JP5779115B2 - シアン化合物の浄化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、シアン化合物の浄化方法に関する。
従来、シアン化合物の浄化方法として、物理的処理法、化学的処理法、および生物学処理法(バイオレメディエーション)が存在する。
例えば、汚染地下水を対象とした浄化を行う場合、汚染地下水を揚水して凝集沈殿処理する物理的処理方法が多く用いられてきたが、汚染箇所にある帯水層の地下水に含まれるシアン化合物濃度が低くなると浄化効率が低下し、浄化期間が長期化してランニングコストが大きくなる問題があった。
このため、汚染地下水の揚水処理技術の上記問題から、汚染物質が存在する地中の帯水層中で汚染物質を直接分解する原位置分解処理方法が着目されるようになった。この方法として化学的分解法と生物的分解法の2つの方法が存在する。
化学的分解法は、例えば、鉄塩、生分解性キレート剤、及びペルオキソ二硫酸塩を土壌に投入して土壌中でPCE等の汚染物質を処理する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
一方、生物的分解法は、遊離シアン(CN)が様々な微生物により分解できる性質を利用した技術である(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−82600号公報 特開2010−64017号公報
しかしながら、上記の化学的分解法では、比較的短時間にシアン化合物を無毒化できるが、汚染物質に対して約130〜270倍のモル濃度のペルオキソ二硫酸塩を使用し、大量の酸化剤が用いられるので、地盤中の環境を劇的に変化させてしまうおそれがある。
また、多量の酸化剤を用いることにより土壌pHが低下する可能性が有り、猛毒のシアン化水素ガスの発生リスクが高まり、安全面において実際の汚染箇所への適用にも課題がある。
一方、生物的分解法の場合、微生物が分解しやすいシアンの形態は遊離シアンであり、金属シアノ錯体、特に鉄シアノ錯体を対象とした場合は、微生物による浄化速度が低く、浄化期間が長期化する課題があった。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、金属シアノ錯体のような難分解のシアノ化合物を、極力環境負荷をかけずに効率良く分解することができるシアン化合物の浄化方法の提供を目的とする。
本発明に係るシアン化合物の浄化方法は、解離剤として終濃度を20mM以下とした過硫酸塩により金属シアノ錯体からシアンを遊離させた後に、該遊離シアンをシアン分解菌により浄化することを特徴とする。
ここで、金属シアノ錯体とシアン分解菌を含む浄化処理の系に、解離剤、もしくは解離剤を溶解させた水を供給して前記シアン分解菌を活性化させて前記土壌を浄化することとしてもよい。
さらに、シアン分解菌を導入してシアン化合物の浄化を促進させてもよい。
また、前記解離剤として過硫酸塩を含むものを用いてもよく、解離剤の終濃度を前記シアン分解菌が死滅しない濃度としてもよい。また、前記解離剤の終濃度を5mM以上、好ましくは10mM以上としてもよい。
前記シアン分解菌の増殖を促進させる化合物を導入して前記シアン分解菌の生育を制御しつつ浄化を行ってもよいし、前記浄化処理の系のpHを中性領域に保って浄化を行うこととしてもよく、pHを中性に保つための緩衝剤としてリン酸緩衝液を用いてもよい。
なお、「浄化処理の系」とは、解離剤により金属シアノ錯体からシアンを遊離し、遊離シアンをシアン分解菌により浄化処理する系の全てを意味し、本発明による浄化を実施可能な、例えばシアン化合物により汚染された対象土壌の帯水層内や、浄化槽等の容器の内部等も含む意味である。
(1)シアン分解菌はシアン化合物を資化する能力を有していることから、解離剤として終濃度を20mM以下とした過硫酸塩により金属シアノ錯体から資化しやすい遊離シアンに変えることで、シアン分解菌が活性化され、シアンの浄化を促進させることができる。
その結果、物理的処理法(揚水処理法)と比較して、難分解性の金属シアノ錯体が存在する場合でも浄化期間を短縮し、ランニングコストを抑えることができる。
また、化学的処理(酸化分解法)と比較して、使用する薬剤が少なく、コストを抑えることができる。また、従来方法と比較して地盤中のpHを低下させないため、シアン化合物のガス化を抑えることができ、安全面でも有用である。
さらに、地下水中のシアノ分解菌を含む各種の微生物を死滅させないため、環境負荷が小さく、長期的に浄化効果を高めることができる。
