JP5785505B2 - 相変化インクにおける泡及びボイドを低減するための冷却速度及び温度勾配の制御方法 - Google Patents

相変化インクにおける泡及びボイドを低減するための冷却速度及び温度勾配の制御方法 Download PDF

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Description

本明細書に記述される実施形態は、インクジェット印刷に用いられる方法及びデバイスに関する。実施形態の中には、インクジェットプリンタのためのプリントヘッドアッセンブリを包含するものがある。プリントヘッドアッセンブリは、インク流路を画定するために流体的に結合される1つまたは複数のコンポーネントを含む。1つまたは複数の熱素子はインク流路に沿って配置され、かつインク流路に沿った温度勾配に対する冷却速度の割合をインク流路の臨界ニヤマ値より上に保つように構成される。例えば、インク流路は、インクリザーバ、プリントヘッド及びリザーバとプリントヘッドとを流体的に結合するマニホールドによって画定されてもよい。熱素子のうちの少なくとも1つはリザーバ上またはその近くに位置合わせされることが可能であり、かつ熱素子のうちの少なくとも別の1つはプリントヘッドアッセンブリの別のコンポーネント上またはその近くに位置合わせされることが可能である。
幾つかの実装によれば、熱素子は受動的な熱素子である。幾つかの実装によれば、熱素子のうちの1つまたはそれ以上は、インク流路へ熱エネルギーを能動的に供給する能動的な熱素子である。熱素子は、能動的及び受動的な熱素子の混合体を含んでもよい。事例によっては、プリントヘッドアッセンブリは、能動的な熱素子を制御するように構成される制御ユニットを含む。熱素子は、インク流路のその部分が比較的規則的な熱質量を有するようにインク流路の少なくとも一部分に沿って配置されることが可能である。
圧力はインク流路へ、例えばリザーバであるインク流路の一部分を傾斜すること等によって加えられることが可能である。アプリケーションによっては、プリントヘッドアッセンブリは、インクへ能動的に圧力を加えることができる加圧ユニットを含む。制御ユニットは、インクへ予め決められた量の圧力を加えるように加圧ユニットを制御する。また制御ユニットは、熱素子を制御することによってインク流路の温度も制御する場合がある。温度及び圧力の制御は、制御ユニットによって協調されてもよい。1つまたは複数の温度センサは制御ユニットへ電気信号を供給することができ、電気信号はインクの温度を示す。制御ユニットは、温度センサの信号を基礎として熱素子の動作を制御する制御信号を発生するケイパビリティを有することが可能である。
事例によっては、インク流路は、インク流路のニヤマ数値が臨界ニヤマ値を約10%上回るように設計される。
実施形態の中には、プリントヘッドアッセンブリの作製方法を包含するものがある。インク流路は、1つまたは複数の流体的に結合されるコンポーネントによって画定されて形成される。インク流路沿いには、1つまたは複数の熱素子が配置される。熱素子は、インク流路に沿った温度勾配に対する冷却速度の割合をインク流路の臨界ニヤマ値より上に保つように構成される。構成によっては、1つまたは複数のコンポーネントは、インクリザーバ、プリントヘッド及びインクリザーバとプリントヘッドとの間へ流体的に結合されるマニホールドを含む。例えば、熱素子のうちの少なくとも1つは、インクリザーバの内部、上またはその近くに配置されることが可能である。
インク流路の形成は、1つまたは複数のコンポーネントを形成することと、1つまたは複数のコンポーネントをこれらが流体的に結合されるように互いへ付着することを包含し得る。コンポーネントは、インク流路へ熱エネルギーを能動的に追加することなくインク流路の温度勾配を制御するように構成される受動的な熱素子を組み込むことができる。受動的な熱素子は、インク流路に沿って比較的規則的な熱質量を保つように構成されることが可能である。
幾つかの実施形態によれば、インクジェットプリンタのプリントヘッドアッセンブリの動作方法は、インク流路に沿って相変化インクを加熱することを包含する。インクの温度勾配は、インクが位相を変えつつある時間中に、各々インク流路沿いの1つまたは複数のロケーションに配置される1つまたは複数の熱素子を用いて制御される。インク流路に沿った温度勾配に対する冷却速度の割合は、インクが位相を変えつつある時間中にインク流路の臨界ニヤマ値より上であるように保持される。熱素子は、能動的かつ/または受動的な熱素子であることが可能である。インクへの加圧は、例えば流路の一部分を傾斜させて受動的に行われても、例えば制御可能な能動圧力源を用いて能動的に行われてもよい。温度勾配は、能動的な熱素子を制御することによって臨界ニヤマ値より上に保持されてもよい。
