JP5784825B2 - 試料を分析するためのシステムおよび方法 - Google Patents

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Description

(関連出願)
本願は、2011年5月20日に出願された米国仮特許出願第61/488,244号への優先権および利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
(政府支援)
本発明は、アメリカ国立科学財団(NSF)の契約番号CHE0847205の下、政府支援により成された。合衆国政府は、本発明において一定の権利を有する。
(発明の分野)
本発明は、一般的に、試料を分析するためのシステムおよび方法に関する。
(背景)
質量分析計は、重要な研究および分析化学の用途、例えば、ライフサイエンスに使用される、非常に高感度な分析方法である。質量分析計は、磁界および電界を使用して、真空において、荷電した粒子(イオン)に力を与えることにより機能する。このため、化合物は、質量分析計により分析されるために、荷電されるか、または、イオン化されなければならない。したがって、質量分析計を使用する化学分析は、試料における分子のイオン化と、続けて、それらのイオンの質量分析を含む。典型的に、生じたイオンについて質量分析が行われる前に、イオン化源が、大気圧で、または、真空チャンバ内で、検体をイオン化するのに使用される。
大気ベースのイオン化法は、大気圧でイオンを生成し、その後に、質量アナライザを収容する真空チャンバ内に、それらのイオンを移送する工程を含む。ついで、前記イオンは、前記質量アナライザにより分析される。このような大気ベースのイオン化法としては、例えば、エレクトロスプレーイオン化(Fennら、Science,1989,246,64−71;および、Fennら、Mass Spectrometry Reviews,1990,9,37−70)および、大気圧化学イオン化(Carrollら、Analytical Chemistry,1975,47,2369−2373)があげられる。近年、脱離エレクトロスプレーイオン化(Takatsら、Science,2004,306,471−473;Takatsら、特許文献1)、リアルタイムにおける直接分析(Codyら、Analytical Chemistry,2005,77,2297−2302)等を含むアンビエントイオン化法が、質量分析用の複雑な混合物から検体イオンを生成するのに開発されてきた。大気ベースのイオン化法についての問題は、大気圧でのイオン源由来のイオンが、質量分析用の大気圧インターフェース(atmospheric pressure interface)を通して真空内に移送される必要があることである。一般的に、前記移送効率は、1%以下である。
試料が真空チャンバ内でイオン化され、イオン移送ラインについての必要性を除外する方法が、開発されている。このような方法は、大気イオン化法に関連するイオン移送の問題を回避する。一般的に、真空における検体のイオン化に関して、光子または電子の供給源は、真空チャンバにおける試料と相互作用する、光子または電子のビームを生成するのに使用される。前記試料と前記光子または電子との相互作用は、続けて分析されるイオンを生成する。典型的な方法としては、電子衝突イオン化(Nierら、Review of Scientific Instruments,1947,18,398−411)、レーザー脱離イオン化(Ronaldら、The Rockefeller University,1989;および、米国特許第5,045,694号)、光イオン化(Lossingら、The Journal of Chemical Physics,1956,25,1031−1034)、化学イオン化(Harrisonら、Ed.Chemical Ionisation Mass Spectrometry;CRC Press,Boca Raton,FL.,1983)または、マトリクス支援レーザー脱離イオン化(Karasら、Analytical Chemistry,1988,60,2299−2301;および、Hillenkampら、Analytical Chemistry,1991,63,1193A−1203A)があげられる。他の方法は、中性分子またはイオンビームを使用する、例えば、高速原子衝突イオン化(Barberら、Journal of the Chemical Society,Chemical Communications,1981,325−327)および、二次イオン化質量分析(Herzogら、Physical Review,1949,76:855−856)である。
米国特許第7,335,897号明細書
要旨
