JP2009197826A - アクティブ防振装置およびアクティブ防振方法 - Google Patents

アクティブ防振装置およびアクティブ防振方法 Download PDF

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淳也 宮田
Shoichi Inami
昭一 稲見
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Abstract

【課題】エンジンなどの振動を効果的に低減する。
【解決手段】加振源を支持する本体12を中間体弾性部材14を介して中間体13で支持し、本体12と中間体13との間にアクチュエータ15を設け、加振源加速度計21で計測した加振源加速度a1と本体加速度計22で計測した本体加速度a2とから算出した加振力F1と、本体加速度a2と中間体加速度計23で計測した中間体加速度a3とから算出した変位力F2とに基づいて、中間体13の振動を打ち消すための制振力Faを制振力算出部33で算出し、この制振力Faを発生させるための指令信号をアクチュエータ15へ信号出力部34から出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防振技術に関し、特に発生する振動に応じてアクチュエータを制御することにより振動を低減するアクティブ防振技術に関する。
船舶では、搭載されているエンジンが加振源となって、船室や船外において振動や騒音が発生する。このため、エンジンで発生した振動がその支持構造である船体へ伝わらないよう、エンジンと船体との間に防振装置を設け、振動の伝播を低減する必要がある。
従来、加振源から支持構造への振動の伝播を低減するための防振装置の1つとして、アクティブ防振装置が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。アクティブ防振装置は、加振源と支持構造との間にアクチュエータを設け、加振源から検出した振動を打ち消す動きをアクチュエータに与えることにより、振動の伝播を低減している。
特開2007−247822号公報
しかしながら、このような従来技術では、アクチュエータの制御則としてPI制御というフィードバック制御を用いているため、制御点で振動が発生してからその振動を打ち消すための信号が出力されるまでに遅れが生じる。したがって、精密機器などのステージで発生する超低周波の振動については低減できるものの、繰り返し発生するエンジンなどの高速な振動については制御が追従せず、振動を効果的に低減することができないという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、エンジンなどの振動を効果的に低減できるアクティブ防振装置およびアクティブ防振方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかるアクティブ防振装置は、加振源を支持する本体と、中間体弾性部材を介して本体を支持する中間体と、本体と中間体との間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータと、加振源に取り付けられた加振源加速度計と、本体に取り付けられた本体加速度計と、中間体に取り付けられた中間体加速度計と、加振源加速度計で計測した加振源加速度と本体加速度計で計測した本体加速度とに基づいて、本体に加わる加振力を算出する加振力算出部と、本体加速度と中間体加速度計で計測した中間体加速度とに基づいて、中間体に加わる変位力を算出する変位力算出部と、加振力および変位力に基づいて、中間体の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出部と、制振力を発生させるための指令信号をアクチュエータへ出力する信号出力部とを備えている。
この際、中間体と支持座とを連結する支持座弾性部材をさらに備えてもよい。
また、本発明にかかる他のアクティブ防振装置は、加振源を支持する本体と、中間体弾性部材を介して本体を支持するとともに、支持座弾性部材を介して支持座に支持された中間体と、中間体と支持座との間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータと、本体に取り付けられた本体加速度計と、中間体に取り付けられた中間体加速度計と、支持座に取り付けられた支持座加速度計と、本体加速度計で計測した本体加速度と中間体加速度計で計測した中間体加速度とに基づいて、中間体に加わる加振力を算出する加振力算出部と、中間体加速度と支持座加速度計で計測した支持座加速度とに基づいて、支持座に加わる変位力を算出する変位力算出部と、加振力および変位力に基づいて、支持座の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出部と、制振力を発生させるための指令信号をアクチュエータへ出力する信号出力部とを備えている。
これらアクティブ防振装置において、制振力算出部に、入力されたフィルタ係数と加振力の時系列データとを演算処理することにより制振力を算出する適応フィルタ部と、加振力と所定の伝達関数とに基づいて、変位力のうち制振力に起因する制振変位力を推定する制振変位力推定部と、制振変位力と変位力とに基づきフィルタ係数を算出し適応フィルタ部へ出力するフィルタ係数算出部とを備えてもよい。
この際、フィルタ係数算出部で、算出したフィルタ係数を、適応フィルタ部における制振力の算出後に適応フィルタ部へ出力するようにしてもよい。
また、本発明にかかるアクティブ防振方法は、加振源を支持する本体と、中間体弾性部材を介して本体を支持するとともに支持座弾性部材を介して支持座に支持された中間体と、本体と中間体の間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータとを備えるアクティブ防振装置で用いられるアクティブ防振方法であって、加振源に取り付けられた加振源加速度計により加振源加速度を計測するステップと、本体に取り付けられた本体加速度計により本体加速度を計測するステップと、中間体に取り付けられた中間体加速度計により中間体加速度を計測するステップと、加振源加速度と本体加速度とに基づいて、本体に加わる加振力を算出する加振力算出ステップと、本体加速度と中間体加速度とに基づいて、中間体に加わる変位力を算出する変位力算出ステップと、加振力および変位力に基づいて、中間体の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出ステップと、制振力を発生させるための指令信号をアクチュエータに対して出力する信号出力ステップとを備えている。