インク流路におけるボイド及び泡を低減するためのアプローチを組み込んだプリントヘッドアッセンブリを示す図である。 インク流路に沿った温度勾配を示す。 インク流路に沿った温度勾配を示す。 リザーバにおいてインク流路へ加えられる圧力を示す図である。 インク流路へ受動的に圧力を加えるための様々なアプローチを示す。 インク流路へ受動的に圧力を加えるための様々なアプローチを示す。 インクが位相を変えつつある間にインク流路におけるボイド及び泡を低減するためのプロセスを示すフロー図である。 インク流路に沿って温度勾配が存在する時間中に圧力の印加を包含する泡及びボイドの低減を示すフロー図であり、温度勾配は、インクの第1の部分を固相状態にさせかつインクの第2の部分を液相状態にさせる。 インク流路に沿った温度勾配の存在及び圧力印加と温度との協調を包含する泡及びボイドの低減を示すフロー図である。 インク内のボイド及び泡を低減するためにジェットスタック内に生成され得る温度勾配を示す。 インク流路に沿ってインクを凝固させるプロセスを図示したものである。 インク流路の予め決められたニヤマ数値を達成するために使用され得る様々な熱素子を示す、プリントヘッドアッセンブリの断面図である。 インクの液相から固相への転移に伴う様々な時点におけるインクを含む実験構造体を示す。 インクの液相から固相への転移に伴う様々な時点におけるインクを含む実験構造体を示す。 インクの液相から固相への転移に伴う様々な時点におけるインクを含む実験構造体を示す。 インクの液相から固相への転移に伴う様々な時点におけるインクを含む実験構造体を示す。 インクの液相から固相への転移に伴う様々な時点におけるインクを含む実験構造体を示す。 インクの液相から固相への転移に伴う様々な時点におけるインクを含む実験構造体を示す。 実験構造体のフレア領域においてインク内に形成された泡を示す写真である。 ニヤマ数値と、実験構造体のインク流路に沿った距離との関係を示すグラフである。 温度勾配と、実験構造体のインク流路に沿った距離との関係を示すグラフである。 冷却速度と、実験構造体のインク流路に沿った距離との関係を示すグラフである。
液体状態では、インクは、インクジェット経路の通過を遮る可能性がある泡及び/または粒子を含む場合がある。例えば、泡は、固体インクプリンタにおいて、プリンタがパワーダウンされる際のインクの凝固及びプリンタが使用のためにパワーアップされる際のインクの溶融に伴って発生するインクの凝固−溶融サイクルに起因して形成される可能性がある。インクは、凝固して固体になるにつれて収縮し、インク内には後に空気で充填されるボイドが形成される。固体インクがインク噴射に先行して溶融するとき、ボイド内の空気は液体インク内の泡になる可能性がある。
実施形態の中には、温度勾配に対する冷却速度の所定の割合を達成するようにプリントヘッドアッセンブリを設計しかつ構成することによってインク内のボイド及び泡を低減するアプローチを包含するものがある。温度勾配に対する冷却速度の割合は、受動的または能動的な熱素子を用いて制御されてもよい。熱素子は、ボイド及び泡の低減をもたらすインクの指向的な凝固または溶融を促進するために使用されることが可能である。事例によっては、冷却速度/温度勾配比を制御する熱素子と共に、圧力がインクへ加えられる。
図1は、本明細書において論じられるボイド及び泡低減アプローチのうちの幾つかを示す、ある例示的なプリントヘッドアッセンブリ500の断面図である。プリントヘッドアッセンブリ500は、相変化インクを含むように構成されるインクリザーバ510を含む。リザーバは、ジェットスタックを含むプリントヘッド520へ流体的に結合される。ジェットスタックは、先に論じたようにマニホールド及びインクジェットを含んでもよい。図1に示されているプリントヘッドアッセンブリ500において、インク流路は、リザーバ510、サイホン515、プリントヘッド吸込路517及びプリントヘッド520等のプリントヘッドアッセンブリ500の様々なコンポーネントによって画定されるインクの流体経路である。プリントヘッドはジェットスタック525を含み、かつプリントヘッド520内部のインク流路はこのジェットスタック525を含む。インク流路はリザーバ510を横断し、サイホン515、プリントヘッド吸込路517、プリントヘッド520、ジェットスタック525を介してプリントヘッドの自由表面530へ至る。プリントヘッドアッセンブリ500は、2つの自由表面530、531を有する。一方の自由表面531は、リザーバ510におけるインク流路の入力側に存在する。もう一方の自由表面530は、ジェットスタック525のベント及び/または噴射口におけるインク流路の出力側に存在する。プリントヘッドアッセンブリ500内にインク流路を形成する1つまたは複数の流路構造体は、流路構造体間にある程度の熱減結合を達成するために、空隙540または他の絶縁物によって互いから分離されてもよい。
プリントヘッドアッセンブリ500は、インク流路に沿ってインクを加熱及び/または冷却するように構成される1つまたは複数の熱素子543−547を含む。図1に描かれているように、第1の熱素子546はリザーバ510上またはその近くに位置合わせされてもよく、かつ第2の熱素子547はプリントヘッド520上またはその近くに位置合わせされてもよい。熱素子543−547は、例えばインク流路を能動的に加熱または能動的に冷却するユニットである能動的な熱素子546、547であってもよく、かつ/または例えばパッシブヒートシンク、パッシブヒートパイプ等である受動的な熱素子543−545であってもよい。実装によっては、熱素子543−547は、制御ユニット550によって起動、停止かつ/または別途制御されてもよい。制御ユニットは、例えば、マイクロプロセッサベースの回路ユニット及び/またはプログラム可能論理アレイ回路または他の回路エレメントを備えてもよい。制御ユニット550は、プリンタの制御ユニットに統合されてもよく、スタンドアロンユニットであってもよい。実装によっては、制御ユニット550は、プリントヘッドアッセンブリの泡低減動作の間にインク流路へ加えられる温度及び圧力を制御するように構成される制御ユニットを備えてもよい。泡の低減は、プリンタの起動時、停止時または運転中の他の任意の時間に発生してもよい。