本発明は、一般的に、イオンとは対照的に、中性ガスが真空チャンバ内に導入される質量分析による試料分析に関する。本発明のシステムおよび方法では、前記中性ガスの分子と、前記真空チャンバ内の導電性部材および前記チャンバ内の試料導入部材の遠位端の間で生じた放電との相互作用により、前記真空チャンバにおいて、前記中性ガスのイオン化が起こる。前記生成されたイオンは、その後質量分析用の質量アナライザに移送される。本発明のシステムおよび方法は、光子または電子の供給源を必要とせずに、真空チャンバ内でイオンを生成する。さらに、真空チャンバ内でイオンを生成することにより、本発明のシステムおよび方法は、大気圧におけるイオン源から真空チャンバへのイオンの移送に関連する問題を回避する。ある実施形態では、電子機器による更なる制御なしに、放電およびイオンの生成が動作し、試料導入と同期される。
ある態様では、本発明は、電源、前記電源に連結される導電性部材を含む真空チャンバ、前記真空チャンバに連結された試料導入部材であって、放電が前記試料導入部材と前記導電性部材との間に生じ得るように、前記試料導入部材の遠位端が前記真空チャンバ内に存在し、かつ前記導電性部材に近接して存在する試料導入部材を提供する。前記放電は、前記真空チャンバ内に導入された中性ガスの分子をイオン化し、前記真空チャンバ内の質量アナライザが、前記生成されたイオンを分析する。
特定の実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、前記中性ガスのパルスが、前記真空チャンバ内に導入されるように、少なくとも1つの不連続の大気インターフェース(atmospheric interface)により達成される。前記中性ガスのイオン化は、前記不連続の大気インターフェースの操作に起因する、前記真空チャンバにおける圧力変化と同期されてもよい。一般的に、前記不連続の大気インターフェースは、前記試料の供給源と前記真空チャンバとの間に配置される。特定の実施形態では、前記システムは、連続して配置された2つの不連続の大気インターフェースで構成される。前記不連続の大気インターフェースの使用により、前記真空チャンバ内で、前記中性ガスをパルスとすることができる。さらに、前記不連続の大気インターフェースの使用により、前記中性ガスのイオン化を、前記不連続の大気インターフェースの開閉から生じる圧力変化と同期させることができる。
前記不連続の大気インターフェースは、前記ガスが不連続モードで前記質量アナライザ内に移送されるように、前記質量アナライザ内へのガスの流入を制御するための弁を含んでもよい。当該分野において公知の任意の弁が使用され得る。典型的な弁としては、ピンチ弁、薄板シャッター弁、リーク弁およびニードル弁があげられる。前記大気圧インターフェースは、さらに、チューブを含んでもよく、前記チューブの外部が、前記弁と整列されている。
特定の実施形態では、前記不連続の大気圧インターフェースは、弁、チューブであって、前記チューブの外部が前記弁と整列されるように構成されたチューブ、ならびに、前記チューブの第1端内に挿入された第1のキャピラリー、および、前記チューブの第2端内に挿入された第2のキャピラリーを含む。前記第1のキャピラリー、前記第2のキャピラリーのいずれも、前記弁と整列されている前記チューブの部分とは重ならない。
前記試料導入部材は、ガスを移動させるかまたは流す、当該分野において公知の任意の機器であり得、かつ任意の材料から作製され得る。ある実施形態では、前記試料導入部材は、金属キャピラリー管である。前記導電性部材は、電気を伝導し得る、当該分野において公知の任意の機器であり得る。ある実施形態では、前記導電性部材は、金属メッシュである。
当該分野において公知の任意の質量アナライザが、本発明のシステムで使用され得る。典型的な質量アナライザとしては、四重極イオントラップ、直線型イオントラップ、円筒型イオントラップ、イオンサイクロトロン共鳴トラップまたはオルビトラップ(orbitrap)があげられる。前記質量アナライザは、質量分析計またはハンドヘルドの質量分析計用であり得る。
本発明のもう1つの態様は、試料導入部材を介して、導電性部材を含む真空チャンバ内に、中性ガスを導入する工程、前記ガスの分子と、前記試料導入部材の遠位端および前記導電性部材の間に生じた放電との相互作用により、前記真空チャンバ内にイオンを生成する工程、および、前記イオンを分析する工程を含む、試料を分析するための方法を提供する。
ある実施形態では、前記中性ガスは、前記真空チャンバ内に、不連続に導入される。前記真空チャンバ内に前記中性ガスを不連続に導入することは、前記試料導入部材に連結された弁を開けること、および、前記試料導入部材に連結された弁を閉じることを含み、前記弁を開けることにより、実質的に大気圧下の中性ガスを、減圧下の前記真空チャンバに移送させ、前記弁を閉じることにより、実質的に大気圧下の中性ガスが、減圧下の前記真空チャンバにさらに移送されるのを妨げる。ある実施形態では、イオンを生成する工程は、前記不連続の大気インターフェースの開閉から生じる圧力変化と同期される。
分析工程は、質量アナライザを提供して、前記中性ガスから生成された前記イオンのマススペクトルを生成する工程を含む。典型的な質量アナライザとしては、四重極イオントラップ、直線型イオントラップ、円筒型イオントラップ、イオンサイクロトロン共鳴トラップおよびオルビトラップがあげられる。試料を分析するための方法であって、前記方法は、含む。