この際、中間体と支持座とを支持座弾性部材で連結するステップをさらに備えてもよい。
また、本発明にかかる他のアクティブ防振ステップは、加振源を支持する本体と、中間体弾性部材を介して本体を支持するとともに支持座弾性部材を介して支持座に支持された中間体と、中間体と支持座との間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータとを備えるアクティブ防振装置で用いられるアクティブ防振方法であって、本体に取り付けられた本体加速度計により本体加速度を計測するステップと、中間体に取り付けられた中間体加速度計により中間体加速度を計測するステップと、支持座に取り付けられた支持座加速度計により支持座加速度を計測するステップと、本体加速度と中間体加速度とに基づいて、中間体に加わる加振力を算出する加振力算出ステップと、中間体加速度と支持座加速度とに基づいて、支持座に加わる変位力を算出する変位力算出ステップと、加振力および変位力に基づいて、支持座の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出ステップと、制振力を発生させるための指令信号をアクチュエータに対して出力する信号出力ステップとを備えている。
これらアクティブ防振方法において、制振力算出ステップに、入力されたフィルタ係数と加振力の時系列データとを演算処理することにより制振力を算出する適応フィルタステップと、加振力と所定の伝達関数とに基づいて、変位力のうち制振力に起因する制振変位力を推定する制振変位力推定ステップと、制振変位力と変位力とに基づきフィルタ係数を算出し適応フィルタステップへ出力するフィルタ係数算出ステップとを備えてもよい。
この際、フィルタ係数算出ステップで、算出したフィルタ係数を、適応フィルタステップにおける制振力の算出後に適応フィルタステップへ出力するようにしてもよい。
本発明によれば、加振源で発生した振動を検出して、その振動が制御点である中間体へ伝播するのに合わせて、中間体でこれから発生する振動を打ち消すようにアクチュエータを制御でき、いわゆるフィードフォワード的な制御を行うことが可能となる。したがって、制御点での振動を検出してから、その振動を修正するための制御信号をアクチュエータへ出力するという、前述した引用文献の構成と比較して、制御の遅れを少なくすることができ、エンジンなどの高速な振動を効果的に低減することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の構成を示すブロック図である。
このアクティブ防振装置10は、加振源11で発生した振動を加速度計により検出し、その検出結果から演算処理で得られた制振力をアクチュエータ15で発生させることにより、支持座17へ伝わる振動を抑制する装置である。アクティブ防振装置の具体的な適用例としては、船舶エンジンの防振がある。この際、船舶エンジンが加振源11に相当し船体が支持座17に相当する。
本実施の形態は、加振源を支持する本体12を中間体弾性部材14を介して中間体13で支持し、本体12と中間体13との間にアクチュエータ15を設け、加振源加速度計で計測した加振源加速度と本体加速度計で計測した本体加速度とから算出した加振力と、本体加速度と中間体加速度計で計測した中間体加速度とから算出した変位力とに基づいて、中間体13の振動を打ち消すための制振力を算出し、この制振力を発生させるための指令信号をアクチュエータへ出力している。
次に、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の構成について詳細に説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の構成例を示す説明図である。
本実施の形態にかかるアクティブ防振装置10は、主な構成として、本体12、中間体13、中間体弾性部材14、アクチュエータ15、支持座弾性部材16、加振源加速度計21、本体加速度計22、中間体加速度計23、およびコントローラ30を含んでいる。
本体12は、金属などからなり、加振源11を支持する板状またはブロック状の支持部材である。中間体13は、金属などからなり、中間体弾性部材14およびアクチュエータ15を介して本体12を支持するとともに、支持座弾性部材16を介して支持座17に支持されている。
中間体弾性部材14は、防振ゴムなどの弾性部材からなり、本体12から中間体13へ伝わる振動を減衰させる機能を有している。支持座弾性部材16は、防振ゴムなどの弾性部材からなり、中間体13から支持座17へ伝わる振動を減衰させる機能を有している。
アクチュエータ15は、圧電式などのアクチュエータからなり、入力された指令信号に応じた力を発生する機能を有している。
図2に示した構成例において、アクチュエータ15は、その両端がそれぞれ本体12と中間体13とにネジで固定されている。また、中間体弾性部材14は、本体12に取り付けた箱状のブラケット12Aと中間体13に取り付けられた箱状のブラケット13Aに、その両端がそれぞれネジで固定されている。これらブラケット12A,13Aは、アクチュエータ15の長さが中間体弾性部材14の長さより大きいために、取付調整用として用いているものであり、両者の長さが一致すれば、中間体弾性部材14の両端をそれぞれ本体12と中間体13とにネジで直接固定してもよい。支持座弾性部材16は、その両端がそれぞれ中間体13と支持座17とにネジで固定されている。
加振源加速度計21は、加振源11に取り付けられた一般的な加速度センサからなり、加振源11で発生する加振源加速度a1を検出する機能を有している。加振源加速度a1としては、加振源11に対してどこからも力が加わっていない加速度が望ましいことから、加振源加速度計21は加振源11の上面部など、本体12から離れた位置に配置すればよい。
本体加速度計22は、本体12に取り付けられた一般的な加速度センサからなり、本体12の振動を示す本体加速度a2を検出する機能を有している。
