JP5781680B1 - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス交換効率の装置費用対効果が大きく、着火安定性が向上し、燃費を向上させた自動車の内燃機関を提供する。【解決手段】シリンダヘッド100aの中心に換気通路120が設けられ、シリンダヘッドの側方に換気通路に連通する吸気通路140及び排気通路160が設けられるシリンダ100と、先端にキャビティ220が設けられ、シリンダ内を移動し、シリンダとの間に燃焼室300を形成するピストン200と、換気通路を開閉する主弁420と、主弁に沿って移動し移動した位置に応じて吸気通路140及び排気通路160の開閉を切り替える副弁440と、を備えた動弁装置400と、燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁500と、主弁を駆動する、カム481とロッカアーム482とを備えた主弁駆動機構480と、副弁を駆動する、カム491とロッカアーム492とを備えた副弁駆動機構490と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車、建設機械、鉄道車両、モーターボート、可搬式発電機、農林業機械などの内燃機関に関する。
従来の内燃機関としては非特許文献1に示される自動車用のものが知られている。非特許文献1に示されるものは、シリンダと、先端にキャビティが設けられ、シリンダ内を移動し、シリンダとの間に燃焼室を形成するピストンと、燃焼室の吸排気を行う動弁装置と、燃料に点火する電気式点火プラグと、燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁を備えて構成されている。動弁装置は、ポペット弁より成る吸気弁と排気弁を各1弁又は2弁用いており、シリンダヘッドに弁駆動機構を介して配置されている。電気式点火プラグは、シリンダヘッドの中心付近の吸気弁と排気弁の間に設けられており、燃料噴射弁は、動弁装置と電気式点火プラグを避けたシリンダヘッド近傍に配置されている。
また、従来の内燃機関として、非特許文献2に示される船舶の発電用のものが知られている。非特許文献2に示される内燃機関では、シリンダヘッドの中心に設けられた換気通路を開閉する主弁と、主弁に沿って上下方向に移動し、移動した位置に応じて換気通路に連通する吸気通路と排気通路の開閉を切り替える副弁とを備えた動弁装置が用いられている。この動弁装置は、油圧式の駆動機構によって駆動される。この駆動機構は、例えば、カムの回転とバネによって上下動するピストンによりシリンダから作動油を押し出したり、吸入したりすることにより、弁側に配置され、弁を押圧するピストンに作動油の油圧を作用させて、弁を駆動する。
Thermal Science & Engineering Vol.15 No.1(2007), 圧縮天然ガス(CNG)直接噴射エンジンの燃焼解析, 野村佳洋,稲垣英人,塚崎行弘, p.33−p.37 日本船舶用機関学会誌 第33巻 第12号(1998−12) 高出力4サイクル中速ディーゼル機関ADD30V p.875
しかしながら、非特許文献1の自動車用の内燃機関では、シリンダヘッドに配置された動弁装置の1つの弁の有効通路面積は、1弁を配置したものよりも2弁を配置したものの方が小さくなる。このため、動弁装置の弁の有効通路面積は、2弁を配置にしても1弁を配置したものの2倍にならない。このように、弁の数に比例して有効通路面積が大きくなるわけではない。また、弁の数を増やすとガス交換効率は向上するが、弁の数が多くなると、弁駆動機構はより複雑な構成になる。以上説明したように、弁の数を増やしても、弁の数に比例した有効通路面積が得られず、弁駆動機構も複雑化することから、ガス交換効率の装置費用対効果を必ずしも大きくすることができないという課題がある。
また、燃料への点火は電気式点火プラグのスパーク火花で行うが、スパーク火花は、電気式点火プラグのプラグ電極や燃焼室壁面の近くで発生する。このため、スパーク火花によって着火した最初の火炎核が冷却されることがあり、着火が不安定になったり、燃料の混合ガス濃度が薄いと火が付かず失火してしまったりすることがある。また、一点着火であるため、燃焼室が大きいと、燃焼が不十分になったりする。このように、電気式点火プラグでは、燃費が悪くなるという課題がある。
また、非特許文献2に示される船舶の発電用の内燃機関では、シリンダから押し出された作動油は配管などの容器に封じ込められて主弁と副弁を駆動する。このため、弁を開くときは作動油の慣性力により弁がカム形状の最大リフト値を飛び越えて、いわゆるジャンプが発生し、ピストンヘッドと干渉して、弁もしくはピストンが破壊されるという問題がある。
また、弁を閉じるときは、作動油のバネ定数が小さいため、カム形状に追従せず、いわゆる油柱分離という現象が発生する。このため、弁の傘部がバルブシートに叩き付けられて大きな打撃騒音を発し、弁の傘部やバルブシートの耐久性を損なうという問題がある。
さらに、弁の開閉時に、弁にかかる作動荷重に対して作動油に縮みが発生し、この縮みの大きさに応じて弁の開閉タイミングが乱れ、精度に欠けるという問題がある。
このような欠点により、非特許文献2に示される動弁装置の機関回転数は、最高でも実用で750rpm程度の回転速度になる。このため、船舶の発電用には適用することができるが、自動車などの3000rpm以上の高回転エンジンには適用が不可能であった。