能動的な熱素子546、547の場合、制御ユニット550は能動的な熱素子546、547を起動しかつ/または停止することができ、かつ/または制御ユニット550はその他、所望される設定温度を達成するために能動的な熱素子546、547のエネルギー出力を修正してもよい。能動的な熱素子はシステムに熱エネルギーを能動的に供給し、かつ冷却エレメントであっても、加熱エレメントであってもよい。能動的な冷却は、例えばガスまたは液体等の冷却材の流れを制御することによって、かつ/または圧電冷却器の使用を介して達成されてもよい。能動的な加熱は、抵抗加熱または誘導加熱によって達成されてもよい。幾つかの受動的な熱素子545の場合、制御ユニット550は、受動的な熱素子545を起動、停止かつ/または別途制御してもよい。例えば、受動的な熱素子545の制御は、制御ユニット550により、ヒートシンクフィンを散開または引っ込める信号を発生することによって達成されてもよい。実装によっては、プリントヘッドアッセンブリ500は、制御ユニット550によって制御されない1つまたは複数の熱素子543、544も含んでもよい。プリントヘッドは、例えば1つまたは複数の断熱性の熱素子543によって断熱されてもよい。
場合により、プリントヘッドアッセンブリ500は、インク流路に沿って、またはプリントヘッドアッセンブリ500上の他の場所に位置合わせされる1つまたは複数の温度センサ560を含んでもよい。温度センサ560は、インク(またはインク流路を形成するコンポーネント510、515、517、529、525)の温度を検出し、かつ検出された温度によって変調された電気信号を発生することができる。事例によっては、制御ユニット550は、熱ユニット545−547の動作を制御するために、センサ信号を用いて熱ユニット545−547へフィードバック信号を発生する。
場合により、プリントヘッドアッセンブリ500は、インク流路に沿った1つまたは複数の位置でインクへ圧力を加えるように構成される加圧ユニット555を含む。加圧ユニット555は、少なくとも1つの圧力源と、インク流路へアクセスするために結合される1つまたは複数の入力ポート556と、インク流路へ加えられる圧力を制御するために使用されることが可能な1つまたは複数のバルブ557とを含んでもよい。圧力源は、例えば圧縮空気または圧縮インクを含んでもよい。加圧ユニット555は、制御ユニット550によって制御可能であってもよい。実装によっては、制御ユニット550は、温度センサの信号及び/または検出された圧力信号を基礎として加圧ユニットを制御するためにフィードバック信号を発生してもよい。
ボイド及び泡を低減するアプローチの中には、インクが位相を変えつつある時間中にインク流路に沿って温度勾配を生成することを包含するものがある。インクは、液相から固相へ、または固相から液相へと位相を変えていてもよい。インクが液相から固相へ転移する場合、インクは収縮し、固相インク内にボイドを残す。これらのボイドは、最終的に空気で満たされる場合があり、これにより、インクが固相から液相へ転移する際にインク内に気泡が形成される。インクが温度勾配の存在下で位相を変える間、インク流路の第1の領域におけるインクの第1の部分は液相にあってもよく、一方でインク流路の第2の領域におけるインクの第2の部分は固相にある。
インクが液相から固相へ変わる際のインク流路に沿った温度勾配は、インクが凝固する間に形成されるボイドの数を減らすために生成されてもよい。例えばプリントヘッドに近い第1の領域においてインクの第1の部分を固体に保持し、かつ例えばリザーバに近い第2の領域においてインクの別の部分を液体に保持することは、相転移の間に形成されるボイドの数を低減するためにリザーバ領域からの液体インクが凝固フロントに近いインク部分へ流れ込むことを可能にする。
インクが固相から液相へ変わりつつあるときのインク流路に沿った温度勾配は、凝固インク内に存在する空気を除去するために、例えばパージプロセスの間に用いられてもよい。インク内のボイドは、凝固の間に、液体インクのポケットが凝固インクによって取り込まれる際に形成される。液体インクのポケットが凝固するにつれて、インクは収縮し、ボイドが形成される。ボイドは、ボイドをプリントヘッドアッセンブリの自由表面へ繋ぐインク内のマイクロチャネルを介して空気で満たされる可能性がある。温度勾配は、インクが固相から液相へ変わりつつある時間中にインク流路内で生成されることが可能である。温度勾配は、リザーバにおける、かつリザーバに近いインクは液体であって、プリントヘッドの方に近いインクは固体であるといったものであってもよい。温度勾配は、リザーバの方に近い液相インクからの液体インクが固相インク内のエアポケットへと流れ込み、空気を凝固インクからプリントヘッドアッセンブリの自由表面の1つへと繋がるマイクロチャネルを介して押し出すことを可能にする。
