417時間が使用される時は、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404においてTがゼロになることは通常あり得ない。Tの最大限度はT−2Tとして計算される。
は全ての飛行に対する定数であってよい(例えば0.417時間)。
は、高推力レベルで片肺で低高度巡航中の一エンジン当たりのエンジン停止のタイムレートの、通常の巡航推力レベルで双発機の高高度巡航中の一エンジン当たりのエンジン停止のタイムレートに対する比率である。デフォルト値は2であり、これは片肺飛行のストレスにより、まだ稼動しているエンジンが停止する確率が2倍になることを意味する。エンジンのメーカーによれば、Kは実際には2ではなく1に非常に近く、過去にこのような事象が全くないことにより確証が得られる。したがって、この高い値を使用することは保守的な度合いが非常に高いと言える。ユーザはこの比率を調節することを選択できる。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404によって計算された飛行時間は例えば非限定的に、非ETOPS初期巡航段階にある間に片肺で着陸するまでの予測時間(TA2)、ETOPS段階の通常の持続時間(T)、ETOPS段階にある間に片肺で着陸するまでの予測時間(TA3)、非ETOPS後期巡航段階にある間に片肺で着陸するまでの予測時間(TA4)、降下段階にある間に片肺で着陸するまでの予測時間(TA5)等を含むことができる。飛行時間は後に更に詳しく説明する。
非ETOPS初期巡航段階にある間に片肺で着陸するまでの予測時間TA2は下記式:TA2=0.7(T−K)+Kで計算することができる。これは、双発機の巡航高度からの降下、燃料を捨てている間の片肺巡航高度、空港への降下を含む。片肺巡航高度からの降下時間は、双発機の降下段階の通常持続時間Tから、K倍(すなわちK)低減する。燃料を捨てる時間が含まれていない場合、平均時間はTよりもKにより近いものになる。降下(K)範囲内にはしばしば空港があるが、Tはまれにしか到達しない最大限の値である。燃料を捨てる時間を含むことによって、着陸までの平均(予測される)時間が長くなり、よりTに近づく。因数0.7により、(0.5(T−K)+Kよりも小さくなる)飛行地点の形状によってのみ表示される平均時間を超えて曝露時間が延長され、保守性の度合いが加算される。TA2=0.7(T−K)+Kが計算される。
A2の最小限度はT(すなわち、双発機の巡航高度からの降下時間)である。(燃料を捨てる時間を含む)TEの最大限度を下に説明する。エンジンが稼働していない巡航速度は、全てのエンジンが稼働している巡航速度よりも遅いが、ここでは3つの理由により、これを考慮に入れる必要がない。一つの理由は、定義により、飛行がエンジンが稼働していない速度において空港からTE(通常1時間)の範囲内であることである。第2に、この状況では単純に空港まで辿り着くのに巡航時間がないということである。IFSD後に、エンジンが稼働せずに降下が始まり、これはほぼ全てのエンジンが稼働している飛行速度において起きる。飛行は、速度をあまり失うことなく、通常の高度よりもいくらか低い高度(片肺巡航高度)で(実際の)降下段階314に入る。第3に、燃料を捨てる時間の方がより大きな要因であるということである。燃料を捨てる時間によって、平均時間がTからTにより近づくようになる。
ETOPS段階Tの通常持続時間は下記式:T=T−(T+T+T+T)で計算することができる。Tは(ユーザによって設定される)全飛行時間と、他の全ての段階の合計との差として計算される。Tの最小限度は非ETOPS飛行に対してゼロである。ETOPS飛行に対しては、Tはゼロよりも大きくなければならない。Tの最大限度は、(計画上の全飛行時間T)−2Tである。例えば、考えられる最長のETOPS段階を有するこの理論上の飛行の最初の及び最後の時間は、空港が片肺速度での飛行1時間以内の距離にある唯一の部分である。Tがこの最大限度に達するルートはごくわずかしかなく、この場合は、TとTの両方が可能な限り最短の長さであることが要求される。このため、TとTに短い値を設定することにより、ユーザはこれに関して最悪の状況を選択している、つまり計画上の全飛行時間TとETOPS閾値Tを前提とする、飛行に可能な限り最長のETOPS部分を含むという選択をしている。
A3は、[T+(T)/4]又は[T+0.6(T−T)]よりも小さい値として計算され、2つの特定の空港に関連して後にさらに詳しく説明する。ETOPS閾値の境界がETOPS段階開始の指標である空港はAと呼称される。Aは出発した空港302又はETOPSの代替空港304であってよい。ETOPS閾値の境界がETOPS段階終了の指標である空港はAと呼称される。Aは目的の空港330又はETOPSの代替空港326であってよい。
とAのT318境界が交差する短いETOPS段階を含むETOPS飛行は、飛行のETOPS部分の範囲内に他のいかなるETOPSの代替空港をも必要としない。飛行のこの部分における着陸までの予測時間の計算では、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は他の空港が利用可能でないと仮定する。したがって、目的地以外での着陸が必要な場合、飛行ルートはAに戻るか、あるいはAに継続するかしなければならない。これは、他の空港(例えば図3の324)が利用可能であることにより、より近いところに(より早く)着陸する機会が得られる場合があるため、ある一定の保守性である。Tがゼロの時(非ETOPS飛行)、TA3≦T(及びTよりもかなり小さい)が成り立つ。飛行のETOPS部分(Tの持続時間)がゼロから2(T−T)まで延長される(A及びAのT境界が接している)と、TA3の上限はT+T/2にとどまり、TからTへと直線的に増加する。この間、目的地以外での着陸が、Aへ戻るか、又はAに進むかのいずれかでなくてはならないと想定する最悪の状況であるTA3平均値は、T+T/4のままである。
の持続時間が2(T−T)を超えて延長されると、別のETOPS代替空港が必要となり、下記の式を使用する必要がある。2(T−T)を超えるT持続時間に対して、上限はもちろんTのままであるが、TA3平均値は通常T+(T−T/2)より小さい値にとどまる。すなわち、飛行は平均的にTとTの間の半分よりも空港により近いものとなっている。ETOPS段階の部分が直接的に代替空港の上であるという事実により、着陸するまでの平均時間は、多くのルートが表示していると思われるよりも短縮される。しかしながら保守性のために、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、2(T−T)を超えるTに対する平均TA3を、T+0.6(T−T)として使用する。
