JP6075252B2 - 能動型振動絶縁装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動源から対象物への振動の伝達を抑制する能動型振動絶縁装置に関するものである。
従来の能動型振動絶縁装置では、受動型振動絶縁部と並列にアクチュエータが追加され、さらに受動型振動絶縁部に対して並列にコイルばねが設置され、そのコイルばねの変形によって生じる復元力を測定するためのロードセルがコイルばねに対して直列に接続されている。被支持物体と振動源との間の相対変位によって生じたコイルばねの復元力をロードセルで検知し、ロードセルが検知した復元力に応じてアクチュエータを駆動制御することで振動絶縁性能を高めている。(例えば、特許文献1参照)
特開2009−74566号公報
しかしながら、ロードセルなどの力計測部の出力信号は、無負荷状態においても微少信号が出力されるゼロ点オフセットを含んでおり、さらに、周辺温度環境の変化によって出力信号が変化する温度ドリフト特性を有している。そのため、このような誤差を含む力計測部の出力信号に基づいてアクチュエータを駆動制御すると、能動型振動絶縁装置の振動絶縁性能が低下し、十分な振動絶縁性能が得られないという問題があった。
本発明は前記のような問題を解決するためになされたもので、周辺温度環境の変化によらず常に高い振動絶縁性能を持った能動型振動絶縁装置を提供することを目的としている。
本発明による能動型振動絶縁装置は、床と被支持物体との間に配置され床から被支持物
体への振動を受動的に低減する受動型振動絶縁部と、受動型振動絶縁部に直列に設置され
受動型振動絶縁部が受ける力を計測する力計測部と、床に対する被支持物体の相対変位を
計測する相対変位計測部と、力計測部の出力から誤差成分を含む低周波成分を除去する低
周波成分除去フィルタと、相対変位計測部の出力から受動型振動絶縁部に作用する力を推
定する力推定部および相対変位計測部の出力を微分する微分器を有し、力推定部および微分器の出力に基づいて低周波成分除去フィルタによって除去された低周波成分を補償してアクチュエータ制御信号を生成する補償器と、床と被支持物体との間に受動型振動絶縁部および力計測部と並列に設置されアクチュエータ制御信号を入力として床に対する被支持物体の相対的な位置変化を補償するアクチュエータとを備えるものである。
本発明によれば、床と被支持物体との間に配置され床から被支持物体への振動を受動的
に低減する受動型振動絶縁部と、受動型振動絶縁部に直列に設置され受動型振動絶縁部が
受ける力を計測する力計測部と、床に対する被支持物体の相対変位を計測する相対変位計
測部と、力計測部の出力から誤差成分を含む低周波成分を除去する低周波成分除去フィル
タと、相対変位計測部の出力から受動型振動絶縁部に作用する力を推定する力推定部および相対変位計測部の出力を微分する微分器を有し、力推定部および微分器の出力に基づいて低周波成分除去フィルタによって除去された低周波成分を補償してアクチュエータ制御信号を生成する補償器と、床と被支持物体との間に受動型振動絶縁部および力計測部と並列に設置されアクチュエータ制御信号を入力として床に対する被支持物体の相対的な位置変化を補償するアクチュエータとを備えているので、力計測部を備えた能動型振動絶縁装置において高い振動絶縁性能を得ることができる。


本発明の実施の形態1による能動型振動絶縁装置の構成図である。 本発明の実施の形態1による受動型振動絶縁部の例を示す構成図である。 本発明の実施の形態1によるフィルタの折点角周波数と振動伝達率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態1による補償器を示す構成図である。 本発明の実施の形態2による能動型振動絶縁装置の構成図である。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1による能動型振動絶縁装置の一例を示したものである。本発明の実施の形態1による能動型振動絶縁装置1は、精密機器などが搭載される被支持物体2と振動源が存在する床3との間に構成されており、振動源によって床3に与えられた振動が被支持物体2に搭載された精密機器に伝搬することを防止する。被支持物体2に搭載される精密機器としては、例えば、半導体製造装置などがある。また、床3に振動を与える振動源としては、例えば、冷凍機や回転機などがある。なお、実施の形態1においては、精密機器が被支持物体2に搭載され、被支持物体2に能動型振動絶縁装置が接続されるものとして説明するが、精密機器に直接に能動型振動絶縁装置が接続される構成であっても良い。