図2は、プリントヘッドアッセンブリ内に温度勾配を生成するように制御ユニット(不図示)によって制御可能な複数の熱素子645を含むプリントヘッドアッセンブリ600を示す。図2に描かれているように、複数の熱素子645は、リザーバ610、サイホン615及び/またはプリントヘッド入口617を含むインク流路部分に沿って位置合わせされてもよい。或いは、または追加的に、熱素子645は、例えばジェットスタックのマニホールドの内部、上またはその近くを含むプリントヘッド620の内部、上またはその近くに位置合わせされる場合もある。
図2が示すように、複数の熱素子645は、インク流路に沿って生成される温度勾配のゾーン制御を可能にするようにインク流路に沿って配置されることが可能である。複数の熱素子645を用いるゾーン別の熱制御は、インク流路の様々な領域の制御された加熱または冷却を包含し、かつインク流路に沿った温度勾配のより正確な制御を可能にする。事例によっては、温度勾配は、図2の矢印が示すように、リザーバ610において、またはその近くでより高いインク温度、Tを達成し、かつプリントヘッド620において、またはその近くでより低いインク温度、Tを達成するように制御される。このシナリオでは、リザーバ610における、またはリザーバ610の方に近いインクの温度はインクの融点より上に保持されることが可能であり、よってこのゾーンにおけるインクは液体である。プリントヘッド620における、またはプリントヘッド620の方に近いインクの温度はインクの融点より低く、よって凝固される。図2は、リザーバ610におけるより高い温度からプリントヘッド620におけるより低い温度へ転移する温度勾配を示しているが、代替実装におけるゾーン別の熱制御は、リザーバにおけるより低い温度からプリントヘッドにおけるより高い温度へ転移する温度勾配を生成してもよい。
図3は、二股に分けられたもう1つの温度勾配を生成するためのゾーン別熱制御に用いられてもよい複数の熱素子745を示す。図3に描かれているように、インク流路の第1の領域における第1の温度勾配は、リザーバ710内のゾーンにおけるより高い温度、TH1からサイホンエリア715内の第1のゾーンにおけるより低い温度、TL1へ転移する。第2の温度勾配は、サイホンエリア715内の第2のゾーンにおけるより高い温度、TH2からプリントヘッド720の自由表面730に近いより低い温度、TL2へ転移する。サイホン715の第2のゾーンは、通気孔(図3には示されていない)へ繋がるより大きい容量の領域であってもよい。二股に分けられた温度勾配は、液体インクをプリントヘッドアッセンブリの複数の自由表面へ向かって移動させることに役立つ場合がある。
ボイド及び泡を低減するアプローチの中には、インクが位相を変えつつある時間中に圧力源からの圧力をインクに加えることを含むものがある。圧力源は、例えば加圧されたインク、空気または他の物質であってもよい。圧力は、インク流路に沿った任意のポイントにおいて加えられることが可能であり、かつ制御ユニットによって制御されることが可能である。事例によっては、制御ユニットは、圧力の印加をインクの温度と協調して制御する。例えば、圧力は、システムの熱力学を基礎としてインクがある特定の温度であることが予期される時点で、または温度センサによりインク流路のある特定のロケーションにおけるインクが予め決められた温度に達していることが示される時点で加えられることが可能である。事例によっては、圧力の量及び/またはロケーションは、例えばインク流路のゾーン別加熱または冷却によって達成される温度勾配と協調して適用されることが可能である。
図4は、インクが位相を変えつつある時間中のインクへの圧力870の印加を示す。例えば、事例によっては、リザーバ810内のインクをインクの溶融温度を超える温度、例えば90゜Cを超える温度にするために、リザーバヒータ845のみが起動される。リザーバヒータ845はリザーバ810内のインクが溶融するに足る高さの設定温度にまで到達されるが、設定温度はこのように高く、よって/またはプリントヘッド820内のインクも溶融するほど長くは保持されない。リザーバ810内のインクとプリントヘッド820内のインクとの十分な温度差は、リザーバ810内のインクは液体でありながらプリントヘッド820内のインクを凝固したままにするように保たれる。例えば、使用されるインク及びプリントヘッドアッセンブリのジオメトリに依存して、リザーバが90゜Cであるとき、リザーバ温度とプリントヘッド温度との温度差が約5゜Cから約15゜Cまでの範囲内であれば、リザーバインクが液体でありながらプリントヘッドインクは凝固して保たれる。リザーバ内のインクが液体でありかつプリントヘッド内のインクが凝固したままである間、圧力870は、例えばリザーバの自由表面831に加えられる。圧力870は、液体インクのリザーバ810から凝固インク内のボイド及びエアポケットへの移動を促進する。液体インクのボイド及びエアポケットへの移動はボイドを除去し、かつ凝固インク内に存在するマイクロチャネル(亀裂)を介して空気をプリントヘッドの自由表面830から押し出させる。
