以下、図1〜図7を参照して、この発明を電子腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この電子腕時計1は、図1に示すように、近距離無線機能を有し、携帯情報端末機2との間で近距離無線通信を行うように構成されている。携帯情報端末機2は、携帯基地局との間で遠距離無線通信を行うように構成されている。
電子腕時計1は、図1および図2に示すように、腕時計ケース3を備えている。この腕時計ケース3の上部開口部には、時計ガラス4がパッキン4aを介して取り付けられている。この腕時計ケース1の下部には、裏蓋5が取り付けられている。さらに、腕時計ケース3の12時側および6時側には、時計バンド6がそれぞれ取り付けられている。
また、この腕時計ケース3の内部には、時計モジュール7が配置されている。この時計モジュール7は、ハウジング8を備えている。このハウジング8内には、図2に示すように、時計ムーブメント9が設けられているほか、時計機能および近距離通信機能に必要な各種の電子部品(図示せず)が設けられている。時計ムーブメント9は、指針軸10を回転させて秒針12a、分針12b、および時針12cを運針させるように構成されている。
また、ハウジング8の上面には、図2に示すように、文字板13が配置されている。この文字板13には、指針軸10を下側から上方に向けて突出させるための貫通孔13aが設けられている。これにより、秒針12a、分針12b、および時針12cは、指針軸10の上部に取り付けられて、文字板13の上方を運針することにより、時刻を指示するように構成されている。
また、文字板13の周縁部上には、図2および図3に示すように、リング状の見切り部材14が、時計ガラス4と文字板13とに挟まれた状態で配置されている。このリング状の見切り部材14の内周面14aは、その下部側が小径で、上部側に向かうに従って次第に大径となる傾斜面に形成されている。
ところで、時計モジュール7には、図2および図3に示すように、複数の機能を選択的に指示して表示するための表示装置15が設けられている。この表示装置15は、複数の機能表示16a〜16dを有する表示部16と、この表示部16における複数の機能表示16a〜16dのいずれかを選択的に指示する指針である時針12cと、表示部16に対応して設けられて指針軸10側に向けて光を照射する発光部17と、時針12cの裏面に設けられて発光部17からの光を表示部16に向けて反射する反射部18とを備えている。
この場合、見切り部材14の内周面14aには、図3に示すように、複数の機能表示16a〜16dを有する表示部16が設けられている。この複数の機能表示16a〜16dのうち、第1機能表示16aは、後述する携帯情報端末機2における電話の着信を表すTELが表示されている。また、第2機能表示16bは、携帯情報端末機2における第1メールの着信を表すMAIL1が表示されている。第3機能表示16cは、携帯情報端末機2における第2メールの着信を表すMAIL2が表示されている。第4機能表示16dは、携帯情報端末機2におけるアラーム時刻を表すALMが表示されている。
発光部17は、図2および図3に示すように、第1〜第4の各発光素子17a〜17dを有し、これらが第1〜第4の各機能表示16a〜16dにそれぞれ対応した状態で、表示部16の下部に設けられている。この第1〜第4の各発光素子17a〜17dは、それぞれ発光ダイオード(LED)からなり、見切り部材14の下部に設けられた各切欠き部19内にそれぞれ個別に配置され、この状態でハウジング8内の電子回路(図示せず)と電気的に接続されている。
これにより、第1〜第4の各発光素子17a〜17dのうち、第1発光素子17aは、図3に示すように、第1機能表示16aに対応して配置され、この状態で点灯すると、その光を指針軸10に向けて照射するように構成されている。この場合、第1発光素子17aは、携帯情報端末機2が電話を着信した際の送信データを電子腕時計1が受信した際に点灯するように構成されている。
第2発光素子17bは、図3に示すように、第2機能表示16bに対応して配置され、この状態で点灯すると、その光を指針軸10に向けて照射するように構成されている。この場合、第2発光素子17bは、携帯情報端末機2が第1メールを着信した際の送信データを電子腕時計1が受信した際に点灯するように構成されている。
第3発光素子17cは、図3に示すように、第3機能表示16cに対応して配置され、この状態で点灯すると、その光を指針軸10に向けて照射するように構成されている。この場合、第3発光素子17cは、携帯情報端末機2が第2メールを着信した際の送信データを電子腕時計1が受信した際に点灯するように構成されている。
さらに、第4発光素子17dは、図3に示すように、第4機能表示16dに対応して配置され、この状態で点灯すると、その光を指針軸10に向けて照射するように構成されている。この場合、第4発光素子17dは、携帯情報端末機2がアラーム時刻になった際の送信データを電子腕時計1が受信した際に点灯するように構成されている。