本発明のもう1つの態様は、試料導入部材を介して、導電性部材を含む真空チャンバ内に、粒子を含む中性ガスを導入する工程、前記ガス中の粒子と、前記試料導入部材の遠位端および前記導電性部材の間に生じた放電との相互作用により、前記真空チャンバ内にイオンを生成する工程、および、前記イオンを分析する工程を含む、試料を分析するための方法を提供する。前記粒子は、任意の種類の粒子、例えば、固体粒子、液滴またはそれらの組み合わせでもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
試料を分析するためのシステムであって、
電源;
上記電源に連結された導電性部材を含む真空チャンバ;
上記真空チャンバに連結された試料導入部材であって、上記真空チャンバ内に導入される中性ガスの分子をイオン化する放電が、試料導入部材と上記導電性部材との間に生じ得るように、上記試料導入部材の遠位端が上記真空チャンバ内に存在し、上記導電性部材に近接して存在する試料導入部材;および、
上記真空チャンバ内の質量アナライザ
を含む、システム。
(項目2)
上記試料導入部材と一体化した、少なくとも1つの不連続の大気インターフェースをさらに含む、項目1記載のシステム。
(項目3)
上記中性ガスが、上記真空チャンバ内において、パルス化される、項目2記載のシステム。
(項目4)
イオン化が、上記不連続の大気インターフェースの開閉から生じる圧力変化と同期される、項目3記載のシステム。
(項目5)
上記試料導入部材が、金属キャピラリー管である、項目2記載のシステム。
(項目6)
上記導電性部材が、金属メッシュである、項目5記載のシステム。
(項目7)
上記電源が、DC電界を生じさせる、項目6記載のシステム。
(項目8)
上記電源が、AC電界を生じさせる、項目6記載のシステム。
(項目9)
上記質量アナライザが、質量分析計またはハンドヘルドの質量分析計用である、項目1記載のシステム。
(項目10)
上記質量アナライザが、四重極イオントラップ、直線型イオントラップ(rectalinear ion trap)、円筒型イオントラップ、イオンサイクロトロン共鳴トラップおよびオルビトラップからなる群から選択される、項目1記載のシステム。
(項目11)
上記システムが、連続して配置された2つの不連続の大気インターフェースで構成される、項目2記載のシステム。
(項目12)
上記不連続の大気インターフェースが、上記ガスが不連続モードで上記質量アナライザに移送されるように、上記真空チャンバ内へのイオンの流入を制御するための弁を含む、項目2記載のシステム。
(項目13)
上記大気圧インターフェースが、チューブをさらに含み、上記チューブの外部が、上記弁と整列されている、項目12記載のシステム。
(項目14)
試料を分析するための方法であって、
試料導入部材を介して、導電性部材を含む真空チャンバ内に、中性ガスを導入する工程;
上記ガスの分子と、上記試料導入部材の遠位端および上記導電性部材の間に生じた放電との相互作用により、上記真空チャンバ内にイオンを生成する工程;および、
上記イオンを分析する工程
を含む、方法。
(項目15)
上記ガスが、上記チャンバ内に不連続に導入される、項目14記載の方法。
(項目16)
生成する工程が、上記不連続の大気インターフェースの開閉から生じる圧力変化と同期される、項目14記載の方法。
(項目17)
分析する工程が、質量アナライザを提供して、上記中性ガスから生成された上記イオンのマススペクトルを生成する工程を含む、項目14記載の方法。
(項目18)
試料を分析するための方法であって、
試料導入部材を介して、導電性部材を含む真空チャンバ内に、粒子を含む中性ガスを導入する工程;
上記ガス中の粒子と、上記試料導入部材の遠位端および上記導電性部材の間に生じた放電との相互作用により、上記真空チャンバ内にイオンを生成する工程;および、
上記イオンを分析する工程
を含む、方法。
(項目19)
上記粒子が、固体粒子、液滴およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、項目18記載の方法。
図1は、同期された放電イオン化およびイオントラップ質量アナライザを使用する、化学分析用の機器設定を示す概略図である。 図2は、(a)真空マニホールドの圧力、(b)金属メッシュに印加された電圧、および(c)パルス弁の操作中に、直線型イオントラップの末端電極を通過する電流における変化を示すグラフのセットである。 図3は、(a)200pptのナフタレン、(b)ジメチルメチルホスホネート、および(c)サリチル酸メチル蒸気についての、空気における化学蒸気のマススペクトルのセットである。 図4は、導入される試料の体積を制御するための、キャピラリーc2を使用するための設定を示す概略図である。 図5は、同期された放電イオン化による質量分析のための、図4に示された設定を使用する操作手順を示す概略図である。 図6において、(a)は、SDI−MSシステムの模式図、(b)は、SDI用の等価回路、および(c)は、DAIが開放された場合のマニホールドにおける放電中の白熱光を示す写真である。 