図5及び図6は、インク流路におけるインクへの圧力を受動的に増大させるためのアプローチを示す。図5に描かれているように、インク流路の全てまたは一部はインクへの圧力を高めるために傾斜されてもよい。プリントヘッドアッセンブリ900のコンポーネントは、プリントヘッドアッセンブリ900のインク流路全体が図5において傾斜されているように傾けられる。他の実施形態では、インク流路の一部を画定するコンポーネントのみが傾斜されてもよい。プリントヘッドアッセンブリ900は、この傾斜を達成すべくプリントヘッドアッセンブリ900のコンポーネントを方向づけるように構成される配向機構975を含むことが可能である。実装によっては、プリントヘッドアッセンブリ900のコンポーネントは、インク流路内のインクに対する圧力を高めるために、インク相変化の間に1つの位置に方向づけられてもよい。コンポーネントは、例えばプリンタの運転中である他の時間期間中に別の位置に方向づけられてもよい。事例によっては、プリントヘッドの配向機構は、制御ユニットにより、例えばインク流路の温度、圧力及び/または温度勾配を基礎として制御されることが可能である。図5に示されているようなリザーバ910の傾斜は、インク内の泡をリザーバ910の自由表面まで上昇させるように実装される場合もある。
図6は、インクへ加える圧力を高めるためのプロセスの別の例を描いている。この例において、リザーバ1010は先の、または通常のインクレベル1076を超えて過度に満たされ、これにより、プリントヘッドアッセンブリ1000のインク流路に沿って圧力が増大される。事例によっては、過充填インク1077は、プリンタのパワーアップシーケンスの間にリザーバ1010へ追加されてもよい。或いは、過充填インク1077は、プリンタのパワーダウンシーケンスの間にリザーバ1010へ追加されてもよい。
先に論じたように、インク流路における温度勾配、インクの加圧及び/または温度、温度勾配及びボイド及び/または泡低減用圧力間の協調の使用は、インクが固相から液相へ転移しているとき、例えばプリンタのパワーアップシーケンスの間に行われてもよい。図7は、インクが固相から液相へ転移している時間中にボイド及び/または泡を低減するためのある例示的なプロセスを示すフロー図である。図7に示されているプロセスは、例えばプリンタのパワーアップに伴ってインク流路からボイド及び/または泡をパージするために用いられてもよい。1110、1120において、リザーバ及びプリントヘッドは位相シーケンスで加熱される。プリントヘッドの方へ近いインクがインクを凝固したままにする温度に保持されながら、まずリザーバがリザーバ内のインクを溶融する温度にまで加熱される。リザーバ内のインクとプリントヘッド内のインクとの間の温度勾配は、プリントヘッド自由表面におけるシステムの通気及びインク噴射口を介するインクフローシステムの減圧を促進する。1105における、リザーバ及びプリントヘッドの位相シーケンスでの加熱により生成される温度勾配は、ボイド内へのインクの半制御式移動及び泡の低減をもたらす。リザーバ及び/またはプリントヘッドの温度上昇速度は、ボイド/泡の最適な低減を達成するように制御される。1105においてインク流路沿いに温度勾配が生成された後、1130では、場合により、ボイド及び泡低減をさらに増進させるためにインクへ圧力が加えられてもよい。例えば、圧力の印加は、本明細書に記述されているもの等の1つまたは複数の能動的及び受動的加圧技法によって達成されてもよい。
アプローチの中には、インクが液相から固相へ変わりつつある時間中にインクへ圧力をかけることを包含するものがある。図8のフロー図は、このプロセスを例示している。1610では、インクが液相から固相へ転移している時間中に、インク流路に沿って温度勾配が存在する。例えば、温度勾配は、流路のある領域におけるインクは液体であり、一方で流路の別の領域におけるインクは固体である、という類のものであってもよい。1620では、インクが液相から固相へ変わりつつある時間中にインクへ圧力が加えられる。圧力は、インクが溶融する際に気泡となる可能性もあるインク内のボイドを減じる働きをする。
ボイド/泡を低減するアプローチの中には、インクが位相を変えつつある時間中の温度と印加圧力との協調を包含するものがある。インクは、固相から液相へ変化していても、液相から固相へ変化していてもよい。インクが位相を変えつつある時間中、インク流路の第1の領域におけるインクの一部は液体であり、一方でインク流路の第2の領域におけるインクの別の部分は固体である。液体インクの加圧はインクをボイド内へと押しやり、かつ凝固インク内のチャネルを介して気泡を押し出す。印加圧力とインク温度との協調の実装は、インク流路に沿って温度勾配を生成するゾーン加熱を伴う場合も伴わない場合もある。
図9のフロー図は、例えばプリンタの電源遮断シーケンスの間である、インク流路におけるインクが液相から固相へと位相を変えつつある時に、インク内のボイド/泡を低減するためのプロセスを示している。プロセスは、1710においてインクの温度を決定(または推定)することと、1740において温度と協調して圧力を加えることに依存する。事例によっては、インクの温度は、インクの温度を検出するために流路に沿って配置される温度センサを用いて決定される。事例によっては、インクの温度は、熱素子の設定温度及びプリントヘッドアッセンブリの熱応答関数を知ることによって推定されてもよい。場合により、1720において、インク流路に沿って温度勾配を生成しかつ/または保持するためにゾーン加熱/冷却が用いられてもよい。1730において、検出されたインク温度が予め決められた温度まで低下すれば、1740においてインクへ圧力が加えられる。