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ガス交換効率の装置費用対効果が大きく、着火安定性が向上し、燃費を向上させることの可能な新規かつ改良された内燃機関を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明によれば、シリンダヘッドの中心に換気通路が設けられ、シリンダヘッドの側方に前記換気通路に連通する吸気通路及び排気通路が設けられるシリンダと、先端にキャビティが設けられ、前記シリンダ内を移動し、前記シリンダとの間に燃焼室を形成するピストンと、前記換気通路を開閉する主弁と、前記主弁に沿って移動し移動した位置に応じて前記吸気通路及び前記排気通路の開閉を切り替える副弁と、を備えた動弁装置と、前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、を備えたことを特徴とする、内燃機関が提供される。
かかる構成によれば、シリンダヘッドの中心に主弁を配置することで、既存の吸排4弁の内燃機関に比べて、大きな有効通路面積が得られる。これにより、新気が燃焼ガスを排気へ追い出す量を増やすことができる。よって、ガス交換効率の装置費用対効果が大きくなる。このため、シリンダ内の残留ガスの残存量が少なくなるので、ガスのノッキング範囲が大幅に拡大できる。これにより、圧縮比を高くすることができるため、熱効率を向上させることができる。よって、希薄燃焼領域を拡大させることができるので、燃費が向上する。
さらに、シリンダヘッドの中心に主弁を配置することで、有効通路面積が大きく取れることに加え、主弁に沿って吸気通路と排気通路が配置されていることにより、燃焼室側を冷たい吸気で常に冷却しているので、動弁装置が高温にならない。このため、シリンダヘッドを大幅に冷却しなくもよいので、冷却損失が少なく、熱効率が向上する。
また、燃焼室が、換気通路を介して吸気通路と排気通路に連結されているため、燃焼室のシリンダヘッド側に排気熱と吸気熱の温度差が生じにくい。このため、燃焼温度が安定して異常燃焼が起きにくく、着火安定性が向上する。また、燃焼温度が安定して異常燃焼が起きにくい分圧縮比を上げられるので、熱効率が向上する。
また、例えば、6気筒を4気筒にサイズダウンして機械損失を低減し、燃費を良くして同等以上の馬力を得る場合、ターボ過給で1.5倍以上平均有効圧を上げる必要がある。このとき、有効通路面積が小さいと、目標有効圧を得ることが難しい。しかし、既存の吸排4弁の内燃機関に比べて、大きな有効通路面積(後述する一例では1.7倍の有効通路面積)が得られるため、既存の吸排4弁の内燃機関に比べて、シリンダの径を小さくしても目標有効圧を得ることが可能となる。
本発明は様々な応用が可能である。例えば、前記燃料噴射弁から噴射された燃料に対して、前記燃焼室内の複数の点で火種を生成するレーザ光発射器を備えてもよい。これにより、燃焼室内の複数の点で火種を生成することができるので、着火安定性が向上する。
また、前記燃料噴射弁と前記レーザ光発射器とは、前記シリンダヘッド近傍であって、前記動弁装置を挟んで対向する位置に設けられるようにしてもよい。これにより、レーザ光発射器により複数の点で生成された火種は、燃料噴射弁から噴射された燃料の超音速流とスキッシュ流で乱れが促進されるため、着火安定性が向上するとともに、燃焼時間を短縮することができる。このため、燃料の希薄化を進めることができるので、燃費が向上する。
さらに、前記主弁は、カムとロッカアームとを備えた主弁駆動機構によって駆動され、前記副弁は、カムとロッカアームとを備えた副弁駆動機構によって駆動されるようにしてもよい。これにより、各弁の開閉タイミングを独立に全運転領域で連続的に可変できる。
本発明によればガス交換効率の装置費用対効果が大きく、着火安定性が向上し、燃費が向上する。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関を正面方向から見た図である。 動弁装置を説明するための図である。 動弁装置の各構成部品を示す図である。 ピストン駆動機構を説明するための図である。 動弁装置に設けられた弁駆動機構の平面図である。 弁駆動機構の平面図である。 弁駆動機構の各構成部品を示す側面図である。 内燃機関の燃焼サイクルを説明する図であり、(a)は吸気工程を示し、(b)は圧縮工程を示し、(c)は燃焼行程を示し、(d)は排気工程を示し、(e)は各工程におけるピストンの状態とシリンダ内の圧力の関係を示す。 吸気工程と排気工程における主弁と副弁の動作を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明の一実施形態について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる内燃機関10を正面方向から見た全体構成を示す断面図であり、図2は、側面方向から見た全体構成を示す断面図である。なお、本実施形態の内燃機関10は自動車の内燃機関であるが、これは一例であり、本発明は、建設機械、鉄道車両、モーターボート、可搬式発電機、農林業機械などの内燃機関にも適用される。
本実施形態にかかる内燃機関10は、図1及び図2に示したように、(1)シリンダヘッド100aの中心に換気通路120が設けられ、シリンダヘッド100aの側方に前記換気通路210に連通する吸気通路140及び排気通路160が設けられるシリンダ100と、(2)先端にキャビティ220が設けられ、シリンダ100内を移動し、シリンダ100との間に燃焼室300を形成するピストン200と、(3)シリンダ100とピストン200との間に形成される燃焼室300と、(4)換気通路120を開閉する主弁420と、主弁420に沿って移動し移動した位置に応じて吸気通路140及び排気通路160の開閉を切り替える副弁440と、を備えた動弁装置400と、(5)燃焼室300内に燃料を噴射する燃料噴射弁500と、(6)燃料噴射弁500から噴射された燃料に対して、燃焼室300内の複数の点で火種を生成するレーザ光発射器600と、を主に備えて構成される。