一方、指針である時針12cは、図2および図3に示すように、通常は時計ムーブメント9によって秒針12aおよび分針12bと共に運針して、時刻を指示するように構成されている。また、この時針12cは、携帯情報端末機2における電話および第1、第2のメールなどの着信情報、あるいは携帯情報端末機2におけるアラーム時刻などの情報を電子腕時計1が受信した際に、これら情報の機能に応じて時計ムーブメント9によって運針され、表示部16の第1〜第4の機能表示16a〜16dのいずれかを選択的に指示するように構成されている。
また、反射部18は、図2〜図4に示すように、時針12cの下面に設けられ、第1〜第4の発光素子17a〜17dで発光された光を表示部16に向けて反射するように構成されている。この反射部18は、ほぼ三角錐に形成され、時針12cの先端側に反射面18aが形成されている。この反射面18aは、平面に形成され、第1〜第4の発光素子17a〜17dのいずれかで発光した光を表示部16の第1〜第4の機能表示16a〜16dのいずれかに向けて反射するように構成されている。
すなわち、この反射部18は、図2および図3に示すように、時針12cが第1機能表示16aを指示した状態で、第1発光素子17aが点灯し、その光が時針12cに向けて照射された際に、その光を反射面18aで反射して第1機能表示16aにスポット的に照射させるように構成されている。
同様に、この反射部18は、図2および図3に示すように、時針12cが第2機能表示16bを指示した状態で、第2発光素子17bが点灯し、その光が時針12cに向けて照射された際に、その光を反射面18aで反射して第2機能表示16bにスポット的に照射させるように構成されている。
また、この反射部18は、図2および図3に示すように、時針12cが第3機能表示16cを指示した状態で、第3発光素子17cが点灯し、その光が時針12cに向けて照射された際に、その光を反射面18aで反射して第3機能表示16cにスポット的に照射させるように構成されている。
さらに、この反射部18は、図2および図3に示すように、時針12cが第4機能表示16dを指示した状態で、第4発光素子17dが点灯し、その光が時針12cに向けて照射された際に、その光を反射面18aで反射して第4機能表示16dにスポット的に照射させるように構成されている。
次に、この電子腕時計1の回路構成について、図5に示されたブロック図を参照して説明する。
この電子腕時計は、CPU(Central Processing Unit)25、ROM(Read Only Memory)26、RAM(Random Access Memory)27、操作部28、計時回路29、時計ムーブメント9、ムーブメント駆動回路30、近距離無線通信部31、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)32、第1〜第4の各発光素子17a〜17dを有する発光部17、発光駆動回路33、振動モータ34、モータ駆動回路35、ピエゾ素子36、素子駆動回路37、およびCPU25と各部との間で信号の受け渡しを行うバス38などを備えている。
CPU25は、電子腕時計1の全体動作の統轄制御および各種演算処理を行う。このCPU25は、計時回路29の計数する現在時刻に基づいて時計ムーブメント9を駆動させて秒針12a、分針12b、時針12cを運針させて現在時刻を指示させる。また、このCPU25は、近距離無線通信部31を介して携帯情報端末機2で取得された情報に基づいて、発光部17における第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかを発光させる。
ROM26は、CPU25が実行する種々のプログラムやそのプログラムによって利用される初期設定データを格納する。RAM27は、CPU25に作業用のメモリ空間を提供し、ROM26から読み込まれた実行プログラムを展開したり、一時データを記憶したりする。操作部28は、1または複数の操作キーを備え、使用者によるキー操作に基づいて入力信号に変換して、CPU25に出力する。
計時回路29は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。この計時回路29から出力された現在時刻データに基づいて時計ムーブメント9が駆動されて、秒針12a、分針12b、時針12cが運針されて現在時刻が指示されたり、この現在時刻データと各種機能に係る設定時刻データ(例えばアラーム設定時刻)とが比較されて種々の動作が行われたりする。
