JP5789235B2 - 美白用皮膚外用剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、美白用皮膚外用剤及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、紫外線等の外的刺激で生じる炎症や皮膚メラニンの生成もしくは沈着を抑制し、紅斑(日焼け)、皮膚黒化、シミ、ソバカス等を防止することができる、特に美白用の皮膚外用剤及びその製造方法に関するものである。
皮膚の色が黒くなる過程の最終段階においては、アミノ酸の一種であるチロシンがチロシナーゼの作用を受けることによって黒褐色ないし赤褐色の色素・メラニンを生成する。そこで、チロシナーゼの働きを阻害する作用を有する種々の薬剤、たとえばグルタチオン、ビタミンCまたはその誘導体等を皮膚に塗布することにより、色素の沈着を防止しようとする試みが従来なされてきた。しかしながら、これらの薬剤は局所適用における安定性や有効性の点で、必ずしも満足できるものではない。これはチロシナーゼ以外にもメラニンの生成を促す原因や引き金となるもの、たとえば紫外線によるメラノサイトの活性化や炎症による種々のケミカルメディエーターの関与、紫外線により生成する活性酸素類の関与、更には皮脂過酸化物等の関与が報告されているように、単にチロシナーゼの働きを阻害するだけの薬剤を塗布してもメラニンの沈着を十分防止することは困難であるためである。
ところで、例えば特許文献1に示すように、アルニカ全草の抽出物にメラニン産生抑制作用を有することが知られている。しかしながら、従来確認されていたアルニカ抽出物のメラニン産生抑制作用はアルニカ全草から抽出したものであって、メラニン産生抑制作用のさらなる向上が望まれていた。
また、アスコルビン酸2−グルコシドは、例えば特許文献2に示すように、皮膚弾力線維症を予防する効果があり、安全な薬剤であるが、その効果としては、必ずしも十分なものとは言いがたく、さらに効果の増強されたものが望まれていた。
さらに、例えば特許文献3に示すように、美白剤と、アルニカ等の植物抽出物と抗炎症剤又は抗酸化剤とを含有する皮膚外用剤も知られている。しかしながら、メラニン産生抑制作用のさらなる向上が望まれていた。
特開平8−12561号公報 特開昭62−5909号公報 特開2000−119156号公報
かかる従来の実情に鑑みて、本発明の目的は、上述のように多くの要因が関与している皮膚黒色化を効果的に防止することができ、しかも安全性の点でも優れている新しい美白用皮膚外用剤及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る美白用皮膚外用剤の特徴は、必須の有効成分として皮膚外用剤全量に対して、アルニカの花から抽出したアルニカ花のエキス成分0.0020〜0.0025質量%と、アスコルビン酸2−グルコシド1.0〜2.0質量%とを含有し、前記アルニカ花のエキス成分及び前記アスコルビン酸2−グルコシドによるメラニン産生抑制を阻害しないようにグリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を含有しないことにある。
また、上記目的を達成するため、本発明に係る美白用皮膚外用剤の製造方法の特徴は、皮膚外用剤全量に対して、アルニカの花から抽出したアルニカ花のエキス成分0.0020〜0.0025質量%と、アスコルビン酸2−グルコシド1.0〜2.0質量%とを含有させ、前記アルニカ花のエキス成分及び前記アスコルビン酸2−グルコシドによるメラニン産生抑制を阻害しないようにグリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を含有させないことにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねてきた結果、アルニカの花から抽出したアルニカ花抽出物をアスコルビン酸2−グルコシドに併用することによって、それらの薬理特性であるメラニン生成抑制作用が相乗的に高められることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば、これら必須成分の相乗作用により、紫外線等の外的刺激で生じる炎症や皮膚メラニンの生成・沈着を抑制することができ、メラニン生成抑制効果をさらに向上させることが可能となる。
係る場合、前記アスコルビン酸2−グルコシドの配合量が皮膚外用剤全量に対して1.0〜2.0質量%であり、前記アルニカ花のエキス成分の配合量が皮膚外用剤全量に対してアルニカ花のエキス成分0.0020〜0.0025質量%である。この配合比率によれば、相乗効果によりさらに高いメラニン産生抑制効果が得られる。
さらに、本発明者らの鋭意研究の結果、抗炎症剤として、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を皮膚外用剤に含有した場合、その抗炎症剤が上述の相乗効果を阻害することを見出した。