被支持物体2と床3との間に構成される能動型振動絶縁装置1は、設置された方向に力を受ける受動型振動絶縁部4と、受動型振動絶縁部4に対して直列に接続され受動型振動絶縁部4が受ける力を計測する力計測部5と、受動型振動絶縁部4に対して並列に接続され設置された方向に力を発生するアクチュエータ6と、被支持物体2と床3の相対変位を計測する相対変位計測部7と、力計測部5の出力信号および相対変位計測部7の出力信号からアクチュエータ6を駆動制御するアクチュエータ駆動部8とから構成されている。
アクチュエータ駆動部8は、力計測部5の出力信号に含まれる「ゼロ点オフセット」と「温度ドリフトに起因した低周波変動」を除去する低周波成分除去フィルタ9と、相対変位計測部7の出力信号を用いて低周波成分除去フィルタ9の影響を補償する補償器10とから構成される。なお、アクチュエータ駆動部8は、例えば、マイクロコンピュータなどの演算装置とアナログ集積回路とで構成された電気回路などによって実現される。アクチュエータ駆動部8は、力計測部5および相対変位計測部7からの信号を元に、アクチュエータ6を制御する信号を出力する。
受動型振動絶縁部4は、コイルばねなどの弾性要素とオイルダンパなどの減衰要素とを組み合わせたものであり、床3から伝達される振動が被支持物体2に伝わることを受動的に低減する。受動型振動絶縁部4における弾性要素と減衰要素の組み合わせについては、様々な構成が想定される。例えば、受動型振動絶縁部4が弾性要素1つのみで構成される場合は、構造が非常に単純になるものの、受動型振動絶縁部4の固有振動数と同じ周波数の振動については非常に大きな振動が励起される。本発明の実施の形態1における受動型振動絶縁部4は、理解を容易にするために、図2に示すように弾性要素11と減衰要素12とが並列に設置された構成として説明する。ただし、本発明における受動型振動絶縁部4の構成はこれに限るものではなく、振動絶縁を行うものであれば弾性要素と絶縁要素をどの様に組み合わせても良い。
アクチュエータ6は、被支持物体2と床3との間に設置され、アクチュエータ駆動部8からのアクチュエータ制御信号を入力として、被支持物体2の床3に対する相対的な位置の変化を補償するように動作するものである。アクチュエータ6としては、ボイスコイルモータや圧電アクチュエータなどが使用される。
力計測部5は、床3と被支持物体2との間で、受動型振動絶縁部4と直列に接続され、受動型振動絶縁部4に働く力を検知する。力計測部5としては、例えば、歪みゲージ式のロードセルや圧電式のロードセルなどが使用される。ロードセルにはいくつかの方式があるが、本発明における力計測部5は、受動型振動絶縁部4に働く力をDC成分に近い低周波成分も含めて検知できるものであれば、どの様なものでもかまわない。また、力計測部5の出力信号は非常に微少な信号であるため、アンプなどで信号を増幅してからアクチュエータ駆動部8へ出力しても良い。
例えば、弾性要素11の剛性係数をk、減衰要素12の粘性減衰係数をcとし、被支持物体2の絶対変位をx、床3の絶対変位をx、時間をtとすると、力計測部5で検出される受動型振動絶縁部4と床3との間の力Fは、以下の式で表される。
Figure 0006075252
ここで、力計測部5の出力信号Fは、引張力を正としている。また、δFは、力計測部5の出力に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波の誤差成分である。
相対変位計測部7は、被支持物体2の絶対変位xと床3の絶対変位xとの差に相当する相対変位x−xを検知し、この値をアクチュエータ駆動部8に出力する。相対変位計測部7は、例えば、被支持物体2にレーザ測距センサ、レーザ干渉計、超音波センサなどを設置し、床3からの反射波を受信することにより実現する。また、被支持物体2に搭載した加速度センサからの出力と床3に搭載した加速度センサからの出力との差分情報を、時間方向に2階積分することにより、相対変位を求めても良い。さらに、被支持物体2に搭載した速度センサからの出力と床3に搭載した速度センサからの出力との差分情報を、時間方向に1階積分することにより、相対変位を求めても良い。ここで、相対変位計測部7は、相対変位x−xを検知できるものであればどの様なものであってもかまわない。
