JP5785882B2 - ケミカルハザード対策用キャビネット - Google Patents
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Description
特許文献2のフィルタ押さえ板は、ナットを緩めるとアンバランスな構造のため、貫通したボルト部材を中心として自重により1/4回転し、重い側が鉛直下方に位置して安定すると記載されており、この押さえ板は平面的即ち二次元的な動きである。また、フィルタ押さえ板は、締結部材のナットを回さないと緩まないためワンタッチで押さえ板を開放することはできない。
図6において、図6(a)はケミカルハザード対策用キャビネットの側断面図で、図6(b)はその正面図を示す。
図6(a),(b)において、1はケミカルハザード対策用キャビネット、2は作業者、3は作業空間、4は前面シャッタ、5は送風機、6は作業開口部、7は流入空気、8は排気口、10は汚染物質、11はプレフィルタ、12はHEPAフィルタ、13はHEPAフィルタカバー、14はパッキン、15はビニールバッグ、16はビニールバッグ取り付けフランジ、17はフィルタ固定金具、18は切断溶着機である。
図7(a)は、図6(a)の作業室の下方に縦方向に設置したHEPAフィルタを下側より見た正面図で、図7(b)はその側面図である。
図7(a)、(b)において、12はHEPAフィルタ、17はフィルタ固定金具、19はスタッドボルト、57はフィルタ固定金具の胴部、21はフィルタ押さえ板、51はフィルタ固定金具連動金具、20は袋ナット、56’はフィルタ固定金具のハンドル部、22はHEPAフィルタの枠、23はHEPAフィルタ及びフィルタ固定金具を固定するベースである。
逆に、フィルタ押さえ板21を解放する場合は、フィルタ固定金具17のハンドル部56’を手で点線の位置まで持ち上げて、さらに手で把持した状態で90°回転させて、フィルタ押さえ板21をHEPAフィルタ12の枠22から離していた。
この動作は、ビニールバッグ15を通しての作業であるため、HEPAフィルタの交換に時間が掛かり、非常に作業性が良くなかった。
図7に示したフィルタ固定金具17の動きを図8の斜視図に表わす。
図8(b)は、フィルタ固定金具17を上まで持ち上げてフィルタ押さえ板12の枠22より離し、HEPAフィルタの交換をし易くしている。
しかし、上記の通り、ビニールバッグ15を通しての作業であるため、交換に手間取り、作業性が良くなかった。
(実施例1)
図1は、本発明のHEPAフィルタを固定する固定金具の動きの部分拡大図を示し、図1A(a),(b)はフィルタ固定金具を押し下げてHEPAフィルタをフィルタ押さえ板で押さえ、フィルタを固定した状態を示し、図1A(a)は作業室の下方に縦方向に設置したHEPAフィルタを下側より見た正面図を示し、図1A(b)はその側面図である。
図1A(a),(b)において、12はHEPAフィルタ、22はHEPAフィルタ12の枠、17はフィルタ固定金具、23はHEPAフィルタやフィルタ固定金具を設置するベース、21はフィルタ押さえ板、19はスタッドボルト、57はフィルタ固定金具の胴部、50は三角形状のフィルタ固定金具連動金具、51は筒状のフィルタ固定金具連動金具、20は袋ナット、56はフィルタ固定金具のハンドル部、53はフィルタ固定金具のハンドル部56とフィルタ固定金具の胴部57を連結する固定ピンである。
図1A(a),(b)において、フィルタ固定金具の先端を持ち、押し下げると、フィルタ固定金具17と連結されたフィルタ固定金具連動金具50が移動し、フィルタ固定金具連動金具51が袋ナット側に移動し両者は密着し固定され、フィルタ押さえ板21がHEPAフィルタ側に移動し、HEPAフィルタ12とベース23の間に設けたHEPAフィルタパッキンが圧縮され、HEPAフィルタ12の枠22を固定する。
図1B(a)、(b)において、フィルタ固定金具17を持ち上げると、フィルタ固定金具17と連結されたフィルタ固定金具連動金具50が移動し、フィルタ固定金具連動金具51が下方向に2〜3mm移動し、フィルタ押さえ板21は上方向に2〜3mm移動する。これにより、フィルタ固定金具連動金具51と袋ナット20との圧力が弱まり、フィルタ押さえ板21が開放される。
図1C(a)、(b)において、フィルタ固定金具17を持ち上がった状態から作業者は手を離すと、フィルタ固定金具17の先端には重りとなるものを設けているため自重で垂れ下がりながら90°回転する。これはフィルタ固定金具の胴部57がスタッドボルト19に対して回転可能であるためである。
