以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい一実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。また、本実施形態に係わるカメラは周囲の気圧を検知するための気圧センサユニットを有しており、この気圧センサユニットの検知出力に応じて、カメラの起動を行うことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係わるカメラについて背面側から見た外観斜視図である。本実施例に係わるカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200から構成されており、両者はマウントによって結合可能である。
カメラ本体200の上面には、撮影を指示するためのレリーズ釦11が配置されている。このレリーズ釦11には、半押しするとオンする1stレリーズスイッチと、さらに押し込み全押しするとオンする2ndレリーズスイッチが設けられている。
レリーズ釦11の右側にはパワースイッチ257が配置されている。パワースイッチがオン状態となると、カメラ全体に電源が供給され、動作を開始する。一方、パワースイッチがオフ状態では、カメラは低消費電流モード(スリープモードともいう)で動作する。このときは、後述するCPU229(図2参照)は低消費電流で駆動され、パワースイッチ257以外の操作部材はいずれも動作を検出しない。また、低消費電流モードでは、後述する気圧センサユニット215、スイッチ検知回路253等(図2参照)の回路以外には電源は供給されない。
カメラ本体200の背面には、背面液晶モニタ26と、十字釦13、決定釦15等が配置されている。液晶背面モニタ26は、詳しくは後述するが、ライブビュー表示、記録済みの撮影画像の再生表示、メニュー画面の表示等、種々の画像・画面が表示される。十字釦13は、左右前後にカーソル等を移動させるための操作部材である。決定釦15は、十字釦13等によって選択された項目を決定するための操作部材である。
カメラ本体200の上面のパワースイッチ257の近傍には、開口部21が配置されている。この開口部21は、多数の孔から構成され、開口部21の奥には、気圧センサユニット215が配置されている。気圧センサユニット215は、開口部21を介して、大気圧を検出することができる。また、カメラ本体200の十字釦13の上側にも開口部22、23が配置されており、また背面液晶モニタ26の周辺にも開口部24が設けられている。
開口部21〜24の奥には、気圧センサユニット215が配置されており、大気圧を検出することができる。また、開口部22、23は、カメラを構えた際に、撮影者が息を吹き込み易い位置にある。従って、気圧センサユニット215によって、撮影者が息を吹き込んだか否かも検出できる。本実施形態においては、4か所の開口部21〜24が設けてあるが、これらの内の1つ若しくは複数の開口部だけでよい。
図2は、本発明の第1実施形態に係るカメラの電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係わるカメラは、前述したように、交換レンズ100とカメラ本体200が別体で構成され、交換レンズ100はカメラ本体200の前面のマウント開口部(不図示)に着脱自在となっている。
交換レンズ100内の撮影レンズ101a、101b(撮影レンズ101a、101bを撮影光学系101と総称する)によって形成される被写体光束が、マウント開口部を介してカメラ本体100内に導かれる。交換レンズ100をカメラ本体200に装着すると、通信接点300にて電気的に接続される。また、カメラ本体200内であって、マウント開口部の近傍には、着脱検知スイッチ259が設けられており、交換レンズ100とカメラ本体200の装着状態を検知することができる。
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系は光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動される。光学駆動機構107によって駆動される撮影光学系101の位置は、光学位置検出機構105によって検出され、撮影光学系101の焦点調節レンズ位置(ピント位置)や焦点距離(ズーム位置)を検出することができる。また、交換レンズ100の周囲には、回動自在な距離環112が設けられており、この距離環112の回動方向(操作方向)および回動量(操作量)はエンコーダ110によって検出される。
光学位置検出機構105、光学系駆動機構107、絞り駆動機構109、およびエンコーダ110は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体200に接続されている。レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。
また、レンズCPU111は、光学位置検出機構105によって検出された、焦点調節レンズ位置(ピント位置)や焦点距離に関するレンズ情報をカメラ本体200に送信する。また、レンズCPU111内または図示しない交換レンズ100内の電気的書き換え可能な不揮発性メモリには、交換レンズ100の焦点距離情報、開放絞り値、最小絞り値、撮影可能距離範囲(最至近距離を含む)、レンズの種類等のレンズ情報が記憶されている。また、絞りの絞り状態(開放絞り状態か絞り込状態か)、距離環112の操作状態(操作方向、操作量)等の交換レンズ100の状態に関する情報もレンズ情報である。これらのレンズ情報は、レンズCPU111より通信接点300を介してカメラ本体200に送信される。
さらに、レンズCPU111は、絞り駆動機構109による絞り103の絞り込み完了や絞り開放完了、光学系駆動機構107によるレンズ駆動完了の情報も、カメラ本体200に送信する。
カメラ本体200内であって、撮影光学系101の光軸上であって、撮影光路上には、露光時間制御および撮像素子221の遮光用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ203が配置されている。このシャッタ203は、シャッタ駆動機構213によって駆動制御される。
シャッタ203の後方には、撮像素子ユニット290が配置されている。撮像素子ユニット290は、防塵フィルタ205、赤外カットフィルタ209、光学的ローパスフィルタ210、撮像素子221を一体に構成したユニットであり、密封されたパッケージに一体に収納されており、塵埃がパッケージ内に侵入しないように構成されている。そして、撮像素子ユニット290は、ブレ補正機構260によって撮影光学系101の光軸と垂直なXY平面内で2次元的に変位される。