これは、Tでの又はT近辺での等しい時点間を飛んでいる時に、空港から遠く離れたままの飛行と類似している。
短いETOPS段階の、上述した数式T+T/4は、A及びA以外に代替空港がないと仮定するため、数式T+T/4は長いETOPS段階にはもはや適用できず、長い目的地外への着陸時間が誤って生成される。上述の数式T+(T−T/2)は短いETOPS段階には適用不可能であり、そこでも長い目的地外への着陸時間が生成される。したがって、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、両方の数式の出力を審査して、一番小さいTA3を選択する。これにより、Tに対する適切な目的地外着陸までの平均時間TA3が自動的に選択される。
リスクを計算し合計するために、着陸までの飛行を2つの段階、片肺での降下及び巡航、及び着陸までの降下に分けられる。片肺飛行の高度から着陸までの降下時間は、通常の巡航高度からの着陸までの降下時間TのK倍(K)である。したがって、この時間は上述した着陸までの時間から取り除かれ、異なるリスクを有する降下時間として別のものとみなされる。
異なるリスクを示せるように段階を別々のものとして見なすことにより、[T+(T)/4−K]又は[T+0.6(T−T)−K]より小さい値が得られ、降下時間はKとなる。
A3の最小限度はTである。これが発生するのはまれであるが、真の最小値である。これが飛行のETOPS部分であるにも関わらず、飛行は実際には代替空港の降下時間内(すなわち、最初の飛行計画におけるその時点前後にて目的地外着陸の時間がTを超える)であってよい。
A3がTよりも少し長い可能性があり、これは、オペレータのETOPS飛行計画に対してTから計算された距離において速度を落として着陸することが、規則に含まれないためである。しかしながら、この可能性が非常に低く、また値が非常に小さく、これらの計算の他の部分の保守性により、このことは考慮から外される。
A4は(T+T)/2として計算される。双発機の降下時間Tの範囲内にはしばしば空港がある可能性があるが、Tはまれにしか起こらない最大値である。したがって、着陸までの平均時間はTより双発機の降下時間Tにより近いものとなる。しかしながら、保守性のために、着陸までの予測時間はTとTの平均値であるべきである。TA4での最小限度はT(すなわち、通常の降下時間で空港にたどり着くことができる)であり、TA4での最大限度はTである(つまり、最寄りの空港はETOPS閾値時間Tだけ離れている)。
A5はT/2(すなわち、降下の中間点での平均値)として計算される。限度はT時間(降下最上部)、及びゼロ時間(着陸)に固定されている。したがって、例えば平均値はT/2=0.21時間である。降下段階314では必要な推力がわずかであるため、片肺、あるいは複合エンジンの動作異常からくる推力の損失等の不十分な航空機の動作状態が起こる可能性が減り、したがって、降下段階314でのリスクは少ない。降下中に第2のIFSDが起こる可能性があり、それでも航空機は安全に着陸する。TA5の最小限度はゼロである(すなわち着陸時に最初のエンジンが停止する)。TA5の最大限度は0.417時間である(すなわち、降下最上部で最初のエンジンが停止する)。
様々な飛行段階における飛行中のエンジンの平均停止率は、上昇時間の一エンジン当たりの停止を表す、上昇段階のエンジン停止率r(上昇IFSD率r)(上昇段階rでの一エンジン当たりの停止率)、高高度巡航時間の一エンジン当たりの停止を表す、巡航段階のエンジン停止率r(巡航IFSD率r)(巡航段階rでの一エンジン当たりの停止率)、降下&アプローチ時間の一エンジン当たりの停止を表す、降下段階のエンジン停止率r(降下IFSD率r)(降下段階rでの一エンジン当たりの停止率)を含む。
上昇IFSD率rは、(デフォルト値又はユーザ設定値のいずれかである)エンジン飛行時間当たりの全飛行平均IFSD率(K)に、エンジン飛行時間当たりの全飛行平均IFSD率(K)と比べて上昇IFSD率の歴史的な重みづけである定数(7.4)を乗算し、スケーリングされていないrを得ることによって計算される。スケーリングされていないrはそれから1000で割られ、それによりユーザが(1000エンジン飛行時間当たりの)おなじみのIFSD率を入力することができ、積が一貫したものとなる。
ある特定の典型的な種類の航空機では、2005年7月1日〜2008年6月30日の三年間に、1527062回の航空機飛行及び15398774エンジン飛行時間において62件のエンジン停止が記録されている。このデータに関しては、平均(合計)IFSD率=62(1000)/15398774=1000エンジン飛行時間ごとに0.00403のIFSDとなる。半分(すなわち62件の停止の内31件)は離陸時に起きた又は離陸後及び上昇が終了する前に発生したものである。いくつかの事象が上昇中に開始したが、飛行の後期段階(すなわち、出発した空港302に戻って着陸するまでの巡航又は降下)までエンジンは停止しなかった。全てのエンジン停止は、エンジンが実際に停止した個々の段階の内のある段階で見られた。例えば、上昇段階Tの平均持続時間が20分間(1/3時間)で、双発機を考慮すると、
上昇IFSD率(r)=31(1000)/[(1527062)(2)(0.333)]=1000エンジン上昇時間に対し0.030のIFSD
である。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、上昇IFSD率の全体IFSD率に対する定率を使用する。この定率は次に、歴史的な割合で全IFSD率の平均を増加させて、上昇段階IFSD率を導き出すために使用され、例えば:
上昇IFSD率/全IFSD率=定数、(例えば0.030/0.00403=7.4)となる。
定率(ユーザによって入力されるおなじみのIFSD率に適合させるために1000で割る)を計算機において全IFSD率(K)で乗算して、特定の計算に使用される上昇IFSD率を導出する。
運航の経験によれば、上昇中の停止は上昇の初期段階において起こりがちである(すなわち、上昇IFSDの半分以上が上昇段階306全体の中間点より前に起こる)ことが示されている。上昇段階306全体の中間点より前のIFSDにより、上昇中のIFSD後の着陸までの平均時間が、上昇段階306全体の中間点よりも短くなる。しかしながら、上で説明したように、着陸するまでの時間を長引かせる別の要因がある。飛行の初期では、航空機は燃料で重量が重くなっている。重量が非常に重い状態で着陸することは、着陸ギアを損傷するリスクがあり、高価な時間のかかる検査が必要となる。これらの問題を回避するために、乗務員はしばしば着陸前に大気中に燃料を捨てるために時間を費やすことを選ぶ。燃料を捨てる時間を考慮すると、上昇段階306でのIFSD後に着陸するまでの平均時間の保守的な予測値は42分である。ETOPS IFSDリスク計算モジュール404はこの値を使用するが、ユーザが、上昇段階306にある間にエンジンが停止した後に着陸するまでの予測時間(TA1)を0.1時間から最大1時間まで選択することも可能である。