上記本発明に係る美白用皮膚外用剤の特徴によれば、アルニカの花から抽出したアルニカ花抽出物をアスコルビン酸2−グルコシドと併用することによって、安全性を損なうことなく且つアスコルビン酸2−グルコシドの皮膚メラニンの生成もしくは沈着を抑制するメラニン産生抑制作用を相乗的に高め、紅斑(日焼け)、皮膚黒化、しみ、そばかす等を防止する効果を向上させることが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
(a)は、ファルコレックス アルニカの細胞毒性試験の結果の例を示すグラフであり、(b)は、ファルコレックス アルニカ単独によるメラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフである。 (a)は、アスコルビン酸2−グルコシドの細胞毒性試験の結果の例を示すグラフであり、(b)は、アスコルビン酸2−グルコシド単独によるメラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフである。 1質量%アスコルビン酸2−グルコシドとファルコレックス アルニカの併用によるメラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフである。 2質量%アスコルビン酸2−グルコシドとファルコレックス アルニカの併用によるメラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフである。 (a)は、アスコルビン酸ナトリウム塩の細胞毒性試験の結果の例を示すグラフであり、(b)は、アスコルビン酸ナトリウム塩単独によるメラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフである。 メラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフであり、(a)はファルコレックス アルニカ単独の濃度変化による試験結果の例を示すグラフ、(b)は0.3質量%アスコルビン酸ナトリウム塩とファルコレックス アルニカの併用による試験結果の例を示すグラフである。 (a)は、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩の細胞毒性試験の結果の例を示すグラフであり、(b)は、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩単独によるメラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフである。 メラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフであり、(a)はファルコレックス アルニカ単独の濃度変化による試験結果の例を示すグラフ、(b)は3質量%アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩とファルコレックス アルニカの併用による試験結果の例を示すグラフである。 (a)は、グリチルリチン酸ジカリウムの細胞毒性試験の結果の例を示すグラフであり、(b)は、グリチルリチン酸ジカリウム単独によるメラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフである。 メラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフであり、(a)はファルコレックス アルニカ単独の濃度変化による試験結果の例を示すグラフ、(b)は0.01質量%グリチルリチン酸ジカリウムとファルコレックス アルニカの併用による試験結果の例を示すグラフである。 メラニン産生抑制試験の結果の例を示すグラフであり、(a)は、ファルコレックス アルニカ単独の濃度変化による試験結果の例を示すグラフ、(b)は2質量%アスコルビン酸2−グルコシドとファルコレックス アルニカの併用による試験結果の例を示すグラフ、(c)は2質量%アスコルビン酸2−グルコシド、0.01質量%グリチルリチン酸ジカリウム及びファルコレックス アルニカの三併用による試験結果の例を示すグラフである。
次に、以下に、本発明について説明する。
本発明に係る美白用皮膚外用剤は、アルニカの花から抽出したアルニカ花抽出物と、アスコルビン酸2−グルコシドとを少なくとも含有する。
[アスコルビン酸2−グルコシド]
本発明において使用されるアスコルビン酸2−グルコシドとしては、アスコルビン酸2−グルコシド生産能を有する公知の菌株を培養して得られるアスコルビン酸2−グルコシドを主成分とする醗酵液、該醗酵液の濃縮液、及び該醗酵液からアスコルビン酸2−グルコシドを抽出して結晶化したもの等が使用される。