ブレ補正機構260は、駆動源として圧電素子駆動モータ等からなるアクチュエータを備えており、撮像素子ユニット290を撮影光学系101の光軸と垂直なXY平面内で2次元的に変位する。カメラ本体200内には、ジャイロを利用した角速度センサ297aが配置されており、角速度センサ297aの出力は角速度検出回路297bに接続されている。角速度センサ297aは、カメラ本体200に生じたブレに応じたブレ信号を出力し、角度側検出回路297bはブレ信号を増幅し、AD変換する。
角速度センサ297aと角速度検出回路297bによってブレ検出手段297が構成され、角速度検出回路297bの出力は、シーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称する)229に接続されている。ボディCPU229は、ブレ検出手段297によって検出されたブレ信号に基づいて、カメラ本体200のブレを打ち消すようなブレ制御信号を出力し、アクチュエータ駆動回路296はブレ補正駆動機構260内のアクチュエータに対して駆動信号を出力する。これによって、撮像素子221を撮影光学系101の光軸と垂直な方向に移動させ、カメラ本体200に加えられたブレを打ち消し、画像の劣化を防止する撮像素子シフト方式の手振れ補正動作を実行する。
シャッタ203の後方には、撮像素子ユニット290を構成する防塵フィルタ205が配置されている。防塵フィルタ205は、カメラ本体200のマウント開口部や本体内部で発生した塵埃が撮像素子221や光学素子に付着し、塵埃の影が被写体像に写し込まれ、見苦しい画像となることを防止する。
防塵フィルタ205の周縁部の全周または一部に、圧電素子207が固着されている。圧電素子207は防塵フィルタ駆動回路211に接続されている。圧電素子207は、防塵フィルタ駆動回路211の駆動信号に基づいて、防塵フィルタ205を所定周波数の超音波で振動させる。防塵フィルタ205が超音波で振動することにより、防塵フィルタ205の前面に付着した塵埃は除去される。
防塵フィルタ205の後方には、被写体光束から赤外光成分をカットするための赤外カットフィルタ209が配置され、その後方には被写体光束から高周波成分を取り除くための光学的ローパスフィルタ210が配置されている。そして、光学的ローパスフィルタ210の後方には、撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像された被写体像をアナログ画像信号に光電変換する。本実施形態においては、撮像素子211としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元固体撮像素子を使用できることはいうまでもない。
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、撮像素子駆動回路223は入出力回路239からの制御信号によって駆動制御される。撮像素子駆動回路223は、撮像素子221からアナログ画像信号を読み出し、この信号を増幅し、アナログデジタル変換(AD変換)等を行う。撮像素子駆動回路223の出力は、前処理回路225に接続されており、前処理回路225は、ライブビュー表示のための画素間間引処理等、種々の前処理を行う。
前処理回路225の出力は、コントラストAF回路226に接続され、コントラストAF回路226は前処理回路225から出力される画像信号の高周波成分(コントラスト信号)の抽出を行う。コントラスト信号を抽出する画像の範囲は、シーケンスコントローラより指示を受け、AFターゲット、撮影画面全体、または拡大表示領域等の領域について抽出を行う。抽出したコントラスト信号はボディCPU229に出力する。
前処理回路225の出力はASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)262内のデータバス261に接続される。このデータバス261には、画像処理回路227、ボディCPU229、圧縮伸張回路231、ビデオ信号出力回路233、SDRAM制御回路237、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、フラッシュメモリ制御回路247、スイッチ検知回路253が接続されている。なお、前述のコントラストAF回路226は、本実施形態においては、ASIC262の外側に配置したが、ASIC262内に配置するようにしても勿論かまわない。
データバス261に接続された画像処理回路227は、前処理回路225から出力されたデジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、ライブビュー表示用処理といった各種の画像処理を行う。
データバス261に接続されているボディCPU229は、フラッシュメモリ249に記憶されているプログラムに従って、このデジタルカメラの動作を制御する。また、ボディCPU229は、前述したように、コントラストAF回路226からコントラスト信号を入力し、レンズCPU111を介して撮影光学系101からなる撮影光学系の自動焦点調節の制御を行う。
また、データバス261に接続されている圧縮伸張回路231は、SDRAM238に記憶された画像データをJPEGやTIFFで圧縮する。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方法も適用できる。
データバス261に接続されているビデオ信号出力回路233は、液晶モニタ駆動回路235を介して背面液晶モニタ26とファインダ内液晶モニタ(図中F内液晶モニタと略記)29に接続される。ビデオ信号出力回路233は、SDRAM238または記録媒体245に記憶された画像データを、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶モニタ29に表示するためのビデオ信号に変換する。
背面液晶モニタ26は、図1に示したように、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶モニタに限らず有機EL等、他の表示装置でも構わない。ファインダ内液晶モニタ29は、ファインダ接眼部を介して撮影者によって観察できる位置に配置されており、背面液晶モニタ26と同様、液晶に限らず他の表示装置でも構わない。なお、被写体像の観察用として液晶モニタ26のみとし、ファインダ接眼部およびファインダ内液晶29を省略することも可能である。
