JP5784812B1 - 防護衣服材料及びそれを用いた防護衣服 - Google Patents
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Abstract
Description
前記液遮断層には、第1のはっ水はつ油剤として、下記式(1):
CH2=C(−Cl)−C(=O)−X−Y−Rf …(1)
[式中、Xは−O−又は−NH−であり、Yは直接結合又は二価の有機基であり、Rfは炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]で表されるフルオロアルキル基を有するα−クロロアクリレート(A)から誘導される繰り返し単位、及びフルオロアルキル基を有さず、炭素数6以上の炭化水素基を有する非フッ素単量体(B)から誘導される繰り返し単位を含む含フッ素重合体が固着していることを特徴とする。
前記外布には、第2のはっ水はつ油剤が固着していることが好ましい。
前記液遮断層は、JIS L 1092 7.2スプレー法により測定されるはっ水度が2級以上であり、AATCC Test Method 118法により測定されるはつ油度が2級以上であることが好ましい。
また、前記含フッ素重合体は、更にフッ素原子を含まない単量体(C)から誘導される繰り返し単位を含むことが好ましい。
加えて、前記単量体(C)は、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンの少なくとも1種であることが好ましい。
なお本発明は前記防護衣服材料を用いることを特徴とする防護衣服も包含する。
液遮断層2を処理する第1のはっ水はつ油剤について説明する。本発明において、液遮断層2を処理する第1のはっ水はつ油剤としては、α−クロロアクリレート(A)から誘導される繰り返し単位、及び非フッ素単量体(B)から誘導される繰り返し単位を含む含フッ素重合体を用いる。
(A)成分のα−クロロアクリレートは、下記式(1):
CH2=C(−Cl)−C(=O)−X−Y−Rf …(1)
[式中、Xは−O−又は−NH−であり、Yは直接結合又は二価の有機基であり、Rfは炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]で表されるフルオロアルキル基を有する化合物である。
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)4−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)2−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−NH−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−S−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−(CH2)3−SO2−(CH2)2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−CH2CH(OCOCH3)CH2−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−CH2−Ph−O−Rf(ここで、Phは1,4−フェニレンである。)
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−CH2CH(OH)CH2−Ph−O−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−CH2−Ph−Rf
CH2=C(−Cl)−C(=O)−O−CH2CH(OCOCH3)CH2−Ph−Rf
非フッ素単量体(B)は、フルオロアルキル基を有さず、炭素数6以上の炭化水素基を有する単量体である。非フッ素単量体(B)は、炭素数9〜33のアクリレートエステル化合物であることが好ましい。より具体的に、非フッ素単量体(B)としては、例えば、下記式(2):
CH2=CR4−C(=O)O−R5 …(2)
[式中、R4は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン原子であり、R5は、炭素数6〜30の炭化水素基である。]で表されるアクリレートエステル化合物が挙げられる。
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)13−CH3
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)15−CH3
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)17−CH3
CH2=C(−H)−C(=O)−O−(CH2)21−CH3
第1のはっ水はつ油剤として用いる含フッ素重合体は、前述した(A)成分のα−クロロアクリレートから誘導される繰り返し単位、及び、(B)成分の非フッ素単量体から誘導される繰り返し単位を有していれば、これら以外の単量体(C)から誘導される繰り返し単位を有していてもよい。
前記含フッ素重合体は、乳化重合法により製造される。該含フッ素重合体を製造する方法は、具体的には、
(1)カチオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤からなる乳化剤の存在下で、水に、α−クロロアクリレート(A)及び非フッ素単量体(B)を乳化分散させた分散液を調製する工程、及び