本発明の美白用皮膚外用剤に於ける上記アスコルビン酸2−グルコシドの好ましい含有量は0.5〜2.0質量%である。これは2.0質量%を超えてもメラニン産生抑制の効果が頭打ちになると共に細胞毒性が発現し、0.5質量%未満では効果が期待できないからである。更に好ましい含有量は、効果が効率的に現れる1.0〜2.0質量%である。なお、このアスコルビン酸2−グルコシドは、先の特許文献3の美白剤として挙げられていない成分である。
[アルニカ花エキス]
本発明において使用されるアルニカ(Arnica、学名:Arnica montana)のアルニカ花抽出物は、アルニカの花弁から水、脂肪族アルコール、1,3−ブチレングリコール、またはこれらの混合物によって抽出して得られたもの等が使用される。汎用性や保存効力の観点から40〜50質量%の1,3−ブチレングリコール水溶液で抽出したものが望ましい。
本発明の美白用皮膚外用剤に於ける上記アルニカの花の抽出物に含有するエキス成分の好ましい含有量は0.00005〜0.0025質量%である。これは0.0025質量%以上では抽出溶媒に含まれる1,3−ブチレングリコールの細胞毒性が見られ始め、0.00005質量%未満では効果が期待できないことがあるからである。更に好ましい含有量は、効果が効率的に現れる0.0002〜0.0025質量%である。
[任意成分]
本発明の美白用皮膚外用剤は、上記メラニン産生抑制剤以外に通常化粧料で用いられる各種任意成分を含有することができる。かかる任意成分としては、例えば、ワセリンやスクワランなどの炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステル類、牛脂、オリーブ油等のトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸、セタノール、オレイルアルコール等の高級アルコール類、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、多価アルコール類、水溶性高分子、エタノール、防腐剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、各種ビタミン、薬効成分、香料類、着色剤、粉体類等が挙げられる。更に、既にメラニン産生抑制作用が知られている物質も組み合わせて使用することができる。
但し、本発明の美白用皮膚外用剤に於いて、抗炎症剤を含有しないことが望ましい。本発明者らの研究によれば、後述の表6及び図11に示すように、抗炎症剤として、例えばグリチルリチン酸ジカリウムを含有させた皮膚外用剤の場合、上述の相乗効果を阻害することが判明した。したがって、抗炎症剤として、グリチルリチン酸ジカリウム等のグリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を含有させないことで、相乗効果をさらに発揮させることが可能となる。
[美白用皮膚外用剤]
本発明の美白用皮膚外用剤は、剤型について限定されるものではなく、例えば、皮膚化粧料、医薬部外品、医薬品等が含まれる。美白用皮膚外用剤の例としては、例えば、クリーム、乳液、化粧水、パック剤など、従来周知の皮膚外用剤に用いるものであればよい。
以下、実施例を参照しながら、本発明についてさらに詳しく説明する。
ここで、本発明のメラニン産生抑制剤のメラニン産生抑制試験と細胞毒性試験の結果について、以下に述べる。なお、以下の結果は、本発明のメラニン産生抑制剤として、アスコルビン酸2−グルコシド(林原製)、アルニカ花エキスとしてファルコレックス アルニカ(一丸ファルコス製)を用いた例である。
(メラニン産生抑制試験)
本発明のメラニン産生抑制剤(実施例No.1〜3)、および比較例(No.1〜3)について、マウス由来B16メラノーマ細胞を用いてメラニン産生抑制作用を確認した。即ち、増殖期にあるマウス由来B16メラノーマ細胞をトリプシン処理した後、10%FBSおよび0.5mMテオフィリン含有DMEM培地に0.5×105個/mLになるように加え、マウス由来B16メラノーマ細胞のテオフィリン含有DMEM懸濁液を作成した。この懸濁液を12ウェルプレートに1mLずつ分注し、37℃、5%炭酸ガスインキュベーターに入れて24時間培養した。その後、サンプルを添加したDMEM培地をそれぞれのサンプル一濃度につき3ウェルずつに添加した。サンプルを添加しない3ウェルをコントロールとした。これらのウェルを37℃、5%炭酸ガスインキュベーターに入れて3日間培養した。培養終了後、各ウェルについて培地を除去し燐酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液0.3mLを添加後60℃で1時間加熱溶解し、細胞溶解液とした。この細胞溶解液0.1mLの405nmの吸光度を測定することによりメラニン産生量を求めた。
(細胞毒性試験)