低周波成分除去フィルタ9は、力計測部5から出力された受動型振動絶縁部4と床3との間の力Fに対して、ゼロ点オフセット成分や温度ドリフト成分である低周波の誤差成分を含む低周波成分を除去し、補償器10に出力する。
力計測部5としてロードセルを使用した場合、その出力には、ある一定の微少信号であるゼロ点オフセットが含まれている。ゼロ点オフセットは、その値がほとんど変化しないため、力計測部5の出力のDC誤差成分と考えることができる。さらに、力計測部5の出力には、温度ドリフトに起因した温度ドリフト成分が含まれている。温度ドリフト成分は、温度が変化しないときはその値が変化しないため、力計測部5の出力のDC誤差成分と考えることができる。また、温度が変化するときは温度の変化に伴ってその値が非常にゆっくりと変化するため、力計測部5の出力の低周波の誤差成分と考えることができる。
低周波成分除去フィルタ9では、力計測部5の出力からこれらのゼロ点オフセットと温度ドリフト成分を除去するために、ハイパスフィルタH(ω)を施す。ここで、ωは、ハイパスフィルタの折点角周波数を表している。ただし、力計測部5の出力にハイパスフィルタを施すと、本来の受動型振動絶縁部4が受ける力を計測した成分のうち低周波成分が失われてしまう可能性がある。ここでは、温度ドリフト成分の時間変化による周波数は非常に低いことから、この温度ドリフト成分のみを除去できるようにするために、ハイパスフィルタH(ω)の折点角周波数ωをできる限り低い周波数に設定することになる。
ここで、一般的には、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを可能な限り低く設定することにより、力計測部の出力から失われる低周波成分を可能な限り少なくすることができ、能動型振動絶縁装置1において高い振動絶縁特性が実現できると考えられる。
ただし、ハイパスフィルタH(ω)の次数などのフィルタ構成によらず、ただ折点角周波数ωを低く設定するだけでは、十分な振動絶縁特性を実現することができないという場合がある。以下に、理解を容易にするために、ハイパスフィルタH(ω)として以下の式で表される1次元ハイパスフィルタを適用した場合について説明する。ただし、以下に説明する事柄については、より高次のハイパスフィルタへの拡張も可能であり、本質的な事柄についてはハイパスフィルタの次数には依存しない。
Figure 0006075252
被支持物体2の質量をm、アクチュエータ6の力をFとすると、被支持物体2の運動方程式は以下のように表わされる。
Figure 0006075252
式(1)と式(3)から、アクチュエータ6の力Fが力計測部5で検出される受動型振動絶縁部4と床3との間の力Fと同じであれば、以下の関係が成り立つ。
Figure 0006075252
ここで、力計測部5に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波の誤差成分であるδFがゼロとなれば、被支持物体2に与えられる力がゼロとなり、床3から被支持物体2への振動伝達を完全に絶縁することができる。
力計測部5に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波の誤差成分であるδFをゼロにするためには、力計測部5の出力信号Fに対して式(2)で示されるハイパスフィルタH(ω)を適用しなければならない。ハイパスフィルタH(ω)を適用したときの運動方程式は、以下のようになる。
Figure 0006075252
ここで、X(s)は被支持物体2の絶対変位xをラプラス変換したもの、X(s)は床3の絶対変位xをラプラス変換したものである。式(5)を変形して床3の絶対変位xに対する被支持物体2の絶対変位xの伝達率G(s)を求めると、以下のようになる。
Figure 0006075252
