JP5783955B2 - 能動型振動絶縁装置 - Google Patents

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本発明は、振動源から振動を嫌う機器への振動の伝わりを抑制する能動型振動絶縁装置に関する。
従来、半導体製造装置など振動を嫌う精密機器には、振動源から精密機器への振動の伝わりを抑制することを目的として振動絶縁装置が用いられる。振動絶縁装置は、一般的にコイルばねなどの弾性要素とオイルダンパなどの減衰要素を組み合わせて構成され、コイルばねやオイルダンパなどの受動的な要素のみで構成された振動絶縁装置は受動型振動絶縁装置と呼ばれる。受動型振動絶縁装置における振動絶縁性能は、絶縁装置によって支持される物体の質量と弾性要素の剛性とから決定される振動絶縁装置そのものの固有振動数によって規定され、固有振動数が低いほど振動絶縁性能が高くなる。そのため、受動型振動絶縁装置の振動絶縁性能を向上しようとする場合、支持される物体質量が固定であれば、弾性要素の剛性を低くする必要がある。
しかし、一方で弾性要素の剛性は、支持物体の静荷重による弾性要素の変形量が増大した場合でも、弾性要素が降伏しないような高い剛性とする必要があるため、下限が存在しており、一定以上低い剛性とすることが困難である。このため、非常に高い振動絶縁性能が要求されるような精密機器の振動絶縁に対しては、受動型振動絶縁装置では十分な性能が得られない場合がある。
受動型振動絶縁装置の振動絶縁性能を向上させる方法として、受動型振動絶縁装置にアクチュエータを追加した能動型振動絶縁装置が知られている。例えば特許文献1に開示される能動型振動絶縁装置は、受動型振動絶縁装置と並列にアクチュエータが追加され、さらに受動型振動絶縁装置に対して並列に配設コイルばねが配設され、そのコイルばねの変形によって生じる復元力を測定するためのロードセルがコイルばねに対して直列に接続された構成を備えている。装置動作時は、被支持物体と振動源との間の相対変位によって生じたコイルばねの復元力をロードセルで検知し、ロードセルが検知した復元力に応じてアクチュエータを駆動制御することで振動絶縁性能を高めている。
特許第4827813号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の能動型振動絶縁装置でアクチュエータの制御入力信号として使用されるロードセルには、無負荷時においても出力信号が完全にゼロとならず、ある一定の微小信号が出力されるゼロ点オフセットが存在する。加えて、ロードセルは周辺温度環境の変化に応じて出力信号が変化する温度ドリフト特性も有しているため、ロードセルが検知したコイルばねの復元力の出力信号には、ゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した誤差が含まれる。このため、そのような誤差を含む信号に基づいてアクチュエータを駆動制御すると振動絶縁性能の低下を招き、能動型振動絶縁装置でも十分な振動絶縁性能が得られないという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、可及的に高い振動絶縁性能を発揮する振動絶縁装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、床に設置されて被支持物体を支持する能動型振動絶縁装置であって、前記床と前記被支持物体との間に配設されて前記床から前記被支持物体への振動を受動的に低減する受動型振動絶縁装置と、前記受動型振動絶縁装置が配設されている方向に前記受動型振動絶縁装置が受ける第1の力を計測する力計測部と、前記被支持物体の加速度を計測する加速度計測部と、前記床と前記被支持物体との間に前記受動型振動絶縁装置に対して並列に配設され、配設されている方向に第2の力を発生するアクチュエータと、前記アクチュエータに制御信号を供給して、前記第1の力と前記第2の力とが互いに打ち消し合うように前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動装置と、を備え、前記アクチュエータ駆動装置は、前記力計測部の出力信号から当該出力信号