細胞毒性は、MTT法で生成するホルマザン量を測定することにより求めた。即ち、0015のマウス由来B16メラノーマ細胞のテオフィリン含有DMEM懸濁液0.1mLを96ウェルプレートに分注し、37℃、5%炭酸ガスインキュベーターに入れて24時間培養した。その後、サンプルを添加したDMEM培地をそれぞれのサンプル一濃度につき3ウェルずつに添加した。サンプルを添加しない3ウェルをコントロールとした。これらのウェルを37℃、5%炭酸ガスインキュベーターに入れて3日間培養した。培養終了後、各ウェルについて培地を除去し燐酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、0.5mg/mL MTT含有培値を0.1mL添加し37℃、5%炭酸ガスインキュベーターにおいて、4時間培養後、生成したホルマザンを0.04H HCl−イソプロパノールで溶解させて、570nm−620nmの吸光度を測定することにより細胞毒性値を求めた。
培養後の細胞を目視および顕微鏡で確認後、上述の方法で試験を行い、得られた結果を図および表に示す。コントロールを100%として、本発明のメラニン産生抑制剤メラニン産生率を表す。メラニン産生率はMTT法により求めた細胞毒性値により補正した。
ファルコレックス アルニカの細胞毒性試験の結果を図1(a)に示す。以下の実施例及び比較例におけるファルコレックス アルニカは上述した抽出物であり、この抽出物に含有するアルニカの花のエキス成分は1質量%である。ファルコレックス アルニカは0.5質量%以上で細胞毒性が見られたため、メラニン産生抑制試験は0.25質量%以下で実施した。すなわち、アルニカ花エキス成分が皮膚外用剤全量に対し0.0025質量%以上含む場合、細胞毒性により好ましくないことが伺える。また、ファルコレックス アルニカによるメラニン産生抑制試験の結果を図1(b)に示す。濃度依存的にメラニン産生抑制効果が見られ、0.25質量%で6割以上が抑制された。
また、アスコルビン酸2−グルコシドの細胞毒性試験の結果を図2(a)に示す。アスコルビン酸2−グルコシドは2.5質量%以上で細胞毒性が見られたため、メラニン産生抑制試験は2質量%以下で実施した。すなわち、アスコルビン酸2−グルコシドが皮膚外用剤全量に対し2質量%以上含む場合、細胞毒性により好ましくないことが伺える。また、アスコルビン酸2−グルコシドによるメラニン産生抑制試験の結果を図2(b)に示す。アスコルビン酸2−グルコシドは2質量%で5割の抑制効果を示した。
(実施例1)
次に、1質量%アスコルビン酸2−グルコシドとファルコレックス アルニカの併用によるメラニン産生抑制試験の結果を図3及び表1に示す。ファルコレックス アルニカが0.05質量%以上(エキス成分で0.0005質量%)で単独よりメラニン産生抑制効果が強くなり、0.2質量%では25.6%、0.25質量%では18.7%となり、さらに高い相乗効果があらわれた。実施例1において、特に、0.2質量%以上で、8割程度が抑制された。なお、以下の表1〜6において、単独とは、メラニン産生抑制剤としてファルコレックス アルニカ単独を指す。また、上段の数値は、アルニカの抽出物の配合率を示す。下段の数値は、コントロールでのメラニン産生量を100とした場合のそれに対する割合(%)を示す。
Figure 0005789235
(実施例2)
また、2質量%アスコルビン酸2−グルコシドとファルコレックス アルニカの併用によるメラニン産生抑制試験の結果を図4及び表2に示す。ファルコレックス アルニカが0.05質量%(エキス成分で0.0005質量%)以上で単独よりメラニン産生抑制効果が強くなり、0.2質量%では15.0%、0.25質量%では13.3%となり、さらに高い相乗効果があらわれた。実施例2において、特に、0.2質量%以上で、9割程度が抑制された。
Figure 0005789235
(比較例1)
ここで、比較例1として、メラニン産生抑制剤としてアスコルビン酸ナトリウム塩(AA−PS)の細胞毒性試験の結果を図5(a)、メラニン産生抑制試験の結果を図5(b)に示す。図5(a)に示すように、アスコルビン酸ナトリウム塩では、0.4質量%以上から細胞毒性が見られた。そのため、メラニン産生抑制試験は0.3質量%で実施した。同図(b)に示すように、メラニン産生抑制の効果は見られなかった。
そして、上記と同様にアスコルビン酸ナトリウム塩(AA−PS)0.3質量%とファルコレックス アルニカの併用によるメラニン産生抑制試験を行った。その結果を図6及び表3に示す。
Figure 0005789235
比較例1では、アルニカが0.2質量%及び0.25質量%の場合のメラニン産生量は、59.0%及び56.3%であった。上記実施例1(図3及び表1)及び実施例2(図4及び表2)と比較すると、十分なメラニン産生抑制効果を得ることが困難であることが分かった。
(比較例2)
次に、比較例2として、メラニン産生抑制剤としてアスコルビン酸リン酸マグネシウム塩(AA−PM)の細胞毒性試験の結果を図7(a)、メラニン産生抑制試験の結果を図7(b)に示す。図7(a)に示すように、アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩では、5質量%以上から細胞毒性が見られた。同図(b)に示すように、メラニン産生抑制の効果は、0.5質量%以上から見られた。そのため、メラニン産生抑制試験は3質量%で実施した。