(2)金属シアノ錯体とシアン分解菌を含む浄化処理の系に、解離剤、もしくは解離剤を溶解させた水を供給することとすれば、浄化処理の系に供給された解離剤により浄化処理の系中の金属シアノ錯体からシアンが遊離するので、浄化処理の系中に生息するシアン分解菌が遊離シアンを資化して無毒化(分解)するとともに、遊離シアンの資化により浄化処理の系中のシアン分解菌が増加し、遊離シアンの分解を促進させることができる。この結果、浄化処理の系のシアンの浄化効率が高まる。
(3)シアン分解菌を導入して土壌の浄化を促進させることとすれば、既存のシアン分解菌が少ない場合や遊離シアンの資化能力が低い菌種の割合が多い場合等であっても、シアン分解菌による遊離シアンの分解能力を補って浄化を促進させることができる。
(4)そもそも解離剤は、金属シアノ錯体からシアンを遊離させる程の酸化力を有しておりシアン分解菌に対して毒性を示すものであることから、供給する解離剤の終濃度を前記シアン分解菌が死滅しない濃度とすれば、シアン分解菌が供給された解離剤により死滅することを抑制ないし防止することができる。また、解離剤の終濃度を、5mM以上、好ましくは10mM以上とすることで、全シアン濃度の減少傾向を大きくすることができる。
(5)前記解離剤として過硫酸塩を含むものとすれば、ヒドロキシラジカルに近い酸化力を有する硫酸ラジカルを発生させて金属シアノ錯体を分解できるとともに、シアン分解菌内で起こるロダニーズ酵素による下記化学反応における左辺の「S23 2-」の絶対量を増加させて下記反応を促進させることができる。この結果、遊離シアンの無毒化(分解)を早めることができる。
(化1)
23 2-+CN-→SCN++SO3 2-(式1)
(6)前記シアン分解菌の増殖を促進する化合物を導入して、前記シアン分解菌の生育を制御しつつ浄化を行うことで、栄養素不足によりシアン分解菌が増殖できずに浄化能力が低下することがなく、シアン浄化能を維持しながら浄化を行うことができる。
(7)浄化処理の系のpHをリン酸緩衝液等のpH緩衝剤により中性領域に保って浄化を行うこととすれば、シアン分解菌の生育環境に適したpH環境でシアンの分解処理が行われるので、pHによりシアン分解効率が低下することを防止できる。さらに、シアン化合物のガス化を抑制できるため、作業安全性が高まる。
加えて、浄化処理の系のpHが6以上に上昇すると、下式のように鉄(鉄シアノ錯体の難溶性塩(ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)))の一部が水酸化物になるとともに、一部が錯イオンとなり再び溶解することから、解離剤と反応しやすい状態となり、反応(図1参照)が促進されるので有利となる。
(化2)
Fe4[Fe(CN)6]3+12OH-→3[Fe(CN)6]4-+4Fe(OH)3(式2)
鉄シアノ錯体(フェリシアン)に過硫酸塩を共役させて遊離シアンと鉄イオン(III)とする解離処理と、解離処理により遊離したシアンがシアン分解菌により水、二酸化炭素及びアンモニアイオンに分解される一連の浄化を図示したものである。 過硫酸カリウム(KPS:Kalium (Potassium) Per Sulfate)の添加濃度別のシアン分解菌の増殖曲線を示す図である。 リン酸緩衝液(3mM)の系における、過硫酸カリウムの添加濃度別の全シアン濃度の経時変化を示すグラフである。 リン酸緩衝液(3mM)の系における、過硫酸カリウムの添加濃度別の遊離シアン濃度の経時変化を示すグラフである。 5mM又は10mMの過硫酸カリウムと0〜3mMのリン酸緩衝剤を含む混合溶液(27日経過後)のpHを示すグラフである。 シアン化合物で汚染された帯水層を浄化する浄化処理システムの概要を示す図である。
以下、図1〜6を参照しながら本発明に係る実施形態のシアン化合物の浄化方法について説明する。
本発明に係るシアン化合物の浄化方法は、解離剤により金属シアノ錯体からシアンを遊離させた後に、該遊離シアンをシアン分解菌により浄化することを特徴とする。
これにより、浄化処理の系において、金属シアノ錯体からシアンが遊離し、シアン分解菌にとって資化しやすい状態となる。遊離シアンが増えることでシアン分解菌が活性化され、遊離シアンの浄化をさらに促進させることができる。その結果、難分解性の金属シアノ錯体が存在する浄化処理の系でも浄化期間を短縮し、ランニングコストを抑えることができる。また、浄化処理による環境負荷も軽減される。
<解離剤>
本発明に使用可能な解離剤は、金属シアノ錯体からシアンを遊離させることができる化合物や組成物等であり、バイオレメディエーションにおいて難分解性の鉄シアノ錯体の浄化速度を高めるものである。
