JP5788581B1 - 球体形状を先端が円錐溝の逆センターで保持する芯出し方法。 - Google Patents

球体形状を先端が円錐溝の逆センターで保持する芯出し方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】下穴加工のばらつきやタッピング加工時等のばらつきによって、雄ねじと雌ねじの雌ねじが傾斜している場合てしまっていても周接し、安定した結合力を発揮でき、結合時に無用な傷を発生させないねじ構造。【解決手段】締め込み力が作用する雄ねじの首下部と雌ねじの座繰り部との接触部において、球状曲面と円錐曲面とを組合せ、常に周接した接触状態となる構成を採用し、雌ねじが傾斜していても、ねじの有効径の中心から垂直な軸芯方向に締め付け力が作用するので、ねじの山部及び谷部の全周に均等な力が作用する周接触型のねじ構造とした。【選択図】図1

Description

本発明は、ねじの技術に関し、詳しくは、雄ねじの首下部と接触する雌ねじの座面部において、球形状と円錐形状とを組合せた接触構成を採用したことにより、ねじの下穴加工やタッピング加工等において雌ねじ穴が傾いてしまった場合であっても、雌ねじ側座面の平坦度等の精度が良くない場合であっても、これらとは無関係に、締め付け力がねじ部の全周に均等に作用するねじ構造の技術に関するものである。
ねじは、自動車、家電製品、建築、日用雑貨品など、人々の生活に欠かせない様々な製品に用いられ、その用途範囲は極めて広大なものである。
ねじには多くの種類があり、その用途に応じて適宜選択されて利用されている。中でも代表的な六角ボルトやキャップスクリューと呼ばれる六角穴付きボルトのように、ボルトに頭が存在する形態のものが多く、その頭の首下部とワークの座面との接触状態の善し悪しが、製品のクオリティーを大きく左右してしまうこともある。
ねじ部には、引っ張り荷重、ねじり荷重、剪断荷重といった荷重が作用するため、ねじ穴が傾斜等していると、前記頭の座面部が不安定な接触状態となり、前記荷重がねじの全周に渡って均等に作用せず、緩みやボルトの折損等、様々な問題の原因になる。そこで、下穴を真っ直ぐ加工すること、及び、真っすぐにタッピング加工することが重要であるといえる。
しかし、単に、真っ直ぐ加工するといっても現実的には難しく、ワーク面に対して曲がってしまう要因は種々考えられる。例えば、ワークの表面状態や傾斜、ワークテーブルとスピンドルの直交精度、食いつき位置のずれ、バイスにおける固定のずれ、或いは、切り子の巻き付きなど切削速度等の切削条件など様々存在する。
係る問題に対し、マシニングセンタなどの数値制御された高精度な工作機械を使えば、特種なものを除き、概ね解決できると考えられる。しかし、係る方法では高額な設備が必要であり、製造コストが高くなってしまうという問題を残している。そこで、下穴加工やタッピング加工等において雌ねじ穴が傾いてしまった場合であっても、締め付け力がねじ部の全周に均等に作用するねじ技術が求められている。
また、雄ねじの首下部の一部のみが雌ねじに当たることになるので、雌ねじ表面に無用な傷が付いてしまうという問題もある。シート等を挟む施工であれば、シートを破ってしまうことにもなり、締め付け作業性の低下を招いていた。
そこで、これらの問題を解決しようと、従来からも種々の技術が提案されてきた。例えば、締め付け特性に優れたねじが公開され公知となっている(特許文献1)。より具体的には、タッピング用のネジ部と、座面側に複数の突起部と平面部とを有する頭部とからなり、突起部はそれを形成する傾斜部である、ねじの戻し方向側傾斜部と、ねじの締付け方向側傾斜部とを有する。座面からの傾斜は、前者において大きく、後者において小さいねじである。
このねじは、ねじの緩みを防止する構造については記載されているが、雌ねじが傾斜している場合についての記載はなく、また、有効径の中心から垂直な軸芯方向に締め付け力が作用し、ねじの山部及び谷部の全周に均等な力が作用する周接触型のねじ技術に関する記載も示唆もない。そのため、前記問題の解決には至っていない。
また、頭部厚さが薄く且つ呼び径の小さいねじにおいてもねじ込み機能を損なうことなく、しかも、簡単に緩めることのできないねじについて公開され、公知となっている(特許文献2)。より具体的には、頭部とねじ山を形成した脚部とからなるねじにおいて、係合溝を有する頭部を比較的薄く形成し、頭部の座面と脚部のねじ山との間に頭部側が大きくねじ山側が小さいテーパー形状の補強部を形成し、しかも、係合溝の少なくともねじ締め方向回転時にドライバビットが係合する壁面をねじの軸線にほぼ平行な平面とした薄頭付きねじである。