以下、本実施形態にかかる内燃機関10の各構成要素について詳細に説明する。まず、内燃機関10の仕様は、以下のとおりである。なお、以下の仕様は一例であり、適宜変更することができるものとする。
<仕様条件>
燃料 天然ガス(メタン98%以上)
圧縮比 13〜14
シリンダ径 80mm〜90mm
燃料圧力 7MPa〜8MPa
機関回転数 最高5000rpm〜5500rpm
(シリンダ100)
シリンダ100は、前述のように径寸法が80mm〜90mmの円筒状の形状をしている。ただし、本実施形態におけるシリンダ100の径寸法は一例であり、この値に限定されない。シリンダヘッド100aの中央には、燃焼室300に連通する円筒形状の換気通路120が形成されており、この換気通路120を介してシリンダ100内が換気される。換気通路120は、シリンダヘッド100aに1つ設けられる。換気通路120には主弁420の後述する円錐状閉塞部421bが着座するシートが設けられている。
さらに、シリンダ100には、シリンダ100内へ新気を取り込むための吸気通路140と、燃焼後のガスを排気するための排気通路160が形成されており、吸気通路140と排気通路160は換気通路120に連通している。吸気通路140と排気通路160は、換気通路120に沿って設けられており、換気通路120の長さ方向において、吸気通路140が、燃焼室300に近い側に、排気通路160が遠い側にそれぞれ配置されている。また、吸気通路140と排気通路160は、換気通路120の円周方向において、180度隔てられた位置にある。なお、この吸気通路140と排気通路160の位置は一例である。例えば、吸気通路140と排気通路160を同じ方向に設けるなど、適宜設定することができる。吸気通路140と排気通路160には副弁440の後述する通路閉塞部441aが着座するシートがそれぞれ設けられている。
主弁420の後述する円錐状閉塞部421bと換気通路120との開弁隙間面積である有効通路面積は、既存の吸排4弁のものの有効通路面積よりも大きく構成されており、本実施形態では約1.7倍に構成される。これにより、既存の吸排4弁のものに比べて、ガス交換効率が向上する。なお、換気通路120の上記有効通路面積の大きさは一例であり、例えば、燃料噴射弁500やレーザ光発射器600の配置や大きさなどに応じて、吸排4弁のものの有効通路面積よりも大きい範囲内において、適宜変更される。
(ピストン200)
ピストン200には、前述のように、これの先端にキャビティ220が設けられている。このキャビティ220によって、燃焼室300のエッジ部はリエントラント形状となり、燃焼室300ではスキッシュ流を得ることができる。発生したスキッシュ流は、前述の燃料噴射弁500から噴射された燃料と空気の混合を促進する。また、図3に示したように、ピストン200には、をシリンダ100の上下方向に移動させるピストン駆動機構240が設けられている。
(燃焼室300)
燃焼室300は、図1に示したように、シリンダ100と、ピストン200との間に形成され、燃焼室300の圧縮比は、本実施形態では、前述のように13〜14である。ただし、本実施形態におけるこの圧縮比は一例であり、この値に限定されない。
(動弁装置400)
動弁装置400は、DOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)構造であり、図2に示したように、主に、前述の換気通路120を開閉する主弁420と、前述の吸気通路140と排気通路160の開閉を切り替える副弁440と、円筒状の内部空間を備え、この内部空間に主弁420と副弁440を収納する弁装置ケース460と、主弁420と副弁440を駆動する弁駆動機構470を備えて構成されている。なお、本実施形態では、一例として、動弁装置400をDOHC構造としたが、OHV(オーバー・ヘッド・バルブ)構造とすることもできる。以下、各部の構成を図2及び図3を参照しながら説明する。
(主弁420)
主弁420は、図2及び図3に示したように、換気通路120の長さ方向に移動して換気通路120を開閉する主弁本体421と、主弁本体421の一端に取付けられる主弁キャップ422と、主弁本体421と一体に移動する主弁リテーナ423と、主弁本体421と主弁リテーナ423の間に設けられ両者を連結する主弁コッタ424と、換気通路120を閉塞する方向に主弁本体421を常時付勢する主弁バネ425と、を備えて構成されている。本実施形態では、主弁420は、耐熱セラミック材料で構成されるが、これに限定されず、例えば、ステンレス鋼などでもよい。
主弁本体421は、前述のように、換気通路120の長さ方向に移動して換気通路120を開閉するものであり、長尺な棒状の主弁ロッド421aと主弁ロッド421aの先端に円錐状に広がった円錐状閉塞部421bとを備えて構成されている。円錐状閉塞部421bは燃焼室300内に配置され、主弁ロッド421aは換気通路120内に配置されている。円錐状閉塞部421bは、主弁本体421が換気通路120の長さ方向に移動すると、換気通路120を開閉するようになっている。
主弁キャップ422は、主弁本体421の主弁ロッド421aの先端に取付けられ、主弁本体421と弁駆動機構470とを連結するものである。
主弁リテーナ423は、弁装置ケース460の長さ方向に沿って移動可能に設けられている。この際、主弁リテーナ423の外周が、弁装置ケース460の後述する上部ケース462の内側にガイドされる。後述する球面受け金487で発生する横滑り力でキャップ422に横力が掛かることによって、主弁420の主弁ロッド421aと後述する副弁ガイドバー442との滑り抵抗が大きくなり、損失が発生して燃費の悪化と耐久性の低下が発生する。しかし、主弁リテーナ423の外周が上部ケース462の内側にガイドされるようにすることにより、主弁420の主弁ロッド421aと後述する副弁ガイドバー442との滑り抵抗が大きくなることを避けることができる。