実装によっては、インクへ可変圧力が加えられ、印加される圧力はインクの温度及び/またはインク流路の温度勾配と協調される。
本明細書では、ボイド/泡を低減するための温度勾配の使用を示す例を、リザーバとプリントヘッドとの間に温度勾配を生成することに関連して論じた。或いは、または追加的に、ボイド/泡を低減するためにプリントヘッドまたはジェットスタック内の温度勾配が実装されてもよい。例えば、図10を参照すると、プリントヘッドのジェットスタック2021内に1つまたは複数の温度勾配が生成されてもよい。例えば、温度勾配は、ジェットスタックの縁へ向かってより高い温度、Tを、かつインク噴射口及びベントが位置決めされるジェットスタックの中心へ向かってより低い温度、Tを含んでもよい。所定のプリントヘッド設計では、温度勾配をジェットスタックのz方向に沿って生成することが可能である場合もある。しかしながら、多くのプリントヘッドのジェットスタック設計はz方向に薄く、かつインク流路は主としてy方向である。温度勾配は、例えば、ジェットスタックの異なる部分における例えばヒートシンク及び/または断熱材である別々の受動的な熱素子を使用することにより、能動的な加熱または冷却エレメントを用いて生成されてもよい。
実施形態の中には、臨界ニヤマ値表示される、インク流路に沿った温度勾配と冷却速度との間の所定の割合を達成するように設計されかつ構成されるプリントヘッドアッセンブリを包含するものがある。インク流路のニヤマ数値Nyは、
(数1)
Ny=G/√R
と表現される。但し、Gは温度勾配:単位/mmであり、Rは冷却速度:単位/sである。
本明細書に記述されている実施形態によっては、インク流路に沿った熱質量の差は、インクの相転移の間のボイド及び/または泡の生成を低減するように構成されてもよい。事例によっては、設計は、例えばプリントヘッドインクリザーバ内のインクである比較的多量のインクを用いる「ライザリング」または「フィーディング」のコンセプトを包含してもよい。リザーバインクはかなりの熱質量を有し、よってインク流路内に温度勾配を確立するために用いられることが可能である。さらに、リザーバインクは、インク内のボイド及びマルチチャネルをインクによって埋め戻すことができるように正圧ヘッドを与えることができる。事例によっては、リザーバインクによって与えられる静水圧を超える能動的な圧力アシストも実装される場合がある。また、複数の能動的な熱素子を用いる能動的な熱制御も、温度勾配を生成するために用いられてもよい。
図11の図解は、液相から固相への位相変化の間にインク流路に沿ってインクが凝固するプロセスを示す。コンポーネントの混合体を含むインクがインク流路3000に沿って凝固していく場合、典型的には、完全に溶融しているインクから完全に固体であるインクに至る幾分かの温度範囲に渡る、その中では幾分かのコンポーネント混合体しか凝固していない軟らかいゾーンが存在する。軟性ゾーンのインクへと押しやられる溶融インクは、凝固しかつ収縮していく。インクの冷却速度は、矢印3001が示す凝固フロントの速度、及び相応して、矢印3002が示す、溶融インクが軟性ゾーンへ流れ込む速度を決定する。より速い冷却速度は、凝固する領域への流れ込みも増してより大きい圧力勾配が必要とされることを意味するが、これは、矢印3003が示す印加圧力によって達成されることが可能である。インク流路の一端から他端への温度勾配は、軟性ゾーンの長さ、及びインクの収縮凝固領域に達するために溶融インクが流れなければならない長さを決定づける。浅い温度勾配は、軟性ゾーンを増大する可能性があり、よって溶融インクを軟性の収縮領域へ流し入れるために要する圧力3003の量を増大させる可能性がある。また、浅い温度勾配は凝固の方向性の度合いを低減し、未凝固の液体による小さいポケットを残す可能性がある。未凝固の液体によるポケットが凝固すると、収縮して凝固インク内に空気を取り込んだボイドを残す。
ボイドを減らすためには、インク流路は、凝固フロントに近い軟性ゾーンの固体端でインクを埋め戻すに足る圧力を有していなければならない。圧力が不十分であれば、溶融インクは凝固領域へと浸透することができず、収縮、ボイド及び空気の取り込みが生じる。インクを埋め戻すために要する圧力の量は、
で表すことができる。但し、Nはニヤマ数値であり、μは融解粘度であり、βは収縮量に関連づけられ、ΔTは軟性ゾーンの温度範囲であり、dは軟性ゾーンにおける特徴的な結晶のサイズであり、φCRはインクが事実上固体であって埋め戻しのための圧力はもはや奏効しない軟性ゾーン内のポイントに関連づけられる。
ニヤマ数値は、「臨界温度」において、例えば軟性ゾーンの温度範囲の何らかの一部において計算されてもよい。所定量のフィーディング圧力では、臨界ニヤマ値(冷却速度に対する温度勾配の割合)はここで最低限の孔隙または泡を実現する。臨界ニヤマ値は、材料に依存する。低値の臨界ニヤマ値を有するインク流路は、これが、ボイド/泡低減を実現するためにはインク流路に沿って比較的小さい勾配または大きい冷却速度の使用が可能であって、単純な工学的制御に適することを意味するという理由で望ましい。
