以下では図面を参照しつつ、本発明に係る管理機の実施の一形態である歩行型管理機1について説明する。図1に示す歩行型管理機1は圃場において耕耘作業その他の作業を行うための装置である。歩行型管理機1はメインフレーム11、エンジン12、燃料タンク13、伝動機構14、側部カバー15、ミッションケース20、上部カバー30、車輪33、ロータリ式耕耘装置35、ハンドル40、ハンドル側操作部45および機体側操作部50を具備する。 以下では便宜上、図1に示す歩行型管理機1の機体を基準として上下方向、前後方向、および左右方向(図1の紙面に垂直な方向)を定め、これらの方向を用いて歩行型管理機1の各部の説明を行う。なお、「機体」は管理機の主たる構造体を指し、本実施形態におけるメインフレーム11、エンジン12、ミッションケース20および上部カバー30を合わせたものは本発明に係る機体の実施の一形態に相当する。
メインフレーム11は歩行型管理機1の前下部を成す構造体である。エンジン12は歩行型管理機1が走行および耕耘作業を行うための駆動力を発生させる駆動源である。エンジン12はメインフレーム11の上方に固定される。エンジン12は出力軸12aを備え、出力軸12aはエンジン12の左側方に突出する。燃料タンク13はエンジン12の上方に配置される。伝動機構14はエンジン12が発生させた駆動力をミッションケース20に伝達するものである。本実施形態の伝動機構14は出力軸12aの左端部に固定されるプーリ14a、後で詳述する入力軸21の左端部に固定されるプーリ14b、プーリ14a・14bに巻回されるベルト14c、および、ベルト14cの張力を変動させることにより出力軸12aから入力軸21への駆動力を伝達およびその停止を切り替えるベルトテンション式クラッチ14dを備える。ベルトテンション式クラッチ14dはその中途部が後述するミッションケース20の左側面前部に回動可能に支持される棒状のテンションアーム、および、当該テンションアームの一端部(前端部)に回転可能に軸支されるテンションプーリを備える。ベルトテンション式クラッチ14dは図示せぬワイヤーにより主クラッチレバー46に連結される。作業者が主クラッチレバー46を操作することにより、ベルトテンション式クラッチ14dを「入」または「切」のいずれかに切り替えることが可能である。伝動機構14は側部カバー15により被覆される。
ミッションケース20は入力軸21、車軸22、耕耘出力軸23その他の回転軸、歯車、スプロケット、チェーン、クラッチ等、「エンジン12が発生させた駆動力を適宜変速するとともに車輪33およびロータリ式耕耘装置35に伝達するための部品群」を収容する。ミッションケース20は歩行型管理機1の主たる構造体の一つであり、ミッションケース20の前端部はメインフレーム11の後端部に固定される。入力軸21はミッションケース20の上部に回転可能に軸支され、入力軸21の左半部はミッションケース20から左側方に突出する。入力軸21の左端部にはプーリ14bが固定される。車軸22はミッションケース20の前下部に回転可能に軸支され、車輪33に駆動力を伝達する。耕耘出力軸23は本発明に係るPTO(Power Take Off)軸の実施の一形態であり、ロータリ式耕耘装置40に駆動力を伝達する。耕耘出力軸23はミッションケース20の後下部に回転可能に軸支される。ここで「PTO軸」は管理機の駆動源(本実施形態の場合、エンジン12)の駆動力を変速する変速機構が収容されたミッションケースから駆動力を外部に取り出し、管理機の機体に固定されて各種作業を行う作業装置(本実施形態の場合、ロータリ式耕耘装置35)に伝達する軸を指す。ミッションケース20に伝達された駆動力は、ミッションケース20に収容された図示せぬ変速装置(入力軸21に固定された歯車、当該歯車に噛合する別の歯車、当該別の歯車が固定される回転軸等の部品群の組み合わせ)により変速され、車軸22および耕耘出力軸23に伝達される。ミッションケース20の右側部には概ね円柱形状の支持軸24・25・26が配置される。より詳細には、支持軸24・25・26基端部(左端部)はミッションケース20の右側部に固定され、支持軸24・25・26の先端部(右端部)はミッションケース20の右側方に突出する(図2、図4および図7参照)。ミッションケース20には概ね円柱形状の耕耘操作軸27、前後進操作軸28および変速操作軸29が設けられる(図2、図3および図4参照)。より詳細には耕耘操作軸27、前後進操作軸28および変速操作軸29はミッションケース20の右側面に設けられた貫通孔に貫装され、基端部側(左半部側)がミッションケース20の内部に収容されるとともに先端部側(右半部側)がミッションケース20の右側方に突出した状態で長手方向(左右方向)に移動可能に支持される。耕耘操作軸27の外周面の右半部には下方および前後方向に開口する嵌合溝27a・27bが形成される。前後進操作軸28の右端部には受け部材28aが固定され、受け部材28aには上方および後方に開口する嵌合溝28bが形成される。変速操作軸29の外周面の右半部には周方向に繋がったリング状の嵌合溝29aが形成される。