以下に、主弁リテーナ423の外周が上部ケース462の内側にガイドされる構成が有利である点をさらに説明する。このような構成とすることにより、径寸法の大きい主弁リテーナ423が上部ケース462にガイドされるため、径寸法の小さい主弁ロッド421aでサイドスラスト力を受けるよりも、滑り損失が有利になる。仮に、主弁ロッド421aでサイドスラスト力を受けると、主弁ロッド421a側はスラスト発生点から距離が長くなるため、曲げモーメントも大きくなり抵抗回避に不利になる。さらに、主弁リテーナ423側の方が主弁ロッド421a側よりも主弁ロッカアーム482からの潤滑油の流れを受け易く潤滑が常に確保されるので耐久性が高くなる。なお、主弁ロッカアーム482と主弁420間に発生するサイドスラスト力はキャップ422と球面受け金487と主弁ロッカアーム球面受け金487でほとんど吸収されるが、本実施形態の主弁ロッド421aが長いので、主弁リテーナ423の外周が上部ケース462の内側にガイドされる構成とするのが有利である。
また、主弁リテーナ423の中心部が主弁コッタ424を介して主弁本体421に連結されており、これにより、主弁リテーナ423と主弁本体421は、弁装置ケース460の長さ方向に沿って一体に移動する。
主弁バネ425は、主弁リテーナ423と、弁装置ケース460に固定されている後述の弁バネ受け466との間に設けられている。主弁バネ425は、自然長より予荷重を掛けたセット長で主弁リテーナ423が弁装置ケース460の上端に配置されるようになっている。また、主弁バネ425は1重の樽型のバネである。これにより、主弁バネ425は、バネ高さが削減されており、不等ピッチによりバネ有効巻き数が削減されてサージング防止効果が向上している。
(副弁440)
副弁440は、図2及び図3に示したように、換気通路120の長さ方向に移動して吸気通路140と排気通路160を開閉する副弁本体441と、一端が副弁本体441に取付けられる副弁ガイドバー442と、副弁ガイドバー442の他端に取付けられる副弁キャップ443と、副弁ガイドバー442と一体に移動する副弁リテーナ444と、副弁ガイドバー442と副弁リテーナ444の間に設けられ両者を連結する副弁コッタ445と、吸気通路140を閉塞する方向に副弁本体441を常時付勢する副弁バネ446と、を備えて構成されている。本実施形態では、副弁440は、耐熱セラミック材料で構成されるが、これに限定されず、例えば、ステンレス鋼などでもよい。以下、各部の構成を図1〜図4を参照しながら説明する。
副弁本体441は、前述のように、換気通路120の長さ方向に移動して吸気通路140と排気通路160を開閉するものである。副弁本体441は、吸気通路140と排気通路160を閉塞する吸気通路140と同じ直径寸法の通路閉塞部441aと、副弁本体441の軸心部分に形成され、副弁ガイドバー442が連結される副弁ガイドバー連結部341bから構成される。通路閉塞部441aと副弁ガイドバー連結部441bの間には4つの挿通孔441cが形成されており、これら挿通孔441cを介して換気通路120と、排気通路160が連通する。なお、本実施形態では、挿通孔441cを4つ設けたが、挿通孔441cの数は適宜設定される。
副弁ガイドバー442は、一端が副弁本体441に取付けられて、副弁本体441を移動させる。副弁ガイドバー442は中空に構成されており、副弁ガイドバー442の中空には、主弁420の主弁ロッド421aが軸方向に相対移動可能に挿通するように配置される。また、副弁ガイドバー442には、弁駆動機構470が連結される。
副弁キャップ443は、図3に示したように、中空に構成されており、副弁ガイドバー442の他端に一体に移動するように取付けられている。なお、図3中副弁キャップ443は、平面図と側断面図を示す。副弁キャップ443と副弁ガイドバー442は互いの中空が連通しており、主弁420の主弁ロッド421aは、副弁キャップ443と副弁ガイドバー442の中空に軸方向に相対移動可能に挿通している。
副弁リテーナ444は、弁装置ケース460の長さ方向に沿って移動可能に設けられている。また、副弁コッタ445は、副弁リテーナ444の中心部と副弁キャップ443との間に設けられて、副弁リテーナ444と副弁キャップ443とを連結する。これにより、副弁リテーナ444と副弁本体441は、弁装置ケース460の長さ方向に沿って一体に移動する。
副弁バネ446は、副弁リテーナ444と、弁装置ケース460に固定されている後述の弁バネ受け466の間に設けられており、自然長より予荷重を掛けたセット長で副弁リテーナ444が弁バネ受け466の下端に配置されるようになっている。また、副弁バネ446は1重の樽型のバネである。これにより、副弁バネ446は、バネ高さが削減されており、不等ピッチによりバネ有効巻き数が削減されてサージング防止効果が向上している。
(弁装置ケース460)
弁装置ケース460は、図2に示したように、上部ケース462と下部ケース464を上下方向に連結することによって構成されている。図3に示したように、上部ケース462と下部ケース464は、ともに円筒状の内部空間を備え、上部ケース462には主弁リテーナ423が移動可能に嵌め合わされ、下部ケース464には副弁ガイドバー442が移動可能に嵌め合わされる。なお、図3中上部ケース462は、平面図と、側断面図を示す。弁装置ケース460は、弁装置取付けボルト468と弁装置取付けナット469によってシリンダヘッド100aに固定されている。また、弁装置ケース460は、これの内部に配置されて上部ケース462と下部ケース464に固定される前述の弁バネ受け466を備えている。弁バネ受け466は、天井部466aの中心が開口した天井付きの円筒状の形状をしており、外周に鍔部466bが形成されている。弁バネ受け466の天井部466aが前述の副弁バネ446の一端を支持しており、鍔部466bが前述の主弁バネ425の一端を支持している。