そして、上記と同様にアスコルビン酸リン酸マグネシウム塩(AA−PM)3質量%とファルコレックス アルニカの併用によるメラニン産生抑制試験を行った。その結果を図8及び表4に示す。
Figure 0005789235
比較例2では、アルニカが0.2質量%及び0.25質量%の場合のメラニン産生量は、25.8%及び23.3%であった。上記実施例1(図3及び表1)と比較すると、若干メラニン産生抑制効果が少ないことが分かった。また、実施例2(図4及び表2)と比較すると、十分なメラニン産生抑制効果を得ることが困難であることが分かった。
(比較例3)
比較例3として、メラニン産生抑制剤としてグリチルリチン酸ジカリウム(GK)の細胞毒性試験の結果を図9(a)、メラニン産生抑制試験の結果を図9(b)に示す。図9(a)に示すように、グリチルリチン酸ジカリウムでは、0.02質量%以上から若干の細胞毒性が見られた。同図(b)に示すように、メラニン産生抑制の効果は濃度に関係なく1,2割程度の抑制が見られた。そのため、メラニン産生抑制試験は、平均的な抑制効果の見られた0.01質量%で実施した。
そして、上記と同様にグリチルリチン酸ジカリウム(GK)0.01質量%とファルコレックス アルニカの併用によるメラニン産生抑制試験を行った。その結果を図10及び表5に示す。
Figure 0005789235
比較例3では、アルニカが0.2質量%及び0.25質量%の場合のメラニン産生量は、44.3%及び37.0%であった。上記実施例1(図3及び表1)及び実施例2(図4及び表2)と比較すると、十分なメラニン産生抑制効果を得ることが困難であることが分かった。
このように、アルニカ花エキスとアスコルビン酸2−グルコシドとの特定成分の新規な組み合わせ(併用)により、細胞毒性を抑制すると共に、これらを単独で用いる場合及び上述の美白剤とアルニカエキスとの従来公知の組み合わせに比べ、より高い相乗効果によってメラニン産生抑制効果がより向上することが判明した。さらに、アスコルビン酸2−グルコシドの配合量を皮膚外用剤全量に対して1.0〜2.0質量%とすると共に、アルニカの花から抽出したエキス成分の配合量を皮膚外用剤全量に対して0.0002〜0.0025質量%とすることで、より高い相乗効果が得られることも判明した。なお、アルニカの花から抽出したエキス成分の配合量は、皮膚外用剤全量に対して0.0002質量%よりも0.0025質量%が好ましい。
(実施例3)
さらに、発明者らは、抗炎症剤として、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を皮膚外用剤に含有した場合のメラニン産生抑制試験結果を図11及び表6に示す。これらは、抗炎症剤としてグリチルリチン酸ジカリウム(GK)0.01質量%を上記実施例2のものにさらに添加した場合を示す。同図及び表から明からなように、グリチルリチン酸ジカリウム(GK)0.01質量%をさらに含有させる(三併用)ことで、メラニン産生量が増加することが判明した。すなわち、グリチルリチン酸ジカリウム(GK)が、アスコルビン酸2−グルコシドとファルコレックス アルニカとの併用(二併用)による相乗効果を阻害することが明らかとなった。
Figure 0005789235
以下に本発明の美白化粧料の処方例を示す。なお、この発明は本処方例により制限されるものではない。なお、本実施例における部は重量部を示す。
〔化粧料の処方例〕
(1)美白用クリーム (質量%)
a)ミツロウ 2.0
b)ステアリルアルコール 5.0
c)ステアリン酸 8.0
d)スクワラン 10.0
e)自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
f)ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 1.0
g)1,3−ブチレングリコール 5.0
h)水酸化カリウム 0.3
i)防腐剤・酸化防止剤 適量
j)精製水 残部
k)アルニカ花エキス抽出物 0.25(エキス成分0.0025) ※1
l)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0 ※2
m)水酸化カリウム 0.3
n)キレート剤 適量
o)精製水 3.0
※1:一丸ファルコス製
※2:林原製
〔製法〕
a)〜f)までを加熱溶解し、80℃に保つ。g)〜j)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜f)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。40℃でk)〜o)を加えて、更に30℃まで攪拌しながら冷却する。
〔化粧料の処方例〕