このねじは、頭部のねじ込み機能の担保による緩み防止については記載されているが、雄ねじと雌ねじの関係について記載されていないし、前記先行技術文献同様に、有効径の中心から垂直な軸芯方向に締め付け力が作用し、ねじの山部及び谷部の全周に均等な力が作用する周接触型のねじ技術に関する記載も示唆もない。そのため、前記問題の解決には至っていない。
また、鋼材及びマグネシウムやアルミニウムなどの軟質材料の締付けに使用して有効な戻り止め効果を奏する戻り止めボルトについて、公開され公知となっている(特許文献3)。より具体的には、一端にねじ結合用機能を設えた頭部と、頭部に延設されたピッチPを有するねじが形成されたねじ軸とを備え、n個の戻り止め部がn等分の角度間隔をおいて頭部の座面に形成されており、戻り止め部は、座面に対して突起した突起部を有しているねじである。
このねじは、緩み防止については記載されているが、雄ねじと雌ねじの接触関係について記載されていないし、雌ねじが傾斜している場合についての記載もなく、前記2件の先行技術文献同様に、有効径の中心から垂直な軸芯方向に締め付け力が作用し、ねじの山部及び谷部の全周に均等な力が作用する周接触型のねじ技術に関する記載も示唆もない。そのため、前記問題の解決には至っていない。
本発明者は上記の問題を解決しようと、球形状と円錐形状の接触状態に着目し、「球体形状を先端が円錐溝の逆センターで保持する芯出し方法」の提案に至ったものである。
特開平8−193611号 特開2001−280324号 特開2004−11918号
本発明は、円筒研削盤等の機械加工設備における軸芯を捉えるツールとして優れた効果を発揮する技術の提供を図る。
本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接雄ねじは、当接部に球体形状を利用する雄ねじであって、該雄ねじは首下部に球体形状の突出部を有し、該突出部は雄ねじの有効径の中心から垂直な軸芯線上に中心点を持つ球の一部の形状を備え、該雄ねじが螺合により挿入される雌ねじの開口縁部に円周状に当接する手段を採用することも有用である
また、本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接ねじ構造は、円錐形状の内部に周接される球体形状を利用する雄ねじと雌ねじの組み合わせであって、該雄ねじは首下部に球体形状の突出部を有し、該突出部は前記雄ねじの有効径の中心から垂直な軸芯線上に中心点を持つ球の一部の形状を備え、前記雄ねじと螺合する雌ねじには円錐状の座繰り部を有し、前記雄ねじと前記雌ねじが螺合する際、前記球状の前記突出部と前記円錐状の座繰り面が円周状に当接する手段を採用することも有用である
また、本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接ねじ構造は、円錐形状の内部に周接される球体形状を利用する雄ねじと平座金の組み合わせであって、該雄ねじは首下部に球体形状の突出部を有し、該突出部は前記雄ねじの有効径の中心から垂直な軸芯線上に中心点を持つ球の一部の形状を備え、前記平座金は、前記雄ねじと螺合される雌ねじとのあいだに挟持される円錐状の座繰り部を有し、前記雄ねじの前記突出部と前記円錐状の座繰り面が円周状に当接する手段を採用することも有用である
また、本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接ねじ構造は、円錐形状の外部に周接される球体形状を利用する雄ねじと雌ねじの組み合わせであって、前記雄ねじは首下部に円錐状の斜面部を有し、該雌ねじは座繰り部を有し、該座繰り部は、前記雄ねじ首下の円錐状の斜面部に周接触する曲面であり、該曲面は、雌ねじの有効径の中心から円周方向に向かって等距離に中心点を持つ正円の一部の形状を備え、前記雄ねじが雌ねじが螺合する際、前記斜面部と前記該座繰り部の面が該雄ねじの円周方向に円周状に当接する手段を採用することも有用である