(弁駆動機構470)
弁駆動機構470は、図4〜図7に示したように、主弁420を駆動する主弁駆動機構480と、副弁320を駆動する副弁駆動機構490とを備えている。これにより、主弁420と副弁440とはそれぞれ独立して動作が制御される。
主弁420を駆動する主弁駆動機構480は、主弁カム481と、主弁カム481の回転によって揺動する主弁ロッカアーム482と、シリンダヘッド100aに設けられ、主弁カム481と一体回転する主弁カム軸483と、及び主弁ロッカアーム482を揺動自在に支持する主弁ロッカアーム軸484と、を備えて構成される。
一方、副弁440を駆動する副弁駆動機構490は、副弁カム491と、副弁カム491の回転によって揺動する副弁ロッカアーム492と、シリンダヘッド100aに設けられ、副弁カム491と一体回転する副弁カム軸493と、副弁ロッカアーム492を揺動自在に支持する副弁ロッカアーム軸494と、を備えて構成される。
主弁駆動機構480において、主弁カム481と主弁ロッカアーム482とは、主弁ロッカアーム482の一端に主弁ロッカアームローラピン485によって回転自在に支持された主弁ロッカアームローラ486を介して接続されている。これにより、回転する主弁カム481の外周形状の変化に対応して主弁ロッカアームローラ486を介して主弁ロッカアーム482の一端が上下動する。
また、主弁本体421と主弁ロッカアーム482の他端とは、主弁キャップ422に取付けられた主弁ロッカアーム球面受け金487を介して主弁ロッカアーム調整ねじ488と主弁ロッカアーム調整ねじナット489によって連結される。
これにより、主弁カム軸483と一体に主弁カム481が回転すると、主弁カム481の外周の形状に対応して主弁ロッカアーム482が揺動する。よって、主弁ロッカアーム482の他端が主弁本体421を軸方向に移動させて、円錐状閉塞部421bによる換気通路120の開閉が行われる。
また、副弁駆動機構490において、副弁カム491と副弁ロッカアーム492とは、副弁ロッカアーム492の一端に副弁ロッカアームローラピン495によって回転自在に支持された副弁ロッカアームローラ496を介して接続されている。これにより、回転する副弁カム491の外周形状の変化に対応して副弁ロッカアームローラ496を介して副弁ロッカアーム492の一端が上下動する。
また、図5〜図7に示したように、副弁本体441と副弁ロッカアーム492の他端とは、副弁ロッカアーム球面受け金497を介して副弁ロッカアーム調整ねじ498と副弁ロッカアーム調整ねじナット499によって連結される。
これにより、副弁カム軸493と一体に副弁カム491が回転すると、副弁カム491の外周の形状に対応して副弁ロッカアーム492が揺動する。よって、副弁ロッカアーム492の他端が副弁本体441を軸方向に移動させて、通路閉塞部441aよる吸気通路140と排気通路160の開閉の切り替えが行われる。
このような弁駆動機構470に、バルブタイミングコントロールシステム(VTC)やバルブ作動角・リフト連続可変システム(VEL)を設けることができる。これにより、各弁の開閉タイミングを完全に全運転領域で連続的に可変にすることができる。
なお、本実施形態においては、一例として、動弁装置400をシリンダヘッド100aに対して垂直に配置したが、シリンダヘッド100aに対して傾斜させて配置してもよい。動弁装置400をシリンダヘッド100aに対して傾斜させることにより、内燃機関10の全高を小さくすることができる。
次に、燃料噴射弁500とレーザ光発射器600について、再び図1を参照しながら、説明する。燃料噴射弁500とレーザ光発射器600は、図1に示したように、シリンダヘッド100aの動弁装置400を挟んで対向する位置に設けられる。なお、燃料噴射弁500とレーザ光発射器600の前記取付け位置は一例である。すなわち、シリンダヘッド100aの近傍であり、かつ動弁装置400を挟んで対向する位置であれば、必ずしもシリンダヘッド100aに設けられていなくてもよい。以下、燃料噴射弁500とレーザ光発射器600の構成について詳述する。
(燃料噴射弁500)
燃料噴射弁500は、高圧の燃料ノズルにより極めて速い噴射速度で燃料510を噴射するものである。燃料噴射弁500は、本実施形態では、前述のように、7MPa〜8MPaの圧力でメタン98%以上の天然ガス燃料を噴射し、衝撃波を伴う超音速流を生成する。このような極めて速い噴射速度で燃料510が噴射されることにより、混合促進や乱れの増加が発生し、燃焼期間が短くなる。なお、燃料噴射弁500から噴射される前述の燃料510の種類及び噴射圧力は、一例であり、燃料510としては、天然ガス以外の気体燃料や、ガソリンなどの液体燃料を用いることもでき、噴射圧力は、燃焼室の形状や大きさに応じて適宜変更される。
(レーザ光発射器600)
レーザ光発射器600は、可変集光レンズ機構付きレーザ光発射器であり、図1に示したように、動弁装置400を挟んで燃料噴射弁500と対向する位置に設けられる。可変集光レンズ機構は、センサと制御ソフトで制御されるものであり、集光位置を瞬時に調整することで、複数の点で火種(火炎核)を生成させる。レーザ光発射器600は、照射した強力なレーザ光610を可変集光レンズで集光し、後述する圧縮工程での高温・高圧下に照射して、その集光部にプラズマ熱を発生させる。このプラズマ熱で燃焼室300に噴射された希薄ガスに火種を生成する。このとき、集光位置を瞬時に調整することで複数の点で火種を生成する。