図7は、空気についてのパッシェン曲線、マニホールドにおいて測定された圧力変化(左側の差し込み図)および、試料導入中のメッシュ上の電圧変化(右側の差し込み図)を示す概略図である。 図8は、(a)ポジティブモードでの、1800μLのメタノールにおける、20μLのDMMP、0.13mgのナフタレンおよび310μLのDEETの混合物由来のヘッドスペース蒸気、(b)ネガティブモードでの、空気中の3−ニトロフェノール(3.5ppm)、および(c)ネガティブモードでの、空気中の1,4−ベンゾキノン、のMSスペクトルを示す概略図である。 図9は、(a)シングルスキャン中の圧力変化、ならびに、制御された時間後に調整されたRFおよびZ方向DC電位によるトラッピングにおける遅延、および(b)6および7msのDAI開放時間についての遅延時間の関数として、イオン存在量を示すグラフのセットである。挿入図:DAI開放時間中のイオン生成比率である。 図10において、(a)は、アントラセン、ベンズ[α]アントラセン、クリセンおよびピレンのMSスペクトル、および(b)は、空気におけるナフタレンについての検量線である。 図11は、(a)最適化前および(b)最適化後の、放電パターン(左側)およびMSスペクトル(右側)を示す概略図である。
詳細な説明
本発明は、一般的に、試料を分析するためのシステムおよび方法に関する。ある実施形態では、本発明は、電源、前記電源に連結される導電性部材を含む真空チャンバ、前記真空チャンバに連結された試料導入部材であって、前記真空チャンバ内に導入される中性ガスの分子をイオン化する放電が、試料導入部材と前記導電性部材との間に生じ得るように、前記試料導入部材の遠位端が前記真空チャンバ内に存在し、前記導電性部材に近接して存在する、試料導入部材、および、前記真空チャンバ内の質量アナライザを含む、試料を分析するためのシステムを提供する。
図1は、本発明のシステムの実施形態を示す概略図である。この実施形態は、ラインの近位端が大気圧に存在し、前記ラインの遠位端が真空チャンバに存在する、試料導入部材を示す。このようにして、中性ガスは、前記試料導入部材を通して、前記真空チャンバ内に導入され得る。前記試料導入部材は、電気を伝導する任意の材料から作製され得る。
前記真空チャンバは、前記真空チャンバ内に存在する、質量アナライザおよび導電性部材を含む。当該分野において公知の任意の質量アナライザが、本発明のシステムに使用されてもよい。典型的な質量アナライザとしては、四重極イオントラップ、直線型イオントラップ、円筒型イオントラップ、イオンサイクロトロン共鳴トラップおよびオルビトラップがあげられる。前記導電性部材は、前記真空チャンバにも存在する前記試料導入部材の遠位端に近接して置かれる。前記導電性部材は、電源、例えば、DC電源に連結される。本発明のシステムにおける文脈において、近接は、前記試料導入部材の遠位端と前記導電性部材との間で、放電が生じ得るのに十分近い位置を意味する。
操作中に、中性ガスは、前記試料導入部材を通して、前記真空チャンバ内に導入される。電圧、例えば、DC電圧が、前記中性ガスの存在下において、前記導電性部材に印加される。前記導電性部材と前記試料導入部材の遠位端とが近接しているため、前記導電性部材と前記試料導入部材の遠位端との間に、放電が生じる。前記中性ガスの分子は、前記放電と相互作用して、イオンを形成する。前記イオンは、その後に前記放電と前記ガスの流れとの組み合わせにより、前記質量アナライザに移送される。
図1に示す実施形態では、前記試料導入部材は、不連続の大気インターフェースと一体化して示される。当業者であれば、前記不連続の大気インターフェースは、本発明のシステムおよび方法における任意の構成要素であり、本発明のシステムおよび方法は、不連続の大気インターフェースを使用しなくとも動作し得ることを理解するであろう。前記不連続の大気インターフェースは、以下により詳細に記載される。つまり、図1に示される前記不連続の大気インターフェースは、前記ガスが不連続モードで前記質量アナライザに移送されるように、前記真空チャンバ内へのガスの流入を制御するための弁を含む。当該分野において公知の任意の弁が、使用され得る。典型的な弁としては、ピンチ弁、薄板シャッター弁、リーク弁およびニードル弁があげられる。前記大気圧インターフェースは、さらに、チューブを含んでもよく、前記チューブの外部が、前記弁と整列されている。一般的に、2本のステンレス鋼のキャピラリーが、シリコーンプラスチックのチューブの一部に連結される。開/閉の状態は、前記ピンチ弁により制御される。
図1に示すように、前記真空内の圧力の増加をもたらすために、ガスのパルスが、前記真空内に導入され得る。0.3Hzの周波数でパルス弁を操作するための圧力変化を、図2に示す。前記金属キャピラリーC2と金属メッシュとの間に、DC電圧を印加することにより、前記圧力が、前記ガス試料における検体分子をイオン化する、ある値より高くなった時、放電が発生する(図2bおよびc)。前記イオンは、ガスの流れおよび電界により、前記質量アナライザ内に移送され、質量分析用に捕捉される。前記弁が閉じられた後、前記圧力が低下し、前記放電が自動的に停止する。前記イオン化過程は、前記試料導入と同期される。前記放電のための最低圧力は、前記電界および前記ガスの種類により決まり、異なるガスについてのパッシェン曲線により決定され得る。