(2)その後、調製した分散液に、重合開始剤及び必要に応じて単量体(C)を添加し、重合する工程を含む。
(R6)pN+(R7)4-pZ- …(3)
[式中、R6は、炭素数8以上の直鎖状及び/又は分岐状の脂肪族基であり、R7は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又はポリオキシエチレン基であり、pが1のとき3本のR7は、互いに結合して環を形成していてもよい。Zは、アニオンを形成する基であり、pは1又は2である。]で表される化合物が特に好ましい。
炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基が挙げられる。
また、前記ポリオキシエチレン基における、オキシエチレン基(−CH2CH2O−、以後「EO」と称する場合がある)の数は、例えば1以上が好ましく、2以上がより好ましく、3以上が特に好ましく、50以下が好ましい。
更に、pが1のとき3本のR7は、互いに結合して環を形成していてもよく、このとき、式(3)のN+(R7)3は、例えば、ピリジニウムが挙げられる。
R7としては、特にメチル基、又はエチル基が好ましい。
R8O−(CH2CH2O)r−(R9O)s−R10 …(4)
[式中、R8は炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数2〜22のアルケニル基であり、R9は炭素数3以上のアルキレン基であり、R10は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数2〜22のアルケニル基であり、rは2以上の整数、sは0又は1以上である。]で表される化合物が好ましい。
またR9は炭素数3以上のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は、例えば3〜10が好ましい。特にR9としては、プロピレン基又はブチレン基が好ましい。
R10は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基又は炭素数2〜22のアルケニル基であり、より好ましくは水素原子である。
rは2以上の整数であり、2〜30が好ましい。
sは0又は1以上であり、0であってもよい。
C10H21O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−H
C12H25O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−H
C16H31O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−H
C16H33O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−H
C18H35O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−H
C18H37O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−H
iso−C13H27O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−H
C12H25O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−C12H25
C16H31O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−C16H31
C16H33O−(CH2CH2O)r−(C3H6O)s−C12H25
前記水溶性有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エタノール等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。前記水溶性有機溶剤は、水100質量部に対して、1〜50質量部使用することが好ましく、より好ましくは10〜40質量部である。
また、前記低分子量の単量体としては、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート等が挙げられ、α−クロロアクリレート(A)及び非フッ素単量体(B)の合計100質量部に対して、1〜50質量部程度使用することが好ましく、より好ましくは10〜40質量部である。
本発明では、液遮断層2が第1のはっ水はつ油剤(含フッ素重合体)により処理されている限り、ガス吸着層3及び後述する内布は、はっ水はつ油処理されていなくてもよい。しかしながら、防護衣服材料としての性能をより高めるには、任意のPFOAフリーはっ水はつ油剤(液遮断層を処理する第1のはっ水はつ油剤と区別する。ここでは「第2のはっ水はつ油剤」と称する)によりはっ水はつ油処理されていることが望ましい。特に、外布1は防護衣服材料4の最外層であるため、第2のはっ水はつ油剤で処理され、第2のはっ水はつ油剤が固着していることが好ましい。
次に、防護衣服材料4の基材について順に説明する。防護衣服材料4は、外布1、液遮断層2、ガス吸着層3の積層構造を有する。防護衣服材料4は、内布がガス吸着層3に積層される積層構造を有していてもよい。