解離剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンンモニウム、過硫酸リチウムのような過硫酸塩が挙げられる。
過硫酸塩の場合、過硫酸イオン(S28 2―)から硫酸ラジカル(2SO4 ―*)が生成され、この硫酸ラジカルにより金属シアノ錯体が3価の鉄イオンと遊離シアンとに分解される。
反応処理の系を略閉鎖した空間(浄化槽等の容器の内部等)で水処理する系として処理を行う場合には、過硫酸イオンに対して紫外線を照射することにより硫酸ラジカル(SO4 ―*)を効率よく発生させることができるので、浄化処理の系内にUV照射設備を設けて併用することとしてもよい。この場合、過硫酸塩から生じた硫酸ラジカルの寿命は極端に短いので、浄化処理の系にある水媒体に過硫酸塩が添加された後に直ちに攪拌することが望ましい。また、水処理を行う場合の水温は、硫酸ラジカルが自己分解しにくい温度条件に維持することが望ましい。
(解離剤の濃度)
解離剤は、金属シアノ錯体からシアンを遊離させる程の強い酸化力を有しており、シアン分解菌に対して毒性を示すことから、浄化処理の系の解離剤の濃度、つまり解離剤の終濃度をシアン分解菌が死滅しない範囲の濃度とすることが望ましい。具体的に、解離剤として過硫酸塩を用いる場合には、終濃度20mM以下とすることが好ましい。
この濃度はシアン分解菌の菌種(薬剤耐性等の属性)や菌濃度、解離剤の種類(酸化力の高低)等に応じて異なることから、それらに応じて適した解離剤の濃度とする必要がある。
解離剤がシアン分解菌に毒性を示すため、シアン分解菌と解離剤は別々に浄化処理の系に導入することが望ましいが、同時に導入せざるを得ない場合には、導入溶液中でシアン分解菌が死滅しない濃度とすることが好ましい。
帯水層Tを浄化する場合、帯水層T内を別々の浄化処理の系とすることが困難であるため、導入された解離剤は導入箇所を中心として帯水層T内に拡散し、解離剤の濃度が高いと帯水層T内のシアン分解菌数が激減するおそれがある。この場合、解離剤の濃度を抑えるか、解離剤の影響がなくなった後にシアノ分解菌を供給することで解決できる。
<キレート剤>
シアノ分解菌の生存や増殖に影響を与えない範囲で浄化処理の系にキレート剤を添加して遊離シアンが金属イオンと再結合して金属シアノ錯体を再生成するのを抑制することとしてもよい。
この場合、環境負荷を与えない観点から、生物分解性のキレートを用いることが好ましい。
キレート安定度定数(生成定数)を参照すると、シアンと鉄(II)イオンとのキレート安定度定数(生成定数)は24.0であり、シアンと鉄(III)イオンとのキレート安定度定数(生成定数)は31.0であるので、これに近い又はこれより高いキレート安定度定数(生成定数)のキレート剤、例えばTTHA(トリエチレンテトラミン六酢酸)等のキレート剤により鉄イオンをキレートして、浄化処理の系におけるフェロシアンやフェリシアンの再生成を抑制してもよい。
また、これとは別に生分解性のキレート剤とすれば、キレート剤の母体部分がシアノ分解菌に資化される対象であることから、生分解性のキレート剤が浄化処理の系に散在する金属イオンをキレートした状態のままシアノ分解菌に取り込まれる。その結果、菌体内に金属が取り込まれ、フェロシアンやフェリシアンが再生成されにくいものとなる。
さらに、シアノ分解菌の中には鉄が不足すると、鉄をキレートするシデロフォアを産生して鉄を取りこむ菌種も存在することから、このようなシアノ分解菌を鉄欠乏の培養液で培養した後に浄化処理の系へ投入して遊離させた鉄を菌体内に積極的に取り込ませるようにしてもよい。
<金属シアノ錯体>
金属シアノ錯体は、シアン化水素の金属塩と金属とが過剰のシアン化物イオン(CN)と結合したもので、一般式An[M(CN)x]yで表される。ここで、Mには銀(Ag)、金(Au)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)などの金属が該当し、溶液中に溶解、あるいは懸濁状で存在する。
金属シアノ錯体は、毒性は弱いものの生物分解されにくく、環境中に長期間残存するという問題がある。
シアン化合物の漏出源の例としては、金属加工工場、めっき工場、染色工場、石炭乾留ガス製造工場の跡地等である。このように、シアン化合物の漏出した場所は幅広く存在する。
シアン化合物の漏出場所から漏洩したシアン化合物の多くが深い地中に潜り込む前に地中の金属イオン等と錯結合で結びついて金属シアノ錯体に変化し、その一部が帯水層Tまで辿り着いて地下水を汚染する。
地盤中では、シアン化合物の多くが鉄イオンと錯結合で結びついて、フェリシアン(ヘキサシアノ鉄(III)酸)、フェロシアン(ヘキサシアノ鉄(II)酸)などの鉄シアノ錯体となる。これらは特に微生物分解されにくい。