フィルタ固定金具17の先端は、先端に曲げ加工をつけた一定の重量をもった形状であり、フィルタ固定金具17を緩めたときにスタッドボルト19の中心とフィルタ固定金具の先端が100mm程度の一定距離を保持し、スタッドボルト19の中心からフィルタ押さえ板21の先端までの距離に対し、スタッドボルト19の中心からフィルタ固定金具17の先端までの距離が約2倍の長さを保持する構造とし、フィルタ固定金具17を緩めた際にその自重で90°回転するようにし、フィルタ固定金具17のハンドル部56の操作性を向上し、HEPAフィルタ12を着脱しやすい構造としたのが特徴である。
図2において、図2(a)は鉛直方向に設置したHEPAフィルタ12を固定した状態を示す正面図で、図2(b)はその側面図を示す。
図2(a)において、HEPAフィルタ12を固定するフィルタ固定金具17は、HEPAフィルタの右辺の上下に2箇所、左辺の上下に2箇所の四隅を左右対称となるように配置する。また、フィルタ固定金具17の押さえ板21はHEPAフィルタ12の周囲の枠22の部分を押さえ固定している。
また、フィルタ固定金具17は、ハンドル部56がHEPAフィルタ12の辺に対して直角に倒れるように構成し、フィルタ押さえ板21もハンドル部と同じようにフィルタ12の枠に直角に接触し、フィルタ枠22を押さえ込む構成である。
図2(b)において、HEPAフィルタ12は鉛直方向に設置されたベース23に設置、固定し、ベース23は空気を通過させるために、フィルタ枠22の内側のみ空洞としているか、メッシュ又はパンチ孔を有する。また、HEPAフィルタ12とベース23との間にはHEPAフィルタパッキンを設置している。
また、HEPAフィルタよりもさらに高性能なフィルタであるULPAフィルタを用いた場合の構成も同じように扱うことができる。ULPAフィルタの性能は、定格流量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもつとある。
図3において、図3(a)はフィルタ固定金具の全体の斜視図で、図3(b)はスタッドボルト19と袋ナットを外した構成の斜視図を示す。図4はフィルタ固定金具のすべての部品を分解した図を示している。
フィルタ固定金具の胴部57には、フィルタ固定金具17のハンドル部56を固定ピン53を介して挟むように取り付け、連結する。そして、フィルタ固定金具17は固定ピン53を支点として回転可動である。また、フィルタ固定金具17はフィルタ押さえ板21を動作させるためにフィルタ固定金具連動金具50を設置する。フィルタ固定金具連動金具50は、三角形の形状を有し、三角形状の一辺がスタッドボルトの軸方向と一致させ、三角形のうちの下側の一角の箇所にフィルタ固定金具17と連結する固定ピン54を設け、その上部の一角にはフィルタ固定金具連動金具51と連結する固定ピン55を設置する。
そして、フィルタ固定金具17とフィルタ固定金具連動金具50とは、固定ピン54を支点として回転可動で、フィルタ固定金具連動金具50はフィルタ固定金具連動金具51と固定ピン55で連結され、フィルタ固定金具連動金具51は固定ピン55を支点として回転可動である。
また、フィルタ固定金具連動金具51は、スタッドボルト19に貫通して接しされ、スタッドボルト52の軸方向に移動可能である。
また、フィルタ押さえ板21は、フィルタ固定金具の胴部57の上部溶接等で固定されてフィルタ固定金具17と連動しており、フィルタ固定金具17を押し下げるとフィルタ押さえ板21はHEPAフィルタを押さえて固定し、フィルタ固定金具17を持ち上げるとフィルタ押さえ板21は開放状態になる。
また、フィルタ固定金具17のハンドル部56の先端の接続した部分は重くする。図3では先端部の重量を大きくするために、折り曲げた形状の金属板を重りとして固定する。さらに、折り曲げた側で一方の長くして、重力方向に垂れ下がり易くなるように重心をずらす。このように先端の重りの重心をずらすことにより持ち上げたフィルタ固定金具は開放されると、自重で自然と垂れ下がることになる。このとき、袋ナット20は緩める必要はなく、固定された状態であっても良い。
図4は、フィルタ固定金具17を分解した部品の斜視図を示す。
図4において、スタッドボルト19は円柱形で、先端はネジ山を設けている。フィルタ固定金具の胴部57は、円筒形を有し、中空の筒内にスタットボルト19を貫通させ、フィルタ固定金具の胴部57の上にはフィルタ押さえ板21を溶接などで固定し一体化する。また、フィルタ押さえ板21にもスタットボルト19を貫通する孔を設ける。
さらに、フィルタ固定金具の胴部57の上部には、フィルタ固定金具連動金具50を連結して、フィルタ固定金具連動金具51を設け、スタットボルト19を連動金具51に貫通する。
フィルタ固定金具の胴部57、フィルタ押さえ板21及びフィルタ固定金具連動金具51を貫通したスタットボルト52の先端のネジ部には袋ナットをネジ締めして固定する。
