JP5782023B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
無線通信装置100は、第一筐体10、第二筐体20および可撓性の配線基板30を備えている。第二筐体20は第一筐体10に対してスライド、例えば摺動する。配線基板30は、第一筐体10と第二筐体20とを接続する。
無線通信装置100は、第一筐体10と第二筐体20とが互いに摺動することより、以下の第一状態と第二状態とに切り替えられる。第一状態では、配線基板30が折り返されている。そして、第二状態では、第一状態よりも配線基板30が伸張する。
第一筐体10は、把持するユーザの手によって無線通信装置100の通信品質が劣化しないように、その端部にアンテナ素子を収容している。第二筐体20は、配線基板30の少なくとも一部を収容している。
無線通信装置100は、例えばスライド開閉式の携帯電話機である。
第一筐体10は、ユーザが手で把持してキー操作する操作側筐体であり、操作キー12、第一回路基板14、電源16およびアンテナ素子40が設けられている。操作キー12、電源16およびアンテナ素子40は第一回路基板14と電気的に接続されている。
操作キー12はユーザが指等で入力操作を行う入力インタフェースである。
第一回路基板14は、いわゆるリジッド基板であり、無線通信装置100の制御を行う。アンテナ素子40は、所定の通信周波数の電波を送受信する。電源16は無線通信装置100に電力を供給する。
第二回路基板24は、いわゆるリジッド基板であり、配線基板30を通じて第一回路基板14から信号を受信し、表示パネル22の制御を行う。表示パネル22は種々の表示出力を行うディスプレイである。
第一回路基板14と第二回路基板24との間では、配線基板30を通じて、無線通信装置100の種々の動作周波数の信号が伝送される。無線通信装置100は複数の動作周波数を有していてもよい。動作周波数としては、第一回路基板14や第二回路基板24に搭載された素子のクロック周波数や、アンテナ素子40の通信周波数が例示される。
開放状態の第二筐体20の表示パネル22の面直方向は、無線通信装置100の前後方向に対して僅かに傾斜している。すなわち、閉止状態と開放状態とに遷移する第二筐体20は、上下方向に摺動するとともに、幅方向(図1各図の紙面前後方向)を軸として僅かに回転する。本実施形態において第二筐体20が摺動するとは、第二筐体20が第一筐体10に対して直線状または曲線状に並進移動することに加えて、第二筐体20が第一筐体10に対して回転移動することを含む。なお、本実施形態に代えて、第二筐体20は第一筐体10に対して傾斜することなく、それぞれの面直方向を一致させた状態で互いに直線状に摺動して開閉してもよい。
また、頸部37とは、第一状態における重なり領域OVLの内部において、配線基板30同士の対向間隔が、折返部38近傍を除いて最小となる領域をいう。頸部37は所定の広がりをもつ領域である。なお、頸部37において、配線基板30同士は接触してもよく(対向間隔=0)、または互いに離間していてもよい(対向間隔≠0)。
第一筐体10から第二筐体20に向かって(またはその逆に)配線基板30を流れる電流は、前面部30aと後面部30bとでは逆向きの逆相電流となる。
なお、ここでアンテナ素子40が対向しているとは、アンテナ素子40から対象の部材(領域)を直線で結んだとき、対象の部材の面方向が当該直線に交差していることをいう。
なお、アンテナ素子40から見て、配線基板30の背後に第二回路基板24が位置するとは、第二回路基板24を介してアンテナ素子40と配線基板30とが対向していることをいう。
特に、無線通信装置100が第一状態である場合には、配線基板30に含まれる導体層(導体面)との対向が避け難く、この導体層がアンテナ素子40のアンテナ特性を阻害する。
このような悪影響を低減することを目的として、アンテナ素子40と当該導体面との間に、当該導体面の面直方向に交差するように、複数の導体要素36(後述の図3、4、5を参照)を繰り返し配列している。
また、左手系のメタマテリアルは、いわゆる電磁バンドギャップ(EBG:Electromagnetic Band-Gap)の特性を有するように作りこむこともできる。このとき、複数の導体要素36が配列されている領域は、無線通信装置100の動作周波数の電磁波を減衰することもできる。本実施形態では、複数の導体要素36を配列させている領域に、電磁バンドギャップの特性を有する左手系のメタマテリアルを実現する。