具体的な数値例を元に、式(6)に示した伝達率G(s)とハイパスフィルタの折点角周波数ωとの関係を考える。被支持物体2の質量mを1kg、弾性要素11の剛性係数kを10000N/m、減衰要素12の粘性減衰係数cを1000Ns/mとして、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを2π×10−2、2π×10−4、2π×10−6[rad/s]としたときの伝達率G(s)の様子を、図3に示す。
例えば、図3において、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを2π×10−6[rad/s]に設定したときの伝達率G(s)は、十分な振動絶縁性能が得られる周波数は10−1[Hz]程度より高周波の領域であり、ハイパスフィルタの折点角周波数である10−6[Hz]あたりから10−1[Hz]程度までの周波数成分は除去できないことになる。そのため、ハイパスフィルタの折点角周波数ωを2π×10−6[rad/s]とした場合、すなわち、除去できる温度ドリフトの温度変化周期を10日以上とした場合でも、10−1[Hz]程度の振動が床3から被支持物体2に伝わることになる。
以上のことから、力計測部5の出力信号に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトの影響を除去しながら低周波数からの振動絶縁特性を得るためには、力計測部5の出力信号に対して低周波成分除去フィルタ9を追加するだけでは不十分であることが分かる。そこで、本実施の形態では、補償器10を追加することにより、相対変位計測部7の出力信号を元に低周波成分除去フィルタ9で失われた力計測部5の低周波数の振動情報を補償する。
図4は、補償器10の構成を示したものである。補償器10は、低周波成分除去フィルタ9の出力信号と相対変位計測部7の出力信号とを入力として、アクチュエータ6への制御信号を出力する。補償器10は、力推定部13と、第1フィルタ14と、微分器15と、第2フィルタ16と、第3フィルタ17とから構成される。
力推定部13では、相対変位計測部7の出力である被支持物体2の絶対変位xと床3の絶対変位xとの差である相対変位x−xから、以下の式をもとに推定力Fを求める。
Figure 0006075252
ここで、kは弾性要素11の剛性係数の設計値、cは減衰要素12の粘性減衰係数の設計値である。ここで、弾性要素11の実際の剛性係数kが設計値kとほぼ同じ値であり、減衰要素12の実際の粘性減衰係数cが設計値cとほぼ同じ値である場合は、式(1)に示された力計測部5が検知する力Fと、式(7)に示された力推定部13の出力である推定力Fは、一致する。ただし、現実には、弾性要素11の実際の剛性係数kを高い精度で設計値kに一致させることは可能であるが、減衰要素12の実際の粘性減衰係数cを高い精度で設計値cに一致させることは非常に困難である。さらに、周辺温度が変化すると粘性減衰係数の値が変化してしまうため、力推定部13の出力である推定力Fは、力計測部5が検知する力Fに対して実際の粘性減衰係数cと設計値cとの差に起因する誤差を含む。
減衰要素12の実際の粘性減衰係数cと設計値cとの差をδcとし、弾性要素11の実際の剛性係数kが設計値kと一致しているとすると、式(7)は以下のようになる。
Figure 0006075252
第1フィルタ14は、力推定部13の出力である推定力Fにフィルタ処理を行い、低周波成分除去フィルタ9の出力信号との差分を計算するための信号を与える。第1フィルタ14の構成としては、例えば、低周波成分除去フィルタ9と同じ特性を持つハイパスフィルタH(ω)とする。第1フィルタ14として、力計測部5に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波の誤差成分であるδFをゼロにするような、低周波成分除去フィルタ9と同じ特性を持つハイパスフィルタH(ω)を用いた場合、低周波成分除去フィルタ9の出力信号と第1フィルタ14の出力信号の差分であるδFは、以下のように表される。
Figure 0006075252
なお、第1フィルタ14は低周波成分除去フィルタ9と同じ特性を持つとして説明するが、δFをゼロにするようなフィルタであればどの様なものでもよい。