本発明では、前記1〜3から構成される積層構造の最も外側に外布1を積層する。外布1は、摩擦等の外力から液遮断層2やガス吸着層3を保護する層であり、具体的には織物からなる層をいう。織物は摩擦等の外力により繊維が切れにくいため、外布1として織物を使用することにより、液遮断層2やガス吸着層3を有効に保護することができる。
液遮断層2とは、有害なミストや粉塵を捕捉する比較的緻密な層であり、繊維を含むシート状の基材(以下、「繊維状基材」と称する)である。第1のはっ水はつ油剤による加工を施すことにより、液遮断層2には有害な化学物質に対する耐液体浸透性を付与している。
メルトブローン不織布の場合、不織布を構成する繊維はポリエステル繊維(特に、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維)又はポリアミド繊維等であることが好ましく、不織布の平均繊維径は500〜2000nmが好ましく(より好ましくは500〜1500nmであり、更に好ましくは750〜1100nm)、目付は10〜40g/m2が好ましい。
ガス吸着層3は、ガス状有機化学物質を吸着し得る層であり、前記外布1や液遮断層2では捕捉できない有毒ガス等の侵入を防止するために設けられている。
本発明では、防護衣服材料4の最も内側に内布を積層することも可能である。当該内布は、防護衣服着用者のべたつき感等の不快感を低減するために設けられる層である。また、内布を積層することで防護衣服材料4の強度が増すため、外力に対して強くなるため好ましい。
防護衣服材料4の製造方法は、各層が順に積層されている限り、特に限定されるものではない。例えば、外布1は洗濯できるよう、液遮断層2やガス吸着層3とは着脱可能な状態で積層されていることが好ましい。
第1の方法としては、例えば、ガス吸着層3を、シート状;顆粒状、粉末状等の粒子状;ドープ状の接着剤を用いて液遮断層2と固定する方法が挙げられる。また、第2の方法としては、液遮断層2とガス吸着層3を縫製し、フラシやキルティングの形状を作ることも可能である。
(2)質量:JIS L 1096.8.4による。
(3)厚さ:JIS L 1096.8.4による。
(4)通気性:JIS L 1096.8.27.1 A法(フラジール形法)による。
(5)比表面積:窒素の吸着等温線を求め、これを基にしてBET法により算出した。
(6)ガス平衡吸着量:JIS K 1477による。
(7)はっ水度:JIS L 1092 7.2(スプレー試験)による。
(8)はつ油度:AATCC Test Method 118による。
「○」呈色無し、「△」やや呈色、「×」呈色有り。
「○」浸透濃度5ppm以下、「×」浸透濃度5ppm超。
0.3μm粒子捕集効率(%)={1−(下流側濃度/上流側濃度)}×100
評価は、以下の通りである。
「○」30%以上、「△」10%以上30%未満、「×」10%未満。
「○」試験液が弾かれるとき、「△」試験液がやや浸透するとき、「×」試験液が液遮断層内部に浸透するとき。
なお、被験者数は10名とした。
「○」着用性に優れる、「△」着用性にやや欠ける、「×」着用性に劣る。
「○」優れる、「△」普通、「×」劣る。
第1のはっ水はつ油剤である含フッ素重合体の製造方法について以下に示す。
500ml反応フラスコにCF3CF2−(CF2CF2)n−CH2CH2OCOC(Cl)=CH2(n=2.0) 14.9g、ステアリルアクリレート43.46g、純水110g、トリプロピレングリコール18.62g、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム3.08g、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム0.87g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO数=20) 2.1g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(EO数=3) 0.65gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。反応フラスコ内を窒素置換後、ラウリルメルカプタン0.62g、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.31g(以下、V−50と記す)及び水9gの溶液を添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。得られた重合体の水性分散液を含フッ素重合体濃度が36%固形分となるように水で希釈し、第1のはっ水はつ油剤を得た。
500mLオートクレーブにCF3CF2−(CF2CF2)n−CH2CH2OCOC(Cl)=CH2(n=2.0) 45g、ステアリルアクリレート11g、純水150g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル24g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル7.5g、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル2.0gを入れ、攪拌下に60℃で15分間、超音波で乳化分散させた。フラスコ内を窒素置換後、塩化ビニル(VCM)20gを圧入充填し、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.4gを添加し、60℃で5時間反応させ、重合体の水性分散液を得た。重合体の組成は、仕込みモノマーの組成にほぼ一致した。得られた重合体の水性分散液を含フッ素重合体濃度が30%固形分となるように水で希釈し、第1のはっ水はつ油剤を得た。