また、ここで導体面の面直方向に交差するように繰り返し配列するとは、各々の導体要素36の面方向と、導体面の面方向とが垂直ではなく、導体要素36の面同士が互いに対向しないように間隙を隔てて配列されていることをいう。
また、互いに隣り合う導体要素36において、中心間距離は、アンテナ素子40の通信周波数(複数ある場合はいずれか)の電磁波の波長λの1/2以内とすることが好ましい。
さらに、導体面と導体要素36との間隔が一律になるように、導体要素36が導体面の面方向に沿って配列されることが望ましいが、必ずしもこれに限らない。すなわち、アンテナ素子40の通信周波数において左手系のメタマテリアルとして機能する範囲内で導体面と導体要素36との距離が、個別に変動しても構わない。
以下、各図面を用いて導体要素36の配列について詳細に説明する。
図3(a)は、図1(a)の開放状態におけるアンテナ素子40の周囲を示す部分模式図である。また、図3(b)は繰り返し配列された導体要素36を示す部分模式図である。なお、図3各図では、導体要素36をマッシュルーム型に図示しているがこれは一例であり、好適に用いられる導体要素36の構造の具体例は後記に詳述する。
ここでは、誘電体層31の厚みが、接続部材362の長さに相当するように図示しているが、必ずしもこれに限らず、誘電体層31は導体要素36の全体を覆ってもよい。
ただし、導体要素36が配列されている領域は、アンテナ素子40に対する反射板として機能するので、アンテナ素子40の指向性に影響を与える。また、第一筐体10、第二筐体20の備えられる各部材の配置によって、導体要素36が配列可能な領域は制限される。これらの点について留意して、導体要素36の配列は適切に定められればよい。
そして、上述のようにアンテナ素子40の指向性や各部材の配置等に留意して、導体要素36の配列は適切に定められればよい。
以下、各図面を用いて、本実施形態に好適に用いられる導体要素36の構造について詳細に説明する。
本実施形態に用いられる左手系のメタマテリアルを構成する導体要素36に共通する特徴として、互いに対向する導体面(導体板21、導体層34a)および導体エレメント361で構成される第一の容量と、これに直列に設けられたインダクタンス要素とを含む点が挙げられる。
本実施形態において、単位セル50(導体要素36)は、導体面(導体板21、導体層34a)に沿って繰り返し配置されている。単位セル50の配置パターンは限定されないが、たとえば周期的に配置されていることが好ましい。
「繰り返し」には、いずれかの単位セル50において構成の一部が欠落している場合も含まれる。本実施形態のように単位セル50が二次元配列を有している場合には、「繰り返し」には単位セル50が部分的に欠落している場合も含まれる。また「周期的」には、一部の単位セル50において構成要素の一部がずれている場合や、一部の単位セル50そのものの配置がずれている場合も含まれる。すなわち厳密な意味での周期性が崩れた場合においても、単位セル50が繰り返し配置されている場合には、メタマテリアルとしての特性を得ることができるため、「周期性」にはある程度の欠陥が許容される。
なお、これらの欠陥が生じる要因としては、単位セル50間に配線やビア、接続部材362を通す場合の製造上の理由が挙げられる。このほか、既存の配線レイアウトや基板間接続構造にメタマテリアル構造を追加する場合において、既存のビアやパターン、接続部材によって単位セルが配置できない場合、または製造誤差、既存のビアやパターン、接続部材を単位セルの一部として用いる場合などが挙げられる。
本実施形態において、複数の導体要素36が配列されている導体面(導体板21、導体層34a)が、アンテナ素子40から放射された電磁波を同相で反射し、当該導体面がアンテナ素子40の近傍に設けられている。従って、アンテナ素子40の特性劣化を防ぐことができる。
また、配線基板30の表面301の略全体に複数の導体要素36が配列されるので、第二回路基板24をアンテナ素子40から掩蔽することができる。さらに、配線基板30の裏面302の略全体に複数の導体要素36が配列されれば、第二状態においても第二回路基板24をアンテナ素子40から掩蔽することができる。
このため、導体板21、配線基板30の導体層34(34a、34b)、第二回路基板24の導体層(図示せず)が、無線通信装置100のアンテナ特性に与える悪影響を低減することができる。
ここで、基板がアンテナ素子40から掩蔽されているとは、当該基板とアンテナ素子40との間の電磁波の授受の少なくとも一部が、他の物理的な要素によって低減されている状態をいう。
Claims (13)
- 筐体または基板が有する導体面の少なくとも一部と対向しているアンテナ素子と、