中間体加速度計23は、中間体13に取り付けられた一般的な加速度センサからなり、中間体13の振動を示す中間体加速度a3を検出する機能を有している。
図2に示した構成例において、本体加速度計22は、ブラケット12Aのうち中間体弾性部材14の取付位置の近傍に固定されている。また、中間体加速度計23は、中間体13のうち支持座弾性部材16の取付位置の近傍に固定されている。
コントローラ30は、CPUとその周辺回路を有する演算処理装置からなり、主な機能部として、加振力算出部31、変位力算出部32、制振力算出部33、および信号出力部34を含んでいる。
加振力算出部31は、加振源加速度計21で計測した加振源加速度a1と本体加速度計22で計測した本体加速度a2とに基づいて、本体12に加わる加振力F1を算出する機能を有している。
変位力算出部32は、本体加速度計22で計測した本体加速度a2と中間体加速度計23で計測した中間体加速度a3とに基づいて、中間体13に加わる変位力F2を算出する機能を有している。
制振力算出部33は、加振力算出部31で算出した加振力F1と変位力算出部32で算出した変位力F2とに基づいて、中間体13の振動を打ち消すための制振力Faを算出する機能を有している。
信号出力部34は、制振力算出部33で算出された制振力Faを発生させるための指令信号34Aをアクチュエータ15へ出力する機能を有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3〜図5を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の各部で発生する力を示す説明図である。図4は、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の制御ブロック図である。図5は、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の防振制御処理を示すフローチャートである。以下では、加振源11から支持座17へ伝播する上下振動を抑制する場合について説明する。
加振源11から本体12に伝わる加振力F1は、加振源加速度計21で計測した加振源加速度a1、本体加速度計22で計測した本体加速度a2、加振源11の質量m1、および本体12の質量m2から、次の式(1)で算出される。この際、m1は、加振源11や加振源加速度計21などの加振源11と同様に振動するすべての構成要素を含み、m2は、本体12や本体加速度計22などの本体12と同様に振動するすべての構成要素を含む。
F1=m2×a2−m1×a1 …(1)
中間体13に加わる変位力F2は、本体加速度計22で計測した本体加速度a2、中間体加速度計23で計測した中間体加速度a3、本体12の質量m2、および中間体13の質量m3から、次の式(2)で算出される。この際、m3は、中間体13や中間体加速度計23などの中間体13と同様に振動するすべての構成要素を含む。
F2=m3×a3−m2×a2 …(2)
ここで、中間体13に加わる変位力F2は、本体12に加わる加振力F1の影響と、アクチュエータ15で発生する制振力Faの影響を受ける。したがって、加振力F1に起因して中間体弾性部材14から中間体13へ伝わる力を加振変位力F2pと定義し、制振力Faに起因してアクチュエータ15から中間体13へ伝わる力を制振変位力F2cと定義した場合、変位力F2は、次の式(3)で表現できる。
F2=F2p+F2c …(3)
この際、中間体弾性部材14の伝達係数をP()とした場合、加振力F1に起因して中間体弾性部材14から中間体13へ伝わる加振変位力F2pは次の式(4)で表される。
F2p=P(F1) …(4)
また、アクチュエータ15の伝達係数をC()とした場合、制振力Faに起因してアクチュエータ15から中間体13へ伝わる制振変位力F2cは次の式(5)で表される。
F2c=C(Fa) …(5)
以上のことから、変位力F2は、加振変位力F2pと制振変位力F2cの誤差に相当していることがわかる。この誤差がゼロになるように制振力Faを制御すれば、変位力F2が打ち消されて中間体13の振動はゼロとなり、加振源11で発生した振動が防振されたことになる。
ここで、加振変位力F2pと制振変位力F2cは実際に計測不可能であることから、コントローラ30の制振力算出部33では、計測した加速度から算出可能な加振力F1と変位力F2とに基づいて制振力Faを算出している。
制振力算出部33における制振力Faの算出方法の1つとして、図4に示すような、適応フィルタを用いる方法がある。適応フィルタは、入力されたフィルタ係数と入力信号の時系列データとを演算処理することにより、任意の伝達関数と同様のはたらきをするものである。
本実施の形態では、制振力算出部33に、適応フィルタ部33A、制振変位力推定部33B、およびフィルタ係数算出部33Cを含んでいる。
適応フィルタ部33Aは、入力されたフィルタ係数と入力された加振力F1の時系列データとを演算処理することにより制振力Faを算出する機能を有している。
制振変位力推定部33Bは、予め設定したアクチュエータ15の伝達係数Cと同等の伝達関数C^に基づいて、入力された加振力F1から制振変位力F2cの推定値である推定制振変位力F2c’を算出する機能を有している
フィルタ係数算出部33Cは、入力された推定制振変位力F2c’と入力された変位力F2とから、最小二乗法によりフィルタ係数を算出し適応フィルタへ出力する機能を有している。
次に、図5を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の防振制御処理について説明する。
図1の構成において、加振源11で発生した振動は、加振源11が固定されている本体12に伝播し、本体12の振動は、中間体弾性部材14を介して中間体13へ伝播する。中間体弾性部材14は、バネ機能と緩衝機能とで表現でき、本体12の振動のうち、高周波成分についてはバネ機能と緩衝機能で減衰するものの、低周波成分についてはあまり減衰することなく中間体13へ伝播する。また、アクチュエータ15に対して防振制御が行われておらず任意のストロークに固定されている場合、本体12の振動は、アクチュエータ15から、高周波成分および低周波成分とも減衰することなく中間体13へ伝播する。