の誤差成分を含む低周波成分を除去するハイパスフィルタと、前記加速度計測部の出力信号に基づいて前記ハイパスフィルタによって除去された低周波成分を補償する補償器と、前記ハイパスフィルタの出力信号と前記補償器の出力信号とに基づいて前記アクチュエータに供給する制御信号を生成する制御器と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、能動型振動絶縁装置は、力計測部の誤差成分を考慮してアクチュエータを駆動することができるので、可及的に高い振動絶縁性能を発揮することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1の能動型振動絶縁装置の構成の概略を示す図である。 図2は、受動型振動絶縁装置1の構成例を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1の能動型振動絶縁装置が具備するフィルタの折点角周波数と振動伝達率との間の関係を示す図である。
以下に、本発明にかかる能動型振動絶縁装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる能動型振動絶縁装置の実施の形態1の構成の概略を示す図である。実施の形態1の能動型振動絶縁装置は、振動を嫌う精密機器が搭載される被支持物体2と振動源が存在する床3と、の間に介挿されて構成され、振動源によって床3に与えられる振動が被支持物体2に搭載された精密機器に伝播することを防止する。被支持物体2に搭載される精密機器としては、例えば半導体製造装置が挙げられる。また、床3に振動を与える振動源としては、例えば冷凍機や回転機などが挙げられる。なお、ここでは被支持物体2に精密機器が搭載されるものとして説明するが、精密機器に直接に能動型振動絶縁装置が接続されて構成されるようにしてもよい。
図示するように、実施の形態1の能動型振動絶縁装置は、被支持物体2と床3との間を接続するように配設され、配設された方向に力を受ける受動型振動絶縁装置1と、受動型振動絶縁装置1に対して直列に接続され、受動型振動絶縁装置1が受ける力を計測する力計測部としてのロードセル5と、受動型振動絶縁装置1とロードセル5とに対して並列に配設され、配列された方向に力を発生させるアクチュエータ4と、受動型振動絶縁装置1が受ける力とアクチュエータ4が発生する力とが互いに打ち消し合うようにアクチュエータ4を駆動制御する駆動ドライバ(アクチュエータ駆動装置)7とを備えている。
駆動ドライバ7は、ロードセル5の出力信号と被支持物体2に搭載された加速度センサ6の出力信号に基づいて、アクチュエータ4を駆動する制御信号を生成する。より詳しくは、駆動ドライバ7は、ロードセル5の出力信号に含まれるゼロ点オフセットと温度ドリフトに起因した低周波変動を除去するフィルタ8と、加速度センサ6の出力信号に対してフィルタ8の影響を補償する補償器9と、加速度センサ6の出力信号に基づいてアクチュエータ4への制御入力を生成する制御器10と、フィルタ8の出力、補償器9の出力、および制御器10の出力を加減算する演算器11と、演算器11の出力の大きさを調整するゲイン12とを含んでいる。ゲイン12の出力はアクチュエータ4に入力される。なお、駆動ドライバ7は、物理的にはマイクロコンピュータなどの演算処理装置とアナログ集積回路などで構成された電気回路にて構成される。
受動型振動絶縁装置1は、コイルばねなどの弾性要素とオイルダンパなどの減衰要素を組み合わせて構成され、床3から伝達される振動が被支持物体2に伝わるのを受動的に低減する。受動型振動絶縁装置1が具備する弾性要素と減衰要素の組み合わせ数や配置方法については、様々な構成が想定され、例えば最も基本的な構成としては弾性要素1つのみの構成が考えられる。この場合、構造が非常に単純となるものの、受動型振動絶縁装置1そのものの固有振動数と同じ周波数の振動については非常に大きな振動が励起されることとなる。これ以外にも、弾性要素と減衰要素それぞれ1つずつを並列に配設する構成や、減衰要素と直列に弾性要素を接続し、それら減衰要素と弾性要素に対して並列に弾性要素を配設する構成などが考えられる。以下では理解を容易にするため、受動型振動絶縁装置1として図2に示すように弾性要素13と減衰要素14とをそれぞれ1つずつを並列に配設した構成を対象に説明を行うが、受動型振動絶縁装置1の構成はこれに限定されない。例えば、振動絶縁を目的とするものであれば弾性要素や減衰要素で組み合わされたどのような構成であっても受動型振動絶縁装置1に対して適用可能である。