これらの鉄シアノ錯体の微生物分解が長期化する理由として、他の金属シアノ錯体と比較して解離定数の値が小さく(表1参照)、シアノ基と鉄原子が強固に配位結合しているためと考えられる。
解離定数の小さい鉄シアノ錯体は他の金属シアノ錯体と比較しても分解速度が小さくなる。
そのため、上述したような解離剤から生じた酸化力の高いラジカルにより金属シアノ錯体の配位結合を効率良く破壊して、後述のシアン分解菌により分解させやすいシアンを遊離させることが有効となる。また、シアンが解離しやすく、シアン分解菌によるシアン化合物(遊離シアン、その他のシアン化合物)の分解もしやすいpH領域に浄化処理の系を維持するためにpH緩衝剤を導入することが浄化処理を行う上で有利となる。
<シアン分解菌>
シアン分解菌とは、その資化作用(化学反応を含む)によりシアン化合物を無毒化(化学変化:分解、化学修飾等)する菌種を意味する。無毒化には、遊離シアンをヒトに対して無毒なチオシアン酸イオン(SCN-)等の別の化合物に変えることが含まれる。
土壌の表層は空気に触れる部分が多く好気性細菌の割合が多いが、土壌の下層に向かうにつれて嫌気性細菌の割合が多くなる。その一方で、シアン化合物を無毒化する菌種としては、好気性の細菌株の方が多く知られている。
シアン化合物の無毒化が可能な好気性の細菌種としては、例えば、Acinetobactor sp.、Alcaligenes xylosoxidan、Arthrobacter crystallopoietes、Azotobacter vinelandii、Bacillus pumius、Escherichia coli、Fusarium sp、Nocardioides fulvus、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas putida、Pseudomonas stutzeri、Ralstonia eutropha、Starkey novelia、Thiobacillus thioparus 等が報告されている。
シアン化合物の無毒化が可能な嫌気性の菌種としては、C. violaceum(通性嫌気性細菌)が挙げられる。
ここで、通性嫌性細菌を用いる場合、酸素がある場合には酸素により呼吸を行い、酸素がないときは発酵でエネルギーを生成することから、土壌下層の酸素の少ない汚染箇所でも生存でき、その菌の導入後に酸素のスパージングにより、生息している菌の菌数の増減を制御しやすいという利点がある。
(遊離シアンの分解経路)
生じた遊離シアンは、汚染サイトの浄化処理の系に生息する又は導入した各種のシアン分解菌により分解される。遊離シアンを分解する経路は、いずれの分解経路でも多くの場合には、上述したような好気性細菌が浄化に関与する。これは、下記式中に示すロダナーゼ酵素を産出する微生物の多くは好気性細菌であることによる。
1)酸化的完全分解
(化3)
2HCN+2H2O+O2→2NH3+2CO2+2H2O(式3)
2)アルデヒドを利用した無害化
(化4)
6CN-+6CH2O+13.5O2→6CO2+3N2+3H2O+6HCO3 -(式4)
3)ロダナーゼ酵素によるチオ硫酸との無毒化
(化5)
2О3 2-+CN-→SCN-+SO3 2-(式5)
フェリシアンの分解により生じる遊離シアンの分解に好気性のシアン分解菌を使用する場合には、微生物を活性化するためにスパージング等で浄化処理の系に酸素供給をすることで反応系中のシアン分解菌を活性化させることが望ましい。
シアン分解菌の培養や生育促進には、基本的にシアン分解菌を好適に培養可能な公知の培養条件や栄養素を用いることができる。ここで、上述したように、鉄欠乏状態の培地で培養する条件とすることも可能である。
シアン分解菌の増殖を促進する化合物としての上記栄養素は、浄化する汚染サイトによって異なるが、無機塩としては、リン、窒素、チオ硫酸塩(特許4572135号公報参照)、有機物としては、有機酸、アルコール・アルデヒド(特開2010-64017号公報参照)などを用いることができる。
<帯水層への導入>
以下、金属シアノ錯体を含む処理対象の土壌に、後述する水や解離剤等を供給し、前記土壌中に生息する又は導入したシアン分解菌を活性化させて前記土壌を浄化する浄化処理システムを説明する。
図6に浄化処理システムの一例を示す。
<浄化処理システム>
浄化処理システム1は、解離剤、pH調節剤、シアノ分解菌の栄養素、シアン分解菌をそれぞれ単独もしくは複数同時に液体と混合して帯水層Tに供給する液体供給手段10と、シアン分解菌の生育に必要な空気を帯水層Tに供給する気体供給手段20と、帯水層Tの底の不透水層まで貫通するように縦方向に地中に埋設され、不透水層とともに汚染源Gを囲う止水壁50と、地下水を汲み上げて水処理を行う水処理手段40と、帯水層Tに供給した空気を集めて回収する気体回収浄化手段30と、等を有している。