ミッションケース20に対する耕耘操作軸27の左右方向における位置を変更することにより、ミッションケース20の内部における駆動力伝達機構を構成する歯車群の噛み合いが変更され、ロータリ式耕耘装置35への駆動力の伝達(耕耘出力軸23の回転)およびその停止、ならびに耕耘出力軸23の回転数が切り替えられる。より詳細には、耕耘操作軸27が右から一番目の位置(最もミッションケース20から突出した位置)である「高速耕耘操作位置」に配置されたとき、駆動力がロータリ式耕耘装置35に伝達され、耕耘出力軸23は高速で回転駆動される。耕耘操作軸27が右から二番目の位置である「耕耘停止操作位置」に配置されたとき、駆動力がロータリ式耕耘装置35に伝達されず、耕耘出力軸23は回転駆動されない。耕耘操作軸27が右から三番目の位置(最もミッションケース20に没入した位置)である「低速耕耘操作位置」に配置されたとき、駆動力がロータリ式耕耘装置35に伝達され、耕耘出力軸23は低速で(高速耕耘操作位置の場合よりも低い回転数で)回転駆動される。
ミッションケース20に対する前後進操作軸28の左右方向における位置を変更することにより、ミッションケース20の内部における駆動力伝達機構を構成する歯車群の噛み合いが変更され、車輪33への駆動力の伝達(車軸22の回転)およびその停止、ならびに車軸22の回転方向が切り替えられる。より詳細には、前後進操作軸28が右から一番目の位置(最もミッションケース20から突出した位置)である「前進操作位置」に配置されたとき、駆動力が車軸22に伝達され、車輪33は正転する(歩行型管理機1が機体の前方に走行する向きに回転する)。前後進操作軸28が右から二番目の位置である「走行停止操作位置」に配置されたとき、駆動力が車軸22に伝達されず、車輪33は回転駆動されない。前後進操作軸28が右から三番目の位置(最もミッションケース20に没入した位置)である「後進操作位置」に配置されたとき、駆動力が車軸22に伝達され、車輪33は逆転する(歩行型管理機1が機体の後方に走行する向きに回転する)。
ミッションケース20に対する変速操作軸29の左右方向における位置を変更することにより、ミッションケース20の内部における変速機構を構成する歯車群の噛み合いが変更され、車軸22の回転数が切り替えられる。より詳細には、変速操作軸29が右から一番目の位置(最もミッションケース20から突出した位置)である「低速操作位置」に配置されたとき、車軸22の回転数が(後述する高速操作位置のときよりも)低くなる。変速操作軸29が右から二番目の位置(最もミッションケース20に没入した位置)である「高速操作位置」に配置されたとき、駆動力が車軸22に伝達されず、車軸22の回転数が(低速操作位置のときよりも)高くなる。なお、「低速操作位置」における車軸22の回転数は歩行型管理機1が圃場において各種作業を行うときの走行速度に対応し、「高速操作位置」における車軸22の回転数は歩行型管理機1が圃場間あるいは圃場と歩行型管理機1の保管場所との間を移動するとき等の走行速度に対応する。
上部カバー30はミッションケース20の上部を覆う。車輪33は車軸22に固定され、エンジン12の駆動力により車軸22と一体的に(車軸22とともに)回転駆動される。
ロータリ式耕耘装置35は圃場の土壌を耕耘するための作業装置であり、ミッションケース20の後部に固定される。ロータリ式耕耘装置35は耕耘爪36・36・・・および耕耘カバー37を備える。耕耘爪36・36・・・は耕耘出力軸23に着脱可能に固定され、耕耘カバー37により上方や側方が覆われる。
ハンドル40は本発明に係るハンドルの実施の一形態であり、作業者が歩行型管理機1を用いて各種の作業を行うときに手で握って歩行型管理機1の姿勢および走行する方向を調整および保持する。本実施形態のハンドル40の基端部はミッションケース20の上部に水平方向に回転可能に(長手方向が上下方向に対して平行な軸を中心に回転可能に)支持され、ハンドル40は「正ハンドル位置(図1において実線で表示される位置)」および「逆ハンドル位置(図1において二点鎖線で表示される位置)」の間で移動することが可能である。また、図示せぬ固定レバーを操作することにより、ハンドル40は「正ハンドル位置」および「逆ハンドル位置」のうちいずれかの位置で固定された状態、または、「正ハンドル位置」および「逆ハンドル位置」の間で回転可能な状態を切り替えることが可能である。ここで、「正ハンドル位置」は前向きの作業者(図1において体の正面を矢印Aの方向、すなわち歩行型管理機1の機体の前方に向けている作業者)がハンドル40の先端部を歩行型管理機1の機体の後方で把持するための位置である。ハンドル40が「正ハンドル位置」に配置されているとき、ハンドル40の先端部は歩行型管理機1の機体の後方に張り出している。また、「逆ハンドル位置」は後ろ向きの作業者(図1において体の正面を矢印Bの方向、すなわち歩行型管理機1の機体の後方に向けている作業者)がハンドル40の先端部を歩行型管理機1の機体の前方で把持するための位置である。ハンドル40が「逆ハンドル位置」に配置されているとき、ハンドル40の先端部は歩行型管理機1の機体の前方に張り出している。