また、本発明に係る円錐形状溝の内部に当接される球体形状を利用する方法であって、ワークの両端面中心に円錐溝を形成し、該円錐溝に固着させる芯出し部材を介して逆センターで保持する方法であり、前記芯出し部材は、前記円錐溝に固定するための円錐形状突起を有すると共に、該芯出し部の端面部には略球状体の突出球体形状を有して成り、前記芯出し部材を、接着、ハンダ付け、ロウ付け、CBN電着、又はダイヤモンド電着のいずれかの固着手段によってワークに固着させ、前記突出球体形状を、先端が円錐形状溝の逆センターで保持する芯出し手段を採用した。
本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法によれば、図8に示すような、円筒研削盤等の機械加工設備における軸芯を捉えるツールとして優れた効果を発揮する。
また、円錐形状と球体形状を利用する方法に関連する周接ねじ構造によれば、雄ねじの頭の部分をコンパクトにすることができるという優れた効果も発揮し得る。
本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接ねじ構造の参考第一構成概略説明図である。 本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接ねじ構造の参考第二構成概略説明図である。 本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する雌ねじの参考座繰り成型図である。 本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接ねじ構造の参考螺合状態説明図である。 従来構成と対比した本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する参考効果説明図である。 本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する周接ねじ構造の参考使用例説明図である。 本発明に係る円錐形状と球体形状を利用する方法と関連する別の参考実施例説明図である。 本発明に係る実施例説明図である。
本発明と関連する技術である周接ねじ構造は、雄ねじの首部と接触する雌ねじの座面部において、球形状と円錐形状とを組合せた接触構成を採用したことにより、ねじの下穴加工やタッピング加工等において雌ねじ穴が傾いてしまった場合であっても、接触状態は円周状に接し、締め付け力がねじ部の全周に均等に作用することを最大の特徴としている。以下、参考例及び実施例を図面に基づいて説明する
参考例1
図1から図2にしたがって、本発明と関連する技術を説明する。
図1は、本発明と関連する技術に係る周接ねじ構造100の概略を示す参考全体説明図である。図1(a)は断面的に記載した参考説明図であり、雄ねじ1側の斜面が球状で、雌ねじ2の座繰りが円錐形の場合の参考全体説明図である。図1(b)は、外形斜視図である。当接部に球体形状を利用する雄ねじ1であって、該雄ねじ1は首下部4に球体形状の突出部を有し、該突出部は雄ねじ1の有効径の中心から垂直な軸芯線上に中心点を持つ球の一部の形状を備え、該雄ねじ1が螺合により挿入される雌ねじ2の開口縁部に円周状に当接することを特徴とする本願発明と関連する技術の周接ねじ構造100である。
前記雄ねじ1と螺合する雌ねじ2には円錐状の座繰り部6を有し、
前記雄ねじ1と前記雌ねじ2が螺合する際、前記球状の前記突出部と前記円錐状の座繰り面が円周状に当接することを特徴としている。また、頭部3と首下部4、斜面部8が一体としており、頭部3が回転可能である必要があるので、六角レンチ用の穴をもつと好適である。(図4(b))。
図2は、本発明と関連する技術に係る第二の周接ねじ構造の概略を示す参考全体説明図である。図2(a)は、本発明と関連する技術の雄ねじ1の側面図、雌ねじ2の参考断面図を示し、図2(b)は同雄ねじ1の参考斜視図である。図2(a)は本発明と関連する技術の雄ねじ1と雌ねじ2を螺合した断面図である。該雌ねじ2は座繰り部を有し、該座繰り部は、前記雄ねじ1首下の円錐状の斜面部に周接触する曲面であり、該曲面は、雌ねじ2の有効径の中心から円周方向に向かって等距離に中心点を持つ正円の一部の形状を備え、前記雄ねじ1と前記雌ねじ2が螺合する際、前記斜面部と前記該座繰り部の面が該雄ねじ1の円周方向に円周状に当接することを特徴とする周接ねじである。