<液体供給手段>
液体供給手段10は、解離剤、シアノ分解菌の栄養素、pH緩衝剤、及びシアノ分解菌等を帯水層Tに供給するためのもので、図6に示すように、地盤GL中に所定間隔で3箇所配設されたスパージング井戸1A〜1Cと、スパージング井戸1A〜1Cと送水管31を介して接続された液体貯留槽33と、液体貯留槽33と管K〜Nを介して接続された貯留槽A,I,U,Eと、送水管31や管K〜Nに設けられた送水ポンプ32、バルブ34及び水量計35と、pHメータ(図示省略)等とを有している。
なお、貯留槽Aは解離剤、貯留槽IはpH緩衝材、貯留槽Uはシアノ分解菌の栄養素、貯留槽Eは培養したシアノ分解菌をそれぞれ貯留している。
<スパージング井戸>
スパージング井戸1A〜1Cには、その下端付近に開口部を有した管が使用されており、当該開口部には土砂により塞がれることがないように、通気・通水が可能なスクリーン11が配設されている。
スパージング井戸1A〜1Cの下端は、汚染地下水の水面WL,WL’より深い位置に配置されるように、不透水層上面RLまで達している。なお、スパージング井戸1A〜1Cの各開口部の深度は、汚染地下水への気体ARと液体Wの供給が確実にできる深さ位置であれば上記の位置に限定されるものではない。
例えば、図6に示す状態で汚染源Gの下部が、ある程度浄化されて汚染源Gが減少して上部のみとなった場合、この汚染源Gの領域や形状に合わせてスパージング井戸1A〜1Cの各開口部の位置を変更し浄化効率を高めることも考えられる。スパージングされた空気の上昇力や押圧力により、汚染源Gの領域をより小さい領域に集中させるように、スパージング井戸1A〜1Cの各開口部の位置を変更して空気のスパージングを行なってもよい。
また、スパージング井戸1A〜1Cに用いる管やスクリーン11が金属製(特に鉄を含む金属)の場合、金属イオン(特に鉄イオン)の帯水層Tへの溶出を防止するために樹脂製の管やスクリーンを用いてもよい。これにより、浄化処理の系において、フェロシアン等の金属錯イオンの再生成を極力防止することができる。
<液体貯留槽>
液体貯留槽33は、帯水層Tに注入する液Wを調製するための槽であり、各貯留槽A,I,U,Eからそれぞれ独立して解離剤等の貯留液を液体貯留槽33に送出されてきた解離剤、シアノ分解菌の栄養素、pH緩衝剤、及びシアノ分解菌等を一時的に貯留する。
そして、液体貯留槽33は、水処理装置42から液体貯留槽33に循環してきた処理水に対して各貯留槽A,I,U,Eに貯留された各物質を混流させて液体Wを調製する。
なお、シアノ分解菌の貯留する貯留槽Eについてはシアノ分解菌の培養装置となっており、培養に関する各種機能(pH調整手段、回転翼、バブリング、給水等)を有している(図示省略)。また、この貯留槽Eは、培養したシアノ分解菌の菌体を保管する用途にも用いられる。
液体貯留槽33内で混合した液体Wは、送水ポンプ32、水量計35及びバルブ34により、スパージング井戸1A〜1Cのスクリーン11から、帯水層Tへ圧入供給される。
自動制御により、シアンの遊離や分解がしやすいpH領域、好ましくはpHが6以上となるように、pH緩衝剤等を投入してもよい。
<気体供給手段>
気体供給手段20は、酸素を含み、且つ、シアノ分解菌に悪影響を与えない気体ARを帯水層Tのシアノ分解菌に供給するものであり、この気体ARを圧縮するコンプレッサ22と、上記スパージング井戸1A〜1Cと、コンプレッサ22とスパージング井戸1A〜1Cを接続する送気管21と、送気管21に設けられたバルブ23、流量計24及び圧力計25等を有している。
上記期待のスパージングは、例えば、コンプレッサ22等の加圧力を利用して帯水層Tの中に加圧した気体AR注入することによって行うことができる。酸素を含む上記気体ARは、空気であっても良いし、地下水の溶存酸素(DO)を上昇させるために、純酸素を含む気体ARであっても良い。
図6に示すものでは気体ARとして空気を用いている。コンプレッサ22により圧縮された気体ARを、流量計24、圧力計25により確認しながらバルブ23により調節して供給する。
送気管21は、液体供給手段10Aの送水管31に連通接続されており、液体供給手段10Aと気体供給手段20とにより、液体Wと気体ARとを同時に帯水層Tに供給することが可能となっている。
<止水壁>