巡航IFSD率rは、エンジン飛行時間当たりの、全IFSD率(K)(デフォルト値又はユーザが設定した値)に、全IFSD率(K)と比べて巡航IFSD率rの歴史的な重みづけである定数(0.44)を乗算し、スケーリングされていないrを得ることによって計算される。スケーリングされていないrを次に1000で割ることによりユーザが(1000エンジン飛行時間当たりの)おなじみのIFSD率を入力することができ、積が一貫したものとなる。
ある特定の典型的な種類の航空機では、2005年7月1日〜2008年6月30日の三年間に、1527062の航空機飛行における上昇段階最上部306から降下段階314の開始の間に23件のエンジン停止が記録されている。全飛行時間の平均は一飛行当たり5.04時間(航空機の飛行時間7699387/航空機の飛行回数1527062)。例えば、上昇段階306の平均持続時間(T)は0.333時間であり、双発機の降下段階の通常の持続時間Tの平均値は0.417時間であり、双発機を考慮すると、巡航IFSD率rの平均値は下記式:
23/[(1527062)(2)(5.04−0.333−0.417)]=1.76(10−6
で計算される。
したがって、エンジン巡航時間当たりの停止=巡航中の1000エンジン飛行時間ごとに0.00176である。
ETOPS飛行の全IFSD率Kは、典型的な種類の航空機に関し、1000エンジン飛行時間当たりの0.00403IFSDであることが上に示されている。ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、巡航IFSD率rの全IFSD率Tに対する定率を使用する。この定率を次に使用して、全IFSD率(K)を歴史的比率で減少させて巡航IFSD率rを下記:
巡航IFSD率/全IFSD率=定数(例えば0.00176/0.00403=0.44)
のように導出する。
この定率(ユーザによって入力されるおなじみのIFSD率に適合させるために1000で割る)をETOPS IFSDリスク計算モジュール404においてKで乗算して、特定の計算に使用される巡航IFSD率を導出する。
巡航はエンジンにとって最も安全な(最も動きの少ない)飛行段階であり、また飛行段階中、最も長い持続時間でもある。巡航段階の安全性、及び長い持続時間が組み合わさって、巡航IFSD率rが全IFSD率Kに比べ小さくなる。最近では、ETOPSのメンテナンス作業が向上し、メンテナンスが原因の飛行の初期、通常上昇中に起きやすいIFSDが割合的に減少している。したがって、上昇IFSD率rは改善されつつあり、巡航IFSD率rは全IFSD率Kにより近づいている。しかしながら、最新の巡航IFSD率はいまだ全IFSD率の約半分(0.44)である。
降下IFSD率rは、所定の全IFSD率K(デフォルト値又はユーザが設定した値)に、全IFSD率と比べて降下及びアプローチIFSD率の歴史的な重みづけである定数(1.6)を乗算することによって計算される。これを次に1000で割ることによりユーザが(1000エンジン飛行時間当たりの)おなじみのIFSD率を入力することができ、積が一貫したものとなる。例えば、ある特定の典型的な種類の航空機では、2005年7月1日〜2008年6月30日の三年間に、1527062の航空機飛行における降下開始から着陸までの間に8件のエンジン停止が記録されている。双発機の降下段階時間の通常の持続時間(T)が平均25分(0.417時間)であり、双発機を考慮すると、平均の降下IFSD率rは下記式:
8/[(1527062)(2)(0.417)]=6.28(10−6
で計算される。
したがって、エンジン降下時間当たりの停止=降下中の1000エンジン飛行時間当たり0.00628である。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、降下IFSD率rの全IFSD率Tに対する定率を使用する。この定率を次に使用して、全IFSD率Kを歴史的な割合で増加させて、例えば:
降下IFSD率/全IFSD率=定数(例えば0.00628/0.00403=1.6)
のように降下IFSD率rを導出する。
この定率(ユーザによって入力されるおなじみのIFSD率に適合させるために1000で割る)をETOPS IFSD計算モジュール404においてKで乗算して、特定の計算に使用される降下IFSD率rを導出する。
ハードIFSDとは、「安全に再スタートさせて、長期間最大連続推力まで稼働させることができないエンジン停止」(すなわち、「再スタート不可能」なIFSD)である。ハード又は再スタート不可能なエンジン停止はしばしば再スタートすることができ(すなわち、ある場合には非常事態において臨界推力までも得られ)るが、そうすることは非最適な稼働と考えられ、得られる推力は最大推力を下回り、及び/又はエンジン稼働異常を引き起こす可能性もある。保守性のために、ETOPS IFSDリスク計算機404はハードIFSDの再スタートの可能性は計算せず、全てのハードIFSD(再スタート不可能なエンジン)が飛行持続時間中に再び稼働しないと仮定する。
図6は、本発明の実施形態による、列602及び606の確率値と、列604のそれらの計算値を示すETOPS IFSDリスク計算システム400の実例となる出力パラメータ表600を示す。出力パラメータ表600は、例えば非限定的に、上昇段階中に開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値(P)、非ETOPS初期巡航段階中に開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値(P)、ETOPS段階中に開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値(P)、非ETOPS後期巡航段階中に開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値(P)、降下段階中に開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値(P)、ETOPS飛行全体において任意の時点で開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値(全確率値)(P)、飛行全体で平均化したデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の一エンジン時間当たりの確率値(P)、ETOPS段階全体で平均化したデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の一飛行時間当たりの確率値(P)等を示す値を含むことができる。この明細書において「全推力損失」とは、両方のエンジンからの推力の永久的な(再スタート不可能な)損失を意味し、開始するとは、第1のエンジンの停止が起こっていることを意味する。