雄ねじ1は、主に頭部3と首下部4と脚部5とから構成されている。頭部3は、雄ねじ1を雌ねじ2にねじ込むために、ドライバーや6角レンチ、スパナ等の工具に密着し、その回転力を脚部に伝えるものである。端部の形状は、使用する工具によって、マイナス溝、プラス溝、六角穴、六角形等がある。本発明と関連する技術において、頭全体が六角形の形状の例で説明する。
首下部4は、頭部3の脚部5側の面付近を言う。頭部3と脚部5の境部分ということも出来る。首下部4は、雌ねじ2との螺合時に、雌ねじ2の表面と密着し、高い摩擦力によって螺合の緩みを防止するものである。一般的な形状では、凹凸のない平面であり、雌ねじ2の表面に対してフラットに接する形状である。本発明と関連する技術では、首下部4の一部に斜面部8を設置している。斜面部8は、脚部5に近いほうでは、ほぼ脚部5の太さと同様であり、頭部3に近い部分では、より太くなっている。全体としては、雄ねじ1の軸(芯)を回転軸とする円錐形である。円錐の形状は、雌ねじ2の座繰り部6の形状に合わせたものとなる。より具体的には、雌ねじ2との螺合時に、斜面部8と座繰り部6が接触するような大きさである。一般的な雄ねじ1では首下部4全体が雌ねじ2の表面と密着するが、本発明と関連する技術の雄ねじ1は、首下部4の斜面部8の一部が、円周上に雌ねじ2の座繰り部6の一部と密着する。
脚部5は、ねじ切りされた部分であり、通常、同一のねじ溝が掘られている。本発明と関連する技術の雄ねじ1についても同様である。斜面部8の端部からすぐねじ溝を切ってもいいし、所定の間隔をあけてねじ溝を切ってもよい。
次に雌ねじ2について説明する。雌ねじ2は、主に穴部7と座繰り部6から構成されている。雌ねじ2は、ナットと呼ばれるドーナッツ状のものもあるし、比較的大きな部品にねじを切ることによって、雌ねじ2となっているものもある。本発明と関連する技術では、比較的大きな部品にねじを切った構造について説明する。穴部7は円筒の穴構造であり、その円筒の内側をねじ切りされたものである。通常、同一のねじ溝が掘られる。本発明と関連する技術の雌ねじ2についても同様である。ねじ溝は、穴の底から穴のふち、座繰り部6の手前まで造られる。座繰り部6は、雌ねじ2の表面端部であり、雄ねじ1の斜面部8と接する部分である。通常の座繰りは、円錐形であるが、本発明と関連する技術の座繰り部6は、前記雄ねじ1の首下部の円錐状の斜面部に周接触する曲面であり、該曲面は、雌ねじ2の有効径の中心から円周方向に向かって等距離に中心点を持つ正円の一部の形状を備え、前記雄ねじ1と前記雌ねじ2が螺合する際、前記斜面部と前記該座繰り部の面が該雄ねじ1の円周方向に円周状に当接することを特徴とする周接ねじである。
ここで、本発明と関連する技術のねじと従来のねじの構造の違いを明確にするために、従来のねじの構造を図5にしたがって説明する。図5(a)は従来のねじ部材を用いた場合の、締め付け状態における参考状態説明図であり、図5(b)は、本願発明と関連する技術に係る周接ねじ構造100に係るねじ部材を用いた場合の、参考締め付け状態説明図である。以下、従来ねじとの対比について説明する。従来の雄ねじ14は頭部の底部側に雌ねじ側の上面と接触する首下部16を有し、一般的には該首下部16には斜面部はない。また、従来の雌ねじ18においても、座繰り部19が設けられることが多く、該座繰り部19は円錐状の形状である。
従来の雄ねじ14と従来の雌ねじ18を螺合させた際、従来の雄ねじ14の首下部16と従来の雌ねじ18の表面の平坦部1801が密着し、強い摩擦力を発生させる。平坦部1801は、首下部16と接触する領域すべてが均一に平坦である必要がある。しかし、製造ばらつき等で、広い面積が平坦にならない場合も多く、また、前記の通り、下穴加工やタッピング加工において雌ねじ部が傾いてしまう場合も多い。そうすると、首下部16と平坦部1801は、不均一に接触することになり、十分な摩擦力を確保できず、耐緩み特性が劣化する。また、雄ねじ14と雌ねじ18の間にシート等が挟まれる構造であれば、シートの一部が首下部16の周囲部分によって傷つけられ、場合によっては破れることになる。更に、締め付け力が、ねじの有効径の中心から外れたところを支点として回転されると、引っ張り荷重や、ねじり荷重のアンバランスが生じ、雄ねじとしての、機械的特性を損なうばかりか、そのねじが使用される製品の機能を低下させることもあり得る。