汚染源Gの領域を囲うように不透水層の上面RLに至るまで止水壁50が地盤に埋設されており、これにより、領域の地下水位WLが地下水位WL’まで上昇し、汚染源Gを地下水位WL’よりも低い位置に配置させることが可能となる。
つまり、止水壁50で汚染源Gを囲うことで、水分が存在しない地盤中の汚染源G部分に水分を行き渡らせて水系の浄化処理の形成を可能とするともに、この汚染源Gを包含した帯水層Tの一部を他の帯水層T部分から隔離し、一つの浄化処理の系を形成することができる。
同時に、シアン化合物の浄化処理の際に地下水流の影響を排除することができるとともに、汚染源Gからの汚染物質の系外への流出を防止することができる。なお、図6において手前側と奧側の止水壁50については図示を省略している。
止水壁50は、浄化処理の系への金属イオンの溶解を防止するために、上述の金属イオン溶出防止コートを施してもよい。
<水処理手段>
水処理手段40は、汚染地下水を揚水して水処理(シアン化合物の浄化を含む汚染物質の浄化処理による水質改善)を行うものであり、地下水を揚水するために帯水層Tの任意の地点に吸引口が位置するように配置された揚水井戸40と、揚水井戸40の下流端に接続された吸引用のポンプ43及び送水管41と、送水管41の下流端に接続された水処理装置42と、を有している。
水処理装置42は、その装置内において、汚染地下水中の汚染物質と濁質を浄化できるように構成されており、例えばシアン化合物であれば、凝集沈殿槽、中和槽、濾過槽などを組み合わせて処理する。
水処理手段40による水処理を行うことで、上述のように液体貯留槽33の貯留槽A,I,U,Eから供給される物質の溶媒として用いることができる。また、水処理装置42は液体供給手段10Aの送水管31に接続されており、図6に示すように水処理手段40を介した一方向の循環がなされている。
<気体回収浄化手段>
気体回収浄化手段30は、上記コンプレッサ22の気体ARの圧縮と同時に既に地中に供給した気体ARを吸引回収するための減圧をする真空装置62と、地盤GLの表層に形成した掘削穴12と、この掘削穴12に砕石を敷き詰めて形成した砕石層13と、砕石層13に設けられた排気管61、不図示のシアンガス等の気体浄化装置63等を有している。
帯水層Tに供給された気体は、浮力により帯水層T内を上昇していくが、この気体を回収しないと地盤内の圧力が上昇して地上面が盤膨れを起こす可能性がある。そのため、砕石層13よりこの気体を受け止めるとともに、砕石層13に設けた排気管61から気体を回収する。そのため、気体Aについても一方向の循環がなされる。
なお、回収する空気中にはシアン化水素等の有毒なガスが含まれる可能性が完全には否定できないため、大気放出を行う気体は活性炭処理塔などの浄化装置を通過させるなどの対策を行うと共に、定期的に気体中のシアン水素ガス濃度を測定することにより安全を確認する。
砕石層13には、浄化処理の区画を網羅するように通気孔が形成された排気管が脈状に設けられており、この排気管は地上に設置された真空装置に接続されて、その吸引力によりガスを収集可能となっている。
<シアン浄化処理>
浄化処理システム1の設置から撤去までは、汚染源Gの位置・領域を特定、汚染源Gのシアン化合物の濃度の計測、浄化区画の設定、スパージング井戸1A〜1Cの設置を含む上記各手段の設置、気体ARと液体Wの連続又は間欠投入によるシアン化合物の期間継続的な浄化処理とシアン化合物等の各種モニタリング、そして、シアン浄化処理の終了および上記各手段の撤去により行われる。
浄化処理システム1のシアン化合物の浄化処理の一例としては、帯水層Tに解離剤、pH緩衝剤、シアノ分解菌、その栄養素および気体ARをスパージングにより同時供給する工程、同時供給した後に浄化処理の系のpHをモニタリングしつつ上記所定のpHに維持する工程、同時供給の後に浄化処理の系のシアン分解菌の濃度をモニタリングしつつシアン分解に有効な菌濃度に維持する工程、により行うことができる。
各工程のpH維持やシアン分解菌の菌濃度の維持等については既に上で述べた通りであるので、その説明を省略する。
以下、シアン化合物の浄化方法の各実施例について説明する。
<過硫酸塩の濃度による地下水中の微生物の増殖試験(図2参照)>
シアノ分解菌の増殖が過硫酸塩なしの対照区に対して、どの程度影響が出るかを確認することを目的として試験を行なった。
[実施例1]
石炭ガス製造工場跡地から採取したシアン汚染地下水(鉄シアノ錯体の比率が95%以上)に、ペプトン、Nutrient Broth、酵母エキスをそれぞれ1g/Lの濃度で添加した。更に、過硫酸カリウムを添加(終濃度1mM)した後に、30℃で振盪培養を行い、経時的に濁度(つまり菌濃度)の計測を行なった。
[実施例2〜6]