時計ムーブメント9は、CPU25から送られた制御信号により、ムーブメント駆動回路30が動作して、ステップモータに駆動信号が与えられ、これによりステップモータが回転し、この回転が輪列機構によって指針軸10に伝達され、この指針軸10が回転することにより、秒針12a、分針12b、時針12cが文字板13の上方を運針して現在時刻を指示したり、発光部17における第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかに対する表示部16の第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを時針12cが指示したりする。
発光部17は、CPU25から送られた制御信号により、発光駆動回路33が動作して、第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかを発光させる。近距離無線通信部31は、アンテナAN4を介して外部機器である携帯情報端末機2との間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))通信を行うための通信制御部である。この近距離無線通信部31は、規約バージョン4.0の低消費電力モードでの通信に対応しており、タイムプロファイルに従ったデータの送受信が可能となっている。
CPU25から出力された送信データは、UART32でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、近距離無線通信部31から携帯情報端末機2に送信される。また、携帯情報端末機2から近距離無線通信部31を用いて受信された受信データは、UART32でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、CPU25に入力される。
振動モータ34およびピエゾ素子36は、それぞれ振動およびブザー音を発することで、使用者に報知を行うためのものある。CPU25からモータ駆動回路35および素子駆動回路37にそれぞれ制御信号が送られると、モータ駆動回路35および素子駆動回路37は、振動モータ34およびピエゾ素子36を動作させるのに必要な電圧信号に変換して出力する。
次に、この電子腕時計1との間で通信を行う携帯情報端末機2について、図1を参照して説明する。
この携帯情報端末機2は、各種のアプリケーションを搭載した多機能型の携帯電話機であり、図1に示すように、機器ケース2aに入力表示部2bおよび複数の操作キー2cが設けられた構成になっている。この場合、入力表示部2bは、透明なタッチパネルの下に平面型の表示パネルを配置したものであり、表示パネルに表示された情報がタッチパネルを通して見えるように構成されている。
このような携帯情報端末機2の回路構成について、図6に示されたブロック図を参照して説明する。
この携帯情報端末機2は、CPU40、ROM41、RAM42、記憶部43、操作部44、内臓時計45、表示部46、表示駆動回路47、スピーカ48、マイク49、コーディク50、RF送受信回路51、RF送受信用のアンテナAN1、通信回路52、近距離無線通信部53、UART54、近距離無線通信用のアンテナAN2、振動モータ55、モータ駆動回路56、およびCPU40と他の各部とを接続するバス57などを備えている。
CPU40は、携帯情報端末機2の全体動作の統轄制御および各種演算処理を行う。ROM41は、CPU40が実行する種々のプログラムやそのプログラムによって利用される初期設定データを格納する。RAM42は、CPU40に作業用のメモリ空間を提供し、ROM41から読み込まれた実行プログラムを展開したり、一時データを記憶したりする。
記憶部43は、不揮発性の読み書き可能なメモリであり、例えばEEPR(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)が用いられている。この記憶部43には、例えば携帯情報端末機2で送受信されたメールデータ、種々のアプリケーションプログラムやアプリケーションデータが記憶される。
操作部44は、複数の操作キー2cを備え、使用者によるキー操作に基づいて電気信号に変換し、入力信号としてCPU25に出力する。また、この操作部44には、入力表示部2bのタッチパネルにおけるタッチ操作による入力検出部を含む。内蔵時計45は、現在時刻を計数して保持するカウンタである。この携帯情報端末機2では、この現在時刻が読み出されて、表示部46に表示される。この内臓時計45の現在時刻データは、RF送受信回路51による携帯基地局との通信時に随時または所定のタイミングで修正される。
表示部46は、例えば液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescent)表示パネルなどの平面型の表示パネルである。CPU40から送られた制御信号により表示駆動回路47が動作し、表示パネルである表示部46に携帯情報端末機2の各種機能に係る表示を行わせる。スピーカ48は、コーディク50からの信号に基づいて電気信号を音声信号に変換して音声を出力する。また、マイク49は、音波を検出した電気信号に変換し、コーディク50に出力する。