は、完全で永久的な航空機の推力損失の一飛行当たりの確率の計算値である。飛行全体における任意の時点でのデュアル・インディペンデント・エンジン停止の全確率値(P)、P=P+P+P+P+Pは、全ての飛行段階の確率値の合計と等しい(図3)。
は、飛行全体で平均化された、航空機の推力の完全で永久的な損失の一飛行時間当たりの平均確率の計算値である。P=P/Tがなりたち、したがって、Pは、飛行全体で平均化された、デュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の一飛行時間当たりの確率値であり、Pは、計画上の全飛行時間Tで割った合計確率値Pに等しい。
は、飛行のETOPS段階310(図3)のみでの、航空機の推力の完全で永久的な損失の一飛行時間当たりの確率の計算値である。P=P/Tがなりたち、したがって、Pは、飛行のETOPS段階310全体で平均化された、デュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の一飛行時間当たりの確率値であり、Pは、ETOPS段階310の持続時間Tで割った確率値Pである。
下記は、本発明の実施形態によるETOPS IFSDリスク計算モジュール404で計算することができるETOPS飛行の5段階におけるエンジン停止の確率を説明する事象シーケンスである。
上昇段階306において起こる最初のエンジン停止の事象シーケンスは下記のようである:
最初のエンジンの稼働異常が上昇段階306で起こり、エンジンは確率値=2rで停止する。初めのIFSDのこの確率値は、離陸及び上昇中に稼働している2つのエンジン、上昇段階での一エンジン当たりの停止率(r)、及び(正常な)上昇段階306の上昇段階の平均持続時間(T)に基づくものである。
下記の確率:
1b=(TA1−K)(K)r+(KND)r
で、燃料を捨てて着陸するまでにTA1時間の間、片側のエンジンが動かない状態で航空機が飛んでいる間に残りのエンジンが停止する。
ここで、P1bは、上昇段階306において最初のエンジンが停止した後の第2のIFSDの確率値である。
この第2のIFSDの確率値は、上昇部分における最初のIFSDに基づくものであり、この後に、重量オーバーでの着陸を回避するために燃料を捨てている間の片肺巡航と、降下及び空港でのタッチダウンまでのK時間が続く。上昇段階にある間にエンジンが停止した後の最初のIFSDから着陸までの予測時間TA1はユーザが設定することができるが、デフォルト値は0.7時間である。片肺巡航時間は、TA1-Kである。片肺巡航IFSD率は、(K)(K)rであり、ここでrは巡航IFSD率であり、Kは片側の残りの稼働エンジンへのストレス増加を考慮した因数であり、Kは巡航中の第2のIFSDから不必要なIFSDを除去した因数である。したがって、巡航部分の停止率は、(TA1−K)(K)(K)rである。降下部分の停止率は、(KND)rである。
最初に停止したエンジンは、確率値=KNIで再スタートしない。KNIは上昇中に停止した最初のエンジンが再スタート可能にならない確率値である。
は、上昇段階306において開始するデュアル・インディペンデント・エンジンの停止による全推力損失の確率値である。この確率値は、以前発生した3つの確率値の積である:1)最初のエンジンの稼働異常が上昇段階306において起こり、エンジンが停止する。確率値=2r; 2)燃料を捨てて着陸するまでのTA1時間の間、片側のエンジンが動かない状態で航空機が飛行する間に残りのエンジンが停止する。確率値=(TA1−K)(K)r+(KND)r; 及び3)停止した最初のエンジンが再スタートしない。確率値=KN1。これらの確率値はそれぞれ、事前に、及び時間系列において(もしあれば)事象が発生したと仮定することが条件である。したがって、P=2r[(TA1−K)K+(KND)r]KNIが成り立つ。
非ETOPS初期巡航段階308で発生している最初のエンジン停止の事象シーケンスは:
最初のエンジンの稼働異常が非ETOPS初期巡航段階308で起こり、エンジンが停止し、確率値=2rである。初めのIFSDのこの確率値は、高高度巡航中に2つのエンジンが稼働していること、上昇段階rでの一エンジン当たりの停止率(一エンジン高高度巡航時間当たりのエンジン停止)、及び正常な非ETOPS初期巡航段階の持続時間Tに基づくものである。
航空機は最寄の空港に向かい、下記の確率:
2b=K*0.7(TE−K)+r
で着陸前に残りのエンジンが停止し、
ここでP2bは非ETOPS初期巡航段階308で最初のエンジン停止が発生した後の、第2のIFSDの確率値である。
この第2のIFSDの確率値は下記に基づくものである:
(1)事前のエンジン停止の直後に航空機が最寄の好適な空港に向かって飛行する、
(2)最寄の空港に到達し着陸するまで0.7(T−K)+K時間かかる。燃料を捨てる時間又は他の状況により、片肺飛行時間が長引いて統計的な平均の0.5時間を上回る可能性があるため、因数0.7は保守的な認識によるものである。正常な双発機の巡航における降下最上部から着陸までの時間はTである。低い片肺飛行高度における降下最上部から着陸まではKである。このことから、片肺飛行の巡航時間は0.7(T−K)であり、
(3)降下して着陸するまでにK時間残り、
(4)エンジンの一低高度巡航時間当たりのエンジン停止率は、上昇段階r(エンジンの一高高度巡航時間当たりのエンジン停止)における一エンジン当たりの停止率よりも因数Kだけ増加し、最初の停止よりも因数Kだけ減少し(第2のIFSDにおいて不必要なIFSDはない)、
(5)一エンジン当たりの降下停止率rは、短縮された降下時間KよりもKだけ減少する。
実際には、片肺飛行から着陸までは、最寄の空港までの低速降下(ドリフトダウン)から(低高度での)降下最上部までの燃料を捨てる時間と、その後にその低高度から着陸までの降下の終了を含む。先行する2セグメント個別モデルは、飛行中のエンジン停止によるストレスを適正に表していると考えることができる。
停止した最初のエンジンが再スタートしない確率値=Kである。Kは停止した最初のエンジンが再スタート可能にならない確率値である。