実施例2〜6では、添加する過硫酸カリウムの終濃度を3mM(実施例2)、5mM(実施例3)、10mM(実施例4)、20mM(実施例5)及び40mM(実施例6)とした以外は、実施例1と同様に培養や濁度の計測等を行なった。
[比較例1]
比較例1では、添加する過硫酸カリウムを無添加(0mM)とした以外は、実施例1と同様に培養や濁度の計測等を行なった。
(結果と考察)
この結果、図2に示すように、10mM以下の過硫酸カリウム(実施例1〜4)では、シアノ分解菌の増殖が観測されたが、20mMの過硫酸カリウム(実施例5)では、ほとんど増殖ができなくなった。さらに、40mMの過硫酸カリウム(実施例6)では、殆ど増殖を示さなくなった。
10mMの過硫酸カリウム(実施例4)で、既にシアノ分解菌の増殖速度が低下し始めていることから、10〜20mM(実施例4〜6)の間で過硫酸カリウムの濃度に比例してシアン分解菌の増殖速度が低下していることが分かる。
過硫酸カリウムの濃度が20mMのときにシアン分解菌が増殖阻害を受けているので、解離剤として過硫酸カリウムを用いる場合は、終濃度を20mM未満とするのが好ましいといえる。
<実施汚染地下水を用いたシアン化合物の分解試験(図3参照)>
次に、実施汚染地下水に過硫酸カリウムを加えてシアン化合物の分解試験を行なった。過硫酸カリウムの濃度別に金属シアノ錯体からのシアンの遊離の程度を調べるとともに、過硫酸カリウムの濃度により変わるリン酸緩衝剤のpH緩衝作用の上記分解への影響を調べた。下記表2に各実施例および比較例のリン酸緩衝液と過硫酸カリウムの濃度を示す。
[実施例7]
過硫酸カリウムとpH緩衝剤(リン酸緩衝液、pH6.5、NaH2PO4:Na2HPO4・12H2O=68.5:31.5)を地下水に加えた場合のシアン化合物の分解傾向について検討した。
滅菌済みの120mL容のガラスバイアル瓶に、実施例1で用いた実汚染地下水を最終容量の50mL未満の所定量を加え、さらに全シアン濃度が終濃度で約1.6mg/Lとなるようにフェロシアン化カリウムを添加した。その後、リン酸緩衝液の終濃度が3mM、過硫酸カリウムの終濃度が10mMになるようにそれぞれの試薬を添加した後、実汚染地下水を加えて50mLとした。その後、ガラスバイアル瓶を密栓し、これを20℃の恒温室内で静置培養を行なった。
培養開始から0日目、3日目、7日目、18日目および27日目の浄化処理の系の全シアン濃度と全遊離シアン濃度をそれぞれ計測し、さらに27日後のpHについても計測した。これらの結果を図3〜図5に示す。
[比較例2、実施例8,9]
さらに、過硫酸カリウムの濃度を、5mM(実施例8)、3mM(実施例9)、0mM(比較例2)とした以外は、それぞれ実施例7と同様に試験を行なった。これらの結果を図3〜図5(実施例9、比較例2は図5で不図示)に示す。
さらに、リン酸緩衝液の濃度別のpH緩衝作用の影響(浄化処理系のpHへの影響)を調べるために以下の各例を行なった。
[比較例3、実施例10〜12]
リン酸緩衝液の濃度を1.0mMに変更し、さらに過硫酸カリウムの濃度をそれぞれ10mM(実施例10)、5mM(実施例11)、3mM(実施例12)および0mM(比較例3)とした以外は実施例7と同様に試験を行なった。この結果のうち、培養開始から27日後の実施例10,実施例11のみを図示する(図5参照)。
[比較例4、実施例13〜15]
リン酸緩衝液の濃度を0.5mMに変更し、さらに過硫酸カリウムの濃度をそれぞれ10mM(実施例13)、5mM(実施例14)、3mM(実施例15)および0mM(比較例4)とした以外は実施例7と同様に試験を行なった。この結果のうち、培養開始から27日後の実施例13,実施例14のみを図示する(図5参照)。
[比較例5、実施例16〜18]
リン酸緩衝液の濃度を0.3mMに変更し、さらに過硫酸カリウムの濃度をそれぞれ10mM(実施例16)、5mM(実施例17)、3mM(実施例18)および0mM(比較例5)とした以外は実施例7と同様に試験を行なった。この結果のうち、培養開始から27日後の実施例16,実施例17のみを図示する(図5参照)。
[比較例6、実施例19〜21]
リン酸緩衝液の濃度を0mMに変更し、さらに過硫酸カリウムの濃度をそれぞれ10mM(実施例19)、5mM(実施例20)、3mM(実施例21)および0mM(比較例6)とした以外は実施例7と同様に試験を行なった。この結果のうち、培養開始から27日後の実施例19,実施例20のみを図示する(図5参照)。
(結果と考察)
(全シアン濃度の推移(図3参照))
この結果、全シアン濃度の推移は、過硫酸カリウムを3mM添加した条件(実施例9)では、過硫酸カリウムを添加しない条件(比較例2)とほぼ同様であった。