プリントヘッドアッセンブリは、臨界ニヤマ値より大きい、即ちインク流路に沿った温度勾配に対するインク冷却速度の割合より大きいニヤマ数値を有するインク流路を達成する熱素子によって設計されかつ構成されてもよい。臨界値より大きいニヤマ数値を有するインク流路は、相変化インクの最適なボイド/泡低減を提供する。図12の断面図には、予め決められたニヤマ数値を達成するように設計されたプリントヘッドアッセンブリの一例が描かれている。プリントヘッドアッセンブリ3100のこの部分は、典型的には、ステンレス鋼またはアルミニウムまたは高分子材料等の金属で製造されるハウジング3104を有する。ハウジング3104の内部には、チャンバ3108A、3108B及び3108Cで例示されているようなインクが入った1つまたは複数のチャンバが存在する。これらのチャンバは、この断面図のロケーションでは見えない通路を介して互いに流体連通していてもよい。これらのチャンバは、プリントヘッドアッセンブリ3100を介するインクの流れの要件によって決定されるような様々な形状及びサイズを有してもよい。図12のプリントヘッドアッセンブリ3100では、様々な熱素子3112A−Cがチャンバ3108A−Cの内部及びそれらの近くに配置されている。
幾つかの、または全ての熱素子3112はハウジング3104を通過して、ハウジング3104の外部へ接続してもよい。熱素子3112は、例えば熱的に受動的または能動的な手段によってインクの温度を制御するように作用する。例えば、熱素子3112は、インクへ熱エネルギーを能動的に供給できる冷却器の能動的なヒータであってもよい。事例によっては、熱素子3112は、各チャンバ3108内に置かれるインクからハウジング3104の外部への熱伝達の速度を制御するために使用される、熱伝導材料を含むヒートシンク等の受動素子であってもよい。本明細書において、熱導体は、温度差を超えて熱がその物質を流れることを可能にする比較的高い熱伝導係数kを有する物質を指す。ヒートシンクは、典型的には、場合により、伝導される熱をプリントヘッドアッセンブリ3100から外へ放つことに役立つ金属フィンを有することがある金属板である。熱素子3112は、各チャンバ3108の様々な領域が略等しい熱質量を有するように位置合わせされることが可能である。熱素子3112は、インク流路に近接して置かれてもよく、インクの流れの内部に置かれてもよい。例えば、熱素子はインクリザーバ内部に配置されてもよい。
プリントヘッドアッセンブリの設計に際しては、最適なボイド/泡低減を達成するように熱素子のタイプ(能動的または受動的)、サイズ、特性及び/またはロケーションが考慮されることが可能である。受動的な熱素子が配置される場合は、各熱導体の所望される熱伝導性を考慮して、特定材料の熱素子が選択されてもよい。異なるプリントヘッドは、異なる熱伝導性を有する異なる材料を用いてもよい。同様に、1つのプリントヘッドアッセンブリが受動的な熱素子を使用し得る場合、別のプリントヘッドアッセンブリは能動的な熱素子を使用してもよい。
熱素子は、プリントヘッドアッセンブリ内のインク流路の所望されるニヤマ数値をもたらす方法で配置及び/または制御されることが可能である。能動的または受動的な熱素子はインク流路に沿って配置されてもよく、かつ冷却速度と温度勾配との所望される割合、即ち臨界ニヤマ値を達成するように制御されてもよい。構成によっては、プリントヘッドアッセンブリは、インク流路に沿った熱質量の差を低減すべく適切に配置される受動的な熱素子を追加的に用いてもよい。熱質量の差を低減することは、インク流路に沿ったニヤマ数値の差の低減を促進する。事例によっては、ニヤマ数値は、インク流路に沿って臨界ニヤマ値を上回るように保持されてもよい。設計の観点からすると、任意の所定のインク流路については臨界ニヤマ値に幾分かの不確定さが存在する場合がある。従って、臨界ニヤマ値の値が、例えば+/−10%である+/−X%であることが既知であれば、正しい設計法は、臨界ニヤマ値をX%上回るニヤマ数値を有するインク流路を設計することを指す。
図1−図6は、冷却速度に対する温度勾配の予め決められた割合を達成するように設計されることが可能である様々なプリントヘッドアッセンブリ500−1000を示す。例えば、一例として図1のプリントヘッドアッセンブリ500を再度参照すると、アッセンブリ500は、温度勾配をもたらすためにインクリザーバにおける制御された能動的加熱を含むように設計されることが可能である。図1に示されているような制御された能動圧力源及び/または図5及び/または図6に示されているようなインク流路の方向性は、適切な埋め戻し圧力を達成して温度勾配/冷却速度比が最適なボイド/泡低減を提供するように用いられてもよい。
実施形態によっては、プリントヘッドは、冷却速度を最小化しかつ/または所定のエリアにおける熱損失を変調して適切な値のニヤマ数値を達成するように、プリントヘッドアッセンブリ500の周りの様々なロケーションに断熱素子(543、図1)を含んでもよい。プリントヘッドアッセンブリ500は、ニヤマ数値を達成するように制御されることが可能なインク流路の制御された能動的加熱または冷却、例えばプリントヘッド520及びリザーバ510におけるヒータ/冷却器を含んでもよい。プリントヘッドアッセンブリの幾何学的構成または熱伝達の特徴は、インク流路に沿ったニヤマ数値の差を最小化するように設計されてもよい。インク流路の幾つかのゾーンは、温度勾配/冷却速度比が特定の相変化インクの予め決められたニヤマ数値を上回って留まるように制御されてもよい。