また、雄ねじ1と雌ねじ2の螺合による結合力の発生及び保持力(緩み止め)は、お互いのねじ部に作用する引っ張り力と圧縮力であり、ねじの有効径全周に均等に締め付け力が作用することが理想である。係る引っ張り力と圧縮力の発生は、雄ねじ1の雌ねじ2側平面と雌ねじ2の雄ねじ1側に対応する平面とが接触し、そこから更に雄ねじ1を締め込むことによって発生させるものである。従って、係る雄ねじ1と雌ねじ2の係合表面の平面の密着精度が必要であり、両面の平行度や、凹凸やうねり等による表面の平面度が悪いと、ねじ部に作用する力のバランスが悪くなり、局所的な金属疲労やクリープなどの問題を生じやすくなる。
これに対し、本発明と関連する技術に係る雄ねじ1と雌ねじ2の螺合では、雌ねじ2の上面の仕上がりは無関係であり、雄ねじ1の球状の突出部または斜面部8と、座繰り部6が周接触する。これは、有効径の中心に垂直な軸心上に球の中心を有する球体の一部と円錐面との接触により、円周方向に周接触するものであり、そのため、平面同士を密着させようとしても平坦度が悪く十分な密着ができない場合でも、安定した締め付け力をねじ部に作用させることができる。また、曲率が異なる断面視におけるアール形状を成す座繰り部や、面と面との接触のような場合では、事実上は線接触又は点接触であり、これらに比べ、接触部の集中応力などによる磨耗は少なく、耐緩み性も向上する。
次に、図5に示すように、雌ねじ2が傾斜している場合を考えると、雌ねじ2の穴部7や座繰り部6の切削加工等の際に、何らかの理由によって雌ねじ2が形成されるワークKの表面に対して傾いて加工されてしまった場合、雄ねじ1と雌ねじ2を螺合するだけであれば雌ねじ穴が傾斜していても雄ねじ1と雌ねじ2の芯はずれない。しかし、雄ねじ1と雌ねじ2を締め付けると芯ずれが生じ問題となる。これに対して、本願発明と関連する技術に係る周接ねじ構造によれば、軸芯を中心とする有効径の中心に力が働き、ねじ部全周において周接触するので、締め付け力がバランス良く雌ねじ2に働き、上記の問題を生じない。
また、本発明と関連する技術に係る雄ねじ1によれば、特殊な形状の円筒型雌ねじ13についても安定した螺合ができる。以下、図6に沿って説明する。図6(a)は、円筒型雌ねじ13と雄ねじ1の参考全体斜視図である。図6(b)は、円筒型雌ねじ13の参考長手方向断面図である。図6(c)は円筒型雌ねじ13の参考円周方向断面図である。
円筒型雌ねじ13は円筒形状であり、円筒の円周部に穴を開けた雌ねじ構造としている。そのため、円筒型雌ねじ13の表面は曲面であり、通常の座繰りカッターや面取りカッターで加工すると、座繰り部6が平面視において楕円状となってしまう。首下部4がフラットな座面である従来のねじ構造では、首下部4と円筒表面を安定して密着させることができない。
これに対し、本発明と関連する技術に係る周接ねじ構造100によれば、円筒形状の表面であっても、球体形状と円錐形状との組合せにより、周状に接触するため、当接部601aが密着できるので安定して固定することができる。なお、長手方向断面図で見た場合の斜面部8と座繰り部6の接触位置と参考円周方向断面図で見た場合の位置は同一である(図6(b)(c))。また、図6は、本発明と関連する技術に係る参考例の構成を例示したものであり雄ねじ1のみの構成でも雄ねじ1及び雌ねじ2との組合せの構成を採用することも有用である。
このように係る雄ねじ1、及び雌ねじ2によれば、通常の螺合時の信頼性も向上するし、特に雌ねじ2が傾斜している場合であっても安定した螺合を容易に行うことができ、作業性を向上させ、耐緩み性を向上させるものである。
参考例2
他の参考例である雌ねじ2の座繰り部6の製造方法について図3に沿って説明する。図3(a)は、本発明と関連する技術に係る座繰りを成型するドリルと座繰りを造る前の雌ねじ2である。図3(b)は、座繰りを生成したあとの雌ねじ2である。座繰りは、通常円錐状であることから、所定の角度の付いたドリルで開けることが多い。係る本発明と関連する技術によれば、専用のセンタードリル10を用いることで容易に座繰りを形成できる。
センタードリル10は先端部12と曲線部11から成る。先端部12は、ガイド用の円筒部であり、この部分でガイド用の穴を開けてもいいし、ねじ穴の開けを同時に行ってもよい。先端部12は、座繰り部6の形状を造る部分であり、円弧の形状である。曲線部11は、1/4円形状であり、この部分に当たる部材を容易に1/4円形状に切削できる。座繰り部6が成型されていない雌ねじ2に対して、切削を行うことで、座繰り部6を生成する。