外布を以下の方法で作製した。
ナイロン66フィラメント糸と綿を5/95の混率で電気開繊方式により40番手の混紡糸を作製した。次いで常法により、エアージェット織機を用いて製織し、経糸密度140本/インチ、緯糸密度108本/インチの2/1綾織物を作製した。常法によりこれに毛焼、糊抜、精錬、漂白、シルケット、染色、ソーピング処理を行い、外布用織物を作製した。
更に防火加工として、N−メチロールジメチルホスホノプロピオン酸アミドを主成分とするピロバテックス(登録商標)CP(ハンツマン アドバンスト マテリアルズ社製)を40質量%、塩化アンモニウムを0.5質量%含む水溶液に得られた織物を浸漬し、ピックアップが65%となるように絞り、乾燥・熱処理を行った。
その後、得られた外布を、水を分散媒として5質量%に調整した製造例1で得た第1のはっ水はつ油剤を含有する加工浴に浸漬し、ピックアップが50%となるように絞り、乾燥後、180℃で熱処理を施した。
得られた綾織物は、厚さ0.23mm、目付175g/m2、通気性は水位計1.27cmの圧力差で18cm3/cm2・s、はっ水度4級、はつ油度5級であった。
液遮断層A〜Cを以下の方法で作製した。
下層としてPET製スパンレース不織布(ユウホウ株式会社製、目付40g/m2)を使用し、該PET製スパンレース不織布の片面に、ポリエステル系不織布状熱可塑性接着剤(呉羽テック株式会社製「ダイナック(登録商標)LNS0015」、目付15g/m2)を重ね合わせた。該ポリエステル系不織布状熱可塑性接着剤側の表面へ、エレクトロスピニング方式により、平均単繊維直径200nm、目付0.5g/m2となるように、ポリウレタン製ナノファイバー不織布を作製した。その後、該ポリウレタン製ナノファイバー不織布側に、前記ポリエステル系不織布状熱可塑性接着剤(呉羽テック株式会社製「ダイナック(登録商標)LNS0015」)を重ね、その上に前記PET製スパンレース不織布(ユウホウ株式会社製、目付40g/m2)を積層し、加熱ローラで圧着して、液遮断層用の積層構造体を作製した。
次いでこの積層構造体を、5質量%の製造例1〜2で得た第1のはっ水はつ油剤を含有する水分散液(加工浴)に浸漬して、ピックアップが100%となるように絞り、100℃で2分間乾燥処理した。その後、180℃で1分間キュアを施し、製造例1の第1のはっ水はつ油剤で処理された液遮断層A1と、製造例2の第1のはっ水はつ油剤で処理された液遮断層A2を作製した。
液遮断層A1、A2の特性を評価したところ、A1、A2共にはっ水度は4級、はつ油度は5級、耐液体浸透性試験の判定は「〇」であった。また液遮断層A1、A2は、厚さ1.1mm、目付96g/m2、通気性は水位計1.27cmの圧力差で13cm3/cm2・sであった。
ポリウレタン製ナノファイバー不織布を、ポリアミド製メルトブローン不織布(平均単繊維直径0.9μm、目付15g/m2、厚み0.1mm)に代えたこと以外は、液遮断層A1と同様の方法により、製造例1の第1のはっ水はつ油剤で処理された液遮断層Bを作製した。
液遮断層Bの特性を評価したところ、はっ水度は4級、はつ油度は5級、耐液体浸透性試験の判定は「〇」であった。また液遮断層Bは、厚さ1.3mm、目付129g/m2、通気性は水位計1.27cmの圧力差で15cm3/cm2・sであった。
22ゲージ6枚筬ダブルラッセル機により、地糸としてナイロンフィラメント糸(84dtex、24フィラメント)を、パイル糸としてナイロンフィラメント(176dtex、モノフィラメント)を夫々供給し、図5の組織及び糸配列で経編地を編成した後、定法により精練し、酸性染料で染色した。次に、該編地を半裁しカットパイルとした後、パイル先端部を熱溶融し球状物を形成させた。その後、この液遮断層を5質量%の製造例1で得た第1のはっ水はつ油剤を含有する水分散液(加工浴)に浸漬して、ピックアップが40%となるように絞り、100℃で2分間乾燥処理した。次いで、180℃で1分間キュアを施し、液遮断層Cを作製した。
液遮断層Cの特性を評価したところ、球状物面におけるはっ水度は4級、はつ油度は5級、耐液体浸透性試験の判定は「〇」であった。また液遮断層Cは、厚さ1.94mm、目付145g/m2、通気性は水位計1.27cmの圧力差で278cm3/cm2・sであった。
ガス吸着層として、編物の形態の繊維状活性炭を以下の方法で作製した。単糸繊度2.2dtex、20番手のノボラック系フェノール樹脂繊維紡績糸からなる目付220g/m2の丸編物を410℃の不活性雰囲気中で30分間加熱し、次に水蒸気を12容量%含有する雰囲気中で890℃の温度で2時間賦活した。得られたガス吸着層は、絶乾質量が100g/m2、BET比表面積が1500m2/g、厚さが1.00mm、通気性が水位計1.27cmの圧力差で200cm3/cm2・s、トルエン吸着性能(トルエンガス平衡吸着量)が50g/m2であった。
外布、液遮断層、ガス吸着層を重ね合わせた防護衣服材料を用いて、加圧耐液浸透性試験、耐粒子濾過性試験及び耐ガス浸透性試験を実施した。結果を表1に示す。なお、実施例3では、カットパイル編地のパイル層が外布に、パイル層の反対面がガス吸着層に向くように積層した。また実施例5では、はっ水はつ油処理が行われていない外布を積層した。