全推力損失の確率値=Pである。この確率値は、前に記載した3つの確率値の積である:1)最初のエンジンの稼動異常は、非ETOPS初期巡航段階308において起こり、エンジンが停止する。確率値=2r; 2)航空機は最寄の空港を目指し、タッチダウン前に残りのエンジンが停止する。確率値=K0.7(T−K)+r;及び3)停止した最初のエンジンが再スタートしない。確率値=K。これら3つの確率値はそれぞれ、事前に、及び時間系列において(もしあれば)事象が発生したと仮定することが条件である。したがって、
=2r[(K*0.7(T−K)+r]Kが成り立つ。
ETOPS段階310で発生する最初のエンジン停止の事象シーケンスは:
最初のエンジンの稼働異常がETOPS段階で起こり、エンジンが確率値=2rで停止する。初めのIFSDのこの確率値は、高高度巡航中に2つのエンジンが稼働していること、エンジンの一高高度巡航時間当たりのエンジン停止/巡航段階rでの一エンジン当たりの停止率、及び正常なETOPS段階の持続時間Tに基づくものである。
航空機は最寄の適切な空港に向かい、下記の確率で着陸前に残りのエンジンが停止し:
3bは[K(T+(T)/4−K]又は[K(T+0.6(T−T)−K]+rNDよりも少なく、
ここでP3bはETOPS段階310で最初のエンジン停止が発生した後の、第2のIFSDの確率値である。
この第2のIFSDの確率値は下記に基づくものである:
(1)事前のETOPS飛行部分におけるエンジン停止の直後に航空機が最寄の好適な空港に向かって飛行する;
(2)最寄の空港に到達するまで[T+(T)/4]又は[T+0.6(T−T)]よりも少ない時間かかる(ETOPS飛行部分の長さによる);Tは、正常な双発機の巡航における降下最上部から着陸までの時間である。Kは、低い片肺飛行高度における降下最上部から着陸までの時間である。このことから、片肺飛行の巡航時間は上述の2つの時間より少ないが、それぞれ降下時間Kだけ短縮される。
(3)エンジンの一低高度巡航時間当たりの各エンジン停止率は、高高度双発機巡航での停止率rよりもストレス因数Kだけ増加し、巡航部分の最初の停止よりも因数Kだけ減少し(第2のIFSDにおいて不必要なIFSDは起こらない);
(4)降下時間Kでの一エンジン当たりの降下停止率rは、降下部分の最初の停止よりも因数KNDだけ減少する(第2のIFSDにおいて不必要なIFSDは起こらない)。
停止した最初のエンジンは確率値Kで再スタートしない。Kは停止した最初のエンジンが再スタート可能にならない確率値である。
は、ETOPS段階310に開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値である。この確率値は、事前に得た3つの確率値の積である:1)最初のエンジンの稼動異常がETOPS段階310において起こり、エンジンが停止する。確率値=2r; 2)航空機は最寄の適切な空港を目指し、タッチダウン前に残りのエンジンが停止する。確率値=[K(T+(T)/4−K)]又はK(T+0.6(T−T)−K)]+rNDよりも少ない;及び3)停止した最初のエンジンが再スタートしない。P=K。これら3つの確率値はそれぞれ、事前に、及び時間系列において(もしあれば)事象が発生したと仮定することが条件である。したがって、
=2r([K(T+T/4−K)]又は[K(T+0.6(T−T)−K)]+rND)Kが成り立つ。
A3はT+(T)/4又はT+0.6(T−T)よりも少ない値と等しいため、TA3を上述の式に置換すると、
=2r((K(TA3-K))+rND)K
となる。
非ETOPS後期巡航段階312で発生する最初のエンジン停止の事象シーケンスは:
最初のエンジンの稼働異常が非ETOPS後期巡航段階312で起こり、エンジンが確率値=2rで停止する。
航空機は最寄りの空港に向かうが、残りのエンジンが着陸前に停止する。
4b=K(T+T/2−K]+rND
ここでP4bは非ETOPS後期巡航段階312で最初のエンジン停止が発生した後の、第2のIFSDの確率値である。
停止した最初のエンジンは確率値=Kで再スタートしない。Kは停止した最初のエンジンが再スタート可能にならない確率値である。
は、非ETOPS後期巡航段階312に開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値である。この確率値は、事前に得た3つの確率値の積である:1)最初の稼動異常が非ETOPS後期巡航段階312において起こり、エンジンが停止する。確率値=2r; 2)航空機は最寄りの空港を目指すが、残りのエンジンがタッチダウン前に停止する。確率値=K(T+T)/2−K)]+rND;及び3)停止した最初のエンジンが再スタートしない。P=K。これらの確率値はそれぞれ、事象が(もしあれば)事前に、及び時間系列において発生したと仮定することが条件である。したがって、
=2r[K((T+T/2−K)+rND]Kが成り立つ。
降下段階314で発生する最初のエンジン停止の事象シーケンスは:
最初のエンジンの稼働異常が降下段階314で起こり、エンジンが確率値P=2rで停止する。この初めのIFSDの確率値は巡航終了時には2つのエンジンが稼動しているが、片側のエンジンが降下中に停止すること、降下段階での一エンジン当たりの停止率r(一エンジン降下時間当たりのエンジン停止)、及び正常な双発機の降下段階の持続時間Tに基づくものである。
残りのエンジンは目的地の空港に着陸する前に、確率値:
5b=KND(T/2)
で停止し、
ここで、P5bは降下段階314で起きた最初のエンジンの停止後の第2のIFSDの確率値である。
この第2のIFSDの確率値は、事前にT全体の平均的な中間時点でエンジン停止が発生したために、最初の目的地の空港まで降下しタッチダウンするための残っている時間がT/2であり、一エンジン降下時間r当たりのエンジンの停止が最初の停止よりも因数KNDだけ減少する(第2のIFSDにおいて不必要なIFSDが起きない)ことに基づくものである。
停止した最初のエンジンは確率値P=KNDで再スタートしない。これは停止した最初のエンジンが再スタート可能にならない確率値である。
は、降下段階314で開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失の確率値である。この確率値は、事前に得た3つの確率値の積である:1)最初のエンジンの稼動異常が降下段階314において起こり、エンジンが停止する。P=2r;2)目的地の空港でタッチダウンする前に残りのエンジンが停止する。P=KND(T/2);及び3)停止した最初のエンジンが再スタートしない。P=K。これらの確率値はそれぞれ、事象が(もしあれば)事前に、及び時間系列において発生したと仮定することが条件である。また、両方のエンジンからの推力を損失したとしても、各エンジンが停止したときにすでに航空機がアプローチしている場合は、航空機が安全に着陸することが可能であることもあり得る。
=(2r(KND(T/2))KND=rND)2。
ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、様々なETOPSルートの計算を行うために使用される。ETOPS IFSDリスク計算モジュール404は、本明細書で説明したように計算の照合を非常に迅速に処理する。
図7は、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404の実例となる出力パラメータ表700を示し、本発明の実施形態による累積リスク経過値を示すものである。列702は、1時間単位の飛行経過時間を示し、列704は、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404で計算した各飛行段階の終了時に累積リスクの値を示す。例えば、経過時間0.333時間(上昇段階306の終了)における累積リスクは上昇段階リスクPと等しい。経過時間2.333時間(非ETOPS初期巡航段階308の終了)における累積リスクは、Pに非ETOPS初期巡航段階のリスクPが加算されたものと等しい。経過時間6.683時間における累積リスクは、P及びPにETOPS段階のリスクPが加算されたものと等しい。経過時間8.683時間(非ETOPS後期巡航段階312の終了)における累積リスクは、P、P及びPに非ETOPS後期巡航段階のリスクPが加算されたものと等しい。さらに、累積リスクPは、P、P、P及びPに降下段階のリスクPが加算されたものである。図7に示すETOPS IFSDリスク計算モジュール404で計算した累積確率値は、航空機の運航において許容可能とみなされる10−9の値よりも大幅に小さい10−10の規模である。ETOPS IFSDリスク計算モジュール404によって示されたこの低いリスクの値により、取締官が燃料及び時間を節約できるより短い飛行を許可することを促し、また可能にする。図8及び9は、表示スクリーン414に表示された累積リスクを示す。
図8は、本発明の実施形態による棒グラフを使用して表示スクリーン414に表した、図7の出力パラメータ表に示す合計リスクの実例となる図式的な出力800を示す。図8は、上昇段階806/306、非ETOPS初期巡航段階808/308、ETOPS段階810/310、非ETOPS後期巡航段階812/312、及び降下段階814/314の個別のリスクを示す。
図9は、図7の出力パラメータ表によって決定され、本発明の実施形態による線形グラフ902を使用して表示スクリーン414に表した全てのETOPS飛行段階の累積リスク経過の実例となる図式的な出力900を示す。急激な上昇は、リスクの累積が早いことと等しい。
図10は、本発明の実施形態による表示スクリーン414に表された実例となるパラメータ表1000を示す。パラメータ表1000は、パラメータをグラフと適切に関連させることができるようにユーザの便宜を図るために表された入力パラメータ表500(つまり現在の列502より)及び出力パラメータ表600(すなわちP608)から導出されたものである。
図11は、本発明の実施形態によるETOPS IFSDリスク解析システム400によって好適に使用できる延長運航(ETOPS)デュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスクを解析するプロセス1100を示す実例となるフロー図を示す。プロセス1100と合わせて実施される様々なタスクは、プロセス法、又はこれらを任意に組み合わせて実施するためのコンピュータによって実行可能な命令を有するソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、コンピュータによって読み取り可能な媒体によって実施可能である。プロセス1100は、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等のコンピュータによって読み取り可能な媒体に記憶させることができ、例えばコンピュータによって読み取り可能な媒体が収納されたプロセッサモジュール408等のコンピュータCPUによってアクセスし実行することができる。当然ながら、プロセス1100は任意の数の追加の又は代替のタスクを含むことができ、図11に示すタスクは図示した順番に実行する必要がなく、プロセス1100は本明細書に詳細には記載されていない追加の機能性を有するより包括的な手順又はプロセスに組み込むことができる。図示目的のために、プロセス1100の下記の説明は、図3〜10と合わせて上述した要素を参照する場合がある。実際の実施形態では、プロセス1100の複数の部分を、例えば入力モジュール402、ETOPS IFSDリスク計算モジュール404、表示モジュール406、プロセッサモジュール408、及びメモリモジュール410等のシステム400の異なる要素によって実施することができる。プロセス1100は、図1〜10に示す実施形態に類似の機能、材料、及び構造を有することができる。したがって、共通の特徴、機能及び要素は、重複して本明細書に記載していない場合がある。
プロセス1100は、上で説明したように、飛行固有データを得るために、双発機/エンジンの連携性能データセットを提供することによって開始することができる(タスク1102)。
プロセス1100は次に、上で説明したように、ユーザ入力可変アレイを提供することによって継続することができる(タスク1104)。ユーザ入力可変アレイは少なくとも、飛行中のエンジンの平均停止率、上昇段階306の平均持続時間、ETOPS規定時間、及び計画上の全飛行時間を含むことができる。
プロセス1100は次に、ユーザ入力可変アレイ及び様々な飛行段階の飛行固有データに基づいて飛行時間を計算することによって継続することができる(タスク1106)。
プロセス1100は次に、ユーザ入力可変アレイ、飛行固有データ、及び飛行時間に基づいて、ETOPS飛行の様々な段階のデュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値を計算することによって継続することができる(タスク1108)。
プロセス1100は次に、例えばETOPS IFSDリスク計算モジュール404等のETOPS IFSDリスク計算手段を使用して、全推力損失確率値に基づいて、ETOPS飛行でのデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスク計算値を計算することによって継続することができる(タスク1110)。
プロセス1100は次に、表示スクリーン414に全推力損失確率値、ユーザ可変アレイ、及びリスク計算値の数値を表示することによって継続することができる(タスク1112)。