SDRAM238は、SDRAM制御回路237を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM238は、画像処理回路227によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路231によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
入出力回路239は、上述の防塵フィルタ駆動回路211、シャッタ駆動機構213、撮像素子駆動回路223に接続され、データバス261を介してボディCPU229等の各回路とデータの入出力を制御する。通信回路241は、通信接点300を介してレンズCPU111と接続され、またデータバス261とも接続されている。通信回路241は、レンズCPU111とボディCPU等の間のデータのやりとりや制御命令の通信を行う。また、気圧センサユニット215にも接続され、シリアル通信を行う。
通信回路24に接続された気圧センサユニット215は、前述した開口部21〜24の奥に配置されている。気圧センサユニット215は、大気圧に応じた気圧信号をシリアル通信によって通信回路239に送信し、また通信回路239を介して、高さに応じたスレッシュ値(復帰条件)に関する情報がシリアル通信によって送信される。また、気圧センサユニット215は、スイッチ検知回路253にも接続されており、前述のスレッシュ値に応じた気圧が変化すると、割り込み信号を出力する。この気圧センサユニット215の詳しい回路については、図3を用いて後述する。
データバス261に接続された記録媒体制御回路243は、記憶媒体245に接続され、記録媒体245への画像データ等の記録と再生の制御を行う。記録媒体245は、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)、またはメモリスティック(登録商標)等の書き換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、マイクロドライブ(登録商標)などのハードディスクユニットや無線通信ユニットを接続可能に構成してもよい。
データバス261に接続されているフラッシュメモリ制御回路247は、フラッシュメモリ(Flash Memory)249に接続され、このフラッシュメモリ249は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、カメラの動作を制御するためのプログラムや、制御用の調整値等を記憶する。ボディCPU229は、フラッシュメモリ249に記憶されたプログラムや調整値等に従ってデジタルカメラの制御を行う。
データバス261に接続されているスイッチ検知回路253は、パワースイッチ257、その他の各種スイッチ255、前述の着脱検知スイッチ259、および気圧センサユニット21に接続する。パワースイッチ257は、カメラ本体200の上面に配置されており(図1参照)、カメラ本体200や交換レンズ100のパワー供給を制御するためのパワースイッチレバーに連動してオン・オフする。
その他の各種スイッチ255は、レリーズ釦11に連動するスイッチ、再生モードを指示する再生釦に連動するスイッチ、背面液晶モニタ26の画面上に表示されるカーソルの動きの指示等を行うための十字釦13に連動するスイッチ、選択された各モード等を決定する決定釦15に連動するスイッチ撮影モードを指示するモードダイヤルに連動するスイッチ等がある。
なお、レリーズ釦11は、前述したように、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンにより、カメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより、撮像素子221の出力に基づいて、被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
次に、気圧センサユニット215について、図3を用いて説明する。気圧センサユニット内には、圧力検知部215aとシリアル通信制御部215bが設けられている。圧力検知部215aは、MEMSや水晶を用いて圧力に応じた信号を検知し、また割り込み信号を出力する。シリアル通信制御部215bは、通信回路241内のシリアル通信制御部241aとシリアル通信を行う。
シリアル通信によって、気圧センサユニット215は、ASIC262内のCPU229に対して、圧力検知部215aによって検知された現状の高さに関する情報を送信する。大気圧は絶対的な高さ情報ではないが、相対的な高さ情報であり、大気圧の変化が無視できる場合には、高さの変化情報となる。
また、本実施形態においては、カメラ本体200に予め決められた高さの変化があった場合には、圧力検知部215aからスイッチ検知回路253内の起動監視部253aに割り込み信号を出力し、カメラを起動させ、パワーオン状態にする。そこで、CPU229は、予め決められた高さに相当する気圧変化に関する情報を、通信回路241内のシリアル通信制御部241aを介して、気圧センサユニット215に送信する。
次に、本実施形態における動作について、図4および図5に示すフローチャートを用いて説明する。これらのフローチャートは、CPU229がフラッシュメモリ249に記憶されているプログラムに従って実行する。図4は、カメラ本体200側のボディCPU229によるパワーオンリセット後の動作を示すメインフローである。
カメラ本体200にバッテリが装填され、または外部電源が接続されると、このフローがスタートする。まずカメラ本体200のパワースイッチ257がオンであるか否かを判定する(S1)。判定の結果、パワースイッチ257がオフの場合には、気圧データの記憶を行う(S3)。ここでは、気圧センサユニット215内の圧力検知部215aによって大気圧を検知し、この気圧信号に基づく気圧データをシリアル通信によってCPU229に送り、フラッシュメモリ247に気圧データを記憶する。
気圧データを記憶すると、次に、復帰条件の設定を行う(S5)。復帰条件の設定を行うとスリープ状態に入るが、このステップでは、復帰条件はスリープ状態からパワーオン状態に復帰するための条件を設定する。復帰条件としては、カメラ本体200の位置に所定の高低差があった場合とする。所定の高低差としては、10cmから100cmの間とするが、本実施形態においては30cmとする。CPU229は、ステップS3において記憶した気圧データに基づいて、所定の高低差に相当する気圧差を演算し、この演算された気圧差を、通信回路243を介して気圧センサユニット215に送信する。気圧センサユニット215は気圧差を、復帰条件として設定する。