一方、微分器15は、相対変位計測部7の出力である被支持物体2の絶対変位xと床3の絶対変位xとの差に相当する相対変位x−xの微分を計算し、被支持物体2と床3との相対速度d/dt(x−x)を出力する。相対変位x−xの微分計算は、一定時間毎に入力信号の差分を求める方法や、擬似微分を求める方法など、微分計算を行うものであればどの様なものでもかまわない。
第2フィルタ16は、微分器15の出力であるd/dt(x−x)に対してフィルタ処理を行い、低周波成分除去フィルタ9の出力信号と第1フィルタ14の出力信号との差分信号δFに対して除算を行う信号を出力する。第2フィルタ16の構成としては、例えば、低周波成分除去フィルタ9と同じ特性を持つハイパスフィルタH(ω)とする。第2フィルタ16として、力計測部5に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波の誤差成分であるδFをゼロにするような、低周波成分除去フィルタ9と同じ特性を持つハイパスフィルタH(ω)を用いた場合、低周波成分除去フィルタ9の出力信号と第1フィルタ14の出力信号との差分信号δFを第2フィルタ16の出力で除算した結果であるδcは、以下のようになる。
Figure 0006075252
ここで、Δ(t)は、フィルタ処理中に発生する誤差信号である。
なお、第2フィルタ16は低周波成分除去フィルタ9と同じ特性を持つとして説明するが、δFをゼロにするようなフィルタであればどの様なものでもよい。
第3フィルタ17は、式(10)によって求まったδcに対してフィルタ処理を行う。第3フィルタ17は、δcを求めるフィルタ処理中に発生した誤差信号Δ(t)の変動成分に対して十分低い遮断周波数を持つローパスフィルタL(ω)である。第3フィルタ17として、δcを求めるフィルタ処理中に発生した誤差信号Δ(t)をゼロにするようなローパスフィルタL(ω)を用いた場合、第3フィルタ17の出力δcE0は、以下のように表される。
Figure 0006075252
ここで、減衰要素12の実際の粘性減衰係数cと設計値cとの差δcが時間的に変化しない場合、第3フィルタ17の出力δcE0はδcと一致する。さらに、δcが周辺温度環境の変化によって変動する場合であっても、ローパスフィルタL(ω)の遮断周波数を周辺温度環境の変化の周波数よりも高く設定しておけば、第3フィルタ17の出力δcE0はδcと一致する。その結果、第3フィルタ17の出力δcE0に微分器15の出力d/dt(x−x)を乗算した結果δFは、以下のように表される。
Figure 0006075252
さらに、式(12)で表されるδFに力推定部13の出力である推定力Fを加算することにより、補償器10の出力信号である以下の値を求めることができる。
Figure 0006075252
補償器10の出力信号であるF+δFは、力計測部5で検出される受動型振動絶縁部4と床3との間の力Fから力計測部5に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波の誤差成分δFを差し引いた値となる。
すなわち、補償器10の出力信号は、力計測部5の出力信号に含まれるゼロ点オフセットや温度ドリフトに起因した低周波の誤差成分を取り除くとともに、本来の受動型振動絶縁部4が受ける力を計測した成分のうち低周波成分除去フィルタ9によって失われた低周波成分を補償器10によって補ったものになっている。そのため、この信号をアクチュエータ6へのアクチュエータ制御信号とすることにより、周辺温度環境の変化等によって振動絶縁性能が劣化することもなく、低周波成分除去フィルタ9によって低周波成分を失うことにより低振動が床3から被支持物体2に伝わることも無いため、非常に高い精度で振動を絶縁することができる。
実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2による能動型振動絶縁装置の一例を示したものである。図5を本発明の実施の形態1による能動型振動絶縁装置を示した図1と比べると、能動型振動絶縁装置1に指令信号が入力され、制御器18が追加された以外は、同じである。指令信号は、被支持物体2の絶対変位xと床3の絶対変位xとの差に相当する相対変位x−xの値を指定する信号である。
実施の形態2では、相対変位計測部7の出力は、アクチュエータ駆動部8の補償器10に入力されるとともに、指令信号との差分信号が計算され制御器18に入力される。制御器18は、相対変位計測部7の出力と指令信号との差分信号から、アクチュエータ6への補助制御信号を出力する。制御器18の構成は、例えば、P制御やPI制御を実行する構成などで良い。