(2)美白乳液 (質量%)
a)ミツロウ 0.5
b)ワセリン 2.0
c)スクワラン 8.0
d)ソルビタンセスキオレエート 0.8
e)ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.) 1.2
f)1,3-ブチレングリコール 7.0
g)カルボキシビニルポリマー 0.2
h)水酸化カリウム 0.1
i)精製水 残部
j)防腐剤・酸化防止剤 適量
k)エタノール 7.000
l)アルニカ花エキス抽出物 0.25(エキス成分0.0025) ※1
m)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0 ※2
n)水酸化カリウム 0.3
o)キレート剤 適量
p)精製水 3.0
※1:一丸ファルコス製
※2:林原製
〔製法〕
a)〜e)までを加熱溶解し、80℃に保つ。f)〜j)までを加熱溶解し、80℃に保ち、a)〜e)に加えて乳化し、40℃まで撹拌しながら冷却する。40℃でk)〜p)を添加し、30℃まで冷却する。
〔化粧料の処方例〕
(3)美白化粧水 (質量%)
a)グリセリン 5.0
b)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.O.) 1.0
c)エタノール 6.0
d)香料 適量
e)防腐剤・酸化防止剤 適量
f)精製水 残部
g)アルニカ花エキス抽出物 0.25(エキス成分0.0025) ※1
h)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0 ※2
i)水酸化カリウム 0.3
j)キレート剤 適量
k)精製水 3.0
※1:一丸ファルコス製
※2:林原製
〔製法〕
a)〜k)までを混合し、均一に溶解する。
〔化粧料の処方例〕
(4)美白パック剤 (質量%)
a)酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0
b)ポリビニルアルコール 10.0
c)オリーブ油 3.0
d)グリセリン 5.0
e)酸化チタン 8.0
f)カオリン 7.0
g)エタノール 8.0
h)香料 適量
i)防腐剤・酸化防止剤 適量
j)精製水 残部
k)アルニカ花エキス抽出物 0.25(エキス成分0.0025) ※1
l)アスコルビン酸2−グルコシド 2.0 ※2
m)水酸化カリウム 0.3
n)キレート剤 適量
o)精製水 3.0
※1:一丸ファルコス製
※2:林原製
〔製法〕
a)〜o)までを混合し、よく撹拌、分散させ均一にする。
<効果確認試験1>
塗布によるヒトでの効果確認試験被験者として、20〜50歳の女性17名に1日2回(朝、夜)連続1ヵ月間、本発明品と比較品のそれぞれを使用させ、塗布部位の状態を試験前後で比較し、改善効果を調べた。本試験には、上述の(1)美白用クリーム(実施品)と比較品として同美白用クリームからk)〜o)を除いた化粧料を作成し、その塗布による効果について調べた。実施品と比較品の化粧料を毎日塗布しながら肌のしみ・くすみの状態を塗布開始前及び塗布後1ヶ月のアンケートにより効果の確認を行った。結果は表7に示す。使用期間中に皮膚の異常を訴えた人はいなかった。
<判定基準>
著効:塗布開始前と比較して肌のしみ・くすみが著しく改善した。
有効:塗布開始前と比較して肌のしみ・くすみが改善した。
やや有効:塗布開始前と比較して肌のしみ・くすみが少し改善した。
無効:塗布開始前と比較して変化が無かった。
表7からも明らかなように、対象品と比較して高い効果が認められた。
Figure 0005789235
このように、本発明は、メラニン産生抑制効果に優れ、しかも優れた安全性をも有する為、美白用皮膚外用剤や化粧料に広く応用が期待できる。

Claims (2)

  1. 皮膚外用剤全量に対して、アルニカの花から抽出したアルニカ花のエキス成分0.0020〜0.0025質量%と、アスコルビン酸2−グルコシド1.0〜2.0質量%とを含有し、
    前記アルニカ花のエキス成分及び前記アスコルビン酸2−グルコシドによるメラニン産生抑制を阻害しないようにグリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を含有しない美白用皮膚外用剤。
  2. 皮膚外用剤全量に対して、アルニカの花から抽出したアルニカ花のエキス成分0.0020〜0.0025質量%と、アスコルビン酸2−グルコシド1.0〜2.0質量%とを含有させ、
    前記アルニカ花のエキス成分及び前記アスコルビン酸2−グルコシドによるメラニン産生抑制を阻害しないようにグリチルリチン酸、グリチルレチン酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩を含有させない美白用皮膚外用剤の製造方法。
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