プロセス1100は次に、表示スクリーン414に全推力損失確率値、ユーザ可変アレイ、及びリスク計算値を図式的に表示することによって継続することができる(タスク1114)。
この方法では、本発明の様々な実施形態によって航空機の取締官が、双発機のETOPS運航においてより短い飛行、燃料消費量の削減、有料荷重範囲の拡大、及び飛行時間の短縮を許可することを促し、また可能にする。実施形態により、取締官、オペレータ、航空機メーカー、及びエンジンメーカーが、リスク及びETOPS運航における多数の飛行パラメータの実際の効果を観察するための迅速な方法が提供される。取締官は、世界中のETOPS飛行を自信を持って認可することができる。オペレータは取締官にどれほど安全になり得るかを示すことによって新規の運航を申請することができる。メーカーは、製造した航空機に対してもっと多くの、そしてより長時間のETOPS運航の認可を得ることができる。
前述の詳細説明においては、少なくとも一つの例示の実施形態が記載されたが、当然ながら無数の変形例が存在する。又、本明細書に記載された例示の一の実施形態又は複数の実施形態は、決して主題の範囲、適用性、又は構成を限定するように意図されたものではないことを認識すべきである。むしろ、前述の詳細説明は、当業者に記載した一の実施形態又は複数の実施形態を実行するための便利な手引きを提供するものである。要素の機能及び配置において多様な変更を、この特許出願を申請する時点において既知の同等物、及び予測可能な同等物を含む、請求項によって定義される範囲を逸脱することなしに行うことができることを理解すべきである。
この明細書において、使用されている用語「モジュール」は、本明細書に記載された関連機能を実施するためのソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びこれらの要素の任意の組み合わせを指すものである。加えて、説明目的のために、様々なモジュールは異なるモジュールとして記載されているが、当業者に明らかなように、2つ以上のモジュールを組み合わせて、本発明の実施形態による関連機能を実施する単一のモジュールを形成することが可能である。
この明細書において、「コンピュータプラグラム製品」、「コンピュータによって読み取り可能な媒体」等の用語は一般に、例えばメモリ、記憶デバイス、又は記憶装置等の媒体を指すのに使用され得る。これらの、そして他の形態のコンピュータによって読み取り可能な媒体は、プロセッサモジュール408によって使用される一以上の命令を記憶することに関連し、これによりプロセッサモジュール408が特定の動作を実施することができる。一般に(コンピュータプログラムの形態でグループ分けされた、又は他のやり方でグループ分けされ得る)「コンピュータプログラムコード」又は「プログラムコード」と称される上記命令は、実行されると、システム400のETOPS IFSDリスク計算手段を使用して延長運航(ETOPS)デュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスクを解析する方法を有効にする。
上記説明は、共に「接続された」又は「連結された」要素又はノード又は機構を指すものである。本明細書で使用される際には、特に明記しない限り、「接続された」は、一つの要素/ノード/機構が別の要素/ノード/機構に直接結合(又は直接連通)していることを意味し、これは必ずしも機械的である必要はない。同様に、特に明記しない限り、「連結された」は、一つの要素/ノード/機構が別の要素/ノード/機構に直接又は間接的に結合(又は直接又は間接的に連通)していることを意味し、これは必ずしも機械的である必要はない。したがって、図1〜10には要素の例示的な配置が示されているが、本開示の実施形態には、追加の介在要素、デバイス、機構、又はコンポーネントが存在し得る。
この明細書に使用された用語及び表現、またそれらの変形は、特に明記しない限り、限定とは反対に制約がないものとして解釈すべきである。前述の例としては:用語「含む」は、「限定なく含む」等を意味するものとして読まれるべきである;用語「実施例」は説明している項目の例えを提供するために使用されており、これらのリストを包括する又は限定する意味で使用されない;「従来の」、「伝統的な」、「通常の」、「標準の」、「周知の」及び同様の意味を持つ用語等の形容詞は、記載された項目を所定の期間に限定する、あるいは所定の時点に利用可能な項目に限定するものと解釈すべきでなく、むしろ、利用可能であり得る又は現在又は将来のいかなる時点においても周知である、従来の、伝統的な、通常の、又は標準の技術を網羅するものとして理解すべきである。同様に、接続詞「及び」でつながる項目グループは、それらの項目それぞれの又、全てがグループ分けに存在する必要があると解釈すべきでなく、むしろ特に明記しない限り、「及び/又は」として理解すべきである。同様に、接続詞「又は」でつながる項目グループは、グループ間で相互に排他的であることが要求されると解釈すべきでなく、むしろ特に明記しない限り、「及び/又は」として理解すべきである。さらに、本発明の項目、要素又はコンポーネントは単数のものとして記載され請求される場合があるが、単数に限定されると明確に記載されてないかぎり、複数のものもそれらの範囲内にあると考慮される。ある事例における例えば「一以上の」、「少なくとも」、「非限定的に」及びその他同様の表現等の広がりを持つ単語及び表現の存在は、このような広がりを持つ表現がない場合に、範囲を狭める状況が意図される又はその場合に要求されることを意味すると理解すべきではない。
102 ETOPS飛行経路
104 ETOPS飛行経路
106 ETOPS飛行経路
108 大円
110 ブエノスアイレス
112 オークランド
114 ETOPS規定時間180分
116 ETOPS規定時間240分
118 ETOPS規定時間300分
202 地域
204 アメリカ合衆国
206 ハワイ
304 最寄の空港
324 代替空港
326 最寄の好適な空港
806 上昇段階
808 非ETOPS初期巡航段階
810 ETOPS段階
812 非ETOPS後期巡航段階
814 降下段階
902 線形グラフ

Claims (9)

  1. 延長運航(ETOPS)デュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスクを、ETOPS IFSDリスク計算手段を使用して解析する方法であって:
    計画上の全飛行時間、ETOPS規定時間、ETOPS閾値時間、上昇段階の平均持続時間、上昇段階にある間にエンジンが停止した後、着陸するまでの予測時間、非ETOPS初期巡航段階の通常持続時間、非ETOPS後期巡航段階の通常持続時間、双発機の降下段階の通常持続時間、一エンジン飛行時間当たりの全飛行IFSD率の平均値、片肺巡航時の停止ストレス因数を含む飛行固有データを提供すること;