制御器18の出力である補助制御信号は、補償器10の出力信号に足し合わされて、指令信号を含んだアクチュエータ制御信号としてアクチュエータ6へ入力される。これにより、アクチュエータ6は、被支持物体2と床3との相対変位が指令信号によって指定された変位に一致するように駆動される。
このように、制御器18を補償器10と並列に配置する構成にすることにより、受動型振動絶縁部1が受ける力を非常に高い精度で打ち消すとともに、被支持物体2と床3との相対変位を指令信号によって指定された変位に維持することができる。
受動型振動絶縁部4が受ける力をアクチュエータ6によって非常に高い精度で打ち消した場合、被支持物体2と床3とがお互いに力が加わらない状態で近づき続けるあるいは離れ続けるということが起こることがある。この状態が発生すると、被支持物体2と床3との相対変位量がアクチュエータ6や受動型振動絶縁部4の駆動範囲を超過してしまい、アクチュエータ6や受動型振動絶縁部4が破損してしまうことがある。実施の形態2による能動型振動絶縁装置では、指令信号により被支持物体2の絶対変位xと床3の絶対変位xとの差に相当する相対変位x−xの値を指定し、指定された相対変位と一致するようにアクチュエータ6が駆動されるので、被支持物体2と床3との相対変位がアクチュエータ6や受動型振動絶縁部4の駆動範囲を超過することを防止することができ、アクチュエータ6や受動型振動絶縁部4が破損することを防止することができる。
2 被支持物体
3 床
4 受動型振動絶縁部
5 力計測部
6 アクチュエータ
7 相対変位計測部
9 低周波成分除去フィルタ
10 補償器

Claims (4)

  1. 床と被支持物体との間に配置され前記床から前記被支持物体への振動を受動的に低減する受動型振動絶縁部と、
    前記受動型振動絶縁部に直列に設置され前記受動型振動絶縁部が受ける力を計測する力計測部と、
    前記床に対する前記被支持物体の相対変位を計測する相対変位計測部と、
    前記力計測部の出力から誤差成分を含む低周波成分を除去する低周波成分除去フィルタと、
    前記相対変位計測部の出力から前記受動型振動絶縁部に作用する力を推定する力推定部および前記相対変位計測部の出力を微分する微分器を有し、前記力推定部および前記微分器の出力に基づいて前記低周波成分除去フィルタによって除去された低周波成分を補償してアクチュエータ制御信号を生成する補償器と、
    前記床と前記被支持物体との間に前記受動型振動絶縁部および前記力計測部と並列に設置され前記アクチュエータ制御信号を入力として前記床に対する前記被支持物体の相対的な位置変化を補償するアクチュエータと
    を備えた能動型振動絶縁装置。
  2. 前記補償器は
    記力推定部の出力から低周波成分を除去する第1フィルタと
    記微分器の出力から低周波成分を除去する第2フィルタと、
    前記低周波成分除去フィルタの出力と前記第1フィルタの出力との差分を前記第2フィルタの出力で除算した結果から高周波成分を除去する第3フィルタとを備え、
    前記補償器の出力は、
    前記第3フィルタの出力と前記微分器の出力との積に前記力推定部の出力を加えた値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の能動型振動絶縁装置。
  3. 前記床に対する前記被支持物体の相対変位に対する指令信号と前記相対変位計測部の出力とから補助制御信号を出力する制御器をさらに備え、
    前記アクチュエータ制御信号は、前記補償器の出力信号と前記補助制御信号との和であることを特徴とする請求項1または2に記載の能動型振動絶縁装置。
  4. 前記相対変位計測部は、
    前記被支持物体に設置された第1加速度センサの出力と前記床に設置された第2加速度センサの出力との差分から前記被支持物体と前記床との相対変位を求めることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の能動型振動絶縁装置。
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