この方法によれば、従来の円錐状の座繰りと同様に円弧状の座繰りを容易に形成することができる。
参考例3
図7は、本願発明と関連する技術に係る周接ねじ構造の技術を応用した別の参考例を示したものであり、図7(a)は、通常の態様で、雄ねじ1の頭を球の約2分の1でカットし、雌ねじ2側の円錐状の座繰り部6内に頭部3が内装される構成を示している。図7(b)及び(c)は、本願発明と関連する技術に係る周接雄ねじ1と、雌ねじ2が形成されているワークKとの間で狭持される円錐状の座繰り部31を有する平座金30で構成されることを示している。係る構成を採用する場合、六角ボルトであると、頭部を上方に出さないと、スパナやメガネレンチが使用できないため、図面上では六角穴Nを示した。但し、六角穴に限らず、ドライバー用の十字溝や特殊溝でもよい。
なお、前記の平座金30を用いる場合、該平座金30の底面部にOリング溝を形成し、そこへOリングを挿入する。係る態様を採用した場合には、防水機能を発揮し、水中で用いられる装置や、風雨が直接当たるような場所で使用される機械器具等において、その力を十分に発揮することが可能となる。
また、出願人は、本発明に係る球体形状を先端が円錐溝の逆センターで保持する芯出し方法によって、図8に示すような、円筒研削盤等の機械加工設備における軸芯を捉えるツールとして優れた効果を発揮する構成の利用態様を見い出した。図8に基づいて説明する。図8(a)は、本発明に係る必要な構成説明であり、図8(b)は、使用状態説明図である。ワークWの両端面の中心に、円錐形状の軸穴を設け、係る円錐形状の溝SMに固着させるための同形状の円錐突起部SSを有する芯出し部材Sを固着させる。係る固着手段Dには、接着、ハンダ付け、ロウ付け、CBN電着、又はダイヤモンド電着のいずれかの手段による。
前記芯出し部材Sの端面には略球状体の突出球体形状SBを有し、該突出球体形状SBは、前記円錐溝SMの円心軸の延長線上に、該突出球体形状SBの中心が位置するように芯出し部材Sに配置されている。
ワークWに前記芯出し部材Sが固着された両端の前記突出球状形体SBを、先端が円錐溝の逆センターGで保持することで、芯出しを行う。
本発明と関連する技術に係る周接ねじ構造100は、雄ねじ1、雌ねじ2の結合の信頼性、作業性についての産業上の利用可能性は大きいと解する。
100 周接ねじ構造
1 雄ねじ
2 雌ねじ
3 頭部
4 首下部
5 脚部
6 座繰り部
7 穴部
8 斜面部
10 センタードリル
11 曲線部
12 先端部
13 円筒型雌ねじ
14 従来の雄ねじ
15 頭部
16 首下部
17 脚部
18 従来の雌ねじ
19、19a、19b 座繰り部
20 斜面部
30 平座金
31 円錐座繰り部
32 Oリング
33 Oリング溝

601、601a、601b 当接部
1301 周囲方向断面
1302 長手方向断面
K ワーク
S 芯出し部材
SB 芯出用センターボール
SS 芯出用コーン
D 固着手段
G 逆センター
N 六角穴

Claims (1)

  1. 円錐形状溝の内部に当接される球体形状を利用する方法であって、
    ワークの両端面中心に円錐溝を形成し、
    該円錐溝に固着させる芯出し部材を介して逆センターで保持する方法であり、
    前記芯出し部材は、前記円錐溝に固定するための円錐形状突起を有すると共に、
    該芯出し部の端面部には略球状体の突出球体形状を有して成り、
    前記芯出し部材を、接着、ハンダ付け、ロウ付け、CBN電着、又はダイヤモンド電着のいずれかの固着手段によってワークに固着させ、
    前記突出球体形状を、先端が円錐形状溝の逆センターで保持する芯出し方法。
JP2014217886A 2014-10-26 2014-10-26 球体形状を先端が円錐溝の逆センターで保持する芯出し方法。 Expired - Fee Related JP5788581B1 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111417478A (zh) * 2017-11-29 2020-07-14 伊斯卡有限公司 具有内部流体通道和球形头部抵接表面的切削工具紧固件

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