ニヤマ数値を基礎とするプリントヘッドアッセンブリ設計の有効性を実証するために、プリントヘッドアッセンブリの一部に類似するジオメトリを有する特徴を含む実験構造体を構築した。図13−図18に描かれているように、実験構造体3200は幾つかの「フレア」領域3201を含む。実験構造体の流路の熱質量差は十分に小さく、よって液体インク容積の凝固性ピンチオフは発生しなかった。相変化インクは、図13−図18に示されているように指向的に凝固された。図13、図15及び図17は各々、実験構造体1800において時間t、t+10秒及びt+20秒で凝固するインクの写真である。図13、図15及び図17の写真では、凝固インク3203は灰色に見え、液体インク3202は白く見えている。図14、図16及び図18は、各々図13、図15及び図17の構造体に対応するモデルを基礎とした画像である。図13及び図14は、インク凝固プロセス中の時間t秒における実験構造体3200内の凝固及び液体インク3203、3202の領域を示し、図15及び図16は、インク凝固プロセス中の時間t+10秒における実験構造体3200内の凝固及び液体インク3203、3202の領域を示し、図17及び図18は、インク凝固プロセス中の時間t+30秒における実験構造体3200内の凝固及び液体インク3203、3202の領域を示す。実験構造体3200の左側は抵抗加熱を用いて加熱され、かつ実験構造体3200の右側はエチレングリコールを用いて冷却された。図13−図18に示されている進行性の凝固産物は、実験構造体3200の特徴に相対して大きな軟性ゾーンを生成する。
図19は、実験構造体3200のフレア領域においてインク内に形成された泡を示す写真である。図19に示されているように、再溶融時には、フレア領域3201において泡3205が繰返し見出された。81.5゜Cの臨界温度Tcrit及びリザーバにおける234Paの推定圧力に関して、実験構造体3200のニヤマ数値が赤外線写真(図20参照)を用いて決定された。図20において提供されている、ニヤマ数値と実験構造体3200のインク流路に沿った距離との関係を表すグラフは、フレア領域がこの実験に使用されたインクの臨界ニヤマ値(約2.4)より低いニヤマ数値を有することを示している。熱い溶融インクはフレア領域3201の収縮領域に流れ込めないことから、結果的に泡が生じる。微視的亀裂が空隙へ空気を送ることに起因する泡から、または所定のインクが使用される場合のインクキャビテーションまたはガス放出からは、結果的に収縮ボイドが生じる。図21は、実験構造体のインク流路に沿った温度勾配dT/dxを示す。温度勾配は、図21に示されているように、フレア領域における方が低い。図22は、実験構造体のインク流路に沿った冷却速度を示すグラフである。
実験構造体の泡形成の低減は、例えば、熱損失を最小限に抑えるためのより完全な面の断熱、冷却速度の低減及び/またはフレア領域における温度勾配の増大によって達成されてもよい。凝固フロントのフレア領域への接近に伴う局所加熱または冷却の使用は、複雑さを増すことにはなっても、温度勾配を向上させる場合がある。また、表面積対容積比の差を最小化するための流体経路形状の修正も、ニヤマ値の差を低減する。この例では、表面積対容積比の差の最小化は、フレアサイズの低減を包含する可能性もある。

Claims (5)

  1. インクジェットプリンタのためのプリントヘッドアッセンブリであって、
    インク流路を画定するために流体的に結合される1つまたは複数のコンポーネントと、
    前記インク流路に沿って配置され、かつ前記インク流路に沿った温度勾配に対する冷却速度の割合を、インクの中における泡を最適に低減するための前記温度勾配に対する前記冷却速度の割合である臨界ニヤマ値より上に保持するように構成される1つまたは複数の熱素子と、
    を備えるプリントヘッドアッセンブリ。
  2. 前記インク流路を画定するための前記コンポーネントを複数備え、前記複数のコンポーネントは、少なくとも1つのリザーバと、プリントヘッドと、前記リザーバ及び前記プリントヘッドを流体的に結合するマニホールドとを含み、かつ、
    前記熱素子を複数備え、前記複数の熱素子のうちの少なくとも1つは前記リザーバにまたは前記リザーバの近くに位置合わせされ、かつ前記熱素子のうちの少なくとも別の1つは前記プリントヘッドアッセンブリの別のコンポーネントにまたは前記別のコンポーネントの近くに位置合わせされる
    請求項1に記載のプリントヘッドアッセンブリ。
  3. 前記1つまたは複数の熱素子のうちの少なくとも1つは、前記インク流路へ熱エネルギーを能動的に供給する能動的な熱素子である請求項1に記載のプリントヘッドアッセンブリ。
  4. 前記能動的な熱素子を制御するように構成される制御ユニットを更に備える請求項3に記載のプリントヘッドアッセンブリ。
  5. 前記1つまたは複数の熱素子のうちの少なくとも1つは受動的な熱素子である請求項1に記載のプリントヘッドアッセンブリ。
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