ステップS5において復帰条件の設定を行うと、低消費電力の状態であるスリープモードに入る(S11)。スリープモードでは、前述したように、CPU229は低消費電流で駆動され、パワースイッチ257以外の操作部材はいずれも動作を検出しない。また、スリープモードでは、気圧センサユニット215、スイッチ検知回路253等の回路以外には電源は供給されない。
スリープモードは、パワースイッチ257がオフからオンとされると解除される。または、カメラに所定の高低差が生ずると解除される。すなわち、ステップS5において設定された気圧差が生ずると、気圧センサユニット215が、スイッチ検知回路253の起動監視部253aに割り込み信号を出力し、スリープ状態を脱し、パワーオン状態となる。なお、気圧差によって所定の高低差以上、高くなった場合、または低くなった場合を検知するが、いずれか一方(高くなった場合のみか、低くなった場合のみ)でもかまわない。
ステップS1における判定の結果、パワースイッチ257がオンであった場合、または割り込み信号によってステップS11におけるスリープモードを脱した場合には、電源供給を開始する(S13)。これにより、カメラ本体200および交換レンズ100内の各機構や各回路等に電源が供給される。
電供供給が開始されると、次に、気圧データの読み込みを行う(S15)。ここでは、気圧センサユニット215内の圧力検知部215aによって気圧信号を検知し、気圧データをシリアル通信によってCPU229に送信する。
気圧データの読み込みを行うと、次に、前回と今回の気圧に所定の差があるか否かを判定する(S17)。ここでは、所定の気圧差を判定値として、前回と今回の気圧の差を判定する。すなわち、ステップS3において記憶した気圧データと、ステップS15において読み込んだ気圧データの差が30cmに相当する気圧差(判定値)であるか否かを判定する。なお、この判定値は、ステップS5における復帰条件と異なる気圧差としても構わない。
ステップS17における判定の結果、前回に対して所定の気圧差が無い場合には、気圧変化フラグを0にリセットする(S19)。一方、判定の結果、所定の気圧差が有る場合には、気圧変化フラグに1をセットする(S21)。この気圧変化フラグが1にセットされている場合には、カメラ本体200に所定の高低差が生じた際に、レリーズ釦が半押しされた場合と同様に、撮影動作に入らせるためのフラグであり、後述するステップS43において判定される。
ステップS19またはS21において気圧変化フラグの設定を行うと、次に、前回との気圧差が大であるか否かの判定を行う(S22)。ここでは、前回の気圧に比較し急激に気圧が変化しているか否かを気圧差に基づいて判定する。これは、後述するステップS51において、撮影者がカメラに対して息を吹きかけた場合に、パワースイッチがオフでも動作を続けるために「息吹きかけ有りフラグ」を判定するためである。ステップS22における判定値としては、例えば、前回との気圧差が100〜500Paとし、この気圧差以上であれば、撮影者が息吹きかけにより動作開始させたと判断する。ステップS22における判定の結果、前回との気圧差が大であった場合には、息吹きかけ有りフラグに1を設定する(S23)。
ステップS23において、息吹きかけ有りフラグに1をセットすると、またはステップS22における判定の結果、前回と気圧差が大でなかった場合には、次に、レンズ情報の取得を行う(S24)。このステップでは、レンズCPU111から通信回路241を介して、光学位置検出機構105によって検出した撮影光学系101の焦点位置情報や焦点距離情報を取得し、また、至近側焦点距離・長焦点側焦点距離、開放絞り値、焦点距離毎の露出補正値等の種々の交換レンズ100の固有情報等のレンズ情報を取得する。
レンズ情報を取得すると、次に動作モードやパラメータ設定を行う(S25)。このステップでは、モードダイヤル等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件の読み込みを行う。
続いて、ライブビュー動作を開始する(S27)。ここでは、撮像素子221からの画像信号に基づいて、被写体像の観察用に、背面液晶モニタ26に被写体像を動画表示する。ライブビュー動作を開始すると、次に、測光・露光量の演算を行う(S29)。このステップでは、撮像素子221の出力に基づいて被写体輝度を求め、この被写体輝度を用いて撮影モード・撮影条件に従って適正露光となるシャッタ速度や絞り値等の露光制御値の演算を行う。
測光・露光量の演算を行うと、次に、ライブビュー動作を行う(S31)。後述するように、ステップS49において、パワースイッチがオンであった場合には、ステップS29に戻り、この処理ループ中において、このステップS29にて撮像素子221の撮像動作・画像処理を行った後に背面液晶モニタ26の表示が更新されて動画表示によりライブビュー表示を行う。ライブビュー表示中に、気圧センサユニット215に向かって息を吹きかけたり、口を当てて息を吸い込むことより交換レンズ100の焦点距離を望遠側に駆動したり、広角側に駆動したり、また電子ズーム機能の有る場合には、画角を変更することが可能である。
ライブビュー動作を行うと、次に、再生スイッチがオンか否かの判定を行う(S33)。ここでは、再生釦に連動する再生スイッチがオンか否かの判定を行う。この判定の結果、再生スイッチがオンであった場合には、再生動作を行う(S35)。この再生動作は、記録媒体245に記録されている撮影画像を背面液晶モニタ26に再生表示する。再生表示中に気圧センサユニット215に向かって息を吹きかけたり、口を当てて息を吸い込むことで、再生画像を拡大表示、縮小表示、インデックス表示等に切換えることが可能である。
再生動作を行うと、またはステップS33における判定の結果、再生スイッチがオンでなかった場合には、次に、メニュースイッチがオンか否かの判定を行う(S37)。ここでは、メニュー釦13に連動するメニュースイッチがオンか否かの判定を行う。
ステップS37における判定の結果、メニュースイッチがオンであった場合には、メニュー設定動作を行う(S39)。このメニュー設定動作では、背面液晶モニタ26にメニュー画面が表示され、十字釦13や決定釦15を操作することにより、撮影者が種々のモードやパラメータの設定を行う。メニュー設定されたモードを実行する。たとえば、防振モードが設定された場合には、ライブビュー動作中、及び撮影動作時に防振動作が実行される。メニュー画面の表示中に、気圧センサユニット215に向かって息を吹きかけたり、吸い込むことで、パラメータの増減設定を行うことが可能である。