コーディク50は、入力された音声出力用デジタル信号をデコードしてアナログ信号としてスピーカ48に送ると共に、マイク49から取得された音声信号をエンコードしてCPU40や通信回路52に出力する。RF送受信回路51は、RF送受信用のアンテナAN1を用いて携帯基地局との間で行われる送信の送受信処理を行う。また、通信回路52は、RF送受信回路51により送受信される送受信データの各種処理を行い、CPU40やコーディク50との間でデータの受け渡しを行う。
近距離無線通信部53は、近距離無線用のアンテナAN2を介して外部機器である電子腕時計1との間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))通信を行うための通信制御部である。この近距離無線通信部53は、規約バージョン4.0の低消費電力モードでの通信に対応しており、タイムプロファイルに従ったデータの送受信が可能となっている。CPU40から出力された送信データは、UART54でシリアル/パラレル変換などの処理が行われて、近距離無線通信部53から電子腕時計1に送信される。
また、電子腕時計1から近距離無線通信部53を用いて受信された受信データは、UART54でパラレル/シリアル変換などの処理が行われて、CPU40に入力される。振動モータ55は、携帯情報端末機2における電話や電子メールの着信時などに、モータ駆動回路56によって駆動されたモータの動作により振動を発生させる。
次に、この電子腕時計1の情報報知処理について、図7に示す動作フローを参照して説明する。この場合、図7は電子腕時計1のCPU25により実行される情報報知処理の手順を示す図である。
この情報報知処理は、ステップS1で電子腕時計1が近距離無線通信部31によってアンテナAN4を介して外部機器である携帯情報端末機2との間でブルートゥース(Bluetooth(登録商標))通信を行い、通信中でステップS2に進む。
このステップS2で、携帯情報端末機2が電話や電子メールなど着信した際の送信データを電子腕時計1が受信した際には、電子腕時計1の近距離無線通信部31によって受信された受信データが、UART32でシリアル/パラレル変換されて、CPU25に入力され、ステップS3に進む。このステップS3では、受信データに基づいてCPU25がムーブメント駆動回路30に制御信号を与えて、時計ムーブメント9のステップモータを駆動させる。これにより、時針12cが運針して表示部16の第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを指示する。
例えば、このステップS3で、携帯情報端末機2が電話を着信した際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて時針12cが運針して表示部16の第1機能表示16aであるTELを指示する。同様に、ステップS3で、携帯情報端末機2が第1メールを着信した際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて時針12cが運針して表示部16の第2機能表示16bであるMAIL1を指示する。
また、ステップS3で、例えば携帯情報端末機2が第2メールを着信した際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて時針12cが運針して表示部16の第3機能表示16cであるMAIL2を指示する。さらに、ステップS3で、携帯情報端末機2がアラーム時刻になった際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて時針12cが運針して表示部16の第4機能表示16dであるALMを指示する。
このように、ステップS3で携帯情報端末機2からのデータに基づいて、電子腕時計1の時針12cが運針して、表示部16の第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを指示すると、ステップS4に進んで、携帯情報端末機2から受信した受信データに基づいて電子腕時計1のCPU25が発光駆動回路33に制御信号を与えて、発光部17における第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかを発光させる。
例えば、このステップS4で、携帯情報端末機2が電話を着信した際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて第1機能表示16aに対応する第1発光素子17aを発光させる。このときには、時針12cが第1機能表示16aを指示していることにより、第1発光素子17aで発光された光が時針12cの反射部18に照射され、この照射された光が反射部18の反射面18aによって反射され、この反射光によって第1機能表示16aのTELがスポット的に照明される。