一方、過硫酸カリウムの添加量が5mM、10mMと増加することにより(実施例8,実施例7)、全シアン濃度の減少傾向が大きくなった。
この結果から、過硫酸カリウムの添加濃度については、5mM以上が好ましく、10mM以上がより好ましいことになる。
(全遊離シアン濃度の推移(図4参照))
図4に示すように、5mM、10mMの過硫酸カリウムを添加した条件(実施例8,実施例7)では、培養開始後の数日間に遊離シアンの濃度が急に上昇し、その後、培養が進むと共に低下していく傾向が見られた。
これは、鉄シアノ錯体(フェロシアン)からシアンが遊離したことにより、一時的に遊離シアン濃度が上昇し、その後、培養の経過とともにシアン分解菌による遊離シアンの分解が促進され、遊離シアン濃度が低下したことによると考えられる。
図3を参照すると全シアン濃度が培養開始後約10日から急に低下していることから、図4に示すように、培養開始から10日までの遊離シアン濃度の上昇を受けて培養開始10日以降に実汚染地下水中のシアン分解菌による遊離シアンの資化が特に進んだと考えられる。
(pHの推移(図5参照))
図5に、5mMの過硫酸カリウムを添加した条件(実施例8、11、14、17及び20)と、10mMの過硫酸カリウムを添加した条件(実施例7、10、13、16、19及び21)について、リン酸緩衝液濃度別の培養終了後(27日)の培養液のpHを示す。
この結果、10mMの過硫酸カリウムを添加した条件の下で、リン酸緩衝液を用いていない条件(実施例19)の培養液がpH4まで低下したが、リン酸緩衝液の量に応じて培養液のpHが上昇し(実施例16、13及び10)、終濃度3mMのリン酸緩衝液を添加した培養液(実施例7)のpHは約6.5となり、シアン分解菌が生育しやすい略中性域となることが確認できた。
一方、5mMの過硫酸カリウムを添加した条件では、リン酸緩衝液を添加の有無に拘わらず、いずれも培養液のpHが略6.5に維持された。
これらの結果から、10mM以上の過硫酸塩を添加する条件下では、リン酸緩衝液等のpH緩衝剤を併用して浄化処理の系のpHをシアン分解菌の生育に好適な中性pH領域に調節することが好ましいといえる。
以上、本発明のシアン化合物の浄化処理方法を実施の形態および各実施例と比較例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
1 浄化処理システム
1A-1C スパージング井戸
10 液体供給手段
11 スクリーン
12 掘削穴
13 砕石層
20 気体供給手段
21 送気管
22 コンプレッサ
23 バルブ
24 流量計
25 圧力計
30 気体回収浄化手段
31 送水管
32 送水ポンプ
33 液体貯留槽
34 バルブ
35 水量計
40 水処理手段
41 送水管
42 水処理装置
43 ポンプ
44 揚水井戸
50 止水壁
61 排気管
62 真空装置
63 浄化装置
AR 気体
貯留槽A〜E
W 液体
RL 不透水層の上面
T 帯水層
WL 水面

Claims (7)

  1. 解離剤として終濃度を20mM以下とした過硫酸塩により金属シアノ錯体からシアンを遊離させた後に、該遊離シアンをシアン分解菌により浄化することを特徴とするシアン化合物の浄化方法。
  2. 金属シアノ錯体とシアン分解菌を含む浄化処理の系に、解離剤もしくは解離剤を含む水を供給して前記シアン分解菌を活性化させることを特徴とする請求項1に記載のシアン化合物の浄化方法。
  3. シアン分解菌を導入して浄化を促進させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシアン化合物の浄化方法。
  4. 前記解離剤の終濃度を5mM以上、好ましくは10mM以上とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシアン化合物の浄化方法。
  5. 前記シアン分解菌の増殖を促進させる化合物を導入して前記シアン分解菌の生育を制御しつつ浄化を行うことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のシアン化合物の浄化方法。
  6. 前記浄化処理の系のpHを中性領域に保って浄化を行うことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のシアン化合物の浄化方法。
  7. 前記浄化処理の系のpHを中性に保つための緩衝剤としてリン酸緩衝液を用いて浄化することを特徴とする請求項に記載のシアン化合物の浄化方法。
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