メニュー設定動作を行うと、またはステップS41における判定の結果、メニュースイッチがオンでなかった場合には、次に、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S41)。ここでは、レリーズ釦の半押し動作でオンとなる1Rスイッチがオンとなかったか否かの判定を行う。
ステップS41における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合には、次に、気圧センサフラグが1か0かの判定を行う(S43)。ここでは、ステップS19またはS21においてセットまたはリセットされた気圧変化フラグに基づいて判定する。
ステップS41における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合、またはステップS43における判定の結果、気圧センサフラグが1であった場合には、次に、撮影動作を行う(S45)。ここでは、AFモードの場合にはコントラストAFによって撮影光学系101のピント合わせを行い、測光・露出演算により適正露光となる露出制御値の演算を行う。また、レリーズ釦の全押し動作でオンとなる2Rスイッチがオンとなると、露出動作を行い、静止画の画像データを記録媒体245に記録する。この撮影動作の詳しいフローについては、図5を用いて後述する。
撮影動作を実行すると、次に、息吹きかけ有りフラグを0にリセットする(S46)。息吹きかけにより電源起動を行うのは、撮影を迅速行うためである。しかし、ステップS45において撮影が終了したことから、息吹きかけによって撮影を開始させる必要性がなくなるので、息吹きかけ有りフラグのリセットを行うようにしている。
息吹きかけ有りフラグを0にリセットすると、またはステップS43における判定の結果、気圧センサフラグが0であった場合には、次に、レンズ取り外しか否かの判定を行う(S47)。ここでは、着脱検知スイッチ259によって交換レンズ100がカメラ本体200から取り外されたか否かを判定する。この判定の結果、交換レンズ100が取り外されていた場合には、ライブビュー動作の停止を行い(S57)、電源供給の停止を行う(S59)。交換レンズ100が取り外され、撮像素子221上に被写体像が形成されないことから、ライブビュー表示を停止し、電源浪費を防止するために電源供給を停止する。
続いて、交換レンズ100が装着されたか否かの判定を行う(S61)。ここでは、取り外された交換レンズ100が再び装着されたか否かの判定を行う。なお、この判定は着脱検知スイッチ259のオンによって割り込み処理によって検知される。この判定によって、レンズ装着が検知されると、ステップS13に戻り、前述の動作を実行する。
ステップS47における判定の結果、レンズが取り外されていなかった場合には、次に、パワースイッチ257がオンか否かの判定を行う(S49)。本実施形態においては、パワースイッチ257がオンとなると、パワーオンモードとなり、カメラは動作状態となる。その後、パワースイッチ257がオフとなると、パワーオフモードとなり、カメラは不作動状態となる。
ステップS49における判定の結果、パワースイッチ257がオンであった場合には、パワーオンモードであることから、ステップS29に戻り、前述の動作を実行する。すなわち、電源がオンの状態では、ステップS29〜S49を繰り返し実行する。
一方、ステップS49における判定の結果、パワースイッチ257がオンでなかった場合、すなわちパワースイッチ257がオフの場合には、次に、息吹きかけが有りか否かを判定する(S51)。ここでは、ステップS22において気圧センサユニット215で検知された気圧データの時間変化に基づいて、撮影者が開口部21〜24のいずれかに向かって息を吹きかけていた場合には、ステップS23において息吹きかけ有りフラグに1がセットされていることから、この息吹きかけ有りフラグに基づいて判定する。
ステップS51における判定の結果、息吹きかけが有りフラグが1であった場合には、気圧変化フラグに1をセットする(S55)。このフラグをセットすると、ステップS29に戻り、ステップS43における判定を経て、ステップS45において撮影動作に入る。すなわち、気圧センサユニット215に向かって撮影者が息を吹きかけることにより、パワースイッチ257をオンしたことと同等の効果がある。このため、撮影者が手で上手くパワースイッチ257をオンできないような場合には、効果がある。
一方、ステップS51における判定の結果、息吹きかけ有りフラグが0であった場合には、パワーオフモードとなり、電源供給を停止する(S53)。電源供給を停止すると、ステップS3に戻り、前述のスリープ状態となる。なお、ステップS53、S59における電源供給停止は、スリープモードに入るための電源供給停止であり、パワースイッチ257、着脱検知スイッチ259の検知等、またステップS3、S5の処理等、必要箇所には電源が供給されている。
次に、ステップS55における撮影動作について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。撮影動作のフローに入ると、まず、AFモードか否かを判定する(S71)。メニュー画面においてAFモードを設定することから、ここでは、メニュー画面におけるモード設定に基づいて判定する。
ステップS71における判定の結果、AFモードであった場合は、コントラストAFを実行する(S73)。ここでは、コントラストAF回路226によって抽出されたコントラスト信号に基づいて、撮影光学系101の駆動方向を決め、この方向に駆動しながらコントラストのピーク位置を探し、検出されたピーク位置を撮影光学系101の合焦点として停止する。なお、MFモードが設定されている場合には、距離環112の操作に応じて、レンズCPU111が撮影光学系101の手動調節を行う。
コントラストAFを実行すると、またはステップS71における判定の結果、AFモードでなかった場合、すなわちMFモードであった場合には、次に、測光・露光量演算を行う(S75)。ここでは、ステップS13と同様に、撮像素子221からの出力に基づいて、被写体輝度を測光し、この測光値に基づいて適正露光となる露出制御値を演算する。
測光・露出演算を行うと、次に、2Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S77)。ここでは、レリーズ釦の全押しがなされ、2Rスイッチがオンとなったか否かを判定する。ステップS77における判定の結果、2Rスイッチがオンでなかった場合には、次に、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S79)。