ハンドル側操作部45は作業者が歩行型管理機1の各種操作を行うための部材群のうち、ハンドル40の先端部に設けられているものである。本実施形態のハンドル側操作部45はベルトテンション式クラッチ14dを操作するための主クラッチレバー46、エンジン12の回転数を変更するアクセルレバー47、エンジン12の始動および停止を切り替えるエンジンスイッチ(不図示)等を備える。
機体側操作部50は作業者が歩行型管理機1の各種操作を行うための部材群のうち、歩行型管理機1の機体に設けられているものである。図2、図3および図4に示す如く、本実施形態の機体側操作部50は走行・耕耘レバー51、変速レバー52、耕耘規制部材53および走行変速規制部材57を具備する。
走行・耕耘レバー51は本発明に係る走行・PTOレバーの実施の一形態である。走行・耕耘レバー51は、ミッションケース20に対する前後進操作軸28の位置を変更することにより、歩行型管理機1の進行方向を前進、中立、後進のいずれかに切り替える。また、走行・耕耘レバー51は、ミッションケース20に対する耕耘操作軸27の位置を変更することにより、耕耘出力軸23の駆動の「入」および「切」を切り替える。走行・耕耘レバー51はレバー本体51a、グリップ51b、連結部51cおよび係合部51dを備える。レバー本体51aの一端部(先端部)にはグリップ51bが設けられ、作業者はグリップ51bを握って走行・耕耘レバー51を操作する(回動させる)。連結部51cはレバー本体51aの他端部(基端部)をミッションケース20の右側部に回動可能に連結する部材である。本実施形態の連結部51cは長手方向が上下方向に対して概ね平行となる第一円筒、連結部51cの第一円筒に相対回転可能かつ脱落不能に収容される第二円筒、および、長手方向が左右方向に対して平行となるとともにその外周面が連結部51c第一円筒の外周面に溶接される第三円筒を備える。連結部51cの第三円筒をミッションケース20の右側面から右側方に突出した支持軸24(図2および図7参照)に相対回転可能に貫装することにより、連結部51cひいては走行・耕耘レバー51は支持軸24を中心として回動可能にミッションケース20に支持される。レバー本体51aの基端部は連結部51cの第二円筒に脱落不能に差し込まれる。連結部51cの第二円筒の内部には図示せぬバネが収容され、当該バネはレバー本体51aの基端部を上方に付勢している。レバー本体51aが当該バネの付勢力により上方に押し上げられているとき、レバー本体51aは連結部51cに係止され、連結部51cの第二円筒に対して相対回転不能に固定される。レバー本体51aが当該バネの付勢力に抗して押し下げられているとき、レバー本体51aが連結部51cに係止された状態が解除され、レバー本体51aは連結部51cの第二円筒に対して相対回転可能である。係合部51dは連結部51cの第一円筒の下方に配置され、かつ連結部51cの第二円筒に相対回転不能に固定される板状の部材であり、その前端部には突起が形成される。連結部51cの第三円筒には捩りバネ(不図示)が巻回される。当該捩りバネの一端部はミッションケース20に係止され、当該捩りバネの他端部は連結部51cの第一円筒の外周面後部に当接する。当該捩りバネの弾性力(弾性変形した捩りバネが元の形状に戻ろうとする力)により、連結部51c、ひいては走行・耕耘レバー51は前方に倒れる方向(右側面視で時計回り)に付勢される。
作業者が走行・耕耘レバー51に触れていないとき(外力が作用していないとき)、係合部51dの突起は受け部材28aの嵌合溝28bに嵌合する(図2、図3、図7参照)。従って、係合部51dの突起が嵌合溝28bに嵌合した状態で走行・耕耘レバー51を平面視で時計回りまたは反時計回りに回転させることにより、ミッションケース20に対する前後進操作軸28の位置を変更する(歩行型管理機1の進行方向を前進、中立、後進のいずれかに切り替える)ことが可能である。また、作業者が連結部51cの第三円筒に巻回された捩りバネの弾性力に抗して走行・耕耘レバー51を後方に傾倒させたとき、係合部51dの突起は耕耘操作軸27の嵌合溝27aまたは嵌合溝27bに嵌合する(図7中の二点鎖線参照)。従って、係合部51dの突起が嵌合溝27aまたは嵌合溝27bに嵌合した状態で走行・耕耘レバー51を平面視で時計回りまたは反時計回りに回転させることにより、ミッションケース20に対する耕耘操作軸27の位置を変更する(耕耘出力軸23の駆動の「入」および「切」を切り替える)ことが可能である。
変速レバー52は本発明に係る変速レバーの実施の一形態である。変速レバー52はミッションケース20に対する変速操作軸29の位置を変更することにより、歩行型管理機1の機体の走行速度を低速または高速のいずれかに切り替える。変速レバー52はレバー本体52a、グリップ52b、プレート52c、連結部52dおよびピン52eを備える。