この後、中間体13の振動は、支持座弾性部材16を介して支持座17へ伝播することになる。支持座弾性部材16は、中間体弾性部材14と同様にバネ機能と緩衝機能とで表現でき、中間体13の振動のうち、高周波成分についてはバネ機能と緩衝機能で減衰するものの、低周波成分についてはあまり減衰することなく支持座17へ伝播する。これにより、加振源11で発生した振動が支持座17へ伝播することになる。したがって、船舶エンジンに適用した場合、船室や船外において振動や騒音が発生することになる。
一方、アクチュエータ15に対して図5の防振制御を行った場合、まず、加振源加速度計21、本体加速度計22、および中間体加速度計23において、加振源加速度a1、本体加速度a2、および中間体加速度a3が計測され(ステップ100)、コントローラ30に取り込まれる。この際、加振源加速度計21、本体加速度計22、および中間体加速度計23からのアナログ計測信号は、コントローラ30のセンサ入力インターフェース(図示せず)により所定間隔でサンプリングされてA/D変換された後、加振力算出部31および変位力算出部32へ入力される。なお、これら加速度については、加振源加速度計21、本体加速度計22、および中間体加速度計23からデジタル計測データでコントローラ30へ出力してもよい。
次に、加振力算出部31は、加振源加速度a1、本体加速度a2、質量m1、および質量m2から、前述した式(1)を用いて本体12に加わる加振力F1を算出する(ステップ101)。
また、変位力算出部32は、本体加速度a2、中間体加速度a3、質量m2、および質量m3から、前述した式(2)を用いて中間体13に加わる変位力F2を算出する(ステップ102)。
続いて、制振力算出部33の適応フィルタ部33Aは、フィルタ係数算出部33Cから入力されたフィルタ係数と加振力算出部31で算出した加振力F1の時系列データとを演算処理することにより制振力Faを算出する(ステップ103)。
信号出力部34は、制振力算出部33で算出された制振力Faを入力とし、この制振力Faを発生させるための指令信号34Aをアクチュエータ15へ出力する(ステップ104)。
これにより、前述した式(3)に示したように、アクチュエータ15で発生した制振力Faが制振変位力F2cとなって中間体13へ伝わり、この制振変位力F2cが、加振力F1に起因して中間体弾性部材14から中間体13へ伝わった加振変位力F2pを打ち消すことになる。図6は、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の動作を示す信号波形図である。いずれの信号も、横軸は時間を示し、縦軸は力の大きさを示している。
このため、結果として中間体13に加わる変位力F2が減衰する。この際、アクチュエータ15やコントローラ30の応答性能にもよるが、変位力F2のうち高周波成分について大きな減衰は得られず中間体13へ伝わるものの、低周波成分について大きな減衰が得られる。図7は、本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の動作を示すシミュレーション結果であり、横軸は時間を示し、縦軸は中間体の変位量を示している。ここでは、加振力として±200N:100Hz、±110N:40Hz、±50N:10Hzを合成したものを用いている。防振制御を行わない場合の変位量71が約1800μmであるのに比較して、防振制御を行った場合の変位量72が約340μmであり、中間体の変位量が1/5以上大きく減衰していることがわる。
この後、中間体13の振動は、支持座弾性部材16を介して支持座17へ伝播することになる。このとき、支持座弾性部材16は、中間体弾性部材14と同様にバネ機能と緩衝機能とで表現でき、中間体13の振動のうち、高周波成分についてはバネ機能と緩衝機能で減衰する。また、低周波成分については前述のようにしてアクチュエータ15で大きな減衰が得られている。これにより、加振源11で発生した振動のうち、その低周波成分がアクチュエータ15で減衰されるとともに、その高周波成分が支持座弾性部材16で減衰されることになる。したがって、船舶エンジンに適用した場合、船室や船外における振動や騒音の発生を低減することが可能となる。
また、コントローラ30の制振力算出部33では、図5のステップ104の後、制振変位力推定部33Bにより、予め設定したアクチュエータ15の伝達係数Cと同等の伝達関数C^に基づいて、入力された加振力F1から制振変位力F2cの推定値である推定制振変位力F2c’を算出する(ステップ105)。
この後、フィルタ係数算出部33Cは、制振変位力推定部33Bで算出した推定制振変位力F2c’と変位力算出部32で算出した変位力F2とから、最小二乗法によりフィルタ係数を算出し(ステップ106)、適応フィルタ部33Aへ設定する(ステップ107)。これにより、次回処理のための新たなフィルタ係数が適応フィルタ部33Aへ設定される。
コントローラ30は、加振源加速度a1、本体加速度a2、および中間体加速度a3を計測してサンプリングする指定間隔ごとに、前述したステップ100〜107の処理を繰り替えし実行する。これにより、所定間隔ごとにアクチュエータ15で発生させる制振力Faが調整されるとともに、制振力Faの算出に用いるフィルタ係数が更新される。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、加振源を支持する本体12を中間体弾性部材14を介して中間体13で支持し、本体12と中間体13との間にアクチュエータ15を設け、加振源加速度計21で計測した加振源加速度a1と本体加速度計22で計測した本体加速度a2とから算出した加振力F1と、本体加速度a2と中間体加速度計23で計測した中間体加速度a3とから算出した変位力F2とに基づいて、中間体13の振動を打ち消すための制振力Faを制振力算出部33で算出し、この制振力Faを発生させるための指令信号をアクチュエータ15へ信号出力部34から出力している。
また、本実施の形態では、制振力算出部33において、入力されたフィルタ係数と加振力の時系列データとを演算処理することにより制振力Faを適応フィルタ部33Aで算出し、加振力F1と所定の伝達関数とに基づいて、変位力F2のうち制振力に起因する制振変位力F2cを制振変位力推定部33Bにより推定し、推定した制振変位力F2c’と変位力F2とに基づきフィルタ係数算出部33Cでフィルタ係数を算出し適応フィルタ部33Aへ出力している。