ステップS79における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合には、次に、気圧変化フラグが1か0かを判定する(S81)。ステップS43において、レリーズ釦の半押しをしなくても、カメラ本体200に所定の高低差があった場合、または撮影者による息吹きかけがあった場合には、図5の撮影動作を実行するようにしている。この場合、1Rスイッチはオフのままであることから、気圧変化フラグが1の場合には、撮影動作を続行すべく、ステップS81における判定を行っている。
ステップS81における判定の結果、気圧変化フラグが0であった場合には、気圧変化フラグがセットされておらず、かつレリーズ釦から撮影者の指等が離れたことから、撮影動作のフローを終了し、元のフローに戻る。
一方、ステップS79における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合、または気圧変化フラグが1であった場合には、ステップS77に戻る。撮影者がレリーズ釦の半押し状態を維持している場合には、ステップS77、S79を交互に検知する待機状態となり、また気圧変化フラグがセットされている場合には、ステップS77、S79、S81を順次検知する待機状態となる。
ステップS77における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、撮影準備動作から露光動作に移る。まず、絞り込み実行指示を行う(S83)。ここでは、レンズCPU111に対して、ステップS75において演算された絞り値を送信すると共に、絞り103の絞り込みを指示し、絞り駆動機構109によって送信した絞り値まで絞り込み動作を実行させる。続いて、絞り込み完了か否かの判定を行う(S85)。絞り込みが完了すると、レンズCPU111から完了信号が送信されてくるので、この信号が送信されるのを待つ。
ステップS85における判定の結果、絞り込みが完了すると、次に、露出動作を行う(S87)。この露出動作においては、まず、シャッタ203の先幕を走行させると共に、撮像素子221の画素信号の電荷蓄積を開始させる。露出演算によって決められたシャッタ秒時または手動設定されたシャッタ秒時が経過すると、シャッタ203の後幕を走行させ、撮像素子221の電荷蓄積を停止する。
露出動作が終わると、次に、絞り開放の実行を指示する(S89)。ここでは、レンズCPU111に対して、絞り103の絞り開放を指示し、絞り駆動機構109によって開放絞り値まで開放動作を実行させる。続いて、絞り開放完了か否かの判定を行う(S91)。絞り開放が完了すると、レンズCPU111から開放完了信号が送信されてくるので、この信号が送信されるのを待つ。
ステップS91における判定の結果、絞り開放が完了すると、次に画像処理を行う(S93)。ここでは、撮像素子駆動回路223によって読み出された撮像素子221の画像信号を、前処理回路225、画像処理回路227、圧縮伸張回路231等によって画像処理を行う。画像処理を行うと、次に、画像記録を行う(S95)。ここでは、圧縮処理等がなされた画像データを記録媒体245に記録する。
画像記録が終わると、次に、気圧変化フラグを0にリセットする(S97)。ステップS21、S55において、気圧変化フラグが1にセットされている場合がある。この場合には、撮影終了後、レリーズ釦11を半押し状態でステップS45の撮影動作に進んでしまうことから、このステップで気圧変化フラグをリセットしている。気圧変化フラグをリセットすると、撮影動作のフローを終了し、元のフローに戻る。
このように本実施形態においては、気圧変化を検出し、カメラ本体200に所定の高低差が生じた場合には、気圧変化フラグを1にセットし、レリーズ釦の半押し状態と同様の処理を行うようにしている。本実施形態における、気圧変化フラグのセットおよびリセットについて、図6に示す。この図は、図4に示したフローチャートから、気圧変化フラグのセット・リセットに関係するステップを抽出したフローである。
すなわち、本実施形態においては、スリープモード(S11)に入る前に、気圧データを記憶する(S3)と共に、この気圧データを用いてスリープモードから通常の電源供給モードに復帰するための復帰条件を設定している(S5)。スリープモード中に、復帰条件を満たす所定の高低差でカメラが動くと、電源供給が開始され(S13)、気圧データの読み込みを行う(S15)。このとき、ステップS3におけるスリープ前の気圧とステップS15におけるスリープ後の気圧から、所定の気圧差が有るか否かを判定し(S17)、気圧差があれば、気圧変化フラグに1をセットし(S21)、気圧差がなければ、気圧変化フラグを0にリセットする(S19)。
また、本実施形態においては、ステップS51において、撮影者の息吹きかけを検知し、息吹きかけがあった場合には、ステップS55において気圧変化フラグを1にセットしている。
したがって、本実施形態においては、気圧センサユニット215によって、カメラが所定の高低差で動いた場合や、また静止している場合であっても息吹きかけがあった場合には、このことを検知し、ステップS45の撮影動作を実行することができる。
なお、スリープからの復帰条件の設定にあたって、本実施形態においては、所定の高低差と同程度の気圧差を採用していた。しかし、これに限らず、所定の高低差より小さめの気圧差を設定するようにしてもよい。この本発明の第1実施形態の変形例について、図7を用いて説明する。図7は、図4に示すフローチャートの一部を抽出したものである。
気圧データを記憶すると(S3)、復帰条件の設定を行う(S4)。第1実施形態においては、復帰条件としての所定の高低差は、ステップ17における判定の際の高低差と略同様であり、本実施形態においては、30cmに対応する高低差としていた。しかし、本変形例においては、気圧センサユニット215の分解能程度、もしくは分解能より少し大きい程度の高低差、例えば、1〜10cm程度の高低差に相当する気圧差を復帰条件として設定する。
復帰条件を設定すると、スリープモードに入る(S11)。スリープモード中に、ステップS4において設定した高低差に対応する気圧差が生ずると、またはパワースイッチ257がオンとなると、スリープモードを脱し、電源供給を開始する(S13)。本変形例においては、第1実施形態の場合と比較し、僅かな高低差でもスリープモードを脱するので、電源供給開始が多くなる傾向にある。
電源供給が開始されると、次に、割り込みの原因について判定する(S18)。スリープモードを脱するのは、パワースイッチ257がオンとなった場合か所定の高低差が生じた場合であり、このステップでは、いずれの理由によって割り込み処理がなされ方を判定する。