レバー本体52aの一端部(先端部)にはグリップ52bが設けられる。作業者はグリップ52bを握って変速レバー52を操作する(回動させる)。プレート52cは前後一対の板面を有し上下方向に長い金属板の中途部を適宜屈曲することにより側面視で概ねクランク形状に成形した部材である。プレート52cの上下中途部には貫通孔が形成される。また、プレート52cの一端部(下端部)には上下方向に延びた長孔52f(図3および図4参照)が形成される。プレート52cの右端面にはレバー本体52aが溶接により固定される。連結部52dはプレート52cをミッションケース20の右側部に回動可能に連結する部材である。本実施形態の連結部52dは長手方向が左右方向に対して平行となる第一円筒、長手方向が連結部52dの第一円筒に対して垂直となるとともにその外周面が連結部52dの第一円筒の外周面に溶接される第二円筒、および連結部52dの第二円筒に嵌装されるピンを備える。連結部52dのピンをプレート52cに形成された貫通孔に貫装し、次いで連結部52dの第二円筒に脱落不能に嵌装することにより、プレート52cは連結部52dのピンを中心として回動可能に連結部52dに連結される。また、連結部52dの第一円筒をミッションケース20の右側面から右側方に突出した支持軸25(図7参照)に相対回転可能に貫装することにより、連結部52d(ひいては変速レバー52)は支持軸25を中心として回動可能にミッションケース20に支持される。ピン52eは変速操作軸29の右端部(嵌合溝29aよりも右側となる位置)に形成された図示せぬ貫通孔およびプレート52cに形成された長孔52fに脱落不能に貫装される。ピン52eにより変速操作軸29の右端部とプレート52cの下端部とが連結される。
変速レバー52を背面視で時計回り(グリップ52bを押し下げる方向)に回転させることにより、変速操作軸29を左側方に移動させ、歩行型管理機1の機体の走行速度を高速に切り替えることが可能である。また、変速レバー52を背面視で反時計回り(グリップ52bを引き上げる方向)に回転させることにより、変速操作軸29を右側方に移動させ、歩行型管理機1の機体の走行速度を低速に切り替えることが可能である。
耕耘規制部材53は本発明に係るPTO規制部材の実施の一形態である。耕耘規制部材53は走行・耕耘レバー51による機体の進行方向の切り替えならびに耕耘出力軸23の駆動の「入」および「切」の切り替えを歩行型管理機1の作業内容、より詳細にはハンドル40の位置(正ハンドル位置または逆ハンドル位置)に応じて規制する部材である。図3および図4に示す如く、耕耘規制部材53はレバーポジション指示部材54、レバーガイド部材55および溝閉塞部材56を備える。
レバーポジション指示部材54は、本発明に係るレバーポジション指示部材の実施の一形態である。本実施形態のレバーポジション指示部材54は金属棒を適宜屈曲したものであり、その基端部(下端部)は走行・耕耘レバー51の係合部51dに固定される。
レバーガイド部材55は本発明に係るレバーガイド部材の実施の一形態である。図5の(a)に示す如く、本実施形態のレバーガイド部材55は上下一対の板面を有するとともに前後左右の端部を下方に屈曲させた板状の部材であり、金属板をプレス成形することにより製造される。レバーガイド部材55にはレバーガイド部材55の上下一対の板面を貫通するレバー孔55a、レバーポジション溝55b、支持孔55cおよび固定孔55d・55dが形成される。レバー孔55aはレバーガイド部材55の後半部に配置される孔である。レバー孔55aには走行・耕耘レバー51が回動可能に貫装される(図3および図4参照)。レバーポジション溝55bはレバーガイド部材55の前半部に配置される溝である。レバーポジション溝55bにはレバーポジション指示部材54の先端部(上端部)が嵌合する(図3および図4参照)。レバーポジション指示部材54の先端部は走行・耕耘レバー51の全操作範囲(本実施形態の場合、走行・耕耘レバー51が上下方向の軸回りの回動および左右方向の軸回りの回動の組み合わせにより移動し得る全ての範囲)においてレバーポジション溝55bに嵌合した状態が保持され、レバーポジション溝55bの内部を走行・耕耘レバー51(の回動)に連動して移動することが可能である。支持孔55cはレバーガイド部材55の左前部に配置される前後方向に延びた長孔であり、溝閉塞部材56を移動可能に支持するために用いられる。固定孔55d・55dはレバーガイド部材55の左後半部に配置される孔である。固定孔55d・55dにネジ16・16を貫装し、ミッションケース20の右側部に固定されたブラケット(不図示)に螺装することにより、レバーガイド部材55はミッションケース20に固定される(図2参照)。