図1に示す設定を使用して、データを取得した。スペクトルが、低濃度での空気中のナフタレンについて記録された(図3a)。分子ラジカルカチオンm/z128が観察された。図3bは、空気中のジメチルメチルホスホネートについてのスペクトルを示す。図3cは、空気中のサリチル酸メチル蒸気のスペクトルを示す。
ある実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、図4に示すように、前記試料導入部材内に一体化された、2つの不連続の大気インターフェースを有する。図4は、分析用の前記真空内に導入されるガス試料の量を正確に制御するための、所定の体積を有するキャピラリーC2を使用するための設定を示す。操作手順の例を、図5に示す。まず、弁2が開けられ、C2内の圧力が、真空マニホールド内の同じ圧力Pに低下するであろう。弁2が完全に閉じられた後、弁1が開けられて、C2をガス試料で満たし、C2内の圧力が、大気圧Patmに達するであろう。ついで、弁1が閉じられ、弁2が再度開けられて、C2内の前記ガス試料が、前記真空内に放出される。前記真空マニホールド内の圧力が増加し、前記放電が起こり、前記ガスにおける前記検体分子がイオン化され、前記質量アナライザ内に導入される。一定量のガスVc2が、前記真空マニホールド内に毎回導入され、定量分析の再現性が、改善されるであろう。
不連続の大気インターフェース(DAI)
不連続の大気インターフェースは、(Ouyangら、米国特許出願番号2010/0301209およびPCT出願番号PCT/US2008/065245)に記載されており、各内容全体は、参照により本願明細書に援用される。
DAIのコンセプトは、イオンの導入中にその流路を開き、ついで、それに続く各スキャン中に、質量分析のために流路を閉じることである。非常に大きなフローコンダクタンスを有するイオン移動流路が、伝統的な連続性のAPI用より、DAI用として許容され得る。マニホールド内部の圧力は、前記流路が最大のイオン導入のために開かれた時に、一時的に著しく向上する。高電圧は全て遮断され得、低電圧RFのみが、この期間中にイオンの捕捉用である。イオンの導入後、更なるイオンの操作のための、または、高電圧のスイッチが入れられ得、質量分析用の高電圧に対してRFがスキャンされ得る際の、質量分析のための最適な圧力に達し得るために、前記流路が閉じられ、圧力が期間にわたって減少し得る。
DAIは、制御された方法において、大気の流れを開閉する。真空マニホールド内の圧力は、APIが開いた際に増加し、APIが閉じた際に低減する。質量アナライザまたは中間段階保存装置であり得る、DAIと捕捉装置との組み合わせは、所定のポンピング能力を有するシステム内に、イオンパッケージの最大導入を許容する。
非常に大きな開口は、新たな不連続の導入モードにおけるAPIにおいて、圧力抑制構成要素として使用され得る。APIが開かれる際の短期間に、イオン捕捉装置は、低いRF電圧を有する捕捉モードで操作され、入ってくるイオンを保存し;同時に、他の構成要素、例えば、変換ダイノードまたは電子倍増管における高電圧を遮断して、より高電圧でのそれらの装置および電子機器に対する損傷を防止する。ついで、イオンがトラップにおいて質量分析され、または、質量分析用の真空システム内の他の質量アナライザに移動させられる時点で、APIは閉じられ、マニホールド内の圧力が、質量分析に最適な値まで戻される。不連続の方法におけるAPIの操作により可能なこの2種類の圧力モードの操作は、イオンの導入を最大化し、所定のポンピング能力を有する質量分析についての条件を最適化する。
設計の目的は、質量アナライザ用に最適な真空圧を保持しながら、最も大きい開口を有することである。前記真空圧は、質量アナライザの種類に依存して、10−3から10−10torrの間である。大気圧インターフェースにおける開口が大きいほど、真空システムあるいは質量アナライザ内に送達されるイオン電流は高くなる。
DAIの典型的な実施形態が図1に示される。DAIは、大気圧の領域と真空の領域とを連結するシリコーンチューブの経路を開閉するのに使用されるピンチ弁を含む。ノーマルクローズピンチ弁(390NC24330、ASCO Valve Inc.、Florham Park,NJ)は、大気圧領域に対する真空マニホールドの開放を制御するのに使用される。2本のステンレス鋼のキャピラリーは、シリコーンプラスチックチューブ片に連結され、開/閉状態が前記ピンチ弁により制御される。大気に連結する前記ステンレス鋼のキャピラリーは、流入制限要因であり、250μmのID、1.6mm(1/16”)のODおよび10cmの長さを有する。真空側のステンレス鋼キャピラリーは、1.0mmのID、1.6mm(1/16”)のODおよび5.0cmの長さを有する。前記プラスチックチューブは、1/16”のID、1/8”のODおよび5.0cmの長さを有する。一方または両方のステンレス鋼キャピラリーが、接地され得る。mini10のポンピングシステムは、5L/分(0.3m/時間)のポンピング速度を有する、2段階隔膜ポンプ1091−N84.0−8.99(KNF Neuberger Inc.、Trenton,NJ)および、11L/秒のポンピング速度を有する、TPD011ハイブリッドターボ分子ポンプ(Pfeiffer Vacuum Inc.、Nashua,NH)からなる。