以上、本実施形態の内燃機関10の構成について説明した。次に、内燃機関10の動作を、図8を参照しながら説明する。本実施形態において、内燃機関10は(1)吸入工程、(2)圧縮工程、(3)縮燃工程、(4)排気工程を1サイクルとする燃焼サイクルで動作する。各工程における内燃機関10の動作について、以下に詳述する。
(1)吸入工程においては、図8(a)に示したように、主弁駆動機構480の駆動により、主弁本体421は下降して、換気通路120を開放する。また、副弁駆動機構490の駆動により副弁本体441は上昇して、吸気通路140を開放する。そして、換気通路120と吸気通路140が開放された状態で、ピストン駆動機構244によりピストン200が上死点から下死点まで下降する。これにより、図8(e)に示したように、燃焼室300の内圧が負圧になるため、吸気通路140と換気通路120を通って燃焼室300内に新気が吸い込まれる。ピストン200が下死点まで移動した時点で、吸入工程が終了する。吸気工程の終了後、引き続き圧縮工程に移行する。
(2)圧縮工程においては、図8(b)に示したように、主弁駆動機構480の駆動により、主弁本体421が上昇して、換気通路120を閉塞する。主弁本体421が換気通路120を閉じると、引き続き、副弁駆動機構490の駆動により、副弁本体441が下降し、吸気通路140を閉じて、排気通路160を開放する。主弁本体421が換気通路120を閉じると、ピストン200が下死点から上死点まで上昇して、図8(e)に示したように、燃焼室300の空気を圧縮する。この圧縮により、燃焼室300の空気は高温になる。圧縮工程が終了すると、燃焼行程に移行する。
(3)燃焼工程においては、図8(c)に示したように、動弁装置400は、主弁420が換気通路120を閉塞し、副弁440が吸気通路140を閉塞した状態を維持している。一方、燃焼室300では、図8(e)に示したように、圧縮工程において圧縮されて高温となった空気に対して、燃料噴射弁500が、高圧の燃料510を、ピストン200のキャビティ220に衝撃波を伴う超音速流の噴射速度で噴射する。これにより、空気と燃料の等量比が0.52〜0.48の希薄混合気が燃焼室300に集まる。このように集まった燃焼室300の中心部付近の希薄混合気にレーザ光発射器600から照射されたレーザ光610がレンズで集光される。燃焼室300の空気は、圧縮工程で圧縮されて高温・高圧となっているため、レーザ光610の集光部にプラズマ熱が発生する。高エネルギのプラズマ熱は希薄混合気内で火種(火炎核)を生成する。このとき、レーザ光610の集光位置を瞬時に調整することで、複数の点で火種が生成される。
このように、火種の生成箇所を複数の点とすると、燃料噴射弁500からの噴射燃料510の超音速流とスキッシュ流によって複数店で生成された火種の乱れを促進することができる。これにより、燃焼の拡散が促進されて、燃焼の時間が短縮される。よって、より燃料の希薄化を進めることができるため、燃費を向上することができる。燃焼室300では燃料の燃焼により、燃焼ガスが膨張し、ピストン200が、図8(e)に示したように、下死点まで押し下げられる。ピストン200の加工に伴って、燃焼室300の圧力が低下する。燃焼行程が終了すると、排気工程に移行する。
(4)排気工程においては、図8(d)に示したように、主弁駆動機構480の駆動により主弁本体421は下降して、換気通路120を開放する。また、副弁駆動機構490の駆動により副弁440は、燃焼行程中と同様に排気通路160を開放した状態を維持する。ピストン200は、図8(e)に示したように、下死点から上死点まで上昇し、燃焼ガスが換気通路120と排気通路160を通って燃焼室300から押し出される。これにより、排気工程が終了し、1つの燃焼サイクルが終了する。この後、引き続き次の燃焼サイクルに移行するが、その際、主弁420と副弁440が動作するタイミングを制御して、排気から吸気への切り替えのタイミングが調整される。これは、主弁420と副弁440の移動速度が主弁駆動機構480と副弁駆動機構490によって制限されるため、排気工程の終了後に各駆動機構480、490を駆動させると、排気から吸気への切り替えのタイミングがずれるからである。次に、排気から吸気への切り替えのタイミングの調整について、主弁420と副弁440の動作を図9を参照しながら説明する。
排気から吸気への切り替えは、次にように行われる。すなわち、図9に示したように、ピストン200が上死点に到達する直前である排気工程の終了直前に、副弁駆動機構490によって副弁440を上昇させる。これにより、燃焼室300では、燃焼ガスが排出されるとともに、新気が吸気される。新気の吸気量は、副弁440の駆動開始直後は少ないが、副弁440が上昇し、吸気通路140を開放していくとともに排気通路160を閉塞していくにしたがって、多くなっていく。そして、排気工程が完全に終了した時点では、最大量の吸気が行われる状態になっている。このように、排気工程の終了直前において、弁重合が行われ、排気工程と吸気工程とが重なり合うように、副弁440が動作するため、排気から吸気への切り替えタイミングが良好になる。これにより、ガス交換効率が向上し、燃費が向上する。
このように、主弁420と副弁440を別の駆動機構480、490で駆動させることにより、排気から吸気への切り替えのタイミングを調整することができ、ガス交換効率が向上し、燃費が向上する。