アクチュエータ4は、被支持物体2と床3との間に配設され、ロードセル5と加速度センサ6の出力信号に基づいて駆動ドライバ7によって駆動制御されることで、床3からの振動伝達を低減し、受動型振動絶縁装置1の振動絶縁性能を向上する。アクチュエータ4としては、ボイスコイルモータや圧電アクチュエータなどのアクチュエータが要求される仕様や目的に応じて使用される。
ロードセル5は、受動型振動絶縁装置1と直列に接続され、受動型振動絶縁装置1と床3間に働く力を検知する。ロードセル5には、歪みゲージ式や圧電式など計測原理の違いによっていくつかの方式があるが、ロードセル5としてはDC成分や低周波から検知可能なものであれば、方式によらず適用可能である。また、ロードセル5の出力信号は一般的に非常に微小な信号であるため、実際に駆動ドライバ7でロードセル5の出力信号を読み取る際には、ロードセル5と駆動ドライバ7との間に接続されたアンプなどで信号を増幅されて出力信号は読み取られる。具体的には、弾性要素13の剛性をk、減衰要素14の粘性減衰係数をcとし、被支持物体2の絶対変位をx、床3の絶対変位をxとすると、ロードセル5で検知される受動型振動絶縁装置1と床3間の力Fは、数式(1)のように表わされる。
Figure 0005783955
ここで、ロードセル5の出力信号は引張力を正としている。
加速度センサ6は、被支持物体2に搭載され、被支持物体2に生じる加速度d/dtを検知する。加速度センサ6で検知された加速度情報は駆動ドライバ7に出力される。
フィルタ8は、ロードセル5で検知された受動型振動絶縁装置1と床3との間の力Fに対して、ゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波変動を除去するようにフィルタ処理を行い、フィルタ処理後の信号を演算器11に対して出力する。具体的には、受動型振動絶縁装置1と床3間の力Fの出力値に対して、ゼロ点オフセットに起因したDC誤差成分と温度ドリフトに起因した低周波成分を除去し、これらの誤差を含まない信号成分を取り出すために、ハイパスフィルタH(ω)を施す。ここで、ωはハイパスフィルタの折点角周波数を表す。ただし、ハイパスフィルタH(ω)を施すと、フィルタ処理前の力信号Fからは本来振動絶縁性能の向上に必要な低周波信号も失われてしまう。そのため、能動型振動絶縁装置において高い振動絶縁性能を目標とする場合には、フィルタの折点角周波数ωとしては可能な限り低い値が望ましい。
一般的には、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを可能な限り低く設定することで、力信号FからハイパスフィルタH(ω)で除去される振動絶縁性能の向上に必要な信号情報がゼロに近づけられ、折点角周波数ωで設定した値に近い低周波から所望の振動絶縁特性が実現できると予想される。しかし、本発明が初めて明らかとするところでは、ハイパスフィルタH(ω)の次数などのフィルタ構成によらず、ただ折点角周波数ωを低く設定するだけでは、折点角周波数ωで設定した値に近い低周波から所望の振動絶縁特性を実現することができないという新たな課題に直面する。以下、理解を容易にするため、ハイパスフィルタH(ω)として、数式(2)に示す1次のハイパスフィルタの例に説明を行う。ただし、以下の1次のハイパスフィルタを対象とした説明は、より高次のハイパスフィルタについても容易に拡張可能であり、その結論とするところの課題に差異は生じない。
Figure 0005783955
被支持物体2の質量をm、アクチュエータ4の力をFとすると、被支持物体2の運動方程式は数式(3)のように表わされる。
Figure 0005783955
数式(1)と数式(3)との間の関係から、アクチュエータ4の力Fとして、アクチュエータ4がロードセル5で検知される力信号Fと同じ大きさの力を出力すれば、数式(4)に示すように、被支持物体2に与えられる力がゼロとなり、床3から被支持物体2への振動伝達を完全に絶縁することができる。