    飛行中の平均エンジン停止率と、上昇段階の平均持続時間と、ETOPS規定時間と、計画上の全飛行時間とを有するユーザ入力可変アレイを提供すること;
    飛行固有データとユーザ入力可変アレイに基づいて飛行時間を計算すること;
    ユーザ入力可変アレイ、飛行固有データ、及び飛行時間に基づいて、上昇段階、非ETOPS初期巡航段階、ETOPS段階、非ETOPS後期巡航段階、及び降下段階を含む飛行段階のそれぞれに対して、デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値を計算すること;
    デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値の合計に基づいて、ETOPS飛行でのデュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止のリスク計算値を計算すること;及び
    表示スクリーン上に、デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値、及びリスク計算値を図式的に表示すること
    を含む方法。
  2. リスク計算値に基づいてETOPS飛行のより長い規定時間を得ることにより、ETOPS飛行の飛行経路を短縮することが可能になる、請求項1に記載の方法。
  3. 表示スクリーン上に、デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値、ユーザ入力可変アレイ、及びリスク計算値の数値を表示することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 下記の関係:
    =2r[(TA1-K)K+(KND)r]KNI
    に基づいてリスク計算値を計算することをさらに含み、
    上記式において、Pは上昇段階において開始するデュアル・インディペンデント・エンジンの停止による全推力損失の確率であり、rは、上昇段階における一エンジン当たりの停止率であり、rは、巡航段階における一エンジン当たりの停止率であり、Tは、上昇段階の平均持続時間であり、TA1は、上昇段階にある間にエンジンが停止した後の着陸までの予測時間であり、Kは、片肺飛行の降下時間の、双発機の降下時間に対する比率であり、Tは、双発機の降下段階の通常の持続時間であり、Kは、片肺飛行の巡航停止のストレス因数であり、Kは、ハード巡航IFSD率の、全巡航IFSD率に対する比率であり、KNDは、ハード降下IFSD率の全降下IFSD率に対する比率であり、rは、降下段階における一エンジン当たりの停止率であり、KNIは、ハード上昇IFSD率の全上昇IFSD率に対する比率である、
    請求項1に記載の方法。
  5. 下記の関係:
    =2r[K*0.7(T-K)+r]K
    に基づいてリスク計算値を計算することをさらに含み、
    上記式において、Pは非ETOPS初期巡航段階において開始するデュアル・インディペンデント・エンジンの停止による全推力損失の確率であり、rは、巡航段階における一エンジン当たりの停止率であり、rは、降下段階における一エンジン当たりの停止率であり、Tは、非ETOPS初期巡航段階における通常の持続時間であり、Kは、片肺飛行の巡航停止のストレス因数であり、Kは、ハード巡航IFSD率の、全巡航IFSD率に対する比率であり、Kは、片肺飛行の降下時間の双発機の降下時間に対する比率であり、Tは、ETOPS閾値時間であり、Tは、双発機の降下段階の通常の持続時間であり、Kは、片肺飛行の降下時間の双発機の降下時間に対する比率である、
    請求項1に記載の方法。
  6. 下記の関係:
    =(rND)*2
    に基づいてリスク計算値を計算することをさらに含み、
    上記式において、Pは降下段階において開始するデュアル・インディペンデント・エンジンの停止による全推力損失の確率であり、Tは、双発機の降下段階の通常の持続時間であり、KNDは、ハード降下IFSD率の全降下IFSD率に対する比率であり、rは、降下段階における一エンジン当たりの停止率である、
    請求項1に記載の方法。
  7. リスク計算値に基づいてETOPS飛行における燃料消費の削減を可能にすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 延長運航(ETOPS)デュアル・インディペンデント・エンジンの飛行中の停止(IFSD)のリスクを解析するシステムであって:
    計画上の全飛行時間、ETOPS規定時間、ETOPS閾値時間、上昇段階の平均持続時間、上昇段階にある間にエンジンが停止した後、着陸するまでの予測時間、非ETOPS初期巡航段階の通常持続時間、非ETOPS後期巡航段階の通常持続時間、双発機の降下段階の通常持続時間、一エンジン飛行時間当たりの全飛行IFSD率の平均値、片肺巡航時の停止ストレス因数を含む飛行固有データを記憶するのに使用可能なメモリモジュール;
    ユーザ入力可変アレイを受けるのに使用可能な入力モジュールであって、
    ハード上昇IFSD率の全上昇IFSD率に対する比率、ハード巡航IFSD率の全巡航IFSD率に対する比率、ハード降下IFSD率の全降下IFSD率に対する比率、片肺飛行の降下時間の双発機の降下時間に対する比率を含むETOPS飛行の特定の双発機/エンジンの連携パラメータと、
    飛行中の平均エンジン停止率
    を含む入力モジュール;
    ETOPS IFSDリスク計算モジュールであって、
    ユーザ入力可変アレイと飛行固有データに基づいた飛行時間;
    ユーザ入力可変アレイ、飛行固有データ、及び飛行時間に基づいた、上昇段階、非ETOPS初期巡航段階、ETOPS段階、非ETOPS後期巡航段階、及び降下段階を含む飛行段階のそれぞれに対する、デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値;及び
    デュアル・インディペンデント・エンジン停止の全推力損失確率値に基づいて、ETOPS飛行全体において任意の時点で開始するデュアル・インディペンデント・エンジン停止による全推力損失のリスク
    を計算するのに使用可能なETOPS IFSDリスク計算モジュール;並びに
    表示スクリーン上にユーザ入力可変アレイ、確率値、及びリスクを表示するのに使用可能な表示モジュール
    を含むシステム。
  9. メモリモジュールが、ユーザ入力可変アレイ、飛行時間、及び確率値を記憶するのに更に使用可能である、請求項8に記載のシステム。
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