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、シリンダヘッド100aの中心に主弁420を配置することで、既存の吸排4弁の内燃機関に比べて、約1.7倍の有効通路面積が得られる。これにより、新気が燃焼ガスを排気へ追い出す量を増やすことができる。よって、ガス交換効率の装置費用対効果が大きくなる。さらに、残留ガスの残存は次サイクルでの異常燃焼(ノッキングなど)に影響するが、シリンダ100内の残留ガスの残存量が少なくなるため、異常燃焼発生の確率を少なくすることができる。これにより、希薄燃焼領域を拡大させることができるため、燃費が向上する。
さらに、シリンダヘッド100aの中心に主弁420を配置することで、シリンダヘッド100aいっぱいに大きな円錐状閉塞部421bを配置することができる。このため、有効通路面積が大きく取れることに加え、主弁420に沿って吸気通路140と排気通路160が配置されていることにより、燃焼室300側を冷たい吸気で常に冷却しているので、動弁装置400が高温にならない。これにより、シリンダヘッド100aを大幅に冷却しなくもよいので、冷却損失が少なく、熱効率が向上する。
これにより、燃焼温度が高いほど熱効率が良くなるが、高温を長時間持続させると燃焼室構造部材が持たないため冷却するので冷却損失が大きくなり熱効率が低下する、という従来の内燃機関が有する課題が解決される。
さらに、熱効率が良くするために燃焼温度を高くしたいが、温度が高いと有害な窒素酸化物が多量に生成され規制値をクリアすることが出来ない、という従来の内燃機関が有する課題も解決される。
また、本実施形態によれば、燃焼室300は、換気通路120を介して吸気通路140と排気通路160に連結されているため、燃焼室300のシリンダヘッド100a側に排気熱と吸気熱の温度差が生じにくい。このため、燃焼温度が安定して異常燃焼が起きにくく、着火安定性が向上する。また、燃焼温度が安定して異常燃焼が起きにくい分圧縮比を上げられるので、熱効率が向上する。
これにより、ガソリンの場合は圧縮比を上げると熱効率は良くなるが自己着火して燃焼制御が出来なくなりノックを起こしてエンジンが破壊される、という従来の内燃機関が有する課題が解決される。
また、例えば、6気筒を4気筒にサイズダウンして機械損失を低減し、燃費を良くして同等以上の馬力を得る場合、ターボ過給で1.5倍以上平均有効圧を上げる必要がある。このとき、有効通路面積が小さいと、目標有効圧を得ることが難しい。しかし、既存の吸排4弁の内燃機関に比べて、約1.7倍の有効通路面積が得られるため、既存の吸排4弁の内燃機関に比べて、シリンダ100の径を小さくしても目標有効圧を得ることが可能となる。
さらに、主弁420は、主弁カム481と主弁ロッカアーム482とを備えた主弁駆動機構480によって駆動され、副弁440は、副弁カム491と副弁ロッカアーム492とを備えた副弁駆動機構490によって駆動されるため、各弁420、440の開閉タイミングを独立に全運転領域で連続的に可変できる。
また、燃料噴射弁500とレーザ光発射器600とは、シリンダヘッド100の動弁装置400を挟んで対向する位置に設けたため、レーザ光発射器600により複数の点で生成された火種は、燃料噴射弁500から噴射された燃料の超音速流とスキッシュ流で乱れが促進される。このため、着火安定性が向上するとともに、燃焼時間を短縮することができる。よって、燃料の希薄化を進めることができるので、燃費が向上する。
また、主弁420の円錐状閉塞部421bと、副弁440の通路閉塞部441aと、着座するシートは吸気工程において吸入空気によって清掃される。このため、従来吸排気弁の特に排気弁シートは燃焼ガスでカーボンが堆積しシートが早期磨耗しやすいが、本実施形態では主弁420と副弁440のシートが常に清浄に維持される。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、主弁420は、主弁カム481と主弁ロッカアーム482とを備えた主弁駆動機構480によって駆動され、副弁440は、副弁カム491と副弁ロッカアーム492とを備えた副弁駆動機構490によって駆動される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。3000rpm以上の高回転の内燃機関に適用できるものであれば、他の駆動機構によって駆動されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、燃料噴射弁500とレーザ光発射器600とは、シリンダヘッド100aの動弁装置400を挟んで対向する位置に設けられる構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。燃料噴射弁500とレーザ光発射器600とは、シリンダヘッド100aの近傍であり、かつ動弁装置400を挟んで対向する位置であれば、例えば、シリンダ100の側壁などに設けてもよい。
また、上記実施形態では、主弁バネ425と副弁バネ446を1重の樽型のバネとしたが、これに限定されず、2重バネにしてもよい。2重バネにすることにより、1重の樽型のバネと同様に、バネ高さを低くし、サージングによる荷重の変動を少なくすることができる。なお、2重バネには、コストや取り付けスペースの確保などがデメリットとなることもあるので、どのようなバネを用いるかは、適宜選択することができる。
また、上記実施形態では、燃料に天然ガスを使用する例を示したが、これに限定されず、ガソリンやディーゼルでもよい。
また、上記実施形態における燃焼方式はレーザ光発射器600によるものであるが、これは一例であり、例えば、予混合圧縮着火の燃焼方法など、他の燃焼方法も適用することができる。
また、上記実施形態において、ディーゼル燃料を用いる場合、レーザ光発射器600を用いず、レーザ光発射器600に代えて、燃料噴射弁500をさらにもう1つ設けて、2つの燃料噴射弁500を2つ用いるようにすることもできる。