Figure 0005783955
ただし、実際にはゼロ点オフセットや温度ドリフトの影響を除去するために、ロードセル5で検知された力信号Fに対して数式(2)に示したハイパスフィルタH(ω)を施す必要がある。ハイパスフィルタH(ω)を施した際の運動方程式は数式(5)となる。
Figure 0005783955
ここで、X(s)はラプラス変換後の被支持物体2の変位、X(s)はラプラス変換後の床3の変位を夫々示す。数式(5)を変形して床3の絶対変位xに対する被支持物体2の絶対変位xの伝達率G(s)を計算すると数式(6)を得る。
Figure 0005783955
具体的な数値例を元に、数式(6)に示した伝達率G(s)とハイパスフィルタの折点角周波数ωとの関係を考える。被支持物体2の質量mを1kg、弾性要素13の剛性kを10000N/m、減衰要素14の粘性減衰係数cを1000Ns/mとして、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを2π×10−2、2π×10−4、2π×10−6[rad/s]と変化させた際の伝達率G(s)の変化を図3に示す。
図3からわかるように、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを2π×10−6[rad/s]に設定した場合でも、伝達率G(s)で十分な振動絶縁が得られる周波数は10−1[Hz]程度からとなっており、一般的に予想されるようにハイパスフィルタの折点角周波数と同程度の10−6[Hz]程度からとなっていない。そのため、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを2π×10−6[rad/s](周期にして10日以上)と、フィルタ8の過渡応答を鑑みると現実的には適用できないほど低く設定した場合でも、折点角周波数ωで設定した値に近い低周波から所望の振動絶縁特性が得られない。
以上から、ロードセル5の出力信号に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトの影響を除去しながら低周波数からの振動絶縁特性を実現するためには、単純に構成としてロードセル5の出力信号に対してフィルタ8を追加するだけでは十分ではないことがわかる。
そこで、補償器9は、加速度センサ6の出力信号を元に、フィルタ8で失われたロードセル5の低周波数の振動情報を補償する信号を生成し、演算器11に対して出力する。例えば、補償器9としては、フィルタ8のフィルタ特性の逆特性を有するフィルタで構成することが考えられる。フィルタ8の逆特性を有するフィルタとしては、単純には数式(2)に示したハイパスフィルタ8の分母と分子を入れ替えたフィルタが考えられる。フィルタ8の逆特性を有するフィルタを補償器9として、加速度センサ6の出力信号に施すことで、加速度センサ6の出力信号からフィルタ8で失われたロードセル5の低周波数の振動情報のみを抽出することができる。あるいは、補償器9としては、フィルタ8を施したロードセル5の出力信号と加速度センサ6の出力信号の差から、フィルタ8で失われた低周波数の振動情報を推定する構成も考えられる。この場合も同様に、補償器9によって、フィルタ8で失われたロードセル5の低周波数の振動情報を補償することができる。
制御器10は、加速度センサ6の出力信号を元に、加速度センサ6で検知された被支持物体2の加速度を低減するための制御信号を生成し、演算器11に対して出力する。被支持物体2の加速度を低減し、振動絶縁性能を向上させる制御器の構成としては、例えば加速度センサ6の出力信号に対してPI制御を施す構成が考えられる。
演算器11は、フィルタ8と補償器9、制御器10から出力された各信号を各信号の符号に応じて加減算し、ゲイン12に対して出力する。例えば、演算器11は、フィルタ8の出力値から制御器10および補償器9の出力値から減算し、当該減算により得られた値を出力する。
ゲイン12は、演算器11から送信された信号に対して、信号情報を増幅ないしは低減するようゲインを積算することでアクチュエータ4の駆動制御信号を生成し、アクチュエータ4へ出力する。