ステップS18における判定の結果、気圧センサユニット215から割り込み処理がなされた場合には、気圧変化フラグに1をセットする(S21)。一方、パワースイッチ257によって割り込み処理がなされた場合には、気圧変化フラグは0にリセットする(S19)。
このように、本変形例においては、カメラの僅かな動きでも一旦スリープモードから脱し、割り込み処理の原因に応じて気圧変化フラグのセット・リセットを行っている。このため、消費電流が少し増えてしまうが、僅かな動きも逃さず、カメラを起動することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態を図8ないし図10を用いて説明する。本発明の第1実施形態においては、復帰条件を気圧センサユニット215に送信し、気圧センサユニット215内に設定していた。これに対して、第2実施形態においては、復帰条件の設定はASIC262内の入出力回路239において設定し、設定された復帰条件に応じたアナログ電圧を気圧センサユニット215に出力するようにしている。
第2実施形態における概略的な構成は、図1に示した外観図、および図2に示したブロック図と同様である。ただ、図3に示した気圧センサユニット215およびこれと接続する周辺回路が相違するので、図8を用いて相違点を中心に説明する。
気圧センサユニット215は、図8に示すように、気圧センサ215c、コンパレータ215d、コンパレータ215f、レベルシフト回路215e、および論理積回路215gを有する。第1実施形態に係わる圧力検知部215aは、気圧センサ以外にも復帰条件を設定し、復帰条件に一致した場合に割り込み信号を出力するための種々の回路を有し、またシリアル通信制御部215bは、通信回路241とシリアル通信を行うための種々の回路を有していた。これに対して、第2実施形態に係わる気圧センサユニット215はシンプルな構成となっている。
気圧センサ215cは、入出力回路239内のA/Dポート239aに接続されており、大気圧に応じたアナログ信号(気圧信号)を出力する。また、気圧センサ215cの出力はコンパレータ215dの反転入力端子にも接続されている。コンパレータ215dの非反転入力端子は、入出力回路239内のD/Aポート239bの出力が接続されている。後述するようにCPU229によって基準値が演算され、D/Aポート239bは変換された基準値のアナログ信号(基準値信号1)を出力する(図9のS6、S8参照)。
D/Aポート239dの出力は、レベルシフト回路215eに接続され、レベルシフト回路215eは、基準値信号1を所定電圧値だけ低下させた基準値信号2を生成する。レベルシフト回路215eの出力は、コンパレータ215fの非反転入力に接続されており、コンパレータ215fの反転入力は気圧センサ215cの出力に接続されている。
コンパレータ215dは、非反転入力端子に印加されている基準値信号1と、反転入力端子に印加されている気圧信号を比較し、大小関係に応じて、Hレベル信号またはLレベル信号を出力する。一方、コンパレータ215fは、反転入力端子に印加されている基準値信号2と、非反転入力端子に印加されている気圧信号を比較し、大小関係に応じて、Hレベル信号またはLレベル信号を出力する。
コンパレータ215dの出力とコンパレータ215fの出力は、論理積回路215gの入力に接続されている。論理積回路215gは、論理積演算を行い、コンパレータ215dとコンパレータ215fのいずれか一方が、Lレベル信号を出力すると、Lレベル信号を割り込み処理部253bに出力する。
このように、気圧センサユニット215が構成されているので、コンパレータ215dの反転入力端子に入力される気圧に応じた気圧信号が、非反転入力端子に入力されている基準値信号1より高くなると、コンパレータ215dはHレベルからLレベルへの反転信号(割り込み信号1)を論理積回路215gに出力する。一方、コンパレータ215fの非反転入力端子に印加される気圧に応じた気圧信号が、反転入力端子に印加されている基準値信号2よりも低くなると、コンパレータ215fはHレベル信号からLレベル信号への反転信号(割り込み信号2)を論理積回路215gに出力する。
論理積回路215gは、コンパレータ215dから出力される割り込み信号1またはコンパレータ215fから出力される割り込み信号2のうちのいずれか一方がHレベル信号からLレベル信号に変化する反転信号(割り込み信号3)が発生すると、この割り込み信号3を割り込み処理部253bに出力する。このため、カメラにかかる大気圧が、基準値信号1に相当する所定気圧よりも低い気圧を検出した場合、言い換えると、所定高低差だけ高くなると、割り込み信号が出力される。スリープモードに入っている際に、割り込み処理部253bが論理積回路215gから割り込み信号3が入力されると、スリープモードを終了し、カメラを起動して、電源供給を開始する。
次に、本実施形態における動作について、図9に示すフローチャートを用いて説明する。このフローチャートも、CPU229がフラッシュメモリ249に記憶されているプログラムに従って実行する。図9に示すフローは、第1実施形態に係わる図4のフローチャートにおいて、ステップS3およびS5を、ステップS4〜S8に置き換えただけであるので、この相違点を中心に説明する。
カメラ本体200にバッテリが装填され、または外部電源が接続されると、このフローがスタートする。まず、第1実施形態の場合と同様、カメラ本体200のパワースイッチ257がオンであるか否かを判定する(S1)。判定の結果、パワースイッチ257がオフの場合には、気圧データの読み込みを行う(S4)。ここでは、気圧センサユニット215内の気圧センサ215cからの出力される気圧信号を、A/Dポート239a(図8参照)によってAD変換し、CPU229がこのAD変換された気圧データを取り込む。
気圧データの読み込みを行うと、次に、基準値を演算する(S6)。基準値は、現在のカメラの高さより、所定の高低差分だけ高い位置に対応する気圧差に応じた値とする。所定の高低差としては、第1実施形態と同様、30cmとするが、10cm〜100cm程度の範囲内で、カメラが動いたといえる程度であればよい。
基準値を演算すると、次に、基準値をD/Aポート239bに出力する(S8)。ステップS6において演算された基準値をD/Aポート239bに出力すると、D/Aポート239bは、DA変換し、アナログ信号に変換された基準値信号をコンパレータ215dの非反転端子に印加する。
基準値をD/Aポートに出力すると、カメラはスリープモードに入る(S13)。これ以降の動作は図4に示した第1実施形態と同様であることから、詳しい説明は省略する。