このため、加振源11で発生した振動を検出して、その振動が制御点である中間体13へ伝播するのに合わせて、中間体13でこれから発生する振動を打ち消すようにアクチュエータ15を制御でき、いわゆるフィードフォワード的な制御を行うことが可能となる。
したがって、制御点での振動を検出してから、その振動を修正するための制御信号をアクチュエータへ出力するという、前述した引用文献の構成と比較して、制御の遅れを少なくすることができ、エンジンなどの高速な振動を効果的に低減することが可能となる。
また、本実施の形態では、加振力F1と変位力F2とに基づきフィルタ係数が更新されため、経年変化で特性が変わりやすい弾性部材などの伝達関数を用いる必要がなくなる。このため、系の特性変化がある場合でも、防振性能の低下を抑制することができ、系の特性変化に対応するための伝達関数の修正など、メンテナンスに要する作業負担さらにはコスト負担を大幅に軽減することが可能となる。
また、本実施の形態では、フィルタ係数が用意されていれば加振力F1から制振力Faを算出できることから、制振力Faの算出処理とフィルタ係数の算出処理とを独立して実行することができる。このため、フィルタ係数の算出処理に時間がかかる場合には、算出したフィルタ係数を、適応フィルタ部における制振力の算出後に適応フィルタ部へ出力し、新たなフィルタ係数を次回の制振力Fa算出に用いることにより、防振処理をより高速することが可能となる。
また、本実施の形態では、中間体13と支持座17とを連結する支持座弾性部材16をさらに設けてもよい。これにより、加振源11で発生した振動のうち、その低周波成分がアクチュエータ15で減衰されるとともに、その高周波成分が支持座弾性部材16で減衰されることになり、低周波成分から高周波成分まで、広い範囲で加振源11からの振動を減衰させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置について説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の構成を示すブロック図であり、図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、本体12と中間体13との間にアクチュエータ15を設け、加振力F1と変位力F2とに基づいて、中間体13の振動を打ち消すための制振力Faを算出し、これに応じた指令信号をアクチュエータ15へ出力する場合を例として説明した。本実施の形態では、中間体13と支持座17との間にアクチュエータ15を設け、中間体13に加わる加振力F1と、支持座17に加わる変位力F2とに基づいて、支持座17の振動を打ち消すための制振力Faを算出し、これに応じた指令信号をアクチュエータ15へ出力する場合について説明する。
本実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、アクチュエータ15が中間体13と支持座17との間に設けられている。また、加振源11の加振源加速度計21が省かれ、支持座17の支持座加速度a4を計測する支持座加速度計24が新たに追加されている。
また、本体加速度計22で計測される本体加速度をa2とし、中間体加速度計23で計測される中間体加速度をa3とし、支持座加速度計24で計測される支持座加速度をa4とし、コントローラ30では、これら本体加速度a2と中間体加速度a3とから加振力算出部31により加振力F1を算出し、中間体加速度a3と支持座加速度a4とから変位力算出部32により変位力F2を算出している。
本実施の形態にかかるアクティブ防振装置のうち、その他の構成については、前述した第1の実施の形態と同等であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図9〜図11を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の動作について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の各部で発生する力を示す説明図である。図10は、本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の制御ブロック図である。図11は、本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の防振制御処理を示すフローチャートである。以下では、加振源11から支持座17へ伝播する上下振動を抑制する場合について説明する。
加振源11から本体12および中間体弾性部材14を介して中間体13に伝わる加振力F1は、本体加速度計22で計測した本体加速度a2、中間体加速度計23で計測した中間体加速度a3、加振源11および本体12を合わせた質量m1+m2、および中間体13の質量m3から、次の式(6)で算出される。この際、m1は、加振源11や加振源加速度計21などの加振源11と同様に振動するすべての構成要素を含み、m2は、本体12や本体加速度計22などの本体12と同様に振動するすべての構成要素を含む。またm3は、中間体13や中間体加速度計23などの中間体13と同様に振動するすべての構成要素を含む。
F1=m3×a3−(m1+m2)×a2 …(6)
支持座17に加わる変位力F2は、中間体加速度計23で計測した中間体加速度a3、支持座加速度計24で計測した支持座加速度a4、中間体13の質量m3、および支持座17の質量m4から、次の式(7)で算出される。この際、m4は、支持座17や支持座加速度計24などの支持座17と同様に振動するすべての構成要素を含む。
F2=m4×a4−m3×a3 …(7)
ここで、支持座17に加わる変位力F2は、中間体13に加わる加振力F1の影響と、アクチュエータ15で発生する制振力Faの影響を受ける。したがって、加振力F1に起因して支持座弾性部材16から支持座17へ伝わる力を加振変位力F2pと定義し、制振力Faに起因してアクチュエータ15から支持座17へ伝わる力を制振変位力F2cと定義した場合、変位力F2は、前述した式(3)で表現できる。