また、フィルタ固定金具の胴部57には、この胴部7を二本の細長い板状部材であるハンドル部56を平行にして挟む構造とし、その二本のハンドル部56の先端部は接続して、金属板などを折り曲げたものを先端部に固定し重くする。重りは金属板などの折り曲げたものでなくてもブロックなどでもよい。
フィルタ固定金具のハンドル部56の根元側は“く”の字形状に折り曲げ、折れ曲がった先端部に固定ピン53用の孔を設ける。
三角形状のフィルタ固定金具連動金具50は、2枚の三角形の形状の板材を平行に配置し、別の板材で一辺を接続しコ字形状を形成する。そしてフィルタ固定金具の胴部57に挟むようにして嵌めこみ、フィルタ固定金具の胴部57の軸方向に対し、一辺が同じ方向になるように設置する。
ハンドル部56は、従来の構成よりも腕の長さを長く形成し、先端の重りを重くする構成としている。
図5Aは、HEPAフィルタ12の枠22を、フィルタ固定金具17の押さえ板21で押さえて固定している状態を示している。
図5Aにおいて、図8Aと異なる点は上記の通りフィルタ固定金具17の腕に当たる部分のハンドル部の長さを長くし、先端の部分を重くした点で、HEPAフィルタの固定方法については、図1A(a),(b)で説明したとおりである。
図5Bは、フィルタ固定金具17を持ち上げて、HEPAフィルタ17の枠22を押さえていたフィルタ押さえ板21が開放されて、自重により先端が垂れ下がりながら回転してフィルタ押さえ板21がフィルタの枠22より離れている状態を示す図である。
図5Cは、フィルタ固定金具17が、自重により先端が垂れ下がりながら90度回転し終わって、フィルタ押さえ板21がフィルタの枠22より離れた状態を示す図である。
2‥作業者 3‥作業空間 4‥前面シャッタ
5‥送風機 6‥作業開口部 7‥流入空気
8‥排気口 10‥汚染物質 11‥プレフィルタ
12‥HEPAフィルタ 13‥HEPAフィルタカバー
14‥パッキン 15‥ビニールバッグ
16‥ビニールバッグ取り付けフランジ
17‥フィルタ固定金具 18‥切断溶着機
19…スタッドボルト 20‥袋ナット
21‥フィルタ押さえ板 22‥HEPAフィルタ枠
23‥ベース
50‥三角形状のフィルタ固定金具連動金具 53‥固定ピン
51‥円筒形フィルタ固定金具連動金具 54‥固定ピン
56‥フィルタ固定金具のハンドル部
57‥フィルタ固定金具の胴部
Claims (5)
- 清浄空気が供給される作業空間と、
前記作業空間の前面に形成する前面シャッタと、
前記前面シャッタ下部に連接する作業開口部と、
前記作業空間の下側に縦置きに設置したHEPAフィルタと、
前記作業空間内の空気を前記HEPAフィルタを介して送風機によりキャビネット外へ排気する排気系と、
前記HEPAフィルタを固定するフィルタ固定金具と、を備え、
前記フィルタ固定金具は、
前記HEPAフィルタの側方に、かつ、水平方向に設けられるスタッドボルトと、
前記スタッドボルトが貫通し、前記フィルタ押さえ板を固定した、上下可動かつ回動可能な、円筒形のフィルタ固定金具の胴部と、
前記フィルタ固定金具の胴部の上側に設けられ、前記スタッドボルトが貫通する、上下可動かつ回動可能な円筒形連結部と、
前記円筒形連結部の上側に設けられ、前記スタッドボルトの先端にねじ留めする袋ナットと、
前記フィルタ固定金具の胴部に固定ピンで連結し、細長い腕を有し、先端を重く形成したハンドル部と、
前記ハンドル部と固定ピンで連結し、さらに前記円筒形連結部と固定ピンで連結した略三角形状連結部とで構成され、
前記フィルタ固定金具の前記ハンドル部を持ち上げて離すと自重で回転して垂れ下がり、前記フィルタ押さえ板が前記HEPAフィルタより離れる構成としたことを特徴とするケミカルハザード対策用キャビネット。 - 請求項1記載のケミカルハザード対策用キャビネットにおいて、
前記フィルタ固定金具のハンドル部は、細長い腕を有しその先端を重くし、該ハンドル部の重心の位置が先端側になるように構成したことを特徴とするケミカルハザード対策用キャビネット。 - 請求項1記載のケミカルハザード対策用キャビネットにおいて、
前記フィルタ固定金具は、前記HEPAフィルタの4隅を固定することを特徴とするケミカルハザード対策用キャビネット。 - 請求項1記載のケミカルハザード対策用キャビネットにおいて、
前記ハンドル部の先端は、曲げ加工の金属板を設け、所定の重量をもった形状としたことを特徴とするケミカルハザード対策用キャビネット。 - 請求項4記載のケミカルハザード対策用キャビネットにおいて、
前記ハンドル部の先端の曲げ加工の金属板は、ハンドル部の一方の側を長くし重心の位置をずらすことを特徴とするケミカルハザード対策用キャビネット。
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