溝閉塞部材56は本発明に係る溝閉塞部材の実施の一形態である。図5の(b)に示す如く、溝閉塞部材56は本体56a、操作突起56bおよびピン56cを備える。本体56aは上下一対の板面を有する金属板に適宜形状に打ち抜き加工したものである。本体56aの左前部は下方に折り曲げられる(以下、本体56aにおいて下方に折り曲げられた部分を「屈曲部」という。)。本体56aはレバーガイド部材55の下方に配置され、本体56aの上側の板面(上面)はレバーガイド部材55の下側の板面(下面)に当接する(図3および図4参照)。操作突起56bは作業者が溝閉塞部材56を操作するときに指で摘む部分としての機能および本体56a(ひいては溝閉塞部材56)をレバーガイド部材55に対して脱落不能かつ相対移動可能に支持する機能を兼ねる。本実施形態の操作突起56bはツマミとなる樹脂製のブロック頭部に固定されたネジおよびナットを備える。操作突起56bのネジの本体部(雄ネジが形成されている部分)はレバーガイド部材55の支持孔55cに上方から下方に向けて貫装され、本体56aの左前部に形成されたネジ孔(不図示)に上方から下方に向けて螺装され、その先端部(下端部)は本体56aの下側の板面(下面)の下方に突出する。また、当該先端部には操作突起56bのナットが締め付けられる。このようにして、操作突起56bは本体56aに固定されるとともに、溝閉塞部材56はレバーガイド部材55に脱落不能、かつ前後方向に移動可能に(操作突起56bのネジが支持孔55cに沿って移動可能に)支持される(図3および図4参照)。ピン56cは概ね円柱形状の部材であり、その基端部(左端部)は本体56aの屈曲部に固定され、その先端部(右端部)は本体56aの屈曲部の右側方に突出する。
走行変速規制部材57は本発明に係る走行変速規制部材の実施の一形態である。走行変速規制部材57は変速レバー52による機体の走行速度の切り替えを歩行型管理機1の作業内容、より詳細にはハンドル40の位置(正ハンドル位置または逆ハンドル位置)に応じて規制する部材である。図3、図4および図5の(b)に示す如く、走行変速規制部材57はリンク部材58および干渉部材59を備える。
リンク部材58は本発明に係るリンク部材の実施の一形態である。図3、図4および図5の(b)に示す如く、本実施形態のリンク部材58はリンク本体58aおよび筒部58dを備える。リンク本体58aは左右一対の板面を有するとともに概ね上下方向に長い板状の部材である。リンク本体58aの一端部(上端部)および他端部(下端部)にはそれぞれ嵌合孔58b・58cが形成される。筒部58dはリンク本体58aの中途部に形成された貫通孔に嵌装され、溶接によりリンク本体58aに固定される。図4および図5の(b)に示す如く、筒部58dは支持軸25に回転可能に軸支される。また、図5の(b)に示す如く、溝閉塞部材56のピン56cを嵌合孔58bに貫装することにより、リンク部材58は溝閉塞部材56に回動可能に連結される。
干渉部材59は本発明に係る干渉部材の実施の一形態である。本実施形態の干渉部材59は本体部材59a、嵌合部材59b、ピン59cおよび支持筒59dを備える。本体部材59aは干渉部材59の主たる構造体を成す円柱形状の部材である。嵌合部材59bは本体部材59aよりも外径が大きい概ね円柱形状の部材であり、その先端部(前端部)はやや先細りしている。嵌合部材59bは本体部材59aの一端部(後端部)に固定される。ピン59cは円柱形状の部材である。ピン59cの基端部(右端部)は本体部材59aの他端部(前端部)に溶接により固定される。また、ピン59cの先端部(左端部)をリンク部材58の嵌合孔58cに貫装することにより、干渉部材59はリンク部材58に回動可能に連結される。支持筒59dは第一円筒および第二円筒を備える。支持筒59dの第一円筒の外周面と支持筒59dの第二円筒の外周面とは溶接により固定される。互いに固定された支持筒59dの第一円筒および第二円筒の長手方向は互いに直交し、支持筒59dの第一円筒の長手方向は概ね前後方向に対して平行であり、支持筒59dの第二円筒の長手方向は左右方向に対して平行である。支持筒59dの第一円筒には本体部材59aが移動可能(スライド可能)に貫装され、支持筒59dの第二円筒は支持軸26が回転可能かつ支持軸26の軸線方向に移動不能に貫装される。
以下では図6から図11を用いてハンドル40を支持する位置と機体側操作部50の動作との関係について説明する。本実施形態ではレバーガイド部材55に対する溝閉塞部材56の前後方向における位置を変更することにより、機体側操作部50を構成する走行・耕耘レバー51および変速レバー52の動作態様、すなわち「規制モード」を変更することが可能である。ここで、本実施形態における「規制モード」は「正規制モード」および「逆規制モード」の二つのモードを有し、これら二つのモードはそれぞれハンドル40を支持する位置である「正ハンドル位置」および「逆ハンドル位置」に対応する。