前記アンテナ素子と前記導体面との間に位置し、前記導体面の面直方向に交差するように繰り返し配列され、誘電率と透磁率とがともに負である複数の導体要素と、
を備える無線通信装置
であって、
複数の前記導体要素は、前記導体面の面方向に沿って配列されており、
前記アンテナ素子を収容している第一筐体と、
前記基板を収容している第二筐体と、を備え、
前記基板は可撓性を有し、かつ前記第一筐体と前記第二筐体とを接続し、
前記第一筐体と前記第二筐体とは、互いにスライドすることにより、
前記基板が折り返された第一状態と、
前記第一状態よりも前記基板が伸張した第二状態と、に切り替えられ、
前記アンテナ素子は、前記第一状態または前記第二状態の少なくとも一方で、前記第一筐体、前記第二筐体または前記基板が有する前記導体面と対向し、
複数の前記導体要素は、前記導体面に配列され、前記基板が前記導体要素に摺動することを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1に記載の無線通信装置であって、
前記第一状態における折り返された前記基板同士の重なり領域の面積が、前記第二状態における前記重なり領域の面積よりも大きい請求項1に記載の無線通信装置。 - 請求項1または2に記載の無線通信装置であって、
前記アンテナ素子は、前記第一状態における折り返された前記基板同士の重なり領域に対向し、
複数の前記導体要素は、少なくとも前記重なり領域に配列されていることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項4に記載の無線通信装置であって、
前記アンテナ素子は、前記第一状態および前記第二状態において前記基板を介して他の基板と対向し、
複数の前記導体要素は、前記基板の両面に配列されていることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信装置であって、
複数の前記導体要素は、前記導体面に対して電気的に接続することを特徴とする無線通信装置。 - 請求項4または5に記載の無線通信装置であって、
複数の前記導体要素が配列されている領域は、電磁バンドギャップの特性を有し、前記無線通信装置の動作周波数の電磁波を減衰させることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の無線通信装置であって、
前記導体要素は、
前記導体面の面外で当該導体面と対向する導体エレメントと、
前記導体面に設けられた開口と、
前記開口の内部に島状に形成された導体片と、
前記導体片と前記導体面とを接続する配線と、を備え、
前記導体片と前記配線は、前記導体面と同層であることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の無線通信装置であって、
前記導体要素は、
前記導体面の面外で当該導体面と対向する導体エレメントと、
前記導体面に設けられた開口と、
前記開口の内部に形成され、一端は前記導体面に接続され、他端はオープン端である線状の導体線路と、を備え、
前記導体線路は、前記導体面と同層であることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の無線通信装置であって、
前記導体要素は、
前記導体面と対向する導体エレメントと、
前記導体面と異層に形成される線状の導体線路と、
前記線状の導体線路の一端と前記導体面とを接続する接続部材と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項9に記載の無線通信装置であって、
前記導体線路は、前記導体エレメントと前記導体面との中間層に形成されていることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項9に記載の無線通信装置であって、
前記導体線路は、前記導体エレメントを挟んで前記導体面の反対側に位置し、
前記接続部材は、前記導体エレメントを貫通していることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項11に記載の無線通信装置であって、
前記導体線路の他端は、オープン端であることを特徴とする無線通信装置。 - 請求項11に記載の無線通信装置であって、
前記導体線路の他端は、前記導体エレメントとショートされていることを特徴とする無線通信装置。
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