この際、支持座弾性部材16の伝達係数をP()とした場合、加振力F1に起因して支持座弾性部材16から支持座17へ伝わる加振変位力F2pは前述した式(4)で表される。
また、アクチュエータ15の伝達係数をC()とした場合、制振力Faに起因してアクチュエータ15から支持座17へ伝わる制振変位力F2cは前述した式(5)で表される。
以上のことから、変位力F2は、加振変位力F2pと制振変位力F2cの誤差に相当していることがわかる。この誤差がゼロになるように制振力Faを制御すれば、変位力F2が打ち消されて支持座17の振動はゼロとなり、加振源11で発生した振動が防振されたことになる。
ここで、加振変位力F2pと制振変位力F2cは実際に計測不可能であることから、コントローラ30の制振力算出部33では、計測した加速度から算出可能な加振力F1と変位力F2とから制振力Faを算出している。なお、制振力算出部33の処理動作については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の防振制御処理について説明する。
図8の構成において、加振源11で発生した振動は、加振源が固定されている本体12から中間体弾性部材14を介して中間体13へ伝播する。このとき、中間体弾性部材14は、バネ機能と緩衝機能とで表現でき、本体12の振動のうち、高周波成分についてはバネ機能と緩衝機能で減衰するものの、低周波成分についてはあまり減衰することなく中間体13へ伝播する。
この後、中間体13の振動は、支持座弾性部材16を介して支持座17へ伝播する。このとき、支持座弾性部材16は、中間体弾性部材14と同様にバネ機能と緩衝機能とで表現でき、中間体13の振動のうち、高周波成分についてはバネ機能と緩衝機能で減衰するものの、低周波成分についてはあまり減衰することなく支持座17へ伝播する。また、アクチュエータ15に対して防振制御が行われておらず任意のストロークに固定されている場合、中間体13の振動は、アクチュエータ15から、高周波成分および低周波成分とも減衰することなく支持座17へ伝播する。これにより、加振源11で発生した振動が支持座17へ伝播することになる。したがって、船舶エンジンに適用した場合、船室や船外において振動や騒音が発生することになる。
一方、アクチュエータ15に対して図11の防振制御が行われている場合、まず、本体加速度計22、および中間体加速度計23、および支持座加速度計24において、本体加速度a2、中間体加速度a3、および支持座加速度a4が計測され(ステップ200)、コントローラ30に取り込まれる。この際、本体加速度計22、および中間体加速度計23、および支持座加速度計24からのアナログ計測信号は、コントローラ30のセンサ入力インターフェース(図示せず)により所定間隔でサンプリングされてA/D変換された後、加振力算出部31および変位力算出部32へ入力される。なお、本体加速度計22、および中間体加速度計23、および支持座加速度計24からデジタル計測データでコントローラ30へ出力してもよい。
次に、加振力算出部31は、本体加速度a2、中間体加速度a3、質量m1、質量m2、および質量m3から、前述した式(6)を用いて中間体13に加わる加振力F1を算出する(ステップ201)。
また、変位力算出部32は、中間体加速度a3、支持座加速度a4、質量m3、および質量m4から、前述した式(7)を用いて支持座17に加わる変位力F2を算出する(ステップ202)。
続いて、制振力算出部33の適応フィルタ部33Aは、フィルタ係数算出部33Cから入力されたフィルタ係数と加振力算出部31で算出した加振力F1の時系列データとを演算処理することにより制振力Faを算出する(ステップ203)。
信号出力部34は、制振力算出部33で算出された制振力Faを入力とし、この制振力Faを発生させるための指令信号34Aをアクチュエータ15へ出力する(ステップ204)。
これにより、アクチュエータ15で発生した制振力Faが制振変位力F2cとなって支持座17へ伝わり、前述した式(3)に示したように、加振力F1が支持座弾性部材16を介して支持座17へ伝わった加振変位力F2pを打ち消すことになる。このため、結果として支持座17に加わる変位力F2が減衰する。この際、アクチュエータ15やコントローラ30の応答性能にもよるが、変位力F2のうち低周波成分について大きな減衰が得られる。
これにより、加振源11で発生した振動のうち、その高周波成分が支持座弾性部材16で減衰されるとともに、その低周波成分がアクチュエータ15で減衰されることになる。したがって、船舶エンジンに適用した場合、船室や船外における振動や騒音の発生を低減することが可能となる。
また、コントローラ30の制振力算出部33では、図11のステップ204の後、制振変位力推定部33Bにより、予め設定したアクチュエータ15の伝達係数Cと同等の伝達関数C^に基づいて、入力された加振力F1から制振変位力F2cの推定値である推定制振変位力F2c’を算出する(ステップ205)。
この後、フィルタ係数算出部33Cは、制振変位力推定部33Bで算出した推定制振変位力F2c’と変位力算出部32で算出した変位力F2とから、最小二乗法によりフィルタ係数を算出し(ステップ206)、適応フィルタ部33Aへ設定する(ステップ207)。これにより、次回処理のための新たなフィルタ係数が適応フィルタ部33Aへ設定される。
コントローラ30は、本体加速度a2、中間体加速度a3、および支持座加速度a4を計測してサンプリングする指定間隔ごとに、前述したステップ200〜207の処理を繰り替えし実行する。これにより、所定間隔ごとにアクチュエータ15で発生させる制振力Faが調整されるとともに、制振力Faの算出に用いるフィルタ係数が更新される。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、加振源11を支持する本体12を中間体弾性部材14を介して中間体13で支持するとともに、支持座弾性部材16を介してこの中間体13を支持座17で支持し、中間体13と支持座17との間にアクチュエータ15を設け、本体加速度計22で計測した本体加速度a2と中間体加速度計23で計測した中間体加速度a3とから算出した加振力F1と、中間体加速度a3と支持座加速度計24で計測した支持座加速度a4とから算出した変位力F2とに基づいて、支持座17の振動を打ち消すための制振力Faを制振力算出部33で算出し、この制振力Faを発生させるための指令信号をアクチュエータ15へ信号出力部34から出力している。