以下では図6、図7および図8を用いてハンドル40が「正ハンドル位置」に支持されているときの機体側操作部50の動作について説明する。ハンドル40が「正ハンドル位置」に支持されているとき、作業者は「正規制モード」を選択する。より詳細には、作業者が溝閉塞部材56の操作突起56bを指で摘んで後方に移動(スライド)させることにより、溝閉塞部材56は「正規制位置」に配置され、「正規制モード」が選択される。本実施形態における「正規制位置」はレバーガイド部材55に対する溝閉塞部材56の位置のうち「正規制モード」に対応する位置であり、溝閉塞部材56が「正規制位置」に配置されているとき、操作突起56bは支持孔55cの後端部に配置される。なお、ハンドル40が「正ハンドル位置」に支持されているとき、作業者は走行・耕耘レバー51を後方に突出した姿勢に切り替える。
図6に示す如く、「正規制モード」が選択され、溝閉塞部材56が「正規制位置」に配置されたとき、溝閉塞部材56の本体56aはレバーガイド部材55のレバーポジション溝55bの左後部を閉塞する。すなわち、溝閉塞部材56はレバーポジション指示部材54の「正規制モード」での移動不可能範囲を閉塞する。従って、レバーポジション指示部材54の先端部はレバーポジション溝55bのうち溝閉塞部材56の本体56aにより閉塞されていない部分、すなわち図6中の太い実線で囲まれた範囲内でのみ移動可能であり、当該範囲外に移動することが出来ず、「レバーポジション指示部材54が固定されている走行・耕耘レバー51が動作(回動)可能な範囲」も「レバーポジション指示部材54の先端部が移動可能な範囲」に規制される。
図8に示す如く、本実施形態では、「正規制モード」が選択されたとき、走行・耕耘レバー51を回動させることにより、レバーポジション指示部材54をP11〜P16の六つの位置のいずれかに移動させることが可能である。レバーポジション指示部材54がP11に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝28bに嵌合し、前後進操作軸28は「前進操作位置」に配置され、車輪33は正転し、歩行型管理機1は前進(作業者から遠ざかる方向に走行)する。レバーポジション指示部材54がP12に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝28bに嵌合し、前後進操作軸28は「走行停止操作位置」に配置され、車輪33は回転駆動されず、歩行型管理機1は停止する(走行しない)。レバーポジション指示部材54がP13に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝28bに嵌合し、前後進操作軸28が「後進操作位置」に配置され、車輪33は逆転し、歩行型管理機1は後進(作業者に接近する方向に走行)する。レバーポジション指示部材54がP11〜P13に配置されているとき、耕耘操作軸27は「耕耘停止操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は停止している(耕耘出力軸23の駆動は「切」となっている)。レバーポジション指示部材54はP11とP12との間、およびP12とP13との間を直接移動することが可能である(他の位置を経由せずに移動可能である)が、P11とP13との間を直接移動することはできない(必ずP12を経由しなければならない)。 レバーポジション指示部材54がP14に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝27aに嵌合し、耕耘操作軸27は「耕耘停止操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は停止している(耕耘出力軸23の駆動は「切」となっている)。レバーポジション指示部材54がP15に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝27aに嵌合し、耕耘操作軸27は「高速耕耘操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は高回転駆動される(耕耘出力軸23の駆動は「入」となり、かつ耕耘出力軸23は高速で回転駆動される)。レバーポジション指示部材54がP16に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝27aに嵌合し、耕耘操作軸27は「低速耕耘操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は低回転駆動される(耕耘出力軸23の駆動は「入」となり、かつ耕耘出力軸23は低速で回転駆動される)。レバーポジション指示部材54がP14〜P16に配置されているとき、前後進操作軸28は「前進操作位置」に配置され、車輪33は正転し、歩行型管理機1は前進(作業者から遠ざかる方向に走行)している。レバーポジション指示部材54はP14とP15との間、およびP14とP16との間を直接移動することが可能であるが、P15とP16との間を直接移動することができない(必ずP14を経由しなければならない)。レバーポジション指示部材54は、P11〜P13からなる位置群とP14〜P16からなる位置群との間で移動する場合には、P11とP14との間についてのみ直接移動することが可能であり、その他の組み合わせの間で移動する場合には直接移動することができない(必ずP11およびP14を経由しなければならない)。