同様に、ステップS4で携帯情報端末機2が第1メールを着信した際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて第2機能表示16bに対応する第2発光素子17bを発光させて、時針12cの反射部18によって反射光を第2機能表示16bのMAIL1にスポット的に照射する。
また、ステップS4で携帯情報端末機2が第2メールを着信した際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて第3機能表示16cに対応する第3発光素子17cを発光させて、時針12cの反射部18によって反射光を第3機能表示16cのMAIL2にスポット的に照射する。
さらに、ステップS4で携帯情報端末機2がアラーム時刻になった際の送信データが電子腕時計1に受信された際には、その受信データに基づいて第4機能表示16dに対応する第4発光素子17dを発光させて、時針12cの反射部18によって反射光を第4機能表示16dのALMにスポット的に照射する。
このように、ステップS4で、携帯情報端末機2から受信した受信データに基づいて電子腕時計1の発光部17における第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかを発光させると、ステップS5に進んで、第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかが点灯してから所定時間、例えば20秒程度、経過したか否かを判断し、所定時間経過してなければ(ステップS5でNO)、ステップS4に戻って第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかの点灯を継続する。
また、ステップS5で第1〜第4の各発光素子17a〜17dのいずれかが点灯してから所定時間経過すると(ステップS5でYES)、ステップS6に進んで、第1〜第4の各発光素子17a〜17dを消灯させ、ステップS7に進んで、時針12cを通常運針に戻す。このステップS7では、CPU25がムーブメント駆動回路30に制御信号を与えて、時計ムーブメント9のステップモータを駆動させ、時針12cを現在時刻に戻し、この情報報知処理を終了する。
このように、この電子腕時計1の表示装置15によれば、第1〜第4の各機能表示16a〜16dを有する表示部16と、この表示部16における第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを選択的に指示する時針12cと、表示部16に対応して設けられて時針12c側に向けて光を照射する発光部17と、時針12cの裏面に設けられて発光部17からの光を時針12cが指示している第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかに向けて反射する反射部18と、を備えているので、時針12cの指示による機能表示16a〜16dを正確に且つ速やかに視認することができる。
すなわち、この電子腕時計1の表示装置15では、表示部16における第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを時針12cが指示している際に、その時針12c側に向けて発光部17が光を照射し、この照射された光を反射部18によって時針12cが指示している機能表示16a〜16dのいずれかに向けて反射することができる。
このため、反射部18で反射された光を時針12cが指示している機能表示16a〜16dのいずれかに照射させて、時針12cが指示している機能表示16a〜16dのいずれかを確実に且つ効果的に照明することができる。これにより、時針12cの指示による機能表示16a〜16dのいずれかを正確に且つ速やかに視認することができる。
この場合、反射部18は、発光部17からの光を反射する反射面18aが平面に形成されていることにより、発光部17からの光が時針12cに照射されると、その照射された光を反射部18の反射面18aによって、時針12cが指示する機能表示16a〜16dのいずれかに向けてスポット的に照射することができ、これにより時針12cが指示する機能表示16a〜16dのいずれかを確実に且つ明るく照明することができる。
また、この表示装置15では、発光部17が複数の発光素子17a〜17dを有し、この複数の発光素子17a〜17dが表示部16における複数の機能表示16a〜16dごとにそれぞれ対応して設けられていることにより、時針12cが表示部16における第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを選択的に指示した際に、時針12cが指示している機能表示16a〜16dのいずれかに対応する発光素子17a〜17dを点灯させることができる。