また、本実施の形態では、制振力算出部33において、入力されたフィルタ係数と加振力の時系列データとを演算処理することにより制振力Faを適応フィルタ部33Aで算出し、加振力F1と所定の伝達関数とに基づいて、変位力F2のうち制振力Faに起因する制振変位力F2cを制振変位力推定部33Bにより推定し、推定した制振変位力F2c’と変位力F2とに基づきフィルタ係数算出部33Cでフィルタ係数を算出し適応フィルタ部33Aへ出力している。
このため、本体12に加えられた振動を検出して、その振動が制御点である支持座17へ伝播するのに合わせて、支持座17でこれから発生する振動を打ち消すようにアクチュエータ15を制御でき、いわゆるフィードフォワード的な制御を行うことが可能となる。
したがって、制御点での振動を検出してから、その振動を修正するための制御信号をアクチュエータへ出力するという、前述した引用文献の構成と比較して、制御の遅れを少なくすることができ、エンジンなどの高速な振動を効果的に低減することが可能となる。
また、本実施の形態では、加振力F1と変位力F2とに基づきフィルタ係数が更新されため、経年変化で特性が変わりやすい弾性部材などの伝達関数を用いる必要がなくなる。このため、系の特性変化がある場合でも、防振性能の低下を抑制することができ、系の特性変化に対応するための伝達関数の修正など、メンテナンスに要する作業負担さらにはコスト負担を大幅に軽減することが可能となる。
また、本実施の形態では、フィルタ係数が用意されていれば加振力F1から制振力Faを算出できることから、制振力Faの算出処理とフィルタ係数の算出処理とを独立して実行することができる。このため、フィルタ係数の算出処理に時間がかかる場合には、算出したフィルタ係数を、適応フィルタ部における制振力の算出後に適応フィルタ部へ出力し、新たなフィルタ係数を次回の制振力Fa算出に用いることにより、防振処理をより高速することが可能となる。
[実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態では、1つの加振源に対して1つのアクティブ防振装置10を設けた場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、複数の加振源に対して複数のアクティブ防振装置10を用いてもよい。例えば、加振源11を支持する本体12の四隅に、それぞれ1つずつアクティブ防振装置10を設け、これらを独立して動作させてもよい。また、これらアクティブ防振装置10のうち、コントローラ30を1つに共通化してもよく、設備コストを大幅に削減できる。
また、各実施の形態では、加振源11から支持座17へ伝播する上下振動を抑制する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、振動を抑制する任意の方向にアクチュエータ15、中間体弾性部材14、支持座弾性部材16を配置すれば、横方向や斜め方向などの他の方向についても適用することができる。また、加振源11による2次元的、あるいは3次元的な方向の振動を抑制する場合には、これら次元方向ごとにアクティブ防振装置を設けて動作させればよい。
本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の構成例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の各部で発生する力を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の制御ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の防振制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の動作を示す信号波形図である。 本発明の第1の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の動作を示すシミュレーション結果である。 本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の各部で発生する力を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の制御ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態にかかるアクティブ防振装置の防振制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…アクティブ防振装置、11…加振源、12…本体、13…中間体、14…中間体弾性部材、15…アクチュエータ、16…支持座弾性部材、17…支持座、21…加振源加速度計、22…本体加速度計、23…中間体加速度計、24…支持座加速度計、30…コントローラ、31…加振力算出部、32…変位力算出部、33…制振力算出部、33A…適応フィルタ部、33B…制振変位力推定部、33C…フィルタ係数算出部、34…信号出力部、a1…加振源加速度、a2…本体加速度、a3…中間体加速度、a4…支持座加速度、F1…加振力、F2…変位力、F2c…制振変位力、F2c’…推定制振変位力、F2p…加振変位力、Fa…制振力、m1〜m4…質量、C,C^,P…伝達関数。

Claims (10)

  1. 加振源を支持する本体と、
    中間体弾性部材を介して前記本体を支持する中間体と、
    前記本体と前記中間体との間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータと、
    前記加振源に取り付けられた加振源加速度計と、
    前記本体に取り付けられた本体加速度計と、
    前記中間体に取り付けられた中間体加速度計と、
    前記加振源加速度計で計測した加振源加速度と前記本体加速度計で計測した本体加速度とに基づいて、前記本体に加わる加振力を算出する加振力算出部と、
    前記本体加速度と前記中間体加速度計で計測した中間体加速度とに基づいて、前記中間体に加わる変位力を算出する変位力算出部と、