以上の如く、本実施形態において「正規制モード」が選択されたときにはレバーポジション溝55bのうち走行・耕耘レバー51が機体の進行方向を中立または後進に切り替えつつ耕耘出力軸23の駆動を「入」に切り替えようとした場合にレバーポジション指示部材54の先端部が移動する部分(すなわち、「P12およびP13のいずれか」から「P15およびP16のいずれか」に直接移動する経路となる部分)が溝閉塞部材56によって閉塞される。換言すれば、本実施形態における「正規制モード」では、走行・耕耘レバー51が歩行型管理機1の機体の進行方向を前進に切り替えているときには耕耘出力軸23の駆動の切り替えが許容され、走行・耕耘レバー51が歩行型管理機1の機体の進行方向を後進(または中立)に切り替えているときには耕耘出力軸23の駆動を「入」に切り替えることが規制される。このように、本実施形態では、簡素な構造の耕耘規制部材53(レバーポジション指示部材54、レバーガイド部材55および溝閉塞部材56)で、歩行型管理機1が作業者に接近する方向に走行しているときにロータリ式耕耘装置35を確実に停止する(耕耘出力軸23の回転駆動を停止する)ことが可能である。
走行変速規制部材57を構成するリンク部材58は溝閉塞部材56(が前後方向に移動する動作)に連動して支持軸25を中心に回動し、走行変速規制部材57を構成する干渉部材59はリンク部材58(が回動する動作)に連動して概ね前後方向に移動する。図7に示す如く、「正規制モード」が選択されたとき、リンク部材58は右側面視で反時計回りに回動し、干渉部材59は概ね後方に移動する。従って、干渉部材59は変速操作軸29の長手方向(機体の右側方)から見て変速操作軸29に重ならない位置(本実施形態における「不干渉位置」)に移動し、干渉部材59の嵌合部材59bは変速操作軸29の嵌合溝29aに嵌合しないので、干渉部材59は変速操作軸29ひいては変速レバー52の動作に干渉する(動作を阻害する)ことはない。 その結果、「正規制モード」が選択されたとき(溝閉塞部材56が正規制位置に移動したとき)、走行変速規制部材57は変速レバー52が歩行型管理機1の機体の走行速度を切り替えることを許容する。
以下では図9、図10および図11を用いてハンドル40が「逆ハンドル位置」に支持されているときの機体側操作部50の動作について説明する。ハンドル40が「逆ハンドル位置」に支持されているとき、作業者は「逆規制モード」を選択する。より詳細には、作業者が溝閉塞部材56の操作突起56bを指で摘んで前方に移動(スライド)させることにより、溝閉塞部材56は「逆規制位置」に配置され、「逆規制モード」が選択される。本実施形態における「逆規制位置」はレバーガイド部材55に対する溝閉塞部材56の位置のうち「逆規制モード」に対応する位置であり、溝閉塞部材56が「逆規制位置」に配置されているとき、操作突起56bは支持孔55cの前端部に配置される。なお、ハンドル40が「逆ハンドル位置」に支持されているとき、作業者は走行・耕耘レバー51を前方に突出した姿勢に切り替える。
図9に示す如く、「逆規制モード」が選択され、溝閉塞部材56が「逆規制位置」に配置されたとき、溝閉塞部材56の本体56aはレバーガイド部材55のレバーポジション溝55bの右後部を閉塞する。すなわち、溝閉塞部材56はレバーポジション指示部材54の「逆規制モード」での移動不可能範囲を閉塞する。従って、レバーポジション指示部材54の先端部はレバーポジション溝55bのうち溝閉塞部材56の本体56aにより閉塞されていない部分、すなわち図9中の太い実線で囲まれた範囲内でのみ移動可能である。
図11に示す如く、本実施形態では、「逆規制モード」が選択されたとき、走行・耕耘レバー51を回動させることにより、レバーポジション指示部材54をP21〜P26の六つの位置のいずれかに移動させることが可能である。レバーポジション指示部材54がP21に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝28bに嵌合し、前後進操作軸28は「前進操作位置」に配置され、車輪33は正転し、歩行型管理機1は前進(作業者に接近する方向に走行)する。レバーポジション指示部材54がP22に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝28bに嵌合し、前後進操作軸28は「走行停止操作位置」に配置され、車輪33は回転駆動されず、歩行型管理機1は停止する(走行しない)。レバーポジション指示部材54がP23に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝28bに嵌合し、前後進操作軸28が「後進操作位置」に配置され、車輪33は逆転し、歩行型管理機1は後進(作業者から遠ざかる方向に走行)する。