これにより、点灯した発光素子17a〜17dのいずれかの光を時針12cに確実に且つ良好に照射させることができ、この照射された光を時針12cに設けられた反射部18によって時針12cが指示している機能表示16a〜16dのいずれかに向けて確実に且つ良好に反射させることができるので、時針12cが指示した機能表示16a〜16dのいずれかを確実に且つ効果的に照明することができる。
さらに、複数の機能表示16a〜16dを有する表示部16は、時針12cが運針する外周に沿って設けられた見切り部材14の内周面14aに設けられていることにより、発光部17からの光を時針12cに設けられた反射部18が反射した際に、この反射部18による反射光を見切り部材14の内周面14aに向けて確実に照射させることができるので、この見切り部材14の内周面14aに設けられた表示部16を良好に照明することができる。
この場合、見切り部材14は、時針12cが運針する外周に沿うリング状をなし、その下部側が小径で、上部側に向かうに従って次第に大径となる傾斜面に形成され、この傾斜面に表示部16の複数の機能表示16a〜16dが設けられていることにより、発光部17からの光を時針12cの反射部18によって反射した際に、その反射光を見切り部材14の傾斜面に照射させることができるので、表示部16を良好に照明することができると共に、照射された表示部16を上方から良好に視認することができる。
また、発光部17における複数の発光素子17a〜17dは、見切り部材14の下部に機能表示16a〜16dにそれぞれ対応して設けられた各切欠き部19内にそれぞれ個別に配置されていることにより、複数の発光素子17a〜17dが腕時計ケース3の外部から見えないように隠すことができ、これにより複数の発光素子17a〜17dを備えていても、電子腕時計1としての外観が損なわれることがなく、デザイン性が良く、電子腕時計1としての品位を保つことができる。
さらに、この電子腕時計1では、外部機器である携帯情報端末機2との間で通信を行う近距離無線通信部31を備えていることにより、携帯情報端末機2から送信された送信データを電子腕時計1が受信した際に、その受信データに応じた機能を表示装置15によって報知することができる。この場合、携帯情報端末機2が携帯基地局との間で通信を行う遠距離無線通信部であるRF送受信回路部51を有することにより、携帯情報端末機2が携帯基地局からの電話やメールなどを着信した際の送信データが電子腕時計1に受信された際に、その受信データに応じた機能を表示装置15の表示部16に表示させて報知することができる。
例えば、電車内などの通信が禁止されている場所で、携帯情報端末機2が電話やメールなどを着信し、受信データを取得すると、その受信データに応じた機能を近距離無線通信部53によって電子腕時計1に送信することができ、これにより携帯情報端末機2が取得した受信データに応じた機能を電子腕時計1の表示装置15で報知することができるので、電車内などの通信が禁止されている場所でも、携帯情報端末機2が電話やメールなどを着信し、受信データを取得していることを使用者に知らせることができる。
なお、上述した実施形態では、時針12cが表示部16の第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを指示するように構成し、この時針12cの裏面に反射部18を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図8に示す第1変形例のように、分針12bが表示部16の第1〜第4の各機能表示16a〜16dのいずれかを指示するように構成し、この分針12bの裏面に反射部18を設けた構成であっても良い。このように構成しても、上述した実施形態と同様の作用効果がある。
また、上述した実施形態では、時針12cの裏面に設けられた反射部18の反射面18aを平面に形成した場合について述べたが、必ずしも反射面18aを平面に形成する必要はなく、例えば図9(a)〜図9(c)に示す第2変形例、図10(a)〜図10(c)に示す第3変形例、図11(a)〜図11(c)に示す第4変形例のように構成しても良い。
すなわち、図9(a)〜図9(c)に示す第2変形例は、時針12cの裏面に設けられた反射部60の反射面60aを凹曲面に形成し、この反射面60aによって発光部17から照射された光を、時針12cが指示する表示部16の複数の機能表示16a〜16dのいずれかに集光させて照射させるように構成されている。このように構成すれば、上述した実施形態よりも、発光部17からの光を複数の機能表示16a〜16dのいずれかに集光させて、より一層、スポット照射させることができる。
また、図10(a)〜図10(c)に示す第3変形例は、時針12cの裏面に設けられた反射部61の反射面61aを凸曲面に形成し、この反射面61aによって発光部17から照射された光を、時針12cが指示する表示部16の複数の機能表示16a〜16dのいずれかに向けて拡散照射させるように構成されている。このように構成すれば、発光部17からの光を複数の機能表示16a〜16dのいずれかに向けて拡散照射させることができるので、時針12cが複数の機能表示16a〜16dのいずれを指示しているかを良好に視認することができる。