以上述べたように、本発明の実施の形態1によれば、能動型振動絶縁装置は、力計測部としてのロードセル5の出力信号の誤差成分を含む低周波成分を除去するハイパスフィルタ特性を有するフィルタ8と、被支持物体2の加速度情報に基づいてフィルタ8によって除去された低周波成分を補償する補償器9と、フィルタ8の出力信号と補償器9の出力信号とに基づいてアクチュエータ4の駆動制御信号を生成する制御器(制御器10、演算器11、およびゲイン12)と、を備えるように構成したので、力計測部の誤差成分を考慮してアクチュエータ4を駆動することができるようになる。即ち、実施の形態1の能動型振動絶縁装置は、可及的に高い振動絶縁性能を発揮することができる。
また、力測定部としてのロードセル5は、誤差成分としてゼロ点オフセット(オフセット誤差)や温度ドリフト特性に起因する変動成分を含むが、フィルタ8により低周波成分ごと除去されるとともに、失われた低周波成分が補償器9により補償されるように構成されるので、ロードセル5の出力信号に無負荷時のオフセット信号が含まれる場合や周辺温度環境の変化によって出力信号が変化した場合でも、常にオフセット信号や温度変化による出力信号の変化を除去した高い振動絶縁性能を得ることが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では、受動型振動絶縁装置1に直列に接続したロードセル5の出力信号に対してフィルタ8を施し、フィルタ8の出力信号を使用してアクチュエータ4を駆動制御する構成を説明したが、これに限ることなく、ロードセル5の代わりに被支持物体2と床3との相対変位を検知する相対変位センサを用いる構成としても良い。この構成によれば、力測定部は、相対変位センサの出力信号に基づいて受動型振動絶縁装置1が被支持物体2と床3とから受ける力を算出する。以下、被支持物体2と床3との相対変位を検知する相対変位センサを用いる構成について説明する。なお、ロードセル5の代わりに相対変位センサを用いる構成以外は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
数式(1)に示したロードセル5で検知する受動型振動絶縁装置1と床3間の力Fは、相対変位センサで検知される被支持物体2と床3との相対変位x−xを用いて数式(7)のように計算される。
Figure 0005783955
ここで、FLDは相対変位から計算された力Fの推定値、kは弾性要素13の剛性の設計値、cは減衰要素14の粘性減衰係数の設計値である。もし、弾性要素13の剛性と減衰要素14の粘性減衰係数の実物の値が設計値と非常に良く一致している場合には、数式(1)に示したロードセル5が検知する力Fと、数式(7)から計算される力FLDは一致する。ただし、現実的には減衰要素14の粘性減衰係数の値を設計値と実物の値で非常に高い精度で一致させることは非常に困難であり、また粘性減衰係数の値は周辺温度環境によって値が変化するため、ロードセル5の出力信号と同様に、数式(7)で計算された力FLDは真値の力に対してDCオフセット誤差や温度変化による低周波変動誤差を持つ。そのため、実施の形態2による構成が採用されない場合には、ロードセル5を用いる構成と同様に、DCオフセット誤差や温度変化による低周波変動誤差に起因して振動絶縁性能の低下を招くこととなる。
このように、力測定部がロードセル5の代わりに相対変位センサを用いて構成される場合、力測定部の出力信号には、オフセット誤差や温度変化による低周波変動誤差が誤差成分として含まれるが、これらの誤差成分は実施の形態1と同様にフィルタ8によって除去されるとともに、フィルタ8によって除去された低周波成分は補償器9によって補償される。したがって、実施の形態2の能動型振動絶縁装置は、実施の形態1と同様に、可及的に高い振動絶縁性能を発揮することができる。
また、力測定部が相対変位センサを用いて構成される場合、受動型振動絶縁装置1と直列にロードセル5を接続する必要がなくなるため、ロードセル5そのものの剛性が受動型振動絶縁装置1の弾性要素13の剛性と近い場合に生じる絶縁性能の低下を避けられるという効果がある。
実施の形態3.