レバーポジション指示部材54がP21〜P23に配置されているとき、耕耘操作軸27は「耕耘停止操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は停止している。レバーポジション指示部材54はP21とP22との間、およびP22とP23との間を直接移動することが可能である(他の位置を経由せずに移動可能である)が、P21とP23との間を直接移動することはできない(必ずP22を経由しなければならない)。 レバーポジション指示部材54がP24に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝27bに嵌合し、耕耘操作軸27は「耕耘停止操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は停止している。レバーポジション指示部材54がP25に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝27bに嵌合し、耕耘操作軸27は「高速耕耘操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は高回転駆動される。レバーポジション指示部材54がP26に配置されているとき、係合部51dの突起は嵌合溝27bに嵌合し、耕耘操作軸27は「低速耕耘操作位置」に配置され、ロータリ式耕耘装置35は低回転駆動される。レバーポジション指示部材54がP24〜P26に配置されているとき、前後進操作軸28は「後進操作位置」に配置され、車輪33は逆転し、歩行型管理機1は後進(作業者から遠ざかる方向に走行)している。レバーポジション指示部材54はP24とP25との間、およびP24とP26との間を直接移動することが可能であるが、P25とP26との間を直接移動することができない(必ずP24を経由しなければならない)。レバーポジション指示部材54は、P21〜P23からなる位置群とP24〜P26からなる位置群との間で移動する場合には、P23とP24との間についてのみ直接移動することが可能であり、その他の組み合わせの間で移動する場合には直接移動することができない(必ずP23およびP24を経由しなければならない)。
以上の如く、本実施形態において「逆規制モード」が選択されたときにはレバーポジション溝55bのうち走行・耕耘レバー51が機体の進行方向を中立または前進に切り替えつつ耕耘出力軸23の駆動を「入」に切り替えようとした場合にレバーポジション指示部材54の先端部が移動する部分(すなわち、「P21およびP22のいずれか」から「P25およびP26のいずれか」に直接移動する経路となる部分)が溝閉塞部材56によって閉塞される。換言すれば、本実施形態における「逆規制モード」では、走行・耕耘レバー51が歩行型管理機1の機体の進行方向を後進に切り替えているときには耕耘出力軸23の駆動の切り替えが許容され、走行・耕耘レバー51が歩行型管理機1の機体の進行方向を前進(または中立)に切り替えているときには耕耘出力軸23の駆動を「入」に切り替えることが規制される。このように、本実施形態では、簡素な構造の耕耘規制部材53(レバーポジション指示部材54、レバーガイド部材55および溝閉塞部材56)で、歩行型管理機1が作業者に接近する方向に走行しているときにロータリ式耕耘装置35を確実に停止する(耕耘出力軸23の回転駆動を停止する)ことが可能である。
図10に示す如く、「逆規制モード」が選択されたとき、リンク部材58は右側面視で時計回りに回動し、干渉部材59は概ね前方に移動する。従って、干渉部材59は変速操作軸29の長手方向(機体の右側方)から見て変速操作軸29に重なる位置(本実施形態における「干渉位置」)に移動し、干渉部材59の嵌合部材59bは変速操作軸29の嵌合溝29aに嵌合するので、干渉部材59は変速操作軸29ひいては変速レバー52の動作に干渉し(動作を阻害し)、変速操作軸29は「低速操作位置」に固定される。その結果、「逆規制モード」が選択されたとき(溝閉塞部材56が逆規制位置に移動したとき)、走行変速規制部材57は変速レバー52が歩行型管理機1の機体の走行速度を高速に切り替えることを規制する(歩行型管理機1の機体の走行速度を低速に保持する)。
本実施形態ではハンドル40の位置(正ハンドル位置または逆ハンドル位置)に応じて作業者が耕耘規制部材53を正規制位置または逆規制位置に移動させるが、本発明はこれに限定されず、作業者によるハンドルの位置の切り替えに連動してPTO規制部材の位置が切り替えられる構成としても良い。本発明に係る変速レバーにおける「低速」および「高速」は、本実施形態の変速レバー52の如く「低速(作業時の走行速度に対応)」が1段設定され、かつ「高速(圃場間等の移動時の走行速度に対応)」が1段設定されるものに限定されない。すなわち、本発明に係る変速レバーは「低速」が2段以上設定されていても良く、「高速」が2段以上設定されていても良い。