液遮断層を処理するはっ水はつ油剤として、旭硝子株式会社製「AG−7105」のフッ素系はっ水はつ油剤を使用した以外は実施例1と同様の方法で防護衣服材料を作製し、加圧耐液浸透性試験及び耐ガス浸透性試験を実施した。結果を表1に示す。
液遮断層を処理するはっ水はつ油剤を、下記のはっ水はつ油剤(いずれもPFOAフリー)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で防護衣服材料を作製し、加圧耐液浸透性試験及び耐ガス浸透性試験を実施した。結果を表2に示す。
比較例1:日華化学株式会社製「NKガードS−11」(フッ素系はっ水剤)
比較例2:旭硝子株式会社製「AG−E092」(フッ素系はっ水剤)
液遮断層を処理するはっ水はつ油剤を、下記のはっ水はつ油剤(いずれもPFOAフリー)に変更した以外は、実施例2と同様の方法で防護衣服材料を作製し、加圧耐液浸透性試験及び耐ガス浸透性試験を実施した。結果を表2に示す。
比較例3:日華化学株式会社製「NKガードS−11」(フッ素系はっ水剤)
比較例4:旭硝子株式会社製「AG−E092」(フッ素系はっ水剤)
液遮断層を処理するはっ水はつ油剤を、下記のはっ水はつ油剤(いずれもPFOAフリー)に変更した以外は、実施例3と同様の方法で防護衣服材料を作製し、加圧耐液浸透性試験及び耐ガス浸透性試験を実施した。結果を表2に示す。
比較例5:日華化学株式会社製「NKガードS−11」(フッ素系はっ水剤)
比較例6:旭硝子株式会社製「AG−E092」(フッ素系はっ水剤)
2 液遮断層
3 ガス吸着層
4 防護衣服材料
5 おもり
6 スライドガラス
7 濾紙
8a 上方セル(150cc)
8b 下方セル(150cc)
9 パラフィンシーリング
10 試験液
11 サンプリング口
12 ダクト
13 流量計
14 バルブ
15 ブロワー
16 サンプリング管
17 粒子計測器
Claims (11)
- 外布、液遮断層及びガス吸着層の積層構造を含む防護衣服材料であって、
前記液遮断層には、第1のはっ水はつ油剤として、下記式(1):
CH2=C(−Cl)−C(=O)−X−Y−Rf …(1)
[式中、Xは−O−又は−NH−であり、Yは直接結合又は二価の有機基であり、Rfは炭素数1〜20のフルオロアルキル基である。]で表されるフルオロアルキル基を有するα−クロロアクリレート(A)から誘導される繰り返し単位、及びフルオロアルキル基を有さず、炭素数6以上の炭化水素基を有する非フッ素単量体(B)から誘導される繰り返し単位を含む含フッ素重合体が固着していることを特徴とする防護衣服材料。 - 前記外布に第2のはっ水はつ油剤が固着した請求項1に記載の防護衣服材料。
- 前記液遮断層は、JIS L 1092 7.2スプレー法により測定されるはっ水度が2級以上であり、AATCC Test Method 118法により測定されるはつ油度が2級以上である請求項1又は2に記載の防護衣服材料。
- 前記含フッ素重合体が、更にフッ素原子を含まない単量体(C)から誘導される繰り返し単位を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の防護衣服材料。
- 前記単量体(C)は、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンの少なくとも1種である請求項4に記載の防護衣服材料。
- 前記外布に前記第1のはっ水はつ油剤が固着しており、
前記外布は、JIS L 1092 7.2スプレー法により測定されるはっ水度が3級以上であり、AATCC Test Method 118法により測定されるはつ油度が4級以上である請求項2〜5のいずれか1項に記載の防護衣服材料。 - 前記第1のはっ水はつ油剤がカチオン性界面活性剤を2種以上含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の防護衣服材料。
- 前記カチオン性界面活性剤が、下記式(3):
(R 6 ) p N + (R 7 ) 4-p Z - …(3)
[式中、R 6 は、炭素数8以上の直鎖状及び/又は分岐状の脂肪族基であり、R 7 は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基又はポリオキシエチレン基であり、pが1のとき3本のR 7 は、互いに結合して環を形成していてもよい。Zは、アニオンを形成する基であり、pは1又は2である。]で表されるアンモニウム塩であり、
少なくとも、前記式(3)においてpが1であるカチオン性界面活性剤と、前記式(3)においてpが2であるカチオン性界面活性剤を含む請求項7に記載の防護衣服材料。 - 前記pが1であるカチオン性界面活性剤と、前記pが2であるカチオン性界面活性剤のモル比が0.5/1〜20/1である請求項8に記載の防護衣服材料。
- 前記液遮断層は、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸式不織布またはエレクトロスピニング式不織布のいずれかの面に補強用の基材が積層されてなる積層体か、或いは、カットパイル織編物である請求項1〜9のいずれか1項に記載の防護衣服材料。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の防護衣服材料を用いることを特徴とする防護衣服。
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