前記ピンチ弁の電源が常に入れられ、前記プラスチックチューブが常に開いている場合、フローコンダクタンスは、真空マニホールドにおける圧力が、隔膜ポンプ操作により30torrを超えるように高くなる。イオン移動効率は、0.2%と測定された。これは、連続性のAPIを有する実験室規模の質量分析計に相当する。ただし、これらの条件下で、TPD011ターボ分子ポンプは、作動され得ない。前記ピンチ弁の電源が切られる場合、前記プラスチックチューブは、圧迫されて閉じられ、ついで、前記ターボポンプは、スイッチが入れられ得て、マニホールドに1×10−5torrの範囲の最終的な圧力となるように、空気を入れる。
イオントラップを使用する質量分析を行うための操作の順序は、通常、イオン導入、イオン冷却およびRFスキャニングを含むが、これらに限定されない。最初に、マニホールド圧がポンプダウンされた後に、スキャン機能が実行されて、イオン導入および質量分析のための開閉モードを切り替える。イオン化時間中に、24VのDCが、ピンチ弁の電源として使用され、APIが開く。直線型イオントラップ(RIT)の端部電極における電位も、この期間中に接地に設定される。ピンチ弁についての最小限の応答時間は、10msと見出され、15msから30msの間のイオン化時間が、不連続のAPIの特性決定に使用される。250msから500msの間の冷却時間は、APIが閉じられて圧力が低下し、バックグラウンド大気分子との衝突によりイオンが冷却された後に実行される。ついで、前記電子倍増管における高電圧は、スイッチが入れられ、RF電圧は、質量分析用にスキャンされる。不連続のAPIの操作中において、マニホールドにおける圧力変化は、Mini10携帯用システムにおけるマイクロピラニ真空計(MKS 925C、MKS Instruments,Inc.Wilmington,MA)を使用して、モニターされ得る。
参照による援用
他の文書、例えば、特許、特許出願、特許公開、ジャーナル、本、論文、ウェブコンテンツに対する参照および引用は、本開示を通じてなされている。全てのこのようなドキュメントは、全ての目的のために、それらの内容全体を参照により、本願明細書に援用される。
均等物
本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具現化されてもよい。したがって、前述の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、本願明細書に記載の発明を限定するものではないものと考えられる。
実施例1:機器構成
Mini11ハンドヘルドのMSシステムを、図6aに示すように修正を加えた。試料導入を、ピンチ弁(390NC24330,ASCO Valve Inc.,Florham Park,NJ,USA)、導電性シリコーンチューブ(i.d.1/16インチ,o.d.1/8インチおよび長さ20mm,Simolex Rubber Corp.,Plymouth,MI,USA)および、2本の長さ5cmのステンレス鋼キャピラリー(i.d.0.04インチ,o.d.1/16インチ)を含んだ、不連続の大気インターフェース(DAI)により制御した。0.0098”のグリッドサイズおよび0.0037”の線径を有するステンレス鋼316金網メッシュ(McMaster−Carr,Chicago,IL,USA)(透明度52.7%)を、前記真空チャンバにおける、前記DAIキャピラリーと直線型イオントラップ(RIT)との間に置いた。間隙は、前記キャピラリーと前記メッシュの間で、約2mmとし、前記メッシュと前記RITの前方z−電極との間で、約4mmとした。前記金属メッシュを、放電電流を制限するための可変抵抗器を通して、DC電圧電源(Ortec 659,AMETEC Inc.,Oak Ridge,TN,USA)に連結した。前記キャピラリーを、接地した。
前記DC電源は、約2MΩの内部インピーダンスを有し、100μAより低い出力電流を伴う一定のDC電圧を提供する。前記放電電流は、前記電源の内部インピーダンスと前記可変抵抗器(R)とにより制限される。等価回路を、図1bに示す。前記キャピラリー−メッシュアッセンブリは、最初に、キャパシタ(C;Y.P.Raizer,2nd ed.,Springer,Berlin,1991)として機能した。前記放電が確立され、維持されたとき、放電電極間の電流が一定となり、放電領域は、通常抵抗(R)と等価となった。
実施例2:放電およびイオン化