さらに、例えば、上記実施形態においては、主弁420と副弁440の材質をセラミック製として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、主弁420は、主弁ロッド421aの内部をくり貫いてナトリウム材を封入して軽量化を図ったナイモニック弁とし、副弁420は、耐熱ステンレス鋼としてもよい。
本発明は、自動車、建設機械、鉄道車両、モーターボート、可搬式発電機、農林業機械などの内燃機関に利用可能である。
10 内燃機関
100 シリンダ
100a シリンダヘッド
120 換気通路
140 吸気通路
160 排気通路
200 ピストン
220 キャビティ
240 ピストン駆動機構
300 燃焼室
400 動弁装置
420 主弁
421 主弁本体
421a 主弁ロッド
421b 円錐状閉塞部
422 主弁キャップ
423 主弁リテーナ
424 主弁コッタ
425 主弁バネ
440 副弁
441 副弁本体
441a 通路閉塞部
441b 副弁ガイドバー連結部
441c 挿通孔
442 副弁ガイドバー
443 副弁キャップ
444 副弁リテーナ
445 副弁コッタ
446 副弁バネ
460 弁装置ケース
462 上部ケース
464 下部ケース
466 弁バネ受け
466a 天井部
466b 鍔部
468 弁装置取付けボルト
469 弁装置取付けナット
470 弁駆動機構
480 主弁駆動機構
481 主弁カム
482 主弁ロッカアーム
483 主弁カム軸
484 主弁ロッカアーム軸
485 主弁ロッカアームローラピン
486 主弁ロッカアームローラ
487 主弁ロッカアーム球面受け金
488 主弁ロッカアーム調整ねじ
489 主弁ロッカアーム調整ねじナット
490 副弁駆動機構
491 副弁カム
492 副弁ロッカアーム
493 副弁カム軸
494 副弁ロッカアーム軸
495 副弁ロッカアームローラピン
496 副弁ロッカアームローラ
497 副弁ロッカアーム球面受け金
498 副弁ロッカアーム調整ねじ
499 副弁ロッカアーム調整ねじナット
500 燃料噴射弁
510 燃料
600 レーザ光発射器
610 レーザ光

Claims (3)

  1. シリンダヘッドの中心に換気通路が設けられ、前記シリンダヘッドの側方に前記換気通路に連通する吸気通路及び排気通路が設けられるシリンダと、
    先端にキャビティが設けられ、前記シリンダ内を移動し、前記シリンダとの間に燃焼室を形成するピストンと、
    前記換気通路を開閉する主弁と、前記主弁に沿って移動し移動した位置に応じて前記吸気通路及び前記排気通路の開閉を切り替える副弁と、を備えた動弁装置と、
    前記燃焼室内に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    主弁カムと前記主弁カムの上方に設けられる主弁ロッカアームとを備え、前記主弁を駆動する主弁駆動機構と、
    副弁カムと前記副弁カムの下方に設けられる副弁ロッカアームと前記吸気通路を閉じる方向に前記副弁を付勢する副弁バネとを備え、前記副弁を駆動する副弁駆動機構と、
    を備え、
    前記吸気通路は、前記排気通路の下方に設けられており、
    前記副弁カムと前記副弁ロッカアームによって前記副弁が上方に移動したときに、前記副弁バネが縮み、前記吸気通路が開き、前記排気通路が閉じ、
    前記副弁バネの弾性力によって前記副弁が下方に移動したときに、前記排気通路が開き、前記吸気通路が閉じ
    前記主弁は、前記換気通路の長さ方向に移動して前記換気通路を開閉する主弁本体と、前記主弁本体と一体に移動する主弁リテーナと、前記主弁本体と前記主弁リテーナの間に設けられ両者を連結する主弁コッタと、前記換気通路を閉塞する方向に前記主弁本体を常時付勢するとともに前記主弁リテーナとともに一端が移動する主弁バネと、を備え、
    前記副弁は、前記換気通路の長さ方向に移動して前記吸気通路と前記排気通路を開閉する副弁本体と、一端が前記副弁本体に取付けられ、中空の軸心に前記主弁本体が軸方向に相対移動可能に挿通する副弁ガイドバーと、前記副弁ガイドバーと一体に移動する副弁リテーナと、前記副弁ガイドバーと前記副弁リテーナの間に設けられ両者を連結する副弁コッタと、前記吸気通路を閉塞する方向に前記副弁本体を常時付勢するとともに前記副弁リテーナとともに一端が移動する前記副弁バネと、を備え、
    前記主弁と前記副弁は、弁装置ケースに収納されており、
    前記弁装置ケースは、上部ケースと下部ケースを上下方向に連結することによって構成されるとともに、前記上部ケースと前記下部ケースに固定される弁バネ受けを備え、前記下部ケースが前記換気通路内に挿入された状態でシリンダヘッドに固定され、
    前記上部ケースには前記主弁リテーナが移動可能に嵌め合わされ、
    前記下部ケースには前記副弁ガイドバーが移動可能に嵌め合わされ、
    前記弁バネ受けは、前記主弁リテーナとともに一端が移動する主弁バネの他端と、前記副弁リテーナとともに一端が移動する前記副弁バネの他端とを支持するとともに、前記副弁リテーナが下端に配置されることを特徴とする、内燃機関。
  2. 前記燃料噴射弁から噴射された燃料に対して、前記燃焼室内の複数の点で火種を生成するレーザ光発射器を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記燃料噴射弁と前記レーザ光発射器とは、前記シリンダヘッド近傍であって、前記動弁装置を挟んで対向する位置に設けられることを特徴とする、請求項2に記載の内燃装置。
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