実施の形態1および2では、被支持物体2に搭載した加速度センサ6の出力信号に対して、補償器9と制御器10を施す構成を説明したが、これに限ることなく、別の種類のセンサを単体ないしは複数用いて被支持物体2の加速度情報を検知する構成としても良い。具体的には、床3に搭載した加速度センサで検知される情報と、相対変位センサで検知した被支持物体2と床3との間の相対変位を2階時間微分して計算される被支持物体2と床3との間の相対加速度情報とから、被支持物体2の加速度情報を計算する構成としても良い。あるいは、相対変位センサを用いる代わりに、ジオフォンなどの相対速度センサで検知した被支持物体2と床3との間の相対速度を1階時間微分することで、被支持物体2と床3との間の相対加速度情報を得る構成としても良い。このように被支持物体2に加速度センサ6を搭載せずに、被支持物体2に加速度センサ6を搭載した際と同等の出力信号を得る構成とすることで、構造上被支持物体2に加速度センサ6を搭載することが困難な場合に、設計時にセンサ配置の自由度が増すという効果がある。加えて、被支持物体2に微小な発熱を嫌う精密機器が搭載される場合には、加速度センサ6が発する熱が精密機器に与える影響を除外できるという効果がある。
以上のように、本発明にかかる能動型振動絶縁装置は、振動源から振動を嫌う機器への振動の伝わりを抑制する能動型振動絶縁装置に適用して好適である。
1 受動型振動絶縁装置
2 被支持物体
3 床
4 アクチュエータ
5 ロードセル
6 加速度センサ
7 駆動ドライバ
8 フィルタ
9 補償器
10 制御器
11 演算器
12 ゲイン
13 弾性要素
14 減衰要素

Claims (4)

  1. 床に設置されて被支持物体を支持する能動型振動絶縁装置であって、
    前記床と前記被支持物体との間に配設されて前記床から前記被支持物体への振動を受動的に低減する受動型振動絶縁装置と、
    前記受動型振動絶縁装置が配設されている方向に前記受動型振動絶縁装置が受ける第1の力を計測する力計測部と、
    前記被支持物体の加速度を計測する加速度計測部と、
    前記床と前記被支持物体との間に前記受動型振動絶縁装置に対して並列に配設され、配設されている方向に第2の力を発生するアクチュエータと、
    前記アクチュエータに制御信号を供給して、前記第1の力と前記第2の力とが互いに打ち消し合うように前記アクチュエータを駆動するアクチュエータ駆動装置と、
    を備え、
    前記アクチュエータ駆動装置は、
    前記力計測部の出力信号から当該出力信号の誤差成分を含む低周波成分を除去するハイパスフィルタと、
    前記加速度計測部の出力信号に基づいて前記ハイパスフィルタによって除去された低周波成分を補償する補償器と、
    前記ハイパスフィルタの出力信号と前記補償器の出力信号とに基づいて前記アクチュエータに供給する制御信号を生成する制御器と、
    を備えることを特徴とする能動型振動絶縁装置。
  2. 前記力計測部は、ロードセルであって、
    前記力計測部の出力信号の誤差成分は、前記ロードセルのオフセット誤差または温度ドリフト特性に起因する変動成分である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の能動型振動絶縁装置。
  3. 前記力計測部は、前記被支持物体と前記床との間の相対変位を測定する相対変位センサを備え、前記第1の力の算出時に使用する前記受動型振動絶縁装置の剛性および粘性減衰係数の設計値と前記相対変位センサの出力信号とに基づいて前記第1の力を算出し、
    前記力計測部の出力信号の誤差成分は、前記受動型振動絶縁装置の剛性および粘性減衰係数の設計値と夫々の実物値とのDC誤差、または温度変化に起因する粘性減衰係数の変動成分である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の能動型振動絶縁装置。
  4. 前記加速度計測部は、前記被支持物体と前記床との間の相対変位を測定する相対変位センサまたは前記被支持物体と前記床との間の相対速度を測定する相対速度センサを備え、前記相対変位センサまたは前記相対速度センサの出力信号に基づいて前記被支持物体の加速度を算出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れか一項に記載の能動型振動絶縁装置。
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