本発明のシステムでは、前記放電過程は、パッシェンの法則(図7)により支配され、圧力の変化と同期された。前記DAIが開く前に、前記マニホールドの圧力は、低い(典型的には、約10−5torr、図7における工程
Figure 0005784825
)。2つの放電電極に印加された電圧は、一定のままであった。前記DAIが開いた時、空気における前記中性の検体分子が、前記チャンバ内に導入された。前記放電電極間の圧力が上昇し、前記圧力がブレークダウン点を超えたとき、前記放電が起った。前記ブレークダウン条件は、前記圧力および前記電界の両方に依存した(F.Paschen,Annalen der Physik,1889)。前記放電中に、白熱光が観察され(図6c)、検体分子がイオン化された(図7における工程
Figure 0005784825
)。前記生成されたイオンは、前記RIT質量アナライザに移送され、捕捉された。前記DAIが閉じられた後、前記圧力が連続的なガスの排出により低下し、前記放電が停止した(図7における工程
Figure 0005784825
)。要約すると、本発明のシステムにおける前記イオン化は、前記チャンバ圧の変化を通して、前記DAIの開閉と同期され、前記放電は、自動的に作動および停止された。同期操作には、電子衝突(EI)用のフィラメント等のもろい部品または更なる電子機器は、不要であった。
実施例3:ポジティブモードおよびネガティブモードにおけるSDI
図8に示すように、本発明のシステムにより、各種の揮発性有機化合物について、インタクトな分子イオンを、空気中において、ポジティブモードおよびネガティブモードの両方において生成させられた(すなわち、穏やかなイオン化方法)。ナフタレン由来のMイオン、ならびに、DMMPおよびDEET由来の[M+H]が、ポジティブモードにおいて観察された。1,4−ベンゾキノン由来のMイオン、および、3−ニトロフェノール由来の[M−H]が、ネガティブモードにおいて観察された。比較のために、これらの化合物を、同じMSシステム上における大気圧化学イオン化(APCI)でも試験したが、ナフタレンおよび1,4−ベンゾキノンは、ポジティブモードおよびネガティブモードのそれぞれにおいて、APCIによりイオン化されなかった。
実施例4:本発明のシステムの分析性能
本発明のシステムは、前記トラップにおけるイオン捕捉の遅延によるイオン存在量をモニタリングすることにより特徴付けられた(図9a)。前記圧力および前記イオン存在量を、両方とも記録し、各試験について、前記遅延が1ms増加した。メタノール中の1%のジメチルメチルホスホネートのヘッドスペース蒸気(DMMP、25℃での蒸気圧=112Pa;T.E.Mlsna,S.Cemalovic,M.Warburton,S.T.Hobson,D.A.Mlsna,S.V.Patel.Chemicapacitive microsensors for chemical warfare agent and toxic industrial chemical detection.Sensors and Actuators B:Chemical 2006,116,192)を、分析した。前記メッシュ上の電圧を、約500Vに設定した。遅延時間の関数としての前記イオン存在量を、図9bに示すように、6および7msの前記DAI開放時間に関してプロットした。長いDAI開放時間(7ms)により、全体的に、より高いイオン存在量がもたらされた。イオン生成率を算出し、図9bの挿入図にプロットした。DAI開放期間の中間において、たいていのイオンが生成された。
DAIによる外部イオン化源を使用する以前の研究では、より長いDAI開放時間により、より高いイオン強度がもたらされることが示されてきた(L.Gao,G.Li,Z.Nie,J.Duncan,Z.Ouyang,R.G.Cooks.Characterization of a discontinuous atmospheric pressure interface.Multiple ion introduction pulses for improved performance.International Journal of Mass Spectrometry 2009,283,30)。本発明のシステムについてのマニホールド内部において、より長いDAI開放時間(7ms)により観察されたより高い強度は、より長い開放時間およびより高い圧力でのより良好なイオン捕捉の両方に起因するものであり得た。DAI開放時間の変化が、圧力変化のプロファイルの相違を引き起こす。圧力低下は、より長いDAI開放時間によって、より緩やかになり、したがって、前記放電時間も、伸ばされた(図9b)。