    前記加振力および前記変位力に基づいて、前記中間体の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出部と、
    前記制振力を発生させるための指令信号を前記アクチュエータへ出力する信号出力部と
    を備えることを特徴とするアクティブ防振装置。
  2. 請求項1に記載のアクティブ防振装置において、
    前記中間体と支持座とを連結する支持座弾性部材をさらに備えることを特徴とするアクティブ防振装置。
  3. 加振源を支持する本体と、
    中間体弾性部材を介して前記本体を支持するとともに、支持座弾性部材を介して支持座に支持された中間体と、
    前記中間体と前記支持座との間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータと、
    前記本体に取り付けられた本体加速度計と、
    前記中間体に取り付けられた中間体加速度計と、
    前記支持座に取り付けられた支持座加速度計と、
    前記本体加速度計で計測した本体加速度と前記中間体加速度計で計測した中間体加速度とに基づいて、前記中間体に加わる加振力を算出する加振力算出部と、
    前記中間体加速度と前記支持座加速度計で計測した支持座加速度とに基づいて、前記支持座に加わる変位力を算出する変位力算出部と、
    前記加振力および前記変位力に基づいて、前記支持座の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出部と、
    前記制振力を発生させるための指令信号を前記アクチュエータへ出力する信号出力部と
    を備えることを特徴とするアクティブ防振装置。
  4. 請求項1−3のいずれか1つに記載のアクティブ防振装置において、
    前記制振力算出部は、
    入力されたフィルタ係数と前記加振力の時系列データとを演算処理することにより前記制振力を算出する適応フィルタ部と、
    前記加振力と所定の伝達関数とに基づいて、前記変位力のうち前記制振力に起因する制振変位力を推定する制振変位力推定部と、
    前記制振変位力と前記変位力とに基づき前記フィルタ係数を算出し前記適応フィルタ部へ出力するフィルタ係数算出部と
    を備えることを特徴とするアクティブ防振装置。
  5. 請求項4に記載のアクティブ防振装置において、
    前記フィルタ係数算出部は、算出した前記フィルタ係数を、前記適応フィルタ部における前記制振力の算出後に前記適応フィルタ部へ出力することを特徴とするアクティブ防振装置。
  6. 加振源を支持する本体と、中間体弾性部材を介して前記本体を支持するとともに支持座弾性部材を介して支持座に支持された中間体と、前記本体と前記中間体の間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータとを備えるアクティブ防振装置で用いられるアクティブ防振方法であって、
    前記加振源に取り付けられた加振源加速度計により加振源加速度を計測するステップと、
    前記本体に取り付けられた本体加速度計により本体加速度を計測するステップと、
    前記中間体に取り付けられた中間体加速度計により中間体加速度を計測するステップと、
    前記加振源加速度と前記本体加速度とに基づいて、前記本体に加わる加振力を算出する加振力算出ステップと、
    前記本体加速度と前記中間体加速度とに基づいて、前記中間体に加わる変位力を算出する変位力算出ステップと、
    前記加振力および前記変位力に基づいて、前記中間体の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出ステップと、
    前記制振力を発生させるための指令信号を前記アクチュエータに対して出力する信号出力ステップと
    を備えることを特徴とするアクティブ防振方法。
  7. 請求項6に記載のアクティブ防振方法において、
    前記中間体と支持座とを支持座弾性部材で連結するステップをさらに備えることを特徴とするアクティブ防振方法。
  8. 加振源を支持する本体と、中間体弾性部材を介して前記本体を支持するとともに支持座弾性部材を介して支持座に支持された中間体と、前記中間体と前記支持座との間に連結されて、入力された指令信号に応じた力を発生するアクチュエータとを備えるアクティブ防振装置で用いられるアクティブ防振方法であって、
    前記本体に取り付けられた本体加速度計により本体加速度を計測するステップと、
    前記中間体に取り付けられた中間体加速度計により中間体加速度を計測するステップと、
    前記支持座に取り付けられた支持座加速度計により支持座加速度を計測するステップと、
    前記本体加速度と前記中間体加速度とに基づいて、前記中間体に加わる加振力を算出する加振力算出ステップと、
    前記中間体加速度と前記支持座加速度とに基づいて、前記支持座に加わる変位力を算出する変位力算出ステップと、
    前記加振力および前記変位力に基づいて、前記支持座の振動を打ち消すための制振力を算出する制振力算出ステップと、
    前記制振力を発生させるための指令信号を前記アクチュエータに対して出力する信号出力ステップと
    を備えることを特徴とするアクティブ防振方法。
  9. 請求項6−8のいずれか1つに記載のアクティブ防振方法において、
    前記制振力算出ステップは、
    入力されたフィルタ係数と前記加振力の時系列データとを演算処理することにより前記制振力を算出する適応フィルタステップと、
    前記加振力と所定の伝達関数とに基づいて、前記変位力のうち前記制振力に起因する制振変位力を推定する制振変位力推定ステップと、
    前記制振変位力と前記変位力とに基づき前記フィルタ係数を算出し前記適応フィルタステップへ出力するフィルタ係数算出ステップと
    を備えることを特徴とするアクティブ防振方法。
  10. 請求項9に記載のアクティブ防振方法において、
    前記フィルタ係数算出ステップは、算出した前記フィルタ係数を、前記適応フィルタステップにおける前記制振力の算出後に前記適応フィルタステップへ出力することを特徴とするアクティブ防振方法。
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