次に、気圧センサユニット215による、スリープモードから電源供給を開始する起動動作の一例について図10を用いて説明する。図10において、横軸方向は時間の流れを示し、t1〜t8は時刻を、また逆三角形の印はパワーオフのタイミングを示す。この時間軸に沿って、基準値信号、気圧信号、および割り込み信号の変化を示す。
時刻t1において、パワースイッチ257をオフとし、パワーオフ状態となる。このパワーオフ状態では、スリープモードとなるが(図9のS11参照)、その際、大気圧に応じて、現在の高さより所定高低差分、高い位置の気圧に応じた基準値信号1と基準値信号2が設定される(S4〜S8参照)。その後、カメラを持ち上げる等により大気圧が下降し、時刻t2において、基準値信号1を超えると、コンパレータ215dから割り込み信号1が出力される。
時刻t2において割り込み信号1が出力されると、論理積回路215gから割り込み信号3が出力され、割り込み信号処理部253bが割り込み処理を実行し、スリープモードを脱し、電源供給の開始を行う(S13参照)。その後、低い場所に移動し、大気圧が上昇し気圧信号が低下し始め、時刻t3においてコンパレータ215dの出力はLレベルからHレベルに変化するが、このときは割り込み信号が発生しないので、カメラは電源供給されたままである。したがって、時刻t2以降、レリーズ釦が全押し操作されれば、直ちに、撮影が可能である。
時刻t4において、撮影者がカメラのパワースイッチ257をオフにすると、カメラの電源供給が停止され、スリープモードに入る、また、時刻t1のときと同様、大気圧に応じた基準値信号1および基準値信号2が設定される(S4〜S8参照)。時刻t3以降、低い位置に移動し大気圧が大幅に上昇することから、気圧信号は低下し、それに応じて設定する基準値信号1および基準値信号2も低下する。その後、カメラの位置が移動し、時刻t5において、気圧信号が基準値信号1を超えると、割り込み信号1が出力され、再び、電源供給が開始される(S13参照)。
時刻t6になると、カメラが高い場所に動くが、基準値信号1を上回っているので、割り込み信号1は発生しない。時刻t5以降、電源供給されたままであるので、レリーズ釦が全押し操作されれば、直ちに、撮影が可能である。
時刻t7において、撮影者がカメラのパワースイッチ257をオフにすると、カメラの電源供給が停止され、スリープモードに入る、また、時刻t1のときと同様、大気圧に応じた基準値信号1および基準値信号2が設定される(S4〜S8参照)。パワーオフ時(時刻t7)には、高い位置に移動し、大気圧が上昇していることから、基準値信号1および基準値信号2も上昇する。その後、カメラの位置が移動し、時刻t8において、気圧信号が基準値信号1を超えると、割り込み信号1が出力され、再び、電源供給が開始される(S13参照)。
パワーオフ時(時刻t9)には、カメラは高い位置に移動した状態であり、基準値信号1および基準値信号2を設定する。その後、カメラの気圧センサユニット215に息が吹きかけられ、気圧センサ215cの気圧信号が基準値信号2より低下すると、割り込み信号2が出力され、再び、電源供給が開始される。
このように、本実施形態においては、気圧センサ215cから出力されるアナログの気圧信号と、D/Aポート239bから出力されるアナログの基準値信号を、コンパレータ215dにおいて比較し、カメラが所定の高低差に対応する動きを行った場合に、割り込み信号を出力し、カメラの電供供給を開始し、起動するようにしている。このため、気圧センサユニット215の構成を簡単にしながら、カメラが動いた際に、カメラを起動することができる。
なお、本実施形態においては、コンパレータ215dによって、基準値信号に対応する所定高低差よりも高くなると、割り込み信号を出力していた。しかし、コンパレータを2つ設け、所定高低差分、高くなる場合と、所定高低差分、低くなる場合の両方の場合について、割り込み信号を出力するようにしても構わない。
次に、本発明の第1、第2実施形態における開口部21〜24の変形例を、図11を用いて説明する。本変形例においては、パワースイッチ257は、十字釦13、決定釦15の近傍に配置されている。また、液晶モニタ26は、第1、第2実施形態においては、カメラ本体200の背面に固定されていたが、本変形例においては、液晶モニタ26は可動式である。
液晶モニタ26は、ヒンジ26bによって、カメラ本体200の縦軸回りに回動可能である。さらに、図11の状態において、背面液晶モニタ26の長手方向の軸に沿ってもヒンジ26bによって回動可能である。図11に示す状態では、背面液晶モニタ26のモニタ面は交換レンズ100側を向いており、背面液晶モニタ26の背面側は、保護面26aが向いている。
保護面26aの左上に開口部31が配置されており、開口部31の奥には、気圧センサユニット215が設けられている。背面液晶モニタ26がカメラ本体200に収納され、保護面26aがモニタ対向面200aに接するようになった際に、開口部31はパワースイッチ257に近くなる。このため、背面液晶モニタ26がカメラ本体200に収納された状態では、パワースイッチ257の近傍に向かって息を吹きかけると、第1実施形態と同様、カメラを起動させることができる。また、背面液晶モニタ26を回動させた状態でも、開口部31に息を吹きかけることにより、カメラを起動させることもできる。
以上説明したように、本発明の第1、第2実施形態やその変形例においては、カメラにかかる大気圧を検出し、予め定められた以上の気圧変化が生じた場合に割り込み信号を出力する気圧センサユニット215を有し、低消費電流モード中に、気圧センサユニットから割り込み信号が出力された場合に、カメラを動作状態にしている。このため、カメラを構える姿勢にならなくても、カメラが動いている場合には起動することが可能となる。
また、本発明の第1、第2実施形態やその変形例においては、気圧センサユニットによって割り込み信号を出力しているので、カメラを動かさない場合であっても、カメラに息を吹きかける、または息を吸い込むだけで、カメラを起動させることができる(S51参照)。
なお、本発明の第1実施形態における復帰条件や第2実施形態における基準値等は、所定の高低差に対応する気圧差に応じて決めていた。この所定の高低差は、予め設計値として工場出荷段階でプログラム中に書き込まれていた。しかし、これに限らず、ユーザが適宜、書き直してもよく、また、学習機能を持たせて、カメラが自動的に書き直すようにしてもよい。また、所定の高低差に対応する気圧差ではなく、一律の気圧差としてもよい。この場合も、ユーザが適宜、書き直してもよく、また、学習機能を持たせて、カメラが自動的に書き直すようにしてもよい。
また、本発明の第1、第2実施形態やその変形例においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。