米国環境保護庁(US EPA)によりリストアップされた16個の重要なPAHから選択された5つの化学物質、アントラセン(m/z 178)、ベンズ[α]アントラセン(m/z 228)、クリセン(m/z 228)およびピレン(m/z 202)を、本願明細書に記載のシステムを使用して分析した(図10a)。5ppbから165ppbの濃度での、空気におけるナフタレンの試料を、シリンジポンプ(SP200i,WPI,Hertfordshire SG4 0TJ,UK)を有する、25mlのシリンジ(GASTTIGHT 1025,HAMILTON Co.,Reno,NV,USA)を使用して、5mL/分の速度で、前記DAIの注入口付近に、それぞれ放出した。観察された前記ナフタレンのイオンM(m/z 128)の強度を、R=0.997の線形性を有する、濃度の関数として、図10bにプロットした。5ppbについてのスペクトルを、図10bの差し込み図に示す。
実施例5:最適化
前記放電の安定性は、本発明のシステムを使用する、イオン化効率および定量分析に重要である。一般的に、前記放電過程は、前記チャンバ圧および(放電電極間の距離および/または印加された電圧による)前記電界の変化により制御され得る。一例として、前記放電安定性は、前記DAI操作中に、前記マニホールドにおける最大圧力を低下させることにより改善された。前記放電安定性は、前記放電中の過電流を防止するのに役立った(図11)。前記イオン強度は、10倍以上に増強された。

Claims (19)

  1. 試料を分析するためのシステムであって、
    電源;
    前記電源に連結された導電性部材を含む真空チャンバ;
    前記真空チャンバに連結された試料導入部材であって、前記真空チャンバ内に導入される中性ガスの分子をイオン化する放電が、試料導入部材と前記導電性部材との間に生じ得るように、前記試料導入部材の遠位端が前記真空チャンバ内に存在し、前記導電性部材に近接して存在しており、前記導電性部材は、前記試料導入部材から分離されている、試料導入部材;および、
    前記真空チャンバ内の質量アナライザ
    を含む、システム。
  2. 前記試料導入部材と一体化した、少なくとも1つの不連続の大気インターフェースをさらに含む、請求項1記載のシステム。
  3. 前記中性ガスが、前記真空チャンバ内において、パルス化される、請求項2記載のシステム。
  4. イオン化が、前記不連続の大気インターフェースの開閉から生じる圧力変化と同期される、請求項3記載のシステム。
  5. 前記試料導入部材が、金属キャピラリー管である、請求項2記載のシステム。
  6. 前記導電性部材が、金属メッシュである、請求項5記載のシステム。
  7. 前記電源が、DC電界を生じさせる、請求項6記載のシステム。
  8. 前記電源が、AC電界を生じさせる、請求項6記載のシステム。
  9. 前記質量アナライザが、質量分析計またはハンドヘルドの質量分析計用である、請求項1記載のシステム。
  10. 前記質量アナライザが、四重極イオントラップ、直線型イオントラップ(rectalinear ion trap)、円筒型イオントラップ、イオンサイクロトロン共鳴トラップおよびオルビトラップからなる群から選択される、請求項1記載のシステム。
  11. 前記システムが、連続して配置された2つの不連続の大気インターフェースで構成される、請求項2記載のシステム。
  12. 前記不連続の大気インターフェースが、前記ガスが不連続モードで前記質量アナライザに移送されるように、前記真空チャンバ内へのイオンの流入を制御するための弁を含む、請求項2記載のシステム。
  13. 前記大気圧インターフェースが、チューブをさらに含み、前記チューブの外部が、前記弁と整列されている、請求項12記載のシステム。
  14. 試料を分析するための方法であって、
    試料導入部材を介して、導電性部材を含む真空チャンバ内に、中性ガスを導入する工程であって、前記導電性部材は、前記試料導入部材から分離されている、工程
    前記ガスの分子と、前記試料導入部材の遠位端および前記導電性部材の間に生じた放電との相互作用により、前記真空チャンバ内にイオンを生成する工程;および、
    前記イオンを分析する工程
    を含む、方法。
  15. 前記ガスが、前記チャンバ内に不連続に導入される、請求項14記載の方法。
  16. 生成する工程が不連続の大気インターフェースの開閉から生じる圧力変化と同期される、請求項14記載の方法。
  17. 分析する工程が、質量アナライザを提供して、前記中性ガスから生成された前記イオンのマススペクトルを生成する工程を含む、請求項14記載の方法。
  18. 試料を分析するための方法であって、
    試料導入部材を介して、導電性部材を含む真空チャンバ内に、粒子を含む中性ガスを導入する工程であって、前記導電性部材は、前記試料導入部材から分離されている、工程
    前記ガス中の粒子と、前記試料導入部材の遠位端および前記導電性部材の間に生じた放電との相互作用により、前記真空チャンバ内にイオンを生成する工程;および、
    前記イオンを分析する工程
    を含む、方法。
  19. 前記粒子が、固体粒子、液滴およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18記載の方法。
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