さらに、図11(a)〜図11(c)に示す第4変形例は、時針12cの裏面に設けられた反射部62の反射面62aを鋸歯形状に形成し、この反射面62aによって発光部17から照射された光を、時針12cが指示する表示部16の複数の機能表示16a〜16dのいずれかに向けて分散照射させるように構成されている。このように構成すれば、発光部17からの光を複数の機能表示16a〜16dのいずれかに向けて分散照射させることができるので、時針12cが複数の機能表示16a〜16dのいずれを指示しているかを良好に視認することができる。
また、上述した実施形態およびその各変形例では、時針12cの裏面に反射部18、60〜62を設けたが、反射部は鋸歯形状の反射部材で時針12cの裏面全体を形成しても良い。さらに、時針12cが複数の機能表示16a〜16dのいずれかを指示している際に、ステップモータを駆動させて、時針12cを揺動させることで、指針が指示している機能表示が点滅しているように見せることもできる。
また、上述した実施形態およびその各変形例では、外部機器である携帯情報端末機2との間で無線通信を行う近距離無線通信部31を備えた構成である場合について述べたが、必ずしも携帯情報端末機2との間で無線通信を行う必要はなく、赤外線などの光による光通信を行うように構成しても良い。
また、上述した実施形態およびその各変形例では、表示部16の第1〜第4の各機能表示16a〜16dが、携帯情報端末機2から送信された電話、メール、アラーム時刻などのデータの機能を表示するように構成した場合について述べたが、必ずしも携帯情報端末機2から送信されたデータの機能を表示する必要はなく、例えば電子腕時計1が有する複数の機能を表示するように構成しても良い。
さらに、上述した実施形態およびその各変形例では、発光部17の第1〜第4の各発光素子17a〜17dを表示部16の第1〜第4の各機能表示16a〜16dに対応させて設けた場合について述べたが、これに限らず、1つの発光素子を設けた構成であっても良い。この場合、発光素子は、必ずしも表示部16に対応する箇所に設ける必要はなく、表示部16の近傍に位置する箇所に設けられていても良い。
なおまた、上述した実施形態およびその各変形例では、電子腕時計1に適用した場合について述べたが、必ずしも電子腕時計1である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の指針式の電子時計に適用することができる。また、電子時計に限らず、携帯型の情報機器などの電子機器にも広く適用することができる。
以上、この発明の一実施形態およびその各変形例について説明したが、この発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、複数の機能表示を有する表示部と、この表示部における前記複数の機能表示のいずれかを選択的に指示する指針と、前記表示部に対応して設けられ、前記指針側に向けて光を照射する発光部と、前記指針の裏面に設けられ、前記発光部からの光を前記指針が指示する前記機能表示に向けて反射する反射部と、を備えていることを特徴とする表示装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記反射部は、前記発光部からの光を反射する反射面が平面に形成されていることを特徴とする表示装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記反射部は、前記発光部からの光を反射する反射面が凹曲面に形成されていることを特徴とする表示装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記反射部は、前記発光部からの光を反射する反射面が凸曲面に形成されていることを特徴とする表示装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の表示装置において、前記発光部は、複数の発光素子を有し、この複数の発光素子が前記表示部における前記複数の機能表示ごとにそれぞれ対応して設けられていることを特徴とする表示装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の表示装置において、前記表示部は、前記指針が運針する外周に沿って設けられた見切り部材の内周面に設けられていることを特徴とする表示装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の表示装置において、外部機器との間で通信を行う通信部を備えていることを特徴とする表示装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載された表示装置を備えていることを特徴とする電子時計である。